2004年04月08日(木)  劇団ジンギスファーム「123」

■三軒茶屋のシアタートラムで劇団ジンギスファームLive vol.11「123(ひふみ)」を観る。前田監督に「よかったら」と誘ってもらったのだが、出演者の中に昨年観た『ワンダフルボーイ』に出演していてとっても印象的だった丸山優子さん(スーパー・エキセントリック・シアター)の名前を見つけて、「行く!」と乗った。「女の幻」を演じる松本英子さんの歌で幕が開ける。透明感のある伸びやかな声。篠原ともえさんとユニット 「ZuTTO 」を結成している歌手とのこと。その幻を見ているのが、主人公の新聞配達員。女の幻が消えると、幼馴染みの男の幻が現れ、彼を苦しめる。夜毎夢にうなされる彼は、住み込み先の新聞販売所で朝刊・夕刊の社会面を必ずチェックするのだが、彼の抱えている事情が次第に明らかになっていく……というストーリー。■舞台が新聞販売所というのが新鮮。うちの近所にも小さな販売所があって、薄く開いた扉から輪転機がチラシを吐きだすのが見えたり、若い兄ちゃんたちが新聞の束を抱えて出てくるのに遭遇したりする。その中で何が行われているのか、大いに想像をかきたてられていたのだ。新聞にチラシを挟み込んでいるところに追加のチラシが届いて「オイオイ」となったり、購読者からの「届いてない!」コール(「不着」と呼ぶらしい)に洗剤持って飛び出したり、朝刊配った後にみんなで朝ごはん食べたり、へぇーこんな感じなのかなと思いながら興味深く観た。新聞配達員の誰かに何かあったとき、その記事が載った新聞を仲間が配る。悲しい記事のときは、泣きながら。そんな視点も新鮮だった。どんなに機械化が進んでも、新聞を戸口に届ける仕事は人の手を介さなくてはできない。毎日当たり前のように届く新聞、その向こうには必ず誰かの手があり、誰かの走る姿がある。

2002年04月08日(月)  シナリオに目を向けさせてくれた「連載の人」

<<<前の日記  次の日記>>>