夕暮れる時 台風の端っこで虹を見た 駅から続く商店街の アーケードの切れるところ 開けた空に 大きな薄い虹が現れていた
あ 虹だ と 久しぶりにうっとり見上げているのは その辺りにわたしひとり
駅から歩いてきた人も 自転車を出し入れしている人も 果物店の前に立つ店主も客も スーパーから出てきた人も 誰も気づかない 誰も空を見上げない
思わず前を歩いている小さな男の子に 声をかけたくなった 虹だよ って
でも母親は 荷物を一杯重そうに下げていて 子どもを急き立てて歩いていたので 声をかける勇気が出なかった
誰かと見上げたかった 虹は人をつなぐと思っている 居合わせたひとを
あ 虹・・ ほら
そう指さしてくれるだけでいい
誰かが教えてくれたら 私はにっこりするから
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