消えてゆく小さなこと


消 え て ゆ く 小 さ な こ と

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1905年06月30日(金)

洗われた子猫は ふっかふかで
ふんわり膨らんで 
でも軽くなったようで
まるでまるで
掌にのせた雲のようでした
そしてぐっすりと眠っていた
気持ちよさそうに


1905年06月29日(木)

何かいい匂い と思えば
白のジンジャーが咲き出していた

春に植えたばかりの紫紺野牡丹がひとつ
勲章のように鮮やかに開いていた

一番に名乗りを上げたキミたち 
偉い!


1905年06月28日(水)

健やかな感性でいたくて
天窓を開く

言葉や物のやり取りでなく
魂を放ち
魂を受け容れて
感性で交信したい

大地からのメッセージも
空からのメッセージも
はるか海の向こうからでも
宙の彼方からでも

感性でなら
何とでも交信できる


1905年06月27日(火)

頭がどんよりと重い
白のシフォンのカーテンがゆれるその奥のように
何もかもはっきりとしない
考えることもその言葉も

目がはっきりとしない
見ているようで見えていない
意識は虚ろで旅をしている

そう 空から 
高い空から見下ろすように
私の魂が風になる

見えなくともいい
肌で感じることさえできれば と
いつか何処かで約束してしまったから

何と引き替えたのだろう
誰と交わしたのだろう その約束は
悪魔とか 天使とか それとも花とか小鳥とか

消えてゆく意識の底で
暗闇に長く尾をひいて流れた星
誰だったのだろう


1905年06月26日(月)

いけない
悪い口をもつのは

風は流れてゆく
誰かの耳元に告げる

ひとを嘲笑ってはいけない
どんなにひそやかな声も
遠くまで大きく響いている


1905年06月25日(日)

どうにもうまく収まらない
あちこち引っ掛かり始める
キミがスタートを急いだから
わけもわからぬうちに乗っかった
何とかなるという気もする
どうなるのという不安もたつ
なるように流れてゆくというキミの信条
よいのか悪いのか分からない
でもすでに動いているから
変えられない
変えることもない
それもよし
神のみぞ知る


1905年06月24日(土)

匂やかに花開く気がしたのに
途中で干からびてしまいそう
もっと水 もっと水
忘れずに水
潤えよ 潤えよ


1905年06月23日(金)

貴方の作品に
知識や情報を求めたのではなかったはず
夢の中へ広がってゆくような
不思議なときめきを有難うと言ったはず

深い森への道案内
知識や名声やお金のことなど関係なしに
美しい世界を見せてくれるはずだった
でも貴方はもう出掛けない
今の貴方が歩いてくるのは
フツーの世界のフツーの森


1905年06月22日(木)

秋の虫が鳴いていた
知らぬ間に夜風がこんなに涼しくなっていた
時間が急に忙(せわ)しげにみえる
冬がすぐに来てしまうのでしょうか
この秋にはしたいことがたくさんあるのです
決まってはいないけれど
たくさんしようと考えている
いろいろ冒険してチャレンジして
何かを変えたくて待っている


1905年06月21日(水)

ワールドレコードにときめいて
夜空を忘れていました
富士の空は晴れたのでしょうね
一週間も経って
夜風に吹かれて思い出しました
この夏はいったい何をしていたのでしょう
星というものを 全く見なかった気がします
星のとぶ夜を なくしました
夜はもう秋の気配


1905年06月20日(火)

ピンクのダイヤ
やわらかな気持ちを
忘れないで

やわらかなものへ憧れる気持ちを
もう一度

花珠の淡く真綿色して
しあわせのためにだけ
だいじにして


1905年06月19日(月)

その記事は私宛でしょうか
そんな過去の出来事 
関係あるでしょうか
持ち出す必要あるでしょうか
イニシアルを消してまで
通行人その一としてまで
私を


1905年06月18日(日)

カービングの小鳥のような不確かさが好きなのに
掌にのせて撫でて眺めて
そうやって息を吹き込んできたようなのが好きなのに

いつのまにか
あなたの作品は剥製の小鳥のようです

今まさに羽ばたきそうな小さな命の輝きではなく
命絶えたものを弔ったもののようです


1905年06月17日(土)

水底に見えるものを
とりたいけれど
あまりに透明で
深さがわからない


1905年06月16日(金)

すずやかな人に
また なりたいと思う
風の色を着たいと思う
大地の色ではなく
木々の色ではなく


1905年06月15日(木)

力をあわせて乗り越えた歴史を持つ人たちは いいね
わたしには持てないかもしれない
あなたと過去を語り合えるだろうか


1905年06月14日(水)

君が何かに毒されてゆくようで
それが怖い哀しい
黒い景色から引き止めたいのに


1905年06月13日(火)

君の直感はその人を暗いと言った
クライ
そういわれるひと 悲しいだろうね
重いとか沈むとか 人の気持ちはいろいろあるけれど


1905年06月12日(月)

金色のレースは華やか
(うたげ)ではないけれど

美しい は手にできなくても
きれい は捨ててはいけない


1905年06月11日(日)

あやしいものを見た
残酷な結果になった
苦しいです
君をどう捉えたらいいのだろう
ひとのことなど言っている場合ではない
陰でそんなことになってるとは
君がそんな処を歩いているとは
馬鹿はわたしだったようだ

人には
後ろがあって
裏側があって
見えると辛い


1905年06月10日(土)

ナッツと蜂蜜に元気をもらった
今度はカルピス

冒険してみた子猫は
母猫のお乳をもらった


1905年06月09日(金)

私は私
君は君
どちらが正しいというのでなく
どちらになれというのでもない
私は私
君は君でいい


1905年06月08日(木)

人は人に頼らずに生きることはできるのだろうか
ゴミすら人に頼る
移動も水もガスも電気も自力ではない
馬を育て飼葉も育て
自給自足ってそういうこと
家畜も野菜も薪もってこと
物の交換は助け合いの始まりで
やはり人は助け合って生きるしかない


1905年06月07日(水)

糸口がみつからないから
動かない

ハッピーエンドで終わるのも
そうでない終わりも
続く・・ で終わる終わり方もある


1905年06月06日(火)

オレンジでもなくピンクでもなく
パープルがかった深い色

初めて出会ったのに
ずっと前から探していたと思った


1905年06月05日(月)

キミの夢は次々にとびすぎてついてゆけない
でも判断は賢かった
君が賢いひとで嬉しいです


1905年06月04日(日)

しあわせかな
そうでないのかな
しあわせでない といいたくないから

げんきかな
そうでないのかな
げんきでない といいたくないから

行かない


1905年06月03日(土)

世の中全体が 
待つということをできなくなってきていると思う

時は金なりという言葉があるけれど
今、本当にそうだろうか
時間からお金を生むのでなく
お金で時間を生むのかもしれない今

早いもの便利なものに慣れるほどに
余裕がなくなっていくように思う
余暇ができたはずなのに
よりせっかちになって
待てなくなっているように思う
忍耐が弱くなって すぐ切れたりして
待つという粘りや伸びがなくなっていく感じ

待つことを楽しみとしたい
待つ時間を楽しみにしたい
そう思う
心のゆとりを自分でつくりたい
悠々と待てる人でありたい


1905年06月02日(金)

情報交換って
単に噂話?
それはそこにいない人の
陰口で
酷評で

それって 
やってのけた者に対しての
ヤッカミにしか見えないけど?

わたしは入らないよ
ばからしい


1905年06月01日(木)

もうすぐ
秋が立つというのに

気持ちだけ
少しさびしいけれど




天窓より          


−ともすれば消えそうになる自分を見失わぬよう−       

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− ささやかに −          

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日付は通し番号として記しています         


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