2016年02月01日(月) 青春アドベンチャー「走れ歌鉄!」2/1から全10回放送!

NHK FM青春アドベンチャーで初めてのオリジナル連続ラジオドラマを書きました。
タイトルは「走れ歌鉄!

NHK FMで2/1-2/5 2/8-2/12 22:45-23:00放送。

青春アドベンチャーの枠でデビュー間もない頃に「不思議屋旅行代理店」というオムニバスドラマの第1回「ランゲルハンス島の謎」と第10回「過去に架ける虹」を書かせていただいてから幾星霜、2005年に稲生平太郎さん原作の「アクアリウムの夜」(全10回)を、一昨年には岡田淳さん原作の「びりっかすの神様」(全5回)を脚色させていただきましたが、全編オリジナルは初めて。
1話15分×10回。原作なしの150分オリジナルは、思った以上に大変でしたが、聴くとあっという間です(笑)

演出の小見山佳典さんに「青春アドベンチャーやりませんか」と声をかけていただいて、パッと思い浮かんだのが「鉄道もの」。そこからの連想で「戦後に戦争孤児たちが自分たちで機関車を走らせる」という物語が膨らんでいきました。

戦後70年の昨年夏から冬にかけて、何冊もの資料を読み、そこで知ったたくさんの戦争孤児たちの壮絶な体験や悲痛な想いを受け止め、登場人物たちに宿らせていきました。

都で行われる歌合戦を目指す、という設定も早くからできていました。歌、ドレミファソラシド、という連想で、浮浪児と呼ばれていた孤児たちにはレン、シドウ、ソウタ、ソラ、と名づけました。
東の都で空襲に遭い、両親をなくして妹と生き別れになり、おばあちゃんのいる西の港に逃れて来たら、そこでも空襲に遭って身寄りがいなくなってしまったレン(菊池銀河)が主人公。東の都にいたときは大陸国の音楽に親しみ、大陸語も少し話せます。

レンの歌が大好きな妹分のソラ(清水詩音)には、レンの妹ユリ(川原琴響)の面影が。
収容所から逃げてきたソウタ(河崎脩吾)は、いつもおなかをすかせていて、機敏で利発なシドウ(大浦千佳)はレンには頼もしい存在。

浮浪児たちが出会う「見た目は異人の子、でもしゃべるのは大陸国の言葉ではなくてコテコテの西の港の言葉」な少女マリ(武田杏香)は、レンの天敵、占領軍のマケイン大佐(清水明彦)の娘。
レンに歌合戦への出場をすすめるのは、国民学校時代の受け持ちだったミチコ先生(松岡依都美)。
レンたちが出会う元機関士の日出男(斉藤暁)は、子どもだからと甘やかすことなく、レンたちに厳しくカマ焚きを教えます。

そして、警察なのか、鉄道省の人間なのか、レンたちの様子をうかがう謎の男(佐川和正)が……。
戦後復興に取り残された子どもたちも、進める側の大人たちも、取り残された子どもたちも、それぞれに戦争が影を落としています。

ファンタジーでミュージカルという形にして、「戦争孤児の愚痴も涙も歌にして、走れ機関車どこまでも!」と作品のキャッチコピーをつけましたが、実際の愚痴や涙はきっとこんな甘いものではなかったでしょう。そのことをわきまえつつも、愚痴や涙を歌にして突き進む子どもたちを、その子どもたちに衝き動かされる大人たちを描きたい、と思いました。

澁江夏奈さんが脚本から書き起こしてくださった音楽が全編を彩り、歌も次々と。音楽収録のときにM30まであって驚きましたが、繰り返し登場する歌も含め、毎回何曲かの歌が登場します。作詞は「真夜中のアンデルセン」「天使とジャンプ」、昨年からエフエム甲府で月一回放送している連続ラジオドラマ「甲府広告」でも手がけていますが、楽しいです!その歌詞が音楽に彩られ、歌となる、その過程がこれまた楽しいです!「愚痴も涙も歌にして」は人生の悲喜こもごもから吐息のようにセリフを吐き出す脚本家の心意気にも通じるかもしれません。

効果音作りも熱いです。「音で見せる」ラジオドラマの魅力を紹介する記事を発見しました(奇しくも歌鉄演出の小見山さんがインタビューに答えています。>>>こちら)が、NHKの音作りの本気さがうかがえると思います。

歌鉄の音響効果、石川恭男さんは、鉄道にも造詣が深い方。石炭の音を作るためにSLを走らせている鉄道会社に問い合わせ、石炭を調達されたようです。石炭をくべる音、石炭の山を踏み越える音の臨場感にも耳を澄ませてみてください。

とにもかくにも初めてのオリジナル青春アドベンチャー、ぜひぜひ聴いてくださいませ。

2013年02月01日(金)  家で会食する楽しみ
2012年02月01日(水)  パン屋少女と画家の恋(中学生のドラマ脚本会議その3)
2011年02月01日(火)  窓辺に花を飾り、ケーキを焼く。
2010年02月01日(月)  ショップ99ケーキでハッピー40s
2009年02月01日(日)  『指人形 笑吉』はすごかった!
2008年02月01日(金)  マタニティオレンジ231 たま、ネスカフェの景品に!
2007年02月01日(木)  マタニティオレンジ69 女性は子どもを産むキカイ?
2004年02月01日(日)  東海テレビ『とうちゃんはエジソン』
2002年02月01日(金)  「なつかしの20世紀」タイムスリップグリコ


2016年01月21日(木) 「がんばれ!ルルロロ」今日1/21から!

脚本に初参加した「がんばれ!ルルロロ」第3シリーズがはじまりました。
全10話を原作者のあいはらひろゆきさんとはんぶんこしています。

第1話「これはなんのかぎ」1月21日(脚本・今井雅子)
第2話「ながれぼしさんにおねがい」1月28日(脚本・今井雅子)
第3話「つよーくなりたい!」2月4日(脚本・あいはらひろゆき)
第4話「まっくらかいじゅう」2月11日(脚本・今井雅子)
第5話「やっぱりあげない」2月18日(脚本・今井雅子)
第6話「ルルロロいろ」2月25日(脚本・今井雅子)
第7話「おとなになるってすてき」3月3日(脚本・あいはらひろゆき)
第8話「らくちんうきわで、あ〜しあわせ」3月10日(脚本・あいはらひろゆき)
第9話「しあわせのおやつ」3月17日(脚本・あいはらひろゆき)
第10話「みんなみーんな、たいへんなんだあ」3月24日(脚本・あいはらひろゆき)

なにしろかわいいし、絵がきれい。5分間のルルロロワールド、ほっこりお楽しみください。
Eテレにて1月21日(木)から毎週木曜
朝6時40分〜6時45分・夕方5時20分〜5時25分

★予告動画 https://www.youtube.com/watch?v=Io-Jq4GWuQM
(全10話をちらっとずつご紹介)

★詳細情報 http://fanworks.co.jp/news/20151001/
ちなみにルル役の清水詩音ちゃんは、2/1から放送のNHK FM青春アドベンチャー「走れ歌鉄!」全10話(作・今井雅子)にも戦争孤児ソラ役で出演。

2012年01月21日(土)  子どもと一緒にASOBONO!(東京ドーム)
2011年01月21日(金)  餅入りお好み焼きにはお醤油
2010年01月21日(木)  シナトレ13 企画書は自分を売り込む広告だ!
2009年01月21日(水)  キスかキフか? 非常時に強い女と自転車の会
2008年01月21日(月)  マタニティオレンジ223 3日ぶりの母娘再会
2007年01月21日(日)  マタニティオレンジ62 母の誕生日を祝う娘
2006年01月21日(土)  ご近所仲間新年会
2005年01月21日(金)  1人1ピッチャー!? 体育会飲み会
2002年01月21日(月)  祭り


2016年01月07日(木)  カンボジアの子どもたちに映画のお年玉を!

ちびまる子ちゃんのお正月映画をパパと見てきた小三の娘が「もう一度ママと見たい!」と言い、どこが良かったか、笑えたか、泣けたかを一生懸命話してくれました。

映画を見た時間以上に語ってる。それほど一本の映画に心を動かされたわけです。

次はコナンも見たい、ドラえもんも見たい、ディズニーの新しいのも面白そう…と今の日本の子どもたちは、目移りしそうなほど見たい作品を選べます。

でも、日本も戦時中はそうはいかなかったし、戦争の傷跡が癒えず、今も映画が子どもたちから遠のいてしまっている国があります。

カンボジアもそのひとつ。

都心部にはシネコンもできているようですが、農村部の映画館は破壊されたり閉鎖されたりしたまま。映画という娯楽を知らない子どもたちが数多くいるようです。

そんなカンボジア農村部の子どもたちに映画を届ける活動をされているのが、昨年「TENOHAことの葉の会」で出会った教来石小織さん。日本の映画に現地語の字幕をつけ、移動映画館を開いています。

教来石さんが活動当初にカンボジア在住の方に送ったメールの中に、
「地雷ではなく、夢の種を埋めていくイメージで、たくさんの小さな映画館を設置できればと考えております」と綴っていたことを彼女のfacebook投稿で知りました。

それを読んで、ずいぶん前に子どもが描くパンの絵の審査をしたことを思い出しました。

>>>2009年10月17日(土)  子どもが描くパン「らいおんさん賞」×ライオン・パーマのお芝居

パンの絵が描けるのは幸せなこと、戦争の絵しか描けない子も世界にはいる。主催者のパン屋の夫人が言った言葉が印象的でした。

このとき頭をよぎったのが、イランの映画監督モフセン・マフマルバフ氏がユネスコで行ったスピーチ「神にさえ見放されたアフガニスタン」の一節でした。

《もしも私の国に降るものが、ミサイルではなくて、本だったら。
 そして、大地に埋まる地雷が一粒の麦だったら。
 そして、その地に吹く風が自由だったら。
 私たちの子どもは、もっと自由だったでしょう。》

地雷ではなく、夢の種をまく、まさに教来石さんの活動に通じるものがありますね。

その教来石さんたちの活動資金を募るクラウドファンディングについて、12月1日の日記でも紹介しましたが、1月6日時点で「残り9日、残り563,514円」とのこと。

>>>2015年12月01日(火)  映画一本観るお金で、カンボジアの子どもたちに映画を贈る!

>>>カンボジア農村部に暮らす子どもたちに、映画のチケットを贈りませんか? ―映画で夢の種まきをー

目標金額110万円の半分を越え、すでにずっしり重みのある金額ではありますが、みなさんからのお年玉を持ち寄って目標を達成できたら、もっとたくさんの子どもたちに映画を届けられます。

活動報告の写真に写った学校の校舎の壁のスクリーンを食い入るように見つめる子どもたちの目、ほんとにキラキラしていて、きっとこの子たちは、一本の映画のことを何時間でも話して、何日も余韻を抱きしめて、ひょっとしたら将来の夢まで変わってくるかもしれない……そんな想像をかきたててくれます。

その中から「わたしの人生を変えたのは、日本から届いた映画です」という子が出てきたりして。いつかそんな大きなお年玉が返ってくるかもしれません。

2013年01月07日(月)  「80代はあの世とこの世に股をかけている感覚」の高田氏
2012年01月07日(土)  東京ドームのローラースケート
2011年01月07日(金)  今日新宿で再会することになっていた
2010年01月07日(木)  秋からの朝ドラ「てっぱん」に参加します
2008年01月07日(月)  両親元気で留守がいい
2007年01月07日(日)  蓬莱の豚まん 日本一世界一551
2002年01月07日(月)  カレーライフ


2015年12月01日(火)  映画一本観るお金で、カンボジアの子どもたちに映画を贈る!

カンボジアと聞くと、アンコールワット、かぼちゃの語源、「地雷を踏んだらサヨウナラ」の一ノ瀬泰造、あとは……そこで想像が止まってしまうのですが、かつては映画文化が支えていたのに、内戦で映画館がなくなってしまった、ということを最近知りました。教えてくれたのは、教来石 小織さん。あるとき「カンボジアの子どもたちに映画を贈ろう!」と思い立って、それを行動に移した彼女は、華奢な体から湯気が立ち上るような熱さで、「カンボジアの子どもたちに、日本の映画で、夢を見てほしいんです!」と語ってくれました。

映画の脚本も書いている一人として、子育て中の一人として、教来石さんのお話に深く共感し、「ぜひ、クラウドファンディングしたら?」と聞いたところ、「今準備中です!」と話されてから約一か月。映画の日12月1日にサイトがオープンしました。

>>>カンボジア農村部に暮らす子どもたちに、映画のチケットを贈りませんか? ―映画で夢の種まきをー

取り組みの具体的な内容については、サイトに詳しく書かれていますので、そちらをお読みいただくとして、自称カンボジアに映画を贈り隊のわたしからも応援演説を。

うちの子も、今の日本の多くの子どもたちも、映画館があって、レンタルビデオ屋があって、テレビでも映画を観られる暮らしをしていますが、カンボジアの子たちにとって、映画は「当たり前」のものではありません。

もしも、自分の子ども時代に映画がなかったら……と想像してみます。

遠い国のこと、遠い昔のこと、南極探検隊のことも、アポロの月面着陸のことも、映画が教えてくれました。

映画は未来も見せてくれます。文字通り、SFが描く未来もそうですが、映画に出てくるヒーローやヒロインを見て、「あの人みたいになりたい」と憧れを抱くことが、自分の進む道を照らしてくれます。

内戦で多くのものを失った国こそ、未来を思い描き、夢を抱く手がかりが必要だと感じます。
他の子どもたちと同じ映画を見て、笑ったり泣いたりドキドキしたりという時間を分かち合うことも、子どもたちの心に豊かなものを運んでくれることでしょう。自分が笑った場面で誰かも笑った、それだけで心が躍るものです。

カンボジアの子どもたちの心に希望の花を咲かせる種をまく、その映画を贈るお手伝いができたら、どんなに素敵だろうと思います。また、この取り組みに賛同してくれる人がふえたら、どんなに心強いだろうと思います。映画の力を信じている人がいることは、作り手にとっても大きな励みになります。

わたしは講演で「誰にでも脚本は書けます」という話をするときに、「必要なのは想像力です」と言って、「千円あったら?」「一万円あったら?」「一億円あったら?」と想像してもらいます。金額が大きくなると、やることのスケールも大きくなるのですが、「もし何円あったら?」ということに想いを馳せることで、自分の中に眠っている願望や思いつきに光が当たる、それが想像力を働かせる楽しみです。

この取り組みに、もし1800円出したら、3000円出したら、カンボジアの子どもたちにどんなことが起こるだろうと想像してみてください。ランチ一回分、飲み会一回分のお金で、何人の子どもが映画を観られるでしょうか。そのうちの何人かは、将来なりたいものが見つかるかもしれません。

わたしはそんな風に想像しただけで、アンコールワットとかぼちゃと一ノ瀬泰造止まりだったカンボジアのイメージに「日本の映画を観る子どもたち」が加わりました。

先日、ラオスやベトナムの子どもたちとの交流を重ねられている宍戸仙助氏の講演をうかがう機会があったのですが、そのなかで、東日本大震災の際に、普段日本から支援を受けている国の子どもたちが、「日本の子どもたちに」とお金やお米を持ち寄ってくれたというお話がありました。女の子が募金箱に入れたお札は、日本円に換算すると、とても小さな金額でしたが、現地の子にとっては年に一度のお年玉でした。それを日本の子のために差し出してくれたのでした。

わたしたちの漱石や一葉や諭吉は、カンボジアではずいぶん大きなお金に化けるのではと思いますが、その金銭的価値以上に、カンボジアの子どもたちにお金に換えられない価値を届けてくれるのではないかなと想像しています。

もし共感してくださる方がいらっしゃいましたら、プロジェクトのページを見てみてください。この取り組みを知っていただけるだけでもうれしいです。

>>>カンボジア農村部に暮らす子どもたちに、映画のチケットを贈りませんか? ―映画で夢の種まきをー

そして、映画の作り手の皆さん!カンボジアで上映する作品の許諾を取るのも大変なようです。この取り組みを知っていただき、理解し、後押ししてくださる方がふえることを願っています。

2010年12月01日(水)  ドイツからのクリスマスプレゼント2010
2009年12月01日(火)  文豪トルストイと童話トルストイ
2008年12月01日(月)  生きることは、おくりものをおくりあうこと。
2005年12月01日(木)  Annettからのクリスマスプレゼント2005
2004年12月01日(水)  小原孝・佐山雅弘 Piano de Duo - 4
2001年12月01日(土)  函館映画祭2 キーワード:これが有名な


2015年11月26日(木)  自分が自分であることの証明は? おじゃる丸「マロだらけ」

娘のたまが幼い頃、子守歌代わりに「子守話」と題して即興の物語を語り聞かせていました。
http://www.geocities.jp/imaicafe/words/komoribanashi.html

サイトにアップしているものだけでも100をこえていますが、同じ話を少しずつ変えながら繰り返しり、毎日違う話を一週間作り続けたり、たった一人の読者のためにせっせとお話をこしらえました。
そのなかのひとつが、絵本「わにのだんす」として巣立っていきました。

他にもこんな話があったな…と思い出したのが、「たまちゃんいっぱいのおはなし」。
自分のそっくりさんが登場するお話に、たまは興奮し、ママやお友達もいっぱいふえるお話に発展していきました。

子守話69 おりこうたまちゃん へそまがりたまちゃん

子守話108 たまちゃんとママとリオくんいっぱいのおはなし

自分のそっくりさんが現れると、「わたしとは?」というアイデンティティーの問いが生まれます。

子守話78「わたしはわたし」というお話ができました。

そんなそっくりさん子守話を思い出しながら脚本を書いたおじゃる丸「マロだらけ」が本日放送されます(Eテレ18:00-18:10)。

自分のそっくりさんがいる驚き、不思議、やがて不安。
自分が自分であることの証明は?
ちょっと哲学的なメッセージをおじゃる世界で描いてみました。
いつも以上に見ていただきたい、思い入れのある作品です。

2013年11月26日(火)  『小さいおうち』を逃した「小さいわたしたち」
2011年11月26日(土)  弥生美術館→国際子ども図書館で「秋」
2010年11月26日(金)  ファミレスのお隣さん「フェアウェイの狭い男」
2009年11月26日(木)  「たまちゃん」は英語で「いしっころ」
2007年11月26日(月) マタニティオレンジ208 たむけんパーティで宴会場デビュー
2006年11月26日(日)  マタニティオレンジ33 百年前の赤ちゃん
2002年11月26日(火)  健康法


2015年11月18日(水)  行ってまいりました! 中島みゆきコンサート「一会」

縁あってパンフレットに寄稿させていただいた中島みゆきさんのコンサート「一会」。

東京国際フォーラムAホールを満たした一人一人を満たしてしまう歌と言葉の力ただただ圧倒され、大きなうねりに乗り合わせたような一期一会の夜に居合わせた幸福を味わいました。

生演奏とともに届けられる生の歌声の力強さ。
次にどんな台詞が飛び出すのか予想不能なMC。
歌詞を間違えたら歌いながら「間違えちゃった〜」のお茶目っぷり。
一瞬一瞬どこを切り取っても中島みゆき!の三時間。

「ねえねえ、この人ったら、こういう面白いとこあるのよ」
みたいな感じに紹介されると、何度も聴いた歌がまた違って聞こえるのも新鮮。
ニューアルバム「組曲(Suite)」におさめられた「ライカM4」のモデルとカメラの攻防は、みゆ
きさんとカメラマンのことを描いていたとは! 

歌から脚本ができてしまう、いえいえ、場面を脚本よりもドラマティックに歌にしてしまっているわけで、あらためて楽曲の底知れない物語力に感服。歌詞集を買い求めました。

曲紹介がひとつひとつのエッセイのようでもあり、山あり谷ありハプニングあり、次はどこに連れて行かれるの?な構成も、遠心力が求心力に。CDで聴くのとは桁違いの撹拌力で、心の奥底まで揺さぶられ、かき回され、風通しが良くなったよう。体の底から力が湧いて、足取り軽く帰宅してから晩ご飯を作ってしまいました。

パンフレットの原稿は、自由に書いてくださいとおまかせいただき、「彼女の物語」と題して、ある脚本家の身に起きた出来事を書かせていただきました。依頼をいただいたときのうれしさとおののきのないまぜが原作です。

担当の方とのやりとりも楽しく、原稿がパンフレットのデザイナーさんの手に渡ったことをお知らせくださったメールに「いい服を着せてあげて欲しいな・・・と願っております」と書かれていたのがとてもチャーミングでした。素敵な服をまとわせていただき、パンフレットにおさめていただきました。その制作に関わった方々にもご挨拶することができました。

そして、中島みゆきさんご本人にも。
脚本を書いていると、驚くようなことにめぐりあえます。

2014年11月18日(火)  「びりっかすの神さま」収録
2011年11月18日(金)  年賀状の文面を考えて「顧」
2010年11月18日(木)  朋あり遠方より来る。パンを携えて。
2009年11月18日(水)  「黙らせろ」と言われても
2006年11月18日(土)  アーロンバシャ(Aaron Basha)のBaby Shoes


2015年10月31日(土)  8月放送作品、再放送率100%でどどっと!

8月に放送された作品が相次いで再放送されます!

まずは本日21:00-21:50 NHK FMにてFMシアター「静かな生活」が第70回文化庁芸術祭参加で再放送。「文化庁芸術祭参加作品になるか放送文化基金賞を取るか大量のリクエストが来たら再放送のチャンスが」と前回の放送後の日記に書いたのが実現しました。

2015/8/4(火) FMシアター「静かな生活」番宣が静かじゃいけません
http://www.enpitu.ne.jp/usr9/bin/day?id=93827&pg=20150804

FMシアター「静かな生活」
http://www.nhk.or.jp/audio/html_fm/fm2015025.html

続いて本日深夜24:50-25:35(日付は11/1)EテレからNHK総合に法廷を移し「昔話法廷」を再び開廷。三匹のこぶた裁判、カチカチ山再放送、白雪姫裁判、3つ続けてどうぞ。

さらに11/3(火・祝)朝11:00〜12:50は「武士の娘 鉞子とフローレンス〜奇跡のベストセラーを生んだ日米の絆」。アメリカからも再放送リクエストが寄せられたそうです。

これで8月に放送された作品はすべて再放送されることに。みなさんからの反響に後押ししていただきました。ありがとうございます!

2014年10月31日(金)  「伝力」講演のはじまりの地、京都へ。
2013年10月31日(木)  議論反論ハロウィン・ガールズ
2012年10月31日(水)  島袋千栄さん個展×わにのだんす
2011年10月31日(月)  安田真奈さん→びたしゅが打ち上げ「電」
2010年10月31日(日)  motherways(マザウェイズ)で子ども服
2009年10月31日(土)  初めての短編小説「クリスマスの贈りもの」
2008年10月31日(金)  『ぼくとママの黄色い自転車』初号試写
2006年10月31日(火)  マタニティオレンジ24 体重貯金
2005年10月31日(月)  もしも、もう一度子育てができるなら。
2004年10月31日(日)  ご近所の会@タンタローバ
2002年10月31日(木)  青年実業家


2015年10月27日(火)  親子でこりゃ楽しい「漢字ドリル作文」

「ママー、見てー」
と満点の漢字テストを見せにきた、娘のたま(小学三年生)の楽しそうな顔に誘われて、
「よし、この漢字十問でママがお話作ってあげようか」と言うと、
「うん、作って!」

お題は、この10問。



こういうものは即興のライブ感が大事。
目で一問ずつ追いながら、しゃべるスピードでお話を作っていきます。
自分の口から飛び出す物語に、同時に「へーえ」となる、漢字テストとのブレスト。

昔の生活を思い出していました。
指の爪を見つめて、思い出していました。

あの日わたしは先生に指名されたんです。
「南を指しなさい」。
指差した先には、新しい駅がありました。

そこから空港へ向かいました。
着いたところは、にぎやかな港町でした。

たくさん買い物をして
品物を送る箱も買いました。

注意して扱うようにとお願いしたのに
店員は水を注ぎやがりました。

連想ゲームのように例文がするするつながって、作りやすい十問。
落ちもついて、たまは大笑い。
「わたしもやる!」と言って、開いた漢字ドリルのページからお話を作り始めました。


考え込むかなと思いきや、話すスピードですらすらと。
(※読み上げたお話をわたしが書き留めました)
漢字の勉強が宿題に出ました。
めんどくさいので、お母さんに宿題をまかせようとしました。

するとお母さんに仕事をまかせられました。
ぼくは子どもで、仕事というものをしたことがなかったので、
次の日、王様につかえる仕事をしました。

「店がはんじょうすると世界が平和になる」と言われて、
店のお客をやりました。

商品を運ぶお手伝いもしました。
全員で力を合わせましたが、商品が重くて、具合が悪くなりました。
白いかっぽう着を着たまま、ねました。

具合が良くなったので、ベッドから床に着地して、
さっきよごれたかっぽう着をぬいで、エプロンに着がえました。

「ぼく」と別人格になりきっているところ、
「店がはんじょうすると世界が平和になる」という味付けを
即座にやったところにセンスを感じます。
即興作文が得意なところが遺伝していることを発見。

母も負けてはおれません。
続いての漢字ドリル作文バトルは、こちらの10問で。


人を助けるには、助走をつけることが大事です。
金魚が死ぬときも、助走をつけることが大事です。
トンネルの向こう、右の方向に、泣いて悲しむ人がいたら、
助走をつけて、悲鳴をあげます。
部屋の掃除をするとき、机に向かっている人がいたら、
助走をつけて、心配して集まります。

「助走」の連呼に、「それも助走するの〜?」と笑ったたま、続いてはこちらの10問に挑戦。


今井さんのおうちには、
すくすくと育つ雅子さんという子どもがいました。
雅子さんのお父さんは、夢を育む協力をしていました。

ある日、雅子さんは、家の前に積んである重い荷物を持ちました。
その荷物とは、本を重ねてある荷物でした。

雅子さんは小さかったので、途中で息が苦しくなりました。
つかれたので、ジュースを買いました。
そのジュースは運悪く、苦い味がするジュースでした。

幸せがほしいな、と雅子さんは思いました。

雅子さんは大好きな公園に行きました。
すべり台をすべった雅子さんは、幸せに思いました。

「わたしは幸い、元気だ」

行きは坂道を下ってきたので、帰りは坂道を上りました。
それは急な坂道でしたが、えらい雅子さんは、がまんして上りました。

家に帰った雅子さんは、つかれていましたが、働き者なので、
ちゃんとただいまを言って、洋服をたたみました。

「ママのお話だよ」と、たま。「ママとは、ちがうせいかくだけどね」。
瞬時に主人公を選びつつ、ずらしてくるあたり、なかなか高度。
「わたしは幸い、元気だ」のカギカッコ使いに、「やられた」と思いました。

それからも漢字ドリル作文バトルは続き、漢字ドリル一冊分の例文を物語に変換。
ある程度長い例文のほうが作りやすく、単語レベルの10問だとお話があまり膨らまないことを実感。

でも、この10問から生まれたお話は、大ウケ。


この右ページにある10問から「太い柱の根元から熱い湯が出て二倍の数の人が訪れた。たまちゃんが学級新聞に書いたら賞をもらって国際空港からグリム童話の故郷ドイツへ旅行にでかけることに。あ、忘れ物!算数の宿題やってない」という物語を作った続き、という設定で。
ドイツへ行ったたまちゃんは、係の仕事をまかされました。
小さな箱のお世話係です。
「この箱の中には、何が入っているんですか?」
たまちゃんが聞くと
「あー、親指姫ですよ」
と言われました。
この国では親指姫は珍しくないようです。

たまちゃんは、親指姫に世界地図の説明をすることになりました。
「化石の発見について、詳しく教えてあげてください。とくに三葉虫」
と言われました。
この国では三葉虫が大事なようです。

たまちゃんは小さな箱をかかえて、歩道橋にのぼったり、
深い海や夏祭りに出かけたりしました。
「水を注いだらどうなるのかな」
そう思って、小さな箱に水を注ぐと、
親指姫はむくむくと大きくなって、人に化けました。

たまはこのお話が一番気に入ったらしく、「もう一度やって」とアンコール。
自分が主人公だからかもしれません。

このところ動画でお笑いを見たり、アプリでお絵描きしたり、という時間の過ごし方をすることが多かったのですが、予測不能の即興言葉遊びは、どんなソフトよりも面白い! 
最強の遊び道具、日本語でもっと遊ぼうと思いました。

学校のテストには出なさそうな漢字ドリル作文。
脚本作りのワークショップには使えそう。
大人の頭の体操にもおすすめです。

2010年10月27日(水)  読書の秋の積ん読
2009年10月27日(火)  活字を読まない読書週間「文字・活字文化の日」
2008年10月27日(月)  青森りんご「あおり21」の悲しいニュース
2007年10月27日(土)  シナトレ7 紙コップの使い方100案
2004年10月27日(水)  TakashimaKazuakiの服


2015年10月01日(木)  「ママ、ルルロロかいて!」がほんとに

娘が保育園に通っていた頃、夢中で観ていたルルロロ。
あのときが第1シリーズだったようです。

シリーズ終了後、「ママ、いつになったら、またルルロロやるの? しらべて!」
と娘にせっつかれ、毎日のように公式サイトをチェック。
でも、なかなか次回放送のお知らせがなく、
「だったら、ママがかいて!」

あれから幾星霜。
ほんとにルルロロを書く機会がめぐってきました。
娘は、ちょっとお姉さんになりましたが、大喜びしてくれました。

「がんばれ!ルルロロ」第3シリーズ(2016年1月よりNHK Eテレにて)全10話を、原作者のあいはらひろゆきさんと半分ずつ。

第1話「これはなんのかぎ?」
第2話「ながれぼしさんにおねがい」
第4話「まっくらかいじゅう」
第5話「やっぱりあげない」
第6話「ルルロロいろ」
を書きました。

娘が小さかった頃のことを思い出しながら。
親目線で見て、「きゅん」となるお話が多いので、大人の皆様もぜひ。

2014年10月01日(水)  「夕日のなる木」と「おじゃる丸」が出会って
2013年10月01日(火)  豪華な舞台劇を母国語で!FMシアター「マー子さん」
2010年10月01日(金)  野菜嫌い克服に「てっぱん」料理
2009年10月01日(木)  ツジモトはチュバサを見ましたかの会
2008年10月01日(水)  行列のできる脚本家
2006年10月01日(日)  マタニティオレンジ12 お宮参りイベント
2004年10月01日(金)  「Licensing Asia2004」にCook81(クック81)登場
2002年10月01日(火)  Mr.少林サッカーからのプレゼント
2000年10月01日(日)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/12/02)


2015年09月30日(水)  「静かな生活」芸術祭参加で10/31再放送

夏に放送されたFMシアター「静かな生活」が第70回芸術祭参加作品に決まりました。「金魚鉢の教室」「父の代理人」に続いて3度目の参加です。

いずれも演出は藤井靖さん。
学校での会議、家族会議と来て、今回はマンションの管理組合の住人会議。前二作は密室で完結する会話劇でしたが、今回は問題勃発からマンションの管理組合臨時総会までと後日談という時間経過の中で、渦中の若い夫婦の山あり谷ありを描いています。

参加作品から受賞作が選ばれる芸術祭。三度目の正直を期待する気持ちはもちろんありますが、芸術祭参加のご褒美は、再放送でより多くの方に聴いていただけること!

というわけで、
「静かな生活」
10/31土曜21時から21時50分
NHK FMで再放送

ラジオドラマを聴き慣れた方も、聴いたことない方も、ぜひ。

2013年09月30日(月)  粉チーズ「あたり」が出たらもう一本!?
2012年09月30日(日)  沢口靖子じゃなくてすみません!(堺親善大使委嘱式)
2010年09月30日(木)  シールペタペタ『カラフルアニマル 』(新井洋行)
2009年09月30日(水)  「ウェルかめ」がはじまり、ひかりTVを終える。
2008年09月30日(火)  脊髄を洗って乾燥してキレイになる
2006年09月30日(土)  本と遊ぶ「おそろい展 ミヤケマイ」
2003年09月30日(火)  BG SHOPでお買い物

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