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JIROの独断的日記
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2004年06月20日(日) 「それではワトソン君、殆ど全ての問題の解決に有効な世界共通の方法を実践しよう」(シャーロック・ホームズ)

◆記事1:日本人の半数不眠 3割が自覚症状ない潜在的不眠症  (毎日新聞)

 

日本人の半数に不眠症の疑いがあることが、村崎光邦・北里大名誉教授(精神医学)らの全国調査で分かり、6日、仙台市で開かれた日本睡眠学会のシンポジウムで発表された。不眠はうつ状態や心臓疾患の要因として知られているが、調査では、自覚症状のない「潜在的不眠症」が3割に上ることが判明した

 不眠症状の有無は、世界的に用いられている「アテネ不眠尺度」という方法で、寝つき、睡眠への満足感、日中の眠気など8項目の回答で判断した。その結果、不眠症の疑いのある人は49・4%に上った。このうち「よく眠れていない」と認識している人は20・9%で、約3割が自覚症状がないことが明らかになった。

「よく眠れない」と答えた人に、不眠解消のための行動を聞いたところ、「何もしていない」が57.4%、「アルコールを飲む」が30.3%だった。

 国立保健医療科学院が97年に実施した全国調査では、睡眠障害があると推定された人は男性17.3%、女性21.5%で、今回の結果はこれを大きく上回った。

 大脳は睡眠によってのみ休むため、不眠は大脳の情報処理能力の低下を招き、ストレスの蓄積、食欲低下、頭痛、腰の痛みなどを引き起こす。うつ病や心臓疾患、糖尿病が多いとのデータもある。村崎名誉教授は「自覚症状のない不眠症の疑いのある人が、こんなに多いことに驚いた。途中で目が覚めやすくなるアルコールに頼るなど、不眠への対処法が理解されていないことも問題だ」と話している。[2002年7月6日 (土)]


◆記事2:眠れない大人たち〜広がる健康被害〜(クローズアップ現代)

日本人の睡眠時間はこの40年で1時間近く減少(7時間23分)、夜10時の就寝率も70%から20%と、急激な短眠化・夜型化が進んでいる。

睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌が夜になると減少し「夜更かしするほど眠れない」悪循環を生むメカニズム分析が進む一方、睡眠不足が鬱病や痴呆など深刻な健康被害の原因となっていることが明らかになってきた。親につられて睡眠不足になる子供が増えているが、睡眠が不規則な子供は3角形をきちんと描けない割合が通常の4倍以上になるなど、脳の認知機能と運動機能との統合能力に遅れが見つかっている。

最新研究が明らかにする「短眠化が体を蝕む」衝撃の実態を、企業や自治体が取り組み始めた睡眠不足対策と共に伝える。(2004年6月8日 (火)NHK「クローズアップ現代」


◆コメント:日本人がカリカリして事件・事故が増えている原因のひとつは寝不足だ。

冒頭に引用したのは、イギリス、マンチェスターのグラナダテレビという放送局が1984年から製作した、テレビドラマ版「シャーロックホームズ」(NHKでも放送された。今はDVDになっている)の一場面で、ホームズがワトソンに向かって云った台詞である。

その当時は私は学生で、不眠などとは無縁であったし、「何をもったいぶった事をいっていやがる」としか感じなかったのだが、数十年を経て、思う。このホームズの台詞は、真理を言い当てている。

「日本人がカリカリして事件・事故が増えている原因のひとつは寝不足だ。」と、簡単に科学的に結論付けることは、出来ないだろうけれども、私はほぼ間違いなく、関係があると、直感的に感じている。

既に、過去に起きた、いくつかの世界的大事件、たとえば1979年にアメリカのスリーマイル島での原発事故(冷却水がどんどんへって、炉心が溶けた。原子炉容器の底が抜けなかったのが、不幸中の幸いで、容器全体が溶けていたら、チェルノブイリと同じ大惨事になったことは確実。)とか、スペースシャトル・チャレンジャー号の爆発事故は、ヒューマン・エラーで、その原因は作業員の睡眠不足にあった、という調査結果が出ている。

最近の日本は、しばしば感ずるのだが、私が子供のころとは、絶対に雰囲気違っているのだ。社会が変化するのはあたりまえだろう、と云われそうだが、そういうことではない。要するに世の中全体がカリカリしているのだ。皆、怒りっぽい、攻撃的、凶悪犯罪が多い。また、不祥事が多い。ケアレスミスが多い。

日本人の脳が環境ホルモンか何かの影響で変異を起こしているのではないかと思ったが、これは、専門家の研究を待とう。

記事2で、引用した、NHKが毎日放送している「クローズアップ現代」は、毎回大変興味深いが、先日、不眠を取り上げていた。それを見ていて、今の日本社会の問題のかなりの部分は、寝不足と関係がある、と思われたのである。

記事1(昨年の記事だが)ではなんと、「日本人の半数が不眠」だという。何故不眠になるのかというと、昨日の日記に書いたとおり、うつ病の症状としての不眠もあるが、これは、卵とニワトリで、不眠が続いたことがうつ病の原因になっている場合もあるのだ。

では、何故、不眠になるかといえば、少々乱暴に断言すると、「眠れるときに、早く寝ないから」だ。

夜起きているから、体内時計(概日リズム)が狂うのだろう。夜、寝ないでPCに向かって、2ちゃんねるなど見ていると、そもそも「夜は狂気の時間」と言われるように、昼間だったら、何とも思わないことにも腹が立って、ののしりあったり、特定の人物を攻撃したりするのだろう。昔から、「夜に手紙(特にラブレター)は書くな」というのは、昔の人の知恵だったのだろう。

子供が荒れているのも、大人と同じぐらい夜更かしして、テレビゲームやインターネットで遊んでいることと、大いに関係がありそうだ。

日本睡眠学会のサイトを読んでいてなるほど、と思ったのは「ヒトの睡眠の特殊性」という項目である。



ヒトの睡眠とほかの哺乳動物の睡眠は,生物学的には本質的に同じである。ノンレム睡眠とレム睡眠とが組み合わさって睡眠単位が構成されていること,生物時計の管理下に1日周期のリズム(概日リズム)を示すこと,眠りの不足分をはねかえり睡眠として埋め合わせることなど,すべて共通している。

しかし,動物たちはヒトのように連続して長く覚醒しつづけたり,連続して長く眠りつづけることはしない。つまり,1日に何回も眠るパターンを(多相性睡眠)を示す。

これに対し,複数の睡眠単位をつないで1日1回の長い睡眠期(単相性睡眠)にすることによって,概日リズムの休息の位相と同期させてしまったのが典型的な現代人の眠りである。

 これは学校や職場の時間割りに拘束されて,睡眠は人為的な制約のもとに,社会的ないし文化的に管理されるためである。つまり,ヒトの睡眠は自然のままではなく加工されたものである。



なるほど。哺乳動物である人間も、本来は、他の動物のように、寝たり起きたりしているのが自然なのだ。今の睡眠習慣は、産業革命以降の社会システムに合わせるように「加工された」睡眠なのだ。これは、目から鱗が落ちる思いである。

加工された睡眠でも、それを守っているうちは、まだ問題がなかったのに、その眠るべき時間帯にまで、起きているから、余計おかしくなる。

昼食後に眠くなるのは当たり前で、それでも無理やり起きて、午後2時から会議なんかやったって、眠いのだから、生産性は低い。みんな機嫌が悪くなる。いいことは何も無い。

他の哺乳動物の睡眠と覚醒と繰り返すパターンにやや近づけたのが、ラテン諸国のシェスタ(昼寝)の習慣だろう。なるほどね。日本人は真面目だからな。「寝る」=「怠ける」という意識がどうしてもある。仕事時間に昼寝なんか、とんでもない、というのが、日本人、特にサラリーマンの大半の感覚だろう。

しかし、思い切って、この辺の社会習慣を導入したらどうだろうか。そもそも、日本人の今の生活様式、衣食住だって、欧米文化の物まねなんだから。昼寝の習慣も、社会的に定着させようと思えば、出来ないことはないのではないか。

それから、深夜テレビは禁止。深夜営業も禁止。深夜残業も禁止。テレビは石油ショックの後、本当に深夜放送禁止という時代があったのだ(これは省エネが目的であって、趣旨は違うけど)。残業の禁止というのは、そんなの無理だと言うけれども、サラリーマンは結構、無駄な仕事をしているところがあるのだ。

私は、病気がもっと悪い頃に、残業を禁止するというドクターストップが出て、診断書をもらって、会社に提出して、そのとおりにしたことがあるのだが、そのときの経験で分かったのだ。たいていの仕事は今の3分の2、上手くやれば半分の時間で片付けることが可能である。

勿論、本当にどうしても忙しくて毎日12時前には帰れない、というサラリーマンが大勢いることは、私も、十二分に承知している。しかし、それは、そういう状況を放置する会社が間違っている。日本では、「会社が個人に甘えている」のだ。

シェスタの習慣は、私がここで書いただけでは、すぐに実現しそうに無いから、まずは夜、早く寝ることだ。眠れないとき、どうするか?

精神科へゆくことだ。不眠の治療は精神科の領域である。別に怖いところではない。昨年、処方箋がなくても薬局で買える「睡眠改善薬」なるものが登場したが、あれは、抗ヒスタミン薬、つまり鼻炎用カプセルと同じ。ここで詳しく書いた。処方薬の方が安くて、確実に効く。精神科の薬など恐ろしい、と思うかもしれないが、私なんか、5年飲んでいる。別に、廃人になんかなっていないでしょう?

生兵法は大怪我の元。まずは専門家に相談するのがいい。餅は餅屋だ。


2003年06月20日(金) 「マトリックス・リローデッド」と「寅さん」

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