2002年10月31日(木)  青年実業家

■ブッシュ大統領が来日時に「居酒屋に行きたい!」と訪れた『権八』と、いつ行ってもカップルたちでいっぱいで予約もなかなか取れない『川のほとりで』。会社の同僚の送別会で、ミーハーな東京ナイトスポットをハシゴする。送られたのは営業のノム君。クンと言っても、年は5つぐらい上だと思う。一緒に仕事したのは数か月だったけど、年の割に冷静沈着、頭脳明晰なキレ者で、それでもって不思議な人だった。子どもの頃はモデルで、高校時代はボクシングの県大会で優勝し、ディズコ全盛期(いつだ?)には黒服をやり、インドネシアで仕事をしていた頃は現地人とよく間違われ、今どき、はだけた胸元に金のネックレスをギラつかせてオープンカーを流し、ペットの亀を溺愛し、超美人の奥さんがいる。かなり濃いキャラなので、いつかドラマのネタにしてみたいけれど、「リアリティーがない」とディレクターに一蹴されてしまいそうな人物なのだ。会社員にしておくのはもったいない男だなあと思っていたら、突然辞表を出し、会社を作ると言い出した。「人に使われるの飽きちゃったんだよねー」と冗談めかして言ってたけれど、そういう台詞がよく似合う。■送別会の話題は「ノムの新会社」に集中した。「社名はどうするんだ?」とネーミング会議が始まり、「事業内容は何なんだ?」で企画書を囲んであーだこーだ言い合い、「パンフなら書くよ!」とコピーライター出身のクリエイティブ・ディレクターが言えば、「ロゴは俺が!」とデザイナー、「会社案内ビデオ作るなら声かけてよ」とCMプランナー、「じゃあ、青年実業家のドラマを書く!」とわたし。自分の店を持つとか自分の会社を持つというのは、みんな憧れていることのようで、ひと足先に実現しようとしているノム君の夢に勝手に乗っかって、楽しませてもらった。酔ってわたしのウサギリュックをかついでいたおちゃめなノム君、そのうち名物社長となって世の中を騒がせてくれるかも。

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