2009年04月29日(水)  ムックのフロクにワクワク

amazonで注文したムックが2冊届く。ひとつは先日の日記(>>>2009年04月08日(水) Q-potのお菓子なアクセサリー
)で紹介したアクセサリーブランドの初のムック『Q-pot.』。付録の「チョコッとエコバッグ」に一目惚れして、衝動買い。「1500円以上購入で送料無料」にすべく、あと一冊何を買おうかしらんと思ったとき、「この商品を買った人はこんな商品も買っています」の中に、同じく宝島社e-MOOKシリーズの『MILKFED. 2009 SPRING/SUMMER COLLECTION』を見つけた。若い女性をトリコにしているというMILKFEDなるブランドのことは知らなかったけれど、付録の「ハート総柄キャミソール+ショートパンツ+巾着の豪華3点セット」に惹かれて、同梱商品に選んだ。

厚みのあるダンボール箱を開け、一冊ずつ取り出し、付録ページへまっしぐら。付録の入った袋を両面テープでページに貼り付けてあるので、はがすとテープ部分がはがれてしまうのだけど、ビリビリと外しながら、ワクワク感は高まるばかり。子どもの頃に定期購読していた学研の月刊誌の付録を開けるときの興奮が蘇った。

お目当てのチョコっとエコバッグは、思ったよりしっかりした造り。「チョコレートのポーチの中からエコバッグが現れる」という説明を、わたしは「ポーチとエコバッグが分かれている」と理解していたのだけど、実際は一体型で、ポーチ部分がエコバッグの底になる。

2歳児娘のたまはチョコレートバッグに興味津々。早速うちにあるものを次々と放り込み、お買い物ごっこ。さらに、MILKFED.ムックの付録のハート柄キャミソールと短パンにも目を輝かせ、キャミソールをロングドレスのように着こなしたり、短パンを長ズボンの上から重ねばきしたり(本人は「いけてる!」と思ったのか、この格好で生協まで買い物へ出かけた)。

付録を娘に取られたので、わたしはムックのページをパラパラ。あれも欲しいこれも欲しいと目移りしてしまうQ-pot.はカタログを見るような楽しさ。女の子感満載のMILKFED.は、わたしにはスイートすぎるけど、ファッション誌感覚でほしのあきやしょこたんの着こなしを眺めている。

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2008年04月29日(火)  マタニティオレンジ276 上野動物園で小動物と遊ぶ
2007年04月29日(日)  マタニティオレンジ112 「自立とは」を考える
2002年04月29日(月)  宮崎あおい写真集『happy tail』にいまいまさこ雑貨


2009年04月28日(火)  『ぼくとママの黄色い自転車』完成披露試写

新宿バルト9にて、今井雅子脚本の6本目の映画『ぼくとママの黄色い自転車』の完成披露試写。上映前に主人公の沖田一家(父・一志役の阿部サダヲさん、母・琴美役の鈴木京香さん、息子・大志役の武井証くん)と井口喜一プロデューサーが登壇して、舞台挨拶。今回はロケ最終日の新横浜駅にお邪魔しただけで、ほとんど撮影には立ち会えなかったので、出演者の皆さんから撮影秘話や作品への印象を聞けるいい機会となった。

武井くんとは新横浜駅でちらっと挨拶したのだけど、愛らしくて利発で、インタビューの受け答えでは、「この映画を観て、やさしい人がふえますように」などとオトナをキューンとさせることを言う。どうしたらこんないい子になるの? 

阿部さんは京香さんとの夫婦役について、「自分でいいのかな」と謙遜し、「新宿歩いていても、いますよね。お前で、それかよ」と自らを不釣り合いなカップルをたとえて笑いを取っていたけれど、これがなかなかスクリーンでも舞台で並んでもお似合い。まず京香さんが決まり、相手役に阿部さんを起用した理由は「年上女房っぽいイメージがあって、秘密を抱えてうじうじと悩む姿が似合いそうと思った」と井口プロデューサー。長身の京香さんに合わせて、阿部さんは「はじめて雪舟というものをやらせていただきました」とのこと。

「この作品、小学校回ってもいいですよね。『飛べイカロスの翼』という作品を昔小学校で観て、すごく印象に残っているんですけど、あれも確かさだまさしさんが主題歌でした」と阿部さん。さだまさしさんが書き下ろした主題歌「抱きしめて」は、聴くだけで心の垢が取れそうな繊細で優しい曲。

京香さんは子どもと離れる決断を迫られる母親という難しい役を「ぜひ挑戦したい」と引き受けてくださったそう。ひとつひとつ言葉を選びながら語る姿に、「自分だったらどうするか」を問いかけながら琴美という人物を作り上げてくださったのだなと想像した。原作にある琴美の「奇跡」の一瞬を映画でも丁寧に描いているが、会場で配られたパンフによると、原作『僕の行く道』作者の新堂冬樹さんは初号試写で号泣して以来、京香さんの顔を見るとパブロフの犬状態で涙が出てしまうのだとか。

舞台挨拶最後は、大志の従姉(琴美の妹・西田尚美さん演じる里美の娘)役の安部美央ちゃんが、大志とともに旅に出る犬のアンを抱いて登場し、記念撮影。アンの目線をもらうのが難しく、「アン! こっちこっち! アンちゃん!」の呼びかけに応じたり応じなかったりが和やかな笑いを誘っていた。アンと武井くんを見ているだけで、微笑ましくて頬が緩んでしまう。

本編は初号試写(>>>2008年10月31日(金))ですでに観ていて二度目なので、前回よりは落ち着いて観られた。小豆島いいとこだなあ、公開の頃に行きたいなあなどと一観客の目で楽しむ。わたしのひそかなお気に入りは、母国語・関西弁が出てくる明石の場面。由美役の梅原真子ちゃんの小生意気さが、観ていて楽しい。全編関西が舞台の映画をやりたいなあと思った。

主題歌「抱きしめて」が流れるエンドロールの窓の中で展開するエピローグも、好きなシーン。赤いポストに出して、おうちのポストに届く手紙のアナログなチカラを信じたいわたしにとっては、この作品で「郵便」や「郵便局」が活躍していることもうれしい。電子メールも便利だけど、切手貼って投函して相手に届くまでの時間差のドキドキを味わえる手紙が、やっぱり好き。

益田祐美子さんの紹介でご一緒した(>>>2009年01月21日(水) キスかキフか? 非常時に強い女と自転車の会)小豆島ヘルシーランド株式会社社長の柳生好彦さんと株式会社ソフトウェア・ジャパンの女社長、高山里美さんの相合い傘クレジット(「企画協力」の下にお二人の名前が並ぶ)を確認でき、お二人にも再会できた。

『ぼくとママの黄色い自転車』は、8月22日公開で、ただいま前売り券発売中。公開日は奇しくも娘の3歳の誕生日なのだけど、今日の日記を書き終えて、5年前の4月28日の日記のタイトルが「黄色い自転車」だった偶然に気づいてびっくり。最近埃をかぶっているわが家の黄色い自転車、映画の宣伝も兼ねて乗ろうかな。


2009年04月27日(月)  脚本のネタにもならない話

2歳児娘のたまが、家のどこからかハンコを拾ってきた。さくらの花びらの真ん中に「たいへんよくできました」のハンコ。広告会社時代、プレゼン用のレイアウト原稿を作るときの資料でデザイナーが買ったものをもらった記憶がある。

「ぺったんしたい」とたまが言うので、インクパッドを与え、おむつに押させることにした。いいウンチをあらかじめほめるとしよう。子どもはハンコが大好き。目を輝かせて、ぺったん、ぺったん。満足そうに「できた!」と差し出されたおむつを見ると、「たいへんよくできました」ではなく……

「ふつうです」となっていた。不意打ちを食らうと、おかしみが倍増する。「ふつうです」という謙虚さとおむつの組み合わせが、なんともおかしい。

その出来事の少し前、たまが夕食の席で突然「みんな、ぜいたくなんだから!」と怒った口調で主張を始めた。「何それ?」と聞くと、保育園のお友だちがそう言うのだと答えた。「そう言われたら、みんなどうするの?」と聞くと、「はい、そうですっていうの」としおらしい答え。2歳児が小さな頭を並べて反省している図を想像して、吹き出した。

さらにさかのぼって、昨日のこと。ベランダに向かって、たまが「カメラもってるひと〜」と連呼し、うちの子がついに壊れたかと心配したら、プランターに立っている「カメラを構えたm&m人形」(写真左奥)に呼びかけていた。

こういうエピソードは、当事者を知っていている家族だから面白いのであって、わたしが笑いながら披露しても、人にはあまり受けない気がする。だから、脚本のネタにもならなさそうだけど、ささいなネタだからこそ書き留めておかないと忘れてしまいそうだ。

ネタにもならない話といえば、休日にダンナが「今日も君はサシスセソだね」と言い、「なんのこっちゃと思ったら、「サシスセソ」=「サ行」=作業(仕事)のことだった。

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2008年04月27日(日)  シナトレ9 ストーリーを面白く(おいしく!)する5つのコツ
2007年04月27日(金)  マタニティオレンジ111 「祝・出産 祈・安産」の会
2004年04月27日(火)  二級建築士マツエ
2002年04月27日(土)  映画デビュー!「パコダテ人」東京公開初日


2009年04月26日(日)  宮崎メロンと朝ドラ「つばさ」

宮崎メロンが届いて5日。食べごろになったので、冷蔵庫で一時間冷やして、いただく。「冷やし過ぎ禁物」ということを同封のしおりで知った。いつもは先割れスプーンで食べるのだけど、娘のたまのために包丁で細かく切って食べたところ、なぜかこのほうがおいしく感じる。断面がシャープなほうが甘みを増すのか、不思議。

ところで、「宮崎」「メロン」と朝ドラ「つばさ」は縁が深い。明日からの第5週「運命の人」で明らかになるけれど、思いを確かめたと思った矢先、翔太が入団テストに受かったのは宮崎ポロナティーヴォ(宮崎名物の地鶏に引っかけたポルトガル語のネーミングだったような……)というチームで、いきなり遠距離恋愛か、それとも……という展開。5週のキーアイテムは「サッカーボールの携帯ストラップ」と甘玉堂名物の「あまたま」。この二つを結ぶキーワードは「ベターハーフ」。果たして、つばさにとって翔太はベターハーフと言える運命の人なのか、ご注目。

そして、翌週第6週では、なぜかメロンが活躍。宮崎メロンかどうかは不明だけど、メロンでこれでもかというぐらい遊んでしまうところが「つばさ」らしい。

連続テレビ小説「つばさ」(月)〜(土)放送中
【放 送】総合・デジタル総合 8:15〜8:30
     デジタル衛星ハイビジョン 7:30〜7:45
     衛星第2 7:45〜8:00
【再放送】総合・デジタル総合 12:45〜13:00
     衛星第2 19:30〜19:45 (土)9:30〜11:00(一週間分)


【今日のおやつ】大分菊家の「和っぷりん」

昨日の「ぷりんどら」と同梱で購入した菊家の和っぷりん。どら焼きの皮ではなく、「ナボナ」のような皮でプリンを挟んでいて、プリントの相性はこちらのほうがいい気もする。ネーミングは「チャップリン」とかけているのか? 抹茶味のプリンで「チャップリン」という商品があってもおかしくない。

ダンナの実家にも「和っぷりん」と「ぷりんどら」を一箱ずつ持っていったところ、「珍しい。こんなの初めて」と喜ばれた。ちょっとした手土産によろしいかも。


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2008年04月26日(土)  マタニティオレンジ275「これ、なぁに?」
2007年04月26日(木)  マタニティオレンジ110 保育園のPTAはイベント盛りだくさん
2002年04月26日(金)  『アクアリウムの夜』番外編:停電ホラー


2009年04月25日(土)  小津安二郎と今井雅子が並ぶの図

小津安二郎と今井雅子の名が並ぶことなど、まずないと思っていた。相手は巨匠、そのうえ故人であり、お仕事や会合でご一緒するのも難しい。そう思い込んでいたので、二つの名前がくっつきあっているのが目に飛び込んだ瞬間、「!」となった(これは便利な表現で、脚本のト書きでも、〈目の前の光景に「!」となる〉などと使われる)。

わたしが所属している日本シナリオ作家協会では、会員が委託すると、著作権使用の許諾を代理でやってくれる。会員が著作権を持っている脚本作品がテレビ放映されたり、DVD化されたりする際、協会が窓口になってテレビ局などから出された使用申請に許諾を与えるのだが、「この会員のこの作品の使用を○○社に許諾しました」という実績一覧が定期的に送られてくる。小津安二郎氏の著作権管理も協会が行っていて、小津氏が脚本を手がけた『お茶漬けの味』とわたしの『天使の卵』の許諾の順番が隣り合わせた偶然により、名前が並んだのだった。

京橋フィルムセンターの小津安二郎生誕百年特集で『東京物語』と『麦秋』を観たのが、2003年11月30日(日) のこと(>>>日記)。あれから、はや6年。『お茶漬の味』は未見。

【今日のおやつ】大分菊家の「ぷりんどら」

新聞の折り込みチラシのデパート催事情報で目が合った菊家ぷりんどら。「プリンとどら焼き、好物の夢の競演はいかに?」と「プリンがどうやってはさまっているのか?」の興味の亜答えを求めて、早速お取り寄せ。崩れないしっかりプリンながら、味や食感は自然という不思議。ほどよい甘さで、後味は軽やか。でも、どら焼きにあんこがないと、なんだか淋しい気持ちになることを発見。あんこ入りぷりんどらだと最強かも。

それにしても、少し昔は催事でやってくるのをつかまえるためにデパートへ足を運ばなくてはならなかったのに、デパートのチラシで知ったお店からネットで直接買えてしまう時代。これではデパートの売り上げは伸び悩むなあと便利さを喜びつつ心配になる。


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2008年04月25日(金)  マタニティオレンジ274 予算の使い道は未来の使い道
2007年04月25日(水)  教え子四人とシナリオ合評会
2005年04月25日(月)  美保子さんちで桃を愛でる会
2003年04月25日(金)  魔女田本「私、映画のために1億5千万円集めました」完成!
2002年04月25日(木)  田村あゆちの「ニュースカフェ」に演


2009年04月24日(金)  自宅で穫れたてしいたけ!

「フーデニング」(foodening)なるけったいな言葉を新聞で知った。ガーデニングとフードを合体させた「食べられるものを育てる」という意味だとか。フーデニングというだらしなさそうな響きで損している気もする(フードニングのほうがおいしいものが育ちそう)が、それはともかく、いま静かなブームなのだという。

一時期ベランダ・ガーデニングに凝ってた頃は「ロシアンルーレット・ガーデニング」と称して、食べた野菜や果物の種を手当たり次第蒔き、運が良ければ収穫を楽しみ、食える種蒔図鑑という傑作サイトも愛読していた。出産後、手が回らなくなってベランダ農園が全滅してからは遠ざかり、キッチンの窓辺でセリやハーブを育てる程度になっていたのだけど、記事を読んで、よし、また育ててみるかという気になった。早速、セリとパセリをベランダのプランターに移し、バジルとミントの苗を買ってきて、農園再開。

さらに、「自宅でしいたけを栽培できるキット」が市販されていることを同じ記事で知り、そそられる。霧吹きで水をやるだけで手軽に収穫できるとは魅力的。楽天で調べてみると、しいたけの他にもエリンギやしめじの栽培キットまで出ている。いくつか比較した上で、「岡山いー果物産直便」というお店の【送料無料】しいたけ栽培セットを購入。菌床ブロックとトレイと栽培説明書というシンプルな内容で、ちまちましたオマケがついてこない素材勝負な素朴さに本格を感じた。

4月19日、どかんと届いた菌床ブロックは重みずっしり。いちごパックみたいなプラスチックの受け皿がついているが、個人的にはこれもないほうが潔い。オードブル皿に移し、直射日光の当たらない冷暗所(暑さが大敵)ということで玄関に置く。

21日の朝には、にょきにょきと白い頭が出てきた。乾燥しないよう気をつけるのがコツらしく、一日3〜4回こまめに霧吹きをかけ、「おおきくな〜れ」と気功で気を送る。
一日経って、22日には「いつの間に!」と目を見張るほど成長。これは楽しい。
そして、23日。スタメンきのこは、またまた成長し、新顔もふえた。
初収穫で2本もぎとり(なるべく根元を残さないようにとのこと)、お味噌汁の具にしてみる。新鮮でプリプリの柄もしっかり食べられ、おおこれは松茸のような食感。いつもはしいたけをいやがる娘のたまは、育てている間も「たまちゃん、これ、ばべられないの」と言っていたくせに、自分も霧吹きをしたので親近感を持ったのか、「ばべてみる」と言い出し、ひと口食べると、「もっとばべる!」。食べものが育つ過程を見せたり、世話させたりすると、興味を持って食べてくれるというのは本当なんだなあ。

収穫時期を遅らせると傘が開いてきて大きなしいたけが穫れるらしい。この先もしばらくにょきにょき出て来るようなので(運が良ければ何か月にもわたって収穫が見込めるそう)、小さなしいたけ山を楽しもうと思う。日本のしいたけに飢えている海外在住の友人に送っても喜ばれそうだけど、しいたけ菌は検疫で引っかかるかしら。

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2008年04月24日(木)  マタニティオレンジ273 アルバム絵本『かまくらへいきました』
2007年04月24日(火)  4000人と出会った男、大阪へ。
2002年04月24日(水)  天才息子・西尾真人(にしお・なおと)


2009年04月23日(木)  不二家のショートケーキと不二子のごそっとコピー

ウキちゃんの整骨院で院長が施術しながら、知り合いから聞いた「嘘みたいな本当にあった話」をしてくれた。その昔、豊島区大塚にあったドラッグストア「フジヤ」へおつかいを頼まれた少年がいた。
「フジヤで消毒液買ってきて」
だが、少年はなかなか戻って来ない。
「不二家でショートケーキ買ってきて」
だと勘違いして、不二家のある町まで出かけていたらしい。
「作り話かと思ったら、知り合いの同級生だったその少年にこないだ会って、ほんとだったんです」と院長。

その話を聞いて、広告会社で働き始めた頃の失敗を思い出した。上司に
「コピー5セット取ってきて」
と言われてなかなか戻ってこなかったわたしは、
「コピーごそっと取ってきて」
だと勘違いして、「こんなもんかな」と大量のコピーを取っていた。
このネタは2006年夏に放送したテレビ朝日の土曜ミッドナイトドラマ『快感職人』第3話、冴えないOL松野不二子(松下恵)編で使った。
お、偶然だけど、不二家と不二子。

不二家つながりで、ひと月ほど前に食べたペコちゃんチョコレート。娘のたまがダンナ父と銀座の不二家でデートして、パフェを食べてきたときのおみやげ。パフェをつつきあう年の差70歳のカップル。じいじのことだから「あーん」と食べさせてあげ、パフェよりもとろけていたに違いない。

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2008年04月23日(水)  マタニティオレンジ272 二語でおしゃべり、たま1歳8か月
2007年04月23日(月)  はちみつ・亜紀ちゃんのお菓子教室でお買い物
2005年04月23日(土)  根津神社のつつじまつり
2004年04月23日(金)  くりぃむしちゅー初主演作『パローレ』(前田哲監督)
2002年04月23日(火)  プラネット・ハリウッド


2009年04月22日(水)  反抗期とぼやきのたま2歳8か月

2006年8月22日生まれの娘のたまは、今日で2歳8か月。保育園のお友だちやじいじばあばやテレビなど、あらゆるものを先生にぐんぐん吸収した日本語で、かなり高度なやりとりができるようになった。とくに切り返しがうまくなったというのが、この頃の進化。ギャフン(死語?)とわたしが言い負かされることがふえた。どこで覚えたのか、「やーだよー」と実にイヤ〜な感じで言うのが口癖になったので、「それやめようね。感じ悪いよ」と注意し続けてたら、「かんじわる〜い」が口癖に加わってしまった。

親に楯突く語彙が豊かになったのと同時に、微妙な「ぼやき」もうまくなった。たとえば、昨日の保育園からの帰り、大雨のなか無理矢理手を引きながら歩いていたときの会話。
わたし「ちゃんと歩きなさい。ほら、みんな歩いてるでしょ」
たま「あるいてないよ。じてんしゃだよ」
わたし「(うぐ!)……」
確かに、行き交う子供連れはレインコートにママチャリ。
たま「あーあ、たまちゃんもじてんしゃのりたいな」
わたし「……」
たま「ママとのれるやつ のりたいな。こどものかごがついたやつがいい。これはだめ」
などと歩道に停めてあるママチャリを見ながらブツブツ。さらに、
たま「どうして きょう たまちゃん ながぐつじゃないの?」
わたし「ごめんね。朝ニュースで天気予報見るの忘れたね」
たま「おかしいねえ。ちゅばさは みたのにね」
とイヤミが飛び出す。「つばさ」を見て天気予報をチェックしなかった母が悪うございました。

そして、帰宅してからの保育園ごっこでは、いつもは朝の登園の場面から始まるのに、「ニュースをみる」から始めるという念の入れよう。この先ずっとこの調子でやりこめられるのだろうか。知恵がつくというのは楽しみでもあり怖くもある。

「ペラペラとよくしゃべるのにまだおむつ」という子育て川柳を新聞で見たのは一年ほど前だったか。今はまさにそんな時期。保育園から持ち帰るおむつがゼロの日が続いた頃もあったのに、今は後退。でも、何度かに一度は事前にお知らせしてくれて、おむつの買い物は減った。トントン(おっぱい)は今月も卒業せず。無理にやめさせることもないかと思って気長につきあっているけれど、こんなに長くなるとは。ここまでわたしを必要としてくれるのは今だけかなあと思うと、親もなかなか卒乳できない。

あと4か月、8月22日で、たまは3歳。その誕生日と今井雅子の6本目の長編映画『ぼくとママの黄色い自転車』の公開日が重なった。作品もかわいいわが子、たいせつに育てていかないと。

今夜の子守話は、「あかくなった」シリーズ5連発。ピロートークというかわいい言葉を思い出し、子守話に「ピロピロ」とあだ名をつけた(小麦粉は「こなこな」、魚の骨は「ほねほね」などと繰り返すのがわが家流)。子守話だからピロートークではなくピローストーリー(pillow story)だろうか。たまは早速「ピロピロして」と使っている。先日の「あかいありんこ」の話が印象に残ったのか、「むしさん あかくなったのピロピロして」に始まり、いろんなものが赤くなるお話を次々とリクエストされた。

子守話60「むしさん あかくなったのおはなし」

あわてんぼの まっくろむしは ころんでばかり
すってんところんで ぬりたての あかいペンキのうえに ちゃくちした

まっかになった あわてんぼむしは
またまた すってんころりん ひっくりかえって
あかいせなかに くろいすなつぶひとつ ひっついた 

しばらくあるいて またまたすってんころりん
ころぶたびに せなかに くろいすなつぶが ひっついて
ななかいころんで あかいせなかに ななこのくろいてんてん
ななほしてんとうむしの できあがり

子守話61「ひよこさん あかくなったのおはなし」

たまちゃんが ケチャップのチューブをいきおいよくおしたら
ピュウッと ケチャップがとびだして
とんでいったさきは ひよこさんの きいろいはね。
ひゃ〜たすけて〜。
ひよこさんはびっくりして はねをバサバサ。
するとケチャップがとびちって からだじゅうがケチャップまみれ。
トマトのにおいの あかいひよこさんの できあがり。

子守話62「くまさん あかくなったのおはなし」

おおきなおおきななべで たまちゃんは
いちごジャムをぐつぐつと にました。
あまいものがだいすきなくまさんが 
いいにおいにさそわれて やってきて
たまちゃんがいなくなったところに こっそりつまみぐい。
あんまりおいしいので もうひとくち もうひとくちと
たべているうちに たいへん たまちゃんがもどってきました。
くまさんはあわててジャムのなべのなかにドボン!
なべをのぞきこんだたまちゃんは
「あれれ? ジャムがふえてる。おかしいな」
そのとき いきがくるしくなったくまさんが
ジャムのなかからかおをだし たまちゃんはびっくり。
「もう、くまさんあじのジャムなんか、たべられないよ!」
ジャムのあかいいろにそまったくまさんは 
たまちゃんにこっぴどくしかられました。そして おわびに 
あたらしいジャムをつくるいちごをつみにでかけました。
あかいろのくまさんは おおきなおばけいちごみたい。
みつばちがあつまってきて 
くまさんにくっついたジャムをたべようとするので
くまさんは からだじゅうを はちにさされてしまいました。
もうにどと つまみぐいはしないぞと 
くまさんはべそをかきながらちかいました。

子守話63「ちょうちょさん あかくなったのおはなし」

ちょうちょさんの しろいはねが あかくなったのはどうしてかな
あかいはなびらが しろいはねのうえに まいおりたからかな
それとも あかいはなのみつをのんで しろがあかにそまったのかな
それとも すてきなちょうちょにこいをして はじらったからかな

子守話64 「ぞうさん あかくなったのおはなし」

いじわるなおうさまが おしろでかっている ぞうがいました。
おしろのにわは ひろびろとしていましたが
ぞうはなかまがいなくて ひとりぼっちで まいにち ないていました。
「おうさま どうか おしろのそとに だしてください」
ぞうは おうさまにおねがいしましたが
おうさまは おおきなぞうを おきゃくさんにじまんしたいので
ぞうを てばなしたくありませんでした。
「だめだ だめだ」
「どうしても だめでしょうか」
「そこまでいうなら おまえがあかいぞうになったら じゆうにしてやろう」
ぞうがあかくなるなんて ぜったいにむりだとおもって
おうさまは むりなちゅうもんをしたのです。ところが ぞうは
「じゃあ きょうのゆうがた もういちどおこしください
 あかいぞうに なってみせます」
ときっぱりと いってのけました。
そのひのゆうがた おうさまが にわにやってくると
そこには まっかなぞうがいました。
そのうしろには おおくて まっかな ゆうひがありました。
ぞうのからだは ゆうやけいろにそまって あかくなっていたのです。
おうさまは やくそくどおり ぞうをおしろのそとにだしてやりました。
ぞうはよどおしあるきつづけ あさがきて ひるになってもあるきつづけ
まるいちにちかかって なかまのぞうがいるのはらにたどりつきました。
ちょうど ゆうひがおちてくるじかんで
たくさんの あかいぞうが はなをふりまわして 
よくきたねと かんげいしてくれました。



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2008年04月22日(火)  シナトレ8 コンクールでチャンスをつかめ! 
2007年04月22日(日)  植物は記憶のスイッチ
2002年04月22日(月)  ワープロ


2009年04月21日(火)  魔の二歳児の阿呆踊りと「アフォーダンス」

4月16日の読売夕刊で「アフォーダンス」という言葉を知った。乳幼児が周囲の環境を利用しながら成長する過程を環境の側からとらえる試みが紹介されていて、たとえば「赤ちゃんがタンスでつかまり立ちできるようになる」を、「タンスは赤ちゃんに対してどのような役割を果たしているか」と検証する。このとき、タンスにつかまることによって赤ちゃんが立てたことを、「タンスのアフォーダンス」と呼ぶ。

アフォーダンスは「〜するチカラがある」を意味するaffordから派生した言葉(綴りはaffordance?)で、「人間などの動物に、何らかの動作を可能にさせる環境的な要素のこと」と記事では定義されていたが、手頃なネーミングはないものか。ダンス(箪笥)に引っかけて、「動作引き出し」はどうだろう。

子育てにおいては見方を変えると気が楽になることが多いが、子どもの動きをモノ側からとらえてみるという発想の転換は、知的好奇心も刺激してくれる。もう少し早く知っていれば、寝返りやハイハイができるようになるまでを観察する楽しみがふえたのにと残念だけど、今からでもアフォーダンス的視点を取り入れてみよう。

わが家の魔の二歳児娘は、このところ床掃除用のコロコロローラーがお気に入りで、長い柄を如意棒のごとく振り回して物をなぎ倒したり、壁をドラムにしたり、注意した親にも襲いかかったりと、手のつけられない孫悟空になっている。ベッドの下に隠しても、いつの間にか見つけ出し、また振り回す。これもアフォーダンス的視点でとらえれば、柄つきローラーの存在が「握る」「振り回す」「叩く(奏でる?)」「攻撃する」「隠されたことに気づく」「探す」「ベッドの下をのぞきこむ」「手を伸ばす」「取り戻す」といった動作を引き出していることになる。「悪知恵を働かせる」という困った成長もアフォーダンスの賜物。そう考えると、迷惑千万な孫悟空阿呆ダンス(踊り)も少しはありがたくなる……気がする。

話はちょっとそれて、テレビのニュースや新聞でも騒がれている「一夜にして有名になった普通のおばさん」スーザン・ボイルさんの出演映像をYouTubeで観た。「垢抜けない」風貌であるという先入観以上の冴えないおばさん(第一印象はおじさんのようでもある)がタレント発掘番組に登場。見た目も受け答えもショービジネスの世界から最も遠いところにいるような彼女から放たれる天使のような歌声のギャップに、冷ややかだった観客や審査員が心底驚き、身を乗り出して行く。5分強の間に大どんでん返しを見せてくれるシンデレラストーリー。選んだ曲が「I DREAMED A DREAM」(夢破れて)というのも出来過ぎ。どんな名脚本と名女優の組み合わせも実話にはかなわないなあとしみじみ感心するとともに、歌のチカラも再確認。朝ドラ「だんだん」の「いのちの歌」も、「みんなのうた」の「あなたがすき」(大地真央さんの声がまた良い!)も、流れてくるだけで涙腺が緩む。年を取ると涙もろくなるというのはほんとで、心の共鳴装置のスイッチがすぐ入ってしまう。

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2008年04月21日(月)  マタニティオレンジ271 本を破った。はじめてぶった。
2007年04月21日(土)  マタニティオレンジ109 ご近所仲間とたま8/12才
2002年04月21日(日)  貧しい昼食


2009年04月20日(月)  日本°語で言葉°遊ぴ

脚本デビュー映画『パコダテ人』に登場する「函館スクープ」の記事を公開しているページが「いまいまさこカフェ」サイト更新時のミスで隠れレページになっていた。早速リンクを貼り直し、ついでにページのデザインもリニューアル。〈トップページ〉→〈 words〉→ 〈函館スクープ〉へどうぞ。このところ玄関からカフェを訪問するお客さんが減っているので、その宣伝も兼ねて。

デビュー作に作者の色がよく現れるというのは確かにそう思う。脚本家デビューのきっかけをつかんだオーディオドラマ『雪だるまの詩』はわたしがずっと考えて来た「生きるって何?」の答えだし、映画デビュー作の『パコダテ人』は「個性って何?」というこれまた大きな関心を寄せるテーマに、大好きなファッションと言葉遊びを組み合わせた。ハヒフヘホ・バビブベボをパピプペポに変換するパコダテ語の力の抜けた字面と響きには、楽しいことはより楽しく、憂鬱や悩みは吹き飛ばす明るさと軽やかさがある。角度を表す「°」マークを漢字と組み合わせて、「母°の日°」「恥°ずかしい」などと遊んだのが懐かしい。「°」の有無で響きや意味や雰囲気ががらりと変わる日本語って、やっぱり遊びの天才だ。

ちょうど4/19付けの読売夕刊に『あいうえおパラダイス「ら」 らったらった らくだのらっぱ』。という絵本が紹介されていた。ら行の言葉だけを使った物語シリーズの9巻目で、「あ」行編にはじまり「か」「さ」「た」「な」「は」「ま」「や」行編もあるらしい。調べてみると、それぞれ「ら」「り」「る」「れ」「ろ」がつく言葉で書かれた5つの話が納められているとのこと。こういうことを思いついて9巻も作ってしまった作者・二宮由紀子さんの発想とパワーに、本を手に取る前から拍手。評者ひこ・田中さんは「『無茶な展開するなあ』と笑いながら読んでみて。言葉が愛おしくなってきますよ」と紹介。不自由なルールを設けると、制約の中で自由自在に動けるしなやかさを見せ、「そんなこともできるのか」とアクロバティックな潜在能力を見せてくれる点でも日本語は天才。

わたしもならって、「あ」ではじまる言葉で今夜の子守話を作ってみようと思い立つ。すべての単語を「あ」はじまりにするのは難しく(「あまいわな」など)、「あ」ではじまる文節止まりとなった。「アラブ」と「あぶら」がきょうだいみたいに似た言葉なのが、子どもの頃から不思議だった。

子守話58 あかいろのありんこたち

あまいかおりの あかいあめだま
あれは あくまがしかけた あまいわな
あわてんぼの ありんこたちが あつまってきて
あやしむまもなく あめだまに ありついた

あれあれ あらら あわわ あーめん 
あわてて あわくって あばれて あきらめて
あっというまに ありんこたちは あくまになった

あめだまみたいな あかいろの ありんこたち
あわれ あくまになった ありんこたち

子守話59  アラブのあぶらうり

アラブのあぶらうりが 
あらしのうみこえ あらわれたのは あるいなかまち
あらあら あきれた あぶらうり 
あさからばんまで あっちこっちへ あそびあるいて
あれじゃあ あきない あがったり
あれがほんとの あぶらうり


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2008年04月20日(日)  団体新婚旅行in熱海2日目
2007年04月20日(金)  マタニティオレンジ108 助産院で赤ちゃん同窓会 
2005年04月20日(水)  東京ハートブレイカーズ公演『黒くやれ』
2002年04月20日(土)  16年ぶりの再会


2009年04月19日(日)  お菓子なカップと「天使の卵」ネックレス

会ったことはないけれど、ダンナの知り合いという縁で福岡から応援してくださっているタケちゃんから楽しい贈りものをいただく。サイト「いまいまさこカフェ」にあまいもの好きで雑貨好きなわたしの好みが色濃く出ているせいか、初対面でも「こういうものお好きですよね?」と言い当てられることが多いのだけど、今回のタケちゃんセレクト雑貨は、「ケーキがマグカップになっている」という最強な組み合わせ。ひっくり返すとケーキの形だけど、飲むときはイチゴがカップの足になって立つというデザイン。

chocolat fraises(ネットで調べると「DECOLE chocolat fraises」と記されていることが多いのだけど、DECOLEのサイトには見当たらず)というシリーズのstrawberry cake mugcupという商品で、色違いのモカとストロベリー。さらにpudding cup&saucerもつけていただき、親子3人家族のティータイムに打ってつけ。わたし以上に興奮したのが2歳児娘のたまで、「すごーい。さかだちするとケーキだよ。たまちゃんはプリンね」と大喜び。

さらに、もうひとつ、「天使の卵」のネックレスをいただく。映画『天使の卵』の原作には同名のピアスが登場する。タケちゃんが店員さんに「『天使の卵』の脚本の人にあげるんです」と話したら、わたしの名前を知っていたそう。卵に羽根が生えたデザインで、朝ドラ「つばさ」を観てくれているタケちゃんは、「『つばさ』も生えていて、完璧ですね」。

【お知らせ】明日からの「つばさ」第4週は「つばさよ、あれが恋の灯だ」

周波数が見つかり、ラジオの仕事は開局に向けて加速。「川越演奏所」あらため真瀬が考えた新しい名前は「リトル・オールド・トーキョー・ウェーブ」。この名前を気に入って口ずさむ真瀬がキュート。この長ったらしい名前の反省が「ラジオぽてと」というシンプルなネーミングに落ち着くのは5週のこと。

そして、タイトルにもある翔太との「恋」も急進展。恋のときめきは隠せなくて、先っぽに出てしまうもの。この週を観れば、三十路終盤のわたしも二十歳の頃の恋を思い出し、「マスカラぐらいつけますから」(>>>2009年03月21日(土)の日記)な気分に。日本の先っぽキラキラ人口がふえますように。

今週の注目アイテムはイルミネーション。季節はクリスマス。恋の灯に彩られる川越は、ため息ものの美しさ。恋するつばさのうるうるの瞳には、ロマンティック度倍増といったところ。

1〜3週を演出したチーフディレクターの西谷真一さんに続いて、4週、5週は大橋守さんが演出。茶の間のテーブルの角度が変わったり、こだわるポイントに個性が見えたり、演出の違いを楽しむのも面白いかも。

連続テレビ小説「つばさ」(月)〜(土)放送中
【放 送】総合・デジタル総合 8:15〜8:30
     デジタル衛星ハイビジョン 7:30〜7:45
     衛星第2 7:45〜8:00
【再放送】総合・デジタル総合 12:45〜13:00
     衛星第2 19:30〜19:45 (土)9:30〜11:00(一週間分)


NHKさいたま放送局FM番組「さいたま情報ランチ」では毎週月曜「今週の『つばさ』〜ここでしか聞けない“見どころ紹介”〜」と「『つばさ』のまち便り」を発信。サイトでも聴けるのでぜひ。



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2008年04月19日(土)  団体新婚旅行in熱海1日目
2007年04月19日(木)  焼きたてのパンのにおい
2005年04月19日(火)  ありがとうの映画『村の写真集』
2002年04月19日(金)  金一封ならぬ金1g


2009年04月18日(土)  親しき仲こそ言ってはいけないこと

何気ない一言で、すうっと気持ちの底が冷えて、目の前の相手が一気にすごく遠い人のように感じる瞬間がある。今日、ひさしぶりにそれを味わった。

長年つきあっている気の置けない相手に、機嫌良く鼻歌なのか冗談なのかを発声していたら、不意打ちのように「君は声が悪いね」と言われ、面食らった。喧嘩の勢いなら憎まれ口だとわかるし、冗談を言い合っていてつい口が滑ったとしても、まだ理解できる。「私、歌手になろうっかな」「無理だよ。声が悪いもん」なら悔しくても納得はできる。だけど、いきなり真顔で冷静に告げられると、聞き流せない重みを帯びてくる。

何十年も聞かせてきたこの声をそんな風に思ってたのかというショックを受け、昔は心地よかった声が今は不快になったのだろうかと訝り、それはわたしへの気持ちを反映させているのかと悲しくなり、いじけ、口をきく気がなくなってしまった。深い意味がないのだとしたら思いやりがなさすぎるけど、意図があるとしたら、もっと怖い。

以前にも耳を疑う言葉が飛んで来て、ひどく傷つけられたことがあり、気持ちを鎮めるために日記に書いた(>>>2007年06月12日(火) 想像力という酵母が働くとき)。今日の何倍も胸に刺さる言葉で、今でもその7文字を思い出すと苦しくなるが、そのときも「どうしてこんなこと言うの?」とは聞けなかった。

応援する気になれない芸能人のことを「あいつは声が悪い」と言うことはあっても、友人や同僚に面と向かっては言わないだろう。以前、職場の上司が部下の彼女の写真を見て、開口一番「鼻が大きいね」と言ってのけたとき、周囲は一同あ然としたけど、きっとそんな反応が返ってくるはずだ。関係を壊したくないというブレーキが働けばそういう不用意なことはしないはずだけど、何をやっても許されるとたかをくくっている相手にはやってしまえるということだろうか。気の置けない相手だからこそ言ってはいけないことがあるとわたしは思うし、恋人であれ親友であれ家族であれ一生つきあっていきたい相手であるほど、治しようのないものを悪く言わないように気をつけている。その人の一部であるものを否定するということは、一緒にいたくない意思表示に聞こえる危険がある。実際そんな風に今日は聞こえて、こたえた。

【お知らせ】『鴨川ホルモー』4/18公開

試写の感想を以前の日記で紹介(>>>2009年02月04日(水) 映画になった『鴨川ホルモー』)したけど、あらためて。今井雅子と何かとご縁のある映画『鴨川ホルモー』がいよいよ4/18公開。

監督は脚本協力した『犬と私の10の約束』の本木克英さん、松竹のプロデューサーは4本目の映画『子ぎつねヘレン』でお世話になった矢島孝さんと、企画開発で本作りをご一緒したことのある野地千秋さん。さらに主役の安倍明役は3本目の映画『ジェニファ 涙石の恋』主演・荒木隆志役の山田孝之さん。安倍とあやしげなサークル青竜会に同期入部する三好ブラザーズの兄役に初の連ドラ『快感職人』で橘隼人役だった斉藤祥太さん。5本目の映画『天使の卵』で美術教師役だった甲本雅裕さんも出演。さらに舞台はわたしが学生時代を過ごした京都で、原作(万城目学)も大好き……という贔屓を差し引いても、十分楽しめる痛快青春映画。ぜひ!

余談だけれど、マキメって珍しい名字だなあと思っていたら、今読んでいる『シネマ大吟醸』(太田和彦)に万城目正という名前を発見、佐々木康監督の『純情二重奏』の作曲、同監督の『蛍の光』の作曲指導とある。「リンゴの唄」「東京キッド」もこの人が作曲。こちらは「マンジョウメ」と読むらしい。


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2008年04月18日(金)  マタニティオレンジ270 おやつでごきげん延長保育
2007年04月18日(水)  マタニティオレンジ107 子どもの世界の中心でいられる時間 
2005年04月18日(月)  日比谷界隈お散歩コース


2009年04月17日(金)  2歳児の「ない」という感覚

昨日の夜、娘のたまが突然「かえる」と言い出した。「どこに帰るの?」と聞くと、「しゅがも」と言う。巣鴨のじいじばあばの家が、たまにとっては帰る先らしい。早速電話して報告したら、「まあうれしいわね」とダンナ母は大喜び。ぐずってだだをこねた勢いではなく、落ち着いているときの発言で、母としてはフクザツではあるが、それだけじいじばあばになついてくれているのはありがたい。

二つの家を持つたまは「これはしゅがもにもあるよ」「これはしゅがもにはないよ」とうちと実家(?)を比べる。少し前までは「おんなじおんなじ」を見つけて喜んでいたが、そこから少し進歩して、「ある・ない」の比較をするようになった。先月までは「たまちゃんおちんちんあるよ」と言っていたが、今は「ない」とわかっている。今週は保育園の先生に「たまちゃん おっぱいないよ。おまめなの」と言ったとか。迷言連発でたま語収穫も大忙し。

たまの「ない」発言にヒントを得て、子守話を二つ。

ひとつめは、「ゆきねずみがいない」話。先日、カレンダーのイラストの雪だるまを二人で見ていたら、「ゆききりんがいるんだよ」とたまが言い出し、「ゆきことりもゆきしまうまもゆきうさぎもゆきらいおんもいるの」と続けた。「じゃあ雪ねずみはいるの?」と聞いたら、「ゆきねずみはいないの」ときっぱり言う。どうしてなのかは教えてくれないけれど、何が何でもいないらしい。なので、ゆきねずみがいない理由を考えてみた。
子守話56 きえたゆきねずみ

ゆきがたくさんふって つもった そのよるのこと。
のはらのまんなかに どうぶつたちがあつまりました。
おおきなからだの ゆききりん ゆきらいおん ゆきしまうま。
ちいさなからだの ゆきうさぎ ゆきねずみ ゆきことり。
こどもたちが ゆきをかためてつくったどうぶつたちが
こどもたちが ねしずまったあとに うごきだしたのです。

どうぶつたちは おいかけっこをしたり かくれんぼをしたり
おもいっきり からだをうごかして あそびました。
よるがあけて おひさまがのぼってきました。
「ひかげにかくれないと ゆきがとけて からだがなくなってしまうよ」
とあたまのいい ゆきうさぎがいいました。
「それはたいへん。いそいでひかげにいこう」とゆききりん。
「さあ ちいさなみなさんは ぼくたちのせなかにのりなさい」とゆきらいおん。
そこで ゆきうさぎは ゆきらいおんのせなかに
ゆきことりは ゆききりんのせなかに ちょこんとのっかりました。
「さあさあ はやく ゆきねずみさんも」とゆきしまうまがいいましたが
「いやだ。もうすこしあそんでいく」とゆきねずみ。
「そんなことしたら とけてしまうよ。
 ひかげでやすんで よるになったらまたあそべばいいじゃないか」
とゆきうさぎがいいましたが、ゆきねずみは
「たいようなんか こわくないよ」といって、うごこうとしません。
しかたがないので ゆきねずみをのこして みんなはひかげににげていきました。

のこったゆきねずみはどうなったかって?
あくるよる ゆきうさぎたちがのはらにやってくると
まっくろなこいしがふたつ おちていました。
ゆきがとけて ゆきねずみのめだまだけがのこっていたのでした。

二つめは、「9がない」話。たまが「1、2、3、4、5、6、7、8、10」と「9」を飛ばしたのを聞いて、「あれ、9がないよ」と言うと、「いいの。9はないの」とこれまた言い張った(強情なところはわたしに似ている)。「9がないと困るんじゃないの? だってたまの好きなアレがなくなっちゃうよ」というところから子守話が生まれた。
子守話57 9のないせかい

あるひ こわいまじょが そらとぶほうきにのってとんできて 
たまちゃんにいいました。
「0から9のあいだで ひとつだけすうじをもらっていく。
 どのすうじにしようかね?」
たまちゃんは うーんとかんがえました。
できればひとつもなくなってほしくありませんが
どうしてもひとつだけというなら 
なくなっても いちばんこまらないすうじにしよう。

たまちゃんは2さい。
0さいのときのおもいでも 1さいのときのおもいでもたいせつなので
0から2のすうじがなくなっては こまります。
3じのおやつがなくなるのも こまります。
たまちゃんのおうちは4かいだから
4がなくなっても こまります。
たまちゃんがすんでいるのは5ちょうめだから
5がなくなっても こまります。
7はママのすきなすうじなので 
なくなるとママのきげんがわるくなって こまります。
たまちゃんは8がつうまれなので 8がなくなるのもこまります。
のこったのは 6と9です。
たまちゃんは あと4ねんで6さいになるので
6か9なら 9がなくなったほうが こまらなさそうです。

「どうしても ひとつだけ すうじをもらっていくんだったら
 9にしてください」
とたまちゃんは まじょにいいました。
「9をもらっていいのかい? あたしのだいすきなすうじだよ。
 だって あたしのながいまがったはなに よくにたかたちだからね」
まじょはおおよろこびして
「ほんとうにいいんだね」とねんをおしました。
たまちゃんは「はい。しかたないです」といいました。

まじょがおまじないをとなえ そらとぶほうきをひとふりすると
せかいから すうじの9がきえました。
とけいから9じがきえ カレンダーから9がつがきえ
エレベーターから9かいがきえました。
9のないせかいは やっぱりへんでした。
9がつうまれのおともだちや 9かいにすんでいるおともだちに
わるいことしちゃったなと たまちゃんはおもいました。
もしかしたら「どんなすうじもあげない」といいはれば
まじょはあきらめてくれたかもしれません。

そして もっとこまったことになりました。
たまちゃんがだいすきなおみせ「ショップ99」もきえてしまったのです。
「ああ 6にしとけばよかった」とたまちゃんはためいきをつきました。



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2008年04月17日(木)  『パコダテ人』の縁でバンタンと再会 
2007年04月17日(火)  作詞をしませんか
2005年04月17日(日)  ティッシュちりぢり映画『コーラス』


2009年04月16日(木)  ニュープリントで『むかしの歌』(1939年製作)

一昨日『絹代の初戀』を観た「昭和の原風景」特集を上映中の神保町シアターへ再び足を運び、石田民三監督の『むかしの歌』を観る。映画と鉄道を愛するご近所仲間のT氏がこの映画特集のチラシを送ってくれたのだが、添えられたポストイットに「なんと、あの『むかしの歌』を観られる! しかもニュープリントで!」という興奮した走り書きがあった。あの『むかしの歌』と言われましても……と同じくT氏より課題図書として進呈された『シネマ大吟醸』(「魅惑のニッポン古典映画たち」と副題)を紐解く。著者の太田和彦氏が紹介作品のおすすめ度を銚子2本の「大吟醸」、1本の「吟醸」、無印の3段階で表しているのだが、『むかしの歌』には銚子2本のお墨付き。「これほど深々と日本的情感を端麗に描いた映画はなかった」と大絶賛。ならばいただいちゃいましょう、大吟醸。

さすがニュープリント! 一昨日の雨ザーザー(>>>2009年04月14日(火) シネマ大吟醸!神保町シアターで『絹代の初戀』)とは大違いの美しさ。ところでニュープリントとは、映画のネガフィルムから新たに上映用フィルムを現像すること。焼き直しというとリメイクみたいなので焼き増しといったほうがいいだろうか。半年ほど前、松竹のプロデューサーの榎望氏に「映画の0号、初号ってどういうことか、ちゃんと教えてください」と問い合わせ、「そんなことも知らなかったの?」と呆れられながら説明してもらったのだが、「完成して、このネガでいいねってのを焼いたのが初号」「初号に至る前にいったん焼いたのを手直しするので、それが0号と呼ばれる」ことを知った。「じゃあ2号、3号……と何号まであるんですか?」と聞いたら、「初号からさらに直したら2号になる」「オッケーとなった初号の原板をもとに上映用のフィルムを焼く。写真の現像と同じ。子ぎつねヘレンみたいに250館なら250本焼くけど、それをいちいち250号のようには呼ばない」とのことだった。というわけで、時が経って上映用フィルムが劣化した作品をニュープリントで観られるのは、映画におけるアンチエイジングのようなもの? でも、ネガフィルムは時を経ても劣化しないのだろうか。

『むかしの歌』は1939年制作。オープニングで年号が出なかった気がする。ちなみに一昨日『絹代の戀』(1940年製作)でわたしが観たと記憶した「1947」は見間違いではなく、昨日観に行ったT氏が確認。「戦後再上映したときの年号では」とのこと。スタッフロールでは「監督」ではなく「演出 石田民三」。「演出助手」に市川崑の名があるが、今なら「助監督」なのだろう。キャストは「配役」。『絹代の戀』の「役と人」のほうが古風な表現に感じる。

せっかくのニュープリントだというのにメガネを忘れてきたので、ただでさえ暗い白黒の画面がぼんやりとにじんで水墨画のよう。アップでないと表情がわからないという困った事態になったが、それも慣れてくると空白を埋めながら観るようになった。

舞台も1939年頃だと思って観ていたら「西郷さん」が出て来たりして面食らう。設定は明治10年。こうなると、映る町の風景はノスタルジーを感じるよりも時代劇となるが、大阪弁の軽妙なやりとりは古さを感じさせず、むしろ70年前とは思えないほど新鮮。原作・脚本の森本薫氏について調べてみると、『女の一生』『華々しき一族』(※『華麗なる一族』とは別物)などの代表作がある劇作家、演出家、翻訳家。京都帝国大学文学部を1937年に卒業する前から作品を発表しており、早くから才能を花開かせたが、肺結核のため34歳で亡くなっている。

親が言い出した許嫁という勝ち気な船問屋の娘・お澪(花井蘭子)と油問屋の珊次(藤尾純)の関係が面白い。お澪に振り回され、困った顔しながらもうれしそうな珊次。だけどなぜか情けないヤツに見えない。下着は自分で洗うような一本筋の通ったところがあるせいか。あるいは、お澪をありのままに受け入れている懐の大きさのせいか。自分が何を言っても耳を貸さず、一人で決めてしまうお澪の性格をわかって見守っている。手を離したら飛んで行きそうな風船の紐の端を握ってやり、お澪を安心して飛び回らせているようなところ(女にとっては、これはラク!)が、好ましい。

お澪と珊次が行きがかり上拾ったお篠(山根寿子)をお澪は妹のように可愛がるが、実は彼女は生き別れた生みの母の娘で、本当の姉妹だった。それを知ったお澪はお篠を遠ざけて棚次のところに預かってもらう。その後船問屋が没落、お澪は珊次との縁談を諦め、芸者の道を選ぶ。引き止めようとする珊次の前で精一杯強がるお澪がいじらしい。

お澪と産みの母は映画の中で二度対面する。一度目は棚次に「会わせたい人がいる」と案内され、家を訪ねたとき。二度目はお澪が芸者になるために家を出て行くとき。どちらも言葉を交わさず、交わす目線だけで母娘の心の揺れが表現されるのだけど、二つの場面の緊張感を焼き付けたところに、わたしはこの作品の価値を感じた。

90席の客席はほぼ満席。上映後、観客の一人から拍手が起こり、他に応じる人がいなくて尻すぼみになってしまったが、いいもの見たという満足感が劇場内に満ち、初老の女性二人連れが「女優さんたちがほんとおきれいでしたね」と心から惚れ惚れと言いながら出口へ向かっていた。着物の似合う細面の日本美人はわたしの好みの顔ではないけれど、昔の映画にはしっくりなじむ。

『むかしの歌』は4月17日(金)17:15がラスト上映。「昭和の原風景」特集上映は5月8日(金)まで。4月18日(土)〜24日(金)の一週間は「はたらく人たち」と題して、以下の7本を上映。
『おかあさん』と『小原庄助さん』は是非観てみたい。いずれも銚子2本の「大吟醸」。

「はたらく一家」 監督:成瀬巳喜男 昭和14年 東宝東京/白黒
「秀子の車掌さん」 監督:成瀬巳喜男 昭和16年 南旺映画/白黒
「おかあさん」 監督:成瀬巳喜男 昭和27年 新東宝/白黒
「蜂の巣の子供たち」 監督:清水宏 昭和23年 蜂の巣映画部/白黒
「小原庄助さん」 監督:清水宏 昭和24年 新東宝/白黒 16mm
「花籠の歌」 監督:五所平之助 昭和12年 松竹大船/白黒
「恋化粧」 監督:本多猪四郎 昭和30年 東宝/白黒

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2008年04月16日(水)  マタニティオレンジ269 『およげ! たいやきくん』作曲家が贈る新しい童謡
2007年04月16日(月)  祖師ヶ谷大蔵で小さな旅
2005年04月16日(土)  オーディオドラマ『アクアリウムの夜』再放送中
2002年04月16日(火)  イカすでしょ。『パコダテ人』英語字幕


2009年04月15日(水)  カラーコーンで「なーになに」ごっこ

娘のたまが通う保育園までは大人の足で歩いて7分。いつもぎりぎりのお迎えで、走ると5分。ところが娘を連れて歩くと、15分でもきかない。なるべく自分の足で歩かせたいのだけど、定番の「だっこ」「おんぶ」「ベビーカーのる」に加えて、「じてんしゃのりたいよう」とだだをこねるようになった。道の真ん中で立ち止まったり、引き返したり、横道に入って行ったり、それをなだめては歩かせるの繰り返し。だっこしたほうが早いとは思うけれど、13キロの重さを持ち上げるよりは、なだめすかそうと思ってしまう。

先日、苦し紛れに前方を指差し、「あれ何だろ? 見に行こっか? なーになに?」と手を引くと、2歳児の無邪気な好奇心ですっかり乗せられて、「なーになに」と駆け出してくれ、大成功。そこにあるのは、ただの電柱だったり鉢植えだったりするのだが、「おや、たばこに足が生えて歩いてるね。歩きたばこ禁止だって」とステッカーを絵本風に読み解いたり、「たまちゃんのお花どれ? ママはこれにしよう」と品定めしたりして、遊びに持ち込む。いちばん喜んだのは、通行止めに使うとんがり帽子みたいなもの。たしか映画『トイストーリー2』で、逃げたおもちゃたちがこれをかぶって道路を渡っているお茶目なシーンがあった。「これはなにかな? アイスクリームかな?」「ぼうしだよ」「ツノかもしれないよ」と二人で首を傾げあい、笑いあった。

アンテナを張っていると引っかかるもので、同じものが保育園の庭にもあることを発見。色が黄色で、「これはバナナかな?」と保育士さん。さらに、買い物袋に入れて歩いている人を発見。お店で買えるという発想はなかった。その人が出て来た日曜大工店に入り、商品として積み重ねられているのを確認。「カラーコーン 498円」と札があった。color cone=色円錐?

想像力を使う遊びは大人も子どもも一緒に楽しめるのがいい。子どもに合わせて手加減する必要もなく、むしろ打ち負かされたりして痛快。たまは好物のせんべいをかじりながら、刻々と変化する形に「チューリップ」などと的確なネーミングをする。チューリップがおむつになり、おむつのゴムがゆるゆるビヨーンになり、おほしさまになり、最後はなくなる。

目に入るものすべてが遊びの対象になる「なーになに」ごっこをしていて、コピーライターとして最初に配属されたクリエイティブチームで同じ遊びが流行っていたことを思い出した。ハンガーやら肩もみ棒を手渡された人が瞬間芸で使い方を披露するというもの。ハンガーを投げる真似して「ブーメラン」、肩もみ棒(釣り針みたいな形のもの)を股にはさんで「Tバック」とか。打ち合わせ中に先輩や上司が夢中になってやっていて、入社したばかりのわたしは、仕事と遊びの境目がない職場の雰囲気にびっくりしつつもすぐに好きになった。映画やドラマの打ち合わせも雑談から入るし、「遊びのなかに発見、ひらめきがある」ということを日々感じる。アイデアの花が開くためには豊かな遊びの土壌が必要で、子どもの頃から家族や友だちとたくさん遊んで、会社員時代も遊んだことがわたしの栄養源になっている気がする。だから、自分の娘にも、何かを与えるよりも一緒に遊ぶことを大切にしたいと思う。

子守話55 なーになに

なーになに 
みちばたに あかいのっぽの さんかく

だれかのとんがりぼうしかな
うさぎさんのぼうしだったら おおきすぎる
ぞうさんのぼうしだったら ちいさすぎる
うまさんのぼうしだったら ちょうどいいかな

それともこれは アイスクリームのいれものかな
こんなにおおきなアイスクリームをたべるのは ぞうさんかな

それともこれは ゆびわをたてるものかな
こんなにおおきなゆびわをするのは だれかな
てんしのわっかかもしれないね

それともこれは つのかな
いっかくじゅうのおとしものか おにのつののかたっぽか
あかおにさんは つのまで あかいのかな

つのじゃなくて きばかもしれない
おにか おばけか きょうりゅうか
きばをおとしたら こわくなくなっているかな

なーになに
みちばたに あかいのっぽの さんかく


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2008年04月15日(火)  焼きたてのバナナマフィン
2007年04月15日(日)  鎌倉で大人の休日
2005年04月15日(金)  トンマズィーノでアウグーリ!
2002年04月15日(月)  イタリアンランチ


2009年04月14日(火)  シネマ大吟醸!神保町シアターで『絹代の初戀』(1940年製作)

先日のご近所仲間の会で映画と鉄道をこよなく愛するT氏に贈呈された『シネマ大吟醸』(「魅惑のニッポン古典映画たち」と副題)を朝から読む。T氏は「今井さん、もっと昔の映画を観て勉強してください」とばかりに名画特集の案内や参考図書をせっせと寄越してくれるのだが、著者の太田和彦氏セレクトによる「昭和の原風景」と題した映画特集のチラシも先に届いていた。

「シネマ大吟醸」という面白く味のある言葉の精神は、本文の『大学の若旦那』のページを締めくくる「映画は作られた当時よりも、時を経て良くなる。それがビンテージ、大吟醸シネマである」というくだりがうまく説明している。あとがきには「ウイスキーやワイン(洋画)もいいけど、日本酒(邦画)もいいぞ、その大吟醸だ」とある。太田氏には『完本・居酒屋大全』『居酒屋かもめ唄』『東海道居酒屋五十三次』といった著書もあり、酒を語る語彙が実に豊か。酒にたとえての映画紹介は、名調子で気持ちよく酔わせてくれ、わたしも一杯という気分にさせてしまう。

そんなわけで「昭和の原風景」を上映中の神保町シアターを初めて訪ねる。こんなに立派で快適なミニシアターを本の街に作った小学館さんはエラい!と興奮するような環境(雰囲気よし、椅子よし、設備よし)で、紹介を読んだばかりの『絹代の初戀』(「恋」ではなく、糸ふたつに言がはさまれた「戀」というのがいい)をフィルム(16mm)上映でつかまえる。「姉であり母」という田中絹代演じるヒロインの設定が朝ドラ「つばさ」に重なる気がして、興味を持った。

昭和15年(1940)年、松竹大船の制作。松竹のロゴは富士山ではなくダイヤモンドみたいな形。「1947」と数字が入っていた気がするが、見間違いだったか。冒頭のキャストクレジット(エンドロールはなく、最後はプツンと終わった)は「キャスト」ではなく「役と人」。その縦書きの名前が無数の細かい線で分断される。フィルムの劣化で、外の雨がスクリーンになだれ込んだかのように画面も音もザーザー。ときどきびっくりするような破裂音も混じり、「これがずっと続くのか」と最初は戸惑うが、映画の世界に入っていくと次第に雨が気にならなくなる。雨は同じように降り続けているのに、見たいものを見、聞きたいものが聞こえるようになるのが面白い。

野村浩将監督は松竹のホームドラマを多く手がけた人のようで、とても見やすくわかりやすく作られている。家からお弁当を持って行ったことがきっかけでヒロインの妹(これがデビュー作の河野敏子)は社長の御曹司(『シネマ大吟醸』に何度も登場する佐分利信。色気のあるイイ男。ダメ息子がはまっている)の目に留まり、結婚話に発展するが、彼はヒロインが一目惚れした初恋の相手だったという話。脚本(池田忠雄)の力なのか、台詞がチャーミング。弁当のおかずを御曹司が尋ね、妹がつっけんどんにあしらうところも、弁当が縁結びとは「安上がり」だと姉妹の父親が感心するところも、生活感があってよかった。妹の母親役として自分の恋を封じ、御曹司に恥じない女性として妹を嫁がせようとするヒロインの親心が切ない。

ヒロインが御曹司に一目惚れする歌舞伎座前の場面、打ち合わせで通い慣れた松竹界隈の70年前の風景にハッとなり、胸を打たれた。現在松竹本社が入っている東劇は当時すでにあったのだろうか。一瞬映った歌舞伎座から東劇を望むアングルの引き絵は、様変わりしたようで今に通じる風景だった。これなら画面の中に迷い込んでも方向を見失わずに歩けそうだ。歌舞伎座の雰囲気は今と変わらないように見え、少し前に新聞で見てげんなりとなった高層ビルの「新・歌舞伎座」の完成イメージ図を思い出し、あれはイカンとあらためて思った。家に戻って調べてみると、歌舞伎座は過去にも大改築や漏電による焼失があり、現在の建物の原形である奈良朝に桃山様式を併せた大殿堂が落成したのは大正13(1924)年12月のこと。それも昭和20年の空襲で焼失したが、昭和26年に復興し現在に続く建物の外観は大正版を受け継いでいる。ならば、今回の改築でも守り伝えて来た形に敬意を表すべきなのではと思ってしまう。今の最先端はどっちみちすぐに古くなるのだから、中途半端に新しくして伝統を断ち切る必要はない。映画人でもある石原都知事に『絹代の初戀』のこの場面を観て考え直していただけないものか。

『シネマ大吟醸』のなかにある「失われた風景を見るには映画が最適だ。しかも記録映画と違い作家の感性が入っているから、映画こそがその時代の最も美しい記録となる」にしみじみと同意しつつ、日本は失うスピードが早すぎるのではないかと思ってしまった。

『絹代の初戀』は4月15日(水)16:55、4月16日(木)13:45、4月17日(金)19:00にも上映あり。他にも味わい様々な大吟醸をそろえた「昭和の原風景」は5/8まで。『シネマ大吟醸』あとがきいわく、「日本映画は大まかに、映画誕生からサイレント期までを『大トロ』、以降戦前の作品を『中トロ』、戦後の白黒作品をまでを『レトロ』と分けられ(笑)、狙い目は昭和10〜20年の中トロだ」。その中トロ中心のラインナップ。それにしても酒にたとえたり、肴にたとえたり、太田氏は相当食べることが好きな人のよう。この人と日本酒飲みながら映画の話をしたら楽しいだろうなと想像するが、「今みたいなお粗末な勉強量では話についていけませんよ」とT氏にしかられそうだ。

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2008年04月14日(月)  マタニティオレンジ268 三浦太郎の絵本で所有格の「の!」
2007年04月14日(土)  京都の青春
2005年04月14日(木)  マシュー・ボーンの『白鳥の湖』
2002年04月14日(日)  おさかな天国


2009年04月13日(月)  子どもそっちのけで親が夢中に!アイビーズ

昨日ご近所仲間の会の会場を提供してくれたK家夫人のキョウコちゃんにプレゼントしてもらって、「アイビーズ」というものの存在を知った。極細極短(直径1ミリ長さ3ミリのような小ささ!)のストロー状ビーズを突起のついた台に点描の要領で並べて行き(中が空洞なので、点描ではなく丸描?)、仕上げにアイロンをかけると、あら不思議、ビーズが溶けてくっつきあい、板状のオブジェが完成する。アイビーズはアイロンビーズの略だろうか。

面白そうだけど、この細かいビーズが床にちらばったら片付けが大変だと敬遠して、2歳児娘のたまの目につかないところに置いたのだが、めざとく見つけた上に、「これ、かたまるの?」と聞いてきた。どうやらキョウコちゃんから使い方を説明されたときにわたしが「へーえ、固まるの?」と驚いたのをばっちり覚えていた様子。たまの目は「やってみたい」の好奇心でらんらんと輝き、箱を開けるしかなくなった。

対象年齢は6歳以上で、たまはビーズをつかむことはできるが、台に立てる器用さはない。ところが、大人の無骨な指だと小回りがきかず、ビーズを立ててはなぎ倒すの繰り返しで、もどかしいほどはかどらない。顔つきが険しくなるのを自分でも感じながらムキになっていると、母親をビーズにとられて面白くないたまがちょっかいをかけてきて、振り出しに戻る。「もう、ママがやってるのに!」と思わず声を荒げ、たまは泣き出す始末。ううむ、おもちゃに親が夢中になって子を泣かせてしまうとは。昔リリアン、今アイビーズ?

キャラクターを作れるセットになっていて、図柄見本が同封されているのだけど、デザインは自由自在。たまのリクエストに応えて「おうち」と「ハート」を作り、最後にネームプレート代わりに「タマ」を作った。ほどよくビーズ感を残して固めるアイロンがけの塩梅が難しく、くっつきが足りないとビーズがバラバラになってしまうし、溶けすぎるとのっぺりする。3作目がいちばんうまくできた。熱で変質するといえば、子どもの頃プラバン(=プラスチック板)に油性マジックで絵を描き、オーブンで焼いてアクセサリーを大量生産したけれど、あの感覚にも似ている。あとひとつぐらい作れそうな量のビーズが残ったが、つきあいきれないたまが「ねる」とぐずり、おもちゃをしまった。

最近の子守話は、たまが主人公の「ニュースたま」。テレビのヘッドラインニュースの口調を真似て今日の出来事を報道し、「♪ニュ〜スたま」とジングルをはさむと、たまはご満悦で「おもしろい」と相づちを打つ。自分が世界の中心になっていないとつまらないという性格は困ったもので、朝ドラ「つばさ」は「たまちゃんでてないから、おしまい」となる。でも、今日は初めて「あした、つばさみようね」と歩み寄りを見せてくれた。

子守話54 ニュースたま

きょうもたまちゃんはほいくえんでたくさんあそんだもようです。トイレもしっかりできて、おむつは1まいですみました。
♪ニュ〜スたま

たまちゃんはばんごはんのおでんのウィンナーひとりで3ぼんもたべました。おデブよほう、いちだんとよこにおおきくなるでしょう。
♪ニュ〜スたま

たまちゃんとママはビーズのおもちゃであそびはじめましたが、ママのほうがむちゅうになって、たいくつしてしまいました。
♪ニュ〜スたま

たまちゃんはまちくたびれて、はやくねようよとなきました。ねむかったのでおふろもはみがききもやめました。
♪ニュ〜スたま

それでは きょうはここまで。たまちゃんはたのしいゆめをみて、あしたのあさはママと「つばさ」をみるよていです。
♪ニュ〜スたま


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2008年04月13日(日)  マタニティオレンジ267 子どもは遊びの天才
2007年04月13日(金)  マタニティオレンジ106 慣らし保育完了 
2006年04月13日(木)  ヘレンウォッチャー【「子ぎつねヘレン」の夕べ編】
2005年04月13日(水)  お風呂で血まみれ事件
2002年04月13日(土)  パーティー


2009年04月12日(日)  一年ぶりにご近所仲間の会全員集合

食べることとしゃべることが好きで、会うとあっという間に半日経ってしまう時間泥棒なご近所仲間の会が、メンバーのY家のロンドンからの一時帰国に合わせて開かれる。メンバーにとっては家族行司と同じぐらい優先度の高い会なので、「打ち合わせが重なったらどうしよう」と心配したが、セーフ。「日本にいる限りは駆けつける」と宣言していた大阪在住・出張続きのミキちゃんも無事参加でき、去年の春の一時帰国(2008年3月30日(日)マタニティオレンジ259 一生ものの友だち、二世代目。)以来、一年ぶりの全員集合となった。

会場は去年と同じくK家。3時スタートで、和風アフタヌーンティー。さつま揚げ、菜の花、若たけのこ、牛肉のタタキ、ふきの煮たの……といった和食メニューと、イギリス土産のクラッカー&チーズがテーブルに並ぶ。わが家が持ち寄ったのは、季節は過ぎたけれど「おでん」。近所にあるおでん種専門店でゲソやらぎんなんやらごぼうやらの練り物各種をちょこちょことビニール袋いっぱいに買い込み、行きつけの豆腐屋さん「太田屋」で、がんもどき各種を仕入れた。

うちではおでんを作ったことがないので、昨日の晩に試作。ネットで調べてみると、流派がいろいろありすぎて、「何でもいいのだ」という結論に。「薄味で素材の持ち味を引き出す」「沸騰させない」「大根など味がしみにくいものは先に」「練りものは煮すぎない」「はんぺんは火を止める直前」などのアドバイスを得て、我流で2種類作ってみる。だし醤油を薄めたバージョンと、だし+こんぶ茶+塩の関西風バージョン。これで大根と袋(これまたレシピいろいろなので我流で。合い挽き肉、細かく切ったしいたけ、たけのこ、ごぼう、すりおろした人参とれんこん、桜えびと胡麻、軽く塩と黒みつを混ぜ、油抜きした寿司揚げに詰める)をことこと煮て、味を比べると、関西風が圧勝。というわけで、あらかじめ煮た大根を持参し、あとはK家の台所で関西風おでんを作らせてもらう。ワインから日本酒に移った頃に出すと、昼間のお酒によく合って、好評だった。

株大暴落の話、イギリスでは「産むとすぐ退院」する話(Y夫人のイズミさんは第2子マイちゃんを夜中に病院で産み、歩いて帰宅したそう)、日本の幼稚園おいくらの話(東京は3万前後が多いよう)、夫婦で水着姿を見たことある・ない話……なんてことのない話題をつなげているうち日が暮れた。

食後のデザートは日本橋高島屋で買って来た村上という金沢のお店の和菓子。いろんな種類の中から、どれがいいかなと品定め。「関西の『さくら餅』は、東京では『道明寺』っていうんだよね」「じゃあ、東京の『さくら餅』は、関西では何?」という話になり、そういえば、このタイプは大阪では食べなかったなあということで、東京版さくら餅をいただく。ぎゅうひがもっちりしていて、幸せ〜。「年を取ってからは和菓子だねえ」と一同しみじみ。とくにロンドンに住んでいるY夫妻は大きくうなずいていた。

4歳から1歳まで4人の娘たちは一年前よりは打ち解けた雰囲気。うちのたまは恥ずかしがり屋なのか、一人だけ輪から外れて親をやきもきさせたが、長時間の会の終わりのほうにはキャッキャと明るい声を上げていた。ホスト役のK家のまゆたんが3歳児ながら全員に目配りして気を遣っていたのには感心。もてなし上手のK夫妻に負けないホスピタリティーを見せてくれた。帰るときは、「たまちゃん、またね」とY家の長女ユキちゃんが手を振り、たまも一生懸命振り返し、ご近所さんの会2代目の親睦も深まった様子。2世代で旅行もしたいねと話す。

おくりもののやりとりも互いの好みを心得ていて、親戚づきあいのよう。Y家からはイギリス土産の子ども用の手提げと紅茶、K家からはアイロンで固まるおもちゃのビーズ、鉄道と映画を愛するT氏からはレトルトカレーと絵本2冊(『おならうた』と『とこちゃんはどこ』)、『シネマ大吟醸』という本をいただく。たまのいちばんのお気に入り絵本『やこうれっしゃ』をプレゼントしてくれたT氏、鉄道以外の絵本にも目が利くらしい。たまの今のブームが「おなら」であることまで見抜いたか。『シネマ大吟醸』は著者・太田和彦氏のサイン入り。太田氏セレクトの映画作品を集めた「昭和の原風景」を神保町シアターにて4/11〜5/8まで上映。読んで、観て勉強しなさいの親心。

【お知らせ】明日からの「つばさ」第3週は「家族の周波数」

いよいよヒロインつばさがコミュニティ放送の立ち上げに巻き込まれ、お仕事が動き出します。のひに「ラジオぽてと」となる川越市初のコミュニティ放送、2週での仮称は「川越演奏所」。放送を送信所に出力する施設を演奏所と呼ぶのですね。初対面のつばさをいきなりイモ呼ばわりする高飛車な社長の真瀬昌彦(宅間孝行)とつばさのかけあいは、早くも名コンビの予感。のちにつばさの同僚となるシングルマザーの丸山伸子(松本明子)、売れない芸人のロナウ二郎(脇和弘)も初登場。ロナウ二郎の逃げた相方とは、つばさが毎朝聴いている「ベッカム一郎の朝イチ!豪快シュート」の売れっ子芸人ベッカム一郎(川島明)。ショートギャグのツンドラ級の寒さに、逃げられたのも納得!?

真瀬ら家賃滞納3人組が下宿しているのは、川越キネマという元映画館で、大家はヒロリンこと斎藤(西城秀樹)。2階が下宿で1階が共同スペース。ビリヤード台の大テーブルは、ラジオ開局後は会議机兼作業机としても活躍。

3週では開局に向けての「ラジオの周波数」探しと並行して、母・加乃子(高畑淳子)が10年ぶりに帰ってきたことで知秋(富浦智嗣)が変調をきたし、不協和音が響く玉木家の「家族の周波数」探しが描かれます。どんな人と人にも、きっとつながれる周波数がある! 赤いてぶくろ、名前の縫い取り(刺繍)などのおふくろアイテムにもご注目。

連続テレビ小説「つばさ」(月)〜(土)放送中
【放 送】総合・デジタル総合 8:15〜8:30
     デジタル衛星ハイビジョン 7:30〜7:45
     衛星第2 7:45〜8:00
【再放送】総合・デジタル総合 12:45〜13:00
     衛星第2 19:30〜19:45 (土)9:30〜11:00(一週間分)


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2008年04月12日(土)  マタニティオレンジ266 保育園保護者会にパパ会長
2007年04月12日(木)  『ドルフィンブルー』と『ヘレンケラーを知っていますか』
2002年04月12日(金)  背筋ゾーッ


2009年04月11日(土)  〈学術標本の殿堂〉東京大学総合研究博物館小石川分館

小石川植物園を訪ねるたびに気になっていた赤がアクセントの白いレトロな洋風建築。人が入っていくのを見たことがなくて、てっきり使われていないと思っていた。天井は高そうだし、レストランにしたら素敵なのではと勝手に想像していたが、現役の博物館であることを今日知る。植物園の中からは行けず、いったん出て入り直す形で、入口は奥まった場所にあった。植物園は入場料330円がかかるが、博物館は無料。


「東京大学総合研究博物館小石川分館」の名称が上質の紙にエンボス加工で刻まれたリーフレットは、〈交通・通信技術の発達とともに地理的な「世界」が縮体されていく一方、知の「世界」は加速度的に拡大され、高度に細分化され、その先端的な広がりの全貌を把握することあもはや容易ならざることとなっている〉などと文章も格調高い。

元々は東京医学校(東大の前身)の中心建築で赤門の近くに建っていたのを移築した建物で、アクセントになっている赤い塗装は赤門や医学部の煉瓦校舎との視覚的な連続性を意識したものらしいとリーフレットの説明で知る。建物の中は時間が止まったような、というより時間を閉じ込めたような空気に包まれ、空間そのものが大きな展示物であるような厳かさに満ちている。余分なものはなく、置かれているひとつひとつが「そこにあるべきもの」として注意深く配置され、調和しているような感覚で、小川洋子さんが書く博物館を想像した。


「驚異の部屋-The Chambers of Curiosities」と銘打った常設展示は、「東京大学の学術標本や廃棄物を現代アートの文脈から再構成」する試みで、学術的な説明をあえて排除している。オブジェのように佇むきのこ。骨格標本のユーモラスな立ち姿。薬草を詰めた瓶の数々が息をひそめて並ぶガラスケースには、美しく重厚な存在感があり、何かを企んでいそうな危うさを漂わせる。確かに説明は要らない。見ているだけで、ドキドキし、ワクワクし、驚きと発見があり、想像をかきたてられ、「学術」と「芸術」がとても近いところに生息するものなのだと気づかされる。2歳児の娘のたまも神妙な顔と好奇心の眼で展示物のひとつひとつに見入っていた。

日曜日の午後だというのに貸し切りのようにひとけはなく、実に贅沢な時間。あの人を連れて来たら喜びそうだなと友人の顔が浮かぶ。一階のテラスに出て、目の前にひらける日本庭園をぼけっと眺めるのもいい。生ける絵画のような絶景を窓枠に納めるよう計算したような建物の立地にもアートを感じ、リーフレットにある〈学術標本の殿堂〉という表現に納得した。

東京大学総合研究博物館小石川分館
木・金・土・日・祝日 10:00-16:30開館
文京区白山3-7-1
丸ノ内線茗荷谷駅から徒歩8分 都営三田線白山駅から徒歩15分


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2008年04月11日(金)  マタニティオレンジ265 トントン、おっぱい入ってますか。
2007年04月11日(水)  ロバート・アルトマン監督の遺作『今宵、フィッツジェラルド劇場で』
2004年04月11日(日)  日暮里・千駄木あたり
2003年04月11日(金)  ちょっとおかしかった話
2002年04月11日(木)  ネーミング


2009年04月10日(金)  『生者と死者』(泡坂妻夫)と「生と死」コラム

推理作家の泡坂妻夫さんの訃報を知ったのは、2月5日付の読売新聞「編集手帳」欄。「あわさかつまお」が本名「あつかわまさお」(厚川昌男)のアナグラム(=つづり替え語)であることも記事で知った。作家でありながら、和服の家紋を描く紋章上絵師という職人であり、プロ級の腕前の奇術師。加えて落語にも造詣が深いことを、亡くなってから知った。自作の落語(滑稽噺、廓噺から人情噺まで)とエッセイ、さらには奇術指南まで豪華演目が目白押しで「一冊の寄席」として楽しめる『泡亭の一夜』を読んで、徹底した遊び心とサービス精神にあらためて目を見張った。

わたしがこの作家を知ったのは、新聞の書評欄に「消える短編小説」と紹介されていた袋とじ小説の作者としてだった。袋とじ状態では短編小説、袋とじを解くと長編小説になる(しかも読後感は別物)という。面白いことを考えるなあと興味をそそられ、早速購入した。袋とじという性格ゆえ、借りるわけにも古本を待つわけにもいかない。内容はうろ覚えなのだけど、袋とじ部分を切るときにドキドキしたことと、「短編ではこうだったけど、長編ではこうつながるのか」を確かめながら読んだことは印象に残っている。仕掛けで読者を驚かせ、楽しませるのは、いかにもマジシャン作家らしい。

タイトルは何だっけと「泡坂妻夫 袋とじ」で検索すると、『生者と死者 ―酩探偵ヨギガンジーの透視術』だった。刊行は1994年10月となっているから、入社2年目のことだ。生者だった作者が死者になったのを機に思い出したタイトルが、そのものずばりとは、マジシャンにトランプのカードを当てられたよう。

折良くといおうか、新聞を整理していたら、4月7日の朝日と読売の一面コラムが「生と死」を語っていた。

読売の編集手帳は、「過去から現在に至る人類の総数」について読者から問い合わせがあったという話。もうすぐ一歳になる子どもの寝顔を眺めていて、「この子の母親になれたのは人類で私ひとり」と気づいた若い母親が、「何分の1」の分母に思いを馳せた問いだという。わたしも娘を見ながら、「よくぞうちへ来てくれた」と感謝と歓迎の気持ちがこみあげたりするけれど、これほどのスケールで巡り合わせの奇跡を考えたことはなかった。記事にも引用されているが、「およそ一千億」(アーサークラーク著「2001年宇宙の旅」の一節より)分の1の幸運。

一方、朝日の天声人語は、103歳の母親を看取った女性から投稿された「あっぱれな旅立ち」というエピソードを紹介。亡くなった母の日記から出てきた一枚の紙に「あの世で長いこと私を待っている、大事な人に電報を打ってあります。待ちかねて迎えに出ていることでしょう。喜びも半分、不慣れで心細さもありますが、待つ人に会える楽しみもあります」と綴られていた。すべてを受け入れた、なんという穏やかな心境。記者が「透明な境地」と例えたように、さざ波ひとつ立たない澄みきった湖面を想像させる。今年一月に102歳で亡くなったひばば(ダンナの祖母)は、「なかなかお迎えが来なくて」と口癖のように言っていたけれど、このような心持ちで旅支度をしていたのだろうか。

生まれるのも死ぬのも一度ずつ。どちらも不思議なことだらけだけど、鏡のように照らし合わせてみると、見えてくるものがある。

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2008年04月10日(木)  マタニティオレンジ264 「きのこのこのこ」と「ワァニ」
2007年04月10日(火)  マタニティオレンジ105 産後の腰痛とつきあう
2004年04月10日(土)  大麒麟→Весна(ベスナー)
2002年04月10日(水)  なぞなぞ「大人には割れないけど子供には割れる」


2009年04月09日(木)  心に橋をかける映画『The Harimaya Bridge はりまや橋』

今井雅子脚本の6本目の長編映画『ぼくとママの黄色い自転車』でご一緒した東映の木村立哉さんが昨年プロデュースしたもうひとつの作品、日米韓合作『The Harimaya Bridge はりまや橋』を試写で観る。英語教師として高知に暮らしたことのあるアロン・ウルフォーク監督の長編映画デビュー作。その題材と舞台に日本を選んだのは、そこで過ごした時間が監督の人生に大いなる影響を与えたことを物語っている。

わたしも高校時代にアメリカ留学をした一年間に、それまでの16年間で得た世界観を塗りかえるほどの刺激と衝撃を得た。映画長編デビュー作『パコダテ人』でしっぽをモチーフに個性や差別を描いたのは、肌の色の違いを超えて「わたしはわたし」だと発見した経験がベースになっている。また、長編3本目の『ジェニファ 涙石の恋』は、主演のジェニファー・ホームズが日本に留学したときの経験が原案の日米合作映画で、「外国人から見た日本」という視点は『はりまや橋』に通じる。

もうひとつ、『はりまや橋』に興味を抱いたのは、英語教師として高知に滞在した黒人青年ミッキーの設定。画家としての才能も発揮し、子どもたちに絵の指導もしていた彼が不慮の事故で亡くなるところから物語は始まるのだが、主人公である彼の父ダニエルは、息子が日本人女性と結婚し、二人の間に子どもがいたことを知る。黒人の青年が日本を去った後に混血の子が残るという筋書きが、わたしがガーナの脚本家John Sagoe氏とメール交換で脚本を開発した『Pacific Chocolate』と似ているのだ。

『パシチョコ』の場合は、跡継ぎのいないガーナの王様(ガーナにはたくさんの王様がいるらしい)が、かつて日本留学中に恋仲になった日本人女性との間に息子がいることを聞きつけて日本を訪ね、血はつながっているが心のつながりのない彼と心を通わせていくストーリー。ガーナ人との混血の青年はチョコレート色の肌をしていて、家具工房で働いている(ガーナは木工が盛んで、ラストは彼がガーナへ渡って指導をする)。子どもたちにも手ほどきをしていて、「チョコレート先生」と慕われているのだが、「芸術家で先生」というところは『はりまや橋』のミッキー青年に重なる。

John氏は確か3年前の東京国際映画祭直前に「来週東京へ行く」とメールをくれたのが最後で音信不通となり、パシチョコ企画は止まっているのだが、「先にやられてしまった」という気持ちと、「どんな風に仕上がっているのか」の好奇心が湧いたのだった。

実際に本編を見てみると、『はりまや橋』と『パシチョコ』の大きな違いは「心の壁」のスケールだった。ともに親子が溝を埋める話だが、『はりまや橋』のほうが溝は深い。青年ミッキーが日本へ行くのを父ダニエルが猛反対したのは、ダニエルの父つまりミッキーの祖父が太平洋戦争中に日本軍の捕虜として悲惨な死を遂げたから。父を殺した国に息子が夢を見ることは、ダニエルにとっては裏切りだった。だが、喧嘩別れした息子との仲を修復する機会のないまま、息子は日本で命を落としてしまう。

残された父にできるのは、息子が生きた証、日本で描き遺した絵を集めることだった。その目的のためだけにダニエルは日本の土を踏む。息子が現地の人の心に遺したあたたかなものには見向きもせず、絵という物を集めることだけに血眼になるダニエルは、
観客には憎むべき人物に映り、もどかしさや憤りさえ呼び起こす。だが、その心が少しずつ解きほぐされ、離れ小島になっていた彼の心は日本へ向かって開かれる。そして、彼が現れたことによって心をかき乱された人々も、それぞれの答えを導き出し、穏やかさを取り戻していく。

黒人や外国人への偏見ももちろん描かれているが、それは「心の溝」の代表例のようなもの。人と人を隔てている「わかりあえない、わかりあいたくもない」という拒絶や諦めは、相手を知らないことから始まり、親子の間であっても「知りたくない、聞きたくない」という失望が溝を生む。そこから一歩踏み出したとき、心と心の間に橋が架けられることを『はりまや橋』は静かな感動とともに伝えてくれる。橋を渡るほんの少しの勇気があれば、人と人も、国と国も、わかりあえる、つながれる。そんな希望を届けてくれる作品だった。

役者陣の熱演も光っていた。ダニエル役のベン・ギロリさんは、この作品のエクゼクティブ・プロデューサーでもあるダニー・グローヴァーさんと、スピルバーグ監督の『カラーパープル』以来23年ぶりに兄弟役で共演。教育委員会の原先生役の清水美沙さんの英語の演技には説得力があった。ミッキーの妻、紀子を演じた高岡早紀さんは見とれるほどきれいで(『さよならCOLOR』の原田知世さんを観たときのような感動!)、切なさが美しい。主題歌『終点〜君の腕の中〜』も歌っている教育委員会職員・中島役のmisonoさんは、くるくる変わる表情がなんともキュートで、たちまちファンになってしまった。彼女を見てジュディマリのYUKIちゃんを連想したら、公式サイトの「好きなアーティスト」に「YUKI」と名前があって、納得。

The Harimaya Bridge はりまや橋』は、高知での先行上映に続き、新宿バルト9ほかで6月13日よりロードショー。日本にこんな風景が遺されていたのか、と感動を覚える高知の空や坂や緑は、ぜひスクリーンで。『ぼくママ』と同じくティ・ジョイ配給なので、予告編では『ぼくママ』を観られる可能性大。

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2008年04月09日(水)  マタニティオレンジ263 こどものあそびば『ピアレッテ』
2007年04月09日(月)  人形町の『小春軒』と『快生軒』と『玉英堂彦九郎』
2004年04月09日(金)  五人姉妹の会@タンタローバ
2002年04月09日(火)  東京コピーライターズクラブ


2009年04月08日(水)  Q-potのお菓子なアクセサリー

4月2日の読売新聞で、パリコレの見本市会場の古い建物の柱をホイップクリーム風に飾り付けてケーキのように仕立てた写真が目に留まった。訪れる黒ずくめファッション関係者をアリに見立てたお茶目な演出。手がけたのは、アクセサリーを出品していた日本人デザイナーのワカマツタダアキさん。プチフールやマカロンを象ったアクセサリーもパリッ子の注目を集めたという。

ワカマツさんが手がけているアクセサリーブランドの名前、キューポット(Q-pot)に見覚えがあった。ずいぶん前にバナナチョコのアクセサリーが紹介されている記事に興味を持ち、携帯電話のメモ帳に記してあったブランドだ。早速サイトへ飛んでみると、ホイップ、シュークリーム、アイスクリーム、マカロン、チョコレート……目移りしそうなおいしそうなスイーツが指輪やらピアスやら携帯ストラップやらになっている。しかも、これはと思ったものは、ことごとくsold out。バナナチョコの指輪も売り切れていて残念。

いちごのホイップの指輪とビスケットのピアスと指輪が「在庫あり」だったので注文し、待つこと数日、今日商品が届いた。いちご指輪はおもちゃみたいだけどピンクのストーンがアクセントで、コドモじゃないわよと主張。ビスケットのピアスと指輪は木でできていて、かなりかわいい。しかし、思った以上にデカイ。確かにデカイと説明があった気がするけど、ここまで主張しているとは……。オレオクッキーより大きいのではなかろうか。舞台に立つような機会があったときの、とっておきにするべきか。先日買ったPhilaeのクッキーネックレスと組み合わせてもいいかも。

4月28日にはQ-pot初のムック(その名も「Q-pot」)が宝島社から出るそうで、こちらも注目。1380円で豪華付録の“Q-pot.チョコっとエコバック”(チョコレートのポーチの中からチョコレートのエコバックが登場。写真はこちら)がついてくるとはお値打ち。いまいまさこカフェの壁紙にも似ているし、これは買わねば。

ちょうど前原星良ちゃんから先日家にお邪魔したときに置き忘れた娘のたまのスプーンが届く。星良ちゃんが作ったフェルトのケース(どんぐりのアップリケつき)とソフトクリームの髪留めがオマケで同封されていた。「アイスね! かわいー! つける!」とたまは大はしゃぎ。お菓子アクセサリー好きはしっかり遺伝。ダイニングテーブルにもお菓子なシールがペタペタ。


【お知らせ】『いい爺いライダー』東京上映会

崔洋一監督に「おれらでも映画やれるべか?」と聞き、「やれる、やれる。本気でやるなら協力するよ」と言われて、北海道の素人高齢者集団が本気で作ってしまったのが2003年の『田んぼdeミュージカル』。(函館港イルミナシオン映画祭で拝見)したが、出演者の元気良さと計算では出せない味わいに観客一同ぶっ飛んだ。

第2弾『田んぼdeファッションショー』(05年)に続き、シニア暴走族が町の合併に反対して爆走する第3弾『いい爺いライダー~easy RideR the Tanbo~』(08年)が「第17回スポニチ芸術文化大賞」を受賞。優秀賞の綾小路きみまろ氏の中年パワーを爺いパワーで押さえた快挙。その贈賞式の前日に急遽東京で上映会が開催されることになったと脚本を書かれた知人の斎藤征義さんよりご案内が届いた。2008年の「地域づくり総務大臣表彰」にも選ばれ、爆音を轟かせて絶好調な『いい爺いライダー』をスクリーンで観られる貴重な機会、ご興味とお時間がある方はぜひ。

日時:4月16日(木)17時開場 入場料1200円
会場:渋谷ユーロスペース(東急本店近く) 
舞台挨拶:原田幸一(主演) 伊藤好一(監督) 崔洋一(映画監督・総合指導) 奥泉光(作家・特別出演)


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2008年04月08日(火)  はじめてのJASRAC使用料
2007年04月08日(日)  東京都知事選挙
2005年04月08日(金)  懐かしくて新しい映画『鉄人28号』
2004年04月08日(木)  劇団ジンギスファーム「123」
2002年04月08日(月)  シナリオに目を向けさせてくれた「連載の人」


2009年04月07日(火)  溶けたプラスチック入りインドカレー

打ち合わせを終えた帰り道、新しくできたインドカレー屋の前で足を止めた。今夜は娘を預けているし、ダンナの帰りも遅い。一人分の夕食をテイクアウトのカレーで済まそう。

うちに帰る頃にはナンもカレーも冷めていたので、レンジで温め直す。ナンは皿に移したが、カレーを皿に移すのを「洗い物が増える」からと横着した。プラスチック容器をレンジにかけて大丈夫なのだろうかと一瞬疑問が頭をかすめたが、「コンビニのお弁当もチンしているではないか」を根拠にレンジで2分。取り出そうとして、後悔した。容器の丸い口が楕円形にゆがみ、変形している。

あわてて皿に移し、2種類あるうちのほうれん草カレーを口につけると、明らかにプラスチックの味がする。もう一方のマサラカレーはさほど気にならないので、そちらだけを食べることに。だが、マサラカレーだけ無傷ということはあるまい。バターと生クリームで誤摩化されているだけだ。平らげてからプラスチックの味がこみ上げてきて、「まずい」と思った。空腹のあまり冷静さを失っていたけれど、これは食べてはいけなかったのである。

「プラスチックを食べてしまった!」とあわて、「どうしよう」と焦ったが、後の祭り。溶けたプラスチックが体の中で固まったりしないだろうか。職業柄、たちまち想像力スイッチが入り、胃壁に張りついたプラスチックをリアルに思い浮かべてしまう。子どもの頃、幼なじみのヨシカに「チューイングガムは飲み込んでも外に出て行かへんねんで」と脅され、ガムを飲み込むくせのあったわたしは、それまでに胃に納めた大量のガムが胃壁にベタベタイボイボとくっつく図を想像し、心底震え上がった。ヨシカは「あと、トマトの皮も」と言ったので、赤い皮も張りつき、グロテスクな眺めとなった。

忘れかけていたその恐怖がプラスチックとともに蘇った。プラスチックの材料は石油だっけ。でも、合成着色料も石油ではなかったか。だったら、少々口にしても健康を脅かすことはないか。でも、有害物質が溶け出していたら……。生命の危機に瀕すると、人間の頭は高速回転するものだと感じる。

こういうときは、とりあえずネットに聞いてみる。「溶けたプラスチックを食べた」で検索すると、同じ失敗をした人がたくさん見つかり、まずは安心。「電子レンジで変形することがあっても、よっぽどの高熱でなければ溶けない」という意見がある。歪んだプラスチック容器をよく観察すると、ところどころ透けるぐらい薄くなっていて、溶けたように見えるのだが、「変形」だと解釈することにしよう。でも、明らかにカレーは石油臭い味がしたのだが、「プラスチックの匂いを味だと勘違いするケースがある」らしい。万が一、プラスチック溶液が口に入ったとしても、「食品に使われるプラスチック容器は安全性をチェックしているので、命を脅かすような有害物質は基本的には使われていない」という。ちなみにコンビニのお弁当などに使われるプラスチック容器は「レンジOK」の材質なのだとか。

質問掲示板に駆け込んだ「プラスチック食べちゃった人」が寄せられた回答にお礼を書き込めているということは、「命に別状なし」の何よりの証拠。「大丈夫そうだ」と気が大きくなると、気分も良くなったが、命が縮む思いを味わって、カレーも味わうどころじゃなかった。皿洗いをケチるものじゃないなと反省。

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2008年04月07日(月)  マタニティオレンジ262 たま大臣の記者会見
2007年04月07日(土)  G-up Presents vol.5『アリスの愛はどこにある』
2004年04月07日(水)  2人で150才の出版祝賀会
2002年04月07日(日)  イタリア語


2009年04月06日(月)  『韓流「女と男・愛のルール」』(朴チョンヒョン)

物を書く仕事をしている縁で、書物を贈られる機会が多い。わたしも自著を贈った経験があるけれど、贈る側からすると、すぐさま読んで感想を聞かせて欲しい、できればネットなんかで宣伝もして欲しい。書籍の売り場争奪戦は、映画の小屋争奪戦以上に厳しく、話題にならない本はどんどん淘汰され、売り場から撤退させられてしまう。せっかく口コミしてくれるなら、早ければ早いほどいい。

それがわかりつつ、一月下旬に届いた朴チョンヒョン(漢字で表記すると、チョン=人偏に宗、ヒョン=玄)さんの『韓流「女と男・愛のルール」』に手をつけずにひと月経った頃、著者ご本人から「本届いていますか? お礼がまだですが」と彼らしいストレートでお茶目な問い合わせのメールがあった。早速あわててページをめくると、面白さと読みやすさもあり、数時間で読みきれた。なんだ、これぐらいの時間ならもっと早く取れたのに、と申し訳なさも手伝って、大急ぎで感想をまとめ、「わたしの日記でも紹介しますね」と書いたのが、2月20日。それからあっという間にまたひと月。朴さん、ごめんなさい。

朴さんに会ったのは昨年のこと(>>>2008年11月01日(土)「恋愛地理学」の朴教授)。朴さんの研究仲間であるツキハラさんの上京に合わせて、ツキハラさんの友人たちが集まった会にダンナとともに同席した。ちょうど朴さんがこの本の原稿を執筆中のことで、登場するエピソードのいくつかを披露してくれたのだけど、なかでも「韓国人は記念日好き」という話が印象に残った。わたしが大の記念日好きで、誕生日や結婚記念日はもちろんのこと「出会った日」や「初めてデートした日」をしっかり記憶し、歳月がめぐってもそれを思い出し、相手にも同じことを求めるがゆえに軋轢を生むことがある。その被害者であるダンナは、「韓国の女性とつきあったら、うちの嫁以上に面倒くさそうだ」と思い、わたしは「韓国の男性なら、わたしの記念日好きにつきあってくれるかも」と思ったのだった。

実際に読んだ本のなかでも、最も興味を惹かれたのが、この「記念日好き」話。バレンタインデー、ホワイトデーにちなんで、韓国では毎月14日に恋人たちの記念日が設定されているという。記念日信仰者のわたしでさえ、1歳までは毎月祝っていた娘の月誕生日を最近は忘れがちなので、恋人と月に一度の記念日を祝おうと思ったら、かなり高熱な恋愛温度と強度な恋愛体力(忍耐力)が必要になる。キムチとプルコギで蓄えたスタミナが恋愛にも活きているのだろうか。

とくに面白かったのは、恋人がいない男女が黒ずくめの服装で黒いものを食べて独り身をアピールする4月14日の「ブラックデー」。朴さんが来日してから生まれた記念日で、何も知らない朴さんがたまたま黒を来て入った店で黒いものを食べ、ふとまわりを見たら辺り一面真っ黒で何事かと慌てたという。本人の口からすでに聞いた話だったけれど、本を読みながら、また笑ってしまった。「世にも奇妙な物語」とか短編映画にそのままできそうなヘンな光景だ。

ホワイトデーのひと月後にブラックデーをぶつけるのは、「白黒つけたがる」韓国流の現れにも見えて興味深い。本の中では、「グレーでいようとする」日本流との対比で「韓流白黒のつけ方」が描かれていて、なるほどお隣の国なのに真逆だなあとカルチャーショックを受けた。たとえば、5人グループの中で2人が仲違いをした場合、日本では当事者同士は絶縁しても、あとのメンバーとのつきあいは続く。A子と喧嘩したB子は、B子以外の3人とはこれまで通りつきあいを続けるし、B子もA子以外の3人との縁は切らない……というのはよくあるパターン。ところが、韓国では、「A子派とB子派にグループが分裂」するのだという。どっちつかずの自分を許せず、立ち位置をはっきりさせてしまうらしい。ううむ、ここにもキムチ・プルコギパワー。日本流では「A子ともB子とも仲良くする」ことに疑問や葛藤を感じないのは、「なあなあ」という曖昧さがクッションになっているからかもしれない。

他に興味をそそられたのは……。

「韓国人は口喧嘩するけど手を出さない」という指摘。日本人は言葉にする前に傷つける行為に走ってしまう、その背景に「怒りをぶつけるボキャブラリーが貧困だから」という説は新鮮。

韓国の母の息子への溺愛ぶりは、身につまされて読んだ。韓国の男性と結婚した日本の女性は、家庭に干渉する姑の越権行為に辟易としてしまうらしい。溺愛度なら日本のわがダンナの母も負けておらず、「あなたはいいわねえ、毎日あの子に会えて」などと真顔で言われたりする。彼女にとっては息子は永遠の恋人で、嫁はライバル。口出しもしたいし、手出しもしたい。わたしの場合はダンナ母に「まいりました」と白旗を上げたうえで、いろいろと教えてもらったり助けてもらったりしている。息子への愛のお裾分けをいただくつもりでつきあうのが、嫁姑円満の秘訣かもしれない。

「秘密」の取り扱いの日韓の違いも面白かった。秘密を「言うな」と言われたらその約束を守ろうとする義理の日本人に対し、韓国人は言うべき相手との情を優先させる。隠すにせよ打ち明けるにせよ秘密のやりとりには感情の動きが伴うので、脚本を書く上で(ドラマを転がす上で)はとても大事な要素。でも、日韓では、そのタイミングや相手が変わってくる。女友達の秘密を黙っていた妻を夫がなじる(夫婦の絆のほうが親友の絆に勝るという判断)くせに、女友達が泊まりにきたときには、妻は夫とではなく女友達と寝るのが普通なのだというから一筋縄ではいかない。

脚本といえば、朴さんは日本のテレビドラマをかなり見ていて、日韓恋愛観の違いを見比べる材料にもしている。本文中にもいくつかのドラマが引き合いに出されているが、脚本家の名前を明記していたのは好評価。テレビのドラマ欄でも脚本家の名前が記される機会は少ないので、わたしが所属する日本シナリオ作家協会はクレジット表記に躍起になっているという事情とあわせて、朴さんにはお礼を伝えた。

「今井さんとダンナさんも登場していますよ」と朴さんに教えられていたので、どんな風に書かれているのかしらんと期待して探してみたら、「プロポーズのなかったカップル」として登場。韓国の男は愛の言葉を臆面もなく口にし、プロポーズにも気合いを入れて白黒つけるが、日本の男はプロポーズさえ出し惜しみする。その日本代表に抜擢されていた。ううむ。

するっと読めるけれど発見盛りだくさんな『韓流「女と男・愛のルール」』。興味を持たれた方は、ぜひ読んでみてください。

他に大阪出身でコピーライターから脚本家に、という経歴がわたしと似ている友人の川上徹也さんから『仕事はストーリーで動かそう』が、わたしが脚本を書いたラジオドラマ『アクアリウムの夜』に出演された秋元紀子さんの友人、井上豊さんから5月刊行予定の『冒険リクタウミ』が届いている。近いうちにご紹介したいと思う。

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2008年04月06日(日)  ギャラリー工にてマッキャンOB『Again』展
2007年04月06日(金)   エイプリルフールと愛すべき法螺吹き
2002年04月06日(土)  カスタード入りあんドーナツ


2009年04月05日(日)  新聞広げて宝探し

一歩も外へ出ず、家にこもってパソコンに向かう。気分転換に、たまった新聞の整理をする。ネットで記事を読める時代ではあるけれど、新聞を広げる時間には代えられない。森の中から木の実を探すようなワクワク感も、深海に眠る真珠を掘り当てる興奮も、視界に納まりきらない見開きの新聞紙から見つけ出すという行為あってこそと思う。ダンナが「バサバサとうるさい」と非難するほどの音が立つので、かなりのスピードでめくりながら目を走らせているのだけれど、アンテナに引っかかる記事は、どんなに小さくても、「ここですよ」と知らせて光っているみたいに目に留まる。

今日の宝探しで拾った小さな記事は……。

3月21日(土)朝日。毎週楽しみに読んでいる落合恵子さんのエッセイ「積極的その日暮らし」。根つきのセリの根っこを水を張ったグラスに挿して、伸びたセリをまた料理に使ったり、人参の頭から出る葉っぱを楽しんだり、生ごみになるはずの野菜から生まれる窓辺の緑たちが、「人生のちょっとした煩い」を吹き飛ばしてくれるという言葉に共感。『人生のちょっとした煩い』を書いたアメリカの女性作家を「キッチンテーブルライター」のひとりと紹介している。書斎を持たず、子どもが食べたクッキーのかけらが散らかっているような台所のテーブルが仕事場。わたしもそれだ、とわがキッチンの窓辺の森を眺めながらうなずき、「キッチンテーブルライター」の呼び名を気に入る。

3月30日(月)朝日。「先生からのサプライズ」と題した投書。小学校卒業を間近に控えた6年生に担任の先生が6年分の同窓会をプレゼント。1時間目は1年生のクラスの同級生と、2時間目は2年生のクラスの同級生と集まり、一日をかけて6年間を振り返ったという。何て粋な贈りものだろう。

4月2日(木)読売夕刊。くるくる回る部分がいちごにペイントされたカナダ・バンクーバーを走るセメントミキサー車の写真。そういえば、アメリカで食べたいちごは長細かった気がする。日本だったらいちごよりタケノコかな。

4月3日(金)朝日。明治・大正の記事データベース。1879(明治12)年の記事には自転車が登場している。1925(大正14)年の記事では、不景気で菊池寛の収入が激減。1922(大正11)年の献立には「豚肉と野菜のカレー」や「焼きナスのマヨネーズソースかけ」が登場。未成年の飲酒禁止は1922(大正11)年からで、1889年(明治22)年に「13歳の少年がそば7杯、酒を6合」無銭飲食して警察に突き出されているが、飲酒は問題になっていないのが興味深い。


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2008年04月05日(土)  桜吹雪舞う鎌倉
2007年04月05日(木)  消えものにお金をかける
2004年04月05日(月)  シンデレラブレーション
2002年04月05日(金)  イマセン高校へ行こう!


2009年04月04日(土)  朝ドラ「つばさ」第2週は「甘玉堂よ、永遠に」

つばさ第1週の放送最終日の6日目。BS2で観て、総合で観て、一週間分まとめて放送を観る。娘のたまの「たま語」のつばさ語録も一週間でずいぶん収穫できた。30日の初日から「シ〜ザ〜」と主題歌に合わせて歌い、「なんでシーザーっていってるの?」と突っ込み、わたしが「ママはお仕事で『つばさ』作ってるんだよ」と教えると、「たまちゃん、おしごとで、ちょうちょさんつくってるの」と張り合っていたが、毎日毎日何度も観るものだから、次第に「つばさ」を「ママを横取りするライバル」視するようになった。「ちゅばさ、おわり〜」とテレビを止めようとしたり、「たまちゃんでてないよ」と訴えたり、「だんだんがいいよ」と前作を引き合いに出したり。「だんだん」と言えば、竹内まりやさんのナレーションが「また明日。だんだん」と締めくくることが多かったが、たまはそれが印象に残っているらしく、「つばさ」の放送が終わると、「ちゅばさっていわないの?」と不思議がる。

昼から四ツ谷駅近くの土手で花見。同席した皆さん、「つばさ、観てますよー」。スタッフに面と向かって悪口言う人はいないだろうから贔屓点は加算されているだろうけれど、「面白い」「ヒロインが可愛い」などと好意的。「家事の描写が細かくてリアル」と細かいところをよく観てくれている人も。作り手の意図や意欲がけっこう伝わっていることに、ほくほくする。

「つばさ」は一週間ごとの「パッケージ感」を意識していて、毎週月曜日の入口と土曜日の出口をしっかり作り、サブタイトルもその週にふさわしいものを吟味してつけている。第1週「ハタチのおかんとホーローの母」に続いて、第2週は「甘玉堂よ、永遠に」。この週も小ネタがいろいろ登場。斎藤清六さん演じる中古機械のブローカー・田中さんが紹介する和菓子製造機の「あずき2号」。わたしのご近所仲間で鉄道ファンのT氏は「あずさ2号が登場するのですか!」と興奮したが、「あずさ」に横棒一本足して「あずき」である。鉄道といえば、西武鉄道と東武鉄道が競い合うように「つばさ」ラッピング電車を走らせているのが話題になっているが、つばさの弟・知秋が「鉄道ファン」らしきものを愛読しているのも見逃せない。どうやら知秋は「鉄」の様子。知秋を演じる冨浦智嗣君は、わたしのまわりの主婦の間で話題沸騰。声といい、動きといい、想定外なところが「気になる〜」「くぎづけ〜」となるそう。

今後も度々登場する「一見おふざけ、でも重要」アイテムとしては、一週で外箱だけ登場した「センジュくん」。掃除道具を千手観音状態にした便利なんだか不便なんだかわからない代物。つばさの母・加乃子が一攫千金を目論んだものの大量の在庫を抱え、玉木家で場所を取ることに。こういう売れないものに夢を託してきた結果、加乃子の借金は膨らんでしまった模様。2週ではセンジュくんを実演販売する加乃子も見られ、放浪の10年間の生き様がうかがえる。

そして、これまた「一見おふざけ、でも重要」なサンバダンサーが玉木家のお茶の間に登場。何度も見ると感覚が麻痺してくるけれど、初めて見ると度肝を抜かれるかもしれない。畳の上を踊り歩くサンバダンサーは、なんともシュール。

連続テレビ小説「つばさ」
【放送】
総合・デジタル総合 (月)〜(土)8:15〜8:30
デジタル衛星ハイビジョン (月)〜(土)7:30〜7:45
衛星第2 (月)〜(土)7:45〜8:00
[再放送]
総合・デジタル総合 (月)〜(土)12:45〜13:00
衛星第2 (月)〜(土)19:30〜19:45 (土)9:30〜11:00(一週間分)



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2008年04月04日(金)  アートフェア東京で名久井直子とミヤケマイ作品集の話
2007年04月04日(水)  マタニティオレンジ104 ママ友さん、いらっしゃいませ。
2004年04月04日(日)  TFS体験入学
2002年04月04日(木)  前田哲×田中要次×松田一沙×大森南朋パコダテ人トーク


2009年04月03日(金)  たんすの肥やしに絵を描く

ちょこっと時間が空いて、気分転換に仕事から離れたことがしたくなった。でも、たまりにたまった家事からは逃げて、絵を描くことに。宮崎あおいちゃんが舞台『その夜明け、嘘』で着てた衣装に手描きっぽい模様があったのがすごく可愛くて、わたしも服に絵を描いてみたくなったのだけど、なかなか時間が取れなくて、ひと月経っていた。

たんすの奥に眠っている生成りのワンピースと白のオーバーブラウスを引っ張り出す。ワンピースはアメリカに留学したときに買ったインド製のもの。30ドルぐらいだっただろうか。かなりサイズが大きいので裾を端折り、肩を結ばないと引きずってしまう。こちらは20年以上持っているけれど、10年以上着ていない。学生時代に京都の新京極で2980円で買ったオーバーブラウスはマタニティウェアとして重宝したけれど、出産してからは袖を通していない。

なくても困らないけど捨てるには忍びない2着をキャンバスに、これまた棚の奥から絵の具箱を取り出し、パレットにリキテックスを溶いて、まずオーバーブラウスで練習。布を引っ張りながら描かないと筆がつっかえて止まってしまう、生乾きのまま持ち上げるとあちこちに色がつくなどの反省を踏まえてワンピースは少しましな仕上がりになった。余っているボタンもつけて、ちょっぴり華やぎ、この春は出番がありそう。

娘のたまは壁に掛けた2着に咲いたオレンジの花を見て、「ママがかいたの?」と興味しんしん。ダンナが帰宅すると、「パパ、これママがかいたんだよ」と報告していた。そういうわけで、今夜の子守話は、オレンジの花のお話。

子守話53「オレンジいろの そらとぶじゅうたん」

オレンジいろのはながいちめんにさいている
おはなばたけに たまちゃんがやってくると
どこからか ちいさなこえがしました。
「たまちゃん はるがきたよ。
 いっしょに はるをさがしにいこうよ」
たまちゃんは あたりをみまわしましたが
たまちゃんのほかには だれもいません。
「どうやって はるをさがしにいくの」とたまちゃんがきくと
「おはなのうえに ねっころがってごらん」とこえがこたえました。

そこで たまちゃんが おはなのうえにねっころがると
オレンジいろのじゅうたんが ふわりとまいあがりました。
たまちゃんをのせた そらとぶじゅうたんは 
なんと たくさんのちょうちょたちでした。
おはなとそっくりなオレンジいろのはねのちょうちょたちが
おはなばたけのはなのうえで たまちゃんをまちうけていたのです。 

そらのうえからみおろすと みどりがくっきりとみえました。
いろとりどりのおはなばたけも みえました。
とりたちがうたいながらとぶのも みえました。
そこにもここにも はるがたくさんありました。

そらとぶじゅうたんは はらっぱにおりたちました。
たまちゃんをおろしたオレンジのはねのちょうちょたちは 
たまちゃんにバイバイしながら いっせいにとびたちました。
そらにおはなばたけがあらわれたようで そこにもはるがありました。

「つばさ」視聴率はいったん17%を割り、昨日放送の第4回は初日と同じ17.7%に浮上したそう。視聴率はそもそもCMの値段や打ち方を決める指標で、コピーライターをやっていた頃は、この数字を使ってキャンペーンの予算配分をプレゼンしていた。脚本家になった今は、CMのない番組で視聴率の浮き沈みに一喜一憂しているのが不思議。

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2008年04月03日(木)  アテプリスペシャル宣伝デー
2007年04月03日(火)  マタニティオレンジ103 保育園の入園式


2009年04月02日(木)  御伽話な法螺話が気持ちいい『フィッシュストーリー』

伊坂幸太郎原作×中村義洋監督作品第2弾『フィッシュストーリー』を観る。前作『アヒルと鴨のコインロッカー』を気に入った伊坂氏から中村監督に映画化をお願いしたのだとか。伊坂幸太郎作品はわたしもいくつか読んでいるけれど、一読者として心底楽しみながら、一制作者として「映像化は難しそうだなあ」といつも感じる。だから、前作で原作者を唸らせ、次につなげた中村監督の力量にわたしも唸ってしまう(脚本は前作が中村監督と鈴木謙一さん、今作が林民夫さん)。『チーム・バチスタの栄光』に続いて公開中の『ジェネラル・ルージュの凱旋』も海堂尊原作2連発。

中村義洋監督がデビュー作『ローカルニュース』をひっさげて函館山ロープウェイ映画祭(翌年から函館港イルミナシオン映画祭に改名)に現れたとき、わたしは初めてシナリオの賞をもらい、授賞式のために映画祭に参加していた。『ローカルニュース』の設定のバカバカしさと登場人物の愛らしさに「こういうのも映画なのか」と驚き、同じ1970年生まれの監督がその後脚本家としても活躍するのをひそかに眺めていたのだけど、ここ数年はとくに注目作が続き、ますます目が離せない監督になった。

そんな中村義洋監督の最新作に朝ドラ「つばさ」でご一緒している多部未華子さんが出演とあって、これは観ねばと池袋シネ・リーブルへ向かったのだった。ちょうど連載エッセイ「出張いまいまさこカフェ」11杯目が載ったbuku(池袋シネマ振興会のフリーペーパー)が3月下旬に出たばかり。表紙は多部さんで、『フィッシュストーリー』のインタビューと出張いまいカフェを続きで読める。


さて、期待十分の作品の中身は……。原作はまだ読んでいなくて、あらすじの情報はチラシだけ。早過ぎたパンクバンド「逆鱗」の最後のレコーディング曲(1975年)が時代を超えて誰かの人生に影響を与え、最後は2012年の地球滅亡の危機を救うという壮大なストーリー。』時代がどんどん飛ぶということで、ついていけるかしらと不安になったが、一度も混乱することなく物語に入っていけた。

忘れられた「逆鱗」の最後の曲『フィッシュストーリー』は、無音の間奏部分に女性の悲鳴が聞こえるという噂とともに呪いマニアの間で生き残るが、消された間奏部分には元々何が入っていたのか? 意味不明とも哲学的とも取れる『フィッシュストーリー』の歌詞の出典は? 歌に影響を受けた大学生は、合コンで出会った霊感の強い女子大生の予言通り人類滅亡の危機を救う人物となれたのか? 冒頭から何度か出て来る「正義の味方ゴレンジャー」の意味するものは?……それまでの約100分でちりばめられた数々の謎や伏線のパズルのピースが一気につながるラストが実に気持ちいい。

多部さん演じる「眠りこけてフェリーを下り損ねた名門私学理数系の修学旅行生」の伏線も見事に回収され、人類滅亡の絶望が晴れるのと観客の頭の中の疑問符が吹き払われるタイミングがうまく合って、目の前がすっきりと開けたような爽快感。それは伊坂幸太郎作品の読後感によく似ていて、ラストは原作とは変えているらしいけれど、作品の持つ空気の映像化に成功していると感じた。

見逃せないのは、作品で重要な役割を演じる音楽の説得力。『フィッシュストーリー』が力のある曲でなかったら、「誰かの人生を動かす埋もれた名曲」であることが嘘っぽくなってしまう。伊坂氏が多大な影響を受け、強い絆で結ばれているという斎藤和義氏の音楽がなければ、この映画は成立しなかったと思う。劇中で何度聴かされてもしつこさを感じさせず、むしろ病み付きにさせる旋律と歌詞(伊坂氏との共同作詞のよう)。加えてボーカル役の高良健吾さんの声に哀しみと色気があって、ゾクゾクした。

タイトルのフィッシュストーリーとは、法螺話のこと。「逃した魚はでかかった」と釣り人の話は大きくなりがち、というのが語源らしい。その連想もあって、ティム・バートン監督の『ビッグフィッシュ』を観終えたときの何ともいえない幸せな気持ちも思い出した。自分たちの曲はきっと売れないとわかりつつも、もしかしたら誰かの心に届いて、その人生を変えて、何年か後に人類を救うかもしれない。そんな法螺話のような未来を語るバンドメンバーが愛おしい。その「ありえない未来」が映画という嘘の中でかなったとき、人生バンザイな気持ちになった。めぐりめぐって、まわりまわって、何が起こるかわからない。だから、人生はやめられないし、明日が今日より楽しみになる。彗星が地球に衝突する直前の地球を舞台に、法螺話で御伽話をこしらえてしまう伊坂幸太郎氏にもあらためて感心した。

ところで、彗星が地球にぶつかって人類滅亡の危機といえば、わたしが一晩に二度読むほど惚れた『終末のフール』を連想させる。調べてみると、原作『フィッシュストーリー』は、後に単行本『終末のフール』に納められる連作短編を小説すばるに連載していた終盤、「演劇のオール」(2005年8月号)と「深海のポール」(2005年11月号)の間、2005年10月号の小説新潮に掲載されている。単行本『フィッシュストーリー』には他に4編が所収されているから、原作は短編らしい。ぜひ近いうちに読まなくては。『終末のフール』も中村義洋監督なら映像化できるかも。


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2008年04月02日(水)  マタニティオレンジ261 「お母さん、しっかりしてください」と歯医者さん
2007年04月02日(月)  21世紀のわらしべ長者
2005年04月02日(土)  アンデルセン200才
2002年04月02日(火)  盆さいや


2009年04月01日(水)  (ホームレス)公田耕一氏と(アメリカ)郷隼人氏

毎週月曜の朝日新聞朝刊に掲載される朝日歌壇からこのところ目が離せない。掲載された歌の作者名の上には(東京都)のように所在地が記されるのだが、(ホームレス)公田耕一という作者が昨年の暮れ頃に現れた。すでに(アメリカ)郷隼人という常連がいて、漢字ばかりの地名の中でカタカナ4文字が異彩を放っていたのだが、編集者が(住所不定)ではなく(ホームレス)の表記を選んだことで、カタカナ所在地作者が双璧を成すことになった。

(アメリカ)郷隼人氏の作品は、わたしが見る限り100%ではないかと思われる高い掲載率を誇り、三十一文字の私小説を連載で読みながら主人公の郷隼人氏を少しずつ理解している。どうやらアメリカで服役中で、その年月は数十年を数えるらしいが、その一週間、一週間は短歌の投稿で刻まれている。塀の内から塀を越え海を越えた歌が毎週のように掲載され、読者は彼の無事を知るが、作者本人は朝日新聞を読み、掲載の有無を確かめる手だてはあるのだろうか。

一方、(ホームレス)公田耕一氏の三十一文字私小説も、ときどき休みの週はあるけれど、作者の人となりを想像するのに十分。赤いきつねと迷った挙げ句に朝日を買うという内容の歌があったりする。2月頃に「連絡求む」の記事が朝日新聞に載った際に紹介された「選に漏れた歌」によると、体を悪くされている様子。その記事を追って「ホームレス歌人の記事を他人事のやうに読めども涙零しぬ」という歌が掲載された。読者からのお便り欄にも反響があり、さらに「連絡を取る勇気がない」との申し出があったという続報が載り、それでも(ホームレス)公田耕一氏の投稿と掲載は続き、ますます朝日歌壇から目が離せなくなるのだった。

そして、一昨日の朝日歌壇を開いて、あっとなった。

温かきコーヒーを抱きて寝て覚めれば冷えし
コーヒー啜る   (ホームレス)公田耕一

囚人の己が〈(ホームレス)公田〉想いつつ
食むHOTMEALを   (アメリカ)郷隼人


気になる二人の作品が並んで掲載されている。公田氏と郷氏のそれぞれに思いを馳せ、「公田氏の上には屋根がなく、郷氏の上には屋根があるのだろうか」などと考えたことはあったけれど、二人の一方がもう一方を想う場面を想像したことがなかった。「あの人はあたたかいものを口にしているのだろうか」と思いやる郷氏への返事のように、公田氏はカイロ代わりに抱いて冷めたコーヒーを詠んでいる。今週も公田氏は赤いきつねの代わりに朝日を買っただろうか。アメリカからのメッセージが家なき人に届きますように。もしかしたら、近いうちに公田氏の歌に郷氏のことが詠み込まれるかもしれない。(アメリカ)と(ホームレス)が短歌を通じてつながった瞬間に興奮を覚えた読者はわたし一人ではないだろう。二人のカタカナ詩人を見守るたくさんの読者と、わたしもやわらかくつながっている気がする。

今日は春の嵐で夕方から雷雨。娘のたまは雷が珍しいらしく、窓の外がピカッと明るくなるたびに不思議そうに見ていた。というわけで、今夜の子守話は雷一家のお話。たまは気に入ったのか、終わるたびに「かみなりのはなし」と再演をせがみ、3回繰り返して聞かせた。
子守話52 かみなりかぞく

そらがピカッとひかって 
ドンガラガッシャンとおとがして
あめがザーザーふっている。
どうして こうなっているか わかる?
そらのうえで かみなりのかぞくが おおげんかしているから。

ピカッとひかるのは かみなりママの てかがみ。
かみがたが うまくきまらなくて 
あさからずっと かがみとにらめっこ。
「おい いつまで やってんだよ! 
 はやく ばんごはんを つくってくれよ!」
おなかをすかせた かみなりパパが おこりだして
たいこをたたいて ドンドンドンドン。そうしたら
「もう しずかにしてよ! べんきょうできないよ!」
かみなりにいちゃんも おこりだして
あしをふみならして ドンドンドンドン。そうしたら
「うるさくって でんわがきこえない!」
かみなりおねえちゃんも おこりだして
かべをたたいて ドンドンドンドン。そうしたら
「しずかにしないと ごはんつくらないわよ!」
ばくはつあたまのママも いかりがばくはつして
なべをたたいて バンバンバンバン。そうしたら
たなのものがゆかにおっこちて ドンガラガッシャン。
ねんねしていたかみなりあかちゃんが めをさまし
エーンエーンとなきだして あめがザーザーふりだした。


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