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JIROの独断的日記
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2004年06月02日(水) 「書き込みでトラブル?補導女児『殺すつもりだった』」  殺すことが悪いと分かっていて、殺したのだから、本人が悪いのですよ。

◆記事:書き込みでトラブル?補導女児「殺すつもりだった」

長崎県佐世保市の大久保小(出崎睿子校長)で、6年生の御手洗怜美(みたらい・さとみ)さん(12)がカッターナイフで首を切り付けられ死亡した事件で、県警佐世保署に補導された同級生の女児(11)が動機について、「インターネット上で、自分のことについて怜美さんが書き込んだ内容が面白くなかった。いすに座らせて切った。殺すつもりだった」と供述していることが、2日わかった。

同署は2人の間でインターネットの書き込みを巡るトラブルが起き、それが事件の引き金になったとみて、慎重に調べている。


◆コメント:完全に殺人の故意があったと認定されるのだから、殺人罪でいい。

犯罪とはなにか。「構成要件に該当する、違法、有責な行為」のことです。

日本の刑法は全部で264条から出来ている。第1条から第72条までは、罪と刑罰に関する一般的なことがら、刑罰の種類とか、正当防衛のように犯罪とならない場合(違法性阻却事由といいます)はどういうケースがあるか、とか。故意と過失の違いとか、共犯とはどういうことか、とか、そういうことです。これを刑法総則といいます。

第73条から第264条にはさまざまな違法行為の型が書かれている。これを刑法各則といいます。刑法各則に書かれている違法行為の型を「構成要件」といいます。たとえば、199条には「人を殺したものは死刑又は無期、若しくは3年以上の懲役に処する」と書かれています。人を殺すことが、殺人罪の構成要件です。

ただし、構成要件に該当していても、違法にならないことがあります。たとえば、外科医がメスで人の体を切るのは、一応、傷害罪の構成要件に該当するし、拘置所の職員が死刑を執行するのは、殺人罪の構成要件に該当するけれども、犯罪にはならない。正当な業務上の行為だからです。こういうのを「違法性阻却事由」といいます。違法性阻却事由には、他にも、有名な「正当防衛」や「緊急避難」というのがあります。

ある行為が1.構成要件に該当し、2.違法性を阻却する事由が認められない場合、3番目のポイントは「有責性」です。本人に刑事責任を負う能力があるかということです。よく、精神障害者がこれで、無罪になったり、罪が軽減されるのに、憤りを覚える人が多いようですが、ここでは、問題にしません。

私が云いたいのは、子供が刑法犯にならないのも、「責任能力がないから」と考えられていることへの異議です。物事の善悪を判断する能力や人生経験がない、ということでしょうが、それは、おかしい。

この事件で、友達を殺した女の子は取調べに対して、「悪いことをした」といっています。明らかに、自分の行為の違法性、非道徳性を認識しています。にもかかわらず、年齢という形式的な区分で、無条件に12歳には責任能力がない、と決め付けるのは事実を捻じ曲げていると思います。

私は、何歳であろうと、自分が悪いことをしようとしていると知りながら、敢えてその行為に及び、人に危害を加えたものは、刑事犯として、罰せられるべきだと考えています。インターネット云々は、全くこの少女の行為の違法性を減じるものではありません。


2003年06月02日(月) 腸閉塞の子供と、消防隊員の死

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