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JIROの独断的日記
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2006年06月30日(金) 「ウィニー開発・公開の元東大大学院助手に懲役1年求刑」←「形が無い財産」という概念が本当に理解できるかどうか、です。

◆記事:ウィニー開発・公開の元東大大学院助手に懲役1年求刑

ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を開発、インターネットで公開し、ゲームソフトなどの違法コピーを手助けしたとして、

著作権法違反(公衆送信権の侵害)ほう助罪に問われた元東京大大学院助手金子勇被告(35)に対する論告求刑公判が3日、京都地裁(氷室真裁判長)であった。

検察側は「著作権侵害に向けられた確定的犯意に基づく犯行で、被害は甚大」などとして、懲役1年を求刑した。弁護側が9月4日に最終弁論を行い、結審する。

論告で検察側は、金子被告が「インターネット社会では情報はタダで当たり前」などとネットの掲示板に書き込んでいたことを明らかにした上で、

「著作権侵害にウィニーが利用されることを意図して開発、公開したことは明白」と指摘した。 (読売新聞) - 7月3日20時22分更新


◆コメント:形が無い財産でも、盗んだら泥棒だ、というだけのことです。

これは、さほど難しい話ではないですね。



他人の家に入り込んでお金を盗んだら、窃盗罪ですよね。

美術品や、パソコンを盗んでも泥棒ですよね?これは子どもでも分かります。

盗みの対象物が有形物だからです。

昔は人間の財産と言えば、形がある物ばかりでした。

しかし、やがて、人間が頭で考え出したアイデア(特許)、デザイン(意匠)、精神的な創作物(音楽、文学、ソフトウェアプログラム)なども、市場を通して売買するようになりました。



自分の財産を自分が自由に支配できる権利を「私有財産権」と言います。私有財産権を認めるのが資本主義経済の大前提です。

本件の場合、財産が「目に見えないもの」なのですね。



私の学生の頃は「無体財産権」(これ、専門の先生に訊いたら「むていざいさんけん」と読むのが本当だそうです)と言いました。

こちらの方が分かりやすい。今は「知的財産権」といいます。

いずれにせよ、形があるものばかりではなく、音楽や、発明や、プログラムや、アイディアや、デザインが売買の対象になる、ということは、

資本主義の基礎、「私有財産」である。ということです。

逆の云い方をすれば「財産」とは、市場(マーケット)で売買の対象、つまり「商品」になるものです。

ある人は自分のアイデアや作った音楽、それを録音したCDなどを、市場を通じて売り、対価として、お金を受け取って生計を立てているわけです。

ですから、ある人が考えたり作ったりしたモノを、その人にお金を支払わずにコピーして、勝手に第三者同士が交換したら、最初に考えた人はお金が入らなくなり、困りますよね?


◆ファイル交換ソフトがすべて違法ではない、ということは分かります。

P2P、ファイル交換の全てが違法でないことは知っています。

しかし、現実には多くの人は、本当はお金を払ってCDを買わないと聞けない音楽や入手できないコンピューターソフトを、

お金を払わないで済ませるために、ファイル交換ソフトの一種であるWinnyを用いているわけですよね?

いろいろ、きれい事を言っても結局お金を払うのが勿体ないから、そうするのですよね? これはいけないのです。


◆私有財産権を認めないのは、一種の共産主義です。

これは、

「オレのものはオレのもの。他人のものもオレのもの」

という考え方です。

他人の財産と自分の財産を概念上区別できていないのです。

社会の構成員が互いに他の人の「私有財産権」を尊重しない社会は、資本主義社会ではありません。

変な云い方をすれば、一種の原始共産制です。マルクスレーニン主義という意味ではありません。

もっと原始共産主義的思想です。


◆結論:目に見えない「財」であっても、対価を支払うのが資本主義経済です。

他人の家に入ってお金を盗むのに比べると、パソコンを使い、ファイル交換ソフトを通じて、目に見えない「音声ファイル」や「ソフトウェア」を交換するのは、罪悪感を感じにくい。

それが、Winnyによる違法コピーが止まらない原因でしょう。

しかし、今までの説明でお分かりと思いますが、その行為は、他人の私有財産権を侵害している点において、泥棒と変らないのです。さらに、資本主義の根幹を否定しています。

だから、こういう事をしてはいけないのだ、と検察は言っているのです。

抽象的な思考ができるかどうかです。できないひとは、著作権侵害をなかなか「犯罪」として認識できません。

知能・思考力が試されています。


2005年06月30日(木) 思いがけず世界が広がるとき。昨日の続き
2004年06月30日(水) 「社会保険庁 「年金流用」新たに222億円 職員宿舎を建設」自民党はこれを放置して、年金改革法を強行採決したわけです。
2003年06月30日(月) 希死念慮

2006年06月29日(木) 岩城音楽教室

◆岩城音楽教室(光文社 知恵の森文庫)

今日はこの本からすこし。

夕べ、「N響アワー」の最後はチャイコフスキー「悲愴」の終楽章でした。できれば第3楽章を見せて欲しかった。

というのはですね。



岩城さんが生まれて初めてN響を指揮したときのメイン・プログラムがやはり「悲愴」でした。

岩城さんは、首の病気をするぐらい、かなり大振り(指揮の動作が大きいということ)でしたが、デビューのときは、すさまじかったそうです。

第3楽章は進むにつれてどんどん盛り上がっていくんです。これ、いいですよ。興奮します。

かなりのベテランでも大振りしますが、デビューの岩城さんは、3楽章の途中で右腕が動かなくなってしまった。



暴れすぎて、脱臼したのです。しかし、不思議なことに暫くしたら動くようになった。また動かなくなったというのを何度か繰り返した。

あとで医者に診てもらったら、どうやら脱臼した肩を意志の力で(そんなことあるんですね)自分ではめて、大暴れして、また外れてまたはめて、の繰り返しだったとか。



当時、岩城宏之さんは、山本直純さんにつれられて、小澤征爾さんらを輩出した斉藤秀雄氏のレッスンを受けていました。

斉藤理論は指揮の動作を分析して、いくつかのパターンに分類するのです。

「指揮においては合理的な動作しか許されない」という怖いセンセイなので、演奏会の翌日のレッスンでは、怒鳴られると覚悟してました。

ところが、斉藤先生は言いました。

「昨日、見たよ。あれはほかの弟子には絶対に許さないけど、君にだけは許す。君がああ演りたいのは分かる」


へえ。と思いました。斉藤先生というのは、もっと型を強制する人なのかと思っていたのです。


◆「岩城音楽教室」名言集

本は、これです。

Amazonだと1〜2週間かかると書いてあるけど、書店にあります(東京の大きめの書店の話ですが)。

◆「音楽は『分かる』『分からない』ではない。」

「人間として生まれた以上、クラシックを好きにならなければ教養が無い奴だ。などと言う人がいます。とんでもない話です。嫌いなら嫌いと胸を張って言える自由があってこそ、むしろ本当の音楽好きが増えるのではないでしょうか」


「音楽が分かる、分からないという云い方は間違っています。所詮、はじめは音楽なんて好きか嫌いかです」


◆子どもにピアノなど楽器を習わせているおかあさんへ。

「ほめ言葉を知らない人間は、人を思う方向へ動かすことができません。母親がこどものピアノをほめるのに、なにも、専門的な言葉を使う必要はありません。『なんだか今日のピアノの音は綺麗ね』とか『今日はとても楽しく聞こえるわ』とかそれでいいのです。そう聞こえることが音楽の本質なのですから。どうすれば上手く弾けるようになるかは、プロである教師が教えます。母親は直感に頼ったほめ方をすればいいのです」


◆カラヤンの逸話。

「カラヤンはいつでも、リハーサルで楽員に注意するときに、名指しで注意するようなことはしません。例えば、2番ホルンの音程がすこしおかしいとき、演奏を止めて、全く関係ない第一バイオリンの人達に、フレージングの説明などをする。そして、ミスをした本人の隣の一番ホルン奏者にウィンクするのです。同じところへ来て、まだ、2番ホルンの音程が直っていないと、演奏を止めて、また一番ホルン奏者にウィンクする。さすがに一番奏者が気が付いて2番に注意する。こうして、回りくどいけれども、決してある楽員に人前で恥をかかせないようにする、という気遣いをする人なのです」



「人真似こそ最高の勉強法です。学ぶは「真似ぶ」から来ています。ピアノを習っている子がいたら、なるべく多く名人の演奏を聴かせてやることです。子どもはその中から何となく自分の感性に合ったものをみつけ、まず真似てみる。それは大変良いことです。音楽は個性だから、といって、まだ右も左も分からない子どもに『好きなように弾いてごらん』と言うのは、間違いです。子どもにはまだそんな『個性』が出せる訳は無いのです。カラヤンですら、トスカニーニの真似から入りました。カラヤンは最近の若者は情けないといいます。どういう事かというと、カラヤンのリハーサルは絶対に公開しないのが決まりですが、カラヤンは、もし、それでもあらゆる手段を尽くして潜り込んでくる、指揮者志望の若者がいたら、見て見ぬふりをするつもりだというのです。カラヤンも若い頃、人の練習を強引に盗み見た時期があったそうです。それなのにこのごろの若い奴はちょっと障害があるとすぐ諦める。ガッツが足りないといって嘆くのです」


◆面白そうでしょ?

これは、1977年に書かれた本ですが、今も通用する普遍性を持ち、岩城さんの「音楽観」が一番良く分かる本だと思います。

文庫で600円ですから、読んでみては如何でしょう。


2005年06月29日(水) オーディオブックというもの。アイ文庫ってご存じですか?
2004年06月29日(火) 「多国籍軍参加きちんと説明 人道支援中心−石破氏」人道支援だけの多国籍軍などあり得ない。
2003年06月29日(日) 「地球温暖化を防ぐにはもはや手遅れである事を、諸々の兆候は示している」国連環境プログラム、1999年報告書

2006年06月28日(水) 今日(日曜日)の「N響アワー」は岩城さんの追悼番組ですが、本を紹介します。

◆岩城さんには失礼かも知れないが、本が面白いのです。

今晩、追悼番組を放送するそうですが、いつまでも陰気なことを書いていても仕方がない。

思いつくままに、岩城さんの夥しい本の中から、面白いエピソードを紹介します。

一番楽しいのは、森のうた―山本直純との芸大青春記かも知れない。

音楽のこととか全然知らなくても楽しめます。



岩城さんは打楽器科ですが、一年後輩に山本直純さんがいました。

初めて山本直純さんに会ったときの印象は岩城さんにとって余程強烈だったようで、何十年経ってもよく覚えていると、岩城さんは生前よくあちこちで言っていました。

山本さんの自己紹介がふるっている。

「岩城さん、オレのことをナオズミっていってよ。ナオは不正直のジキ、ズミは不純のジュンです」

山本さんってのはとてもユニークな方でした。ユニーク過ぎて損をしている。

私と同年配の方は「芸能人」に近い存在と思っているかも知れません。

本当は子どもの頃から英才教育を受けているひとです。

岩城さんが山本直純さんの子どもの頃の日記を読んで、愕然とする話が森のうた―山本直純との芸大青春記に載っています。

山本さんが小学校2年生のある日の日記(ひらがなばかりで書かれているので適宜漢字に直しました)。
「僕は今日、お父様に連れられて、山田一雄先生のおうちに行きました。先生はベートーベンの第一交響曲が、どうしてこのようなハーモニーで始まるのかを教えてくださいました。来週は導入部全部のことを教えてくださると仰いました。そして、第一楽章の終わりまでピアノで弾けるようにしておいで、と仰いました。しっかり勉強しよう」


「英才教育」を受ければだれでも小学校2年生でこういうレベルになる訳ではない、ことは、素人の私にも良く分かります。天才的です。

岩城さんが、オモチャの木琴で「半音」を発見するよりもずっと幼い時期に、山本直純さんは、スコアをピアノで弾いていた(これも、練習すれば必ず出来るようになる、という事ではないのです)。

ピアノ協奏曲を弾けるぐらいの腕前でした。12歳の頃から沢山作曲をしていた。



岩城さんは、山本さんの子ども時代の日記を読んで、自分とのあまりの違いに驚嘆し、またうちひしがれるのですが、山本さんが気さくな人柄なので仲良くなる。

そして渡辺暁男先生の指揮のレッスンを受けるようになる。


◆岩城さんと山本さんははじめ、渡邉暁雄先生から指揮を習ったのです。

岩城さんは打楽器科。山本さんは作曲家です。

音大は今もそうですが専門以外に、なにか楽器か声楽かの単位を取らないといけないのですね。

余談ですが、私の知っているある女性はピアノ科でしたが、副科でトロンボーンを選択しました。これ自体珍しい。

普通、こういうのは学校の楽器を借りるのですが、この女性はかなりのめり込んで、自分のトロンボーンを買っちゃって、結構上手いです。



話を戻すと、岩城さんと山本さんは「副科としての指揮科」のレッスンを渡辺先生から受けたのです。

後に、岩城さんは山本さんに紹介されて、斉藤秀夫氏にも指揮を習うのですが、一番最初の「指揮との出会い」は、「副科 指揮」だったのですね。



渡邉暁雄先生は私も恐れ多くも子どもの頃、直接サインをいただいたことがありますが、格好の良い方でしたね。

カッコイイのではない。「格好が良い」のです。

お母さんがフィンランド人のハーフのためか、背が高くて、彫りの深い顔立ちですが、見た目だけではありません。

「人品」ということです。「品(ひん)が良い」ということです。

物腰が上品で、子どもに対しても丁寧で、私は、子供心に「紳士」とはこういう人のことを言うのだな、とおもいました。


◆「副科 指揮科」のオーディションで分かった山本さんの天才的な耳

それは、さておき、岩城さんと山本さんは渡邉暁雄先生のクラスに入る。

聴音の試験はあったけど、まあ殆ど無試験みたいなものだったようです。

それにしても、この「聴音」がすごい。

渡邊先生が指十本で出鱈目にピアノの鍵盤を「ガーン」と鳴らす。完全な不協和音です。

渡邊先生はナオズミさんに、「上から3番目の音の五度下を声に出してごらん」と静かにおっしゃったそうです。

山本さんはダミ声ですが、「アー」と歌った。先生は、自分で指定した音をピアノで叩きました。山本さんの声はピタリと合っていた。

まぐれだと思ったのか、渡邊先生はもう一度、出鱈目の不協和音を鳴らす。

「今度は下から二番目の音の六度上を歌ってごらん」

で、山本直純さんはピタリと正確な音を出せたそうです。渡邊先生は「君は完全な耳をしているね」と言いました。

岩城さん自身の言葉によれば、

「僕は(試験の緊張のあまり)ガタガタ震えているのも忘れて呆れかえった。こんなことが出来るやつは、日本に何人といないだろう。完全無欠な絶対音感教育の、しかももともと天才的な聴覚を持っている人間でなければあり得ない。テストをする渡邊先生自身、絶対にできないに決まっている。これは断言できる」


ということだそうです。


◆渡邊先生の「バイオリンリサイタル」

それから、この二人の学生は、渡邊先生のご自宅に、しょっちゅう出入りするようになります。

常に発作的でナオズミさんが「オイ、行こうじゃねえか」というのだそうです。

一応「礼儀正しく」、前もって電話するのですが、その電話がいつも夜11時とか12時なんだそうです。悪い学生ですねえ(笑)。

それでも渡邊先生も奥様も寛容な方で、何と一度も断られたことがなかったそうです。



渡邊先生はバイオリニストでもあったので、一度、早めに行った時に、先生がバイオリンの女の子にメンデルスゾーンの協奏曲のレッスンをしているのを見学しました。

ナオズミさんと岩城さんが、

「そういえば、僕たち、先生のバイオリンをじかに聴いたことがないなあ。」

「じゃあ、聴かせてあげようか」

アケちゃん(渡邊先生のことを二人はこう呼んでいたのです。無論、面と向って話すときは、「先生」です)は二階から、バイオリンのケースを持ってきました。

小さい奴です。どうやら息子さん用の二分の一か四分の一のサイズのバイオリンだったようです。

先生は2,3枚のペラペラの楽譜も持ってきました。ナオズミさんに「きみ、伴奏してちょうだい」と言いました。山本さんにとっては、それを初見で弾くぐらい朝飯前です。

チューニング(調律)のあと、「枯れ葉」を弾きました。その次は「ラ・ヴィ・アン・ローズ」でした。ここから岩城さんの本から引用します。

素晴らしいエスプレッシーボだった。

「先生、すげえ、ヴィブラートだなあ。ものすごく歌いますね。どうして指揮するときにこうならないんですか?」

ナオズミがひどいことを言った。絶賛しているつもりなのだ。

「そうねえ。どうも上手くいかないのよ」

結局、夜遅くまで先生のリサイタルが続いたのだった。
「オイ、オメェ、そろそろ帰ろうじゃねえか。長いことお邪魔いたしました」

玄関を出る。

音羽御殿(引用者注:先生の家のことをふたりはこう呼んでいたのです)の玄関からは、くねくねと曲がりくねった長い坂が、下の通りまで続く。

アケちゃんは、いつまでも玄関からわれわれに手を振っているのだった。

こちらもヘアピン・カーブごとに何度も立ち止まって、手を振らなければならなかった。


良い時代ですねえ。今みたいに世の中全体がカリカリしているのに比べると、

全てに関してのんびりしていて「良い加減」(「いいかげん」じゃないです。「良い」「加減」です)が自然に保たれていたんですね。

しかし、渡邊先生は優しいだけではなかった。あるとき、「ピシャリ」と来ます。それはまた後ほど。


2005年06月28日(火) 世界の名画をパソコンで鑑賞=仏ルーブル美術館が新サイト←いいですね。これ。
2004年06月28日(月) 「集団的自衛権行使は容認 改憲問題で首相表明」あんまり調子に乗るなよ。
2003年06月28日(土) 英首相府とBBC全面対決 「謝れ」「謝らない」  BBCいいぞ。頑張れ。

2006年06月27日(火) 国民は横田めぐみさん達を心配しているときに、米国大統領とはしゃいでいる内閣総理大臣。

◆記事:日米友好「くどいほど」演出

【ワシントン=貞広貴志】メーン料理は大統領の地元テキサス州産の神戸牛、ワインはカリフォルニア産の「ミツコ」、デザートは盆栽を模したチョコレート――。

29日夜、ホワイトハウスに小泉首相を迎えて行われた公式晩さん会は、日米友好を「くどいほど」(ホワイトハウス詰め米記者)打ち出す演出となった。

乾杯でブッシュ大統領が、「私たちの友情は日米の強い同盟関係から生まれた」と呼びかけると、首相は2001年6月の初会談でキャッチボールしたことに言及し、

「大統領と私は信頼のキャッチボールを続けてきた」と応じた。

ローラ大統領夫人は異例の事前説明会で、「日本のお客様の趣味に合う装飾と食事を選んだ」と語った。(読売新聞) - 6月30日12時5分更新


◆コメント:一般国民とは対照的に、小泉純一郎内閣総理大臣は拉致問題のことなどお忘れのようだ。

昨日、横田めぐみさんについて書いた。

拉致問題は読者諸氏の関心が高いのが、このテーマで書いたときのアクセス数の多さで分かる。

アクセス数という数字そのものに関心はないのだが、今日のアクセス解析を見て、いつも以上に皆さんが、横田めぐみさんら拉致被害者の事を心配していることが良く分かった

(有料アクセス解析なので、画面を見ただけでは分かりませんが、解析ツールをつけているのです)。

検索ワードで最も多かったのが、「横田めぐみ」であり、フレーズでは「横田めぐみさんは生きている」が、トップであった。

私は胸が熱くなった。

「横田めぐみさんは生きている」

という日本人の「祈り」に近い感情が、そこに表れている。

だが、冒頭の記事を読むとお分かりのとおり、日本国の内閣総理大臣は、アメリカでアホのブッシュにもてなされて、嬉しくてたまらないようだ。

なんという、情けなさ。


◆何度でも繰り返す。イラク戦争は米国の違法行為であり、それを支持した日本は間違っている。

何十回目でも、何百回目でも構わぬ。

国際法(具体的には国連憲章)上、原則的に武力行使、戦争を仕掛けることは違法行為である。

国連憲章 第1条〔目的〕

国際連合の目的は、次の通りである。

国際の平和及び安全を維持すること。そのために、平和に対する脅威の防止及び除去と侵略行為その他の平和の破壊の鎮圧とのため有効な集団的措置をとること並びに平和を破壊するに至る虞のある国際的の紛争又は事態の調整又は解決を平和的手段によって且つ正義及び国際法の原則に従って実現すること。

第2条〔原則〕

3 すべての加盟国は、その国際紛争を平和的手段によって国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決しなければならない。

4 すべての加盟国は、その国際関係において、武力よる威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない。


例外は、2つだけ

一つ目は 第7章「平和に対する脅威」41条、42条。国連安全保障理事会が平和に対する脅威に対抗するため、多国籍軍による武力行使で対抗せざるを得ないと決定したとき。

二つ目は、51条、「自衛権」。ある国が他国により、武力による侵略を受けた場合、国連が多国籍軍を送って助けに行くまでの間、自衛のために武力を行使するのはやむを得ない。

これだけが、例外なのだ。


◆大量破壊兵器があろうがなかろうが、イラク戦争を開始したアメリカの行為の違法性は阻却されない。

2003年3月20日、アメリカがイラク戦争を開始した理由は、

「イラクは大量破壊兵器を保有しており、それがテロリストの手に渡れば、明日にでもアメリカが攻撃されるかもしれない」

というものだった。

周知の通り、アメリカはイラク戦争を開始する前に、

「アメリカはイラクが大量破壊兵器を保有している証拠を握っている」と繰り返した。結局嘘だった。

だが、たとえ、イラクに大量破壊兵器があったとしても、それだけで米国がイラクに対して武力を行使することは許されない。

何故なら、国連憲章が例外的に武力行使を認める二つの場合のいずれにも該当しないからである。

日本の国会でもしきりに「イラク戦争の大義」はなどと下らない質疑応答を繰り返していた。

野党は「大量破壊兵器は無かったのに、小泉首相はイラク戦争が正しかったと思うのか?」という質問を重ねた。

それ自体バカである。大量破壊兵器の有無は関係ない。


◆違法行為、それも人殺しを「正しい」と公式に発言したのが日本の首相である。

日本政府は、国連憲章を無視し、何ら正当性の根拠とならないのに、米国が発したイラクの大量破壊兵器情報を全然検証しようともせず信じて(或いは信じたフリをして)

世界で最初に「イラク戦争を開始したアメリカの決断は正しい」と公式にアメリカの武力行使を支持した。



世の多くは、「アメリカに護ってもらわなければ日本はやっていけないから、アメリカを支持するしかない」という論調だった。

これは、間違っている。

有事の際にアメリカが全力を挙げて日本を守る、と本気で信じている人は相当おめでたいが、なにより、

「日本人が生き残る為には、無辜のイラク人が殺されても仕方がない」という思想はあまりにも卑劣である。

私は、アメリカの行為を日本の首相が支持したこと。

その首相を選挙で勝たせて、自分の信念は正しいと思わせてしまった有権者、いずれも正しくない、とずっと言い続けている。

くどいようだが、今一度繰り返す。

日本は、自分さえ生き残れればよい、という考えから、アメリカの人殺しを「正しい」といった。

これは、取り返しのつかない過ちである。

私のこの思想は絶対に変らない。


2005年06月27日(月) クラシック音楽のMP3とMIDIのサイト「bbo」←これは、大したものだ。感心した。
2004年06月27日(日) 「この国を想い、この国を創る」(自民党CMでの小泉首相)←あんたが滅ぼそうとしてるんだよ。
2003年06月27日(金) 5歳の男の子から両親を一瞬にして奪った、酔払いトレーラー運転手 職業人としての自覚

2006年06月26日(月) 「<拉致問題>めぐみさん『94年に自殺』金英男さん会見」←本当のことを言うわけはないが・・。

◆記事:<拉致問題>めぐみさん『94年に自殺』金英男さん会見

【ソウル堀山明子】日本人拉致被害者、横田めぐみさんの夫とみられる韓国人拉致被害者、金英男(キムヨンナム)さん(44)は29日、北朝鮮・金剛山のホテルで記者会見した。

韓国共同取材団によると英男さんは、「めぐみさんは94年4月に自殺した」などとする北朝鮮当局の主張通りの発言を繰り返した。

04年11月、めぐみさん拉致の事実調査のため訪朝した日本政府代表団に提出した「めぐみさんの遺骨」が後に偽物と判明した問題については

「私とめぐみに対する侮辱であり、耐え難い人権じゅうりんだ」と反発した。

さらに自分が北朝鮮に拉致されたことを全面否定。「私の問題はこれで幕を下ろしたい」と拉致問題の幕引きを宣言した。

記者会見は約45分間行われ、母崔桂月(チェゲウォル)さん(78)と姉金英子(キムヨンジャ)さん(48)も隣に座った。

めぐみさんの娘キム・ヘギョンさん(18)も同席する予定だったが、直前に取り消された。

めぐみさんの病状について英男さんは「うつ病による精神分裂だった。好転した時に自殺しようとすることが何度もあった」と述べた。

また「めぐみは幼いころ事故で脳に大きな損傷を受けたと話していた」と語り、体調悪化がうつ病を誘発させたとの見方を示した。

また北朝鮮はめぐみさんの死亡時期を93年3月から94年4月に訂正したため、信ぴょう性に疑いが出ているが、

英男さんは「いろいろ説があるが、別の機会があれば話す」と回答を避けた。(毎日新聞) - 6月29日22時54分更新


◆コメント:素人診断はいけないけれど、プロは書かないだろうから。

金英男氏はこれまでの北朝鮮政府と符丁を合わせているだけであろうと思われる。

つまり、横田めぐみさんが自殺した、ということについて、である。しかし、これが、如何にも「とってつけたような」状況説明なのである。



こう言うときにこそ、医学生諸君や精神医療従事者は何か書いていただきたいのだが、プロたるもの、これだけの状況説明で安易に判断を下すことが出来ないであろう。

それも無理もない。そこで、私が調べて書いた。

結論。横田めぐみさんの「自殺」に関わる供述がおかしい。

第一に、めぐみさんが幼い頃に頭部外傷を負い、それがうつ病発症の遠因だったということ。

うつ病の原因は大別して、


  • 内因性(本当の端緒は不明ながら、脳内神経伝達物質のバランスが、何かの拍子に崩れること)

  • 反応性(環境の変化、進学、就職、転校、転職、昇進、引越しなどによる環境の変化がもたらすストレスが原因と考えられるもの)、

  • 症候性(身体疾患に伴い、発症するうつ病。内分泌疾患(甲状腺ホルモン分泌異常など)、膠原病、ステロイド治療中の疾患)となっている。


本によれば、頭部外傷がうつ病の原因となることも皆無ではない、とあるが、通常、外傷後数ヶ月以内に発症するのであり

怪我をして何十年も経てから、突如それが原因でうつ病になるという例は、無い(勿論、私が調べた限りにおいて、である)。


◆決定的におかしな発言「うつ病による統合失調症だった」

うつ病は、脳内神経伝達物質セロトニン及びノルアドレナリンのバランスが崩れることが原因と考えられている。

他方、(この翻訳者は「精神分裂」という言葉は使用不可であることをしらないようだが)統合失調症は、同じ脳内神経伝達物質ではあるが、

ドーパミンが過剰に分泌されることにより、幻覚・幻聴・妄想などの「陽性症状」が起きる疾患であり、それによって自殺することは無い。



あえて、統合失調症とうつ病を関連づけるなら、逆である。

統合失調症といえども、陽性症状だけを呈する症例ばかりではなく、気分が落ち込む「陰性症状」というのもある。

これからうつ病と殆ど変らぬ状態になることはある。



だから、「うつ病が原因で統合失調症になり、自殺した」という金英男氏の説明は素人が聞いてもおかしいのである。


◆本稿は医学論文ではない。横田めぐみさんは生きているだろう、と言いたいのだ。

以上述べたことはプロが見れば、ツッコミどころの宝庫だろうが、そんなことは問題ではない。

横田めぐみさんは、帰国を許された5人の拉致被害者よりも「要職」についているらしい。金正日の息子、金正男の日本語教師を務めたとも言われている。



位が高くなるほど、国家の機密事項を沢山知っているはずで、それが、北朝鮮が横田めぐみさんを手放さない理由であると考えるのが、妥当である。

元北朝鮮工作員安明進氏の北朝鮮拉致工作員を読むと、

一層その確信が高まる。


◆要約:何を言いたかったかというと、

日本人が、金英男氏の証言をただひたすら、「嘘だ」と言うだけでは能がないので、医学的矛盾点を指摘したのである。

医学は高度に専門的な領域である。素人がなまじ知ったかぶりをするわけではない。それも十分承知している(私は医師の孫である)。



しかし、プロは書いたら責任が生ずる。下手なことはかけないだろう。

だから、ハズれても、指摘した点が頓珍漢でも、失うものがない私が、敢えて書いた。

ただ、「めぐみさんは生きているに違いない」と「信念」を繰り返すより、すこしでも北朝鮮の発言の矛盾点を指摘した方が現実味を帯びる。

それが、本稿の目的である。


2005年06月26日(日) [米BSE2頭目]「輸入再開の議論は粛々と進めよ」(読売新聞社説)←読売の論説はこれほどバカだったのか?
2004年06月26日(土) イラク復興支援と言っているのは、小泉君だけだよ。
2003年06月26日(木) 技能五輪国際大会、日本勢「金」6個で3位 昨日に続き、いいニュース。

2006年06月25日(日) 金英男さんと母姉再会 めぐみさん新情報焦点 ←あまりにも横田さんが気の毒である。

◆記事:金英男さんと母姉再会 めぐみさん新情報焦点

【ソウル28日共同】横田めぐみさんの夫の可能性が高い韓国人拉致被害者の金英男(キムヨンナム)さん(44)が母の崔桂月(チェゲウォル)さん(78)、

姉の金英子(キムヨンジャ)さん(48)と28日午後、北朝鮮の金剛山で28年ぶりに再会した。



めぐみさんの娘キム・ヘギョンさん(18)や、英男さんが再婚した妻パク・チュンファさん(31)とその間に生まれた息子チョルボン君(7つ)も同席した。

韓国取材団が伝えた。北朝鮮側が「死亡した」とするめぐみさんに関する新たな情報がどこまで明らかになるかが焦点だ。

同取材団によると、英男さんは29日午後に金剛山で記者会見する予定。英男さんは母と再会した瞬間、涙ながらに抱き合った。

北朝鮮側は再会を通じ韓国側が知りたいことを明らかにするとしており、英男さん拉致の経緯やめぐみさんに関する情報も伝えられる可能性が高いが、

北朝鮮側の意向に沿った内容とみられる。 [ 06月28日 16時57分 ]


◆コメント:誰もが思っている事だろうが、横田めぐみさんのご両親の心中は察するにあまりある。

今日は、何とも言えない気分だった。

横田めぐみさんの夫であった(と言われている)金英男(キムヨンナム)さんと、死ぬ前に一目で良いからもう一度会いたいと言っていた母親の金英子(キムヨンジャ)さんとの再会は大変結構なことだが、

こんなことになったのは、拉致の張本人、北朝鮮のあの野郎が悪いので、親子が会えるのが当たり前なのだ。

金英男氏は横田めぐみさんの消息を絶対知っているはずだ。

北朝鮮は公式には横田めぐみさんは亡くなったと言っている。

めぐみさんのご両親、横田滋さん、早紀江さんはそんなことは信じていないだろうが、全てを知っていると思われる、元夫、金英男氏の映像を見ておられただろうか。

あまりにも残酷である。

一言「めぐみさんは元気に生きている」という言葉を聞きたい。

しかし、北朝鮮は金英男氏に厳重に「めぐみさんのことは一切喋るな」と命じているだろう。逆らったら、殺される。

金正日が命じて(横田めぐみさんは、間違って拉致されたらしいが)拉致した日本人がすぐそこにいるというのに何十年も消息を確認できない。

残酷すぎる。


◆コメント:こういう「面倒くさそうな」日は大抵海外にいる内閣総理大臣。

こういう大事な日に、日本国の内閣総理大臣は何のコメントも発していない。

小泉首相は27日(火)の昼過ぎに、政府専用機で北米へ飛んだ。

28日はカナダ、29日はアメリカ合衆国で「暖かいもてなし」を受け、プレスリーの家を見物に行くのだそうだ。

但し、それだけで澄むかどうか。


◆靖国問題を(日本の)想像以上に深刻に見ている米国

立花隆氏の立花隆の「メディア ソシオ-ポリティクス」 第76回 小泉演説を封印した一通の書簡「靖国問題はアメリカの問題に、

小泉首相は当初、米国上下院合同本会議で演説をさせて貰えるはずだったが、クレームがついて、おじゃんになったいきさつが詳しく書かれている。

今までは、「靖国参拝に文句を言うのは中国と韓国だけだ」とタカをくくっていた日本だが、今後はアメリカからも「止めろ」と圧力がかかるかも知れない。

その時、小泉首相本人はもちろん、何でもアメリカ追従だった人達はどのように反応するのだろうか?


2005年06月25日(土) 米で2例目のBSE感染牛、追加検査で確定 ←1種類の検査で「米国牛肉は安全」と言っていたアメリカ。日本は3種類の検査を併用。
2004年06月25日(金) 「イラク同時テロ 死者100人超す」 早く自衛隊を撤退させるべきだ。
2003年06月25日(水) ウィ―ンフィルに日本人が入団!信じられないほどの栄誉。

2006年06月24日(土) 「福井総裁、金融資産は2億3170万…妻名義で阪神株」←論点がずれている。

◆記事1:福井総裁、金融資産は2億3170万…妻名義で阪神株

日本銀行の福井俊彦総裁(70)が村上ファンドに1000万円を拠出していた問題を巡り、福井総裁は27日、衆院財務金融委員会の理事懇談会に対し、2006年3月末の金融資産残高が、

預貯金1億8660万円、国債1000万円、投資信託3510万円の計2億3170万円だったと報告した。

日銀は、公開済みの株式(5銘柄、今年3月末で約3800万円相当)と村上ファンド拠出分を合わせると約2億8800万円になると説明している。

村上ファンド以外に、私募ファンドへの拠出はなかったという。

一方、総裁の妻は今年3月末時点で、預貯金や国債など5323万円のほか、阪神電気鉄道(2000株、今年3月末で200万円相当)と高島屋(5000株、同約900万円相当)の2銘柄の株式を保有していた。

阪神株は2000年8月に購入し、売却していないという。 (読売新聞) - 6月27日22時9分更新


◆記事2:福井総裁の年金778万円、与党内でも「高い」の声

日本銀行の福井俊彦総裁が国会に27日提出した資料によると、総裁が2005年に得た収入のうち年金の受給額が778万円にのぼり、与党内からも「有名企業の役員と比べても非常に高い」との声が出ている。

福井総裁の年金受給額の内訳は、日銀職員が受け取る企業年金が333万円で最も多い。

これに、サラリーマンなどが加入する公的年金である厚生年金の309万円が加算され、個人年金保険121万円なども含まれている。

日銀は、接待汚職が発覚した1998年に、役職員の厚遇に対する批判の高まりを受け、

給与水準の引き下げと合わせ、企業年金の受給額も「大手金融機関並み」(日銀)に見直した。(読売新聞) - 6月27日22時9分更新


◆コメント:日銀総裁の個人資産総額が問題なのではない。

福井日銀総裁のファンド等への投資の問題だが、論点がずれている。

福井総裁の資産がいくらであるかは問題なのではない。

日銀総裁とて、資産が全然無かったら、のたれ死にしてしまう。



福井日銀総裁が、村上ファンドに1000万円投資していたことが発覚したのは、丁度2週間前の今日である。

私は、その日の日記を読んで下さると分かるが、「福井さん、残念ですが辞めて下さい」と書いた。

6月13日の段階では、福井総裁が村上ファンドへの投資の他に、株を保有し、投信も保有している事は知られていなかったし、投資の結果儲かっているのかどうか、不明だった。

その段階で辞めるべきだと言う人は、世の中に殆どいなかった。



その後、村上ファンドその他で、福井総裁の投資は含み益を持っている事、それもかなり庶民的感覚からいえば、大きく儲けていることが発覚してから、漸く世論が福井総裁を批判し始めたのである。

それは、嫉妬である。本質はそのような「情緒的な」問題ではないのだ。

福井総裁が村上ファンドその他への投資の結果、「儲けたかどうか」が問題なのではない。それは結果論だ。

中央銀行総裁としての、原則。有るべき立場を考えねばならぬ。

仮に現在、福井総裁が損をしているとしても、総裁は日銀総裁就任時にファンドや、投信を解約し、或いは株は売買を凍結しておくべきだった。

それをしなかったことが問題の本質である。


◆インサイダー取引とは何か。

最近、アメリカでも日本でもインサイダー取引の規制が厳しくなっているが、それは当然である。今まで甘すぎたのである。


インサイダー取引規制に最も気をつけなければならないのは、企業経営者である。

企業経営者は、一般投資家に比べて自分の会社の内部情報をよく知っているので、この情報を利用して、自分の会社の株式(自社株)の売買を行い、「抜け駆け」的に儲ける事ができる。

例えば、売れることがほぼ明らかな新商品の発表前に、社長が自社株を買い、発表後、株価が上昇してからこれを売却するのは、インサイダー取引に該当し、証券取引法により罰せられる。

発表前に自社株を「買った」ということは、その株を「売った」人がいたわけだが、その人は、新製品の情報を知らなかったわけである。

もし知っていたら、その人だって、発表後まで株を持ち続けて、上がったところで売りたかったはずである。

つまり、インサイダー取引は内部情報を持っている者が、情報を持たない者を実質的に「騙し」ているといっていい。そこが問題なのである。


◆日銀総裁のインサイダー取引

日銀総裁の場合、個別企業の新製品の情報ではなく、金融政策の変更(金利を上げたり、下げたりすること)を事前に知ることができる。

だから、例えば、金融緩和政策を実施する、と発表する前に株式市場で株を買っておき、金融緩和政策実施後、株価が上昇したところで売れば、究極のインサイダー取引をしたことになる。



インサイダー取引は通常株式市場で問題になるが、日銀総裁の場合は、発言だけでも外国為替相場を変動させることができるので、為替市場でのインサイダー取引も可能になる。


◆日銀政策決定委員会のメンバーは政策変更により価格変動が起きる可能性がある資産を保有するべきではない。

日本の金融政策は毎月行われる日銀政策決定委員会(総裁、副総裁、審議委員)で決定されるのであるから、

今まで述べたことを考えると、政策決定委員会の構成員は、政策の変更によって、価格が大きく変動するようなタイプの資産を保有するべきではない。

彼らがそのような資産を有すると、政策決定委員会の面々は、私利を優先して(自分が儲かるように、という意味)政策を変更しているのではないか、という疑いをもたれ、

日本国の中央銀行(銀行の銀行、最後の貸し手などとも云われる)の信用が失墜してしまう。


◆今の資産、年金が多すぎるか少なすぎるか、は問題ではない。

今現在の日銀総裁の資産、つまりストック(ある時点での財産価値)が高過ぎるとか何とかは問題ではない。

大事なのは、日銀が内規を整備して、毎年定期的に資産内容を公開し、前年からの変化(フロー)を観察することである。

日銀総裁や奥さんとて、霞を食って生きていくわけにはいかないから、老後に備えて貯金をしていても、それは構わない。

その額が億単位であっても、多すぎるというのは嫉妬に過ぎない。

そうではなく、仮に、来年、この資産が大きく増大していたら、何故、そのような収入が得られたのか本人の説明を求める事が寛容である(辞めないのならば)。


◆福井日銀総裁就任当時にファンドを解約せず、株売買を凍結していなかった。

13日の日記の繰り返しとなるが、私は日銀総裁は辞任するべきだと思っている。

中央銀行総裁就任当時にファンドを解約せず、個社別の株式や投信を未練タラタラ持っていたと言うこと自体が問題であり、その結果、儲けたか否かが問題なのではないのだ。


2005年06月24日(金) 炎天下5時間…拉致被害者家族らの座り込み1日目終了←小泉、お前はそれでも人間か?
2004年06月24日(木) 道路公団民営化法案、参院で可決し成立 中身はひどい。小泉は「民営化」の三文字だけが欲しかったのだ。
2003年06月24日(火) 「<過労度診断>アクセス殺到でダウン 中央労働災害防止協会HP」 如何に皆が疲れているか・・・

2006年06月23日(金) 「<イラク>陸自車両が横転事故、隊員3人がけが」←本当は撃たれたのではないの?

◆記事:<イラク>陸自車両が横転事故、隊員3人がけが

防衛庁に入った連絡によると、26日午後0時45分(日本時間午後5時45分)ごろ、イラク南部サマワに駐留する陸上自衛隊の軽装甲機動車がタリル空港近くで横転し、隊員3人が左肩を骨折するなどのけがをした。

道路の起伏にハンドルをとられて横転した事故の可能性が高いという。

同庁によると、宿営地の南東約100キロ離れたタリル空港に陸自隊員を迎えに行く途中で、車両4台で走行。

先頭を走っていた車両が空港の手前10キロで横転し、乗っていた3等陸曹(26)が左肩を骨折、別の2人が頭部などに軽いけがを負った。

3人は多国籍軍のヘリコプターで同空港に運ばれて応急処置を受けた。また、横転した車両はけん引車で空港まで運ばれた。

防衛庁では今後、けが人をクウェートまで搬送し、車両や道路状況をくわしく調べる。


◆コメント:本当に「道路の起伏にハンドルをとら」れたのだろうか。

軽装甲機動車は、普通のクルマでは無い。戦闘車両である。

小銃で撃たれても大丈夫な程度の装甲(防御用に外郭が頑丈になっている)を施したのを「軽装甲機動車」といい、機関銃のバリバリ撃たれても耐えられるようなのを「装甲車」というらしい。

全長4m、全幅2m、重さが4.5トンもある。



それが、普通に横転したぐらいで、肩を骨折したり、頭部に怪我を負ったりするものだろうか?

自衛官は現地の地形に既にかなりなれているはずだし、ラリーのように時速100数十キロで走行していたのなら、僅かな起伏でも、車両の横転の原因たり得るが、この重い軽装甲車は100km程度しか出せないのである。

万が一横転したとしても、戦闘車両は一般車におけるシートベルトに相当するものを装着しないのであろうか?

よほどひどくクルマの中で身体をどこかへぶつけなければ、骨折などしないのではないだろうか。



さらに、多国籍軍のヘリで運ばれた、ということはそれなりの緊急性があるからだろう。

位置にもよるが、サマワの宿営地には手術が出来るほどの医療設備が整っているはずで、戻って治療を受けることは出来なかったのだろうか。

何かおかしい。本当は銃撃されたか地雷を踏んだのではないか?と疑いたくなる。

今まで一人もけが人を出していなかった陸上自衛隊の事故としては、何か、腑に落ちない。


◆コメント:関係ないが今度の日曜にはN響アワーで岩城宏之さんの追悼番組を放送するらしい。

昨日(日曜日)、N響アワーの終わりで、司会を務めている作曲家の池辺晋一郎さんが、予告していた。

また、今日は時間が無くて訳せないが、桂冠指揮者の称号を受けているメルボルン交響楽団のウェブサイトには、大変丁寧な追悼文が掲載されている。


2005年06月23日(木) 「自衛隊が標的」と断定 サマワのイラク軍司令官←日本が法治国家なら、自衛隊は引き揚げるしかない。
2004年06月23日(水) 「航空自衛隊は武器・弾薬の輸送は行わない」(12月9日 小泉首相) その後、どうなったか?
2003年06月23日(月) 6万年ぶりの火星大接近

2006年06月22日(木) 今晩のN響アワー(打楽器特集)は面白いと思いますよ。

◆番組紹介記事:N響アワー 「もっと知りたい!今日の主役は打楽器▽団員の植松透が語る打楽器奏者の仕事とは」

[詳細] N響アワー◇N響定期公演からの演奏とともに、あるパートの奏者をスタジオに迎えてその素顔や仕事ぶりを紹介するシリーズ。

1回目のゲストは、打楽器奏者の植松透。本番中の表情などを定点観測して、楽団員の緊張感など舞台裏を公開する。

またスタジオでは、N響演奏でのエピソードやオーケストラで使われるさまざまな打楽器について解説。

さらに少し変わった打楽器が登場した曲目や、特に苦労した曲目などの思い出を聞きながら作品を紹介する。


◆コメント:打楽器が易しいと思ったら大間違い。

世間は先入観、若しくは見た目の印象で物事を判断する。

打楽器=タイコ→誰でも出来ると思われがちである。

それに加えて、クラシック系の打楽器奏者はジャズその他の音楽で使われる「セット・ドラム」を演奏することは無い。これがまた偏見を生む。

セットドラムはスネアドラム(小太鼓)と複数のタムタム(小太鼓の裏側にスネア=金属線を貼っていないもの)、そして両足でシンバルとバスドラム(大太鼓)を操る。

目にもとまらぬ早業でセット・ドラムを演奏するのに比べると、クラシック・オーケストラの打楽器は、一人で1つずつの楽器を担当しているし、

最も重要な打楽器であるティンパニですら、音を出していない時間の方が長い場合も多い。

しかし、叩く音の数が多ければ難しく少なければ易しいと言うものではない。


◆ティンパニ

例えば、ティンパニ奏者は、打楽器である以上、正確にテンポを維持する事が出来なければならないのは、当然であるが、

同時にティンパニは、バス=低音楽器としてオーケストラの響きを下から支える役割を持っている。

従って、ティンパニ奏者には、バス奏者としての音程感、音色感、音量感、が無ければならぬ。



交響曲を演奏する場合、各楽章でティンパニの調律を変更するのは、ごく普通のことである。

それは、楽章の間のごく短時間に、ヘッド(太鼓の皮、振動面)ギリギリに耳を近づけて、ペダルを操作しているのである。

また、リズム感と「ノリの良さ」は異なる。

クラシック以外の音楽でセットドラム奏者はしばしば8ビート、16ビートで刻みを入れているが、ああいうのは、むしろ易しい。

ドヴォルザークの交響曲「新世界より」の第3楽章を聴いて頂きたい。

冒頭にドンドコドンドン、と叩くのは、比較的容易である

しかし、その後弦楽器が早い3拍子を弾いている最中、ティンパニがソロで、「ダダダン!」と入る場所がある。

あそこをCDに合わせて膝でも机でもいいから、合わせてご覧なさい。絶対に入れない(遅れる)はずである。

これが、「ノリの良さ」とは異なる「リズム感」である。



さらに、ティンパニは大きな「タイコ」であるから、一度叩くと(低い音ほど)放っておけばいつまでも音が鳴っている。

それでも良い場合と、叩いた次に瞬間に、バチを持つ中心となる親指、人差し指以外の指を用いて、素早くヘッドを抑え、音を切らなければならない場合が、頻繁にある。

イッパツ叩いて、一拍分鳴らして、止める、というのなら易しいが、音楽によっては叩いては止め、次の瞬間また叩き、また止める、という動作を繰り返す。

止めることでモタモタしていると、次の音が必ず遅れる。かなり敏捷な動作が求められる。


◆休みの小節数の勘定

他の打楽器の演奏上、極めて重要なのは、休みの小節数を数えることである。

ティンパニ以外の打楽器はもっと音を出す機会が少ないが、だからといって、ぼんやりしているのではない。

何度も演った曲ならさほど心配要らないが、初めて演る曲の場合、パート譜には一小節の中に棒がひいてあり、そのうえに「47」などと書かれている。

「47小節休み」ということである。それが、ずっと同じ拍子ならまだ良い。例えば4拍子の曲なら、頭の中で「1、2.3,4.」と数えながら指を折りつつ数える。

だが、近現代の曲はしばしば途中で拍子が変化するので、それをスコア(総譜)を読んで覚えておかないと、絶対に数え間違える。


◆シンバル

シンバルは、「カルメン前奏曲」で大活躍する。「あんなの簡単だろう」と思うだろうが、そうではない。

実際に持ってみると分かるが、シンバルは真鍮を叩いて引き延ばして作る。かなり重い。それを考慮に入れないと、必ず、遅れる。

だからといって、不必要な力を入れて両手をたたきつけたら、汚い、うるさい、音が出る。

シンバルの音色は「ジャン」よりも「シャン」に近いのが理想である。

理想の音色を保ちながら、ドンピシャリのタイミングで発音するには、不必要な力を入れないことを念頭に置き繰り返し練習することが不可欠である。


◆トライアングル

トライアングルは、オーケストラで一番安い楽器であるが、傍で音を聴いたのでは、本当に澄んだ、美しい音が出ているか分からない。

2人一組となり、一人は客席で音色を確認することが、楽器選定の際にはどうしても必要である。

また、単純な金属棒であるが故に、叩く場所によっては、濁った音が出る。

100回叩いて、100回とも美しい音色を出せるようにするためには、楽器を揺らさないこと、

その楽器で最も美しい音が出るポイントを発見したうえで、何度でも練習することが必要である。

そして、トライアングルのロール。有名なところでは、「ウィリアム・テル序曲」の「嵐の後の静けさ」の終わりに長いトライアングルロールがある。

トランペットのファンファーレの直前まで続く。これは、下手な奏者が叩くと音色にムラがでる。

きめの細かい、一定の音色でのロールを実現する為には熟練を要する。というような話が出るのではないか。楽しみである。

あ、もう、始まってしまった。


2005年06月22日(水) 日本の高度成長期は最早終わったのに、いまだに世の中は忙しすぎる。
2004年06月22日(火) 「イラク戦争は今でも正しいと思っている」(小泉首相) そうですか。それでは伺いますが・・・。
2003年06月22日(日) ウィンブルドン・パーク・ロード

2006年06月21日(水) 「麻生外相と鈴木宗男議員、衆院決算委で応酬」←外務省職員(在外公館)は驚くほど不祥事を起こしている。

◆記事1:麻生外相と鈴木宗男議員、衆院決算委で応酬

6日の衆院決算行政監視委員会で、麻生外相と鈴木宗男衆院議員(新党大地)が、在上海日本総領事館員自殺事件や外務省職員の不祥事への対応などを巡って火花を散らした。

鈴木氏が国会で外務省を追及するのは、昨年11月の衆院沖縄北方特別委員会以来2度目。鈴木氏は上海事件について、「2004年5月6日に亡くなった時点で、どういう対応をしたのか。

事実関係を明らかにして欲しい」などと、外務省の対応をただした。

これに対し麻生外相は、「自殺の直接の原因となったのは、現地の中国側公安当局者によるどう喝、もしくは脅迫ないしそれに類する行為であった」と改めて強調。

その上で、「事件発生後から厳重な抗議を行ってきた。首相官邸への報告は行われなかったが、当時は支障がないと判断した。当事者の判断だと思う」などと答弁した。

また、自殺した職員が電信官だったことから、「(機密が)漏えいしていないことを確認の上で、暗号を変えた」と、機密漏えい防止措置をとったことも改めて説明した。

鈴木氏はまた、外務省職員の飲酒運転による死亡事故や痴漢、盗撮行為などの不祥事を具体的に列挙し、「処分が甘すぎるのではないか」と批判した。

外相は「それらの職員にはしかるべき処分を行っている。その上で外務省に在籍している者は、それぞれ職務を全うしていると思う」などと反論したが、

鈴木氏は「一般の会社ならクビだ。職員をかばうよりも国民の目線で判断してもらいたい」と注文をつけた。

このほか鈴木氏は、在モスクワ日本大使館の裏金疑惑や、在外公館に勤務する職員の手当が高すぎるのではないかといった問題についても、外務省の見解をただした。

(2006年6月6日21時38分 読売新聞)


◆記事2:衆議院会議録6月6日 決算行政監視委員会での質疑応答

鈴木(宗)分科員 質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。

限られた時間ですから、簡潔に質問しますので、答弁の方もよろしくお願いします。
今、外務省の予算執行等の話を聞きながら、大臣、外務省の中で、飲酒運転をして人を殺しても大使になっている人がいますね。

しかも、処分が停職一カ月なんですね。これは、私の質問主意書に対して、ドミニカ大使の岡本さんという人が、かつてモロッコでそういった事故を起こして、人を死なせているんですね。

国内では考えられませんね。外交特権を使ってのそういう処置なんですけれども、このことを大臣はどう考えますか。


塩尻政府参考人 お答えさせていただきます。

現在、特命全権大使……(鈴木(宗)分科員「塩尻さん、時間がないから、私の質問にだけ答えてください。事実関係は質問主意書で出ていますからね」と呼ぶ)はい。

自動車を運転し、人の死亡にかかわる交通事故を起こした者がおります。それは御指摘のとおりでございます。

使の任用につきましては、適材適所の観点に立って、公正かつ厳格に判断しております。

鈴木(宗)分科員 官房長、大使は少なくとも認証官ですね。では、こういう事故を起こしましたと天皇陛下様に報告でもしているんでしょうか。

そういったことをきちっと説明しないで、委員長、どうですか。国内で飲酒運転をして人を殺したら、どんな処分が待っていますか。

先生方、どうですか。そういったことを明らかにしないで、内々で済ませていくだけでも、私は外務省の特権意識があると思うんですが、大臣はその点、どうお考えでしょうか。

塩尻政府参考人 繰り返しになりますけれども、大使の任用につきましては、適材適所の観点から、公正かつ厳格に判断するということでやっております。

一般論になりますけれども、我が国の特命全権大使としてふさわしい見識を有するというふうに考えておりまして、大使に任用したということは妥当であったというふうに考えております。

麻生国務大臣 鈴木先生、これは犯罪者の意味にもよるんだと思いますけれども、今言われたように、その職員が任国の法令に反する行為を行ったことは事実であります。

したがいまして、これらの行為に関しましては既に懲戒処分が行われているところでありまして、現在、これらの大使は、その後職務に励んでおり、職責を全うしているものと考えております。

鈴木(宗)分科員 大臣、その懲戒処分というのは、処分が停職一カ月なんですよ。

通常の社会通念上あるいは常識から見て、飲酒運転して人を殺して、停職一カ月が妥当かどうか、このことを聞いているんですよ。

いいですか。それは麻生大臣のときじゃないですから、何も私は大臣を責めているんじゃないんですけれども、そういった行為が多過ぎる。

例えば、今パナマの大使をしている下荒地さんという人も、カナダで総領事のとき、奥さんに暴力行為を働いて、地元の警察に捕まっている。

それでも今は堂々たる日本国の全権大使ですよ。少し甘過ぎはしませんかということを言っているんですよ。

あるいは、痴漢行為だとか盗撮、各役所の処分一覧表を見ても、外務省が圧倒的に多いですね。

私は、そういった点、規律がおかしい、あるいは甘えの構造があるのではないかと。

この点、麻生大臣、せっかく総裁候補を久しぶりに外務省が持っての大臣なんですから、大臣みずから指導力を発揮してほしい、こういう願いを込めて今私はお話をしているんですよ。

過去の慣例、前例は、余り我々国会議員も知らされていない。私なんかも、その中身を少し知っていて、今、外務省を応援し過ぎたかなという自責の念も込めて、

あるいは、予算も外務省の言うとおり私はつけてきたわけですからね。そういった反省もしながら、今、国民の目線で、国民の支持なくしていい外交はできないわけでありますから、

そういった意味で、私は、外務省に期待したいのは自浄能力なんですよ。そのことが必要ではないかということを言っているんですね。ぜひとも大臣の見解をお聞きしたいと思います。

麻生国務大臣 外務省の職員が御指摘のあったような行為を行ったことに関しては、まことに遺憾のきわみ、それははっきりしていると思いますが、

それらの職員に対してしかるべき処分はとったということなんだと存じます。その上で、外務省に在職をしております者もおれば、退職した者もおります。

しかし、今、在籍をしておる者につきましては、それぞれ職務を全うしているんだと思っておりますので、処分を受けた職員は、既に処分を受けて復帰をしておりますので、

そのこと自体に特段問題があるということでは思っておりません。ただ、それが重いとか軽いとかいうことになりますと、これはまた全然別の話です。


◆コメント:外務省職員の不祥事を曝露した点は大きいが、鈴木宗男氏をあまり褒めたくも無いので、書きにくい。

どうも今日は書きにくい。

外交官の不祥事は後を絶たないが、今までは本国(つまり、日本)の一般国民にそれが知られることは全くなかった。

それを、曝露したという「功績」を認めたいところだが、曝露したのが、かの鈴木宗男代議士で、無条件に称讃するわけにも行かぬ。



彼自身、国会会期中に東京地検の逮捕許諾請求書により逮捕された、いわく付きの人物だからである。
但し、外務省職員の不祥事をここまで執拗に追及することが出来るのは、鈴木宗男議員しかいないのが、皮肉な現実である。


◆官報の「国会案件 質問趣意書」には毎日、「鈴木宗男」が登場している。

宗男議員の外務省職員不祥事追及への「情熱」はすさまじい。

明治時代から政府が毎日発行している官報という政府刊行物がある。

見れば分かるが、「本紙」と追加で発行される「号外」がある。「号外」と言っても新聞の号外の様に緊急性が有るというわけではない。

国会が先週末で終わってしまい、この官報は過去1週間分しかネット上に掲載されないのが残念だ。

その日によって「本紙」「号外」どちらに載るか一定しないが、必ず「国会事項」という項目があり、

今期、第164回通常国会の会期中、「国会事項」に「鈴木宗男」の名前が載らない日は無かったと思われる。

官報ではないが、首相官邸ホームページの閣議案件のバックナンバーを見ると分かる。
「国会提出案件」に鈴木宗男の名前が毎回出てくる。



◆外務大臣も外務省も鈴木氏が列挙した「不祥事」を否定しないところを見ると・・。

今の例では、記事2をご覧頂くと分かるが、モロッコで人を死なせた外交官の実名まで、国会会議録に記録されている。

外務大臣も外務省も否定していないということは、本当なのであろうと考えざるを得ない

(うっかり、証拠もないのに実名を出したらどういうことになるかは、3か月前、民主党の永田元議員が如何なる末路を辿ったか、を見れば明らかである)。

つまり、露悪的ではあるが、6月6日 決算行政監視委員会において鈴木議員が曝露した国外のみならず国内での外務省職員の不祥事は全て事実である、と言う前提で考える。



海外で人をひき殺した。奥さんに暴力を振るって、地元警察に逮捕された。

海外では、外交官不逮捕特権があるのは、どの国も同じである(だからといって、事故・不祥事を起こして良い訳はないが)。

しかしながら、驚いたのは、日本国内で、外務省職員が女子高校生に痴漢行為を働き、あるいは盗撮を行っていたにも関わらず、処分は僅か2か月の停職であったとすれば、問題である。



痴漢行為は、現行犯しか逮捕出来ないので、刑法よりも地方自治体の「迷惑防止条例」が適用されることが多いけれども、

場合によっては、刑法第176条、「強制わいせつ罪」に該当し、その罪状で判決が確定すれば、6か月以上10年以下の懲役に処せられる重大な犯罪である。



外交官が「中央官庁のお偉いさん」であるが故に、司法当局が比較的軽微な罪しか問わない、

あるいは、そうするように外務省からどういうルートを用いるのか知らないが、警察に圧力をかけているのだとすれば、大きな問題である。

日本国憲法 第十四条  すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

つまり、「法の下の平等」に違反している。

さらに、外務省職員が痴漢をしても、2か月自宅謹慎をしたら、いけしゃあしゃあと、元の職場で働き、周囲も当然のこととして彼を受け入れているのだとしたら、異常である。

民間企業なら、懲戒免職間違い無し。人生を棒に振ったも同然。しかし、自業自得である。


◆私が見た、英国大使館(員)

私はイギリスだったが、大使館・領事館員の態度の悪さはものすごく、また、大使は何をしているのか知らないが、

木っ端役人どもがろくに働かず、国民の血税から捻出した費用により、メイフェア(という最高級住宅街)に住み、

朝は10時頃に出勤し、夕方4時には帰宅して、子どもを迎えに行っている(イギリスでは14歳まで、学校への行き帰りは親が送迎しなくてはいけないのだ)、というのは有名な話だった。



彼らが唯一忙しくなるのは、首相は勿論、外相のみならず、閣僚級の国会議員が「海外視察」の名目で「遊びに」来たときに、「お世話」をする場合である

(そもそも議員どもが、税金を使って用事もないのに毎年ヨーロッパに遊びに来るのがけしからんのだ、毎年イギリスを「視察」する必要がどこにある?)。

「世話」といっても、観光地に連れて行き、有名ゴルフ場でプレーさせてやり、土産の買い物に付き合い、夜は美味いものを食わせてやるということだ。

金髪女性を「手配する」という噂すらあった。ひどいものである。


◆現地に住む日本人の役に立っていない。

全然役に立たないとは言わない。パスポートを紛失したドジの為に再発行してやるぐらいの仕事はしている。



外国においては自分の身は自分で守らなければならぬのが原則である。それは、各個人が一般的に見て日本よりも危険な国に、自由意思に従って、行動しているからである。

しかし、何処でも「不測の事態」は起こりうる。

その場合、日本人が(言葉が出来ない人が多いから、トラブルが誤解であっても上手く説明出来ないことが多いのだ)、現地の司法当局により、不当な処遇を受け、

或いは刑罰を科せられる事がないようにするのは、在外公館の任務であると思う。

そのために、国民の税金から外交官、在外公館職員の給料が支払われている。


◆イギリスで終身刑となった日本人駐在員の妻

イギリスの道路交通は左側通行であるから、日本から行っても、運転は比較的容易である。

交差点の代わりに、日本で言うところの「ロータリー」とでも言おうか、ラウンド・アバウトという道路交差地点における独特の方式に慣れるのにすこし時間がかかる程度である。

ただ、最も注意するべきなのは、横断歩道である。日本のように信号で制御され、歩行者用信号があるところはまず、問題が無い。



一番、神経を使うのは、何もない、線だけ引いてあり両側に注意を促す黄色いランプが点滅するポールが立っているだけの横断歩道。

このような場合でも、何しろ、英国では歩行者が最優先であり、運転者はこの種の横断歩道に近づいたら細心の注意を払わなければならぬ。

横断歩道で人を轢いたら、それが例え過失であっても、重罪なのだ。かなり高い確率で懲役・禁錮刑となる。勿論、「イギリスの刑務所」に入るのだ。

ここで事故を起こし終身刑に処せられた、元・日本人駐在員の奥さんがいる。イギリス駐在経験がある者なら、誰もが聴いたことがある話である。


◆過失だった(と、いわれている)。

イギリスは先に述べたとおり、横断歩道では歩行者が最優先なので、信号が無いところで、クルマが来るかどうか、ろくに確認もしないでふらふらと横から出てくる。

特にジイサン、婆さんが多い。これが、最も怖い。彼らは、自分の好きな時に渡ればよく、クルマが止まるべきなのだと考えているわけである。

しかし、ものには限度がある。目の前で飛び出されたらどうしようもない。



その奥さんの状況はあまりにも噂がひろまり尾ひれがついていると思われるので正確な状況は不明である。

つまり、本当に過失があったのは誰なのか。クルマの速度、横断した人の渡り方、ブレーキを踏んだ地点など、今となっては全てが分からない。



ただ、その奥さんは、無知に由来する致命的な行動をとった。

自分は英語が話せないので、誰か英語が出来る知人に助けを求めようとして(当時、携帯電話などこの世に存在しなかった)、被害者を放置して、再びクルマにのり、発進してしまったのだ。

そこにポリスが現れたから、たまらない。彼女は「ひき逃げ」するつもりだった、と断定されてしまった。わけの分からないまま(多分)裁判にかけられ、終身刑の判決が下った。


◆英国大使館は何もしなかった。

何処の国であっても、外交官特権を持たない外国人が犯罪を犯した場合、現地の法律が適用される。

この日本人駐在員の奥さんに対して、非情に「やむを得ない」という評価を下す日本人もいるが、私は、あまりにも気の毒に思える。



彼女は、渡欧直後で、明らかに道路交通システムに対する知識が不足しており、かつ英語が話せず、事故現場の誰にも助けを求めることができず、パニック状態に陥り、

英語が話せる友人のところへ行って相談しよう、と考えてしまった。軽率の責は免れない。



しかしながら、こういうときこそ、外務省在外公館職員が助けてやるべきなのだ。

そこらの小国ではない。日本である。

駐英日本大使は、英国首相に会うことが出来る。

また現地政治家も大勢知っているはずである。そのような人脈を作っておくのが外交官の使命の一つなのだ。



それを活用して、なるべく早く英国司法当局に情状酌量を求めれば、少なくとも終身刑に処せられる事はなかったはずである。

終身刑に処せられるほどの凶悪な「犯行」であったとはどうしても考えにくい。

亭主は、奥さんと離婚して単身帰国した。本人は今も英国のどこかの刑務所にいるはずだ。こういう悲惨な話を本国の人間は、誰も知らない。


◆結論:海外の外務省職員(国内もだが)がたるんでいる事は、ほぼ間違いが無い。

長い記事になってしまった。

要するに、鈴木氏が指摘した外務省職員の問題は「不祥事」即ち、作為による罪である。

私が指摘したのは、怠慢、即ち「不作為の罪」である。



外交官にとっては本庁勤務は大変で、海外勤務は「骨休め」の感覚なのである。

だから、無駄な人員を配置し、不当に高い海外勤務手当を支給され、何もしないで暮らしている。

冗談ではない。これをただすには、人を減らすことだ。

暇をもてあましているのは、本来不要な人間が配属されているということだ。

日本のそこらの市役所を見ても分かるとおり、民間なら、せいぜい5人程度しか配置されない部署でも、役所というところは、

20人ぐらいの役人がいて、ずっと新聞を読んでいる奴もいる。

こういうのを切り詰めずに増税で財政再建をしようというのは、明らかに日本国の怠慢である。


2005年06月21日(火) 「100万人のキャンドルナイト」…東京←「地球温暖化を防ぐのは恐らく手遅れ」(地球環境概況2000)
2004年06月21日(月) 「モー娘。地球温暖化、防ぎ隊っ!!」 だめですな。これは。
2003年06月21日(土) <アンマン事件>五味記者を懲戒解雇に 毎日新聞 五味記者は日本に帰れただけでものすごく幸運だ。

2006年06月20日(火) 「喜ぶのはまだ早いと米有力議員=米業界、『日本は信頼できぬ貿易相手』←欧米人との接し方

◆記事:喜ぶのはまだ早いと米有力議員=米業界、「日本は信頼できぬ貿易相手」

【ワシントン21日時事】米貿易政策に大きな影響力を持つグラスリー上院財政委員長(共和)は21日、米国産牛肉の輸入再開をめぐる日米合意について

「喜ぶのはまだ早い」とする声明を発表した。同委員長は肉牛生産地であるアイオワ州の選出。

委員長は「事前査察の実施の約束が輸入再開を意味するものではない」と指摘。「引き続き科学に基づいて日本が実際に輸入を再開するまで圧力を掛け続ける」と述べた。

一方、業界団体の全米肉牛生産者協会(NCBA)のジョン会長も声明を発表。「日本は信頼できない貿易相手国だ」とし、

8月末までに輸入が再開されない場合に対日制裁を発動する法案への全面的な支持を表明した。 (時事通信) - 6月22日7時1分更新


◆コメント:欧米人というのは、こういう論理なんですよ。

この記事を日本人の普通の感覚で読むと、

「なんだと? 特定危険部位の混じった肉を送ってきたアメリカ人こそ『信頼出来ない貿易相手』だろう」

と怒りがこみ上げる。

日本が米国産牛肉を輸入再開するに際し、アメリカは、「日本に送る肉から、異常タンパク質プリオンが蓄積しやすい、脊髄、脳などを除去し、除去されていることを点検すること」を条件にした。

それにも関わらず、昨年12月に輸入を再開して一ヶ月もたたないうちに、一目で脊髄と分かる骨がついた肉を送ってきた。約束を破ったのはアメリカである。



米国農務省の報告書によると、食肉処理・加工業者も、税関の担当者もその条件を知らなかったというだ。

但し、そのときの会社と食品医薬品局の検査官がその最も大事な条件を知らなかったのは、極めて例外的であり、他の食肉処理・加工業者は大丈夫だ。というものだった。

他は大丈夫である根拠は記されていなかった。全然、「報告」になっていない。繰り返すが、「信頼出来ない貿易相手」とはアメリカのことである。



実は、この「米有力議員」もそのことは分かっているのである。

ところが、彼の「地元」が畜産業の盛んなアイオワ州なので票を失わないためには、「日本が悪い」と言わざるを得ない。

欧米人社会では謝ったら負けであるから、たとえ自分に非があることを100%自覚していても、何とか、無茶苦茶な論理であっても滅多なことではそれを認めず、相手に責任転嫁しようと試みるのである。



誰が見ても、この議員の主張は正しくないが、だからといって日本人の感覚で「相手にしない」で黙っていると、それは、相手の主張を受け入れたと見なされてしまうことに注意するべきである。

したがって、馬鹿馬鹿しいことこの上ないが、官房長官、又は、農水相若しくは外務相は、グラスリー議員の主張は完全に誤りであること。

「お客」である日本の要求に従おうとしない、「売り手」、米国食品管理当局が悪いのだ、と大げさなぐらい怒ってみせること。

絶対に謝らないだろうが、グラスリー議員の発言の取り消しと謝罪を要求する。さもなければ、今回の輸入再開も無かったことにする、日本が「制裁」を受ける理由は無い、

と強硬に反論するぐらいで丁度いい。欧米人を相手にすると言うことはそういうことである。


2005年06月20日(月) お奨め:ロンドンのClassic fm
2004年06月20日(日) 「それではワトソン君、殆ど全ての問題の解決に有効な世界共通の方法を実践しよう」(シャーロック・ホームズ)
2003年06月20日(金) 「マトリックス・リローデッド」と「寅さん」

2006年06月19日(月) N響ソウル公演、大成功。←やはり芸術は偉大です。

◆コメント:ものすごい盛り上がりだった由(よし)

本来、最初にマスコミの記事を載せるのが私のWeb日記及びブログのやり方です。

コンサートは20日に行われたので、今日(21日)の韓国の全国紙を全部見たのですが、日本語版なので遅れるのかも知れない。まだ、何も記事がありません。

或いは、文化部音楽専門記者がいないのかも知れない。いや、それは分かりません。

いるかも知れない(欧米の大新聞、日本では、毎日新聞に、文化部音楽専門の記者がいます。大事な演奏会は、首席音楽担当記者が演奏会評を書きます。

それは非常な権威を持っているのです。プロの音楽家と同じくらいの専門性を持っています。あまり知らない曲は予めスコアを読んで勉強してます)。



とにかく新聞には、まだ載っていない。そこで、本当はいけないのですが、私が愛読している二人のN響の方の日記があるのです。

お二人とも今回(というかいつも、海外公演とおなじなのですが)何と韓国にまでノートブックPCを持参して、日記をアップしています。

これが今現在、唯一の情報なので、一部引用させていただきます。


◆N響の方の日記より。

○○さん

コンサートは大盛況でした。こんなに盛り上がるとは!嬉しいです!後で聞いたのですが、今日のチケット、高いところは225000ウォン…約30000円だそうです。所がチケットは完売だったそうで…有り難うございます!
本番後にレセプションがあったのですが、その席でN響の理事長のAさんとお話をしました。「日本のお客さんでは、この様な盛り上がりは絶対に無いですよね…これって、日本の場合、音楽って教育の一部で楽しみではなくなっている部分が有るんでしょうね…一寸冷静すぎる…ここ、韓国は音楽は楽しみ…ちょっとオーバーですがワールドカップと同じような楽しみ方?そんな気がします」っと、理事長に伝えました。理事長も同じように感じていらっしゃったようでした。日本の教育上の音楽はどんどん隅に追いやられていますが、今こそ、子供たちに教育ではない、メンタルな部分に訴えかける音楽提供を出来れば…それも、N響が積極的にそういう事をやる時代が…やらなければいけない時代が間もなくやってくると感じています。音楽が楽しい!…今までの「クラシックは難しい、楽しくない…」これは、教育ではないですよね!今回、ソウルのお客さんの反応を見てそう感じました。楽章ごとに拍手がある訳でもない…だから知識はある…でも、ハッキリ楽しんでいてくれた!これは理想ですよ!


△△さん
本番は夜8時に始まりました。今日はアンコールにハンガリア舞曲第1番とアリランの2曲を弾きました。今日の会場の盛り上がり方はものすごいもので、日本では経験できないものでした。今の日本にはこれだけのエネルギーを感じさせる機会がないという話が終演後の楽屋で盛り上がりました。今の日本人はこれだけの熱さを忘れているのではないか?という事です。


◆コメント:このお二人がこれほど興奮気味の文章を書くことは無いのです。

お一人は、私と同年配でかつて毎コンの上位に入賞し、もう20年ぐらい弾いている方。

もうお一人は、もうじき定年を迎えられる大先生です。プロの音楽家は、自分の演奏に厳しいのです。

普段は客の立場からは充分名演だったと思えるときでも、このお二人はここまで手放しで喜ばないのです。

余談ですが、N響はもう何十回も海外公演をしていて、なれたものですが、ヨーロッパだと時差があるので、大変です。

韓国と日本では時差は無いけれども食べ物が違いますから、うっかり体調を崩さない様に気をつけておられます(N響の韓国公演は初めてではないのですが)。

その辺りはさすがにプロです。


◆コメント:私が何故この話題にこだわるのか。

日本と韓国の新聞はどちらも必要以上に扇情的です。

最近、私は何度も書いていますが、マスコミの記事、報道が事実の全てだと思ってしまうのは、錯覚、又は、一面的思考です。

いずこの国でもマスコミは、「煽った」ほうが儲かるので、どうしてもそういうトーンになります。



また、私は、今回の音楽家の日記のみならず、既に5年以上もソウルに在住している日本企業のソウル駐在員の奥さんが書いている日記も拝読しているのですが、

日本人だからと言って、乱暴されたとか、意地悪された、などという内容は皆無なのです。

それどころか、この奥さんのご主人の同僚の韓国人は、

「今の日本人に昔のことで文句を言って、何になる」

と至極客観的かつ合理的なことを言っています。

そういうことを考慮するべきだ、と言いたいのです。

考慮するというか、本当に、日本嫌い、日本人嫌いの人もいるでしょうが、

マスコミとは違う意見もあるはずだ、と想像する余裕が大切です。

それにしても、やはり、芸術が与える感動の力は偉大ですね。それは、予想通りでした。


2005年06月19日(日) 硫黄島で戦没者追悼式、「『二度と戦争をしてはならない』と強く思った。」(小泉首相)←硫黄島まで行かないと分からないのですか?
2004年06月19日(土) 「『病名ついていないと理解』=雅子さまの症状に東宮大夫」 そうじゃないでしょう。
2003年06月19日(木) 「アルカイダが日本潜入計画」 何故、アルカイダが日本を狙うのか。
2002年06月19日(水) サッカー騒ぎはもうやめ!

2006年06月18日(日) 「<イラク自衛隊>撤退を決定 陸自に撤退命令」「<台湾>地下鉄ホームから女性転落…日本人が救出」

◆記事1:<イラク自衛隊>撤退を決定 陸自に撤退命令

政府は20日昼、安全保障会議を開き、イラク南部サマワに駐留する陸上自衛隊の撤退を決定した。

額賀福志郎防衛庁長官は同日午後、陸自に撤退命令を出した。陸自はただちに撤退作業に着手、7月中の撤退完了を目指す。

小泉純一郎首相は自衛隊派遣の成功を強調し、隊員の安全を最優先に撤退作業を進める考えを示した。 (毎日新聞) - 6月20日13時54分更新


◆コメント1:陸自だけ撤退してもダメだ。

私は今までに、何度も指摘したが、「イラクに派遣されている自衛隊」というと、陸自の「人道復興支援活動」ばかりが報道され、

どのメディアも、空自が米軍の物資を輸送していることや、海自のイージス艦が派遣されていて何をしているのか、を報じない。



「陸自」の活動は「隠れ蓑」であり、空自が米軍支援を増強することや、海自が残留することこそ、問題である。

交戦中の同盟国を後方支援することは集団的自衛権の行使に相当し、違憲である。

この件に関してはあまりにも何回も書いた。

比較的最近では、2月に「イラク陸上自衛隊:3月撤退開始 日本政府、米英と最終調整へ」←空自は残るのですね。何をするのですか?を書いたので、ご参照頂きたい。そしてこの記事を読むと陸自撤退に関しても、問題があることを発見する。

2月時点では陸自は3月に撤退を開始するはずだった。

何故、3か月も遅くなったのか?その分、国民の血税が余分に投じられている。

小泉純一郎内閣総理大臣には、その理由の説明と、陸自のイラク駐留は、累計でいかほどの税金を使ったのか、報告を求めたい。

その点を指摘しないマスコミは怠慢である。職責を全うしていない。


◆記事2:<台湾>地下鉄ホームから女性転落…日本人が救出

【台北・庄司哲也】台北市内の高速交通システム(地下鉄)駅で、ホームから転落した女性を日本人男性が軌道上に降りて救出していたことがわかった。

一つ間違えれば進入してくる電車にひかれていた可能性もあり、間一髪の出来事だった。

女性の父親は「直接会ってお礼が言いたい」とこの日本人男性を探している。

18日付の台湾紙「蘋果日報」によると、台北市内の高速交通システム「忠孝敦化」駅で16日午後11時ごろ、会社員の女性(30)が貧血によるめまいのため、ホームから軌道上に転落した。

友人の女性と電車を待っていた若い日本人男性が、これを見て軌道上に飛び降り、意識がもうろうとしていた女性を抱きかかえてホームに引き上げた。

女性は転落した際に顔や手などに軽傷を負っただけで無事だった。

ちょうど電車が到着するところで、モニターで監視していた駅長が緊急停止ボタンを押したため、電車は女性が転落した場所の約80メートル手前で急停車した。

5秒遅ければ電車はホーム内に進入していたという。

日本人男性の名前などは明らかにされていないが、同紙は「勇気ある日本人男性、軌道に落ちた女性救う」と報じ、男性の行為をたたえている。 (毎日新聞) - 6月19日11時2分更新


◆コメント2:「いい話」を大きく取り上げろ。

つい先日、ジャワ島地震のときに、「ジャワ島地震、日本企業の支援続く。」マスコミは世の中の「善行」もきちんと伝えるべきだ。という記事を書いた。

本日、述べたい事は、それと同じだ。

マスコミは世の中の事故・犯罪・汚職など、「不幸な出来事」を中心に取り上げるので、我々は世の中で「良いこと」が行われても、知ることが少ない。

記事2はもっと大きく日本国内でも報道して、中国人(台湾は比較的対日感情が良いから、特に本土の連中)にも、こちらからアピールすべきなのだ。


◆コメント3:NHK交響楽団が韓国に演奏旅行中だが、ニュースにすらならない。

昨年、東京フィルハーモニー交響楽団が中国・韓国公演を行った。

その時の様子は、「東京フィルハーモニー交響楽団、中国・韓国公演」 感動のエネルギーは憎悪よりも強い。に書いた。

今、日本で一番上手いオーケストラ、NHK交響楽団が韓国公演を行っている。

指揮は音楽監督のアシュケナージである。昨夜ソウルで、武満徹、ブラームスの1番(交響曲)などを演奏した(はずである)。

それが、ニュースにすらならないのは、誠に情けない。

世間はサッカーで大騒ぎだが、スポーツは、要するにルールを決めて、ゲームという形式を取っている「喧嘩」であり、国家間の親善には役立たない。

これとは対照的に、芸術的感動は憎悪すら溶かすのだ。岩城宏之さんが体験したエピソードがそれを物語っている。


2005年06月18日(土) 「駆け込み乗車は自己責任? JR中央線車掌が車内放送」 司馬遼太郎さんの「風塵抄」を思い出した。
2004年06月18日(金) 「多国籍軍初参加を閣議決定 基本計画を変更」 こんな重要なことを国会で審議せずに、又、選挙前に決定するべきではない。
2003年06月18日(水) 「米成人の16%にうつ病の恐れ、米研究グループ試算」 それぐらいありふれた病気だということだ。

2006年06月17日(土) 昨日、岩城さんの番組を見ました。もっと長生きして何度でも聴かせて欲しかった。

◆プロの音楽家の凄さを思い知らされました。

昨日、この日記で書いたことを撤回します。

つまり、1日でベートーベン全曲の演奏などしたら、疲労とともに集中力がとぎれ、演奏が粗くなるに違いない、と、私は書きました。

素人の知ったかぶり。浅はかでした。



昨年の大晦日から今年の元旦にかけて、9時間半ですか。演奏はN響のメンバーが中心で、日本で一番上手い人たちです。

上手いけれども、集中力が第9の最後まで保てるのだろうか? と、私は思っていました。

しかし、プロの集中力はとぎれない。決して汚い響きが出ない。アンサンブルが全然崩れない。

岩城さんとN響に感服しました。

プロの音楽家を私は心から尊敬することにおいて人後に落ちないつもりでしたが、昨日の抜粋を見て、聴いて、改めて驚嘆しました。



そして、全曲演奏するからといっても、一曲一曲はごくごく正統的な、岩城さんも言っていましたが、出来るだけ楽譜に忠実に、奇を衒うことがない。

それでいて、実に美しい。音が澄んでいるのですね。素人オケなどでは(そもそも比べるのが失礼ですが)考えられないほどピッチがピタリと合っているのでしょう。



また、故・朝比奈隆さんがよく仰っていたこと。

ベートーベンのシンフォニーはとにかく作品自体が極めて綿密に考えて作られているのだから、そのまま小細工を加えずに弾いて、吹いて、叩けばいいのだ(本当は、例えば、第3番「英雄」のトランペットとか、少し楽譜を細工した方がより自然になるところがあって、それは、変えるのが慣習になっているから、構わないでしょう)

という意味がおぼろげながら、私にも分かり始めてきたような気がしました。


◆岩城さんの言葉が貴重でしたね。

自分は現代曲ばかりやってきた。ベートーベンは演るけれど、あの怖い顔のおっさんが天上から「いい加減に弾いたら承知せんぞ!」と睨んでいるような気がして出来れば演りたくなかった。

でも演ってみたらやはり面白くなってきた。

ストラビンスキーとかメシアンとかバルトークばかりやっていたけど、彼らには悪いが、これらの作品では死ねない。

ベートーベンなら演っている最中に死んでもいいと思ったと。


◆「ドライブ」するのではなく「キャリー」するのだ

それから、これは、ずっと前から色々な本で岩城さんが書いているし、他の音楽家も同じ事をいいますが、指揮者は、オーケストラの「支配者」ではない。「先生」でもない。

若い頃岩城さんは来日したカラヤンに指揮のレッスンを受けていますが、そのときに、カラヤンは、

「君はものすごく表現しているが、君が振るとときどきオーケストラから汚い音が出る。力を抜きなさい」「(オーケストラを)『ドライブ(運転)』するのではない。『キャリー(運ぶ)』するのだ。」


と岩城さんに言いました。カラヤンはあちこちで、同じ事を言っていたようです。



ちょっとキザなんですが、カラヤンは大金持ちで自家用ジェット機を操縦したんです。それで、飛行機の操縦を習うとき、一番初めに教官がカラヤンに言ったのは、
「あなたが一番心がけるべきことは、飛行機が飛ぼうとするのをじゃましないことだ」


という一言だったそうです。

カラヤンは指揮も全く同じだと言うのです。「ドライブ」じゃなくて「キャリー」だというのはそういうことなのでしょう。



指揮者が突飛な曲の解釈をしてオーケストラを振り回してやろう、牛耳ってやろうと思っても、ダメなのです。

何故なら、オーケストラで弾いている一人一人のプレイヤーは、皆、何十年も厳しい訓練を経て音楽の勉強をして、自分の「音楽観」を持っている。

中学校のブラスバンドじゃないのです。そういう人達を振り回そうとしたら、相手はやる気をなくします。

プレーヤーの自主性を引き出して、なおかつ、知らない間に指揮者の個性が出てくる、というのが、名人というか、指揮者の目指す境地なのでしょう。

言葉で書くのは簡単ですが、それが出来るようになるまでにはやはりかなりの経験と、指揮者の音楽観、と勉強が必要なのでしょう。



私には分かりません。多分そうなのだろう、と観念的に理解した「つもり」になって書いているのです。

ご専門の方、鼻持ちならないかも知れないですが、今しばらくご辛抱ください。



前置きが長くなりましたが、岩城さんは、何度も大手術をして、昔のような大暴れが出来なくなって、力を抜くというのが分かってきた、という意味のことを仰っていました。

本当は、ご謙遜で、仮に病気をしなくても、きっと岩城宏之さんはオーケストラを「キャリー」出来る境地に達したことだろうと思います。


◆実にまっとうなベートーベンでした。

ホントに不思議です。

私は、ベートーベンのシンフォニーは何十回、何百回聴いたか分かりませんが、昨日は、また、とても新鮮に聞こえました。

前述したように、何のけれん味もない、それでいて、これぞベートーベンの本道だ、というような、実に美しい演奏でした。

あの9曲の演奏は、一つ一つを独立して、世界の何処に出しても恥ずかしくない、そういうレベルの名演です。


◆一つだけマニアックなことを書きます。

楽譜どおりに演奏するとはいっても、岩城さんが「第9」で以前から強硬に「楽譜通りに演奏しない」ことを主張している箇所があります。

これですが、所謂「歓喜の歌」を全コーラスが高々と歌い、一区切りつくところ。

歌詞はドイツ語で"Vor Gott"(フォル・ゴット。英語で言えば、befor God.)「神の前にて」という意味ですが、歌詞の問題じゃないのです。

これがスコアですが、赤い文字でティンパニと書いたのがティンパニのパートです。



Vor Gottの部分、最後の音。コーラスの全部のパートとオーケストラの木管・金管・弦、全て音を出している人達はフォルティッシモのフェルマータ(音を長く伸ばす)です。

ところが、楕円で囲ったところを見て下さい。

ティンパニだけ、ロール(両手を交互に非常に早く連打して持続音にする)はffで始まるのですが、何とディミヌエンド(音を段々弱く)の指示があり、最後はpp(ピアニッシモ)。

岩城さんは元来打楽器奏者でしたから、自分が第九のティンパニを叩いたとき、皆が思いきりフォルティシモで伸ばしているのに、自分だけディミヌエンドで、非常に欲求不満だったそうです。


◆ティンパニだけディミヌエンドの"Vor Gott!"

「どうしてベートーベンはティンパニだけにディミヌエンドをかけやがったんだ!」

というわけです。気持ちは分かります。

それで、ずっと後ですが、指揮者になってから、どうしても癪なのでベートーベンの自筆譜(のコピー)を確かめに行きました。

ベートーベンの手書きの原本というのは、とにかく、汚いので、何か間違いが見つかるかも知れない、と思ったのです。



そして、岩城さんが期待したとおり、これはディミヌエンドではない。アクセント記号(>)を写譜屋

(このようなスコア(総譜)から各楽器のパート譜を作る専門職)が間違えたのだ!と欣喜雀躍(きんきじゃくやく)したそうです。

ただ、こう言うのは本当は音楽学者の仕事でして、演奏者が勝手に決めて良いのか?とか、すったもんだあったのです。

黛敏郎さんが「題名のない音楽会」でこの話をとりあげて、実際にティンパニがディミヌエンドする場合(つまり、従来の慣習どおり)と、

「岩城説」にしたがい、これをアクセント記号と見なし、ティンパニのロールもフォルティシモで続けた場合の両方を実際に演奏して比べる、ということになりました。

黛敏郎さんは岩城さんに賛成してました。「やっぱり、こっちの方が自然だよ」と。私もそう思いました。

けれども、世の中にはいろいろな意見があります。ここは、コーラスの"Vor Gott"を純粋に響かせる為に、ベートーベンは意図的にティンパニを抑えたのだろう、という人もかなりいます。

しかしながら、私は、それならば、他の大きな音を出す楽器、たとえば金管にもディミヌエンドがついているはずではないかと思うのですが、

実際には、先ほど書いたとおり、ティンパニ以外の楽器は全部フォルティッシモのフェルマータです。コーラスを際だたせるなら、こちらは何故、ffのままなのか。


◆最後の第九で岩城さんはティンパニにフォルティッシモで叩かせました。

やはり、ここでティンパニだけが、ディミヌエンドするのは耐えられないのでしょう。

昨日聴いた録音でも、この部分は「岩城説」を堅持し、ティンパニにフォルティッシモのまま、ロールを叩かせていました。

岩城さん、とうとう最後まで自説を曲げませんでした。面白かったです。


◆昨日(6月18日)は岩城さんの大親友、山本直純さんの命日でした。

岩城さんが亡くなったのが、13日。昨日は山本直純さんの命日なんです。



もしも「あの世」が存在するなら、岩城さんは久しぶりにナオズミさんに会って、さぞや積もる話があったことでしょう。

ガンで衰弱していた岩城さんがベートーベン全曲を振るというので、山本さんはきっと、ステージで岩城さんのすぐ傍で応援していたのではないかとおもいます。

岩城さんが自分で話していましたが、第九の4楽章でバリトンのソロが出る付近で、岩城さんは、一瞬棒を間違えて、余計な一振りをするところだった。

その右手を自分の左手が押さえたそうです。あれは、直純さんが助けたのじゃないかな、などと想像してしまいました。

夕べは二人であの世からテレビを見て、ナオズミさんと岩城さんの大親友が楽しく音楽談義に花を咲かせているのではないか。

そうだといいな、と考えたら、私は涙が止まらなくなってしまいました。


2005年06月17日(金) <国会延長>自民、公明両党の賛成多数で可決←それどころじゃ、ないだろう?
2004年06月17日(木) 「北朝鮮、心臓専門病院を準備=韓国にノウハウ打診−情報当局が関心」この意味、わかりますね?長くないぜ。
2003年06月17日(火) 人々があまりにも不親切、無愛想。これは東京だけの現象なのだろうか。

2006年06月16日(金) FT紙社説翻訳「福井日銀総裁の謝罪」/今晩、NHKで岩城さんの番組があります。

◆はじめに、音楽:今晩11時10分からNHK総合で岩城宏之さんのドキュメンタリーがあります。

岩城さんのエピソードはちょっと一休みしますが、その代わり、この番組を見つけました。

番組紹介コメントによると、

指揮者・岩城宏之さんをしのんで◇13日に亡くなった指揮者の岩城宏之さんをしのび、4月に放送したドキュメンタリー「生涯指揮者・岩城宏之〜ベートーベンとともにゆかん」を再び送る。このドキュメンタリーは、昨年12月31日からことし1月1日までの9時間にわたり、ベートーベンの全交響曲である第1番から第9番までを指揮する岩城さんの姿を追ったもの。冒頭では、岩城さんと親交の深かった作曲家の池辺晋一郎氏、バイオリニストの徳永二男、ジャーナリストの江川紹子さんの追悼メッセージを伝える。

ということです。岩城宏之さんは、一昨年と昨年、何と1日でベートーベンの交響曲9曲全曲演奏をしました。こんなのは世界で初めてだったのではないかと思います。



わたしは最初にこの計画を(一昨年)読んだとき、個人的には、あまり感心しなかったのです。

ベートーベンの全交響曲を「一日で」演ることに必然性が認められません。ギネスブック記録狙いみたいで嫌な感じがしたんです。



演奏する側は多少メンバーは入れ替わるだろうけど、9曲全部入れ替わるほど人を集めるのは困難でしょうから、9曲全部ではなくても、交替でかなりの曲を演奏することになる。

絶対に疲労のあまり、集中力がとぎれる、エネルギーが尽きると思うのです。ベストの演奏にはならないと思うのです。



けれども、今から思うと、岩城さんは一昨年からもうあまり長くないと悟っていたのでしょう。

岩城宏之さんは「初演魔」と言われるほど、現代作曲家の作品、それもかなり前衛的な作品を積極的にコンサートで演奏することで知られていました。

しかし、岩城さんはベートーベン、モーツァルトを軽視していたわけではなく、むしろ非常に重要な作品と考えていたのです。
「ワーグナーぐらいだとなんだか、ジャズみたいにみんなでわいわい遊べるという面がありますが、ベートーベンを演奏するときには一切そういう気持ちは起きません。妥協は許されない厳しさを譜面から感じるのです」


とどこかに書いていました。指揮者にとって、少なくとも岩城さんにとっては、オーケストラの指揮は「ベートーベンに始まり、ベートーベンに終わる」ものだったのかも知れません。

岩城さんは、そういう音楽を、生涯の終わりに、出来るうちに何とか全部、もう一度やりたい、という思いが募ったのだろうと思います。

わたしの想像でしかありませんが。

番組紹介の記事にあるとおり、岩城さんとごく親しかった人たち(N響アワーの司会をしている作曲家、池辺晋一郎さんなど)が、

岩城さんにまつわるエピソードを話すらしいですから、よろしければご覧になってみては如何でしょうか。取り急ぎ、お知らせまで。


◆記事:フィナンシャルタイムズ(英)社説「福井総裁の謝罪」

日本では、福井日銀総裁の個人的投資に関して、大騒動が持ち上がっているが、いまだ、不法行為として見なされていない。

野党は当然のことながら、この問題で政府の責任を追及しており、中には福井総裁の辞任を要求する声もある。



福井総裁は村上ファンドに1000万円を投資した事実を認めている。村上ファンドの代表者である村上彰文氏は、インサイダー取引容疑でつい最近逮捕された人物でる。

福井総裁がくだんの投資を行ったのは日本銀行総裁就任前の1999年、富士通総研に在職していた時期である。福井氏は今年2月、ファンドを解約したが、実際に資金が還付されるのは今月の末になる。



福井総裁の投資がこれほどの問題になった理由は、大きくわけて2つある。

第一に、福井総裁は、自らの投資行動の動機を「現代的な、進取の精神に富む新しい資本主義の旗手として応援したかった」として、村上氏や、

前ライブドア社長で、すでに告訴されている堀江貴文氏の名をあげ、自己正当化しているが、両人とも違法行為を行うような人物だったと言うことである。



第二に、福井総裁をはじめ、日銀の幹部は如何なる点でも信頼性を揺るがすようなことがあってはならない、と言う点に関係する。

彼らは現在、ゼロ金利政策をいつ解除するか、という極めて微妙で政治的な決定を迫られている。このような時期にはとくに日銀の公平性、信頼性が不可欠である。

福井総裁は、なんとか嵐が過ぎ去るのを待っているかのようである。

国会において内閣と国民に対して謝罪した。小泉純一郎内閣総理大臣は問題ない、という。



日本銀行は「福井総裁は内規に違反していない」という。ここに、問題がある。

新しく日銀政策委員会のメンバーに加わる者は、投信その他金利に関わるサービス-金融商品-に投資しないように「アドヴァイス」されるが、「強制」はされないのである。

また、日銀幹部の資産公開を義務づける、法律その他のルールは、日本には存在しない。



欧米の中央銀行が幹部に対して厳しいルールを定めているのと対照的である。

例えば、FRB議長は毎年の資産公開が義務づけられているのである。

福井氏が日銀総裁を辞任しないのであれば、福井氏と日本銀行は今回の騒動を教訓にして、可及的速やかに、内規を見直し、

せめて他の経済先進国と同程度の厳密なルールを作るべきである。


◆コメント:フィナンシャルタイムズだけじゃないのですよ。

日銀総裁のファンド投資を取り上げているのは、上で翻訳したフィナンシャルタイムズ紙だけではない。

ニューヨーク・タイムズ15日付の記事(http://www.nytimes.com/2006/06/15/business/worldbusiness/15bank.html)

の次の一節が最も明解に問題の所在を指摘している。
「他の主要国ではセントラル・バンカー(中央銀行幹部)は株式への投資を厳しく禁じられている。これは、公益と私利の衝突を防ぐためである。つまり、彼らが決定を委ねられている金利政策は、その国の経済成長に影響を及ぼし、ひいては、個人が所有する株のパフォーマンス(含み益、損)を左右するからである。だから、例えば、Fedの前議長、グリーンスパンは、個人資産の投資を短期国債とCD(譲渡性預金)に制限されていたし、毎年、投資行動の全てを開示することを義務づけられていたのである。」


と書いている。

どの新聞もはっきり言わないが、「日銀のルールは甘い」とちょっと(或いは大いに)あきれた、という論調である。


◆当たり前のことなのですよ。

私はこの件に関して、13日に「日銀総裁、村上ファンドに1000万円」←福井総裁、残念だが辞めて下さいという記事を書いたので、

反復は避けるが、海外主要紙の論調から、私の意見が特異なものではない、ということが、お分かりいただけるのではないだろうか。

ただ、私は「福井氏は辞任すべきだ」と書いたが、海外紙はそこまで厳しいことを書いていない、という点が異なる。



13日の記事で書いたとおり、福井総裁に関しては海外の金融専門家、ジャーナリズムが高い評価を与えていたので、やや、甘い結論になるのだろう。

しかし、日銀の独立性を考えた場合、如何にもまずい状態になってしまった。

福井氏が窮地に陥り、それを総理大臣、官房長官、財務大臣、経済・財政・金融担当大臣が口をそろえて「問題ない」と行って救った形になっている。

これは、きわめてまずい。内閣はこれで、福井氏に確実に「貸し」をつくり、福井氏は「借り」を抱えてしまった。



日銀は、政府・内閣から独立して金融政策を決定すべきで、このような「心理的貸借関係」が存在することは、日銀にとって致命的である。

だから、私は福井氏は辞めるべきだと言うのだが、頭が痛いのは、代わりがすぐに務まる人材がいないことである。

全く、福井さん、ドジでしたねえ・・・。


2005年06月16日(木)  中国「反日デモ、謝罪問題は存在しない」 ←後で、必ず吠え面をかくときが来るのです。それは・・・。
2004年06月16日(水) 「内閣不信任案否決」 ところで総理。イラクの大量破壊兵器はどこにあったのですか?
2003年06月16日(月) 「オーケストラがやってきた」 山本直純氏の功績

2006年06月15日(木) 岩城宏之さんの話がまだまだつづく(3)

◆皆様からのメッセージに感激

13日の未明に岩城宏之さんが亡くなられて、4日経った。

2回、岩城さんのエピソードを書いただけだが、多くの方々からメールを頂戴して恐縮している。

どうしても、書かずにはいられないので、今日も書く。


◆岩城さんの言葉「プロの音楽家にはそう簡単になれるものではない。」

岩城さん自身が書いた本をもとに書いているのだが、大事なことを書くのを忘れていた。

岩城さんが自分の音楽遍歴を書くのは、そう簡単には、プロになんかなれないよ、と言いたいからなのだ。



あまりにも多くの若者が、「幼少期にまともな音楽教育を受けていなかったのに、岩城宏之さんはプロの指揮者として世界のオーケストラを振っている。

自分も今から本気になればプロになれるかも知れない」と安易な発想で手紙などを送ってくるのだという。

しかし、岩城さんは最初に釘をさしている。

「本当のことを言うと、僕はまぐれで音楽家になったようなもので、一般的には、プロの音楽家にはそう簡単になれるものではない。

いくらプロ野球の選手になりたくても、どんなに野球が好きでも、だからといって、なれるものではないのだ。」

「若い諸君は僕がただ、高校の頃までまともな音楽教育を受けなかったのに、音楽を好きなだけで、その後ポンと音楽家になってしまったという印象を持っているらしい。

しかし、運よくある日突然音楽家になれたわけではない。端的にいうと、まともな教育を受けなかっただけ、その分エライ苦労をした。」

と。

ただ、苦労話を延々と書くのは趣味でないし、如何に自分に才能が有ったか、を誇示するようなものでみっともないから、書かなかったのだ、という。

そうは言いながら、「ハニホヘト音楽説法」を読むと、抱腹絶倒なのだ。これでは逆効果だったのではないかと思ってしまう。

が、客観的に見て、この音楽環境で芸大打楽器科に入学し、その後指揮に転向してプロになったのは、やはり奇跡的だ。

滅多なことでは振らせて貰えないウィーンフィルの定期まで1回ではあるが、指揮している。やはりものすごく努力して、想像を絶する苦労が有ったはずだ。

そして、さすがにご自分では書きにくいから最小限の表現にとどめているが、岩城さんには人並み外れた才能があったのだ、という点を念頭に置いて頂きたい。



今は、音楽大学の指揮科というのは最も難しい。芸大や東京音楽大学の指揮科は合格者ゼロという年の方が多いぐらいなのである。

合格者がいても2人いれば、驚き。全学年を合計しても指揮科が二桁、つまり10人以上という学校はまず、無いだろう。


◆エピソードに戻ります。

前回、高校1年で初めて木琴のプロについて正式なレッスンを受けるに至ったところまでを書いた。

3年になった岩城さんはまだ、「音楽大学を受験する」ことの大変さが分かっていなかった。

何と第一志望は東大独文科、第二志望が芸大だったのである。

さらに、驚くべきは、高校三年の二学期まで、音楽部と野球部の部活動を掛け持ちでやっていたのである。

岩城さんは野球は本当に好きで、もしかすると音楽よりも熱心に練習したのではないかと思われるほどだったが、本人の弁によると、

「最後まで、本当にヘタクソだった。やはり人間には向き不向きがあるのだ」

ということになる。


◆母親が芸大受験に反対した理由

高三の二学期までクラブ活動をやっているようでは、いくら当時の東大が今よりは入りやすかったとはいえ、合格は難しい。

母親が学校の担任に呼ばれた。東大は無理だという。

母親は岩城さんにそう伝えながらかなり落胆した様子だった。

残るは芸大しかなかったわけだが、お母さんが芸大受験に反対した理由が驚くべきものだった。
「音楽家などになったら、この子は何度でも離婚をするような人間になる」


というのである。どういう根拠で、その結論に至ったのか、全く不明であった。


◆芸大の入試要項を取りに行って驚いた。

それでも、岩城さんの音楽への情熱は冷めず、とうとう、芸大の入試要項を貰ってきた。

中身を読んで驚嘆した。丁度前年、打楽器科が創設されたところだったので、木琴で楽勝だと思っていたら、

音大というところは、その他の実技があるのだった。



要するに何の楽器をやるにしても、指揮でも声楽でも、音楽をやる上での前提条件となる能力を試す科目がある。

まず、「ソルフェージュ」という能力がある。読譜力。譜面を見て音が頭の中で正しく鳴らせるか、を試される。

勿論頭の中の音は分からないから、歌うのである。これが出来ないと音楽家にはなれない。

英語を読めないのに英文学を専攻すると言ったらアホか?ということになるでしょう。それと同じである。

「聴音」というのは逆に、音を聴いてそれが何の音かを正しく認識し、譜面に書く訓練である。

岩城さんの打楽器などは単音だっただろうが、作曲家や指揮科を志す者なら、四声の聴音が出来て当たり前である。

即ち、4つのパートが同時に聴き取り、楽譜に書けなくてはならないのだ。

大抵、ピアノで二回弾くだけである。従って、耳が良いのは当然として記憶力も必要である。



そして、岩城さんがひっくり返ったのが(ひっくり返る方が甘いのだが)、「ピアノ」である。

音大に入るには、何の楽器を専攻するのであっても、ソナチネ(ソナタの易しいもの)ぐらいは弾けないといけないのだ。

勿論ピアノ科を受験する者より遙かに易しいのだが、それまでピアノを弾いたことのない岩城さんは大いに慌てた。

岩城さんの自宅にピアノなど、無い。

ちょうど都合の良いことに、近所に仲の良い金持ちの友達がいて、当時としては画期的な消音装置付きピアノを持っていた。

この友達の家に毎晩押しかけて、徹夜でピアノを練習したのだという。

しかし、さすがに独学には限界がある。岩城さんの友達が教わっていた、金子登先生という偉い先生に教わることになった。

金子先生は芸大の指揮科の先生だ。本当ならとんでもない暴挙なのだが、昔は世の中がおおらかだったのだろう。


◆いよいよ、受験。

芸大の入試が始まった。二次試験まである。

一次試験に行って驚いた。ソルフェージュ、聴音、ピアノがあることは、分かっていたから、

前述のとおり準備した(書き忘れたが、聴音と、ソルフェージュは独学だったというから、すごい)。

肝腎の打楽器の実技試験は1次はスネア・ドラム(小太鼓)だけだというのだ。

そんなことすら、岩城さんは、試験当日まで知らなかったというのもなかなか凄い。

打楽器の基本は木琴ではなくて、小太鼓なのである。岩城さんは学習院の音楽部でティンパニを叩いていたが、小太鼓を叩いたことはなかった。



おそるおそる、待合室のとなりの人に小太鼓のバチの持ち方を教わった。

その人がたまたまいい人で、「え?君、今頃そんなこといってるの?」と仰天したが、これは競争相手ではない、と思って安心したのか(岩城さんの弁)、親切に教えてくれた。

試験が始まり、小太鼓は、ダーッというロール(連打)が難しく、それは全然ダメだったが、

他の部分で打楽器奏者の命であるリズム感が正確であると判断されたらしい。

聴音・ソルフェージュは思ったより簡単だったというから、やはり岩城さんは先天的に耳が良いのだろう。

ピアノはモーツァルトのソナチネを弾いた。

金子先生は絶対落ちると思っていたらしいが、岩城さんは曲を思い切りテンポを落として(つまり、間違えないように)弾いた。

岩城さんによると、多分本来のテンポの4分の1の超低速演奏だった。

ピアノの楽譜の二段目に入ったところで、試験官から、もう、いい。と言われた。

その晩、金子先生に電話した。「完璧でした。」と報告したら金子先生は、試験官から既に様子を聞いていた。

「馬鹿野郎。のろ過ぎて話にならなかったそうだぞ。しかし、間違えないし、テンポが狂わないから、点の引きようがなくて50点をつけたそうだ。49点からはハネられるんだ!」

このようにして、1次試験に通った。(続く)


2005年06月15日(水) 全日空やJALが機体の整備を中国の工場に委託している、ということを知っていましたか?
2004年06月15日(火) 「日本を監視対象国に指定 人身売買の米報告書」ヨーロッパ時代も含めると400年も奴隷貿易をしていたのは誰でしたかね?
2003年06月15日(日) <規制改革>コンビニで大衆薬販売へ 「自己責任」の意識

2006年06月14日(水) 海上自衛隊の情報流出の深刻度

◆コメント:長々と書き写す理由。

私は、6月10日付の日記「防衛省」法案を閣議決定 臨時国会で成立目指す←ダメ。と書いた。

その理由の一つとして、海上自衛隊から流出した情報は国家の安全保障に関わる、「ハンパではない」超重要機密事項だったらしいからだ。

だが、それだけでは、軍事に素人の私たちには良く分からない。



週刊文春の5月25日号に、現役の自衛官(情報流出とは関係無い人物)に、洩れた情報の深刻さを鑑定して貰った記事があった。

先日引用したかったのだが、あいにく捨ててしまったので、Yahoo!オークションでもう一度、「週刊文春」を買った。そこから引用する。


◆コメント2:蛇足ながら、本当は、今週は岩城さんの事だけ書きたいのだ。

愚痴になって申し訳ないが、ホンネを言えば、今週は、岩城さんの事だけ書きたいのだ。

岩城宏之さんのことだけを書いても、一年ぐらい話題が続くのではないかと思われるほど、書きたいことがある。

だが、情報は遅くなるほど価値が薄れる。11日に自衛隊のことを書いたばかりなので、今のうちに補足しておくことにする。


◆記事:週刊文春5月25日号「自衛隊情報流出で米軍引越代3兆円丸呑みの危機

海上自衛隊の現役通信隊員に、小誌(週刊文春)が入手した内部資料を見せると、驚きの余り一瞬息を呑んだ後、こう言い放った。

「うわ。最悪。周波数の生の数字が全部出てるじゃないですか。これはアメリカも一緒に使いますからね。『特設UHF戦術系予想履域図』なんて、中国には滅茶苦茶おいしい資料でしょう。有事の際、どこに特設UHFアンテナを立てて、どこまで電波が届く、という内容ですから。あんまり凄いんで驚きましたよ。こんな資料が流出していたなんて・・・」

内部資料とは、佐世保地方隊所属の護衛艦「あさゆき」の海曹長が私物のパソコンに入れていた海自の秘密文書。

今年二月、ウィニーをつうじてインターネット上に流出したことが発覚した。その量たるや膨大で、フロッピーディスク290枚分にも及ぶ。



海自は、流出した情報は「秘」扱い以下のものだけで、より秘匿性の高い「機密」や「極秘」は含まれていなかったとして事態の沈静化をはかってきたが、

実は防衛上重大な情報、しかも日本だけではなく、アメリカとその同盟諸国も懸念せざるを得ない内容が流出していたのである。



小誌取材班は、艦長経験者を含む複数の海上自衛隊関係者に流出した資料の検証を依頼した。

冒頭で証言を紹介した現役の海自隊員は流出資料に目を通す前から、「まずいのはコールサイン(通信でお互いを呼び出すときの符合)でしょう。」としてきしていた。

流出した情報には平成十五年五月十三日、「あさゆき」のコールサインは「4XHZ」、六月二十五日は「6LSZ」とはっきり記してある。

◆「今、有事ならどうなる?」

「全部隊の航空機、艦艇のコールサインは毎日変えることになっていて、それを一覧表にした冊子がありますが、

毎年、専門の印刷業者に頼んで更新するようなシロモノで、すぐには変えられません。

訓練中、強風でコールサイン表が飛ばされて海に落ちたときなど、50人がかりで捜索したそうですよ」



海自とアメリカ海軍とはニックネーム形式のコールサインで通信するが、その資料も流出した。

たとえば、「あさつき」は「GLITTER VENUS」とある。同隊員が「最悪」と表現した無線通信の周波数は、
「使用機器、用途、略符、周波数まで全部生のままで出ています。空自、陸自、海上保安庁との通信で、毎日どの系統を使っているのかが分かる図もありますね」(冒頭の現役通信隊員)


防衛庁は「わが国の防衛に与える影響を最小限に抑えるべく、必要に応じて速やかにその内容の変更を図るなどの対策を講じた」と発表したが、通信隊員に言わせると、
「周波数は総務省から割り当てられているものだから、すぐには変更できません。実際、うちの艦では前のままですよ」

とのことだ。


◆コメント3:要するにどういう事態かというと(無線に関して)、自衛隊の無線が全部中国と北朝鮮に聞かれているということ。

つまり、自衛隊内部の通信、米軍との通信に用いる周波数が全部、バレているから、中国も北朝鮮も、海上自衛隊の通信を自由に傍受できる、という事態なのである。

傍受できるだけでなく、万が一、有事の際には(周波数がバレているのだから)強力な妨害電波を中国や北朝鮮が流してきて、自衛隊の通信系統が大混乱に陥ることが十分に考えられる。

という。今まで何も起きていないのが、むしろ不思議なぐらいなのだ


◆記事2:最高機密の暗号関連文書が洩れてしまった。

くだんの海曹長のパソコンから流出した情報で最も深刻なのは、

「暗号書表一覧」。「極秘」となっている「H規約表B第55号」、「ツ乱数表(第51号)」、「非常用暗号書(G部分区用)(第51号)」など五十八の暗号書名の一覧表である。

尤もこれは、暗号書そのものではなく、暗号書のリストが流出したのである。

しかし、暗号を解読する際の手がかりとなる情報も流出してしまったのである。

更にまずいことに米国から供与された、日米同盟に関わる暗号に関する情報が含まれている。



平文を暗号文に変換するためには、暗号機と「規約」と呼ばれる入力ソフトが必要である。

「規約」は暗号文を作成する度に新しいものが使用され、フロッピーディスクなどに複数保存されている。そして、一定の保存期間を過ぎたら破棄される。

今回の情報流出で問題なのは、流出した資料の中には、どの規約がどの期間に使われ、いつ破棄されたかを記録した一覧表が入っていたのだ。



以前、国会で防衛秘密に関する資料について情報開示請求が為されたとき、防衛庁はこの「規約の名称と使用期間」を「不開示」とした。

その理由は、「これを開示したら、相手方の暗号を解読する作業が促進され、暗号化した通信の内容を知られる可能性が生じる」というものだった。


◆コメント4:しかもよりによって・・・

しかも、よりによって流出した一覧表は、「特定特別防衛秘密」に指定されている「AKAT3662」などの暗号規約に関するものなのである。

「特定特別防衛秘密」とは、米国から供与された秘密の中でも「特別の保護を要する」と指定されたものである。

どういうことかというと、今回の情報流出により、米軍の暗号までが解読される可能性が高まってしまったのである。

アメリカが怒っていないはずが無い。


◆コメント5:ますます、「拒否できない日本」にしてしまったかも知れない。

今月末、小泉首相は訪米する。

今日のニュースによると、かねて小泉首相は、エルビス・プレスリー邸を見学したがっていたが、今回はブッシュ大統領夫妻がみずから、プレスリー邸を案内してくれるのだそうだ。



自衛隊の大失態がブッシュの耳に届いていないはずはない。それにも関わらず、小泉首相に対する異例の歓待。

何だか嫌な予感がする。

アメリカ側は、今回の失態の代償に何かを求めてくるだろう。例えば牛肉。

しかし、一自衛官の失策により、日本国民が、BSEに感染しているかも知れない米国産牛肉を輸入するかどうかは、別の話である。



自衛隊が軍事機密情報を誤って流出させた「から」、日本国民が危険な牛肉を食べなければいけない、という理屈は、論理の飛躍である。



欧米人はこういうときでも、絶対に誤らない。

「故意ではない。過失である。ヒューマンエラー(人間だから失敗することもあるさ)だ」、と平然といってのける。

小泉首相には無理と思うが、簡単に相手の要求にYesと言わないでいただきたい。我々一般国民が防衛庁のミスの償いをする義務は無い。

長くなったが、先日私が、防衛庁の「省」昇格などもってのほかだ、と書いた理由もお分かり頂けるのでは無かろうか?


2005年06月14日(火) 「新しい歴史教科書」がけしからん、という人、本当に、読みましたか?
2004年06月14日(月) マスコミは「佐世保少女殺人事件」を取り上げるのを、もう、止めろ。
2003年06月14日(土) 「退職金16億円全額を軽井沢に寄付 ソニー大賀氏、」 なかなかできることではない。

2006年06月13日(火) 「日銀総裁、村上ファンドに1000万円」←福井総裁、残念だが辞めて下さい/岩城さんの話(続き)

◆記事1:「日銀総裁、村上ファンドに1000万円」 (日経 2006年06月12日 (月) 13:48)

日銀の福井俊彦総裁は13日の参院財政金融委員会で、インサイダー取引事件で逮捕された村上世彰容疑者が率いた「村上ファンド」との関係について

「(富士通総研理事長だった1999年秋に)有志数人で私も入り、1人1000万円を拠出した」と述べ、同ファンドに個人資金を拠出していたことを明らかにした。

福井総裁は99年に村上容疑者がファンドを立ち上げた際、「具体的な投資活動のアドバイスをしないとの約束の下、(アドバイザーを)引き受けた。報酬もない」と強調。

「総裁就任時にアドバイザーは辞めた」とした。その上で「拠出もやめるというのも一つの考え方だったが、私だけが抜けるというのが適当かどうかという仲間内の意識もあった」と述べた。

拠出金から得た利益に関しては「キャッシュアウト(現金化)したことはない」とし、「帳簿上の利益は確定申告して納税している。もうかっているという感じではない」と表明。

拠出金は「数カ月前に解約の申し入れをしている。今月末に清算される」と述べた。


◆記事2:首相、経財相「問題なし」・日銀総裁の村上ファンド拠出

小泉純一郎首相は13日昼、福井俊彦日銀総裁が村上ファンドに資金拠出していたことへの道義的責任について「それはないんじゃないか」と述べた。

自らが村上ファンドを介して取引したことがあるかに関しては「私、関心ないから」と否定した。首相官邸で記者団の質問に答えた。

与謝野馨経済財政担当相も同日、福井総裁が出席した参院財政金融委員会で

「総裁になることが予定されていない時期に民間人として出資に応募したということで、それ自体はなんら問題はない」との見解を示した。 (14:01)


◆結論:中央銀行総裁が株取引に関わってはならない。

非常に残念である。

福井さんともあろう人が、何故、このような杜撰な資産管理をしたのか、不思議でならない。



福井総裁は優れた日銀総裁だと思う。

昨年秋以降、与党の政治家が、「量的金融緩和政策(とゼロ金利政策を混同していた政治家も多いが)を解除するな」と、福井さんを殆ど恫喝してきた。

その経緯については、昨年11月にここで書いた。

しかし、福井さんは屈しなかった。

かねて公にしていたとおり、消費者物価指数が、連続的にプラスになることなどの条件を満たした時点で、日銀当座預金量を金融政策の目標とする、「量的金融緩和政策」を止めた。

その時のことも「日銀、量的緩和解除」←福井日銀総裁は、立派だ。に書いた。



福井さんは、これも11月25日に書いたが、2004年2月には英国の経済専門誌"The Economist"が、

「世界で最も優れた中央銀行総裁」に選んだ人なのである。



日銀総裁とは、日本の金融市場全体に影響を及ぼしうる存在である。

無論、日銀の金融政策は毎月の金融政策決定会合で、総裁、副総裁、理事らによって決定され、

そのときの議論の要旨は、日銀のサイトに、金融市場調節方針等に関する決定事項として公表される。



日銀の決定は、当面の市場金利をどのように誘導するかという点が焦点だが、この決定は金融市場のあらゆる相場に影響を及ぼしうる。勿論、株式市場も日銀の動向を注視している。



繰り返すが、日銀の政策は日本経済全体の将来を左右するものである。

従って、その政策の決定に携わる者は、絶対に、中立、公正、無私でなければならない。

金融商品(株、債券、為替)取引を行っている者が集まって、日本の金融政策を決定したら、世間はどう思うだろう?

「結局、自分たちに有利な政策を採用しているのではないか?」という疑問を抱くかも知れない。

本人にそのつもりが無くとも、そのような疑いをもたれる可能性をゼロにしておかなくてはいけないのだ。「李下に冠を正さず」ということだ。

これは、鉄則である。というより、「常識で考えれば分かること」である。


◆「村上ファンドと知り合いだったこと」が問題なのではない。株をやっていたこと自体が問題なのだ。

今回、「福井日銀総裁が、インサイダー取引容疑の村上某とつきあいがあったことが問題なのだ」、と勘違いしている人がいるけれども、そうではない。

相手が誰であってもダメなのだ。

ファンドに投資するということは、自分が直接株式を売買するわけではないが、福井氏の資産を運用するファンド・マネジャーは、株取引を行っている。



つまり、「日銀総裁が、たとえ間接的にではあっても、株取引を行っていた」ことが看過できない失態なのである。

福井氏が民間に出ていた時に投資行動を行っていたのは自由だが、日銀総裁就任が決定したときに、すべて解約するべきだった。

それをいままで、持っていた。

どうしてそんなドジを踏んだのか残念でならない。


◆与謝野、小泉はバカ。

以上述べたことを理解していただけるなら、与謝野金融相の発言が如何に的外れか、お分かりだろう。

「総裁になることが予定されていない時期に民間人として出資に応募したということで、それ自体はなんら問題はない」

よくぞ、これだけバカなことを言えるモノだ。感動した。

民間人時代の投資を問題にしているのではない。

「日銀総裁になるときに解約せず、いまだにファンドに資金を置いていること」が問題なのだ。

数ヶ月前に解約の手続きを取ったそうだが、堀江が逮捕されるのを見て、村上にも来る。ヤバい。と思ったのだろう。今頃解約してもダメだ。



小泉首相は、今更まともな言葉を期待していないけれども、
小泉純一郎首相は13日昼、福井俊彦日銀総裁が村上ファンドに資金拠出していたことへの道義的責任について「それはないんじゃないか」と述べた。


「それはないんじゃないか」と言いたいのは、我々国民だ。


◆岩城宏之さんのこと(2)

昨日に引き続き、岩城宏之さんのことを書く。

岩城宏之さんは自分が音楽家になるまでの過程をあまり文章にしなかった。



それは、岩城さんが音楽の早期教育を受けていないのにプロになったという歴史的事実にだけ注目し、

「自分も子どもの頃、音楽を習ったことは無いけれども、岩城さんに話を読んで、道が開けた気がします」というたぐいの、

はっきり言って、「勘違い坊や」が増えるのを警戒するからだという。



実は、ここに書いている話はすべて新潮文庫の「ハニホヘト音楽説法」という本に出ている。一読をお薦めする。

多分、現役の音楽家、音大生、音楽ファン、皆、仰天するだろう。よく、これでプロになれた、と。

しかし、裏を返せば、それは、岩城さんにそれだけの才能があり、本当に努力したということだ。


◆「ソプラノ」は「一番上手い人」だと思っていた。

岩城宏之さんは、学習院高等部で一度だけコーラス部の練習に行ったことがある。

しかし、先輩に「貴様(何故か学習院のコーラス部は後輩を「貴様」呼ばわりしたのだそうだ)はテノールだな」と言われ、憤慨して、そのまま帰ってきたのだそうだ。



岩城さんは何と、ソプラノ、アルト、テノール、バス、は声の高さの区分だということをしらず、一番上手いのが「ソプラノ」だと勝手に信じていたのである。

従って、自分は下手な方から2番目だと言われたとおもって怒ったのである。それぐらい、「音楽の知識」には乏しかった。


◆高校一年になって初めてプロの木琴奏者に、「正式の音楽教育」を受けた。

学習院音楽部の先輩が紹介してくれて、当時、木琴の独奏で活躍していた岩井貞雄という先生に初めて、正式の「レッスン」を受けることになった。

バチだけ持ってくればよい、というので、例のオモチャのバチを持っていった。十歳年上の兄がついてきてくれた。



先生のお宅にあるのは、当然、本格的なシロフォン(マリンバより堅い音がする)だった。全然大きさが違う。

先生が「何か得意な曲を2,3曲ひいてごらん」というので、おそるおそる、得意の曲を弾いた。

これは本には書いてないが、「トルコ行進曲」「ボッケリーニのメヌエット」の類であろうと思われる。



先生は、何も言わなかった。随分長いこと黙っていた。

独学で「トルコ行進曲」を弾けるとはいえ、先生から見ればそれだけ、どうしようもない、「癖」がついていたのだった。

あまりの沈黙の長さに耐えかねて兄がきいた。

「弟はモノになるでしょうか」

先生はそれでも黙っていた。これ以上の愚問は無いのである。やがて先生は、

「それは・・・・あのお・・・これからの本人の勉強次第ですがね」


こうしか答えようがないだろう。


◆「基礎」をたたき込まれた。

岩城さんのことばによれば、

「小さいときにひとりでに音楽が好きになり、全くの独学でやってきたのだけれど、この高校一年の時に、基礎ということの大事さを、僕はこの岩井先生にとことん叩き込まれた」


のだという。

毎週レッスンに行ったが、徹底的に基礎練習をやらされ、エチュード(教則本)だけの週が続いた。

先生は曲など弾かせてくれなかった。そんなことは、先の先なのだ。



岩城さんはこの時の経験から、凡そ人間の動作に関することは楽器でもスポーツでも、踊りでも、

他人の客観的な観察と適切なアドヴァイスが必要であることが分かった、という。人間は自分の動きを客観的に観察することはできないのだ。と。(続く)


2005年06月13日(月) 「宝塚―尼崎間で走行実験、非常ブレーキ再現」 ←つまり、いまだに事故の真相は不明なのだ。
2004年06月13日(日) 「集団的自衛権の行使規定を明記、自民が改憲案論点整理」 だから、自民党代議士なんてのはバカだってんだよ。
2003年06月13日(金) 「TBSが特集放送を約束 障害者団体の抗議で謝罪」それはいいんですが、発言した医者本人は何故謝罪しないのか?

2006年06月12日(月) 岩城宏之さんもいなくなってしまった・・・。

◆仕方がないけど、寂しい。

岩城宏之さんが亡くなった。何だか、身体に力が入らない。

人間、先に生まれた人から去ってゆくのが自然の理で、そんなことは分かっている。
だが、私が西洋音楽(クラシック音楽)を好きになる過程で、バリバリ活躍していた方々が、次々に、お亡くなりになるのは、実に辛い。

山本直純さん、岩城宏之さん、山田一雄(ヤマカズ)さん、渡邉暁雄さん、朝比奈隆さん、芥川也寸志さん、黛敏郎さん、

団伊玖磨さん、石井真木さん、カラヤン、バーンスタイン。ルービンシュタイン、ホロビッツ、リヒテル、と挙げればきりがない。



本当は私ごときが、名前を出すのは憚られる、大家ばかりなのだ。それも十分すぎるほど分かっている。

しかし、これらの人々は我が青春、音楽への憧れ、と切り離せないのである。


◆「オーケストラがやってきた」

TBSは、1970年から十数年間、日曜日の朝、「オーケストラがやってきた」という30分番組を放送した。

当時小学生から中学生、高校生だった私が、如何にこの番組に夢中になったのか、はここに書いた

制作はテレビマン・ユニオンという下請け会社だが、アイディアを出し、司会を務めたのは山本直純さんだった。

岩城宏之さんと山本直純さんは、芸大時代からの無二の親友・悪友だ。

だから、直純さんに頼まれて、岩城さんはしょっちゅう「オーケストラ」に出演した。

30分番組とはいえ、毎週、民放がクラシック音楽入門番組を10年以上も放送したのは画期的だった

(尤も黛敏郎さんの「題名のない音楽会」はもっと長く続いていたが、こちらは黛さんの独擅場で、少し気取り気味、というのが私の印象だ)。



リンク先の日記を読んでいただくと分かるが、私にとって「オーケストラがやってきた」は音楽のバイブルだった。

家庭用のビデオなどこの世に存在しない。再放送もない。一回見逃したら永遠に終わりだ。

私があと何年、何十年生きるのか分からないが、生涯で最も夢中になったテレビ番組は、

多分、「オーケストラがやってきた」だった、ということになるだろう。


◆岩城宏之さんは、音楽の早期教育を全く受けていない。

岩城宏之さんの父君は昔の大蔵省の役人。しかも今で言う「ノン・キャリア組」だったようで、転勤が多かった。

小学生高学年(今でいうところの5年生から6年生)の頃、脚の痛みを覚えて、医者に診せたら「骨髄炎」と診断された。

10か月も入院した。ラジオから聞こえる当時「木琴独奏者」として有名だった平岡養一氏の演奏を聴いて、父親に木琴が欲しいとせがんだ。



父親はオモチャの木琴を買ってきた。岩城宏之さんは喜んで、耳から覚えた旋律を木琴で再現しようとした。

やがて、その木琴では出ない音が在ることに気が付いた。

ドとレの間、ソとラの間に音が在るはずだと思った(父親は、ピアノで言えば白鍵だけの木琴を買ったのだった)。

再び、父親にせがんで、「もっと沢山の音が出る木琴を探してくれ」と言った。

父親は音楽の素養など何もなかったが、どうにか探してきた。1オクターブが12に分けられていた。

ピアノの黒鍵に相当する音が付いていた。岩城さんは、このようにして「半音」の存在を知った。


◆独学で木琴を練習。

木琴と言ってもあくまで、例のオモチャのような木琴だった。

マリンバなどという高価なものは日本に無かったか、あったとしても、個人が買えるものではない。



岩城さんの脚は幸い快癒し、それまで済んでいた岐阜県から東京(元々は東京の人だが)に帰ってきて、何故か学習院に途中から編入した。

暢気な時代で、大した試験もなくてすぐに入ることが出来たらしい。

ただ、田舎からやってきた岩城さんは随分「お坊ちゃま」たちの陰湿なイジメに遭った。


◆音楽を好きにさせてくれた、何も教えない先生

ただ、音楽の小出先生という人が、とてもユニークな人で、音楽に興味を持たせてくれた。

あるとき、学習院高等科全員が芸大(東京芸術大学)へ行き、当時日本を代表する大家の演奏を聴く機会に恵まれた。

岩城さんの一年下に今の天皇陛下がおられたためらしい。このとき、初めて「オーケストラ」というものを聞いた。



さて、出かける前の日に、小出先生が岩城さんたちにしてくれた「解説」がとてもユニークだった。小難しい事は一切言わない。

「安川加寿子という人がピアノを弾くけど、あの人は日本でいちばんうまい人だが、あの人の見どころはお辞儀なんだ。とても変っているから、出てきたら、気をつけて見ていなさい。」

「ヴァイオリンの巌本真理は、ものすごく鼻息が荒いけど、あれは鼻をすすっているのではない。

『ブレス』といって、バイオリンは口を開けて息を吸い込む訳にはいかないから、鼻で吸っているんだ。

呼吸は音楽では一番大切なことだ。その音が大きいのは、いかに本人が一生懸命やっているかという証拠だよ。」

という具合で、曲の解説など全くしなかった。

この「解説」が興味深く、岩城さんは当日最後まで飽きずに演奏を聴くことが出来た。岩城さんは、

「これが、もし、面倒な解説を押しつけられ、後で感想文など書かされたら、音楽嫌いになっていただろう」という。確かにそうだ。


◆木琴の初リサイタル

小出先生の授業であるとき「何でもいいから楽器が出来るものは次の時間に持ってきなさい」と言われた。

次の週、学習院のお坊ちゃん、お嬢様のピアノ、ヴァイオリンに混じって、岩城さんはおそるおそる、モーツァルトの「トルコ行進曲」を弾いた。

先生は、「もうじき君たちの学年の送別会がある。その時に君は今のを弾けよ」と言ってくれた。

送別会当日、いまだにオモチャの「半音付き木琴」もってステージに上った。観客=生徒がドッと笑った。

しかし、伴奏をしてくれることになった小出先生は優しく微笑んでうなずいてくれた。



「トルコ行進曲」を弾き始めた。全校のざわめきがピタリと止んだ。

演奏が終わると盛大に拍手された。一番、嫌らしい陰湿なイジメをしていた奴まで一生懸命に手を叩いていた。

岩城さんは本当に驚いた。ところが、もっと驚くことが起きた。

拍手が鳴りやんだとき、小出先生が岩城さんに向って云った。みんなにもはっきり聞こえた。

「君はこの調子であと一年もやれば、商売になれるよ」

岩城さんは一層驚いた。「まさか」と思った。だが、初めて岩城さんは「音楽家になりたい」と真剣に考えた。


今なら、絶対に無理である。打楽器科をマリンバで受けるなら、高度な独奏曲を弾けなければならない。

しかし、とにかくこれが、音楽家岩城宏之の出発点だった。

すみません。続きは明日。辛いのです。


2005年06月12日(日)  「新たなBSE感染牛の疑い=英で最終確認へ−米農務省」 ←イギリスに検査を依頼しないとわからないの?
2004年06月12日(土) 「だがなあ、アリマ。本当はこの右腕一本だけなんだよ」 (ヘルベルト・フォン・カラヤン) 帝王の孤独。
2003年06月12日(木) 「大量破壊兵器が発見されなかったら、首相は世界に向けて、国民に対して謝りますか?」(菅直人氏) 誠に適切な質問である

2006年06月11日(日) 「私が責任を取る」←「読むクスリ」に載っている恩師の言葉

◆週刊文春に長く連載された「ちょっといい話」

そういえば、いつ、連載が終わったのだろうか?週刊文春に長いこと連載されていた、「読むクスリ」というエッセイ若しくはコラムがあった。

「企業版ちょっといい話」というコピーに在るとおり、企業や組織におけるちょっとした工夫、心がけ、思いつき、などで、会社の業績が急に好転したとか、

ホンのささいなことが、一流営業マンの秘訣だった、という類の話を、作家の上前淳一郎という人が集め続けた。

今も文春文庫として残っている。全部で36巻もある。よく、これだけの逸話を集めたものだと上前氏を尊敬する。


◆第2巻(part2)に登場する、私の中学校の校長先生。

「読むクスリ」の文庫は気の向くままに買っていたが、ある時、第2巻を買って読んでいるウチに、ハッとした。

私が出た東京の某公立中学の校長先生は、非常に気骨のある人で、一目置かれていた。が、本に登場するぐらい有名な逸話を残していたとは知らなかった。

私が出た中学は、特別に優秀でも無かったが、荒れてもいなかった。

ところが、その校長先生は校長に成り立ての頃、昭和40年代に、すごい経験をしていたことを知り、大変驚いた。


◆昭和40年代の初めから、校内暴力(生徒の教師に対する暴力)はあったのだ。

学級崩壊はつい最近のことかと思ったら、生徒が教師に暴力を振るうようなことは、昭和40年代の初めからあったのだそうだ。

先生がひた隠しに隠していたので表面化しなかっただけだ。



その校長先生は桜井先生と仰る。12年間で3つの中学の校長を務めた(私の学校が最後だった)。

昭和42年、初めて校長を務めたのは、世田谷区のある区立中学だった。桜井先生は唖然とした。

体育館の窓ガラスは殆ど割られて、廃屋のようだった。

すぐ隣に女子大があるのだが、体育の時間に校庭へ出てくる女子大生をのぞき見するために、塀に無数の穴が開けてある。

シンナーを吸ってぶっ倒れている生徒がいる。廊下を自転車で走り回っているのがいる。

職員室で先生達に話を聞くと、すでに7,8人の先生が生徒に殴られたという。

「えらいところにきた」、と思ったがひるむ様子は見せなかった。朝礼の時にはっきり宣告した。

「この学校では、生徒が先生を殴る、と聞いた。しかし、私が来たからには暴力は絶対に許さない」

聞いていた先生たちのほうが驚いた。

「あんなことを言ったら挑発するようなものですよ?」

「暴力は許さないと言ったって、向こうが殴ってきたらどうするのですか。こっちが殴り返すのは禁じられているのです」



学校教育法第11条は「体罰を加えること」を固く禁じている。

桜井先生はこの11条が学校をダメにしたと信じていた。先生が殴り返してこないことを知っているから生徒がつけあがる。

何でもない、大したことがないことを「暴力だ」と親が騒ぎ立てる。ますます、学校は無法地帯になってゆく。


◆「殴ってきたら、殴り返せ。私が責任を取る」

と、桜井校長はきっぱりと宣言した。本気だった。

言うだけではなかった。先生から暴力を振るうことは決してないが、率先垂範した。



桜井先生は伊豆の神津島で育った。若い頃は漁船に乗っていたこともある。

50歳を過ぎていたが、素潜りで50メートルを泳ぐことが出来た。中学校のプールでしばしばこれをやってみせた。

プールから上がると悪童たちに、「お前ら、悪いことをすると放り込むぞ。沈めっこなら負けないからな」と冗談めかした示威行動をする。



それだけではない。

この先生は、自ら校庭の草むしりをするのだ。

ゴム長をはき、汚いシャツを着て、頭には手ぬぐいを巻いて、汗だくになって、やる。

校長先生自らが、皆の嫌がる汚れ仕事をしている。これは私も鮮明に記憶している。偉い人だなあ、と思った。



世田谷の暴力中学では、先生は日曜日にこの「草むしり」をした。バイクに乗ったガラの悪い卒業生がやってくる。校庭を走り回ろうというのだ。

桜井先生は言った。

「私がここの校長だ。お前ら、何か用か?」

「ここは学校だ。遊ぶところじゃない。帰れ。」

不良どもは気迫に押されて、帰っていった。



次第に「あの校長、若い頃漁師で腕っ節は強いし、戦争がえりの命知らずらしい」という噂が生徒の間に広まった。

桜井先生の名誉のために書くが、先生は本来静かに本を読んでいる教養人である。

すきで喧嘩が強いフリをしているわけではない。ヤクザっぽいところなど少しもない。

ただ、「気迫」が違うのである。


◆学校は嘘のように平和になった。

これだけで充分だったようだ。実際に先生が生徒を殴り返すような事態に至る以前に、

「あの校長、殴られたら殴れ、と先生達に言っている」話があっという間に生徒の間に広まった。

桜井先生自身の行動力、気力を見ると決してハッタリとは思えなかった。

校内暴力はピタリと止んだ。シンナーを吸う奴も、窓ガラスを割る奴もいなくなった。

草むしりをしていると、女子生徒が「お手伝いさせてください」と言ってきた。

あれほど荒廃していた学校がまるで、別の学校のように穏やかになった。

「私が責任を取る。」


管理者なら当然なのだが、その覚悟が出来ていない人のほうが多いことを社会に出て知った。

だから、今、この話を読み返すと、桜井先生は、本当に立派な先生であり、管理者だったと思う。


◆私自身の思い出

桜井先生は校長だから、直接授業を受けることは無かったが、教員室に入るときは緊張した。

桜井先生を「恐れる」のではない。「畏れ」ていたのである。

特に朝。

少しでも挨拶が遅れると、厳かな声で「JIRO(勿論、本名の苗字ね)君、朝の挨拶は大切だよ」とくる。

まことに尤も。挨拶も出来ない人間は何をやらせてもダメだ。桜井先生の注意を受けないようにしようと決意した。



私は生徒会の役員などやったので、桜井先生は、時折、見ていて下さったのだろう。

修学旅行の列車の中でたまたま、桜井先生と話す機会があった。

先生がぽつりと私に「君は明るくて、節度があって、いいね」と真面目な顔のまま仰った。緊張したが嬉しかった。

なんのことはない。明るいのは、馬鹿だからで、節度があったのは先生の前では緊張せざるを得なかったからだ。

それでも、あのときの先生の一言は私にとって、勲章となった。


2005年06月11日(土) 靖国と教科書問題に関する、 韓中両国による主張の非合理性を指摘する。
2004年06月11日(金) 「三菱自元社長、部下の進言聞かず」 それでも日本の製造業かっ!
2003年06月11日(水) 「金融庁、監査法人の査定に介入か」小泉首相も知らぬフリをしてはいけない。

2006年06月10日(土) 「防衛省」法案を閣議決定 臨時国会で成立目指す←ダメ。

◆記事1:「防衛省」法案を閣議決定 臨時国会で成立目指す

政府は9日午前の閣議で、防衛庁の「省」昇格法案を決定した。同日中に衆院に提出する予定だ。

今国会は会期末が迫っており、政府、与党は継続審議にした上で、今秋に見込まれる臨時国会での成立を目指す。政府による「防衛省」法案の提出は初めて。



額賀福志郎防衛庁長官は閣議後の記者会見で「まさに歴史的な一過程だ」と強調。

同時に「(成立すれば)自らの判断で予算、法案の提案権を持つことになる。責任が重いことも自覚しなければならない」と述べた。

法案は防衛庁の名称を「防衛省」に変更するとともに、現行自衛隊法の「雑則」で規定されている

(1)国際緊急援助活動

(2)国連平和維持活動(PKO)

(3)機雷等の除去

(4)在外邦人等の輸送

(5)周辺事態法に基づく後方地域支援−

など国際平和協力活動を「本来任務」に格上げする内容。

テロ対策特別措置法、イラク復興支援特別措置法に基づく活動も本来任務となる。(共同通信) - 6月9日10時48分更新


◆記事2:海自情報流出/公私のけじめわきまえよ (2006/02/27 神戸新聞社説)

海上自衛隊の暗号や艦艇のコールサインなど、大量の機密情報がインターネット上に流出していることがわかった。

海自佐世保基地に所属する護衛艦の通信員の私物パソコンが、暴露ウイルスに感染し、ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」のネットワークに流出した。

漏れたとされる情報は、暗号の解読に必要な「符号変更装置」の操作手順や極秘の暗号書、乱数表のほか、

自衛艦のコールサインをまとめた表や、隊員約四十人の個人情報などである。



海自の作戦能力を知ることもできる船舶の追跡記録や、船舶電話番号なども含まれており、より重要な情報にアクセスされる恐れもあるという。

一国の防衛に関する情報が、こうもやすやすと外部に漏れるということは、あってはならないことだ。

海自がからんだ情報流出として、三等海佐が在日ロシア大使館の武官に秘密資料を渡していた二〇〇〇年の事件がある。
防衛庁はこれを機に、パソコンの使用やデータの保存・管理など、秘密保全に徹底的に取り組んだ。事件から五年以上が経過し、もう忘れてしまったのだろうか。

(以下、省略。URL:http://www.kobe-np.co.jp/shasetsu/00048791ss200702271000.shtml)


◆記事3:デル、防衛庁からクライアント PC を大量受注

PC メーカー大手の デル は2006年4月13日、防衛庁から5万6,000台以上のクライアント PC 案件を受注した、と発表した。

今回の案件は3月15日に公告され、一般競争入札方式で行われた。今回の受注は Dell 日本法人にとっては最大規模の案件だという。

受注クライアント PC の内訳は、デスクトップ PC「Dell Optiplex」シリーズ(15inch 液晶モニタ付)3万2,000台以上、

ノート PC「Dell Inspiron」シリーズが2万4,000台以上。

あらかじめ防衛庁の仕様に適合するオフィスソフトウェアやウィルス対策ソフトなど、カスタマイズされたイメージを全 PC にプリロードした状態で納入される。

受注製品は9月末までに納入される予定で、納入場所は、陸上/海上/航空自衛隊の関連施設。

業務用電子計算機として利用される。(japan.internet.com) - 4月14日15時13分更新


◆記事4:在日米軍再編に関する最終報告(2006年5月)骨子

1.普天間飛行場を沖縄県名護市のキャンプ・シュワブ沿岸部へ移設。

2.在沖縄海兵隊を司令部を中心に約8000人削減し、大半をグアムへ移転。移転費用102億7千万ドルのうち、60億9千万ドルを日本が負担。

3.沖縄県の牧港補給地区、キャンプ瑞慶覧などを全部または一部返還。嘉手納飛行場の戦闘機訓練を国内六カ所に分散移転。

4.キャンプ座間に米陸軍司令部を移転し、陸自中央即応集団司令部を併置。横田基地(東京都)に空自航空総隊司令部を移転。

5.厚木基地(神奈川県)の空母艦載機を岩国基地(山口県)に移転。


◆コメント:談合は?流出した情報は?米軍再編にかかる費用負担は?

よく、こういうずうずうしいことが言えるものだ。

昨日の日記に書いたとおり、今国会の最大の争点の一つは、防衛施設庁による談合問題だった。

それは今もうやむやにされて、関与した人物の名前を何人か挙げて、トカゲの尻尾切りで終わらせようという魂胆が、見え透いている。



第二に、記事2にあるとおり、海上自衛隊の機密情報が海自佐世保基地に所属する護衛艦の通信員の使用パソコンから大量に流出した。

Winnyを経由しているので一体どこまで情報が洩れたのか分からない。

私は軍事に関しては素人だが、週刊文春5月25日号が、現役の通信を専門とする自衛官に、「洩れた」情報を見せたところ、

一瞬、息を飲み、顔色が変ったという。

要するに自衛隊内部の通信に用いる無線の周波数や、暗号化に用いる乱数表、マニュアル、という「超機密事項」が洩れてしまったのである。

これを中国や北朝鮮が入手しなかったわけがない。これらを全部換える労力と時間は大変なモノだそうだ。



「だそうだ」と書かざるを得ないのは、政府から、「この事件が、国家の安全保障にどれぐらいの危険をもたらしうるか」について、きちんとした説明が無いからである。


◆情報漏れを防ぐために新しくPCを5万6千台買うのは税金を使うのに詫びを入れないのか?

国家の最高機密を扱う自衛官が、Winnyがインストールされたパソコンに、国家の安全保障に関わる情報を保存していて、流出した。

だから、これからは私物のパソコンを用いないように国がまとめて大量にデル・コンピューターからパソコンを購入し、自衛官に支給するという。

平均単価も総費用も発表しない。

仮に(そんなに安い とは思えないが)平均単価が6万円だとしても、5万6,000台注文すれば、33億円もかかる。

いずれにせよ、「本来、不要だった出費」であり、この財源は税金である。国民に余計な負担を強いるのに、防衛庁長官は謝罪しないのか。


◆米軍再編費用日本負担分3兆円

記事4には、在日米軍再編案の骨子を載せた。

ここには明記していないが、日本は沖縄の米軍がグアムに移転する費用などの大半を負担させられ、それは3兆円にもなるという。

そして、在日米軍が再編されると、日本はどこまでアメリカの戦争に巻き込まれるのか。「骨子」ではさっぱり分からない。

このような重大事は、事務方で決定する問題ではない。内閣総理大臣が国民に説明するべきだ。

ところが、小泉首相は全く関与していない、したがって、説明も出来ない。


◆防衛「省」に昇格すると、どうして時限立法が「本来任務」になるのか

国連平和維持活動(PKO)や、周辺事態法に基づく後方地域支援は、いまだに違憲ではないかという主張がある。

イラク復興支援特別措置法について、私は繰り返して述べているが、完全に違憲である。

そもそもこれは時限立法である。

防衛庁が防衛省に「格上げ」されたところで、これらの活動が急に合憲になるという理屈は無い。

行為自体の合憲性が判断されるべきである。


◆防衛施設庁の談合と情報漏洩だけでも本来、額賀防衛庁長官はクビだ。

政界のいい加減なところで、これだけの不祥事が続いたら、民間ならとっくにトップはクビである

ところが、額賀防衛庁長官は辞め無いどころか、状況を国民に説明しない。

それどころか「まさに歴史的な一過程だ」などと言っている。その前に不祥事の責任を取って辞めろ。

そして、今更、言及するのも馬鹿馬鹿しいが、行政府の長である小泉首相は、例によって丸投げである。


◆結論:不祥事の説明も済ませていない役所を格上げする必要は無い。

このように、いい加減な状態の庁を省に格上げする必然性は認められない。

大体、軍人は調子に乗るのだ。

庁から省になったら、絶対に「あれも欲しい、これも欲しい」「これもやりたい、あれもやりたい」

と強力に主張するようになり、憲法の範囲を逸脱する方向に向うことは目に見えている。

今までのとおり内閣府の外局で丁度いいのだ。


2005年06月10日(金) 国語力の低下(続き)
2004年06月10日(木) <小6同級生殺害>救急隊員に「惨事ストレス」 PTSD専門医療機関の必要性
2003年06月10日(火) 「洪庵のたいまつ」

2006年06月09日(金) 「村上ファンドなど追及=野党4党、幹事長会談で確認−終盤国会」←全てうやむやにされた国会。/昨日の記事に追加

◆記事1:「村上ファンドなど追及=野党4党、幹事長会談で確認−終盤国会

民主、共産、社民、国民新の野党4党は8日午前、国会内で幹事長・書記局長会談を開き、18日で会期末を迎える終盤国会の対応を協議した。

その結果、村上ファンドのインサイダー取引事件や社会保険庁の年金不正免除問題などで政府の責任を追及。

米国産牛肉の輸入再開に反対していくことを確認した。(時事通信) - 6月8日13時2分更新


◆記事2:保管中の牛肉も輸入許可へ 米産牛で意見交換会(共同通信) - 6月1日21時45分更新

厚生労働省と農水省は1日、米国産牛肉の輸入再開問題で、消費者らとの意見交換会を仙台市で開催した。

両省は今年1月の輸入停止で日本の港などで保管中の米国産牛肉についても、輸入が再開された後、全箱を検査し問題がなければ日本への輸入を認める方針を示した。

7月にも見込まれる輸入再開の後、最初に店頭に並ぶ米牛肉になる可能性がある。

輸入停止前に処理された牛肉も日本で流通することになり、消費者の間で戸惑いが広がりそうだ。

意見交換会では、保管牛肉に関する政府方針に対して特に質問はなかったが、消費者からは米国の輸入条件順守に対する不安や、輸入再開への慎重論が多く出た。


◆記事3:耐震計算偽造:総研の立件見送り ヒューザー元社長ら起訴

耐震データ偽造事件で、警視庁などの合同捜査本部は、コンサルタント会社

「総合経営研究所(総研)」(東京都千代田区)の内河健社長(72)らについて詐欺容疑などでの立件を見送ることにした。

一方、東京地検は7日、マンション販売会社「ヒューザー」(大田区、破産手続き中)元社長、小嶋進(53)と

木村建設(熊本県八代市、同)元社長、木村盛好(74)の両容疑者を詐欺罪で、元1級建築士、姉歯秀次容疑者(48)を強度不足の構造計算をした建築基準法違反罪で起訴した。

昨年12月の一斉捜索以来の捜査は、姉歯元建築士の国会での偽証など余罪での追起訴を残し、終結に向かう

捜査本部は「サンホテル奈良」(奈良市)を舞台にした建設代金詐欺事件を捜査し、偽装物件と知りながら引き渡した詐欺容疑で木村元社長らを逮捕、起訴した。

総研については幹部が「鉄筋量の切り詰めを指導した」とされたが、内河社長らは強度不足の認識を強く否定。

姉歯元建築士の偽装との因果関係が明確に浮かばなかった。[毎日新聞 2006年6月8日 東京朝刊]


◆コメント:今国会の初めの「4点セット」って覚えていますか?

通常国会の会期は150日と決まっている。今の第164回通常国会は1月20日に召集された。

一時、会期延長すべきではないか、という意見が与党内にもあったが、小泉首相の「会期延長はしない」の鶴の一声で、延長はなくなった。

したがって、今国会は当初の予定通り6月18日で閉幕となる。



今国会が始まったとき、野党が「四点セット」で与党を追及する、と気焔を上げていたけれども、覚えていますか?


◆「ライブドア問題」、「耐震偽装」、「防衛施設庁の談合」、「米国産牛肉輸入再開」です。

国会が始まった当初は、「ライブドア問題」

それから、「耐震強度偽装問題」。姉歯建築士、ヒューザーに始まる、耐震強度偽装問題は、単にこの当事者だけではなく、建設業及び行政の監督責任という大問題に発展すると思われた。

また、「防衛施設庁の談合問題」は、小泉政権が始まる前から行われていた構造的汚職だった。

さらに、昨年11月ブッシュ大統領が来日して小泉首相に圧力をかけた結果、12月には早くも米国産牛肉の輸入が再開された。

輸入再開の条件には、「特定危険部位(脳、脊髄など)の除去」が含まれていた。

にも関わらず、輸入再開後、一ヶ月もたたぬうちに、肉眼ですら脊髄とわかる部位が付いたままの肉が輸入牛肉から発見され、日本は米国産牛肉の輸入を再び禁止した。

その後、輸入再開前に農水省が米国へ行って食肉処理施設を点検することが閣議決定されていたのに、それを実行していないことが発覚した。

小泉政権は極めてヤバい立場に立たされた。これらの問題に関して民主党は徹底的に与党を攻撃するはずだった。


◆堀江問題の本質は闇に消えた。

ところがその審議を本格化しようとした矢先、元ライブドア社長、堀江貴文が証取法違反容疑で逮捕された。

堀江氏本人の容疑は相場操縦、風説の流布に始まり、後に有価証券報告書虚偽表示(粉飾決算)だが、

東京地検の本当の標的は、彼の背後にいる「ブラック社会」にあると言われていた。

いくつあるのか全貌がわからない「ファンド」を通じた経理操作で得た利益が、闇の社会つまり組織暴力団関連に流れているはずで

さらにその先には政界の大物がいるというもっぱらの噂だった。



しかし、事件の最も核心部分を知っていたと思われた、ライブドア関連会社(エイチ・エス証券)の副社長だった野口英昭氏の「自殺」により、真相は分からなくなった。

野口氏の自殺は1月18日だが、自殺だったのかどうか、非常に疑わしい。

ところが、検屍しようにも沖縄県警が野口氏の遺体をさっさと火葬してしまったので、他殺だという証明は永久に出来なくなった。

因みにこの件については、立花隆「メディア ソシオ-ポリティクス 第72回 堀江被告の保釈・幕引きで闇に消えたライブドア事件」 に詳しく書かれている。


◆ホリエモン騒動に加えてメール事件で「耐震偽装、米国産牛肉、防衛施設庁」は消し飛んだ。

とにかく、堀江逮捕の大騒ぎで、耐震偽装問題や、防衛施設庁の問題、米国産牛肉輸入問題はニュースの片隅にも上らなくなった。

このタイミングが実にできすぎていて、単なる偶然とは思えない。

それに加えて、国会を数週間空転させた、民主党永田議員による「偽メール」問題で、スッタモンダの大騒ぎとなった。

今国会の会期当初は、完全に民主党が攻勢、自民党が守勢に回らざるを得ないというのが大方の見方だったが、

これらの「あまりにもタイミングのよい、事件・スキャンダル」で攻守は逆転してしまった。


◆怪我の功名。

しかし、メール問題の結果、民主党代表が百戦錬磨の小沢一郎氏に交代したことが、「怪我の功名」となった。

メール問題の余韻がさめやらぬ4月23日に行われた衆議院千葉補選では、自民党が油断した。

民主党代表に就任したばかりの小沢代表は、「選挙の神様」、田中角栄の弟子である。

地道に工場や労働組合の幹部やら、人口数百人の村にまで足を運んだ。

民主党の太田代表については、自民党が「キャバクラ嬢」経験があるという「スキャンダル」でつぶすつもりだったが、本人があっさり認めた事が好感をもたれた。

自民党の誤算であった。

あれだけ、「メール問題」で日本中から叩かれていた民主党に自民党が負けたのは、有権者の意識が若干変化した、

つまり、「あまりにも自民党に調子に乗らせてしまったかな?」という思いを象徴しているモノかも知れない。

数の論理でいけば強行採決が可能だった「共謀罪」も結局、継続審議(秋の臨時国会で審議する)になったことも、興味深い。

そうは言っても、自民党は衆議院で絶対安定多数議席数を確保している事実に変化は無い。横暴を通そうと思えば何でも出来る。油断は禁物である。


◆記事2を読んで下さい。輸入禁止前に輸入され、保管されてる牛肉を売ろうというのだ。

政府は今月下旬に小泉首相が訪米する際、「手みやげ」として「米国産牛肉輸入再開」を決めるつもりだ。

一体何処が、どう改善されたのか、つまり、「もう、米国産牛肉は安全だ」と判断する根拠が、さっぱり分からない。

それに加えて、今年一月、「特定危険部位発見」前にすでに日本に到着していた牛肉は、今も冷凍保管してあるのだが、

このたび「米国産牛肉輸入再開」が決まったら、まず、それをマーケットに放出しようというのである。

たとえ、それらの肉に特定危険部位が発見されなかったとしても、そういう「ケチの付いた」食品は、廃棄するべきだ。無神経である。


◆「耐震偽装問題」の捜査はもうおわりなのだそうだ。

姉歯建築士、木村建設、ヒューザーは「氷山の一角」である。

要するに問題の本質は建築基準法を改正し、民間検査会社による強度検査で良しとした、国の政策にある

(因みに、建築基準法改正もアメリカの年次要望書に従った決定である。詳しくは「拒否できない日本」を読んで下さい)。

とても、この一連の出来事が全てとは思えない。

「パンドラの箱」を開きかけたところで、無理矢理、力ずくでまた、箱を封印してしまった。

多分、検査をすれば、日本中至る所、耐震偽装された建物が乱立しているのだろう。

それが公になったら、日本政府の責任はただごとでは済まないから、政治的圧力で捜査を打ち切らせたのだろう。


◆国家の目くらましに騙されてはいけません。

このように今国会を振り返ると、どうも、おかしい。余りにも、タイミングが良すぎる。

「耐震偽装」で証人喚問と言っている最中に「ホリエモン逮捕」。

「ホリエモン騒動」は「メール事件」でうやむや。

「村上ファンド」や、「秋田の男児殺害事件」でテレビが騒いでいる間に、日本政府は、勝手にアメリカから牛肉の輸入を再開しようとしている。

耐震偽装は、見て見ぬふり。

防衛施設庁の談合問題など「そんな話もあったね」という程度。



奇妙なのは、全てのテレビ局が「村上ファンド」と「秋田県の殺人」ばかり取り上げることだ。

その間に、あの大事件、耐震偽装に関して、記事3「総研の立件見送り」は影が薄い。

米国産牛肉がどうなっているか、皆わすれているだろう。

どうして、このような重大項目を殆ど報じないのでしょう。全ての局が。偶然でしょうかね?


◆昨日の話ですが:「20歳を過ぎてから九九を覚えて、大学で物理を専攻した話」は読売新聞地方版に載っていました。

昨日、人間の可能性という文章をかきましたが、

今年の3月、読売新聞中部版がこの人物を取り上げていました。ウェブキャッシュ保存サービス「ウェブ魚拓」を使いますので、2回クリックしていただくことになります。

まず、37歳異色の新米教師をクリックして、

そこで現れるリンクを再びクリックしてください。以前、一度説明したし、ご存知の方も多いでしょうが、

ウェブ魚拓はWebページのキャッシュを保存するサービスです。元の記事が削除されてもリンク切れになりません。



それは、さておき、昨日の日記のでお断りしたとおり、

昨日は私の記憶だけを頼りに書いたので、やはり、記憶違いがありました。

まず、この男性がアインシュタインのビデオを見たのは、定時制高校を受験する前でした

アインシュタインのことを知ってから、物理学を演りたい、そのためには、まず高校に入らなければ、と考えたのでした。

また、「名大で4年間、物理学を修めた」という意味のことを書きましたが、実際は大学院まで行って、素粒子論を学んでいます。

いずれにせよ、素晴らしい話なのですが、事実と異なることを書いたので、訂正させていただきます。


2005年06月09日(木) <日本語の語彙力>私大生の19%「中学生並み」←対策を提言しなければ、意味がない。
2004年06月09日(水) <米大統領>ジェンキンスさんは「脱走兵」との認識を強調 大統領。確かあんたは、兵役逃れでしたな?
2003年06月09日(月) 池田小児童殺傷事件から早や2年。
2002年06月09日(日) 向精神薬

2006年06月08日(木) 人間の可能性-20歳で「九九」を覚えていなかったが、名大理学部物理学科合格。今は数学教師になった人物がいる。

◆テレ朝スーパーモーニングですごい人物の実話を伝えていた。

テレビ朝日系列の朝の、情報バラエティー番組、というのだろうか。「スーパーモーニング」という番組がある。

普段、私は出勤後であるから、見られない。

今日はたまたま、ある奇跡のような人物の話を放送していた。家内が驚いて、慌てて途中から録画しておいてくれた。

私はそれを一回見ただけで、記憶を頼りに書いている。

従って、事実の細部に曖昧であったり、間違っていることがあるかも知れないが、大筋はこれから述べるとおりであるのでご了承ねがいたい。


◆小・中学校はオール1だった。技術・家庭と音楽だけ「2」だった。

のちに大学で物理学を学んだその男性は、小学校・中学校の間、技術と音楽を除いてずっと通信簿が「1」だった。

両親は無理に勉強させなかったが、お前は駄目だとも言わなかった。



中学を卒業して高校へ行っても到底勉強について行けないと思い、たった2つの「得意科目」のうちの一つ、「技術」に着目して、職業訓練の専門学校に行った。

大工になろうとしたのだった。学校を出て、小さな工務店に勤めたが、先輩のしごきがあまりに厳しく、ついて行けない。

その間に両親が相次いで病死し、男性は天涯孤独となった。

男性はもう一つの「得意科目」、つまり、音楽ならいけるのではないかと考え、ギターを覚えてストリートミュージシャンの真似事をした。

とても職業に出来るほどの才能はなかった。


◆ある女性と出遭った

男性はやむを得ず、工務店などで下働きをして食った。

あるサークルで一人の女性と出遭った。男性は二十歳を過ぎていた。女性は大学に通っていた。

その女性が何故、その男性と付き合ったかは不明だが、男性はどう見ても「馬鹿」に見えないのでる。

むしろ目に知性を感じさせた。だから、女性は深く男性の過去を詮索しなかった。



女性は地方公務員試験を受けるつもりだった。

ある日のデートで、男性は女性が公務員試験の問題集を開いて喫茶店で待っているところに到着した。女性は一般教養の「数学」の勉強をしていた。分数の足し算だった。

男性は、そんなことは全然分からない。が、面白そうだと思った。女性に馬鹿にされるのを覚悟で、「それ(分数の計算)はどうやるのか?」と尋ねた。

テストしてみたら、男性は二十歳をすぎているのに、「九九」を覚えていなかった。

女性は初めて、男性が小学校程度の学力もないことを知った。一瞬、別れようと思ったが、男性のひたむきさに何かを感じた。

それから、懸命に男性に「算数」を教えた。男性はみるみる学力をつけた。


◆23歳で定時制高校に入学

男性はついに働きながら定時制高校に入学した。23歳だった。優秀な成績で卒業した。

既に働いていたので、生活は出来る。男性はくだんの女性と結婚した。

女性は男性がもっている、ひじょうに旺盛な知的好奇心に気づいた。

ある時、アインシュタインの生涯を描いたビデオを見せた。

そこで述べられている理論的な言葉を男性は一つも理解できなかったが、大いに感動した。



「物理学」という学問を学びたいと思った。調べてみたら、男性の住む辺りでは、名古屋大学理学部というところが最もすぐれた学校であると分かった。

男性は妻に「名古屋大学を受験したい」と言った。女性は、さすがに、それは無理だ。働きながら勉強して合格できるようなレベルの学校ではない、と説得した。

しかし、男性は受験を決意した。

朝早く、また、仕事から帰ってきてから夜遅くまで勉強を続けた。

男性は、なんと、現役で名古屋大学理学部に合格した。

天体物理学を専攻し、無事4年間、学問を修めた。

男性は今、自分の体験を伝えることが出来ればと考え、高校で数学の先生をしている。


◆やれば出来る

月並みな表現だが、これがもっとも適切な言葉だろう。

はっきり言えば、全ての人に可能なこととは考えにくい。

男性は元々極めて優れた知能・知性を有していたのに、それを見いだし、才能を伸ばしてくれる人が子どもの頃、いなかったのだろう。

それでも、20歳を過ぎてから「九九」を覚え、ついには高度な物理学を専攻するに至った人物がいる。

この客観的事実は、人間の可能性の大きさを何よりも雄弁に物語っている。簡単に諦めてはいけないのだ、と。


2005年06月08日(水)  「不登校、高校も調査 4000公立校 引きこもり対策 今夏文科省」←甘い。
2004年06月08日(火) 「人間の存在を少しでも明るく照らし出すことが、芸術家に与えられた使命だと信じています。」(カール・ベーム)
2003年06月08日(日) 「<オウム>元幹部の新実被告が結婚 連絡役の確保狙い?」 まだ、反省していないようだね。
2002年06月08日(土) あの事件から1年

2006年06月07日(水) 【中国】日本の対中円借款凍結解除に「『重視』では不足」←いい加減にしろよ。

◆記事1:【中国】日本の対中円借款凍結解除に「『重視』では不足」

中国外交部の劉建超・報道官は6日の記者会見で、日本政府が凍結していた2005年度分の対中円借款を前年度より14%減額して実施すると決定したことについて、

「日本の一部の人間が非常に敏感な問題にしてしまったのであり、こうした手法は日中の双方にとって不利だ」と述べた。

劉報道官は「日本の対中円借款は本来、日中関係を積極的に推進する要素のひとつだった」と述べた上で、「日本がこれを外交上の駆け引きの道具としている」と批判。

さらに、「我々はこうした状況を望んでいない。日本側が日中関係を重視して凍結解除を決定したと表明していることは好意的に受け入れるが、

我々としては『重視』ではまだ足りないと考えている」と述べ、「日本に対して関係改善と発展のために誠意ある態度を示し、具体的な行動をとる必要がある」として、

小泉純一郎首相などの靖国神社参拝中止を暗に求めた。(サーチナ・中国情報局) - 6月7日12時57分更新


◆記事2:対中円借款の凍結を解除、740億円供与へ・政府 (2006年06月06日 (火) 11:04)

政府は6日朝、首相官邸で安倍晋三官房長官、麻生太郎外相ら関係閣僚による海外経済協力会議を開き、

2005年度分の中国向け円借款の凍結を解除する方針を決めた。前年度比で1割強の減額である740億円程度とする方向で与党と調整し、近く閣議決定する。

日中関係の冷却化を受けて閣議決定を見送ってきたが、5月にカタールで開いた日中外相会談で対話の推進で一致。関係修復の兆しが出てきたため供与に踏み切る。

閣僚会議では08年の北京五輪までに対中円借款の新規供与を終了させる方針を改めて確認。

05年度の供与額は04年度の859億円から1割強の大幅減とした。ピークの2144億円(2000年度)に比べると4割以下の規模になる。

閣僚会議後、安倍長官は小泉純一郎首相に結果を報告。

この後の記者会見では「円借款のみならず、無償資金協力、技術供与、国際機関を使っての支援を総合的に判断していく。

基本的には環境を中心に考えていくべきだ」と語った。

首相は6日昼、首相官邸で記者団に凍結解除の理由について「総合的に判断した。いつも対中関係を重視している」と述べた。


◆コメント:何故、皆、日本政府に怒らないのか?

日本の中国に関する世論は「靖国」の文字が現れたときだけ、極端に盛り上がる。

しかし、円借款凍結解除はひどい。こういう時には、政府に対して猛烈に怒らなければ駄目だ。

昨日は村上ファンド一色だったからな。上手く誤魔化された。



記事1と2は時系列的には逆。つまり、記事2が昨日のニュース。



私は、この記事を読んだときには本当に驚いた。開いた口がふさがらなかった。

小泉首相は「中国との関係が改善しているので、今まで中国にカネを貸してやるのを止めていたが、再開する」といっているのである。

私には、何処が「改善」しているのか、さっぱり分からなかった。今も、分からない。



そうしたら、見よ。記事1を。中国が何と言ったか?
「日中関係重視」では不十分、だそうだ。

それなら、「汚れた日本人のカネ、740億円など要らない」と言ってみろ。



日本は、今までに、中国に対して3兆円ものカネをくれてやったのだ(我々の税金だ)。

中国に電車がとおり、学校、病院、その他インフラが整備されたのは、ひとえに日本の援助によるものだ。

そして、今や中国はロケットを打ち上げ、オリンピックの開催国となった。

ただでさえ、永久に円借款など打ち切っても良いのに、小泉内閣は何を考えているのか。


◆中国を援助するのは北朝鮮を援助するに等しいのだ。

北朝鮮は国力は日本の200分の1ぐらいの国である。本来日本とは勝負にならない。

にも関わらず、あの金正日の態度のデカさは、何だ。

拉致した日本人を帰国させずに小生意気にも、偉そうなことを言うのは何故か?

テポドンがあるから?違う。

中国が北朝鮮を支援しているからだ。中国に対する円借款凍結を解除するということは、間接的に北朝鮮に援助を与えているに等しいのである。

小泉首相は円借款凍結解除を「総合的に判断」したそうだ。これでは全く意図が不明である。

対中関係の何処がどのように改善したのか、小泉純一郎内閣総理大臣の詳しい説明を求めたい。


2005年06月07日(火) 「情報はその国の国力に比例する。従って日本は世界第一級の情報を持っている。」佐藤優元外務省 主任分析官
2004年06月07日(月) 「百年後、関東の夏は九州南部並みに」(気象庁) そんなに甘い問題ではない。/「さっちゃん。ごめんな」憔悴の父親が手記
2003年06月07日(土) ハチャトゥリアン(「剣の舞」の作曲者)生誕100年

2006年06月06日(火) 「<村上ファンド>40万円の政治献金受けた…与謝野担当相」←当然、返すんでしょ?

◆記事1:<村上ファンド>40万円の政治献金受けた…与謝野担当相

与謝野馨金融・経済財政担当相は6日午前の記者会見で、証券取引法違反(インサイダー取引)容疑で逮捕された村上世彰容疑者との関係について

「私の朝食勉強会に何回か参加され、会費を政治献金の形でいただいた」と述べた。小渕内閣の通産相時代から面識があったという。

与謝野担当相は3月13日の参院予算委員会で、民主党の小川敏夫氏の質問に、04年の政治資金収支報告書記載分として、10万円を4回、計40万円の献金を受けたと説明していた。

(毎日新聞) - 6月6日12時57分更新


◆記事2:「村上ファンド、典型的な違反行為」 与謝野金融相 (産経新聞)(06/05 22:06)

与謝野馨金融・経済財政担当相は5日、記者団に対し、村上ファンドによるインサイダー取引事件について「証券取引法上の典型的な違反行為」と明言した。

今回の事件に適用される証券取引法167条については、

「刑罰を適用できる構成要件は明確。事情を知ったということと買い付けを行うということの2つで、どういうルートで知ったとか、

偶然知ったとかいうことは問うていない」と強調した。


◆コメント:ここは、けじめをつけるべきじゃないでしょうか?

記事1を読んだとき、思わず吹き出してしまった。

与謝野現金融相が村上世彰容疑者から政治献金を受け取ったのは、金融相就任前のことだから、監督官庁のトップとしての責任は問えない。

しかも政治資金収支報告書に記載していたのであるから、その一連の出来事は、形式上は何ら「違法」ではない。



しかし、記事2で書かれているように、村上世彰氏は証券取引法上違法とされるインサイダー取引で処罰を受ける可能性が高い。

昨日(6月5日)に行われた記者会見における村上氏の挙止動静を観察すれば分かるが、彼には罪悪感が希薄である。

多分、一般人が駐車違反で「たまたま運悪く」罰金を納めるハメになった、という程度の認識だろう。

以下は、完全に私の推測であり、何ら物的証拠はないけれども、村上ファンドがインサイダー取引で儲けたのは、これが初めてではない可能性が非常に高い。

つまり、04年、与謝野氏が受け取った献金も違法行為によって得た金の一部(それにしても40万とはセコい・・・)である可能性を排除できない。

現在は金融行政を司る役所の長が、就任前とはいえ、その類の金を受け取っていたとしたら、村上ファンドに返すべきである。

40万円は大金ではないかもしれないが、そういう問題ではない。


◆自民党は西武鉄道から少なくとも億円単位の政治献金を受け取っていた。

一昨年から次々に明るみに出ている、大企業の違法な決算の最初の大物(?)は堤義明氏率いる西武鉄道である。

西武鉄道の株式は東京証券取引所の上場基準を満たしていなかった、つまり、「違法な株」だったのに、40年間も東京株式市場で取引(売買)されていた。



そして、自民党はそれが発覚する以前の10年間だけでも、西武から億円単位の政治献金を得ているのである。

次に引用するのは2005年(平成17年)1月28日、衆議院予算委員会における、民主党、岩國哲人議員の小泉純一郎内閣総理大臣に対する質疑応答である。

【引用開始】

○岩國委員 小泉総理にお伺いします。
先ほどの西武鉄道、こういう違反な上場で違反な株式を取引させ、そういう状態で増資を繰り返してきて、そして金を手にした。

その西武鉄道から自民党に毎年幾らお金が入っていますか。この二十年間に、違反状態が発生した違反会社から自民党の国民協会に政治献金が幾らなされているんですか。お答えください。

○小泉内閣総理大臣 今突然伺われても、それはまだ調べておりませんので、いずれ、幾ら献金を受けているか、調べて報告いたします。

○岩國委員 突然の御質問ということですけれども、国会の質問は突然が原則なんです。

そんな、あらかじめ予定して、しかも、そういう問題企業からのお金が入っておったかどうかは気にならないんですか、小泉総理。

私は調べました。昨日、総務省で調べたところでは、一年間に一千万円、少なくとも名前が出ている範囲で。名前の出ていないやり方はわかりません。

一千万円のお金がほとんど毎年のように西武鉄道グループから、三社の名前で国民協会に献金が行われています。

こういう違反状態で大きな信用疑惑を起こしたところから受け取っているということは、私はおかしいと思います。

(発言する者あり)残念ながら、民主党には入っておりません。

そういうことについて、ぜひ自民党総裁として調査報告書を出していただきたいと思います。

【引用終わり】


◆この後、自民党から調査報告書は出ていない。

この質疑応答は、筋が通っている。

国が違法な株が上場されていることをチェックできず、証取法違反を犯している会社から20年間にわたって、少なくとも毎年一千万円の献金を受け取っていた。

これをそのままにして、返さないというのは、違法行為から得た資金であっても、自民党に献金する金なら、構わない、と認めているに等しい。


◆与謝野金融相のケースも全く同じである。

与謝野氏が村上世彰容疑者から受け取った政治献金の額は40万円で、西武から自民党へ流れたカネと比較すれば少ないが、金額の多寡は問題の本質ではない。

政権政党が違法行為から得た可能性が高い資金を、政治献金として受け取って、これを返却しないということは

行政府たる内閣が、「コンプライアンス(法令遵守)を軽視して構わない」、と国民に告げているも同然だ。

さて、与謝野金融相はどうなさるのでしょうか?


2005年06月06日(月) 政治家は「クールビズ=地球温暖化対策」などと言って遊んで、他の問題を誤魔化すな。
2003年06月06日(金) <集団自殺>車の中で男性4人死亡 車内に練炭コンロ 静岡・・・・いい加減にしろよ・・・

2006年06月05日(月) 村上ファンドのことを「時代の寵児」扱いしていませんでしたか?後付けの批判なら誰でも出来る。

◆記事:東京地検 村上世彰代表を逮捕(NHK)

村上ファンドを運営している村上世彰代表が、ニッポン放送株をめぐってインサイダー取引をしていた疑いが強まり、東京地検特捜部は証券取引法違反の容疑で村上代表を逮捕しました。

逮捕されたのは、旧通産省出身で村上ファンド代表の村上世彰容疑者(46)です。

特捜部は午後4時40分すぎから、証券取引等監視委員会と合同で東京・港区の六本木ヒルズにある村上ファンドの国内の拠点となっている会社や村上代表の自宅などを捜索しています。

これまでの調べによりますと、村上代表はおととし11月、ライブドア側からニッポン放送株を大量に買い占める計画を聞いたうえで、

村上ファンドとしても去年1月下旬までにニッポン放送株あわせて193万株を買い進めたとしてインサイダー取引の疑いが持たれています。

村上代表は5日昼前、東京証券取引所で記者会見して『インサイダー取り引きと言われてもしかたがない』と認めました。

特捜部はその後、村上代表の取り調べを始め、夕方、証券取引法違反の容疑で逮捕しました。

村上ファンドは去年1月の時点でニッポン放送株の18.6%を保有する大株主でしたが、ライブドアによる買い占めで株価が高騰したあとにその多くを売却して30億円余りの利益をあげていたということです。

特捜部は、ニッポン放送株を大量に買い占めるというライブドアの動向を知ったうえで、村上代表が値上がりを見込んで不正に株を買い進めたとみており、

村上ファンドが行っていた株取り引きの実態の解明を進めるものとみられます。 6月5日 19時3分


◆コメント:子どもの頃から新聞の株価欄など読まなくて良い。

周知のとおり、村上世彰氏は、台湾の華僑である父親から、100万円を渡されて、

「これを好きなように運用(という難しい言葉を使ったかどうか分からないが)して、儲けろ。今後一切小遣いはやらない」と宣告され、株の「勉強」を始め、サッポロビール株を買ったそうだ。

感心しませんねえ。



想像してご覧なさい。

朝、電車の中で、小学生が日経の株式欄とか企業の決算のページを食い入るように見つめる・・・・不健康だ。

子どもはそんなことは知らなくて良い。

確か今評判になっている、藤原正彦氏の「国家の品格」でも同じ事を書いていたが、別に私は真似ているのではない。この点に関して思想が一致しているだけだ。


◆子どもに「金融教育」をすべきだと日本政府は考えているみたいですよ。

金融庁のサイトの報道発表を見ると、金融経済教育懇談会という諮問機関の存在が分かる。

メンバー表を見たら、生島ヒロシとか、野中ともよとか、何だか危ねえなあ。

ただでさえ、子どもの学力が低下しているときに、余計なことを国家が主導して子どもに教える必要は全く無い。



株など、どうしてもやりたければ、大人になってから自分で覚えればよい。

学校は全ての分野の基礎となる、基本的な学力、単純化して言えば、知識と思考力を養成する場所である。



役所はなにをかんがえているのやら・・・。

子どもの頃から株なんかやっていると、こういうセコい人間になりますよ、という見本(村上世彰)が目の前を歩いているというのに・・・。


◆私は、昨年12月28日に「株式売買への熱狂」に対して、警告を発する文章を書きました。

私は、今はすっかり落ちぶれたホリエモンや村上世彰氏を「時代の寵児」扱いすることは、とんでもない勘違いだ、

という主旨の文章を昨年12月28日に書いた。



「株式」或いは、「株式投資」自体が、「悪」なのではない。

株式に「投資」する人がいなければ会社の資本(商売の元手)が集まらない。資本主義が成り立たない。

「投資」は長期的な資金の運用である。

松下幸之助氏が云っているように「ある企業を応援したい」と思ったら、その会社の株式を買えばよい。

そして、時間をかけて企業の成長を見届ける。こういう人が本来の株主であり、会社の経営に意見を述べても良かろう。


◆村上世彰氏は所詮、「相場屋」なのだ。

これに対して、村上氏は、ある会社の株式を大量に買い付け、その会社の株が上がりさえすればすぐ売ってしまうのである。

これは、「投資」ではなく、「投機」という。誰もが村上ファンドの真の目的が投機であることを知っていた。

にもかかわらず、彼は、あたかも、自分が大株主として、その会社の将来を心配しているのだ、というポーズだけをとり、株主総会であれこれ注文を出す。

彼は会社が心配なのではない。「株価」が心配なだけだ。



村上ファンドは、何の製品も作り出さない。公益に帰するようなサービスも提供しない。自分ではなにもやったことはない。

だから、財・サービスを提供する会社の従業員や経営者の苦労など、知らないし、知りたくもない。それで、文句だけ付ける。

これで、世間の尊敬を得られると思っていたならば、勘違いも甚だしい。


◆今日、村上ファンドを叩きたがっているマスコミだが・・・。

朝日新聞及び関連雑誌の過去の見出しに、次のようなものがある。

●2005年10月14日「週刊朝日」「『村上ファンド』銘柄で儲ける方法 阪神電鉄株の次は? 投資先リストはこれだ」


まるで、「コバンザメ」ですな。さらに遡ると。、
●2005年9月12日「AERA」「村上ファンドが組む大物 次なる標的はTBS」

株式市場でいま最も注目を集める村上世彰氏がTBSに照準を合わせた。ライブドア騒動の余韻も冷めやらぬ中、新たなメディアの攻防が始まった。

「公共的な報道機関の経営者って、いったい誰が選んでるんですか。ナアナアで身内で選んでいるんじゃないですか」炸裂する「村上節」に、詰めかけた報道陣は苦笑せざるを得なかった。


まるで村上氏に迎合している。こういうやり方はけしからんという論評がない。いい加減なものだ。


◆結論:日本人が偉大なのは、良質の製品やサービスを生産するからだ。

もしも、日本人が、全員、株の短期売買で食おうとしたら、どうなるか?

電力会社、ガス会社、NTT,携帯通信各社、水道局、農家、畜産業者、貿易に携わる人々、医師、看護士、流通業、運送業の社員が、

「仕事なんか馬鹿馬鹿しくてやっていられるか」と辞表を提出し、株の売買で暮しを立てようとしたら、これらのサービスは一瞬にして麻痺する。

電気もガスも水も得られない。食い物もスーパーにならばない。郵便や宅配便は永遠に届かない。病人、けが人は放置されて死ぬ人も出るだろう。

実際にモノやサービスを提供するために、毎日朝から晩まで働く人々が日本を支えてきた。

今も支えられている。これからも支えられてゆく。

株の売買は何も支えられない。


2005年06月05日(日) お奨めCD 「ショパン:12の練習曲」(マウリツィオ・ポリーニ)
2004年06月05日(土) 年金掛け金を5.6兆円流用しておいて、年金改革法もへったくれもないだろう
2003年06月05日(木) 「大量破壊兵器に関して、アメリカで政治問題化」 だから、前から言っているだろう。

2006年06月04日(日) 「ジャワ中部地震:あしなが育英会、遺児支援で街頭募金」←これは立派だよ。

◆記事:ジャワ中部地震:あしなが育英会、遺児支援で街頭募金

病気や災害、自殺などで親を亡くした学生を支援する「あしなが育英会」(本部・東京)がジャワ島中部地震の遺児支援を始めた。

3日朝はJR渋谷駅で街頭募金を行い、阪神大震災で両親を失った大学1年、西山雅樹さん(18)が体験を語り、協力を呼びかけた。

集まった募金で、遺児の国際交流会にジャワ島の子どもたちを招く。



西山さんは大震災で神戸市の自宅が倒壊、両親を一度に亡くした。

今春日本社会事業大学に合格し、東京都日野市の同会学生寮から通学、福祉関係の道を目指している。

約20人の学生と街頭に立った西山さんは、現地入りした仲間が送ってきた被災児らの写真を掲げ、

「ずっと親の死を受け入れられなかった。あしながの集いに参加し、同じつらさを経験した仲間と出会い、前向きになれた。

ジャワ島の遺児にも同じ機会を」と訴えた。

戦争や災害などによる各国遺児の交流会は8月に日本で開かれ、ジャワ島からも数人を招くが、集まった募金は神戸と合わせ18万円。

「まだ一人分にも満たない」と、郵便振替でも受け付ける。

口座は「00120・7・355615 あしながジャワ震災遺児募金」。(最終更新時間 6月3日 20時13分)


◆コメント:世の中捨てたものではない。

私は、この日記で4月29日に<あしなが育英会>奨学金希望者が過去最多といいう記事を書いた。

あまりにも、気の毒だと思った。



埼玉県のある家庭では、お母さんが昨年の秋に乳癌の手術を受けた。その上、今年1月父親がくも膜下出血で急死した。

そのままでは当時中学三年のお嬢さんは高校へ進学できないところだった。

幸い、中学の先生が「あしなが奨学金」の存在を教えてくれて、娘さんは県立の進学校へ合格・入学できた(もともと優秀なお嬢さんなのだろう)



母親が工場で時給750円のパートで働いているが、抗ガン剤の副作用の影響もあり、一ヶ月の半分も働けず、

社会保険料を支払うと手取りが月に2万円という時もあるという。

(話が逸れるが、社会保険庁の役人はこんな家庭でも必死になっておさめた社会保険料を流用しているのである。奴らはそういうことを考えたとことがあるのだろうか?やはり許せん。)


◆コメント:自分がもっと助けて欲しいぐらいの若者がジャワ島の為に募金活動をしている



冒頭の記事に登場する西山雅樹さんという若者も立派だと思う。

阪神・淡路大震災で、ある日突然両親を同時に一瞬にして失ったと言うのに、そこから立ち直って、あしなが基金によって大学へ進学した。それだけでも、立派だと思う。

もしも私が同じ年頃に同じ経験をしたら、現実に耐えられず、自殺したのではないかと思うのだ。だから、西山氏は、自分が立ち直っただけでも立派だ、と言うのである。



さらに、感心するのは、奨学金を受けているとはいえ、決して経済的・精神的に「楽な」状態ではないはずの若者達が、

大地震で困っている異国の見知らぬ人々の為に募金活動をしているという姿である。

こういう話、嫌な言葉だが、「美談」を見たり聴いたりすると、難癖を付けたがる輩がいるが、そういうのを「卑しい」行いというのだ。

遺児達の募金活動は、そのまま素直に「立派だ」と評価するべきだ。



Yahoo!ボランティアの「ジャワ島中部地震災害救援金」ここはから出来る。

今回はYahoo!ボランティアで私が見た中では最も寄付が集まっている。2006年06月05日(月)00時28分現在、4,377,100 円だ。

ただ、あしなが育英会への募金はどうも低調だ。490,000 円。

この差は、ジャワ島地震はニュースで大きく取り上げられたが、あしながについて、メディアが協力することが、ほとんど無いからだろう。

あしながへの募金もせめて金額が一桁上がって欲しい。勿論、ボランティアだから、寄付をするのもしないのも、個人の自由である。

良心の問題だ。


2005年06月04日(土) どうして、日本は言われっぱなしになりますかね。
2004年06月04日(金) 凶悪な少年犯罪への対策。「犯人をいくら罵倒しても、それは、結局鬱憤晴らしで、同種犯罪再発の防止に役立たない」
2003年06月04日(水) タクシー運転手さんの脳神経細胞は普通の人よりも発達している。
2002年06月04日(火) サッカーぐらいでガタガタいうな!

2006年06月03日(土) 「自殺 8年連続3万人超 40代以下増加顕著」秋田県が10年連続「自殺率全国一」である原因に関する仮説

◆記事1:自殺 8年連続3万人超 40代以下増加顕著

昨年1年間に日本国内で自殺した人は前年比0・7%増の3万2552人で、8年連続して3万人を超えたことが1日、警察庁のまとめで分かった。

50代以上が半数以上を占めるものの前年より減少。一方で、40代以下が各年代で増加。改善する兆しのない深刻な自殺の実態があらためて浮き彫りになった。

まとめによると、全体のうち男性が2万3540人で7割以上。女性は9012人。

年齢別にみると、60歳以上が最も多く、前年比0・9%減の1万894人。50代が2・4%減の7586人、

40代が2・1%増の5208人で、30代が6・3%増の4606人、20代が5・0%増の3409人と続く。

原因・動機別では「健康問題」が1・5%増の1万5014人で半分近くを占め、次いで「経済・生活問題」が2・4%減の7756人、「家庭問題」が0・9%増の3019人だった。

遺書のあった場合をみると、20代、30代は「健康問題」が、40代、50代は「経済・生活問題」がそれぞれ最も多い。

職業別では無職者が0・3%減の1万5409人で半数近くに上った。被雇用者が5・3%増の8312人で、自営者は4・1%減の3700人。

学生・生徒が9・8%増の861人で、統計を取り始めた昭和53年以降で2番目に多かった。

このうち小学生は7人、中学生は66人で高校生は215人。大学生が半数以上の433人だった。

自殺者数は53年以降、2万人台で推移していたが、平成10年に急増して3万人を超え、高止まりの状態が続いている。

(産経新聞) - 6月2日3時6分更新


◆記事2:秋田県の自殺予防対策 (2006年3月14日(火) 東奥日報)

秋田県は人口10万人当たりの自殺率が10年連続で全国1位。県が2000年度から予算を組み、秋田大や民間団体と協力して自殺予防事業を展開。

01年度からは、県内6町を順次、自殺予防のモデル地区に指定し、うつ病の可能性が高い人には専門家が面接するなどした結果、自殺者数がほぼ半減する効果が出ている。

自殺やうつへの理解を深めようと、シンポジウムの開催やリーフレットの全戸配布をしたほか、自殺予防に取り組む民間団体に助成している。


◆コメント:秋田県の自殺率が高いのは農薬が原因ではないか?というAERAの記事があった。

自殺者数が毎年3万人を超える「先進国」(先進国というと曖昧だから、G10に限っても)は日本だけであるが、

記事2にあるとおり、秋田県の自殺率が10年連続で全国一高いのである。秋田県の自殺率が高いと言うことは漠然と知っていたが、まさか10年連続とは知らなかった。



これを単純に「秋田県人が精神力が弱いのだ」と決めつける奴がいたら余程の馬鹿で、

何らかの環境的要因があるのではないかということは、素人でも思いつく。

「環境」といって、すぐに連想できるのは気候である。冬の日本海側の気候は一般的に太平洋側の人間には想像もつかないほど、陰鬱である。

しかし、秋田県の自殺率の高さは気候が原因でないことは、日本海側の他県の自殺率を見ればほぼ明らかである。

そこまでで、私の思考は先に進まず、特に考えもしなかったのだが、AERA 2月13日号に「10年連続「自殺率日本一」秋田とは何か」という記事が載っていて、意外な話の展開に驚いた(私の仕事は「農薬」に縁が全くないから、そういう発想が無かったのである)。

要約すると、秋田県だけではないが、秋田県でで特に大量に用いられている有機リン農薬が、脳内神経伝達物質のひとつであるセロトニン系に影響し、

セロトニンが減ると抑うつ状態、ひいてはうつ病になり、これが自殺率が高い原因である可能性がある、という「仮説」を紹介したものである。


◆ケープタウン大学教授の論文もある。(仮説だけどね。)

上のアエラの記事はあくまでも、仮説(しかも厳密に科学的な論文ではなく一般人が読む雑誌)であるけれども、

この記事の執筆者(日本人)が、勝手にいっているわけではなく、南アフリカ共和国ケープタウン大学のL.ロンドン教授

(ややこしいから、間違えないでください。「ケープタウン大学」の「ロンドン教授」です。「ロンドン大学の教授」ではありません)が

American Journal of Industrial Medicineの2005年3月17日号で、“Suicide and exposure to organophosphate insecticides”

(自殺と有機リン化合物:原因若しくは影響?)と題する論文を発表しているのだ。但し、これも「仮説」である。要約すると、


  • 疫学研究によれば、農業従事者の自殺による死亡率は通常より高い

  • 動物実験では、有機リン化合物に触れることにより、中枢神経系におけるセロトニン分泌が妨害されることがしられている。

  • 人の研究ではセロトニンが減ると、うつ病になりやすく、うつ病患者の自殺率が高いことも知られている。

  • だから、農業従事者の自殺が多いのは有機リン農薬曝露によって惹起されたセロトニン分泌障害に起因して発症したうつ病が原因である。



という主旨だが、素人が考えても、論理に飛躍があるのがわかる。

有機リン被爆によるセロトニン障害がうつ病を引き起こすのであれば、農業従事者だけではなく、他にも有機リン化合物に接する機会が多い職業はあるわけで、

例えば農薬製造会社の職員にも同様の傾向が認められるはずだが、そのことには言及していないし、有機リンは農薬にだけ使われているわけではない。



それはそうなのだが、ロンドン教授が、「農薬を大量使用する国では、農業従事者の自殺が多い」と主張するのを完全に無視して良いとは思えない。

日本の米に使われている農薬の量はかなりのレベルであるらしいからだ。


◆新聞がこのごろやたら「有機リン」の記事を載せているのですよ。

つい先日も(上のAERAの記事を忘れかけていた頃に)、日経が、次のような記事を載せた。
◆記事:有機リン系農薬、慢性毒性の懸念――専門家ら神経・精神への影響指摘。 (2006/ 05/ 29日本経済新聞 朝刊p.1)

空中散布 自粛要請も

農薬などに使われる有機リン化合物の慢性毒性を懸念する声が出てきている。

人体への悪影響が明確になったわけではないが、散布された農薬を吸い込んで神経や精神に異常をきたしたとする例が報告されている。

日用品のプラスチックの一部にも別種の有機リンが含まれており、影響がある可能性がある。

専門家は規制を強めるよう求めており、農薬空中散布の自粛を求める自治体も現れた。

群馬県では有機リン系農薬の空中散布地域に住む十一歳、十三歳、十八歳の未成年が相次いで不登校、うつ、引きこもりになった。

同時に有機リン慢性中毒に見られる瞳孔機能の異常が見られたため、有機リン中毒の治療を施した結果、うつなどが治ったという。



治療にあたった青山内科小児科医院(前橋市)の青山美子院長は「農業地区と住宅地区が混在する地域で患者が多い」と話す。

神経や精神症状は原因を突き止めるのが難しいため、有機リンの慢性毒性についてはこれまでよくわかっていなかった。

だが近年になって診断技術の向上などにより慢性毒性の可能性が明らかになりつつある。
この分野に詳しい石川哲・北里大学名誉教授は「有機リン化合物が精神を制御する脳内物質を狂わせ、脳機能の一部を変調させる可能性は高い」と指摘する。

石川名誉教授は昨年三月に厚生労働省の研究班で、有機リン化合物が神経や免疫、内分泌に障害をもたらし、

特に小児への影響は未来に重大な問題を引き起こす可能性があると結論付けた報告書をまとめている。



政府も危険性を認めている。

参院予算委員会で今年三月十八日、加藤修一参院議員が有機リン中毒について質問。厚生労働省の中島正治健康局長は

「有機リンは急性中毒のほか情動や精神活動など高度な脳機能に慢性的な障害を引き起こす恐れがある」と答え、慢性中毒の存在を認めた。

同省は二十九日から農薬の新しい規制を導入し、農産物について、これまで残留農薬基準値が設定されていなかった農薬も一律に濃度〇・〇一PPM(PPMは百万分の一)以下とする規制をかける。

これは様々な農薬を対象としたものだが、有機リン系農薬も含まれる。

ただ、人体が環境から化学物質を取り込むのは約八割が肺からで、食物からは一割に満たないといわれる。

食品としての農産物の規制だけでなく「住宅地での散布や室内使用も規制すべきだ」と石川名誉教授は警告する。

群馬県は全国に先駆けてラジコンヘリコプターを使った有機リン系農薬の空中散布の自粛を求めることを決めた。

プラスチックに含まれる有機リン化合物も少しずつ漏れ出すと考えられており、今後対策が求められる可能性もある。



▼有機リン化合物

リンを含む有機物の総称だが、もともと生体内にある安全なものから毒性の強いものまで様々な種類がある。

工業的につくられたもので代表的なのが農薬で、世界中で広く使用されている。

第二次世界大戦のころ、殺虫剤としてドイツで開発された。神経ガスの研究をもとにつくられたといわれ、サリンも有機リン化合物の一種。

プラスチックなどの添加剤として利用されるのは、農薬とは別種の有機リン化合物。


◆偶然は重なるもので・・・。

アエラと日経に載ったからと言って、直ちに有機リン→自殺と結論づけるのは短絡である。

そういうわけではないが、偶然は重なるものだ。



いつも読ませていただいている、ある方のWeb日記で(その方は有機リンうんぬんには全く触れていないのだが)、

最近無農薬食品を食べるようにしているが、数ヶ月たってふと気が付いたのは、それまで、頻繁に抑うつ状態になっていたのだが、

無農薬食品を食べるようになってからは、全然抑うつ状態にならないことだ、と書いておられるのを読んで、私は「あっ」と思った。



無論、これも、この方が日記に書いていないだけで、気分が好転した他の要因があるかも知れず、「農薬と抑うつの因果関係」の証拠たり得ない。

ただ、ちょっと引っかかった(私の意識に、)ということだ。


◆証明はされていないが、知っておいても良いのではないかということです。

分かっているのは、
秋田県の自殺率10年連続で全国一だということ、

そこでは有機リン農薬が使われていること。

「有機リン化合物の曝露が自殺の原因ではないか」という「仮説」をたてている学者が少なくとも一人はいて、権威ある科学雑誌にその論文が掲載された

ということだけだ。



だが、ノーベル賞受賞者の小柴教授が講義で述べられている。

科学ってのは、大体、最初ゼロから全部説明するなんてことは無いわけね?

必ず、こういう「仮定」から出発して「じゃ、こういうことが説明できるか?」という論法になるわけです。

ということなのだそうだ。

仮説に文句を付けるのは簡単だが、じゃあ貴方は他の仮説を立てられるのかと言われたら、科学的思考の訓練を受けていない我々一般大衆には何も出来ない。

「仮説」を「定説」(証明されたこと)と混同してはならないが、

このような「仮説がある」ということは知っておいても良かろう。


◆自殺を精神論だけで片付けるなということだ。

自殺者を悪く言う人は多い。

鳥インフルエンザで浅田農産の会長が自殺したときに、

「いや、責任を感じるなら死んではいけない」などと書いている人がいた。

浅田農産に限らず、「自殺した人間はくず」だ、という異常に感情的な表現を用いる人が多いが、

死んだ人間に「いけない」と言ったって、どうしようもないじゃないか。

相手は反論できないのだから、死者を罵倒するのは、卑怯だ。

そうではなくて、一般論として、「自殺されるとまわりが迷惑だから止めましょう」、と書けばよいのだ。

しかし、「自殺は止めましょう」「自殺は現実逃避で卑怯だ」という主張があることぐらい、馬鹿でも知っている。

それでも年間3万人が自殺しているのが日本だ。「止めましょう」一点張りでは能がなさ過ぎる。

無論、「農薬が自殺者3万の原因だ!」ということはあり得ないが、化学物質その他環境的要因や、

食生活の変化による摂取栄養素の偏りの問題(ビタミンB群、アミノ酸のトリプトファン、チロシン、ミネラルや微量元素、つまりマグネシウム、亜鉛、etc.

などが不足すると、抑うつ的になることが知られている)の可能性を考えることは必要だろう。


2005年06月03日(金) 小泉内閣の郵政民営化プランには、緊急性、必然性が認められない。
2004年06月03日(木) 子供にネットや携帯は不要である。(殺人事件とは別の話)
2003年06月03日(火) 医療観察法案を強行採決 委員会可決、今国会成立へ

2006年06月02日(金) 「何が起きてもおかしくない=サマワ路上爆弾で統幕長」イラクへの自衛隊派遣に賛成した人は知らん顔ですか。

◆記事1:イラク・サマワで陸自の車列狙い、爆弾爆発

【カイロ=柳沢亨之】陸上自衛隊が駐留するイラク南部サマワで31日午前9時45分(日本時間同日午後2時45分)ごろ、

陸自とオーストラリア軍の車両が列をなして走行中、道路わきに仕掛けられた爆弾1発が爆発した。

現地治安筋によると、陸自、豪軍のけが人はいないが、豪軍車両1台が損傷、地元住民1人が負傷した。

陸自と豪軍を狙った武装勢力の爆弾テロとみられる。サマワの陸自が宿営地外で攻撃されるのは異例で、2005年6月以来。

治安筋によると、車列は陸自6台と、陸自の警護を担当する豪軍3台の計9台編成で、爆発は先頭車両が通過した直後に発生。

現場から25メートル離れた小道で有線式の起爆装置が見つかった。(読売新聞) - 6月1日0時28分更新


◆記事2:何が起きてもおかしくない=サドル派警戒、活動地域限定−サマワ路上爆弾で統幕長

防衛庁の先崎一統合幕僚長は1日の記者会見で、イラク南部サマワで陸上自衛隊の車列近くで起きた路上爆弾の爆発について、

「何が起きてもおかしくない状況は続いており、情報収集を綿密に実施するよう派遣部隊の群長に指導している」と述べた。

宿営地外での活動は継続するが、多国籍軍に反発するイスラム教シーア派の反米指導者サドル師派の動向を警戒。

現地の第10次イラク復興支援群長の山中敏弘一等陸佐からは「安全な地域に限定し、活動する」との報告を受けたという。

(時事通信) - 6月1日17時1分更新


◆コメント:イラクに自衛隊を派遣するとき賛成した人、その後サマワの状況を知ろうとしているのだろうか?

自衛隊をイラクへ派遣することを内閣が閣議決定したのが、2003年12月9日である。

最初にイラクへ向ったのは、航空自衛隊の先遣隊(本隊の前に現地の様子を見る為に派遣されるグループ)である。

彼らは閣議決定の17日後、2003年12月26日、クウェートに出発した。

年が明けて、2004年1月19日には、陸上自衛隊先遣隊がサマワに到着した。

1週間後、2004年1月26日、ついに、陸上自衛隊本隊の派遣が閣議決定された。

通常国会は1月20日前後に召集されるから、この件に関して国会では、全然議論されなかった。

日本が自衛隊をイラクへ派遣する意志を世界に発表したときには、イスラム武装勢力らしき者から、脅迫された。

「自衛隊が一歩でもイラク領内に入れば、東京はイスラム武装勢力のテロ攻撃の標的になるだろう」

という趣旨だった。



今まで、テロは起きていないが、それは、結果論である。東京の地下鉄では、今でも毎日、車内放送で「テロ警戒中です」という言葉が入る。



あの時、国民の多くは、イラク戦争の違法性も考えず、同盟国であるアメリカを助けるのは当然だ、とか、

「テロリストに脅かされたからといって、自衛隊の派遣を取りやめたら、世界の笑いものになる」

などと無責任なことを言い、自衛隊派遣に賛成していた。


◆イラクに自衛隊を行かせたのは、詰まるところ有権者なのだから、彼らの安全に関心を持つべきである。

私は殆ど確信するが、当時自衛隊のイラク派遣に賛成した人で、その後、現地の自衛隊が安全か否か、本気で心配し続けている人は皆無に等しいと思われる。

そういうのを、「無責任」というのだ。



誤解の無いように書いておく。過去に何度書いたか分からないが今一度繰り返す。

私自身はイラク戦争を支持することにも、自衛隊をイラクへ派遣することにも反対である。違憲だからである。

しかし、現実にイラクに派遣された自衛官は、命令に従ったまでである

彼らは国政そのもに関して責任は無いし、国政に参加してはいけない。

誰の命令かといえば、文民を代表して自衛隊に対して最高の指揮監督権を有する小泉純一郎内閣総理大臣の命令である。

内閣総理大臣が自衛隊の最高司令官であることは、自衛隊法第7条に明記されている。
第七条  内閣総理大臣は、内閣を代表して自衛隊の最高の指揮監督権を有する。

それが、文民統制(civilian supremacy=シビリアン・スプリーマシィ。文民の優越。これが正しい英語。シビリアン・コントロールは和製英語)の原則だ。

さらに突き詰めて考えると、小泉純一郎氏を選挙を通じて指導者に選んだのは国民(有権者)だから、

今もイラクに自衛隊がいるのは、国民の選択、国民の責任なのだ。

従って、万が一、自衛隊が(何もないことを祈るが)何かの被害を受けたら、

究極的な責任は国民(「自分」ということですよ)に帰することを覚悟しなければいけない。


◆「サマワからこんにちは」を聴いたことありますか?

毎週、サマワから自衛官による近況報告をネットラジオで聴くことができるが、聴いたことありますか?

今は、札幌のローカルFM局、ラジオカロスサッポロが「担当」している。

週一回、サマワに駐屯する陸自の自衛官に電話でインタビューしている番組で、「サマワからこんにちは」という。

上のリンク先にアクセスすればすぐ分かる。

オン・デマンドで聴くこともMP3をダウンロードして聴くことも出来る。

現在、サマワにいるのは第10次復興支援群だ。

丁度、今日(2006年6月2日)が更新日だった。日本時間午後2時頃録音したインタビューを聴くことが出来る。

放送では、当たり障りのないことを言うようになっていて、決して治安が不安だとは言わないが、

インタビュアーが番組の最後で述べているとおり、もう、陸上自衛隊の仕事は、ないのだ。

新しいビルをイラク人が自分で建てたり、事業を興したりしているそうだ。

「もう、出来ることは全てやった」という感覚は第8次派遣隊の頃から明らかだという。


◆よーく冒頭の記事を読んで下さい。「サマワで陸自の車列狙い、爆弾爆発」ですよ。

自衛隊をサマワに送り込んだ、究極の責任者は有権者なのであるから、彼らの安全に配慮するべきだ。

自分たちが送り込んだ、サマワの陸自に対する危険が確実に増しているというのに、世の中は無責任なものだ。

どうして無責任でいられるかと言えば、

自分は、サマワに行くことは絶対にないから、

である。



撤退する場合、サマワの宿営地をそのままにして引き上げるわけにはいかない。
何せ東京ドーム12個分の広さがある。これを片付けるのに三ヶ月を要すると言われる。その間に攻撃があるかも知れない。

その後、陸路クウェートまで、民間業者を使って荷物を運んで、そこから、飛行機で帰国するのだ。

最後の隊が一番危険だ。宿営地を片付けている最中のみならず、陸路、クウェートに向っている最中に攻撃される危険が高い。

何故攻撃するのか?そんなことは、知らない。

現実に、「陸自を標的とした武力攻撃が行われた」のだ。

政治家もまた、実に無責任だとおもいますね。
最初に自衛隊派遣というときはあれだけ騒いでいたくせに、行くことが既成事実化したら、小泉首相は完全に関心を失った。

イラクに軍隊(又は自衛隊)を送った国で、政治の最高責任者が現地に行っていないのは、日本だけです。

ブッシュも、ブレアも、オーストラリアも、オランダも、イタリアも、皆、大統領なり首相なりが現地の兵士を激励している。



「サマワからこんにちは」によると、連日最高気温を更新し、直射日光下の気温は57℃だそうだ。

10センチぐらいの距離から顔にドライヤーの熱風を吹き付けられている感触だという。

小泉首相は自衛隊がイラクにいることを覚えているのだろうか?ご自分はクールビズで涼しくて良いですね。

とにかく、早く撤収させるべきだ。一刻も早く。手ぬるい。


2005年06月02日(木) 世界のお巡りさん コンサート(4月30日〜5月6日)という、イベントがあったのです。やはり芸術は国境を越える。
2004年06月02日(水) 「書き込みでトラブル?補導女児『殺すつもりだった』」  殺すことが悪いと分かっていて、殺したのだから、本人が悪いのですよ。
2003年06月02日(月) 腸閉塞の子供と、消防隊員の死

2006年06月01日(木) <共謀罪>与党が民主修正案に賛成2日にも委員会可決か←「考えなければ楽だ」そういうのを「オストリッチ・コンプレックス」という。

◆記事:与党が修正案丸のみ 共謀罪、一転成立も

「共謀罪」を新設する組織犯罪処罰法などの改正案をめぐり与党は1日午後の衆院法務委員会理事会で、

民主党が提出した共謀罪の適用範囲を限定する修正案を全面的に受け入れる考えを表明、2日午後の委員会採決を提案した。

民主党は採決に先立つ質疑で政府側の見解をただし「納得できる答弁」が得られれば採決に応じる方向。

同改正案は一転、今国会で成立する可能性が出てきた。 

ただ民主党の小沢一郎代表は鳩山由紀夫幹事長に「(修正案を)通しても一文の得にもならない」と慎重に対応するよう指示、

最終決着には流動的な要素が残されている。(共同通信) - 6月1日23時51分更新


◆コメント:無思考という現実逃避。オストリッチ・コンプレックス

ダチョウ(ostrich)は危険が迫ると頭だけを隠す。

もう危険から逃れられないというときに、頭だけを茂みに突っ込んで、何も視界に入らないようにする。

それによって「束の間」だけ、危険が存在しないと考えようとする。現実逃避である。



人間にも似た習性がある。ダチョウのように、頭を茂みに突っ込むわけでもないし、避ける対象は狭義の「危険」よりもずっと広い。。心理的な習性だ。

つまり、「考えたくない面倒なこと」、「よく調べると知りたくないことを知ってしまいそうな状況」を目の前にしたときに、

それらをわざと避けて、目の前の享楽に没頭し、或いは、何も考えないことにより、都合の悪い現実を忘れようとするのである。

それが、「オストリッチ・コンプレックス」である。


◆コメント:誰にでも現実逃避したいときがあるが、いつも逃避するのはどんなものか。

私も、逃避することがある。

時事問題について毎日書いているが、楽しい訳ではない。嫌なことをじっと観察しなければならないからである。

今日など、思い切り不愉快だ。共謀罪が可決するような国ならば、ブログなどもうやめようかとさえ思う。



若い頃にインターネットやブログがあったら、もっと元気だったから、嫌だとは思わず、闘志満々で、一層、過激かつ「独断的」な文章を書いていただろう

年を取って(と言っても私などよりも目上の方で元気な方も大勢おられるが)、ちょっと気力がもたなくなる。

音楽の話を書くときは私が現実逃避をしているわけである。誰にでもそれは必要なのだ。



ところが、巷に溢れるブログを拝読すると私より遙かに若くて、私よりも遙かに優れた知能を持ちながら、

どういうわけか、アクセス数を増やす事がブログの目的になっていて、そのため、失礼ながら、どうでも良い(難しくない、ウケる)ことばかり書いている人を見かける。

そんなときに、私は「これでは、万年オストリッチ・コンプレックス」ではないか、と思う。



非難するというわけではない。何を書くのも自由だ(とは言っても正直に書くと多少は非難している)。

しかし、折角それほど秀でた頭脳をもっているならば、少しは天下国家を論じてくれよと御願いしたい。

共謀罪のような悪法が可決されるかも知れないのに、無関心なのは、典型的な「オストリッチ・コンプレックス」だと思う。


◆コメント:共謀罪与党案の問題点

共謀罪の概要と問題点に関しては、先日書いたばかりなので、お読み頂きたい。

民主党の修正案も感心しない。

小沢代表はこの法案にあまり賛成でない様子だが、それなら、はっきり「修正案」など出すな、と云って欲しい。



それはさておき、絶対与党案で認められないのは、次の各点(これで全部ではない)である。

◆【合意】

「犯罪計画の合意」が「犯罪」になるという点。何をもって「合意」と解釈するのか。刑法の大原則に「罪刑法定主義」がある。

「どういう行為が犯罪なのか」が予めはっきりと定められなければならないのだ。「罪刑法定主義」の一要素として、「拡大解釈の禁止」があるが、

与党案だと、「合意」の定義がないから、いくらでも拡大解釈が可能となる。

犯罪行為の相談をしているところにたまたま居合わせて、その犯罪をとめなかったら、または、警察に密航しなかったら、貴方も捕まるのだ。

一番説得力があるのは、東京新聞に載ったある刑事の言葉。

ある刑事は、捜査現場での共謀という概念の“使い勝手の良さ”を、こう語る。「あなたが『新型テレビが欲しいな』と言ったら、聞いていた仲間たちが、どっかから盗んできてしまった。『盗んでくれよ』『盗もうか』、そんなやりとりがなくたって、実行犯だけでなく、あなたも共謀共同正犯で捜査対象にできますよ」


だから、民主党案はこの点については、「合意」ではなく「予備」(犯罪の準備)を構成要件としている。

◆【人をおとしめる手段として利用できてしまう。】

「自首減免規定」である。

計画に加わっていても、密告すると罪を減免されるということ。



これを「悪用」すれば、自分から計画を持ち込み、相手が合意した後に、自分が自首すれば罪を免れ、相手がつかまる。

陰湿な人間なら本当にやりそうで、恐ろしい。

◆【適用範囲】「国際的・組織的犯罪防止条約」が原案なのに、統治強化の手段にすり替えようとしている。

「国際的・組織的犯罪防止条約」が元なのに、どうして、
■下水道法(昭和33法79)公共下水道等の施設の損壊等による下水の排除の妨害

■競馬法 日本中央競馬会等の以外の者による競馬等 調教師等の加重収賄、

■公職選挙法(昭25法100)公職の候補者等による多数人買収及び多数人利害誘導罪
が処罰対象になるのか?最後の公職選挙法など、これを厳密に適用したらかなりの立候補者が共謀罪になる。

議員達は理解しているのだろうか?


◆参考:東京新聞が一番熱心に報じていた。

済みません。疲れて文章が書けなくなってきました。東京新聞を参考にしてください。

共謀罪、私はこう考える

共謀罪 刑事が反対する理由 などです。


2005年06月01日(水) ジャンボ機主脚部品破断 日航、全日空全機点検←なんか、危ないなあ。
2004年06月01日(火) 「「10キロやせました」=番匠指揮官、石破長官に帰国報告。石破長官『やせたね』」 気楽でいいな、石破さん、小泉さん。
2003年06月01日(日) 「和平以外に選択なし」=中東問題で米大統領  で、イラクの大量破壊兵器は見つかったの?

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