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JIROの独断的日記
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2004年06月16日(水) 「内閣不信任案否決」 ところで総理。イラクの大量破壊兵器はどこにあったのですか?

◆記事:内閣不信任案を否決 与野党が参院選に突入へ

民主、共産、社民の野党3党は15日午後、小泉内閣不信任決議案を衆院に共同提出した。同日夕の衆院本会議で直ちに採決、与党の反対多数で否決された。第159通常国会は、残る法案処理を経て16日、150日間の会期を終え閉幕する。与野党は7月11日投票予定の参院選に突入。年金制度改革、イラクの多国籍軍への自衛隊派遣問題などを大きな争点に、論戦を繰り広げ有権者の審判を受ける。

 衆院本会議では、民主党の岡田克也代表が野党3党を代表して提案理由を説明し「小泉首相は実行力がなく、国民に対し説明責任を果たさず、首相としての資質が決定的に欠如している」と厳しく批判。

 その上で、具体的政策について(1)大義なきイラク戦争を支持し、なし崩し的に自衛隊を多国籍軍に参加させようとしている(2)道路公団改革、国・地方財政の三位一体改革など諸改革の決定的遅れ(3)「お粗末」な年金制度改革関連法を成立させ、抜本改革を先送りした−−などの理由を挙げ「不信任することが最善の手段」と訴えた。(共同通信)[6月15日20時15分更新]


◆記事2:多国籍軍参加、検討わずか1カ月前

政府が自衛隊の多国籍軍参加の検討を始めたのは、イラク暫定政府と地位協定を結ぶ交渉が不調に終わった今年5月になってからだったことが15日、明らかになった。

 自衛隊は現在、連合国暫定当局(CPA)と地位協定を結んでいる。外務省は当初、これを暫定政権との協定に衣替えするだけで、多国籍軍に参加しなくてもイラクでの自衛隊の法的地位を確保できるとみていた。

ところが占領統治を主導する米英とこれに抵抗する欧州各国との交渉が長引き、多国籍軍の権限や形態も揺れ動いた。このためCPAは、暫定政権が他国の軍隊と比べて制約の多い自衛隊と個別協定を結ぶのは不可能だとの見通しを伝達。これに驚いた日本政府が5月の大型連休明けに急きょ、多国籍軍参加への法的整備に着手したという。

国内の論争を呼んだ多国籍軍参加も、安保理内の駆け引きに翻弄された、付け焼き刃の措置の色彩が濃い。 (07:02)


◆コメント:昨日の内閣不信任案提出が無意味だとは思わない。

 

昨日、野党が内閣不信任案を提出したことに対して、否決されていることは目に見えているのに、あえてこれを行ったのは、国会閉会前のパフォーマンスで、意味が無い、ということを云う人がいるけれども、果たしてそうだろうか。

連立与党は昨年11月の衆議院選挙で絶対安定多数を確保した。上の論理を適用すると、どうせ、本会議でも全ての委員会でも与党の数がまさるのだから、審議しても与党案に決められてしまう。だから、野党は存在する意味が無いということになる。果たしてそうだろうか?それでは、民主主義というよりも、自由民主党ひいては小泉首相の独裁政権が日本を運営していることになる。数の上では足りなくても、時の政権の施策に対して、野党が常に監視の目を光らせてこそ、民主的な政治というものである。

今国会において、野党にも問題は、勿論あった。特に野党第一党である民主党の、年金未納問題からの躓き方、内輪もめの有様には、心底、失望した。

年金問題もさることながら、自衛隊のイラク派遣が決まって、既成事実化してからは、航空自衛隊がクウェートから米英の武器を携行した兵士を運んでいる、つまり、後方支援を行い、憲法で禁止している集団的自衛権の行使をしていることがほぼ明らかだというのに、これに対して、厳しい追及をしなかった怠慢は大きい。

しかし、「野党第一党がだらしない」ことと、「小泉政権の政策が正しいか否か」は全く別問題である。

昨日、民主党の岡田代表が指摘したことは、正しい。特に、「(1)大義なきイラク戦争を支持し、なし崩し的に自衛隊を多国籍軍に参加させようとしている」ことは、全く小泉首相の暴挙であり、わが国を破滅に導きかねない、危険な行為であるのに、多くの国民がぼんやり見ているだけなのは、情けない。

この日記で何十回も書いたが、人の記憶は不確かだから、また書く。

昨年3月20日にアメリカがイラク戦争を始めた。その理由は「イラクは大量破壊兵器を保有していて、明日にでもそれらがテロリストの手に渡り、アメリカが攻撃されるかもしれない」ということだった。

小泉首相は、アメリカがイラク戦争を始めたその日に、これを支持すると公式に発言した。下はそのときの記事です。デイリー自民という、自民党党内紙。勿論ネットで見ることが出来る。



■ 小泉総理、米国などの武力行使の支持を表明

小泉純一郎総理は20日、米国・英国などのイラクに対する武力行使が開始されたことを受けて総理官邸内で会見し、「武力行使開始を理解し、支持する」と表明した。小泉総理は「イラクは一連の国連決議を軽視し、愚弄してきた」と、平和的解決がならなかった原因はイラクの対応にあったことを強調し、「生物化学兵器などの危険な兵器が危険な独裁者に渡したら我々は大きな危険に直面する」として、大量破壊兵器の廃棄のために武力行使に至った米国の立場を支持した。



いいですね?小泉首相は、「大量破壊兵器の廃棄のために武力行使に至った米国の立場を支持した」のです。ところが、大量破壊兵器は今日まで見つかっていない、CIAの調査団長は今年の一月、「昨年3月20日、アメリカがイラクに対して武力攻撃を開始した時点で、大量破壊兵器が存在するという証拠はなかった」と断言して辞職している。アメリカは嘘をついていた。大量破壊兵器はないのです。したがって、日本がアメリカを支持する理由もなくなったのです。同盟国であることは関係がない。アメリカは同盟国である日本にまで、大量破壊兵器がある、と嘘をついたのである。

そして、これも何度も書いたけれども、国連憲章の規定によれば、たとえ、大量破壊兵器をイラクが保有していたとしても、国連安全保障理事会の決議がなく、また、イラクの側からアメリカを攻撃してきていないかぎり、アメリカは武力行使をすることは出来なかったのである。

はじめからイラク戦争に「大義」など存在しない。現代国際社会において原則的に、戦争は違法行為であり、制裁の対象である。違法行為を支持してはいけない。

大量破壊兵器が見つからないことを野党に追求されたときに、小泉首相は「私はあると思う」という全く意味の無い答弁をした。私はこの発言だけでも小泉純一郎衆議院議員は、内閣総理大臣として不適格である、と考えている。

この人は詭弁の天才であり、論理性、合理性という、普遍的に人を納得させる思考、ないしは言語表現の出来ない人である。論理的思考の出来ない人物が宰相になるべきではない。

一度、読者の方(女性)から頂戴したメールには、「そんなに小泉首相が嫌いですか」と書かれていた。失礼ながら如何にも女性的反応である。天下国家を論じる際には、個人的な好悪(こうお)というような、情緒的な要素を入れるべきではない。私は個人的には、多分小泉さんと話したら、面白いだろうと思う。彼も私もロンドンにいたし、音楽も好きだしね。

しかし、それとこれとは別だ。彼をこの国の指導者にしておくのは危険だ。



2003年06月16日(月) 「オーケストラがやってきた」 山本直純氏の功績

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