外国為替証拠金取引
JIROの独断的日記
DiaryINDEXpastwill


2004年06月23日(水) 「航空自衛隊は武器・弾薬の輸送は行わない」(12月9日 小泉首相) その後、どうなったか?

◆記事1:2003年12月9日 小泉内閣総理大臣記者会見「イラク人道復興支援特措法に基づく対応措置に関する基本計画について」

【質問】 今回、武器弾薬の輸送は行われるんでしょうか。

【小泉総理】 武器弾薬の輸送は行いません。

【質問】 行わない。

【小泉総理】 行いません。

【質問】 それは、実施要項の中とかで担保されるんですか。

【小泉総理】 そうです。

【質問】 そういうことですか。

【小泉総理】 はい。復興支援活動であります。日本は戦争に行くのではありません。自衛隊は復興人道支援活動に行くんです。


◆記事2:自衛隊イラク派遣 武器持つ兵士輸送も−−福田官房長官、可能の見解

福田康夫官房長官は10日午前の記者会見で、イラクへ派遣する自衛隊の活動から武器・弾薬の輸送を除外する考えを小泉純一郎首相が示したことに関して「(兵員が)普通に携行するような武器ならいいと思う」と述べ、武器・弾薬を携行した米軍など他国軍隊の兵員輸送は可能との考えを示した。 (毎日新聞2003年12月10日東京夕刊から)


◆記事3:2003年12月16日参議院外交防衛防衛委員会 閉会中審議 議事録より

○小泉親司君:じゃ、総理、お聞きしますが、あなたは武器弾薬の輸送は行いませんと言われましたが、ということは、一つ一つ点検して選び出して、それを別々にして運ぶ、こういうことを指示なさるんですね。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君):基本計画、この支援法の中では武器弾薬も輸送することはできると、しかし、私は、実施要項、武器弾薬はしないと。この中で、それぞれ協力する場合に、自衛隊員だって武器携行する場合あるでしょう。それも武器弾薬の輸送に入るかというと、そこは入らないんじゃないですか。私は、そういう面において、兵員が武器を携行していく場合、それを、兵員を輸送する場合にそれは武器、お互い協力活動をしているわけですから、そのときにまでこれまでも武器弾薬の輸送というふうには言えないんじゃないかと言っているんです。


◆記事4;武装米兵の輸送実施 C130、空幕長が認める

【クウェート8日共同】航空自衛隊トップの津曲義光航空幕僚長が空自部隊派遣先のクウェートを訪問。8日に記者会見してC130輸送機によるクウェート、イラク間の米兵や連合軍関係者の輸送を実施していたことを初めて明らかにした。

 イラク復興支援特別措置法に基づく空輸が始まって約1カ月。空自は人道支援や連合軍の物資以外に、兵員輸送も手掛け、コアリション(連合軍)の一員としての立場を築いたことになる。

津曲空幕長は過去の輸送任務について「米兵や(連合軍の)軍属を運んだことはある」と答え、さらに「武器、弾薬を単独で運んだことはない」と説明。輸送した米兵が小銃など軽火器類を携行していたことも認めた。

これまでの輸送回数や状況については「20回弱の任務を実施したが、(地上からの)攻撃はなかった」と述べ、武装勢力によるテロはなく安全だったことを強調。タリルやバスラの空港があるイラク南部は「比較的安全」との認識を示した。(共同通信)[4月8日13時26分更新]


◆コメント:小泉首相は約束を破る。

記事1から4を順に読んで頂くと、殆ど説明は不要といっても良いぐらいである。

昨年12月9日、自衛隊をイラクへ派遣することを政府が決めて、小泉首相が記者会見した(例の憲法前文を長々と引用したのもこのときである)。

記事1はその記者会見における質疑応答の、最後の部分である。極めて明確に、「武器弾薬の輸送は行わない」と小泉内閣総理大臣は断言している。

ところが、記事2が伝えているとおり、政府のスポークスマンである福田官房長官は、なんと、翌日、12月10日、舌の根も乾かぬうちに、兵器の輸送は可能である、と言っているのである。こういうことを平気でできてしまう、厚顔さが政治家には大切な資質なのであろう。


そして、当然野党はこのことを問題視した。それが記事3である。

1週間後、国会が閉会中の参議院閉会中審議で、共産党の小泉親司議員(同じ小泉で紛らわしいが・・・)の質問に対する、答弁で、小泉首相は「兵員が武器を携行していく場合、それを、兵員を輸送する場合にそれは武器、お互い協力活動をしているわけですから、そのときにまでこれまでも武器弾薬の輸送というふうには言えないんじゃないかと言っているんです。」と発言している。

この調子で小泉首相という人は発言をすぐ翻すのである。首相が、全国民に向けてテレビ中継までされた記者会見の席で、つまり公式に、自衛隊は武器を運ばない、と約束したのだから、運んではいけないのである。

それ以前に、交戦中の同盟国の後方支援は集団的自衛権の行使に含まれ、それは日本国憲法に照らして、行ってはいけないのは、明らかなのである。



しかしながら、記事4では航空自衛隊が、実際に武器を携行した米兵を運んだ、とはっきり証言している。軍事オタクと呼ばれる人々に言わせれば、日米同盟を考慮すれば、米国の兵員を輸送すること、そして、兵隊が武器を携行しているのは当たり前だ、とか言うのだろうが、そういう問題ではない。軍隊の常識がどうなっていても、それを日本国憲法の上位に位置させてよい、という論理は成り立たない。憲法が日本国の最高規範だからである。



内閣総理大臣が、一旦、武器・弾薬の輸送を行わないと明言したのに、説明もなく、その約束が破られている。


これが、小泉首相に一貫して見られる、「いい加減さ」である。

問題は異なるが、小泉氏は首相になるときに、国債発行残高30兆円は超えない。ペイオフは予定通り実行する、如何なる反対にあっても、8月15日に靖国神社に参拝する、と公約したのだが、全てを破っている。

特に、国債30兆円に関しては、国会の答弁で「これぐらいの公約違反は大したことない。」と発言して、流石に大問題になったのは覚えておられる方も多いだろう。

一国の宰相が、自ら国民に約束したことに関して、その程度の認識しか持っていないということは、致命的な問題であり、内閣総理大臣にふさわしい人格を有していない、といえると思う。


今般、自衛隊を多国籍軍に参加させると小泉首相は主張していて、しかし、人道支援活動しか行わない、と言っているが、前例から考えて、その約束が極めて簡単に破られる可能性は極めて高い、ということを私は警告したい。つまり、本来、日本を守るためだけに存在するはずの自衛隊がイラクまで行って、能動的に武力を行使する、という完全な違憲行為に及ぶ危険性が高いのである。

こんなことは、軽々しくアメリカの大統領に約束するべきではなく、国会の審議を経ないで、閣議だけで決定する問題ではない。小泉首相の思考過程においては、国民主権という概念が殆どない。つまり民主主義社会の指導者というよりも、独裁者に近い存在になっていることを、警戒するべきである。


2003年06月23日(月) 6万年ぶりの火星大接近

JIRO |HomePage

My追加