外国為替証拠金取引
JIROの独断的日記
DiaryINDEXpastwill


2005年06月11日(土) 靖国と教科書問題に関する、 韓中両国による主張の非合理性を指摘する。

◆記事:衆議院会議録 6月2日予算委員会、岩國哲人議員の質問と小泉首相の答弁

 岩國議員:私は、四年前、客員教授を引き受けております天津の南開大学というところで、教科書のことが問題になりました。靖国のことが問題になりました。私も、行きたくないなという気持ちも心の中にはなかったわけではありません。しかし、行きました。案の定、私の講義が終わってから中国の大学生から質問が出ました、教科書の問題について。私は答えました。日本は常に少数意見というものを尊重する。

あの教科書は自由選択に任されて、結果的には〇・〇一%。九九・九九%の人はそうでない歴史教科書を選んだということ。

常に少数意見を認め、そして尊重するという国の方が、本当はしなやかで強い国ではないかと私は思う、決して中国のことを申し上げているわけではありませんと。

多くの学生の半分だけは、私の話を聞いて頭を縦に動かしてくれました。残り半分は頭がとまっていました。

しかし、私は、正直に自分の思うままに説明してよかったと思います。



 私は、総理も中国の地を踏んで、一日も早く、二十一世紀を支える、そして次の世代を支える日本の若い人のためにも、中国の若い人たちに総理の考えを、なぜ靖国に参ることは正しいと、そして他国からあれこれ言われるべきことではないということを、総理の信念を、場合によっては東京都知事さんと御一緒にでも結構です、中国の若い学生に向かって、私のようにクラスの中で、授業の中でお話しになったらどうですか。

 総理、そういう機会があれば、中国の大学の中へも入って学生と一緒に議論していただけますか。大学の私の学生たちと一緒に。大勢とでは問題ならば、たとえ一人とでも結構です。そういうお気持ちはありますか。お答えいただけませんか。



○小泉内閣総理大臣 私の考え方というのは、たび重なる中国首脳との会談でも申し上げております。

学生との対話をするかどうかでありますが、それは政治家の判断です。いつすべきか、すべきでないか。人に言われてするべきものではないし、時期を見なきゃいけないと思っております。私は、いつ対話をした方がいいか、しない方がいいか、それは自分で判断したいと思っております。


◆コメント:岩國議員の質問は非常に適切だと思います。

 

 この日の予算委員会では、岩國議員の前に民主党の岡田代表が靖国問題で質問しているけれどもこれは、余り感心しない。

 なぜかというと、岡田代表は、サンフランシスコ講和条約を持ち出してきました。 この条約は、1951年9月に締結されたものです。

 内容は、第2次大戦における戦勝国(正式には「連合国」といいます。具体的には、オーストラリア、カナダ、セイロン、フランス、インドネシア、オランダ、ニュー・ジーランド、パキスタン、フィリピン、グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国及びアメリカ合衆国です)と日本が、これを以て戦争のことは最早終わりにしましょう、という条約です。

 最初にこう書いてある。

第一条(a) 日本国と各連合国との間戦争状態は、第二十三条の定めるところによりこの条約が日本国と当該連合国との間に効力を生ずる日に終了する。
(b) 連合国は、日本国及びその領水に対する日本国民の完全な主権を承認する。

 もう、戦争状態は完全に終わりだ。と明記してあります。

 但し、それには、条件があって、そのひとつに極東国際軍事裁判(東京裁判)の判決を日本が受け入れること、というのが盛り込まれているのです。

 
第十一条 日本国は、極東国際軍事裁判所並びに日本国内及び国外の他の連合国戦争犯罪法廷の裁判を受諾し、且つ、日本国で拘禁されている日本国民にこれらの法廷が課した刑を執行するものとする。これらの拘禁されている者を赦免し、減刑し、及び仮出獄させる権限は、各事件について刑を課した一又は二以上の政府の決定及び日本国の勧告に基くの外、行使することができない。極東国際軍事裁判所が刑を宣告した者については、この権限は、裁判所に代表者を出した政府の過半数の決定及び日本国の勧告に基く場合の外、行使することができない。


 要するに東京裁判の判決の通りにしなさいよ。と言っているわけですね。

 民主党の岡田代表は、日本はこのサンフランシスコ講和条約で極東国際軍事裁判の判決を受け入れることを受諾したのだから、A級戦犯という概念も認めたことになる。そのA級戦犯が合祀されている靖国神社に総理大臣が行くのは間違っている、と主張しています。

 私は、それはおかしいと思います。

 日本は確かにサンフランシスコ講和条約を承認、批准しました。

 しかし、この条約には、A級戦犯という概念は出てこないし、ましてや、戦犯の墓をどこにするか、とか戦犯が合祀されている神社に内閣総理大臣が行ってはいけないという記述は無いのです。

 確かに、6月4日に書きましたが、東京裁判で有罪になった25人を「A級戦犯」と呼ぶことは、国内では慣習的に定着しています。
 いずれにせよ、「A級戦犯」は、東京裁判とサンフランシスコ講和条約を前提とした概念だということになりましょう。

 ところで、中国は連合国では、無いのです。

 中国やアジア諸国もA級戦犯が合祀されている靖国神社に日本の内閣総理大臣が参拝することはいけないというけど、そもそも、何ら法的根拠がない。感情論です。

 中国は、上に列記した連合国のメンバーに入っていません。 サンフランシスコ講和条約とは無関係なのです。

 野党は、与党を常に監視して、批判するのが商売ですが、こういう中国や韓国などの不合理な反日感情を理由するのは、良くないと思います。


◆中国は日本の「軍国主義化」というけれど、核保有国である中国にそんなことを言う権利は無い。

 

 中国をはじめとする、今の国連安全保障理事会常任理事国は全て核保有国です。

 中国は隣の日本が原爆が2発も投下されて、どれほどの地獄と化したか、百も承知なわけです。

 それなのに、その後に核兵器を作っている。これこそ軍国主義です。

 最近では、より小型の戦術核兵器の開発にも余念がないといいます。中国の方がよほど軍国主義かつ、非民主的です。

 中華思想という言葉があります。

 中国人にとっては、中国が宇宙の中心です。

 私はイギリスに駐在しているとき、ヨーロッパのどんな田舎に行っても中華料理屋があるので、大変驚きました。

 話してみると分かるのですが、彼らにとって、地球上の何処であろうが、自分がいるところは中国なんです。

 いくらでも、領土を広げたいのです。中国人の方がよほど危ない。


◆岩國さんが言うように、様々な歴史の記述がある世の中の方が健全だ。

 

 岩國議員は中国の大学に講義に行って、「常に少数意見を認め、そして尊重するという国の方が、本当はしなやかで強い国ではないかと私は思う」と述べた、とのことです。

 その考え方自体、正しいし、それを中国人に取り囲まれている場所で発言したのは、大変立派だと思う。

 なかなかおっかなくて言えないですよ。

 で、岩國さんの質問で気持ちが良いのは、罠にかけるとか、権謀術数を用いるのではなくて、「首相も、信念があって靖国神社に参拝することをつづけているのであれば、『何故、自分はそうするのか』を私が講師をしている大学に行って、率直に話していただけませんか」というところです。

 そうですよね。信念があるのならば、行って説得してこい、といいたいけれど、小泉首相は論理性が皆無だから、説得は難しいでしょうね。


◆「日本政府や歴史を歪曲している教科書を認めている」と騒ぐ中国人、韓国人の99.・・・・%は実際にその教科書を読んだことがない。

 

 私は靖国神社より、教科書問題に他国が注文をつけることこそ、内政干渉だとおもいます。

 ある歴史的事実が、かなり客観的な資料で記録されていたとしても、それを、仮に100人の人間が文章にしたら、100とおり、全部異なる表現になると思います。

 日本人が戦争で中国人を殺したのは確かだとしても、単に「殺害した」と書くか、「惨殺した」と書くか、「虐殺した」と書くかは、書き手の裁量に委ねられるべきです。

 何故なら、我が国では、

 

「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」(日本国憲法第21条第1項)

 からです。

 中国や韓国の言い分は、日本の全ての歴史教科書は、「戦時中、日本は、中国人、韓国人を弾圧、虐待、暴行、惨殺し、ことに南京大虐殺では30万人もの中国人を殺した」と「書かなければいけない」ということですよね?

 そんなことを、日本政府が教科書の出版社に命令することは出来ません。

 それは、民主主義の崩壊です。言論、表現の自由という基本的人権を剥奪することになるからです。

 ところが、その無茶なことを「やれ」と、中国、韓国は公然と要求するわけです。

 中国人も、韓国人も、日本の歴史教科書が「歪んで」いると主張する前にちゃんと調べるべきです。

 私の倅は中学生ですが、中学の歴史の教科書(日本書籍)は、別に歪んでないですよ。一部引用します。

 
1937年7月7日、北京郊外の盧溝橋で日本軍と中国軍との衝突が起こり、宣戦布告もないまま、日本軍は中国との全面戦争を始めた(日中戦争)。

 年末には、日本軍は首都南京を占領したが、その際、20万人ともいわれる捕虜や民間人を殺害し、暴行や略奪もあとをたたなかったため、厳しい国際的非難を浴びた(南京事件)。

 これを書いていない教科書が一つだけあったからといって、日本が軍国主義というのは、やはり、客観的に見て、おかしい。


 ◆教科書、実際に読んだことないでしょ?

 

 高校生のお子さんがいる方、または、数年前まで高校生だった若い方を除くと、日本人も高校の歴史教科書を読むことなど、普通できません。

 しかし、各県に必ず一つは教科書を配布する書店として、文部省から指定されている店があります。

 教科書特約供給所の一覧表があるので、参考にして下さい。

 東京なら、大久保(総武線の東中野と新宿の間。山手線の新大久保じゃないですから、ご注意。)にある第一教科書に行けば、全ての出版社のあらゆる科目の教科書が揃っています。個人にも普通に売ってくれます。教科書だから、安いですよ。


◆韓国がしつこく日本の謝罪を要求するのは、条約違反だ。

 

 韓国と日本は1965年に日韓基本条約と、同時に、日韓基本条約の関係諸協定,日韓請求権並びに経済協力協定(財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定)を締結しています。

この中で、

 

第2条第1項

 両締約国は,両締約国及びその国民(法人を含む。)の財産,権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題が,千九百五十一年九月八日にサン・フランシスコ市で署名された日本国との平和条約第四条(a)に規定されたものを含めて,完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する。

 と、明記されているのです。

 言うまでもなく、このとき、既に戦後20年も経っていて、日本が無理矢理韓国にこの協定を調印させたわけではない。

 韓国の自由意思に基づき、同意したのです。

 ここで、「韓国の請求権は完全に解決された」のですから、この後、いつまでもぐずぐず言うのは条約違反です。

 何のために条約を締結したのか分からない。


◆何時の時代も大衆は不勉強で感情的ですが、

 

 今の時代はこのようにして、法令とか条約を簡単にインターネットで調べることが出来るわけです。

 中国は検閲が厳しいからダメでしょうが、少なくとも韓国人はこの条文を読むことができます。韓国語の正文もあるのですから。

 調べられることを調べないのは、怠慢です。

 そして、根拠を確認もしないで、感情だけを生にぶつけるのは、教養の無い人がやることだと思います。


2004年06月11日(金) 「三菱自元社長、部下の進言聞かず」 それでも日本の製造業かっ!
2003年06月11日(水) 「金融庁、監査法人の査定に介入か」小泉首相も知らぬフリをしてはいけない。

JIRO |HomePage

My追加