2015年11月26日(木)  自分が自分であることの証明は? おじゃる丸「マロだらけ」

娘のたまが幼い頃、子守歌代わりに「子守話」と題して即興の物語を語り聞かせていました。
http://www.geocities.jp/imaicafe/words/komoribanashi.html

サイトにアップしているものだけでも100をこえていますが、同じ話を少しずつ変えながら繰り返しり、毎日違う話を一週間作り続けたり、たった一人の読者のためにせっせとお話をこしらえました。
そのなかのひとつが、絵本「わにのだんす」として巣立っていきました。

他にもこんな話があったな…と思い出したのが、「たまちゃんいっぱいのおはなし」。
自分のそっくりさんが登場するお話に、たまは興奮し、ママやお友達もいっぱいふえるお話に発展していきました。

子守話69 おりこうたまちゃん へそまがりたまちゃん

子守話108 たまちゃんとママとリオくんいっぱいのおはなし

自分のそっくりさんが現れると、「わたしとは?」というアイデンティティーの問いが生まれます。

子守話78「わたしはわたし」というお話ができました。

そんなそっくりさん子守話を思い出しながら脚本を書いたおじゃる丸「マロだらけ」が本日放送されます(Eテレ18:00-18:10)。

自分のそっくりさんがいる驚き、不思議、やがて不安。
自分が自分であることの証明は?
ちょっと哲学的なメッセージをおじゃる世界で描いてみました。
いつも以上に見ていただきたい、思い入れのある作品です。

2013年11月26日(火)  『小さいおうち』を逃した「小さいわたしたち」
2011年11月26日(土)  弥生美術館→国際子ども図書館で「秋」
2010年11月26日(金)  ファミレスのお隣さん「フェアウェイの狭い男」
2009年11月26日(木)  「たまちゃん」は英語で「いしっころ」
2007年11月26日(月) マタニティオレンジ208 たむけんパーティで宴会場デビュー
2006年11月26日(日)  マタニティオレンジ33 百年前の赤ちゃん
2002年11月26日(火)  健康法


2015年11月18日(水)  行ってまいりました! 中島みゆきコンサート「一会」

縁あってパンフレットに寄稿させていただいた中島みゆきさんのコンサート「一会」。

東京国際フォーラムAホールを満たした一人一人を満たしてしまう歌と言葉の力ただただ圧倒され、大きなうねりに乗り合わせたような一期一会の夜に居合わせた幸福を味わいました。

生演奏とともに届けられる生の歌声の力強さ。
次にどんな台詞が飛び出すのか予想不能なMC。
歌詞を間違えたら歌いながら「間違えちゃった〜」のお茶目っぷり。
一瞬一瞬どこを切り取っても中島みゆき!の三時間。

「ねえねえ、この人ったら、こういう面白いとこあるのよ」
みたいな感じに紹介されると、何度も聴いた歌がまた違って聞こえるのも新鮮。
ニューアルバム「組曲(Suite)」におさめられた「ライカM4」のモデルとカメラの攻防は、みゆ
きさんとカメラマンのことを描いていたとは! 

歌から脚本ができてしまう、いえいえ、場面を脚本よりもドラマティックに歌にしてしまっているわけで、あらためて楽曲の底知れない物語力に感服。歌詞集を買い求めました。

曲紹介がひとつひとつのエッセイのようでもあり、山あり谷ありハプニングあり、次はどこに連れて行かれるの?な構成も、遠心力が求心力に。CDで聴くのとは桁違いの撹拌力で、心の奥底まで揺さぶられ、かき回され、風通しが良くなったよう。体の底から力が湧いて、足取り軽く帰宅してから晩ご飯を作ってしまいました。

パンフレットの原稿は、自由に書いてくださいとおまかせいただき、「彼女の物語」と題して、ある脚本家の身に起きた出来事を書かせていただきました。依頼をいただいたときのうれしさとおののきのないまぜが原作です。

担当の方とのやりとりも楽しく、原稿がパンフレットのデザイナーさんの手に渡ったことをお知らせくださったメールに「いい服を着せてあげて欲しいな・・・と願っております」と書かれていたのがとてもチャーミングでした。素敵な服をまとわせていただき、パンフレットにおさめていただきました。その制作に関わった方々にもご挨拶することができました。

そして、中島みゆきさんご本人にも。
脚本を書いていると、驚くようなことにめぐりあえます。

2014年11月18日(火)  「びりっかすの神さま」収録
2011年11月18日(金)  年賀状の文面を考えて「顧」
2010年11月18日(木)  朋あり遠方より来る。パンを携えて。
2009年11月18日(水)  「黙らせろ」と言われても
2006年11月18日(土)  アーロンバシャ(Aaron Basha)のBaby Shoes


2015年10月31日(土)  8月放送作品、再放送率100%でどどっと!

8月に放送された作品が相次いで再放送されます!

まずは本日21:00-21:50 NHK FMにてFMシアター「静かな生活」が第70回文化庁芸術祭参加で再放送。「文化庁芸術祭参加作品になるか放送文化基金賞を取るか大量のリクエストが来たら再放送のチャンスが」と前回の放送後の日記に書いたのが実現しました。

2015/8/4(火) FMシアター「静かな生活」番宣が静かじゃいけません
http://www.enpitu.ne.jp/usr9/bin/day?id=93827&pg=20150804

FMシアター「静かな生活」
http://www.nhk.or.jp/audio/html_fm/fm2015025.html

続いて本日深夜24:50-25:35(日付は11/1)EテレからNHK総合に法廷を移し「昔話法廷」を再び開廷。三匹のこぶた裁判、カチカチ山再放送、白雪姫裁判、3つ続けてどうぞ。

さらに11/3(火・祝)朝11:00〜12:50は「武士の娘 鉞子とフローレンス〜奇跡のベストセラーを生んだ日米の絆」。アメリカからも再放送リクエストが寄せられたそうです。

これで8月に放送された作品はすべて再放送されることに。みなさんからの反響に後押ししていただきました。ありがとうございます!

2014年10月31日(金)  「伝力」講演のはじまりの地、京都へ。
2013年10月31日(木)  議論反論ハロウィン・ガールズ
2012年10月31日(水)  島袋千栄さん個展×わにのだんす
2011年10月31日(月)  安田真奈さん→びたしゅが打ち上げ「電」
2010年10月31日(日)  motherways(マザウェイズ)で子ども服
2009年10月31日(土)  初めての短編小説「クリスマスの贈りもの」
2008年10月31日(金)  『ぼくとママの黄色い自転車』初号試写
2006年10月31日(火)  マタニティオレンジ24 体重貯金
2005年10月31日(月)  もしも、もう一度子育てができるなら。
2004年10月31日(日)  ご近所の会@タンタローバ
2002年10月31日(木)  青年実業家


2015年10月27日(火)  親子でこりゃ楽しい「漢字ドリル作文」

「ママー、見てー」
と満点の漢字テストを見せにきた、娘のたま(小学三年生)の楽しそうな顔に誘われて、
「よし、この漢字十問でママがお話作ってあげようか」と言うと、
「うん、作って!」

お題は、この10問。



こういうものは即興のライブ感が大事。
目で一問ずつ追いながら、しゃべるスピードでお話を作っていきます。
自分の口から飛び出す物語に、同時に「へーえ」となる、漢字テストとのブレスト。

昔の生活を思い出していました。
指の爪を見つめて、思い出していました。

あの日わたしは先生に指名されたんです。
「南を指しなさい」。
指差した先には、新しい駅がありました。

そこから空港へ向かいました。
着いたところは、にぎやかな港町でした。

たくさん買い物をして
品物を送る箱も買いました。

注意して扱うようにとお願いしたのに
店員は水を注ぎやがりました。

連想ゲームのように例文がするするつながって、作りやすい十問。
落ちもついて、たまは大笑い。
「わたしもやる!」と言って、開いた漢字ドリルのページからお話を作り始めました。


考え込むかなと思いきや、話すスピードですらすらと。
(※読み上げたお話をわたしが書き留めました)
漢字の勉強が宿題に出ました。
めんどくさいので、お母さんに宿題をまかせようとしました。

するとお母さんに仕事をまかせられました。
ぼくは子どもで、仕事というものをしたことがなかったので、
次の日、王様につかえる仕事をしました。

「店がはんじょうすると世界が平和になる」と言われて、
店のお客をやりました。

商品を運ぶお手伝いもしました。
全員で力を合わせましたが、商品が重くて、具合が悪くなりました。
白いかっぽう着を着たまま、ねました。

具合が良くなったので、ベッドから床に着地して、
さっきよごれたかっぽう着をぬいで、エプロンに着がえました。

「ぼく」と別人格になりきっているところ、
「店がはんじょうすると世界が平和になる」という味付けを
即座にやったところにセンスを感じます。
即興作文が得意なところが遺伝していることを発見。

母も負けてはおれません。
続いての漢字ドリル作文バトルは、こちらの10問で。


人を助けるには、助走をつけることが大事です。
金魚が死ぬときも、助走をつけることが大事です。
トンネルの向こう、右の方向に、泣いて悲しむ人がいたら、
助走をつけて、悲鳴をあげます。
部屋の掃除をするとき、机に向かっている人がいたら、
助走をつけて、心配して集まります。

「助走」の連呼に、「それも助走するの〜?」と笑ったたま、続いてはこちらの10問に挑戦。


今井さんのおうちには、
すくすくと育つ雅子さんという子どもがいました。
雅子さんのお父さんは、夢を育む協力をしていました。

ある日、雅子さんは、家の前に積んである重い荷物を持ちました。
その荷物とは、本を重ねてある荷物でした。

雅子さんは小さかったので、途中で息が苦しくなりました。
つかれたので、ジュースを買いました。
そのジュースは運悪く、苦い味がするジュースでした。

幸せがほしいな、と雅子さんは思いました。

雅子さんは大好きな公園に行きました。
すべり台をすべった雅子さんは、幸せに思いました。

「わたしは幸い、元気だ」

行きは坂道を下ってきたので、帰りは坂道を上りました。
それは急な坂道でしたが、えらい雅子さんは、がまんして上りました。

家に帰った雅子さんは、つかれていましたが、働き者なので、
ちゃんとただいまを言って、洋服をたたみました。

「ママのお話だよ」と、たま。「ママとは、ちがうせいかくだけどね」。
瞬時に主人公を選びつつ、ずらしてくるあたり、なかなか高度。
「わたしは幸い、元気だ」のカギカッコ使いに、「やられた」と思いました。

それからも漢字ドリル作文バトルは続き、漢字ドリル一冊分の例文を物語に変換。
ある程度長い例文のほうが作りやすく、単語レベルの10問だとお話があまり膨らまないことを実感。

でも、この10問から生まれたお話は、大ウケ。


この右ページにある10問から「太い柱の根元から熱い湯が出て二倍の数の人が訪れた。たまちゃんが学級新聞に書いたら賞をもらって国際空港からグリム童話の故郷ドイツへ旅行にでかけることに。あ、忘れ物!算数の宿題やってない」という物語を作った続き、という設定で。
ドイツへ行ったたまちゃんは、係の仕事をまかされました。
小さな箱のお世話係です。
「この箱の中には、何が入っているんですか?」
たまちゃんが聞くと
「あー、親指姫ですよ」
と言われました。
この国では親指姫は珍しくないようです。

たまちゃんは、親指姫に世界地図の説明をすることになりました。
「化石の発見について、詳しく教えてあげてください。とくに三葉虫」
と言われました。
この国では三葉虫が大事なようです。

たまちゃんは小さな箱をかかえて、歩道橋にのぼったり、
深い海や夏祭りに出かけたりしました。
「水を注いだらどうなるのかな」
そう思って、小さな箱に水を注ぐと、
親指姫はむくむくと大きくなって、人に化けました。

たまはこのお話が一番気に入ったらしく、「もう一度やって」とアンコール。
自分が主人公だからかもしれません。

このところ動画でお笑いを見たり、アプリでお絵描きしたり、という時間の過ごし方をすることが多かったのですが、予測不能の即興言葉遊びは、どんなソフトよりも面白い! 
最強の遊び道具、日本語でもっと遊ぼうと思いました。

学校のテストには出なさそうな漢字ドリル作文。
脚本作りのワークショップには使えそう。
大人の頭の体操にもおすすめです。

2010年10月27日(水)  読書の秋の積ん読
2009年10月27日(火)  活字を読まない読書週間「文字・活字文化の日」
2008年10月27日(月)  青森りんご「あおり21」の悲しいニュース
2007年10月27日(土)  シナトレ7 紙コップの使い方100案
2004年10月27日(水)  TakashimaKazuakiの服


2015年10月01日(木)  「ママ、ルルロロかいて!」がほんとに

娘が保育園に通っていた頃、夢中で観ていたルルロロ。
あのときが第1シリーズだったようです。

シリーズ終了後、「ママ、いつになったら、またルルロロやるの? しらべて!」
と娘にせっつかれ、毎日のように公式サイトをチェック。
でも、なかなか次回放送のお知らせがなく、
「だったら、ママがかいて!」

あれから幾星霜。
ほんとにルルロロを書く機会がめぐってきました。
娘は、ちょっとお姉さんになりましたが、大喜びしてくれました。

「がんばれ!ルルロロ」第3シリーズ(2016年1月よりNHK Eテレにて)全10話を、原作者のあいはらひろゆきさんと半分ずつ。

第1話「これはなんのかぎ?」
第2話「ながれぼしさんにおねがい」
第4話「まっくらかいじゅう」
第5話「やっぱりあげない」
第6話「ルルロロいろ」
を書きました。

娘が小さかった頃のことを思い出しながら。
親目線で見て、「きゅん」となるお話が多いので、大人の皆様もぜひ。

2014年10月01日(水)  「夕日のなる木」と「おじゃる丸」が出会って
2013年10月01日(火)  豪華な舞台劇を母国語で!FMシアター「マー子さん」
2010年10月01日(金)  野菜嫌い克服に「てっぱん」料理
2009年10月01日(木)  ツジモトはチュバサを見ましたかの会
2008年10月01日(水)  行列のできる脚本家
2006年10月01日(日)  マタニティオレンジ12 お宮参りイベント
2004年10月01日(金)  「Licensing Asia2004」にCook81(クック81)登場
2002年10月01日(火)  Mr.少林サッカーからのプレゼント
2000年10月01日(日)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/12/02)


2015年09月30日(水)  「静かな生活」芸術祭参加で10/31再放送

夏に放送されたFMシアター「静かな生活」が第70回芸術祭参加作品に決まりました。「金魚鉢の教室」「父の代理人」に続いて3度目の参加です。

いずれも演出は藤井靖さん。
学校での会議、家族会議と来て、今回はマンションの管理組合の住人会議。前二作は密室で完結する会話劇でしたが、今回は問題勃発からマンションの管理組合臨時総会までと後日談という時間経過の中で、渦中の若い夫婦の山あり谷ありを描いています。

参加作品から受賞作が選ばれる芸術祭。三度目の正直を期待する気持ちはもちろんありますが、芸術祭参加のご褒美は、再放送でより多くの方に聴いていただけること!

というわけで、
「静かな生活」
10/31土曜21時から21時50分
NHK FMで再放送

ラジオドラマを聴き慣れた方も、聴いたことない方も、ぜひ。

2013年09月30日(月)  粉チーズ「あたり」が出たらもう一本!?
2012年09月30日(日)  沢口靖子じゃなくてすみません!(堺親善大使委嘱式)
2010年09月30日(木)  シールペタペタ『カラフルアニマル 』(新井洋行)
2009年09月30日(水)  「ウェルかめ」がはじまり、ひかりTVを終える。
2008年09月30日(火)  脊髄を洗って乾燥してキレイになる
2006年09月30日(土)  本と遊ぶ「おそろい展 ミヤケマイ」
2003年09月30日(火)  BG SHOPでお買い物


2015年09月25日(金)  今年もおじゃる丸でたまえ回

今日のおじゃる丸「たまえうらない」書きました。

15シリーズ 「タナカ油を売る」(たまえ×タナカヨシコ)
16シリーズ 「たまえ作戦」(たまえ×子鬼トリオ)
17シリーズ 「にじゅうとび」(たまえ×本田先生)
18シリーズ 「たまえうらない」(たまえ×冷徹斎)

年に一本たまえ話を書く!が目標です。
ちなみに流れ星たまえは男の子。

2011年09月25日(日)  おとめ湯事件〜母と娘、一時間の攻防。
2010年09月25日(土)  「ゲゲゲの女房」が終わって次は「てっぱん」
2009年09月25日(金)  朝ドラ「つばさ」残すところあと一回
2008年09月25日(木)  ロハス(LOHAS)より愛せるセコ(SECO)
2007年09月25日(火)  すごい本『とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起』
2003年09月25日(木)  ディズニー・ハロウィーン
2002年09月25日(水)  宮崎・日高屋の「バタどら」
2001年09月25日(火)  『パコダテ人』ロケ3 キーワード:遭遇 


2015年08月18日(火)  「武士の娘 鉞子とフローレンス」NHKオンデマンドで8/25まで配信

8/11に放送されたBS1スペシャル
「武士の娘 鉞子とフローレンス〜奇跡のベストセラーを生んだ日米の絆〜」

観てくださった方、ありがとうございます。

ドキュメンタリードラマのドラマ部分の脚本を書きました。
演出は「そこをなんとか」でご一緒した一色隆司さん。
「再現ドラマではなくドラマを作ろう」と話して取り組みましたが、二人の人生にドラマを感じた方が少なからずいらしたようで、ほっとしています。
大河ドラマになるのでは、といううれしい声も頂きました。

見逃した方、NHKオンデマンドでぜひ。>>>こちら

配信期限が8月25日となっています(見逃しパックを除く)のでお早めに。
オンデマンド視聴者が多いと、期限が延長されることもあるかもしれません。

関連書籍も好調のようです。

>>>「武士の娘」(杉本鉞子著 大岩美代訳)

>>>「武士の娘 日米の架け橋となった鉞子とフローレンス」(内田義雄)

長岡出身で鉞子を愛してやまない内田義雄さんの本を先に読んでから「武士の娘」を読むと、いっそう理解が深まります。わたしはその順で読みましたが、まっさらな気持ちで「武士の娘」の美しい日本語に触れるのもいいと思います。

アメリカで出版するために英語で書かれた「A Daughter of the Samurai」を日本語に訳したのは、鉞子自身ではなく大岩美代。その日本語がとにかく素晴らしいです。愛国語者を自認するわたしは、美しい日本語を読むのが大好きですが、流れる水のようにすらすらと読め、四季のように折々の色が匂い立つ、まさに日本の美しさを映し出すような言葉の連なりが丁寧に紡がれています。
日本語美人力が三割増になるのではと思えるほど惚れ惚れする美文です。

もちろん、原著で描かれている日本の文化、日本の心の美しさの力もあるのでしょう。日米文化論も子育て論も幸福論も平和論も包み込んでしまっている、世紀をこえて読み継がれるべき名著。できればもっと早く出会っておきたかったと思いますが、人生が熟すほど「わかるわかる」がふえているのも確か。この先何度も読み返す一冊になると思います。

2013年08月18日(日)  石ころも絵本!@鎌倉文学館「いとうひろしの世界」
2012年08月18日(土)  5歳を吹き消して6歳になる
2011年08月18日(木)  「にまえ」ノートと「オリーブちゃん」原稿
2010年08月18日(水)  妄想をかきたてる男の意外な素顔
2009年08月18日(火)  シリアスな題材をコミカルに『命美わし』(1951年)
2008年08月18日(月)  『SEX AND THE CITY』とアラフォー
2007年08月18日(土)  マタニティオレンジ159 三世代合同誕生会でたま1才
2004年08月18日(水)  スチームボーイと津嘉山正種さん
2002年08月18日(日)  24時間テレビ


2015年08月17日(月)  堺発オムニバス映画「阪堺電車」撮影はじまりました

一昨年のドラマティク堺さがしワークショップ第一弾「阪堺電車」で高校生6チームがシナハンして書き上げた脚本6本が羽衣国際大学の学生監督によって映像化されることになりました、のお知らせをしてからはや2か月。

>>>2013年12月14日(土)「ドラマティック堺さがし」ワークショップ

>>>ワークショップの成果(堺市HP内)
ワークショップで生まれたオリジナル脚本と、今井が一本につなげたオムニバスドラマ脚本を掲載。

2015年06月05日(金) 堺っ子襷リレーで「阪堺電車」映像化


まずは8月7日に「便意」「まさかのロケ電」の撮影が行われました。

>>>「見応えのある映像が撮れた」 オムニバスドラマ「阪堺電車」、貸し切り電車で撮影開始 大阪(産経WEST)

「便意」で腹痛に襲われるサラリーマン役を演じたのは、ワークショップでこの脚本を書いた男の子。発表のときの熱演がコントみたいで、一同それこそおなかが痛くなるほど笑いました。脚本の改訂にも参加したようで、ワークショップで終わりではなく、そこから熟成して物語が育っていく過程を体験してもらえたことも良かったです。

制作発表で記者さんに質問されたときは「脚本の改訂については学生監督におまかせしようと思っています」と答えましたが、「ワークショップで生まれた脚本はあくまで原作。ここから各監督の撮りたい撮影稿を作っていってほしい」ということで、その方向性について話し合うワークショップをしたり、改訂稿を個別に見てアドバイスしたりしました。最初は受け身だった監督たちがどんどん前のめりになって「こうすることにしました」と自分のやりたいことを主張できるようになっていき、頼もしく感じました。

撮影現場での夢中の時間の中で、さらにつかんだものもあったのではと思います。

8月下旬には「ボタン争奪戦」を撮影。
残る三本「利休の相談室」「鉄は熱いうちに打て」「幼なじみ」は涼しくなってから撮影の予定です。

2012年08月17日(金)  ゆうちょ銀行で屋号の口座は持てない!?
2011年08月17日(水)  【たま絵】にまー
2010年08月17日(火)  備忘録には「書く」とただ一行
2009年08月17日(月)  成瀬巳喜男の『女が階段を上る時』『乱れる』『妻よ薔薇のやうに』
2008年08月17日(日)  マタニティオレンジ322 イヤイヤしたり、モーモー鳴いたり。
2007年08月17日(金)  年に一度だけ思い出されても
2004年08月17日(火)  サービスって?
2002年08月17日(土)  浴衣・花火・箏・まが玉


2015年08月16日(日)  ドキュメンタリー映画「子供たちの涙〜日本人の父を探し求めて」

ひさしぶりにコピーを書きました。
ドキュメンタリー映画の紹介コピーです。
作品名は「子供たちの涙〜日本人の父を探し求めて」。

監督の砂田有紀さんに出会ったのは、わたしがまだ20代だった頃。得意先FOX JAPANの宣伝担当と、広告代理店マッキャンエリクソンのコピーライターとしてでした。その後、砂田さんがマッキャンに転職し、わたしはフリーの脚本家になりましたが、自主制作でドキュメンタリー映画を撮っていた砂田さんとは通じ合うものがあり、つながりは続いていました。

新作ドキュメンタリー映画ができました、と連絡をもらったのはこの春のこと。
その宣伝コピーが「見たい気持ちにならない」と指摘されたので読んでもらえませんかと相談されました。

わたしはもうコピーライターではないけれど、一観客として、どう紹介されたら観たくなるかなと考えた文章を書いてみますねと送ったものが、ほぼそのままチラシになりました。

終戦の日の昨日、東京・渋谷アップリンクと大阪・十三シアターセブンにて公開。
公開二日目の今日の上映を観てきました。

紹介文は予告編だけを観て書いたので、本編を観るのは初めて。
友人が関わっていること、自分が紹介文を書いたことを差し引いても、見応えのある力強い作品でした。

同じく砂田さんのドキュメンタリー映画「兵隊だったおじいちゃんへ」との二本立てで、兵隊だった〜はイギリスと日本、子供たちの〜はオランダとインドネシアと日本の戦中戦後が描かれているのですが、教科書で習わなかった戦争を見聞きすることができました。

挟まれている戦争記録映像も観たことがないもので、これだけでも観る価値がありました。

上映後のトークで砂田さんは「日本だけで通用するものにしないように心がけた」と話されましたが、イギリスでもオランダでも受け入れられるには日本がされたことだけではなく日本がしたことも描かなくてはならない。俘虜だった元兵士のイギリス人が今も覚えている「キヲツケ」。インタビューの肉声の説得力がありました。

戦争で日本を憎むようになったイギリス人、オランダ人は少なくないし、今もオランダでは毎月一回日本政府に補償を訴えるデモが行われていることも知りました。

印象に残ったのは、兵隊だった〜の中でイギリス人元兵士が語ったビルマ(と記憶)でのエピソード。日本人兵士の遺体収容に使われていた寺院の中はすごい腐臭。だがまだかすかに動ける兵士もいた。彼が寺院を出た後にインド人兵士(と記憶)が入り、銃声が一発。まだ動ける兵士にとどめを刺すとは何ということを…と思ったが、それは為すすべなく死を待つだけの兵士を慮って安楽死させたのだと知り、戦争をしていても人は人なのだと感じた…そんなお話でした。

観る価値といえば、不勉強で知らなかった「小野佐世男」さんという画家を知れたことも収穫でした。
インドネシアへ報道班員として赴いた小野氏が遺した絵が子供たち〜の劇中で使われているのですが、とてもあたたかいまなざしのある絵でした。
息子である小野耕世さんと上映後お話ができたのですが、「戦争の絵よりも人ばかり描いていた」とうれしそうにおっしゃっていました。
日本軍の一人として、プロパガンダの壁画も描いたりしましたが、現地に溶け込み、現地の暮らしを活写し、現地の人に絵を教えたりもしていたそうです。

国と国は戦争していても、人と人は心を通わせる瞬間がそこかしこであったのかもしれません。

起きてしまったことは消せないけれど、未来は残された人々の手の中に託されています。
そのことを象徴的に見せてくれるラストにあたたかな涙を誘われました。

詳しくは公式サイトを。
今井の書いた紹介文もお読みいただけます。

公開は今のところ東京、大阪ともに2週間。一日一回上映だったりして、なかなかつかまえづらいのですが、監督の手弁当と情熱で作り上げたこういう心意気のある作品こそ満席と拍手で報いたいし、埋もれていた事実に光を当てたこの作品が埋もれてしまうのは非常にもったいないと思い、声を大にして広めます。

砂田さんは映画を撮っていることをマッキャンの人にはあえて打ち明けてないそうですが、マッキャン関係者の方にもぜひ応援してほしいと思います。

ちなみに今井は映画デビュー作「パコダテ人」の前売り券を図々しくも全社メールで売りつけました
が、200枚近く買っていただきました。慎み深い砂田さんには、今井が代わって宣伝します。
宣伝にかけるお金ももちろんなく、口コミが頼りです。マッキャン関係者のみなさまも、そうでない方も、ぜひこの作品を広めるのにお力を貸してくださいませ。

写真は砂田さんと、トークに登壇されたオランダ戦争資料研究所研究員のエブリン・ブッハイムさん。



2013年08月16日(金)  上海で買い求めた絵本と語学本
2011年08月16日(火)  NHKよる☆ドラ「ビターシュガー」スタジオ撮影
2010年08月16日(月)  一杯目のビールみたいな仕事したい
2009年08月16日(日)  朝ドラ「つばさ」第21週は「しあわせの分岐点」
2008年08月16日(土)  谷中のうどん屋で雨宿り
2007年08月16日(木)  円周率は音楽だった
2006年08月16日(水)  売れ行き好調『子ぎつねヘレン』DVD
2005年08月16日(火)  いいにおいのお芝居『おじいちゃんの夏』
2004年08月16日(月)  伊豆高原のアンダティバリゾート
2003年08月16日(土)  6人で400才
2002年08月16日(金)  持ち込み企画

<<<前の日記  次の日記>>>