メグさんにはゴミ出しについても厳重注意を受け、「ここに置いてあるフタは何の意味があるん?」「捨てるんかとっとくんかどっちや!」などと突きつけられること数十回。「もったいなくて、物を使い切らないとなかなか捨てられない」と言い訳すると、「それはわかる。私もロハスな人間やから」と珍しく同意された。「そのロハスって言葉、わたしダメなんだけど」と言い返すと、「私も別に好きちゃうで」とあっさり意見が一致。ロハスという言葉が出回った頃からなんだか違和感を覚えていたのだけど、何がイヤなのかいまだにはっきり特定できていなかったわたしは、「ロハスっちゅう言葉は、なんかかゆい」というメグさんの台詞に「それや!」と飛びついた。物を無駄にしないとか、自然を愛するとか、ゆったり生きるとか、その精神には共感するのだけど、さりげなく日々の生活に取り入れていることの頭文字をつなげて「ロハス(Lifestyle of Health and Sustainability)」なんてもったいぶった名前をつけることにムズムズする。企業が「ロハス宣言」したりデパートが「ロハス展」をしたり、商業のにおいが強くなるほど、野にひっそり咲く花を額縁に飾って展覧会に押し上げてありがたがっているような不自然さを感じてしまうのだった。