2015年12月01日(火)  映画一本観るお金で、カンボジアの子どもたちに映画を贈る!

カンボジアと聞くと、アンコールワット、かぼちゃの語源、「地雷を踏んだらサヨウナラ」の一ノ瀬泰造、あとは……そこで想像が止まってしまうのですが、かつては映画文化が支えていたのに、内戦で映画館がなくなってしまった、ということを最近知りました。教えてくれたのは、教来石 小織さん。あるとき「カンボジアの子どもたちに映画を贈ろう!」と思い立って、それを行動に移した彼女は、華奢な体から湯気が立ち上るような熱さで、「カンボジアの子どもたちに、日本の映画で、夢を見てほしいんです!」と語ってくれました。

映画の脚本も書いている一人として、子育て中の一人として、教来石さんのお話に深く共感し、「ぜひ、クラウドファンディングしたら?」と聞いたところ、「今準備中です!」と話されてから約一か月。映画の日12月1日にサイトがオープンしました。

>>>カンボジア農村部に暮らす子どもたちに、映画のチケットを贈りませんか? ―映画で夢の種まきをー

取り組みの具体的な内容については、サイトに詳しく書かれていますので、そちらをお読みいただくとして、自称カンボジアに映画を贈り隊のわたしからも応援演説を。

うちの子も、今の日本の多くの子どもたちも、映画館があって、レンタルビデオ屋があって、テレビでも映画を観られる暮らしをしていますが、カンボジアの子たちにとって、映画は「当たり前」のものではありません。

もしも、自分の子ども時代に映画がなかったら……と想像してみます。

遠い国のこと、遠い昔のこと、南極探検隊のことも、アポロの月面着陸のことも、映画が教えてくれました。

映画は未来も見せてくれます。文字通り、SFが描く未来もそうですが、映画に出てくるヒーローやヒロインを見て、「あの人みたいになりたい」と憧れを抱くことが、自分の進む道を照らしてくれます。

内戦で多くのものを失った国こそ、未来を思い描き、夢を抱く手がかりが必要だと感じます。
他の子どもたちと同じ映画を見て、笑ったり泣いたりドキドキしたりという時間を分かち合うことも、子どもたちの心に豊かなものを運んでくれることでしょう。自分が笑った場面で誰かも笑った、それだけで心が躍るものです。

カンボジアの子どもたちの心に希望の花を咲かせる種をまく、その映画を贈るお手伝いができたら、どんなに素敵だろうと思います。また、この取り組みに賛同してくれる人がふえたら、どんなに心強いだろうと思います。映画の力を信じている人がいることは、作り手にとっても大きな励みになります。

わたしは講演で「誰にでも脚本は書けます」という話をするときに、「必要なのは想像力です」と言って、「千円あったら?」「一万円あったら?」「一億円あったら?」と想像してもらいます。金額が大きくなると、やることのスケールも大きくなるのですが、「もし何円あったら?」ということに想いを馳せることで、自分の中に眠っている願望や思いつきに光が当たる、それが想像力を働かせる楽しみです。

この取り組みに、もし1800円出したら、3000円出したら、カンボジアの子どもたちにどんなことが起こるだろうと想像してみてください。ランチ一回分、飲み会一回分のお金で、何人の子どもが映画を観られるでしょうか。そのうちの何人かは、将来なりたいものが見つかるかもしれません。

わたしはそんな風に想像しただけで、アンコールワットとかぼちゃと一ノ瀬泰造止まりだったカンボジアのイメージに「日本の映画を観る子どもたち」が加わりました。

先日、ラオスやベトナムの子どもたちとの交流を重ねられている宍戸仙助氏の講演をうかがう機会があったのですが、そのなかで、東日本大震災の際に、普段日本から支援を受けている国の子どもたちが、「日本の子どもたちに」とお金やお米を持ち寄ってくれたというお話がありました。女の子が募金箱に入れたお札は、日本円に換算すると、とても小さな金額でしたが、現地の子にとっては年に一度のお年玉でした。それを日本の子のために差し出してくれたのでした。

わたしたちの漱石や一葉や諭吉は、カンボジアではずいぶん大きなお金に化けるのではと思いますが、その金銭的価値以上に、カンボジアの子どもたちにお金に換えられない価値を届けてくれるのではないかなと想像しています。

もし共感してくださる方がいらっしゃいましたら、プロジェクトのページを見てみてください。この取り組みを知っていただけるだけでもうれしいです。

>>>カンボジア農村部に暮らす子どもたちに、映画のチケットを贈りませんか? ―映画で夢の種まきをー

そして、映画の作り手の皆さん!カンボジアで上映する作品の許諾を取るのも大変なようです。この取り組みを知っていただき、理解し、後押ししてくださる方がふえることを願っています。



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