消えてゆく小さなこと


消 え て ゆ く 小 さ な こ と

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1903年06月30日(火)

貴方の言葉は 貴方の思いなのですか
それともウラハラなのですか
奥の思いは言葉にはしないということなのですか

だから貴方の居場所は
いくつもあるということなのですか


1903年06月29日(月)

あなたの言葉が気になって

怒っているかもしれませんね
いえ きっと怒ってるでしょうね

そんなことばかり


1903年06月28日(日)

引き出しに綺麗な便箋 残ってました
封筒も切手もまだたくさんありました
あんなに使っていたのに
もう使わなくなったまま

もう一度あなたへ 書こうと思いました
でもうまく書けなかった
ずいぶん時が経ったからですね
言葉をつなげなくて
まるめてしまいました


1903年06月27日(土)

風のかなたに こぼしてきたもの
もう拾えないもの

窓辺より答さがして東へ西へ
彷徨い出るのはやめて

たとえば風の 背中をみつめて
行く先をわかるだろうか


1903年06月26日(金)

遠くの友達に もう便りも出さなくなりました
メールもあるし何かあれば電話もあるし
そう思いながら それほどの事でもないからと
年賀だけになりました
それもだんだん簡単になりました
そのうちに生存証明になるのでしょうか

こんなに突然の大粒の霰に驚いて
ねえ!すごいの と
無邪気なお喋りをしたいのに


1903年06月25日(木)

マツムシソウをじっと見ていたら
回り続ける風ぐるまのようでしたよ
揺れながら次第に輪郭がぼやけて
羽根の形はいびつなまま
色だけが溶け出していきましたよ


1903年06月24日(水)

大人でしょうか
大人ではないでしょう

荒らんだ自分の気持ち
捨て場に困って
置き去りにして
遂げる気のない言い訳

回収されない塵のように
道の端に追い遣られてゆくもの


1903年06月23日(火)

明るい陽ざしのなかに
透明な風にみちて
あまいかおり

通りにも
この部屋にも
一日どこにいても
ひとの話し声にさえ


1903年06月22日(月)

川沿いのルート
もうすっかり秋に変わっていた
茅や黄色い花々の穂が丈高く
土手一面に揺れていた
細い葉は乾き始めて

ずっと湘南ナンバーの
黄色いスポーツカーの後ろだった


1903年06月21日(日)

きっと飽き性
維持することが苦手
続くことも苦手
変化進歩新しい展開期待
そういうものが好き

何時まで続くのかわからない 
というものに退屈する
何時までも変わらないで欲しい
とは願わない


1903年06月20日(土)

影武者ならば 仮面以下
助太刀ならば それ以下


1903年06月19日(金)

貴方に贈り物を出来てよかった
これで借りはありません
お別れできる


1903年06月18日(木)

ミントのタブレットがしゅわしゅわと
青い湯になってゆくときが好き
ゆっくりと気持ちがほぐれてゆく
しずかな夜が広がる気がする
久しぶりに靜かに更ける夜
考えごとがまとまってゆきそうな夜


1903年06月17日(水)

あなたは仮面をつけていて
わたしはベール

それだけのこと
でも大きく違う


1903年06月16日(火)

朝 ぐるぐるまわってみたら
まるい蕾たちをみつけた
よかった いつかは咲く
今年は台風でダメかと思っていたから

今日はものすごく暑くて
夕方 ベランダにいて
あっと気づいたよ
どこかで開き出している

キンモクセイの日


1903年06月15日(月)

リーばかりなので
ストライキしてみた
それだけ


1903年06月14日(日)

あなた方の意地の張り合い
もうどうでもよくなりました
巻き込まれたくありません
あなたにつこうとしたけれど
どちらにもつかない
その方がよいのでしょう?
だからそこへは近寄らない


1903年06月13日(土)

どこに入ればいいというのだろう
それぞれに違う向きで座す人の間に
座りかけては躊躇って
だまって部屋を出る
てんでバラバラに何を話しているの
ひとりごと胸に秘めるカウンターのほうがいい


1903年06月12日(金)

繋がりは突然にできる
見えないほどの細い糸に
からまれるのはいや
あなたはあなた
わたしはわたし
ひとりでいる
放っておいて


1903年06月11日(木)

曇ったガラスを指でぬぐえば
もう日が落ちるのか 暗い町
雨の音が静かになって通る人もなく
どこかでピアノの稽古の音がしている
一音ずつゆっくりと
まだ子どものようなテンポがこの暗い窓辺に届く
きっと今はまだゆっくり幸せなんだね
その短調は私には哀しいけれど
あなたには虹色かもしれないね


1903年06月10日(水)

もう誰もいない
皆いなくなってしまった
もう誰もやってこない
入り込むのは隙間風
ちいさな溜息を落とす

暗い木陰で散り落ちた葉を燃やせるなら
何もかも一緒にくべてしまうのに
煙にむせて泣けるのに


1903年06月09日(火)

今年 何度台風の雨を眺めただろう
この窓を激しく叩き続けた

でも今日の雨はひどく寒い
部屋の中から眺めているのに凍えそうだ
もう明るくはならないような
このまま日暮れてずっと夜のままのような
寂しい気持ちになる雨
熱烈さはなくて もはや晩秋の佇まい
胸の中に晴れ渡る高い空をも忘れそうだ


1903年06月08日(月)

ずいぶん前から決まっていた検査 
嬉しい検査なんてないけれど
何度もしてきたけれど 
初めて ぼんやりと受けている自分に気づく
検査に対してどぎまぎがなかった
どっちにしても仕方ないこと
そういう気持ちしかなかった
自分のからだは死ぬまで自分のもの
取替えはできないのだもの


1903年06月07日(日)

生きる強さを持っている瞳(め)
生きる哀しさを知っている瞳

いい瞳をしている


1903年06月06日(土)

行き着くところまで行って
己の愚かさに気づく
時間を大切にすること
忘れていたかもしれない
闇雲に動いて疲れた
何も残っていない
時間が消えてしまっただけ


1903年06月05日(金)

黙ってそこへ花を置いているのは私です
誰も知らない あなたも知らない

飾りたいという気持ちだけで
迷惑かもしれない愚かなことを続けている


1903年06月04日(木)

いつも失敗する
尋ねてはいけないことを尋ね
言ってはならないことを言い
書いてはならないことを残してしまう
掘り返した穴だらけの道

風嵐吹けば 
遠くの山のスカイラインさえ見えそうで
穴だらけでも道だけはきっぱり通そうと思う


1903年06月03日(水)

遠くの夢を明るく灯し続けること
胸のうち密かに
星を秘める気持ち
そこだけ熱い


1903年06月02日(火)

夢の中の自分 きっと真実

どうしようもなくて途方にくれた
けれど変えようがなく 変えたくもなく
もどかしい自分がいた 
臆する自分がいた
気の利かない自分がいた

普通に市民し
おおらかにグループの一員する
けれど自由時間になると
微妙に歩調をずらし始める自分がいた
離れていようとする自分がいた

集合はしたけれど
何かが明るく閉ざされていて
どこにも属さず 誰にも繋がらない

望んだことなのか
分からない自分がいた

夢の中の自分 きっと真実


1903年06月01日(月)

ベビーキウイ にハマっています
何かに似てる気がするのに思い出せない
ふしぎなもの
ナゾが解けるまで 当分かかりそう
いつまでお店に並ぶのだろう
一年中あるといいのに
大粒のブルーベリーの感触と似てる
小粒のプルーンもだけれど
皮ごと食べるものって 好き




天窓より          


−ともすれば消えそうになる自分を見失わぬよう−       

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− ささやかに −          

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日付は通し番号として記しています         


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