2006年09月26日(火)  マタニティオレンジ11 ひるまないプロデューサーズ

出産前最後の打ち合わせは7月31日の夕方、共同テレビで『快感職人』9話10話(2話完結)の本打ちだった。今日は出産後最初の打ち合わせ。プロデューサーに近所の喫茶店まで足を運んでもらい、ダンナの母に家で子守りをお願いする。この作品(映画)と『快感職人』の脚本のオファーが来たのは妊娠26週(7か月)に入った5月下旬。「実は8月に出産を控えていまして」と告げると、相手は一瞬驚くものの「出産までは書けるんですよね?」と切り返す。映画のプロデューサーは「出産までに初稿を上げてもらい、あとは考えましょう」と気長に構え、『子ぎつねヘレン』の縁で『快感職人』に声をかけてくれた共同テレビのプロデューサーは「大丈夫。それまでに最終話の決定稿できてないと撮影が間に合わないから」と力強く言った。ドタキャンやら突然の変更やた不測の事態には慣れっこのプロデューサー、出産ごときではひるまない。

ちょうどその頃、すでに仕事が動き出しているプロデューサーたちにいつ妊娠を告げようか迷っていた。向こうから「もしかして?」と聞いてくれれば「実は」と打ち明けられるのだが、何も聞かれないのに言い出すタイミングが難しい。今日こそバレるだろうと打ち合わせに臨んでは、また今日もバレなかった、と首を傾げて帰る日々。こんなにおなかが目立ってきたのにまだ気づかないのか、怪しんでいるものの決め手に欠けるのか……。撮影に向けての段取りもあるし、言うなら早いほうがいい。でも、こんなに時間が経ってからじゃ、なんだか隠していたみたいだし、「なぜもっと早く言わなかった」と叱られそう……。

仕事相手の一人、女性プロデューサーに「実は、お伝えしたいことが……何だと思います」と相談すると、「会社員に戻るんですか?」「どこかの映画会社に入社?」などとなかなか正解にたどりつかない。「出産」を告げると、驚かれたが、「そりゃあ言ったほうがいいです」と背中を押され、数日後、他のプロデューサーたちにも発表。「そんな気がしてたんだよ」「そりゃあおめでとう」と反応はまちまちだったが、「そりゃあ困る」という人はいなかった。

会社員の友人たちからは、上司に「欲張るね」「ゼイタクだね」などとイヤミを言われたり、「(仕事と子育てと)どっち取るの?」と選択を迫られたりした話を聞いていた(少子化の原因のひとつは、こういう発言にあると思う)ので、きつい言葉も覚悟していたのだが、拍子抜けするほどおおらかに受け入れられた。脚本家も相手のある仕事ではあるけれど、会社勤めよりはずっと融通が利く。1か〇かではなく、1をいったん0.3に落として徐々に上げていくことができる。大きな組織でもこのようなペース配分が可能になれば、産むことへの抵抗はやわらぐかもしれない。産前産後の体調を気遣いつつも下手な遠慮はせず、仕事や相談を持ちかけてくれるプロデューサーたち。その距離感が心地よく、ありがたい。

2005年09月26日(月)  『東京タワー』(リリー・フランキー)でオカンを想う
2004年09月26日(日)  新木場車両基地 メトロ大集合!撮影会
2003年09月26日(金)  映画の秋
2002年09月26日(木)  ジャンバラヤ
2001年09月26日(水)  パコダテ人ロケ4 キーワード:涙

<<<前の日記  次の日記>>>


My追加