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JIROの独断的日記
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2004年06月26日(土) イラク復興支援と言っているのは、小泉君だけだよ。

◆イラク人は、自衛隊がきたことを喜んでいない、それどころか、日本に憎悪を抱きつつある。

 いろいろ、イラク関係の資料を当たってみて、改めていろいろなことが分かった。以下に記すのは、ほんの一部である。


  • イラクの人々は、元々親日的だった。
  • 今回、日本はアメリカの要求に屈して、自衛隊を送り込んできたことなど先刻承知であること。
  • しかし、彼らは軍隊など欲していない。本当に欲しいのは雇用機会であり、給水なんていうのは、自分でできているのだ、ということ(軍隊よりも企業にきて欲しいのだ)。
  • 軍隊の格好をした自衛隊がこのままイラクにイラクに居座れば、米国の味方、すなわちイラク人の敵と見なされて、殺されるだろうと忠告していること。


◆コメント:小泉君はイラクを敵に回しつつあり、それは、国益を脅かす重大な誤りなのだ。

日本は、石油資源の8割を中東に依存している。だから、日本がアラブ諸国から嫌われてはいけない。これは日本の常識である。

アラブ諸国は、アメリカこそテロリストだと見なしている。アルジャジーラのみならず、中東のマスコミは日本人が想像する以上に、日本の事情が分かっている。

つまり、日本は憲法によって武力の行使を堅く禁じられているのに、アメリカの「ブーツ・オン・ザ・グラウンド」(地上軍を派遣しろ)という命令に隷従して、戦後初めて、外国に軍隊を送るのだ、ということははじめから分かっているのである。

不勉強な小泉首相は、もしかすると本気で、「人道復興支援」がイラク人に受け入れられて喜ばれていると考えているのかもしれないが、実際は、冷めた目で見られている。冷めた目のうちはまだよかったが、おそろしいのは、次第に、「日本人の野郎、悪魔のアメリカ人の味方をしやがって」という憎悪に変化しつつある、という事実である。

人道支援活動にしても、何もしていない。

たとえば、人道支援活動の一つに、「給水事業」があげられていた。川の水を浄化して飲料水として、住民に供給するという計画だった。しかし、実際には自衛隊が作り出す水は、「自衛隊自身が宿営地で使い切ってしまうぐらいの量しかできない」のだという。

実は、サマワには大規模な浄水場があって、1日、2千4百万リットル(自衛隊の300倍)の浄水能力がある。全然困っていない。自衛隊は情けないことに、この浄水場にタンクローリーを乗り付けて、浄水場の水をもらって、町中に運んでいるだけだという。下手をすると、イラク人の仕事を奪ってしまっているのである。

小泉首相が大得意で口にする「イラク人のための人道支援活動」の実態はこの程度のことである。こんなことをするために、国民の血税を377億円も使って、サマワに宿営地を造営したのである。

イラク人からすれば「何、やってんの?水なんか運んでくれなくていい。我々の欲しいのは仕事なんだよ」というわけである。

情けないのは、実態をきちんと報道しない日本のマスコミである。サマワには確か、現在日本人ジャーナリストは2人しかいない。ほかは、バグダッドにいるのだ。これでは、第2次大戦中に大本営発表をそのまま伝えて、戦意高揚に協力した、愚かな新聞と変わらないではないか。

日本に帰ってきたときに散々な目にあって、おそらく今もPTSDに苦しんでいる高遠菜穂子さんは、イラクのストリートチルドレン、学者などのインテリ、市井の一般大衆、農民など、あらゆる階層のイラク人に接した、たぶん、イラク人の感覚をもっとも良く分かっている日本人の一人である。その経験から得た情報は、そこらの外交官や政治家よりも遙かに信頼性がある。

その高遠さんがイラクの激戦地区で、ふつうのイラク人にインタヴューしたとき、返ってきた言葉は、「日本の自衛隊?シロウトだろ?やめとけ。殺されるのがオチだ。」というものだった。軍服を着ている者は占領軍(米英軍)と見なす。というのである。

自衛隊がイラクに来るのは、イラク人を助けるためではなく、アメリカに追従するためであることは、もはや、現地では周知の事実なのである。

このようにして、小泉首相がイラクに自衛隊を派遣することにより、日本はイラク人のみならず、アラブ諸国全体からも敵と見なされるようになりつつある。

石油を売ってもらえなくなったら、日本は、心肺停止状態に陥った人間のようなことになる。小泉首相はどれほど、日本の国益を損ないつつあるか、正確にシミュレートできていない、と思われる。誠に愚かな宰相である。


2003年06月26日(木) 技能五輪国際大会、日本勢「金」6個で3位 昨日に続き、いいニュース。

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