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JIROの独断的日記
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2004年11月30日(火) 1.<ヤフーBB>個人情報、新たに900件流出の可能性。2.「ウィニー」使用者に有罪 京都地裁判決

◆記事1:<ヤフーBB>個人情報、新たに900件流出の可能性

 

 ADSL(非対称デジタル加入者線)サービス「ヤフーBB」を運営するソフトバンクBBは30日、ヤフーBBの会員情報900件が新たに流出していた可能性があると発表した。

 会員の氏名、住所、電話番号、携帯電話番号が記されたデータで、11月下旬、東京都内の出版社が同社へ持ち込んだという。昨年3月時点の会員情報の一部と合致した。クレジットカード番号やパスワードの記載はなかった。

 昨年6月と今年1月、ソフトバンクBBのデータベースから大量の顧客情報が不法に引き出された。

 同社は、この事件のグループが昨年3月にも情報を引き出した可能性があるとみている。(毎日新聞) - 11月30日20時47分更新


◆記事2:「ウィニー」使用者に有罪 京都地裁判決


 

 パソコンのファイル共有ソフト「Winny(ウィニー)」を使い、市販の映画ソフトをインターネットで公開したとして、著作権法違反(公衆送信権侵害)の罪に問われた群馬県高崎市の会社員、井上義博被告(42)に対する判決が三十日、京都地裁であった。

楢崎康英裁判長は「著作権者の努力を無にする行為で悪質な犯行」として、懲役一年、執行猶予三年(求刑・懲役一年)を言い渡した。

 弁護側は「ウィニーの構造がよく分かっておらず、著作権侵害に当たらない」などと無罪を主張していたが、楢崎裁判長は「ウィニーの詳細な知識がなかったとしても送信可能にする認識はあった」と判断した。

 この事件をめぐっては、同法違反幇助(ほうじょ)罪で、ウィニーの開発者の東大大学院助手、金子勇被告(34)が、五月に起訴され、同地裁の公判で金子被告は「開発は幇助に当たらない」として無罪を主張している。


◆コメント:Yahoo!BB、一部上場企業がなんたるざまだ。

 

 このごろ、ニュースを検索するのにCEEK.JP NEWSをしばしば使う。これは、学生さんが運営している、元々は、CEEK.JPという「統合型メタサーチエンジン」が先に立ち上げられ、その後、ニュース専門のCEEK.JP NEWSが出来た。というようなことは、若い方のほうがよくご存じだろう。

 しかし、ニュース検索を習慣的にしている人は少ないのではないか。自分の関心のある事柄についての新聞記事をWeb上で収拾したい時は、このサーチエンジンはとても便利だ。
 CEEK.JP NEWSで、「個人情報」で検索してみると、殆ど毎日、どこかで顧客情報の入ったPCを盗まれたとか、誤って、全顧客の個人情報を全顧客にメールで送ってしまったとか、その類の事件が報じられていることに驚く。

 何と、金融庁までが、銀行から預かった、マネーロンダリングと疑わしき取引が記録されたフロッピーディスクを紛失し、それを金融相に報告されたのが、事態勃発から2ヶ月ごだったというから、あきれる。どこかのニュース検索で、「金融庁」「フロッピー」「紛失」と入れてご覧なさい。

 話を戻すが、Yahoo!BBは、登記上の名称は「ソフトバンクBB株式会社」で、東証一部上場企業である。

 東証一部に上場される、ということは、「日本を代表する、商売がうまくいっている、安心して投資出来る会社です」という太鼓判を貰った事を意味する。

 その社会的責任は極めて重い。それが何というていたらくであろう。

 今年の一月に数百万人の情報漏洩が明らかになり、総務省から厳重注意を受けたばかりだというのに。1年も経たないうちに、また、900件!


◆個人情報漏洩とは、どういうことか。

 

 個人情報が漏れると言うことがどれほど恐ろしいことか、世の人々はあまり実感が沸かないのだろう。

 ことし1月の大事件が発覚した後も、Yahoo!BBの新規加入者が減らないというのだから、驚く。

 個人情報を入手しようとするような輩が、何か善行を貴方に施してくれる可能性はゼロに等しい。

 入手したあなたの名前と住所、電話番号があれば、香港当たりで偽造カードを作ることは簡単で、いつ財産を根こそぎ持っていかれるか分からない。

 カネだけなら、まだましだ。住所が分かっているのである。

 様々な不正アクセスにより、貴方の財務状況を知った凶悪な奴が、自宅にやってきて、窃盗を働くかも知れないですよ?

 夜中に強盗としてやってきて、殺されるかも知れないのです。

 それぐらい、恐ろしいことなのに、最近の日本はだらしなさすぎる。日本人のあの正確な仕事はどこへ消えてしまったのか。

 もっとも、昔も類似した不祥事は有っただろう。が、なにしろ、顧客名簿といっても、紙に手で書いていたのである。

 量的にたかがしれているし、インターネットのように世界中にその情報がばらまかれる心配は、すくなくとも、無かった。


 

 会社から、掲示板に書き込みが出来たり、チャットが出来たりするのであれば、その会社はその時点で、情報管理失格だ。

 やろうと思えば、社員がYahoo!メモかなんかにちょっと顧客情報を書き込むことができるではないか。それが、すでに情報漏洩なのだ。

 社員が会社のパソコンから外部にメールを送る時は、情報管理責任者が精査すべきだ。添付してあるエクセルファイルが顧客情報ファイルだったらどうする。

 東証は、上場廃止基準に、財務的な事に限らず、情報漏洩など、コンプライアンス(法令遵守)の項目を加えるべきだ。

 今回、Yahoo!BB加入者は、ソフトバンクBBにガンガン抗議するべきだ。或いは解約するべきだ。

 1月に情報漏洩がおきた後にも、新規加入者は増えていた。呑気な話である。そういことだから、孫正義氏も堪えないのだ。


◆コメント2:著作権侵害は、泥棒と同じである。

 

 著作権は、知的財産権の一種である。

 人の精神活動の産物は、形をなしていなくても、私有財産なのである。だから、知的財産権のことを以前は無体財産権(むていざいさんけん)と言った。

 形をなしていなくても、財産である、ということは、対価を支払わずにこれを入手することは、泥棒と同じなのだ。

 資本主義社会は、互いに他人の私的財産権(代表的なのは、所有権)を尊重する意識が大前提だ。

 Winnyで、本来対価を支払わなければならない著作物(ソフトウェア、プログラムも含まれる)を持ち出すことは、他人の財産と自分の財産の区別を観念上区別出来ていないことを意味する。つまり、他人のものは私のもの。これは「原始共産制」と同じ状態である。

 違法コピーは資本主義のメカニズムを壊しているのだ、ということを認識するべきである。


2003年11月30日(日) 日本人がイラクで殺されても「テロに屈しない。」小泉さん。続きを言ったらどうです?「但し、アメリカの脅しには屈する。」と
2002年11月30日(土) オリンピック種目は、コロコロ変えるべきではないだろう

2004年11月29日(月) 「予防は評価されない」(養老孟司と小池環境相の対談より) 不正得票ねえ・・・

◆記事:「環境問題の重要性がなかなか理解されないのは多分、予防の問題だからです」

 【養老】 環境問題の重要性がなかなか理解されないのは多分、予防の問題だからです。人間は何か起こったことについて助けてもらうとありがたいと思う。ところが、起こらなかったことに対する評価がないんです。

 医療でも、苦しんでいる患者さんを助けると、名医とか言われるが、病気にならないようにしてあげた医者は、実は分からない。戦争が起こった時、これに勝った人はほめられるが、軍縮などで戦争を起こさないようにした人はほめられない。

 環境問題も同じで、それに対する負担を求められると「なんでオレが払わなきゃならないの」と思っちゃう。だけども21世紀は、予防ということを評価する社会に変えていかなければならない。それが、20世紀に公害を起こした最大の反省です。


◆コメント:確かにそうだ。

 

 人間が他の人間を評価・査定する、というのは、随分おこがましい話である。

 全ての人間はそれぞれ、生まれつきの性質、育った環境、全ての場面における経験が違うのから、それらに基づいて形成される価値判断の基準も、当然異なる。

 ある人の価値観が他の人よりも優れているかどうか、判断する客観的な基準は無いのだが、人間のグループでは、便宜上、例えば、会社ならば、「上司」や「人事部」が全知全能の神であるかのごとく、他の人間を評価する。

 この、「人間が人間を評価する場合」上に引用した、養老孟司氏の言うような傾向が確かに、存在する。

 もっと一般化して言うと、「派手な仕事は評価されるが、地味な仕事は評価されない」


 

 最も分かりやすいのが、何か事件や事故が起きた時である。

 先般、新潟中越地震の際、上越新幹線が脱線した事に関して、多くの新聞は「崩れた安全神話」とか「新幹線開業以来初めての脱線事故」と専らマイナス面を強調した。

 私は200kmで走っていた新幹線が脱線したにもかかわらず、一人の死者も出さなかったのは、むしろ評価されるべきではないかと書いた。

 もう一つ強調したいことは、新幹線が開業以来40年間、一度も脱線事故を起こさなかったという実績だ。東海道新幹線が開通したのは1964年である。それから丁度40年だ。その間全く脱線事故を起こさなかった。普通、人間のノウハウは、失敗を元に蓄積される。

 つまり、新幹線開通後、数年後に脱線して大事故が起きて、そのときの状況を詳細に調査・検討し、改善策を練り、その結果、安全性が前よりも高まった、というのが、普通の人間の仕事の歴史である。

 しかし、新幹線は、ただの一回の事故も起こさないまま、改良を重ねて、40年間無事故だった。

 これは、大変な偉業である。

 そして、大地震での脱線を経験したことも無いのに、200kmで走っていて脱線しても、車体が分解することもなく、何よりも驚くのは、転倒しなかったということで、これは、やはり、万が一を想定していた技術者の功績として、評価されるべきだと思うのである。


◆医学だって、本当は予防の方が大切だろう。

 

 無論、予防出来ないことはある。交通事故で運ばれてきた怪我人は治療するしかない。医師に「交通事故を防げ」というのはお門違いだ。

 予防医学という用語は知っていても、予防医学の大家とか、権威とかいう医師の話は伝わってこず、養老孟司さんが仰るとおり、病気になってしまってから、それを治すと「名医だ」と評価される。

 勿論、病気を治すことが重要でない、とは全く思わないが、もしも、病気を防げる医学があれば、より偉大なのではないか?

 何故、予防が評価されないかというと、因果関係の立証が難しいからだろう。予防的な指導をしなかったら、病気が発生したかどうか、分からない。タイムマシンがあって、一人の患者に対して、予防を施した場合と、施さなかった場合の結果を比較することができれば、別だが。

 これに対して、病気や怪我は、治療しなかったら死んでいた、或いは症状が悪化していたであろう事は比較的容易に推測できる。

 つまり因果関係が明らかである場合が多い。病気を治療した医師の方が評価が高いのは、このためである。


◆警官社会では、犯罪を予防した人よりも、犯人を捕まえた人間のほうが、評価される。

 

 現在、奈良の小学生を殺した犯人は捕まっていない。捕まえたら、その警察官は「お手柄」だろう。

 しかし、本来、警察は犯罪を防ぐことに注力するべきだろう。

 人が殺されてから、犯人を見つけた警官を表彰するよりも、まず、人が殺されることを防ぐことの方が重要であることは、議論の余地が無いほど、明らかだ。

 多分、過去にそう言う例は実際にあっただろうと思う。

 不審者が子供に話しかけるのを目撃した警官が、職務質問をしようとしたら、不審者は逃げた。

 実は、その怪しい奴は、子供を誘拐して殺そうとしていた。しかし、警官に声をかけられた時の恐怖感が忘れられず、以後、犯行を計画することはなかった。というような場合である。

 これも、不審者に声をかけた警官は、人ひとりの命を救っているわけだが、実際に何も起こらなかったのだから、誰にも彼の功績は認識されない。

 くどいようだが、人が殺され、その犯人を捕まえた警官の方が、評価される。


◆どのような職場でも同じ事が当てはまるだろう。

 

 以上、わかりやすい例として、医師と警官を挙げたが、普通のサラリーマンや役人の世界でも同じ事が起きている。

 派手な仕事をぶち挙げて、成功して会社に利益をもたらした人間は評価されやすい。

 一方、派手さはないが、地道に仕事をしてきた人間には、皆、特有の勘が備わり、ある書類、手形、契約書、等をみて、なんか変だぞ、と思ってよく調べたら、誤記があったり、数字が改ざんされていたり・・・、例を挙げればキリがないが、それを指摘することによって、会社を損失から守った人は今日も日本のどこかにいるに違いない。

 ところが、彼又は彼女は、大した評価も受けず、淡々と家路についているのだろう。

 不公平だと思うが、残念ながら、これが、人間が人間を評価するときの限界である。

 それでも、この世は、このような無名の「名人」によって支えられている。


◆環境問題にかんしては・・・

 

 何故、理解を得られないかというと、養老孟司氏のご指摘のとおり、予防の問題だから、であるが、つまりそれは、予防しなかったらどうなるのか、ということを、大々的にキャンペーンしないからである。

 国連環境プログラムが、5年も前に、地球環境概況2000で、「地球温暖化を防ぐのは、恐らく既に手遅れ」と断定している、という事実。

 それは、すなわち、人類の滅亡を暗示していることを、多少、社会がパニックになっても良いから、テレビの政府広報などで、毎日、嫌と言うほど知らせるべきだ。

 日本人は呑気だから、「天下国家、環境問題なんかより、何かおいしいもの、食べに行こうよ」というのが大部分だろう。

 そのまま、20年後に水不足になって、全員渇死してもよいというほど、覚悟は出来ていないでしょう?

 何もしないで滅亡するより、防ごうとするのが人間だろう。


2003年11月29日(土) 「氷河溶解で数十億人に水不足の危険=WWF」皆、ことの重大さがわかっていないでしょう。
2002年11月29日(金) 割り箸事故の医療訴訟。親も、医師も、病院も、悪い。

2004年11月28日(日) 「それぞれの終楽章」阿部牧郎(直木賞受賞作品) 他人の人生は簡単に分かるものではない。

◆京都大学卒の官能小説作家

 

 阿部牧郎氏は京都大学文学部卒の秀才であり、官能小説作家である。

 官能小説などという、婉曲な言い方はだれが思いついたのだろうか。要するに「エロ本」である。

 本来は純文学を目指しながらも、訳があって、エロ本を書くことになり、それはそれで成功していたが、氏の志は常に純文学に向いていた。生活の糧を売るためにエロ本を書きながらも純文学も書き続けた。

 昭和43年、初めて直木賞候補となった。この年を含めてその後6回も直木賞候補となりながらも、受賞に至らず、漸く昭和62年、実に、20年かかって(実際にはもっと長い間小説を書いているのは言うまでもない)、直木賞を受賞した。

 世の中は、人を肩書き(=レッテル)で差別する。それ以前に、レッテルを貼りたがる。

 一度アルバイトでエロ本を書いて売れてしまうと、「エロ本書き」のレッテルを貼られてしまう。阿部牧郎氏が直木賞受賞までに、ほぼ20年を要したことと、無縁では無かろう。


◆「それぞれの終楽章」(昭和62年度下期直木賞受賞作)

 

 エロ本を書いている人は、スケベ親父だろう、というのはあまりにも短絡的な関連付けである。

 この直木賞受賞作「それぞれの終楽章」は受賞直後に読んだが、最近、電子書籍になっているのを講談社電子文庫のサイトで発見した。紙の本はなくなっていたので、電子書籍をダウンロードして、17年ぶりに読んだ。

 初めて読んだ時と同じように感動した。

 これほどの本は、教育も教養もある人でなければ、書けない。


◆あらすじ1:戦後の東北高校生が涙して聴いたクラシック。

 

 自叙伝的な作品である。

 自殺した同級生の葬儀に出席するために、故郷、秋田に帰郷した作家・矢部が振り返る青春時代と、人生の終楽章に入りつつある、自分と仲間の生の軌跡を描いた作品である。

 自殺した友人は、森山という。地元秋田で税理士として成功していたが、生来人が良く、他人の債務保証人となり、身動きが取れなくなり遂に、死を選んだ。

 通夜が終わって、故人の自宅を辞去する前に、矢部は森山の書斎を見て驚嘆する。

 文筆を生業とする自分をはるかに上回る蔵書を、自殺した森山は買っていた。

 群書類従がある。日本国史大系がある。岩波の日本古典文学全集は全巻そろっている。安藤昌益著作集、内藤湖南全集、江戸文学全集、防衛庁の戦史叢書全102巻、さらに、ブルーノワルター(昔の大指揮者)による、モーツァルト交響曲全集・・・。

 それらを森山は実際に読む時間など無かった。隠居してから読むつもりだったという。

 矢部は親友森山の胸中を察した

 


「あいつは、史学の勉強をして暮らしたかったのだ。おびただしい文献に埋もれた生活を夢見ていた。他人の帳簿なんか見たくはなかった。生活のために税理士になった。しかし、それに全てを奪われたまま、去ってしまった」



 これは、阿部牧郎さん自身の心の叫びだろう。エロ本など書きたくなかった。まともな文学で食っていけるものなら、そうしたかったに違いない。

 しかし、人生はなかなか、やりたいことを仕事には出来ないのである。成り行きというものがあるのだ。


◆あらすじ2:初めて聴くアリア。

 

 森山と矢部は仲がよく、森山の家の方が金持ちで本と、レコード、蓄音機があったので、自身、文学や音楽にあこがれていた矢部は毎日のように森山の家に遊びに行った。矢部はそこで生まれて初めて「運命」や「未完成」を聴いた。

 最初はお義理で付き合ったが、クラシック音楽は矢部の心の琴線に触れた。やがて、「激烈に全身を揺すぶられたり、気の遠くなるほど甘美な陶酔に浸るようになった。」

 矢部・森山の高校の音楽教師だった人は、元来プロのオーケストラでコントラバスを弾いていた。戦後、仕事がなくなり、故郷で音楽教師をしていたが、新しいオーケストラが出来たため、オーディションを受け、再びステージに立つことになった。

 2人は東北の田舎から、上京し、コンサートを聴いた。


 

「グルックのオペラ、オルフェイスの演奏会形式のコンサートだった・・・(中略)。メゾソプラノの北沢栄がエウリディーチェのアリアを歌った。冴えたメロディが胸に食い込み、稲妻となって何度も肺を貫いて走った。矢部は意識が消えそうになった。突然、涙がこぼれた。訳の分からぬ感情がふくれあがり、何もかもバラバラにしてしまった。涙は止まらない。アリアが終わって、やっと鎮静した。」




◆感想:これが、エロ本を書いている人の文章だと、誰が分かろう。

 

 ここまで読んで、私の方が涙をこぼしそうになった。

 何という見事な表現力。

 音楽を初めて聴いた時の感動を言葉で表現することは大変難しい。が、阿部牧郎氏の文章を読むと、何も音楽の素養がない少年が、本物の芸術に触れ、激しく魂を揺さぶられてゆく、その様子が手に取るように分かる。

 少し、想像力を働かせれば、これほどの教養と感受性と表現力の持ち主が、長年、官能小説を書いて食っていかなければならなかった、その心中は察するに余りある。

 普段、何を書いていようが、そんなことは関係なく、「それぞれの終楽章」は立派な、完成したスタイルを持つ、優れた文学作品である。

 人にはそれぞれ、事情がある。表面に現れている部分だけで、他人を分かったようなつもりになってはいけないのだ、ということを、私は、この本から、17年前に、学んだのである。


2003年11月28日(金) 「サマワは相当安定しているとの印象」と防衛長官」←異議あり。劣化ウラン弾による放射能に関する情報を隠している。
2002年11月28日(木) 正義という名の嫉妬

2004年11月27日(土) 人を感動させる音を出す楽器を作ることは、人を殺す武器を作るよりも遙かに難しい。

◆「シェエラザード」のコンサートマスター、ソロ。

 

 たまたま、テレビドラマ「海峡を渡るヴァイオリン」を見て、音楽、楽器について書きたくなった。

 リムスキー・コルサコフというロシアの作曲家の作品で、アラビアンナイトを素材にした、交響組曲「シェエラザード」というオーケストラ曲がある。

 女性への不信感から、初夜ののち、朝になると毎日女を殺す誓いを立てたシャリアールという乱暴な王がいた。

自分もついに夜を共にすることとなったシェエラザード王妃は、大変な美貌と知性の持ち主で、自らの命と、このままでは今後失われるであろう女性達の命を救うために、千一夜にわたって、シャリアール王に面白い話を聞かせる。

王はついに、心を改め、女性を殺す誓いを捨てる。めでたしめでたし。という話である。

 これを音楽にしようとするのはかなり大胆な発想である。無論音楽は文学的内容そのものを伝えることはできないが、雰囲気は表現できる。この話の文学的価値は、本稿では、とりあえず、どうでも良い。


 

 交響組曲「シェエラザード」は、大変楽しい曲であるが、この曲の演奏が成功するかどうかは、そのオーケストラのコンサートマスターのソロの出来にかかっている。曲の冒頭、ほんの数小節目で、コンサートマスターがソロで、シェエラザード妃のテーマを奏でる。このメロディーが実に、何というか、ヴァイオリンの本質を見事に生かし切っている。絶世の美女、シェエラザードが目に浮かぶような、華やかでいて、妖しい音色を出さなければならぬ。ここで聴衆の心をつかめるかどうかが、その日の「シェエラザード」の演奏を大きく左右する。 


◆管弦楽法=オーケストレーション

 リムスキー・コルサコフは元々ロシア海軍の軍人だったのだが、音楽への夢を捨てきれず、途中から、勉強しなおして、本当に作曲家になってしまった人である

 彼は音楽作品以外に、「管弦楽法」という大著を著した。

 「管弦楽法」は「オーケストレーション」の訳である。オーケストラのための音楽を作曲するためには、当然の前提条件として、楽典、和声、対位法、楽曲分析を完璧に理解していなければならない。

 そして、そればかりでなく、オーケストラを構成する、ピッコロ、フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン、トランペット、トロンボーン、テューバ、ティンパニ、その他パーカッション一群、ハープ、ピアノ、第一ヴァイオリン、第二ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、そして、人の声(バリトン、テノール、アルト、ソプラノ、それぞれソロと合唱では効果が異なる)全ての音域、楽器の特性(それぞれの楽器には、比較的得意とする音型、苦手な音型、演奏不可能な音型がある)、そして、勿論音色(同じ楽器でも高音域と低音域では音色が異なる)を理解して、自分が表現したい音楽を作るために、それぞれの楽器をどのように、用いるか、組み合わせるか、という作曲技術の一分野を、マスターしなければならぬ。これを、オーケストレーションと呼ぶのである。

 リムスキー・コルサコフは20世紀初頭のオーケストレーションの大家といっても差し支えない。昔の日本の作曲家、(既に故人となった、芥川也寸志(龍之介の息子です)、団伊玖磨、まだ、ご健在でゴジラのテーマで有名な伊福部昭、)は皆、コルサコフの「管弦楽法」を教科書にしたのである。


◆弦楽器の表現力の大きさを正しく認識することこそ、管弦楽法の第一歩である(リムスキー・コルサコフ)
 

彼は、自著、「管弦楽法」の中で、そのように書いている。

 この認識が正しいことは、素人の私でも分かる気がする。

 特に第一ヴァイオリンに名手がそろっていることは、一流オーケストラで、ただの一つの例外もない。

 他の楽器が下手でよいという意味ではない。無論、最低音部を支えるコントラバスも、内声部を充実させ、響きに厚みを持たせるヴィオラと第二ヴァイオリンも無くてはならないパートであるが、オーケストラの心臓部はファーストヴァイオリンである。

 ヴァイオリンという弦楽器の音には、理屈では説明出来ない、人の心を惑わす、妖しさ、ぞっとするほどの美しさ、魔力と表現したくなるような、不思議な要素がある。天下の名器、ストラディヴァリウスとかガルネリウスでなくても良い楽器は沢山ある。値段が高ければよいというものではない。


◆弾き手を選ぶ楽器

 

しかしながら、17世紀から18世紀にイタリア、クレモナでアントニオ・ストラディヴァリという人が作った一連の弦楽器、ストラディヴァリウスは、完全に別格である。

 私は、何人ものプロの音楽家の日記を読ませて頂いている。専門家の音楽に対する感性は、当然ながら、私のような知ったかぶりの素人がとうてい及ぶところではなく、大変興味深い。

 オーケストラで長い間ヴァイオリンをひいている人でも、ストラディヴァリウスを持っている人はいない。高すぎる。

 それに、これは、やはりソリストが使うべき楽器なのだ。

 それでも、ヴァイオリンに一生を捧げているからには、一度はストラディヴァリウスを手にして弾いてみたいと思うのがヴァイオリン弾きである。

 自分の楽器の整備などで、行きつけの弦楽器専門店に、あるときたまたま、ストラドがあったので弾かせて貰った、日本で一番上手いオーケストラに所属するヴァイオリニストは、大抵のことには驚かないが、ストラディヴァリウスには、驚嘆したと記している。

 面白いのは、下手な人だと鳴らせない(本来の音色を出せない)、少しでも音程を間違えると、全然音が鳴らない(全く音がしない、ということではない。良い音、遠くまで届くような浸透力のある音がでないという意味)のだが、音程が正しい限りに置いては、音の出しやすさ、弾きやすさが、通常の楽器とは桁違いで、「まるで、楽器が勝手に弾いてくれているようだった」と書かれていたことである。


◆現代科学をもってしても、解析不能

 

これだけ、科学が発達して、ヒトゲノムをとりあえず解読したとか、100億年以上の彼方の銀河の様子を観察出来るようになっても、ストラディヴァリウスが何故、これほど優れているのかは、いまだに解明されていない。 ストラディバリは空前絶後の大天才だったのである。


◆人を感動させる音を出す楽器を作ることは、人を殺す武器を作るよりも遙かに難しい。
 

 ストラディヴァリウスに匹敵する楽器を作ることは現代科学の粋を以てしても出来ないが、目標を自ら追いかけて撃墜するミサイルとか、一瞬にして、数十万人を殺すことができる原子爆弾は半世紀以上も前に完成し、ますます性能が向上している。

 人を傷つけ、命を奪う道具を武器といい、人を幸福にする美しい音を奏でる道具を楽器という。

 人を感動させ、幸福にすることは、人に危害を与え、不幸を与えることよりも、遙かに難しい、崇高な技術なのである。


2003年11月27日(木) 「高速道9342キロ全線整備・国交省方針」←小泉さん、何も改革されていないのですが・・・。
2002年11月27日(水) 心の病は身体の病である。

2004年11月26日(金) 「自衛隊が活動する所が『非戦闘地域』」←ならば、イラク全土に自衛隊を派遣したら、その瞬間にイラクから戦闘地域が無くなるのですね?

◆記事(資料):衆議院議事録(11月10日、党首討論)より、かの有名な小泉発言。

○岡田克也君  そこで、自衛隊のサマワにおける活動について、総理はサマワは非戦闘地域であると、こういうふうに言われました。非戦闘地域であるという、断言されたその根拠は何なんでしょうか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 根拠といえば、戦闘が行われていないということ、だからこそ非戦闘地域である。(発言する者あり)

○岡田克也君 じゃ、総理、お尋ねしますが、お尋ねしますが、その議論の前提としてイラク特措法における非戦闘地域の定義を言ってください。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) イラク特措法に関して言えと、法律上、いうことになればですね、自衛隊が活動している地域は非戦闘地域なんです。(発言する者あり)

○岡田克也君 私が申し上げたのは、イラク特措法における非戦闘地域の定義を言ってくれと言ったんです。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは定義は、それは文書を持ってくればすぐ言えますよ。(JIRO注:「非戦闘地域」定義ぐらい、総理たる者、紙など見なくても云えるようにしておくべきだ)党首討論ですから、考え方を言っているんです。私は、特措法というのは、自衛隊が活動する地域は非戦闘地域である、これがイラク特措法の趣旨なんです。(発言する者あり)

○会長(北澤俊美君) 御静粛にお願いします。御静粛にお願いします。

○岡田克也君 総理、この問題は私、いつか官邸で一度総理に申し上げたことあるんですよ。非戦闘地域の定義は、現に戦闘行為が行われておらず、ここまではいいですね、かつそこで実施される活動の期間を通じて、つまり一年間です、戦闘行為が行われることがないと認められる地域なんです。

ですから、私が総理に聞いたのは、これから一年間サマワにおいて戦闘行為が行われないと、そういうふうに言う根拠は何ですかと聞いているわけです。どうですか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、将来のことを一〇〇%見通すことはできません。非戦闘地域でなくなった場合には、これは自衛隊は特措法に基づいて撤退しなきゃならない。しかし、特措法についての定義上何かと問われたから、自衛隊の活動している地域は非戦闘地域である。これは法律の趣旨なんです。将来、組織的、計画的、継続的に戦闘が行われるかどうか、これは将来、はっきり一〇〇%、いつどうなるかというのをこの際断言することはできません。しかし、はっきり申し上げますが、自衛隊が活動している地域は非戦闘地域、これがイラク特措法の趣旨なんです。

○岡田克也君 まあ、まともに議論する気がだんだんなくなっていくんですが、総理、このイラク特措法の中で、非戦闘地域についてあえて、あえて将来戦闘行為が行われることがないと認められる地域と、こういうふうに書き込んだのは非常に重い意味があるんですよ。そして、この定義は政府がお作りになったんですよ、総理がお作りになったんですよ。先ほど総理は、今戦闘行為が行われていないと言われましたが、しかし本当にこれから一年間、新たに自衛隊が十二月十四日以降派遣されて一年間戦闘行為が行われないという説明できなかったじゃないですか。そうであれば、やっぱりこれは非戦闘地域と言えないんです、法律上。言えないんですよ。だから、私たちは自衛隊をサマワに引き続き送ることに対して法律上の問題がある。そして、この法律のここのところは憲法につながる話ですから、憲法上の疑義もある。そのことを申し上げているわけです。


◆コメント:それでは、日本中の自衛隊をイラク全土に派遣したら、戦闘地域はなくなる。名案ですね。総理。

 

毒をもって毒を制すれば、このような揚げ足取りになる。まるで、「一休さん」か「彦一とんち話」である。

 しかし、ふざけている場合ではない。自衛官は、早く引き上げるべきだ。

 自衛隊のサマワの宿営地はなんと東京ドームが16個も入るほどの広さだという。早く片づけはじめないと、撤収作業中に死人がでる。

 サマワから、全員一度に飛行機で避難することはできず、陸路、クウェートへ一旦引き揚げなければならないのだ。

 そして、これは、一般国民には絶対に漏れないようにということで、隠蔽されているが、クウェートからサマワまで、自衛隊の物資を運んだのは日本の民間の運送業者なのだ。彼らは、まだ、現地にいる。引き上げる時にまた、運搬を担当しなければならないからである。こういう重大なことを隠しておくのは言語道断である。


◆小泉首相はMRIの検査を受けてはどうか。

 

 小泉首相というのは、論理的合理的思考ができず、他人の生命の危機を何とも感じない、脳の器質的欠陥があるのではないか、と本気で思えてくる。

 一度、MRIとfMRIを撮ってみた方がいい。常人とは脳の活動部位が異なることが発見されそうな気がする。

 或いは、彼は、日本を滅亡させるためにアメリカから送り込まれたエージェントなのではないか、と、疑いたくなる(イギリスの諜報機関の高官が、何十年も旧ソ連のスパイで、機密情報を全部漏らしていた、という歴史的事実が実際にある。)

 というのも、またもや、驚くべき決定が閣議でなされたからである。

 ただでさえ、崩壊状態にある義務教育に対する国庫負担金を8500億円削減するという。

 これは国民を馬鹿にして、統治しやすくしようとする超長期的国家的陰謀ではないかとさえ思える。

 公立小中学校の教師に優れた人材が集まらないのは、仕事の重要性に照らし、給料が安すぎるからだ。それをもっと、減らすというのは、正気の沙汰とはおもわれない。

 お前の住んでいるところの学校が特にひどいのだろう、という反論もおありだろうが、つい先日、私の住んでいる市は、日本で一番行政サービスが良い。というアンケートだか、調査結果が出たことを申し添えておく。

 教育が崩壊しているとはは、どんな状態か、キリがないので、一つだけ例をあげる。

 親のしつけもあろうが、学校で授業がまともに行われていない。何しろ授業中に生徒が、先生に何の断りもなく、教室から抜け出して、廊下をふらふら歩いている。トイレに行きたいわけでもない。単に、授業に興味が沸かないのと、それを我慢する忍耐力が無いのである。それを教師も、既に諦めてしまっていて、ロクに注意をしないのである。もう、無茶苦茶。このままだと、間違いなく日本は滅びる。


◆おとなが、社会のルールを守らないのだから、子供に偉そうに云えない。

 

 上に引用した党首討論で、民主党の岡田代表が正確に述べているとおり、イラク復興支援特別措置法において、自衛隊が活動して良い非戦闘地域のは、「現に戦闘行為が行われておらず、かつそこで実施される活動の期間を通じて、つまり一年間です、戦闘行為が行われることがないと認められる地域」なのである。

 これは、国権の最高機関である国会に置いて、多数党である自民党が強行採決して、法律として成立させたものである。

 行政権は内閣に属し(日本国憲法第65条)、行政府たる内閣は法律にのっとって行動しなければならない。

 行政府が、勝手に法律を変えたり、あるいは、曲解したり、過度の拡大解釈をしては、法律を作る意味がない。

 つまり、日本は法治国家ではなくなるのである。

 小泉首相の「非戦闘地域とは、自衛隊が活動する場所だ」という発言は、既に、イラク復興支援特別措置法に違反している。

 首相自身、将来、サマワが安全か予想できるわけがない、と認めている。

 そう。つまりイラク復興支援特別措置法自体が無茶な法律で、現実にイラク全土が今後1年間安全などと云える状況ではなくなっている今、イラク復興支援特別措置法は廃案にして、イラクにいる自衛隊は引き上げるのが、論理的に考えて正しい政策である。

 昨日の日経の紙面では、回答者の61%が「自邸隊は撤退すべきである」と答えたのを読んで、少し安心したが、11月24日号のフライデー(この雑誌、割とまともで、一般紙に載らないような記事を載せている)によれば、小泉首相は自衛官の死者が20人にならない限り撤収しない」、と周囲に漏らしたことがある、という官邸筋の情報を載せている。


◆行政権は内閣に属する

 

 この国の行政権は内閣に属するのであり(日本国憲法第65条)、内閣総理大臣に属するのではない。

 アメリカは大統領個人に属する。小泉首相は自分を大統領と勘違いしているのではないか。

 自分一人の判断でイラク復興支援特別措置法をねじ曲げて解釈することは、憲法の規定に違反しているのである。

 日本国とは、内閣総理大臣が、国権の最高機関で、しかも自ら率いる政党が作った法律をいとも簡単に破る国になってしまったのである。

 首相だけではない。有価証券報告者に虚偽の記載をして、上場取り消しとなった、西武鉄道、カネボウ。

 国土交通省に報告すべき、車の構造上の欠陥を隠して、次々に欠陥車の事故で人を死なせている、三菱自動車。

 みな、法律というルールを破っている。最早、法治国家とは言えない。

 大人が平気で人の命に関わる事柄で、ウソをついたり、ルールを無視したりしているのに、子供にルールを守りなさいといっても、それは、言うことを聞かないだろうさ。


2003年11月26日(水) <自衛隊イラク派遣>「状況を見極めて判断」小泉首相←人間が何かするときは大抵「状況を見極めて判断」するのではないでしょうか?
2002年11月26日(火) 「暴力酔客」は即告訴、JR東日本が方針。 大いに結構。

2004年11月25日(木) 「再処理政策継続の中間報告 15日に地元に伝達 」 再処理工場は原発より、危険なのです

◆記事:再処理政策継続の中間報告 15日に地元に伝達

 

 原子力政策の基本となる原子力長期計画を改定中の原子力委員会新計画策定会議(議長・近藤駿介原子力委員長)は12日、原発の使用済み燃料を再処理する現行の核燃料サイクル政策を基本方針とする中間報告を取りまとめた。

 国は15日に関係閣僚からなる核燃料サイクル協議会を開き、青森県の三村申吾知事に政策継続の方針を伝える。同政策の中核施設である同県六ケ所村にある日本原燃の再処理工場がウランを使った試験開始に向け動きだす。

 ただ、再処理によって大量に抽出されるプルトニウムを、計画が遅れているプルサーマルや高速増殖炉で消費しきれるのかなど、今後の課題も残った。

 中間取りまとめによると、循環型社会の追求やエネルギー安全保障などの観点から総合的に優れる再処理政策を基本方針とする。(共同通信) - 11月12日20時42分更新


◆コメント:核燃料について、勉強しました。核燃料再処理というのは、怖いみたいです。

 

 原子力発電所も火力発電所も、圧力をかけた蒸気をタービン(スクリュー、みたいなものですな。巨大な風車といってもいい)に吹き付けて、それによってタービンが回転して、発電機の動力となり、電気が発生し、そのおかげで、私達は、こうして明かりがついている部屋で、パソコンやインターネットを使うことが出来るわけです。

 まことに有難い。

 電気なんていうものは、点いているのが当たり前になっているから、つい、忘れるけれども、365日、24時間、発電所で施設を管理、保守、点検、整備してくれる人がいることを忘れてはなりません。

 それが彼らの仕事だから当たり前というのは、短慮ですね。かのアインシュタインの言葉にこういうのがあります。

 


「私は、自分の肉体的・精神的存在のほぼ全てが、他人の労働の上に成り立っていることを、1日に100回は自らに、言い聞かせる。」


◆原発のメリット:地球温暖化対策

 

 火力発電は、石油とか石炭などの化石燃料を燃やす過程で、「温室効果ガス」の代表格である、二酸化炭素を大量に発生させるのです。

 私の日記で過去何度も取り上げましたが、地球温暖化が進むと、水面上昇、異常気象の増加(今年なんか、明らかに変でしょう?5月から、台風が来て、上陸した数は過去最高です)、氷河が溶けることによる、内陸部の人の水不足(氷河は真水の塊。貴重な水資源)、氷河の中に、何十万年も前に閉じこめられた、人間がまだ知らないウィルスや最近が存在するので、変な伝染病が流行るかもしれない。と、いろいろあるのです(最近では、11月9日の日記に書きましたから、ご参照下さい。

 原発には、それがない。というのが、確かにメリットなのです。日本の電気の30%ぐらいは、現在、既に、原発から供給されています。これを全部火力に戻そうとすると、京都議定書なんて、とうてい守れません。

 また、石油は日本で取れないので、中東に大きく依存することになり、中東紛争が起きた時に、「日本は参加しなくていいのか!」という人たちを喜ばせますね。あまり化石燃料に依存しない方がいい。ところが残念ながら、原発には放射能の恐怖が常につきまといます。


◆原発のデメリット:使用済み核燃料からも、放射能が出るのです。

 

 木を燃やしたり、石炭を燃やしたりしたら、後にのこるのは、灰だけですよね。水も出るか・・。兎に角危険なものはない。

 ところが原子炉で使うウランというのは、そう言う単純なものではないのですね。原子力発電所では、原子炉でウランの核分裂反応させ、その熱を利用する。ウランが、石炭のように灰になって、放射能を出さないものに変わってくれればよいのですが、そうではない。

 しばしば、原発の中で、大きなプールのようなところに使用済み核燃料が浸かってますが、あれを空気中に出したら大変なのです。人間が即死するぐらいの放射能が出ている。死の灰というのは、この、使用済み核燃料のことなのですね。

 使用済み核燃料は、猛烈に危険な放射能を発しているのですが、その中から、燃え残りのウランや、核分裂によって新たに生じたプルトニウムが混じっているのです。


◆使用済み核燃料から、ウランやプルトニウムを取り出す施設を「再処理工場」というのです

 

 この、燃えかすに混じった使用済み核燃料から、ウランやプルトニウムを取り出して、もう一度使えるようにするプロセスを「再処理」といい、その施設を「再処理工場」というわけですね。取り出しに成功したら、それをもう一度燃料として使う。この一連の流れを核燃料サイクルというわけです。

 引用した記事によれば、国は、この「核燃料サイクル」計画を推進することにしたというのです。

 ところが、「再処理」自体が非常に危険な、作業なのです。

 使用済み核燃料は、まだ、高温を発しているので、3年〜4年ぐらい水の中で冷やします。青森県六ヶ所村の再処理工場ですね。具体的には。ここまで運んで、プールで冷やすのです。

 その後、ジルコニウムという金属のカバーに詰められている使用済み核燃料を、そのカバーごと細かく剪断(せんだん)するのです。

 ここが、問題です。この過程においては、どうしても、使用済み核燃料が空気に触れるのです。この、ほんの最初の段階で、すでに危険なわけです。

 そのあと、使用済み核燃料は、溶解漕というステンレスの容器のなかで、硝酸で溶かすのですが、この溶解漕から、死の灰が漏れたり、溶解漕自体がぶっ壊れて、中身が流れ出したという例が東海村でも、フランスでも起きている。

 つまり、核燃料の再処理というのは、事故がなくても、放射能をまき散らすことになってしまうのです。

 完全に放射能を封じ込めたまま、プルトニウムを取り出すという技術を、人間は持っていないのです。

 燃料がむき出しになるわけですから、原発よりも、再処理工場の方がもっと危険なのですね。

 フランスなどはプルトニウムを使用済み核燃料から抽出するのを断念したようです。

 再処理しないなら、捨てるしかないわけで、ガラスで固めて深海に捨てるわけですね。もっとも再処理工場からも、まだ、「高レベル放射性廃棄物」という「死の灰」が出るのです。これらも、ガラスに混ぜて固めて、深海に埋めるというのですが、要するに、たまる一方。ウランの放射能の半減期はU-235が7億年、U-238が45億年です。


◆再処理工場はやめておいた方が良いと思います。

 

 すぐ、核分裂に取って代わるだけのエネルギーを発生させることができる方法がないので、原発自体は仕方がないと思うのです。

 ところが、調べれば、調べるほど、再処理施設は危険なことがわかってきました。実際、イギリスやフランスの再処理工場の周囲では、民家の掃除機の埃を調べたらプルトニウムが混ざっていた(いままで、書き忘れていましたが、プルトニウムで原爆がつくれるのですよ)、とか、子供の白血病が増えているとか言われています。

 統計を見たわけではないので、厳密にいえば、私がここで因果関係を断定することは出来ませんが、可能性はかなり高い。

 CO2による地球温暖化も困るが、再処理工場で事故が起きたら、原爆が落ちたのと同じような影響をもたらすのですから、これも大変怖い。

 今のところ代替エネルギーであまり見所のあるものはない。仕方がない。原発存続、しかし、再処理は不可。使用済み燃料の安全な捨て方を専門家によく考えて頂くしかないのです。



◆リンク

 

 日記才人にご登録のhasep様が、じぶん更新日記の中で、私の11月20日付の日記を取り上げて下さいました。

 篤く御礼申し上げます。


2003年11月25日(火) 「私は今でも私が取った政策は正しいと信じている」(小泉首相)←そりゃ、そうでしょうね・・・。
2002年11月25日(月) 毎日、食べ物がある、有難さ。東京-平壌1293km。

2004年11月24日(水) 「北朝鮮元工作員 安明進氏『横田めぐみさんは生きている』」 マスコミが騒がないのは何故かな?

◆記事:北朝鮮元工作員 安明進氏「横田めぐみさんは生きている」(毎日新聞の取材に答えて)

 

 北朝鮮の元工作員、安明進(アンミョンジン)氏(36)=93年韓国亡命=が、平壌で開かれた日朝実務者協議に関連し、毎日新聞のインタビューに応じた。安氏は北朝鮮から「遺骨」など多くの「証拠」が提供された拉致被害者の横田めぐみさん(行方不明時13歳)について「生きている。夫は日本人」との見方を示した。

 安氏はこれまでに、めぐみさんが88〜92年ごろ工作員養成機関の金正日(キムジョンイル)政治軍事大学で日本語教官をしていたと証言。今回提供されためぐみさんの写真のうち1枚は、同大学敷地内で撮影されたと推測している。

 北朝鮮側は、めぐみさんの遺体を2年半後に掘り返し火葬したと説明したが、安氏は「男性社会の北朝鮮で妻の墓を移動するのは考えにくい」と疑問視し、骨が高温で焼かれた点を「個人では高温で焼く施設は使えない。国が別人の骨を施設で焼き、鑑定不能にした」とみている。

 夫とされる人物が特殊機関勤務を理由に写真撮影などを拒んだ点は「国交正常化したい北朝鮮は、一工作員の活動より国の方針を優先するはず。応じなかったのは別人だから」と話し、実際の夫は「元在日朝鮮人や現地の人とは考えにくい。日本人拉致被害者の可能性が高い」と語った。

 また、めぐみさん以外の被害者にかかわる証拠の大部分は「焼却し残っていない」という説明には「工作機関は20年、30年後に再び資料を使うことを考えるので、処分したりしない」と述べた。(毎日新聞) - 11月24日10時39分更新


◆コメント:そもそも、安明進氏が書いた本が、拉致問題を暴いたのだ。

 

 安明進氏は、脱北した元北朝鮮特殊工作員で、日本人拉致をする側にいた、人物である。

 工作員として訓練を受けていくなかで、自由世界の情報を細かく知り、自分のやっていることが恐ろしくなって、韓国に亡命したのである。

 この人物が、「横田めぐみさんを1988年に見た」とはっきり証言したことから、日本は拉致問題に取り組まざるを得なくなった、といって良い。単行本では、1998年に出版された、北朝鮮拉致工作員の中で、著者が実際に彼女を見た時の様子が詳細に述べられている。その他、北朝鮮の特殊工作員がどれほど、無茶苦茶と形容するしかないほどのハードな訓練を受けて、どのようなことを教えられているかを知ることができるこれは、貴重な本である。

 安明進氏は、昨年、横田めぐみは生きているという本をわざわざ書いたぐらいで、読んでみると分かるが、単に小遣い稼ぎの為に書いたのではない。私がそう判断する理由は後述する。

 先日の日朝実務者協議で、北朝鮮は真っ黒に焦げた骨を出してきて、「めぐみさんは死亡した」というので、毎日新聞が、安明進氏に、はっきり言えば、殺された可能性があると思うかどうか、韓国の安明進氏を訪ねた訳であるが、記事にあるとおり、極めて明確に、死んだ可能性を否定している。


 

 北朝鮮拉致工作員を読むとわかるが、横田めぐみさんは、北朝鮮の高官の子弟(一説によれば、高官どころか、金正日の子供たち)に日本語を教える立場にあり、つまり、非常に地位が高い人物なのであり、殺すなど、とんでもない、というのが、安明進氏の主張の根拠となっている。

 多分、彼は、本には書けないけれども、横田めぐみさんが生きていることに関して、もっと確かな証拠を握っているのであろうが、それが、日本の新聞経由で、北に流れるとまずいので、話していないか、或いは、話したが、毎日新聞の判断で、伏せているのだろう。

 「北朝鮮拉致工作員」を読むと、拉致された日本人がどのような仕事をさせられ、どこに住んでいるのか、まで書いてあり、作り話にしては、詳細に過ぎる。

 それにしても、横田めぐみさんが生きていると、元北朝鮮特殊工作員がはっきりと証言した、と毎日新聞が伝えても、政府も、他のマスコミも全然無反応なのは、一体どうしたことか?不思議におもいませんか?


◆拉致問題をうやむやにしようとする、日朝両政府の非人道性

 

 11月21日(日)に書いたが、日本政府と北朝鮮は、「横田、有本、増元の3家族を諦めさせることが出来れば、拉致問題は片づく」と考え、さっさと決着をつけたいのであろう。

 そこに、「横田めぐみさんが生きている」という証言が信憑性が高い筋からもたらされたことを迷惑におもっていて、スクープした毎日新聞以外のマスコミ各社に対して、「この話には触れないように」圧力を掛けていることが容易に想像できる。

 日本政府が、本当に、本気で、どんなことをしても横田めぐみさんを助けよう、と考えているのであれば、「本当か?もっと詳しく教えてくれ!」と今日中にでも外務省の役人が韓国の安明進氏のところへ飛んでいくべきではないだろうか。

 拉致問題についての、政府の誠意のない、わざと問題解決を遅らせているのでは?と疑問を抱かざるを得ない対応をみていると、「やはり、残りの拉致被害者は北の言う通り、亡くなっていた」で、この問題を終わらせようとしているのだと見なされても仕方がない。

 小泉首相も与党の奴らも、外務省の役人も、血も涙もない人非人だ。


 

 それにひきかえ、横田めぐみさんのご両親は、本当に立派だ。安明進氏の本が出版された後、ご夫妻は彼に会いにいった。

 安明進氏は今は、すっかり自由世界の人間となっており、金正日体制の崩壊を望んでいるのだが、かつて、拉致工作員であった、という過去は消えない。

 当然、横田夫妻からも激しい怒りをぶつけられると観念していたのだが、めぐみさんの母君から、

 「貴方(安氏)も、ご家族を北に残して来られて、さぞ、お辛いでしょうね」と、思いがけぬ慈悲深い言葉をかけられ、一瞬、唖然としたあと、号泣したという。

 私が安明進氏の証言が口から出任せではない、と考える理由はそこにある。

 彼はめぐみさんに助かって欲しいとおもっているのだ。

 ところが肝心の日本の政治家、役人には「気合い」が感じられない。情けない話だ。


2003年11月24日(月) 自衛隊はイラクへ派遣できない。

2004年11月23日(火) 「社説:大義なき戦争の歴史的評価を恐れよ」(毎日新聞) 言い出すのが遅いが、趣旨は概ね正しい

◆記事:「大義なき戦争の歴史的評価を恐れよ」(本日付毎日新聞社説)

イラク・サマワに派遣されている自衛隊の目的はイラクの「復興支援」が建前だが、本音は「同盟国・米国支援」である。

 自衛隊はイラク南部の比較的安全な地帯に閉じこもり、武装勢力の攻撃に神経をぴりぴりさせているのが実態だ。

 アーミテージ米国務副長官の「ブーツ・オン・ザ・グラウンド」(地上部隊を出せ)などの発言がなければ、そもそも自衛隊派遣はなかったかもしれない。

 つまり、日本政府は「復興支援」とはいいながらも、イラクよりは米国を向いているのが本音だ。

 そして、日本と同様に、イラク戦争参加の多くの政府が対米関係重視から軍派遣を決めている。

 しかも、イラク戦争反対の国内意見が多数で、各国政府は国内世論と対米関係の微妙なバランスをとるのに苦慮している。

 結局、ブッシュ米政権の主張に全面賛成し、イラク戦争に積極参加したのは英豪など少数だった。

 日本はこの「有志連合」に建前では入っていない。日本の参加は「戦闘支援」ではなく、「復興支援」という立場だったからだ。

 「復興支援」ということで、「戦争放棄」を定めた憲法9条の制約も逃れた形となっている。

 しかし、実際には日本は「有志連合」に入り、「米主導のイラク戦争に参加した」と、広く世界では受けとられている。

 だから、日本は武装勢力の攻撃対象となり、すでに犠牲者がでているほか、今後、自衛隊関係者が狙われる可能性もある。

 イラク戦争の現状は厳しい。泥沼化といっていいかもしれない。 そして、最大の問題は、この戦争が歴史的に肯定的に評価される可能性が少ないことにある。

 つまり、のちに、日本は誤った戦争に自衛隊を送ったと総括されかねない状況にある。

 現実に、戦争の理由だった大量破壊兵器は発見されず、フセイン政権と国際テロ組織「アルカイダ」との関係も証明されていない。

 現在米国が主張している独裁政権打倒や中東民主化のための戦争という理論には日本はもともと賛同していない。

 戦略的に重要な国である米国との関係を損ないたくないという小泉政権の自衛隊派遣は短期的には正しい決定かもしれない。

 しかし、歴史的には日本は「大義なき戦争」に参加したとの評価につながる可能性を秘める。

 第一次大戦後、英国はインド・中東の権益を守るため、強引にイラク国家を樹立させたが、反英暴動からアラブ民族主義が吹き荒れ、とどのつまり、フセイン独裁政治へと突き進んだ。イラク近代史は現在の混乱と二重写しとなってよみがえる。

 歴史に残るような誤りに日本は関与すべきではない。誤りを正すのに躊躇(ちゅうちょ)するなかれ。自衛隊の速やかな撤退を考えるべきだ。(毎日新聞 2004年11月23日 東京朝刊)


◆コメント:「『大義なきなき戦争』に参加したとの評価につながる可能性を秘める」は間違い。既に、そう評価されている。

 

 本日付の毎日新聞の社説をまるまる引用した。

 最初にテクニカルなことに触れておく。

 私が毎回、元となる情報を、blogでやるようにリンクしないで、原則として直接引用するのは、新聞記事にリンクしてもせいぜい数ヶ月で、削除されてしまうからである。

 毎日新聞の社説は、現在、9月1日から今日までの社説はバックナンバーとして読むことができるが、それ以前のものは削除されている。

 一般の記事、特にYahoo!Newsなどポータルサイトのニュースサービスの記事はせいぜい1週間で削除される。私が原則として新聞記事にリンクしないのは、そのためである。


 

 さて、本論である。毎日新聞が本日付の社説で述べていることは、概ね正しい。人道復興支援は建前で、本音は米国支援である。と断言している。

 私自身、過去にここで何回そう書いたか分からないし、常識と、普通の知能がある日本人なら、そんなことは誰でも、わかる。

 ところが、大手新聞の社説で、それを言い切った例は、なかなか、無いのである。真っ向から政府を批判するわけであるから、新聞社として取材を規制されるとか、要するに国に睨まれる危険があるということなのだろう。それにもかかわらず、書いたという決断は、評価するといいたいところだが、いささか、遅きに失した。


 

 新聞は、時の政権の政策の誤りを指弾するのが、その重要な任務である。

 国家権力が怖くて、御用新聞、大本営発表の宣伝機関になる新聞なら、ない方がマシだ。

 その意味では、何故もっと早くから、継続的に、自衛隊イラク派遣反対、イラク撤兵のキャンペーンを張る新聞がでないのか、不満だった。今もまだ、手ぬるいと思う。

 新聞は、事実を正確に伝えるとともに、正しい物の考え方を、読者に示す役割をも担っている。
 この社説に、「戦略的に重要な国である米国との関係を損ないたくないという小泉政権の自衛隊派遣は短期的には正しい決定かもしれない。」という一節があるが、それは違う。

 国際社会は、国際法をルールとしている。米国のイラク攻撃はこのルールを破った。違法行為である。

 いくら同盟国であろうが、違法行為を行った国の支援をするために、こともあろうに、日本を防衛するための最小限の実力であるところの自衛隊を、イラクに派遣するという決定は、短期であろうが、長期であろうが、日本政府の間違った判断である。


 

また、「歴史に残るような誤りに日本は関与すべきではない」という一節がある。
 今頃何を言っている。既に、十分、関与しているではないか。少なくともイラク人の多くは、そう考えている。
 ところが、日本政府はなんとか、イラクへの自衛隊派遣延長を正当化する材料を作らなければならない。そこで、つぎのようなプロパガンダ記事が、読売新聞に載っていた。


 

◆自衛隊の支援継続、イラク外相が町村外相に要請(読売新聞) - 11月23日3時8分更新
 【シャルムエルシェイク(エジプト東部)=尾山宏】町村外相は22日昼(日本時間同日夜)、シャルムエルシェイクのホテルで、イラク暫定政府のゼバリ外相と会談した。
 ゼバリ外相は「サマワにいる自衛隊はすばらしい働きをしている。日本がイラク国民とともにあるというシンボルであり、政治プロセスが完了するまで自衛隊にはイラクにとどまってほしい」と述べ、少なくとも来年末の本格政権発足までは、自衛隊による復興支援を継続してほしいと要請した。

 これに対し、町村外相は「国内で論議しているが最終的な結論には至っていない。困難なときに助けるのが真の友であり、今後とも支援を続けていきたい」と述べた。



 

これを文字通り受け止める人はかなり、人がよいか、思慮が足りない人である。

 今のイラク暫定政権は、アメリカのロボット政権である。アメリカの言うことには逆らえない。

 そこで、自衛隊派遣期間の延長に対する国内、与党内の反対論に困っている小泉首相がブッシュに、「イラクの外相に、『自衛隊駐屯の継続を希望する』と言うように、命じてくれ」と頼む。

 アメリカは忠犬ハチ公なみに従順な日本の首相のたっての頼みに、よしよし、いいだろう、というわけで、「マチムラという日本の外務大臣がお前のところに来たら、自衛隊に居続けてくれ、と云え」。

 イラク暫定政府「かしこまりました」となる。あまりにも見え透いている。


◆小泉首相は、自衛官に犠牲者が出ても撤退するつもりはない。

 

 毎日新聞が先週からイラク派遣期間延長を前に特集を組んでいる。

 冒頭に述べた原則に早くも反しているが、全ての文章を引用するとあまりにも長いので、ここは、リンクを貼らせて頂く。

 保存しておきたいと思ったら、紙2001か、WeBoXなどを用いて、ページを保存しておかれると良いだろう。

  迫る「12・14」イラク派遣延長問題/1「もう一つの9条」に首相直面迫る「12・14」イラク派遣延長問題/2「存在」が最大の目的に迫る「12・14」イラク派遣延長問題/3 3種類の「延長幅」という、3本の記事である。

 かなり生々しい、官邸や防衛庁内部から取った情報が載っている。

 これを読むと、如何に、現在の日本政府が、ということはつまり小泉首相には、「アメリカ追従」という目標しか頭にないかが、わかる。涙がでるほど、情けない。

 いくつか、重要な意味を持つ部分を以下に記す。



◆「10月のデータを見てもイラクでは銃器を使った襲撃事件が週に500件以上起きている。これはもはや犯罪というレベルではない。戦闘状態としか表現できない」。首相官邸関係者ですら、そう口にする。

◆陸上自衛隊の幹部は「派遣時に出口を決めておくべきだった。政府内での出口戦略の議論に参加したこともあるが、結局、結論は出なかった」と戦略不足を率直に認める。

任務の終了はいつ訪れるのか。それが見えないまま、第4次派遣隊の約500人が今月中に順次、サマワに入り、第3次隊と交代する。

◆外務省内ではこんな「うわさ」も流れている。「米大統領選の後、首相が森派の幹部に『もしケリー(民主党候補)が勝ったら、自衛隊を引いたかもしれない』と打ち明けたそうだ」。しかし、ブッシュ大統領が再選された今、もはや仮定の話は成り立たない。首相官邸筋は「延長しなかったら、ブッシュは烈火のごとく怒りますよ」と撤退論をはねつける。


 

 特に最後の外務省内の噂は聞き捨てならない。小泉首相はケリーが大統領になったら、自衛隊を撤退させたかも知れないと森派の幹部に打ち明けたそうだ・・・。

 裸の王様の寓話と一緒で、本当は皆、知っている。

 小泉首相にとって、国際社会に貢献することなど、本当はどうでも良く、ブッシュの意向に如何にして沿うか、が至上課題なのだ。

 しかし、ここまでひどいとは・・・・。個人の私欲のために、数百人の自衛官の生命を危険に晒すことが、許される筈がない。

 何せ、アメリカ国民は、ブッシュに対して「イラク戦争は正しかった」というメッセージを送ってしまった(ただし、49%のアメリカ人は、イラク戦争は間違っていることを知っている)。

 ブッシュの次の狙いはイランだろう。そして、小泉君が内閣総理大臣の地位にいるかぎり、どこまでもアメリカに尻尾を振って付いていくだろう。

 それを防ぐのは、世論である。小泉政権は、米国支持を打ち出すと、支持率がどんどん下がるという現象を作ることだ。それは次の選挙では、必ず自民党が負けることを意味する。そうなったら、自民党が放っておかない。

 日頃から、首相官邸に抗議をする人が増えると効果的だ。一回やれば慣れる。


 11月18日の日記で首相官邸ホームページの「ご意見箱」に抗議の投書をした、と書いた。
 昨日、返事が返ってきた。といっても、いつも同じだが・・・。



 

 小泉総理大臣あてにメールをお送りいただきありがとうございました。いただいたご意見等は、今後の政策立案や執務上の参考とさせていただきます。
 皆様から非常にたくさんのメールをいただいておりますが、内閣官房の職員がご意見等を整理し、総理大臣に報告します。あわせて外務省、外務省、内閣官房安全保障危機管理担当、防衛庁へも送付します。

 今後とも、メールを送信される場合は官邸ホームページの「ご意見募集」からお願いします。(内閣官房 官邸メール担当)



2003年11月23日(日) 小泉君が平然としている理由=100人の専門家から成る「警視庁総理大臣官邸警備隊」の存在など。

2004年11月22日(月) 「集団的自衛権の行使容認、自民が憲法改正大綱原案」そんなに戦争がしたいですか?

◆記事:集団的自衛権の行使容認、自民が憲法改正大綱原案(11月17日)

 

 自民党憲法調査会(保岡興治会長)がまとめた憲法改正大綱の原案が16日、明らかになった。

 安全保障では、「自衛軍」を設置し、集団的自衛権の行使や国際貢献活動における武力行使を認めているのが特徴だ。
 主要政党の中で、憲法改正の包括的な案をまとめたのは今回の自民党が初めて。同党はさらに議論を進め、来年11月に憲法改正草案を決定する方針で、与野党の改憲論議は加速しそうだ。

 大綱の原案は、今年1月に始まった同調査会の論議を基に、調査会幹部がまとめた。前文のたたき台となる「基本的考え方」のほか、「総則」から「改正」まで9章からなる。

 現憲法にはない総則では、憲法の3原則として、国民主権と基本的人権の尊重、「積極的に国際平和の実現に寄与する」とした「新たな平和主義」を明記した。さらに「国旗は日章旗、国歌は君が代とする」との内容を盛り込んだ。

 憲法9条に代わり、「平和主義」の章で、戦争放棄と非核3原則を盛り込み、「国家緊急事態及び自衛軍」で、具体的に〈1〉個別的、集団的自衛権を行使するための必要最小限度の戦力を保持する自衛軍を設置する〈2〉自衛軍は、国際貢献のため、武力行使を伴う活動をも任務とする――と定めている。


◆コメント:自民党は、どうしてそんなに日本を戦争が出来る国にしたいのですか?

 

 「主要政党の中で、包括的な改憲案をまとめたのは、今回の自民党が初めて」だそうだが、早ければ良い、というものではありませんね。

 憲法ですよ。日本国の最高法規ですよ。こういう仕事を拙速というのです。

 第一、憲法前文はどうするのか書かれていないではないですか。

 憲法前文には憲法の基本的な思想が要約されているのですから、それを書かずに、いきなり各則をまとめても、「何故、集団的自衛権を認めることに変更するのか」が分かりません。

 今の憲法前文は、立派ですよ。 


 

日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。


 一番重要なのは「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。」というくだりです。平和を維持するという努力を通じて、国際社会で、名誉ある地位を占めたい、と宣言しているのです。
 そして、第9条では、国際紛争を解決する手段として、戦争、武力による威嚇、武力による行使は永久にこれを放棄する、と言い切っている。

 これをまとめると、日本は、武力を使わないで、世界平和に貢献し、名誉ある地位を占めたいと思う、ということになります。非常に崇高です。世界でこんな憲法持っているところはない。


◆日本の平和憲法は、世界的既成事実

 

 1999年5月、オランダのハーグ(正しくは、デン・ハーグですね)で開催されたされたハーグ平和アピールの最終日に、「公正な世界秩序のための10の基本原則」が発表されました。

 そしてその、第1原則は「各国議会は、日本国憲法第9条のような、政府が戦争をすることを禁止する決議を採択すべきである」と謳っているのです。 

 実際に、日本の憲法9条、戦争放棄は海外でも有名なのです。イラク戦争が始まってから、私は面倒だけれども、色々な国、の英語の記事を読みましたが、BBCも、クウェート国営放送も、Voice of Americaも、The Economistも、その他、皆、「日本は憲法により、武力を行使することを禁じられている」と書いていました。

 日本が武力行使が出来ないと言うことは、最早、既成事実として国際世論に定着しているのです。


◆わざわざ、戦争をする国になることに、意義が認められない。

 

 しかし、集団的自衛権を認めるとか、海外での自衛隊の武力行使を認める、という改憲案は、その対極にある考え方でしょう。

 集団的自衛権というのは、「日本が武力行使を受けていなくても同盟国(要するにアメ公)が攻撃されたら、日本に対する攻撃と見なして、アメリカと一緒に相手に武力で反撃する」ということですね。現行憲法と正反対です。

 私が不思議に思うのは、太平洋戦争後、60年間、平和憲法を維持してきたこの国を、何故、今、「戦争が出来る国」に変える必要があるのか?ということです。その必然性が認められません。自民党改憲案に賛成する人は、この点について、論理的な説明をして下さい。


 

 自分の国をアメリカに守って貰っているようでは、一人前の国家とは言えない?子供の国ですか?良く耳にします。感情的な反応です。幼稚です。

 そういう人たちは、海外で武力行使をするようになって、集団的自衛権を行使することにしたら、アメリカとの同盟関係を破棄せよ、と、いうのですね?在日米軍を追い出すのですね?そうでしょう?アメリカ軍に守られているのが半人前なんだから、一人前になるためには追い出さないとだめでしょう?そして、最早、アメリカは同盟国ではないのですから、「集団的自衛権」そのものの必要性がなくなります(集団的自衛権云々は要するにアメリカの要求です)。論理が自己矛盾に陥りますね。


 彼らは残りますよ。絶対。そうしたら、結局、実態は変わらないではないですか。

 そもそも、戦争をする国が一人前の国なのでしょうか。海外へわざわざ兵隊を送って、人殺しをする国が「大人の国」「一人前の国」だというなら、半人前の国のままでいいとおもいます。武力が平和に役立つかどうか、これだけ、イラク戦争の惨状を見てもわからないのでしょうか?

 武力行使をしない国、つまり人殺しををしない国が「子供の国」という考え方が根本的におかしいでしょう。武力に頼らず、紛争を解決することこそ、インテリジェンスが必要だ。大人の国です。


 

 また、既に日本は、随分さまざまな場面で「国際貢献」しています。それをアピールするのが下手なのです。

日本の優れた工業製品によって、世界中の人間がどれほどたすかっているか。どれだけ多額のODAを行ってきたか。

 国連加盟国は150国以上もあるというのに、国連分担金は、いいですか? 日本1国だけで、20%も払っているのです。

 ウィーンフィルのオーボエやホルンを作っているのはヤマハです。

 ウォークマンで、誰もが音楽を場所を選ばすに聴けるようになった(個人的には、ところ構わず音楽を聴くのは感心しないが、これは、余談です)。日本人が作ったのです。

 ユーロトンネルで、イギリスとフランスがつながったのも、日本のトンネル技術者の支援があったからです。

 どこが半人前なのでしょう?

 あの、馬鹿デカいアメリカに比べたら、日本は、カリフォルニア州一州と同じほどの面積しかなくて、しかも多くは山で、人が住めるところは限られている、この小さな国が世界第二位の経済大国なのですよ。


 

 結論は、日本は、決して戦争をしない、と憲法で決めて、その通りにしてきたことで、一目置かれているのです。それが、イラク戦争ではブッシュの言いなりになって、あっという間に海外に兵隊を出したことで、馬鹿にされている。協力してやっている(するべきではなかったのですが)アメリカとイギリスからも「小泉?ああ、あいつはいい奴だよ」とコケにされている。国際貢献=軍隊を海外に出して戦争すること、という自民党の一部の人々の考え方は間違っている。

 如何にして、武力紛争を食い止めるか、そこに我が優秀な日本人の知恵を投入するべきであると、私は考えます。


2003年11月22日(土) <アルカイダ>日本を名指しで警告 サウジの週刊誌に声明←日本政府は、どう対処するのか。
2002年11月22日(金) 高円宮様のご逝去を悼む。心停止時の応急処置の知識

2004年11月21日(日) 「北から持ち帰ったコンテナ…実は空っぽだった 」←いい加減にしろよ。

◆記事1:「北から持ち帰ったコンテナ…実は空っぽだった 」(夕刊フジ 2004年11月20日 (土))

 

北朝鮮による日本人拉致事件の解決に向け、先に平壌で行われた第3回日朝実務者協議で、政府代表団が持ち帰った「物証」の乏しさに失望の声が広がっている。一時は、チャーター機から運び出されたコンテナ=写真下=の数々に、「有力物証が数多く入っている」との観測も流れたが、実はコンテナには何1つ、物証は入っていなかったのだ。

 15日夜、政府代表団を乗せた全日空チャーター機が羽田空港に到着した。そこで、カメラのライトを浴び、注目されたのは機内から運び出されるコンテナの数。1つ、2つ、3つ…。計7個のコンテナが確認され、報道陣は色めき立った。

 だが…。「私どもが持って帰ってきた『物証』は全部、機内に手荷物として大事に持って帰ってきております」。18日の参院外交防衛委員会で、民主党の斉藤勁議員の質問にこう答えたのは、実際に平壌入りしていた外務省の斎木昭隆アジア大洋州局審議官。

 代表団が持ち帰ったのは、横田めぐみさん=同(13)=のものとされる「遺骨」のほかは、写真やカルテ、メモなどペーパー類がほとんど。

 ならば、あの大量のコンテナは一体、何だったのか。

  「空(のコンテナ)は、何かあるかもしれぬということで航空会社が手配して持っていったようだ」(斎木氏)

 さらに、「(飛行機に乗る)人数が割合に少なかったので、運航のときに機体のバランスを維持するため」(同)という役目もあったようだ。

 要するに、家族や報道陣が固唾をのんで注目したコンテナには、拉致被害者の手がかりとなる物証は何も入っていなかったのだ。

 「コンテナがテレビの映像で映され、中身が何なのかということでさまざまな推測、憶測があったことを私どもも後で聞いた」と斎木氏。野党議員からは「それなら早く、コンテナの中身を明らかにすべきだった。一瞬でも『期待』を持たせた外務省も罪作りだ」との声も上がっている。


◆記事2:日朝実務者協議の驚くべき実態。(Internet Friday 11月19日更新)

 

 日朝協議が始まったまさにその夜、「めぐみさんが、平壌ピヨンヤンの順安スナン空港経由で2度脱北を試みたが失敗した」という旨のニュースを日本テレビが流し、横田夫妻を激怒させている。

「家族が『めぐみさんの死』を受け入れやすくするため、意図的に悪いニュースを流したのでしょう。リークしたのは官邸筋だと聞いています」(家族会幹部)

 増元さんのもとには、北朝鮮のある高官から信じ難い情報が寄せられていた。

「今回の交渉で、『横田、有本、増元の家族に、墓や遺骨を見せる動きがあるだろう』というんです。なぜなら、『この3家族を片付ければ拉致問題は終結させられる、と北に助言した自民党の代議士がいる』からだと」(増元さん)


◆コメント:拉致問題を何とか、早く「解決」したことにしようとする、首相と政府と外務省。あなた方は、それでも、人間か?

 

それでも、人間か、と言いたくなる。横田さん夫妻をはじめ、拉致被害者のご家族は、四半世紀にもわたって、毎日娘や弟が帰ってくることだけを、願っている。

 横田めぐみさんの母君は、多分、寝ても覚めても、そのことから、意識が離れることはないだろう。それぐらい、人間なら想像できるだろう。

 小泉首相は今、APEC(アジア太平洋経済協力閣僚会議)に出席するために、チリにいる。そこでブッシュと会談している。大方、「自衛隊派遣は続行します」と、ブッシュ閣下への「忠誠を誓っ」ているのだろう。

 小泉首相は、24日にチリから帰国すると、今度はASEAN首脳会議に出席するという。

 何だか、日本にいると後ろめたいので、逃げ回っているように見える。ASEAN首脳会議に出てはいけないとは言わないが、毎回出席するほどの重要議題が話し合われているのだろうか?そうだとすれば、帰国後、何をしてきたのか、国会に報告があって、然るべきである。

 そう。今は国会の会期中なのですよ?イラクの自衛隊派遣期間延長とか、拉致問題という、非常に重い問題を抱えているのに、国会全体の緊張感が足りない。

 百歩譲って、国会会期中に総理大臣が欠席して、今、行かなければならない外国があるとしたら、まず北朝鮮ではないのか。小泉さんの表情を見ていると、何が何でも横田めぐみさんをはじめとする、行方不明の日本人を助けようという、気迫が感じられない。他の国会議員にしてもそうだ。

 記事1をお読み頂きたい。あの、ご大層なコンテナの中身は空っぽだったのだそうだ。

 主な資料は役人の手荷物に納まっていたという。馬鹿にするなよ。なんで、早く言わないのだ。なまじ拉致被害者家族や、国民に期待させといて、「ああ、あれは空ですよ」だと?張り倒すぞ、この野郎。


 

そして、更にひどいのは、記事2。

 「横田、有本、増元の3家族を諦めさせることが出来れば、拉致問題は片づく」と北朝鮮に助言した自民党代議士がいるのだそうだ。こうなると、もう、開いた口が塞がらない。一体、日本政府は、拉致被害者とその家族をどこまで苦しめるつもりなのだ。

 皆さん。私達にも出来ることがあります(念のため申し上げるが、私は如何なる、政党、結社、宗教団体にも属していない。個人としての提案をしている)。今皆さんはパソコンの前に座っていますね? そこから、首相官邸に抗議文を打つことができます。

 私達が、拉致被害者のためにできることは、世論の怒りをノーテンキな小泉首相に示すことだと思います。

 Web日記にただ「金正日の馬鹿野郎」と書いていても何も進展しません。違いますか?


2003年11月21日(金) M・ジャクソンどころじゃない。数十年前から、アメリカの司祭たちは子供を性的に虐待しているのだ。
2002年11月21日(木) 米国のアホな訴訟また一件 「ハンバーガーで肥満に」

2004年11月20日(土) マスコミのセンセーショナリズムと、それに影響されやすい世論に関する所見

◆奈良の殺人事件

 

 奈良で起きた、残虐な少女殺人事件は、言語同断であるが、マスコミが伝える情報を読んだり、聴いたり、見たりしていると、果たして、ここまで犯行の詳細を報道することの意義はあるのか、ということに疑問が湧く。

 少女が浴槽に顔を押しつけられた溺死したらしいとか、裸にされた痕跡がある、とか、身体に傷がある、とか歯を抜かれていた、というような事実を一般国民が知っても、騒ぎ、嘆きはするけれども、どうせ、すぐに忘れる。

 別の言い方をすれば、犯行の詳細を一般国民が知る必要があるのか。知ることによるメリットがあるのか。逆に言うと、歯を抜かれたことを知らなかったことにより、国民は何らかのデメリットを被るだろうか?

 国民が知るべきことは、小学生の女の子が、男性に声を掛けられて、自らその車に乗り、結果、殺された。ということで十分ではないか。

 自分に子供がいる人ならば、想像してみるといい。自分の子供が酷い殺され方をしたとして、その詳細をテレビや新聞で、全国に言いふらして欲しいだろうか?私なら、いやだ。子供の死を徒(いたずら)に大衆の好奇心の対象にされるのは、死者への冒涜と感じるだろう。


◆模倣犯を生む危険がある

 

 犯罪の手口を詳細に伝えるのに反対なのは、これに刺激されて、同種犯罪を試みる輩(やから)が出てくることをおそれるからだ。
 この問題は、以前、「集団自殺」と「通り魔」は報道しない方がよいのではないか。という稿を起こしたので、そちらをご参照頂ければ幸いである。


◆マスコミのセンセーショナリズムと人間の記憶

 

 マスコミ、特に民放テレビ局は「視聴率が全て」である。

 殺人事件の犯行の手口などという、如何にも一般大衆が興味を持ちそうな事件ばかりを伝える。すると、つい先日まで採り上げていた、新潟中越地震についての情報量は明らかに減る。これは、今は、「殺人事件」の方が視聴率が取れるからである。

 しかし、新潟では、避難所生活をする人はかなり減ったものの、まだ1万人もいるわけであるし、資金的援助はいくらあっても良いはずだ。このことを多くのひとは、つい忘れてしまう。

 人間の記憶は、何でもかんでも覚えていられない。それはやむを得ないが、奈良で、殺人事件が起きて、テレビが多くの時間を割いたからといって、新潟を忘れてしまう、というのは、好ましいことではない。


◆世の中ではいろいろな出来事が平行して起きている、という意識

 

 日記という文書の効用はここにある。つまり、「記録」としての日記である。

 人間はすぐに何でも忘れてしまうから、文字を発明して、出来事を記録するのである。それが残っているから、歴史学者の仕事が成り立つ。

 人間がその時々の出来事を文字にしていなかったら、歴史を知ることは不可能であり、フランス革命があったことも、いつ、どのようにしてアメリカという国ができたのか、ということも、つい60年前に日本とアメリカは戦争をしていて、日本は原爆を2回も投下され、24万人もの非戦闘員が殺害されたことも、我々は知ることができなかったのだ。


 

 私が時事問題の日記を書くのは、諸々の世の中の問題や矛盾を指摘したり、人の偉業を讃えたりしたいからだが、同時に、自ら様々な社会的事象を自分の頭で言語化することにより、記憶にとどめ、あるいは、いつでも思い出せるようにしておきたいからである。

 犯罪、外交、自衛隊イラク派遣、地球温暖化、デフレ不況、年金問題、憲法改正問題、いずれも平行して存在している、ということを意識するためには、色々な問題に注目して、分からないことは調べて、考えて、自分の所見をまとめて、人に説明できるように文字にすることが極めて有効である。

 単に、ニュース・サイトから、記事をコピーして、エディターか、データベースソフトに貯めておくだけでは、どうも駄目なようである。コピー&ペーストした時点で安心してしまい、記憶には残らない。

 客観的事実を、自分の言葉で再構築することが肝要である。すると、殺人事件が起きたからといって、新潟中越地震や自衛隊がイラクで生命の危機にさらされていることを、頭のどこかにホールドしておくことができる。


◆京都の殺人事件もイラク戦争で子供を殺すのも、その違法性は完全に同一だ。

 

 この度の犯行は、残虐きわまりなく、もう随分前になるが、東京での宮崎勤を思い出させる。

 完全に問答無用で死刑に処すべきであるが、そんなことはあたりまえで、何度も言うべきものではない。

 もう少し、思考を広げるべきだ。日本人は、一人の女児が惨殺されたのに騒ぐのであれば、つい、数日前にイラクのファルージャで米軍に惨殺された子供達のことにも考えを向けるべきだ。

 日本で一人殺されても、これほど、我々はその行為の非倫理性に腹が立つのだ。

 イラクでは、何万人という子供が殺されたし、今も殺されているのだ。戦争中だから仕方がない?馬鹿なことを言ってはいけない。犯罪だろうが、戦争によってだろうが、子供を殺す行為の違法性は、完全に同一である。

 米軍は、「この建物には子供がいる」と分かっている建物に爆撃を加えている。 こう考えると、アメリカが如何に残虐な行為をしているか分かるだろう。

 そして、日本国はその行為を支持しているのである。



◆リンク
 

 本稿に関して、aozoraさんがご自身のblog、トリッチ・トラッチで取り上げて下さいました。

 有り難うございました。

 また、日記才人にご登録のkasa's legitimate squareをご執筆のkasaさんが、日記才人の日記才人 - マイお薦めリストで、当日記をご紹介下さいました。

 有り難うございました。


2003年11月20日(木) 「非戦闘地域」にも派遣できず=自衛隊、イラクでテロ標的に−米専門家 小泉さん。息子さんを自衛隊に入れたら?

2004年11月19日(金) 1.「暮らしやすい国」1位はアイルランド…英誌調査 妖精の国 2.フロリダ電子投票「ブッシュ票が多すぎる」との疑惑

◆記事:「暮らしやすい国」1位はアイルランド…英誌調査

 【ロンドン支局】英エコノミスト誌が世界111か国の1人当たり国内総生産(GDP)や政治の安定、治安、衛生状態、家庭生活などを基準に割り出した「暮らしやすい国」ランキングで、アイルランドが1位に選ばれた。世界第4位の1人当たりGDP、家族や共同体の温かいつながりを維持していることが評価された。同国は19世紀に大飢饉(ききん)を経験するなど、20世紀後半まで移民大国で、今回の調査は同国の大変身を裏付ける。

 2位はスイス、3位はノルウェーで、上位10か国中、6位のオーストラリア以外は欧州の中小国だった。日本は17位で、米(13位)、仏(25位)独(26位)、英(29位)など主要国は中ランクにとどまった。「最悪」111位は、ムガベ独裁政権下のジンバブエ。ロシアは104位、中国は60位。北朝鮮はリストに入っていない。(読売新聞) - 11月19日1時49分更新


◆コメント:漢字で書くと「愛蘭」。ロマンティックなんですよ。

 

 理屈っぽいことを言えば、全てのひとにとって、世界で最も暮らしやすい国、というのは存在しないはずですね。

 例えば、重い病気を患っていて、年中医師と綿密なコミュニケーションを取らなければならないが、英語は話せない、という人にとっては、アイルランドよりも、日本が世界で最も暮らしやすい国でしょう。

 いきなり、こう書いてしまうと興ざめですが、決してアイルランドが悪いと言っているのではありません。逆です。理屈はさておき、確かにアイルランドは良いところだろうな、ということを書こうとしているのです。

 ヨーロッパを旅行したことがある人は、場所によって勿論随分違うけれども、日本と比べて街並みが抜群に美しいことに気が付いたと思うのです。

 しかし、もう一つ、少なくとも英国では、自然の風景の美しさ。緑の多さに感心しました。緑が多い問いのは、いいことですね。明らかに、人間の精神状態に影響を及ぼすとおもいます。


 私が住んでいたのはロンドン南西部のウィンブルドンで、ロンドンの中心部からそれほど離れたところではないのに、自宅の裏はウィンブルドンパークという、広い公園(ただ、芝生が広がっているだけの公園です)があります。

 さらに、ちょっと車に乗ると、リッチモンドパークという、確か、イングランド一、広い公園があって、何百頭という鹿が放し飼いになっている。人間も、鹿もお互いを邪魔しないで、のびのびとしている様子が、何とものどかです。

 ときどき、公園の中で渋滞(とにかくものすごい広さなので、歩いていたら、一周するのに何日もかかってしまうでしょう)に出くわし、何かと思っていると、何と、鹿の群れが道路を横切っている。それが終わるのを、イギリス人はじっと待っているのです。

 今の、日本人だったら、きっとクラクションを鳴らしたり、中には鹿を轢き殺したりする奴が出ることでしょう。人間だってこれほど簡単に殺してしまうのだから。

 ところで、アイルランドは、漢字で「愛蘭」と書くのですね。何とも美しい文字を美味い具合に当てはめたものです。そして、まさに、この表現がぴったりだと思いますね。


◆コメント:"Leprechaun crossing!"(レプリコーンが道を横切るのに注意)という標識

 

 アイルランドの歴史とか、ケルト文化、妖精、神話など、諸々については、司馬遼太郎さんの「街道を行く」シリーズの「愛蘭土紀行」をお読みになることをお薦めします(今は、単行本しか残っていないのでしょうか。以前は「街道を行く」は全て朝日新聞の「朝日文芸文庫」で買えたのです)。

 読み終えると、無性に「愛蘭」に行ってみたくなる。そう思わせるような紀行文が書けるのは、さすが、司馬遼太郎さんです。

 いろいろと興味深い話は尽きないのですが、一つだけあげるとすると、妖精の話。

 ケルト神話で妖精はつきもの。アイルランドには様々な、妖精がいるのです。

 そして、なんと、司馬さんが田舎道を走っていたら、"Leprechaun crossing!"(レプリコーンが道を横切ることがあるから、注意!)という「標識」が立っていた、と書いているのです。

 「レプリコーン」というのは、アイルランドの妖精の一種で、富・財産・成功をもたらしてくれる縁起のいい妖精らしいです。

 私は、残念ながら、この標識を見つけられなかったのですが、取り除いて欲しくないですね。こういうロマンチックなものは。

 これを、下らない、と一蹴するか、微笑ましく思えるかで、大体どんな人か分かってしまいますね。

 私は、標識は見つけられなかったけれども、「レプリコーンはどこに隠れているのかな?」と想像しつつ走るのは愉快でした。南西部アイルランドの美しい風景を私は、生涯、忘れないでしょう。


◆記事:フロリダ州の電子投票機に「ブッシュ票が多すぎる」との疑惑 (Yahoo!ニュース - コンピュータ - WIRED)


 

カリフォルニア大学バークレー校の大学院生と教授が18日(米国時間)に発表した http://ucdata.berkeley.edu/ 統計分析によると、先日実施された米大統領選で、フロリダ州の電子投票機が示したジョージ・W・ブッシュ大統領の得票数が、本来得られるべき得票数よりはるかに多かった可能性があるという。

 調査グループは今回の調査結果を警告として、フロリダ州に、タッチスクリーン式の投票機を使用した郡のデータと投票システムを精査して、予測得票数と実際の得票数が一致しなかった理由を調べるよう求めた。調査グループはオハイオ州でも同様の数値と変動要因を調べたが、このような不一致はみられなかった。

 調査グループによると、この結果を発表したのは、フロリダ州における2004年の大統領選の結果を非難するためではなく――ブッシュ大統領はこの州で30数万の票差で勝利している――、

選挙関係者や一般の人たちに、電子投票システムを見直し、投票結果を紙で残さない機械では票のきちんとした数え直しができないという事実を受け止めてほしかったからだという。

 今回の分析については、公式には専門家による評価は行なわれていないが、7人の大学教授が審査した。
 分析の結果は、タッチスクリーン式の投票機を使用した郡と、他の種類の投票装置を使用した郡とのあいだで、ブッシュ大統領の得票に相違があることを示している。調査グループはまず、選挙結果に影響を及ぼすと思われるさまざまな変動要因を調査した。たとえば有権者の数、平均収入、人種と年齢の構成比率、2000年と2004年の投票率の変化などだ。これらのデータを利用して、1996年、2000年、2004年のフロリダ州における共和党と民主党の大統領候補の選挙結果を調べ、この8年間フロリダ州の67の郡で、これらの候補者や政党への支援がどのように変化したかを確認した。

 この調査によって、ブッシュ大統領が実際に獲得した票数は、タッチスクリーン式の投票機を使用した15の郡では予測得票数――各種変動要因をすべて考慮して算出――よりはるかに多く、いっぽう他の種類の投票装置を使用した郡では、変動要因によって予測された得票数と完全に一致することがわかった。

 調査を行なったのは、カリフォルニア大学バークレー校大学院生による社会学・人口統計学研究グループ。チームを率いたマイケル・ハウト教授(社会学)は、こうした不一致が偶然に起こる確率は1000分の1以下だと述べた。

 「どれほど多くの変動要因を考慮しても、ブッシュ大統領の得票と電子投票機との間の統計的に有意な相関関係は説明できない。本当の差がゼロになるはずの集団で、こうした事実が起こる確率は非常に小さい――1000回に1回以下だ」


◆コメント:まともに選挙が出来ないで、「アメリカンデモクラシーをイラクに植え付ける」とは恐れ入ります。

 

ブッシュの後楯となっている、ネオコンたちは、つねづね、「中東で紛争が絶えないのは、民主主義が根付いていないからであり、アメリカ式デモクラシーをアラブ各国に教えてやるのが、アメリカに課せられた義務だ」という、非常に硬直的な思想の持ち主たちである。

今までは、パウエルがかろうじて常識人だったのだが、ついに辞めてしまった。

 後任のライスという女性補佐官は天才肌で、15歳で大学に入学したとか、ピアノもジュリアード(アメリカ最高の芸術大学)に行ってもおかしくないほどの腕前だとか(そんなことは、関係ないというかも知れないが、それは違う。楽器を若い頃から巧みに演奏出来る人間は、例外なく、頭が良いのである。)いう話は伝わってくるが、どれほど頭が良くても、政治的思想の内容が分からない限り、今のところ評価は下せない。明白なのは、とにかく怖い顔した女性ですな。ということだけだ。


 

話がそれた。 この度の選挙で、投票や開票に様々な手口で不正が行われる可能性は、以前から、指摘されていた。非常に具体的に説明しているのは、田中宇氏で不正が横行するアメリカ大統領選挙という一文を読むと、あきれてものが言えなくなる。
 選挙が民主主義の基礎をなす、極めて重要な、不正など絶対にあってはならない手続きであることは、誰でも知っている。

 それにもかかわらず、多分、ブッシュ陣営は、極めて大胆にイカサマを働いている。
 そして、そのことは、NYタイムズ紙などが指摘していたほどで、米国内でも知れ渡っていることなのに、抜本的な対策を講じないまま、大統領選が行われ、ブッシュが勝ってしまった。これは、アメリカ人の怠慢のそしりを免れない。

 アメリカの大統領に誰がなるかは、国際社会全体に大きな影響を与える。インチキなら、今からでも、選挙をやり直して貰いたい。

 選挙をまともに運営できない国が、他の国に「アメリカ式民主主義を構築する」という。こういうのを、日本語で「笑止千万」という。


2003年11月19日(水) 「首相、CNNでイラクへの自衛隊派遣方針を強調」この、バカ総理め
2002年11月19日(火) 薬物犯罪のおおもとは何か?

2004年11月18日(木) 1.「北朝鮮で体制批判ビラ」←いよいよ、来るべき時が来たかな。2.ファルージャの件で政府に抗議

◆記事1:北朝鮮で体制批判ビラ 総書記の家庭背景も 高度な内容政権中枢に人脈(本日付産経新聞)

 

【ソウル=久保田るり子】産経新聞は、北朝鮮の反政府グループが先月、平壌など北朝鮮国内の五十カ所でばらまいた「金日成・金正日の十大うそ」と題するビラを入手した。

故金日成主席と金正日総書記の家庭背景や、現体制の思想的な柱である「主体思想」を激しく批判する内容だ。衝撃を受けた北朝鮮当局は、グループを追及する一方、平壌で住民の思想点検に乗り出した。

 ビラは黄長●・朝鮮労働党元書記の亡命を支援し、自らも一九九七年に韓国に逃れた元朝鮮労働党傘下の貿易会社社長、金徳弘氏(65)が第三国経由で得た。北朝鮮製のざら紙にボールペンの手書きで書かれており、平壌、南浦、中朝国境の新義州、北部の清津、北東部の咸興といった都市部を中心に辺境もふくめた約五十カ所で散布された。 一部は中国に持ち出しコピーされたというが、大部分は受け取った人々が筆写して枚数を増やし、地方に波及したという。


◆コメント1:本当なら凄い。クーデター勃発寸前ということだ。

 

 今日の午後、産経新聞のWebサイトで上の記事を見つけて、飛び上がるほど、驚いた。
 金正日による独裁国家、北朝鮮では、「首領様」のバッヂを襟に付けていなかったら勿論、「バッジが汚れていた」というだけで、強制労働収容所送りになり、下手をすれば拷問され、殺されるということは、多くの脱北者の証言で明らかになっている。

 引用したような「ビラを配る」ということは、従って、従来では正気の沙汰ではない。たちまち、憲兵に捕まってしまうだろう。

 もしも、ビラが撒かれるという事実が本当に起きたのであれば、それは、いよいよ金正日の年貢の納め時、北朝鮮の軍関係者によるクーデターが迫っていると考えても、おかしくない。

 このニュースだけが単独で突然、伝えられたら、私も半信半疑だったろう。しかし、ここ10日ほど、北朝鮮に関しては、様子がおかしいというニュースが度々伝えられていた。以下に引用する。


◆記事2:「北朝鮮住民、相次ぎ金正日に反旗」 NYTが報じる(中央日報日本語版11月9日)

 

 米紙ニューヨークタイムズは8日、北朝鮮住民は見た目とは裏腹に温厚ではなく、外部には知られていないが、金正日(キム・ジョンイル)総書記の独裁体制に相次いで反旗を翻していると報じた。

 同紙はこの日、独誌シュピーゲルのアンドレアス・ロレンツ記者が書いた『歓喜の踊り』と題した記事を英語に翻訳して紹介しながら、このように報じた。

 同紙は、「4月22日、龍川(ヨンチョン)駅爆発事故が起きたわずか数時間前、金総書記が乗っていた列車がこの場所を通過したことは単なる偶然なのか」と問い返している。

 そして、「90年代半ば、飢餓で300万人が命を落とした当時は列車や歩道橋、工場の壁面に『金正日打倒』といったスローガンが書かれており、金氏王朝の豪華な生活ぶりを非難するチラシが金日成(キム・イルソン)主席の遺体が安置されている平壌錦?(クムス)山記念宮殿で発見された」と報じた。

 同紙は「北京に住んでいる英国人作家兼記者であるジャスパー・ベッカー(48)氏は、近く出版予定の自分の著書で、工場や部隊、一村全体が現政権に抵抗して立ち上がった事件を紹介している」とし、「98年2月、黄海(ファンヘ)北道・松林(ソンリム)にある製鉄工場で起きた大規模な蜂起は北朝鮮の歴史上、最大の労組蜂起だった」と伝えた。

 このほか、90年代半ばには450人の警護部隊員のうち、一部が金総書記暗殺を企てた上、92年 咸興(ハムフン)に駐留していた陸軍部隊の副司令官と総参謀次長アン・ジョンホらが経済改革を求めクーデターを企画しており、95年には清津(チョンジン)で一部の将校らが港湾やロケット砲基地を占拠し、部隊員に平壌進撃を呼びかけたという。

 同紙は「金総書記はこのような抵抗のため、あちこちを移りながら生活しており、平壌市内にある金総書記の自宅はトンネルで連結されている」とし、「抵抗の陰謀を粉砕する部隊員だけで10万人に上る」とした。

 また、「北朝鮮が貧困に直面した時も、金総書記はゴルフコースと馬小屋、映画館などを整えた10個の宮殿を建設しており、車庫は最高級の乗用車で溢れていた」とし、「米中央情報局(CIA)は金総書記一家の財産が約40億ドル(約4兆4400億ウォン)相当で、このうちの一部がスイス銀行に隠匿されていると推定している」と報じた。

ニューヨーク=キム・ジェホ特派員


◆記事3:金総書記の肖像画撤去=北朝鮮で秘密通達?−タス通信

 

 【モスクワ16日時事】平壌発のタス通信は16日、北朝鮮の政府機関で、最高指導者、金正日労働党総書記の肖像画の撤去が始まったと報じた。

 平壌駐在の高級外交官は同通信に対し、北朝鮮外務省が最近、人民文化宮殿などで開いたレセプションでは故金日成主席の肖像画だけが掲げられ、金総書記の肖像画が消えていたと語った。

 この外交官は「現在の指導者の肖像画を撤去するよう指示する秘密通達が全土に出された」との情報を明らかにした。

どの機関が通達したかは不明で、撤去の理由も説明がないという。個人崇拝が徹底している北朝鮮では従来、金総書記の肖像画を各部屋に掲げることは義務とされていた。(時事通信) - 11月17日1時0分更新


◆コメント2:過去に置いても何度もクーデター未遂があったということだ。

 

記事2は韓国の大手、中央日報が、ニューヨークタイムズの記事を引用する、というやや変則的な情報の流れであるが、内容を読むと、かなり計画的、本格的なクーデターが軍隊のみならず、一般民衆からも試みられていて、驚くべきことに、1度や2度ではない、ということである。

 これが本当だとすると、北朝鮮は、一見、ものすごい恐怖政治を敷いて、一般国民はおろか、軍隊がクーデターを計画する余地もない様に見えたが、実は、金正日の足元は相当に不安定だ、というこを意味する。

 記事3は数日前から、何度も伝えられている。今まで金正日の肖像画があるべき場所に掲げられていないと、これまた、厳重処罰の対象だったはず。それが、次々と撤去されているという。記事3の情報源である、平壌駐在の高級外交官(どの国の人間か分からないが、ロシアか中国と考えるのが普通でしょう)は 「現在の指導者の肖像画を撤去するよう指示する秘密通達が全土に出された」 という。

 金正日自身がそのような通達を出すとは、考えられない。

 だとすると、この秘密の支持は金正日以外の誰かで、しかも、その命令を徹底させることが出来るだけの影響力を持つ人物ということになる。

 肖像がを取り外すということは、金正日のカリスマ性、偶像性を減じる効果を持ち、金正日の独裁性を高める効果は期待できない。明らかに金正日の対抗する行為である。


◆コメント3:ちょっと気が早い結論「金正日体制は崩壊寸前である」

 

 いきなり、何を言うか、と思うかも知れないが、歴史が動く時はそんなものだ。

 ソ連が消滅した時、ベルリンの壁が崩壊したとき、数日前まで(ごく一部の、極秘情報を握る各国の情報関係者などを除き)、世界中だれもそんなことは夢想だにしなかったのである。

 北朝鮮でクーデターが起きることは、殆ど歴史的必然である。

 古今東西、民衆を食わせることが出来ない指導者が失脚しなかったことはないからである。

 北朝鮮では、数百万人が餓死したというのに、金正日は美味い料理を食い、酒を飲み、でっぷりとお腹が出ていらっしゃる。若い頃からスピード狂で、自由世界の高級車を乗り回していたし、パソコンのこともよく知っており、インターネットが大好きだという。


 

 これは、日本が、経済制裁でとどめを刺すしかないね。金正日はジャパンマネーと、食料が、のどから手が出るほど欲しいのだ。小泉再訪朝のときに、これらを提供しよう、と冒頭に言ってしまったから、拉致問題もいい加減な答えしかしなくなっていまった。これで、日本から食料が来ないことになったら、首領様はますます窮地に立たされる。そうするべきだ。

 ところが、肝心の小泉首相は、「実務者協議とは無関係に経済援助はする。出す物は出す」、と言っている。総理、気は確かですか?

 多分、ブッシュに「あまり北を追い込むな」とでも言われたのだろう。「出す物は出す」なんて・・・・。

 北朝鮮は、日本国の主権を侵害して密入国して、日本国民を拉致した犯罪国家だぞ。昔だったら(国連ができる以前)、主権を侵害されただけで、十分、宣戦布告の理由になったのだ。それほどのことをしている国なのだ。首相。しっかりしてくださいよ。


◆【イラク関係追加報告】ファルージャ攻撃に対する日本政府の支持は間違っている、と、首相官邸ご意見箱に投書した。

 一昨日、ファルージャ攻撃を日本政府は支持するのかという稿を起こしたが、いくら、ここで書いていても、日本政府には通じないから、直訴した。

 直訴と言っても大袈裟なことではない。首相官邸のホームページにアクセスすると、ご意見募集というメールフォームがある。そこに自らの主張を記せばよいのである。

 日本政府の方針に反対だと入っても、マナーは守らなければならないことは云うまでもない。"2ちゃんねる"ではないのだ。

 私が書いた文章は次の通り。




 テーマ : 米軍のファルージャ掃討作戦について、

ご意見・ご要望 :

小泉首相は、国会での答弁において、ファルージャに対する米軍の攻撃を支持する、と仰いました。
日本の新聞には、現地の様子を捉えた写真は掲載されませんが、アルジャジーラのWebサイトを見ると、大勢の殺された子供の写真が載っています。

http://english.aljazeera.net/NR/exeres/8CB7C17E-F69E-48A2-8034-DEA425192815.htm

我が国が、このような酷い行為を支持することは、平和主義を標榜する国家の行動としてふさわしくないと思料致します。

また、ファルージャの武装勢力を掃討しても、イラク各地で別の武装勢力の活動が活発化していると、報じられています。

武力は平和をもたらさないと思います。どうか、日本国はこの作戦を支持しない、という意思を表明して頂きたいと、お願い申し上げます。

乱文、ご容赦下さい。



 この一文で、内閣が方針を変更するわけがないが、仮に日本人の10人に1人が「ご意見箱」に投稿すれば、千数百万件の反対意見があつまるわけで、そうなったら、政府は無視できないだろう。別に怖いことはありません。私は毎回、住所、氏名、メールアドレスを記入しているが、しなくても構わない。住所、氏名を書いたからといって、何が起きるわけでもない。これは、もっと活用されてもいいのではないか、と思う。


2003年11月18日(火) 日テレ視聴率操作/テロの脅迫に屈しないとは、自衛隊の派遣を示唆=違憲。/米大統領は「人類の脅威」

2004年11月17日(水) 「自衛隊を占領軍と規定 イラクのサドル師派」 これでも自衛官を戦地へ赴かせるのか?

◆記事:自衛隊を占領軍と規定 イラクのサドル師派

 

 【サマワ17日共同】陸上自衛隊が活動するイラク南部サマワで、イスラム教シーア派の反米指導者ムクタダ・サドル師派幹部ガジ・ザルガニ師は16日、同派指導部が「自衛隊は占領軍」と規定することを決めたとし、「われわれは占領者と戦っており、日本もその戦いの(相手の)一部になった」と言明した。

 共同通信との会見で明らかにした。

中部のシーア派聖地ナジャフにいるサドル師派指導部の決定で、末端まで同じ認識だと強調した。

 イラク南部に影響力を持ち、8月にはナジャフで米軍と激しい戦闘を展開したサドル師派が自衛隊を敵視する姿勢を明確にしたことが、サマワの治安に対する不安定要素となることは確実で、自衛隊派遣の延長論議にも影響しそうだ。(共同通信) - 11月17日10時45分更新


◆コメント:つまり、いつ攻撃を受けてもおかしくはないということですな。

 

 この記事には、「共同通信の取材に対して答えた」と書いてあるから、1次情報ですね。共同通信がウソをついていないとすれば、もの凄くヤバい状態ではないか。

 このサドル師がいままで血気盛んな連中を抑えていたから、自衛隊は襲われずにいた。厳密には迫撃砲とロケット砲を合計8回宿営地のそば、最も最近のロケット砲弾は宿営地の鉄製のコンテナを貫通した。しかし、信管は取り除かれていて、いずれも威嚇の域を出ていなかった。

 しかし、引用した記事は、これは謂わば自衛隊に対する宣戦布告ではないか。

 戦闘行為に及んでから逃げ初めても遅いぞ。陸自はサマワに来る時はクウェートから、陸路やってきた。早く引き上げないと、退路を遮断される。クウェートへ行く途中でトラックにロケット弾を受ける、などという、目も当てられない惨事になりかねない。自衛官は跡形もない肉片になって飛び散るのだ。

 それ以前に、イラクから撤収する、ということは、ホテルをチェックアウトするのとは、訳が違う。宿営地を畳まなければならない。

 作るのにも何日もかかった施設だ。そりゃそうでしょう。500人を超える自衛官が生活できる設備を備えた、377億円もかけた施設なのだ。

 その作業の最中に、爆弾を満載した自動車が突っ込んでくるかも知れない(別に、私の妄想ではない。)イラク各地でこの手の自爆テロが、いままでに何十回と繰り返されている。ついに、自衛官もその標的にするぞ、というのが、今日のサドル師の発言である。

 これでも、連立与党並びに彼らの支持層は、自衛隊のイラク派遣を12月14日以降、1年間延長するべきだと、主張するのだろうか。ま、他人事なら、何でも言えるよね。自分は死なないからね。


◆自衛隊を早くイラクから出さないと、死ぬぞ。

 

私は、今すぐに、自衛隊は撤収準備に取りかかるべきであると考える。

 自衛隊を占領軍とみなすといっている相手に、人道支援活動です、というのは、滑稽である。

アメリカの思惑なんかどうでもいい。昨日の日記に書いたとおり、ブッシュ・ブレアの認識は、

 「小泉は、言い奴だよ、へへへ」

 でしかない。こいつらに卑屈に頭を下げ続け、自衛官の生命を危険に晒さなければならない必然性は、無い。

 そして、イラク復興支援特別措置法第9条では、
(配慮事項)
第九条  内閣総理大臣及び防衛庁長官は、対応措置の実施に当たっては、その円滑かつ効果的な推進に努めるとともに、イラク復興支援職員及び自衛隊の部隊等の安全の確保に配慮しなければならない。

と明記されている。行政府たる内閣は、国法を遵守する義務があるのだ。



リンク:日記才人に登録なさっているneaさんの日記BeachBumBlueの文中でリンクを貼って頂きました。

ありがとうございました。


2003年11月17日(月) 「テロの脅しに屈しない=小泉首相」←屈しないで、国民を守れるほど、日本はセキュリティが強固なのかよ。

2004年11月16日(火) 「ファルージャ被害拡大で米軍批判集中 小麦粉で飢えしのぐ住民 」子供が殺されている。それを日本は支持するのか?

◆記事:被害拡大で米軍批判集中 小麦粉で飢えしのぐ住民  (共同通信)

 

 【ワシントン13日共同】イラク駐留米軍が武装勢力の制圧作戦を展開している中部ファルージャでは、食料、水不足などのため居残った住民が小麦粉を食べて飢えをしのぐなど悲惨な状況に置かれ、戦闘で住居、モスク(イスラム教礼拝所)が激しく破壊されている実態が明るみに出るにつれ、米軍への批判が強まっている。

 制圧作戦は「極めて順調」(現地米司令官)で、今週末から週明けにも完全制圧が見込まれる。しかし、住民感情の悪化で制圧後の治安が安定するか危うくなってきた。

 AP通信などによると、ファルージャ市内では飲み水や食べ物の備蓄が極端に少なくなっている。医薬品も不足し、医師がいないため手当てを受けられず、死亡するケースも増えているという。

 イラク赤新月社は市内への救援物資運搬を認めるよう求めたが、米軍はまだ市周辺までの運搬しか許可していない。一方で米軍は、巻き添えで負傷した住民はごく少数しか確認されていない、と説明している。

 サドラー米海兵隊司令官は十二日の記者会見で「治安状況が許せば救援物資は直ちにファルージャ市内に供給される」と人道支援に留意している点を強調。住居被害についても、治安が確立した地域から順次復旧作業に着手する方針を示した。(了) 11/13


◆コメント:何故、子供が殺されている事実を書かないのだ。

 

 ファルージャはもともと普通の街でテロリストグループの街でも何でもなかったのである。

 米軍が総攻撃を仕掛けてくることは、前から言われていたから、街から逃げた住民も多いが、年寄りや幼子を抱えている家庭は動きが取りにくいし、店を持っている人は、米軍に店を壊されたり、略奪されるのが心配で動けないという事情もある。

 いずれにせよ、元々イラク人が普通に暮らしているところに、他国(米国)の人間が、「この町にはテロリストが潜伏している」という理由で、戦車にのって、銃を構えてやって来て、ところ構わず破壊して、非戦闘員と分かっているイラク人まで殺害しているのが、現実なのだ。

 やってくる方が悪いのである。元々の住民に逃げないから、怪我をするのだ、という理屈は無茶苦茶だ。

 共同通信のサイトをみたら、このような当たり障りのない写真しか載せていない。どうして、こうなるのか。こういうことだから、戦争の悲惨さが伝わらないのではないか。

 いいですか。ファールージャが米軍の攻撃を受けるのは、今回が初めてではない。今までも幾度となく攻撃を受けその都度、このような、子供たち(アルジャジ−ラより)が殺されているという現実を正面から見つめないから、無責任に「ファルージャ掃討作戦を成功させなければ」とか、自衛隊派遣賛成とか、無責任なことがいえるのだ。

 子供をこのように殺されたイラク人が、アメリカを恨まない訳がないだろう。そのアメリカを支持するという日本政府は、このように、ボロくずのように捨てられている子供を見ても、なお、イラク戦争と、その後のアメリカによるイラク占拠が正しいというのだろうか?

 感情論だけではない。非戦闘員を殺傷することは、ジュネーブ条約で禁止されている。アメリカはイラク戦争を始めた時も、国際法を無視した。今もまた、「法の支配」という行動規範を無視している。

どこまで図々しく、罪の上塗りをするつもりだ?尤も、アメリカ人は、ネイティブ・アメリカンを殺した連中の子孫だからね。人を殺して、作った国だからね。アメリカ合衆国は。その詳細はアメリカは何故他国への侵略を繰り返すのかで書いたので、ご参照頂きたい。


◆まるで、失敗した癌治療のようだ。

 

 癌の手術で、原病巣が極めて、限局的な場合は、その病巣を切り取れば、かなり安心して良いだろうが、ガン細胞が広範囲にわたっていたり、あるいは、表面積は小さくても、組織の奥深くまで達している場合、切除しそこねると、ガン細胞が血流に流れ込む。 こうなると、全身どこに転移してもおかしくない。

 また、既に他にガン細胞が転移している場合は、手術の刺激により、転移病巣のガン細胞が活性化する。

 今回のファルージャのテロリストグループに対する米軍の行動は、後者に似ている。

 ファルージャが、主な病巣だった、としても、他に転移していないか、ろくに確認せず、ファルージャを徹底的に叩き、女子供まで殺した。このため、最早、イラク全土の潜在的武装勢力を本気で怒らせてしまった可能性が高い。全身にガン細胞が飛び散るのは時間の問題のように思われる。

 これほどまでに危険な場所に、新たに、自衛隊を送るのは、正気の沙汰としか思えない。第4次派遣隊の健闘と無事を祈るなど、滑稽である。

 戦争で砲撃や銃撃により、建物や道路や、様々なインフラが破壊されている最中に「人道支援でございます。」といって、建物の修理をして何の意味があるだろう?次の習慣には、再び、ロケット砲で破壊されるかも知れないのだ。

 自衛隊の無事を祈るのならば、何よりもまず、派遣するべきではない。派遣するどころか、早く撤収させないと、死者がでるぞ。

 自衛隊のイラク派遣に賛成していた人々は、そのとき、何と言い訳するつもりだ?どうやって、責任を取るのだ?


◆英国のブレアとブッシュの記者会見の映像を見ましたか?

 

国際協調とか、国際貢献という言葉を小泉首相はしばしば口にするが、イラク戦争に関わっている他国からは、自衛隊は貢献しているとはみなされていない。先週、英国のブレアが訪米して、ブッシュと会談し、その後の記者会見を開いた。あの映像を見た日本人はあまりいないのだろうか。

 見ていない人は、ロサンゼルスタイムズにスクリプトが載っているから、読むといい。Bush, Blair Address Prospects for Peace

 私が怒ったのは、次に引用するブレアのセリフを聴いた時である。

 


PRIME MIN. BLAIR: First of all, I should say Koizumi is a good man not just because I know him, but -- (laughter) -- although that helps a lot, I think! (Laughter.)

 

(はじめに、いっておかなければいけないが、小泉はいいやつだよ。彼を知っているからそう言うわけではない(笑)尤も、それが大きな理由だけどね(笑))



 ここに、動画をアップできないのが残念だ。この発言をした時の、ブレアとブッシュの人をバカにしたようなヘラヘラ笑いを目にして、彼らが日本など眼中にない、完全にナメ切っているといことが実によく分かった。ブッシュなど、後ろ向きになってのけぞって、腹を抱えて笑っているのだ。

 大体、他国の指導者を"Good man"とは何事だ。失礼な。これは、「いい奴」というくだけた表現だ。幾らでもカネを出す、何でもいうことをきく、便利な奴、という侮蔑が込められている。

 念のために記すが、私は小泉首相個人に同情しているのではない。これは、日本国がバカにされていることに等しいという事実に、私は、殆ど激怒しているのである。

 もっとも、日本がなめられたのは、小泉首相の米国追従政策がもたらした結果であることは、論を待たない。

 日本人に対する偏見は、アングロ・サクソンの連中の間では、普通のことだ(もちろん、それが、良いことだといっているのではない)。ただでさえバカにされているのに、小泉首相のアメリカべったりをやったら、そりゃあなめられるよ。日本国をここまで貶めた、小泉首相の責任は大きい。


◆アラブの恨みを買い、アメリカにはなめられる自衛隊派遣。

 

 小泉首相がファルージャ攻撃を支持したことは、中東の新聞も報じている。貢献とか、同盟とか言っても、日本は国際社会で、「世界のキャッシュ・ディスペンサー」としか見なされていない。

 だから、自衛隊など派遣するべきではなかったのである。

 こうなったら、問題は日本人が腹をくくれるかどうかである。

 アメリカに守ってもらわなかったら、北朝鮮が攻撃してきたらどうするの?とオドオドしているといつまで経ってもなめられる。

 実際に日本が攻撃を受けたら、アメリカは北朝鮮に対して戦争を仕掛ける理由ができるから、日本が甚大な被害を受けるまで、見ているだろう。アメリカはいつでもそうだ。先に相手に手を出させておいて、相手が悪いんだ、といって、猛然と攻撃する。最初から日本を本気で守る気など、ないのだよ。


◆度胸を決めて、開き直るべきだ。

  

 それでは、どうするか?

  死ぬ覚悟を決める、ということだ。極論すれば、そういうことだ。

  日本は、人殺しの手伝いはもう、しない、と宣言する。米国に、「あ、そう?じゃ、俺たちはお前らを守ってやらないよ?」と言われたら、

 「結構です」と言うといい。ギョッとするから。アメリカ人は。在日米軍基地は、日本の為だけにいるのではない。日本の基地を失ったら、アメリカは地球の半分ににらみが利かなくなる。日本はアメリカにとって、重要な、前方展開能力の拠点なのだ。三沢基地や、嘉手納基地から、イラクに飛んでいって爆撃しているのだ。これがなくなったら、中国が大喜びする。

 米国から、小麦など大量の食料を輸入しているじゃないか、そんなことをしたら、日本人が飢え死にをする、という人がいるだろうが、逆の立場から考えてみればよい。

 日本ほどのお得意さんはいないんだよ。米国の小麦農家に日本へ禁輸なんていったら、大統領は張り倒されるだろう。

 話がそれるが、日本は、中国・朝鮮に対しても、一体いつまで、戦争中のことを持ち出すのだ!と言っていいのだ。

 天皇陛下が謝ったんだぞ!歴代の首相も謝った。中国には兆単位の資金を提供している。中国人はそれで、学校や病院や、鉄道を造ったというのに、いまだに、学校では反日教育をしている。いい加減にしろ、といえばいい。靖国神社にいつ参拝しようが、日本人が決めることだ。「うるさい!」と開き直るべきだ。

 それをやらないから、日本は、世界中から、いつまでたっても、ナメられる。

  私は、小泉政権にも、自衛隊のイラク派遣にも反対してきたが、残念ながら、派遣が実現してしまったので、自衛隊がイラクに行った日から、覚悟を決めている。つまり、死ぬ覚悟をしている。

  テロが起きても不思議はない。東京の地下鉄に乗ってごらんなさい。毎日「ただいま、テロ警戒中です」といっているのだ。爆弾を仕掛けられないように、地下鉄の駅からゴミ箱は取り払われているのだ。

  いつ死ぬかわからないので、とっくに遺書も書いている。何を大袈裟な、という人がいるかもしれないが、私の仕事場は、東京のど真ん中なので、一番狙われやすいことは確かなのだ。

 こうなったのも、昨年11月9日の衆議院選挙で自公連立与党に絶対安定多数を与え、自衛隊派遣に賛成した有権者のおかげである。


◆【追加】ファルージャの惨状を伝える記事の数々

「・・・町の至る所が破壊され、道には遺体が横たわっていた。市民は怖がって外へ出られず、血を流している人がいても誰も助けなかった。薬も水も電気も食料もなかった。・・・米軍が民家にも銃口を向け始めたので家から家へと渡り歩いた。ユーフラテス川を泳いで脱出しようとした時、米軍ヘリが川面を機銃掃射。川を渡ろうとしていた5人家族が射殺されたのを見て、ぞっとした。この手で一人の男性を土手に埋めるのを手伝った。・・・」AP通信カメラマンの言葉(11月16日付毎日新聞)


「・・・戦闘で多数の市民が援助を必要としている。イラク赤新月社は13日、医療品や食料、毛布などを積んだトラック7台をファルージャへ派遣しようとしたが米軍が拒否した為断念した。・・・英BBCやカタールの衛星テレビ局アルジャジーラによると、市内のいたるところに遺体が散乱、瓦礫の間では複数の子供の遺体も目撃された。・・・」(1月16日付日経新聞)


「・・・家屋やモスクはめちゃめちゃに破壊され、遺体には犬や猫が群がっていた。・・・通りに放置された遺体の多くは、焼け焦げたり、一部を吹き飛ばされたりしており、武装勢力か市民か見分けられない状態。・・・砂塵とともに異様な匂いが大気に立ち込めていた。・・・瓦礫の下から22人の遺体が見つかり、二人は子供で、義足をつけた男性もいた。・・・」(11月16日付読売新聞)


「・・・世界中から非難を浴びた米軍は、今回の作戦ではごく一部だけをメディアに伝えさせてすべてをベールに包もうとしている。真っ先にファルージャ総合病院を制圧し、死者やけが人の数を情報統制している。TVに映らないところで何が行われているのか。事態は地獄絵だと思います(事情通)。」「・・・無差別空爆が繰り返されているんです。それも米軍が使っているのは化学薬品が飛び散る爆弾で、薬が体に付着すると燃える。水をかけると毒ガスが発生するという兵器です。・・・」ジャーナリスト志葉玲氏(11月16日付日刊ゲンダイ)


2003年11月16日(日) 「高橋尚子、七連覇逃す」 しばしば見られる、「社会的否定的思考」
2002年11月16日(土) 小沢征爾氏がウィーン国立歌劇場音楽監督に就任した意義

2004年11月15日(月) 「<イラク武装勢力>「全土に戦闘拡大する」と声明」←だから、ファルージャ総攻撃はダメだと云ったでしょう

◆記事:<イラク武装勢力>「全土に戦闘拡大する」と声明

 

【カイロ小倉孝保】米軍とイラク軍によるイラク中部ファルージャの武装勢力制圧作戦に対し、ヨルダン人イスラム過激派、ザルカウィ容疑者が率いる「イラクの聖戦アルカイダ組織」など複数の組織が「イラク全土に戦闘を拡大する」と主張していることが13日、明らかになった。ロイター通信が声明ビデオを入手し、報じた。

 米・イラク軍がファルージャ制圧作戦に総力を挙げる一方、武装勢力の攻撃は各地に飛び火している。イラク暫定政府のアラウィ首相は13日、治安部隊を北部モスルに派遣したことを明らかにした。暫定政府は同日、治安対策の一環としてバグダッド国際空港の閉鎖措置を無期限に延長した。

 ビデオはイラクの聖戦アルカイダ組織のほか、イスラム軍、1920年革命旅団など11組織による共同声明で、覆面姿3人の男が並び「ファルージャのイスラム共闘に対する犯罪と大量虐殺に対抗し、イラク全土で戦闘を繰り広げる」と宣言。電気や水道、病院関係以外の暫定政府職員に対し「勤務を続ければ標的にする」と警告した。

 ファルージャでは14日も米・イラク軍による制圧作戦が続けられ、武装勢力の抵抗がなお続いている模様だ。米海兵隊の部隊に従軍している米CNNの記者は、武装勢力のトンネル網にレーザー誘導弾が投下され、兵士が家屋を一軒ずつ捜索していると伝えた。AP通信によると、米海兵隊司令官は同日、作戦開始から武装勢力1200人以上を殺害したと語った。米軍によると米兵の死者は31人になった。

 また、ロイター通信によると、イラク赤新月社は13日、救援物資を積んだトラックなど7台で同市西郊外の病院に到着した。しかし、米軍は治安上の理由から市中心部への救援物資の搬送を許可しておらず、孤立した住民の安否が気遣われている。(毎日新聞) - 11月15日0時58分更新


◆コメント:余計に泥沼化してしまったではないか。

 

私は、先週、11月12日の日記で、「イラク国内でアメリカに敵意を持ち、武器が手に入るのであれば、米軍に反撃したい、と考えているイラク人はイラク全土に存在するはずで、いくら、いわゆるスンニートライアングルに反米勢力が多いと云ったって、ファルージャだけを攻撃しても意味がない。」と書いた。

これは、ちょっと本意と違うことを書いてしまった。この文章だと、「ファルージャだけを攻撃しても意味が無く、全土を攻撃するべきだ」という風に読めてしまうが、それは、私の云わんとするところではない。

 今や、イラク全体が反米ムードになっている、一カ所を総攻撃したら、他の場所のイラク人が怒って、さらに収拾がつかなくなるということを述べようとしたのである。

 米国から見れば、「反米武装勢力」が「テロリスト」だが、イラク人から見れば、大量破壊兵器など持っていないのに、持っているだろうとイラクに因縁をつけて、勝手に侵攻してきて、女性や子供を含む10万人ものイラク人を殺害したアメリカ人こそ「テロリスト」であろう。

 Everything is relative.(全ては相対的である)という良い言葉が英語の決まり文句にあるのに、米英両国は全然分かっていない。 ファルージャでの戦闘による市民の被害者数が明らかにならないのは、激しい戦闘が続いていて、あまりに危ないので、各国のマスコミがファルージャの内部を詳しく取材できないからであろう。

 さらに、アメリカ軍は、今回の攻撃により、イラク武装勢力を捕虜にしたといっている。どうせ、また、アブグレイブ刑務所で行われたような、捕虜への拷問や虐待が行われるだろう。


◆武力で人を支配しようというのは・・・ダメなのだと云うことが、人間はどうしても分からないのですね。

 

フランスの生理学者、クロードベルナールの有名な

 


「科学は進歩するが、人間は変わらない。」



 

という言葉がある。名言集・格言集のたぐいの本とかWebサイトには大抵載っているのではないだろうか。

 残念ながら、全く見事な洞察という他はない。

 武力、つまり物理的な力により相手を傷つけて、こちらの云うことに従うようにさせようというのは、ギリシャ・ローマは勿論、人類が誕生した直後から行われてきたことだろう。


 

 いや、これは、本来、人間というよりも、動物の行動である。

 力で勝負して、勝った方がボスになる。高崎山のサルと同じではないか。むしろ、人間の方が、相手を殺す道具を次々と考え出す点では始末が悪い。

 イスラム世界には、部族間の抗争で「血の報復」、という考え方があると聞く。やられたら、必ず復讐するということだ。アメリカは少しはイスラム文化のことを研究しているのだろうか?勿論、学者はいるだろうが、今のアメリカ中枢部の人間というのは、本当に単細胞だ。ファルージャを叩いた所為で、イラク全土が武装蜂起する可能性がある。


◆核兵器が用いられる可能性がある(IAEA エルバラダイ事務局長)

 

11月8日、丁度1週間前から、シドニーで「核拡散防止に関する国際会議」というのが開かれていた。

 日本のマスコミはあまり詳しく報じなかったが、BBCの記事を読んでいたら、ぞっとした。

 IAEA(国際原子力機構)のエルバラダイ事務局長(昨年、3月上旬、イラク戦争が始まる前に、イラクでの大量破壊兵器の査察には、まだ数ヶ月を要する、と言った人。ブッシュはそれを無視して、その約2週間後にイラク戦争を始めた)が、核兵器がテロリストグループの手に渡るかどうかは、時間との競争だ」と言っていたのである。

 なぜ、ぞっとするかというと、他にも同様の予言をしている人がいるからである。

 イスラエルによる、執拗で残虐な攻撃(10歳の女の子の身体に20発の銃弾を撃ちこんだ話は10月17日の日記に記した)で、パレスチナ自治区の住民は最早全面降伏か、全滅するか、という瀬戸際にまで追い込まれている。

 イスラエルの行為に正当性はなく、これを放任しているアメリカも同罪だ。イスラエルとアメリカに対する、パレスチナ人、ひいてはアラブ人たちの恨みは、日本人の想像を絶するものがあるのだ。

 昨年、駐レバノン大使の天木直人氏が、勇敢に、小泉首相に対して「イラク戦争を支持するべきではない。」「イラクに自衛隊を送るべきではない」という意見を直訴したところ、外務省から殆ど無理矢理、退職させられた、という歴史的事実がある、

 その後、その経緯を含むさらば外務省!―私は小泉首相と売国官僚を許さないの他、何冊もの本を出していて、blogも殆ど毎日更新している。

 その天木直人氏のblogに、彼がレバノンにいた頃、パレスチナ難民の10代の少年が、天木さんに、「もしも、私達が核兵器を手に入れることが出来たならば、躊躇無く、イスラエルや、アメリカに対してそれを使う」と言ったという。その目が完全に落ち着いた、覚悟を決めた目だったという。

 つまり、下手をすればですね、核兵器が、広島・長崎以降、2度と使われないように、皆が頑張ってきた核兵器が、使われるかも知れない、という恐ろしい状況なのである。そうなったら、もう、お互い完全に狂うからね。戦争になると、人間、残虐性が増すでしょう?日本人も攻撃の対象になるよ。

 私が10日の日記で小泉首相は簡単に「ファルージャ攻撃を成功させなくては」などと、言ってはならないと書いたのは、人道上、問題だ、という理由が中心だったが、同時に、アラブ諸国を敵に回すような発言、行動を、これ以上軽率にするべきではない、ということを言いたかったのです。


2003年11月15日(土) 「イラク派遣、日本は期待できない…米国防副長官」←期待するほうが間違っているんだよ。バカ。
2002年11月15日(金) 絶望。日本経済はもはや手遅れ。

2004年11月14日(日) 「紀宮さま婚約内定、お相手は都職員・黒田慶樹さん」謹んで、お慶び申し上げます。

◆記事:紀宮さま婚約内定、お相手は都職員・黒田慶樹さん

 

 天皇家の長女紀宮(のりのみや)さま(35)が、東京都都市整備局建設業課主任の黒田慶樹(よしき)さん(39)=東京都渋谷区=と婚約されることが内定した。

次兄の秋篠宮さまの学習院時代の同級生で、紀宮さまとも幼なじみ同然の間柄。天皇、皇后両陛下も婚約を了承され、12月下旬に宮内庁から正式発表される。挙式の日取りなどは未定だが、一般の結納にあたる「納采(のうさい)の儀」を経て、来年夏にもご結婚となる。結婚により紀宮さまは皇籍を離れる。

 宮内庁の羽毛田(はけた)信吾次長は14日に記者会見し、新潟県中越地震などで被災者が苦しんでいることから、両陛下や2人の希望で今月初めの発表予定を12月下旬に延期していたが、一部で「婚約」が報じられたために認めざるを得ない事情を説明。「紀宮殿下もお相手も、12月後半まで慶事の発表を行う気持ちはなく、両陛下もお2人のお気持ちを尊重されている。今は正式発表を行う時期ではない」と述べた。

 宮内庁によると、黒田さんはトヨタ自動車に勤務していた父の慶次郎(けいじろう)さん(1986年死去)と、母の壽美子(すみこ)さん(69)の間に長男として生まれ、弟が1人いる。
 黒田さんは幼少のころから天皇、皇后両陛下と面識があり、高校では写真部の部長だった秋篠宮さまを副部長として支え、大学に進んでも秋篠宮ご夫妻が所属されたサークル「自然文化研究会」に所属。秋篠宮さまや紀子さまらと交遊を深め、紀宮さまとも幼なじみのように接してきた。

 交際が進展したのはここ1、2年。黒田さんは友人と赤坂御用地内にある秋篠宮邸を訪ねた際などに紀宮さまに会われ、その後も電話で連絡を取り合ってきた。今年2月には宮邸を訪ね、梅見で訪問されていた両陛下らと懇談。この夏にはお二人の気持ちは固まったという。


◆コメント:勤め人を経験なさった皇族。

 

 私は、右でも左でもないが、こういうおめでたいことには、素直にお祝いを申し上げるべきであると思っている。

 雅子様が、ご病気だ、という報道に対しては、Web日記やBlogで採り上げる人が多いのに、慶事に接してお祝いを申し上げないというのは、失礼である。

 私は、紀宮さまが、新潟中越地震の被害者がまだ、困難な生活を送っていることに配慮なさって、ご自身の嬉しいこともあまり報じないように、という細やかな心遣いに、感銘した。


 

 あまり知られていないし、こういう表現は、ご兄弟に失礼だが、ご兄弟の中では、紀宮さまが一番、成績も良く、聡明である、と云うことは、関係者の間では殆ど常識になっていることを知っている。何故知っているか、については書けない。

 聡明なばかりではなく、皇室にお生まれになった女性は、皆、将来、一般人になる(皇籍を離脱する)のだから、そのときに困らないように、早くから、家事一般をこなせるようにしつけられる。紀宮様は、料理も、掃除も、洗濯もお出来になるのだ。

 さらに、紀宮様は山階鳥類研究所で働いて、給料を貰っておられて、従って所得税をおさめておられるのである。皇族で、他に「勤め人」を経験したのは、2年前の11月に急逝された、高円宮殿下だけである。

 話がそれるが、高円宮様が毎日通勤なさっていた、外務省の外郭団体に、彼の、スズキムネオ氏が何か文句の電話を掛けてきた。偶々電話を取ったのが殿下だった。相手が電話口でいきなり怒鳴り始めた。高円宮様は何のことだかわからないので、丁寧に「どちら様ですか」と訊ねたところ、鈴木宗男は「ワシのことが分からんのか!鈴木だ、鈴木!」

 鈴木とだけ云われても分からないから、殿下は「どちらの鈴木様でしょうか?」と重ねてたずねた。宗男はますます激昂し、「鈴木宗男だっ!お前は誰だ?」とのたまわるので、仕方なく、「高円ですが」とお答えになったという。その後のムネオ氏の狼狽ぶりが目に浮かぶようで、痛快である。


 

 さて、紀宮さまに話をもどそう。

 これは、以前、ニュースで見たが、紀宮様は、実はカリフォルニア州知事、アーノルド・シュワルツネッガー氏のファンなのである。

 シュワルグネッガー氏がかなり前に来日した(ターミネータのプロモーションの為だったと思う)時に、紀宮様はパーティに呼ばれ、しばし、「シュワちゃん」と(勿論英語で)にこにこと嬉しそうに歓談しておられた。

 シュワルグネッガー氏は、相手は日本のプリンセスなのだから、当然であるが、非常に紳士的に応対しており、私は、ああこの人は教養のある人だな、と、好感を抱いた。

 周知の通り、シュワルツネッガー知事は来日中であり、そのときに紀宮様ご婚約内定の報道がなされたのは、偶然とはいえ、面白い。 シュワ氏も喜んでくれているに違いない。紀宮様に、もう一度彼に会わせて差し上げればいいのに、と、私はやや歯がゆい気持ちでいる。


2003年11月14日(金) 人間には、どんなに頑張っても出来ないことがある。
2002年11月14日(木) 高齢者は免許更新時に実技試験をしたほうが良いかもしれない。だが・・・

2004年11月13日(土) <イラク派遣>陸自第4次隊の第1陣200人が出発←国家非常事態宣言が出ている、大規模戦闘中の国にね。

◆記事1:自衛隊法第3条(自衛隊の任務)

(自衛隊の任務)

第三条  自衛隊は、わが国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対しわが国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ、公共の秩序の維持に当るものとする。
2  陸上自衛隊は主として陸において、海上自衛隊は主として海において、航空自衛隊は主として空においてそれぞれ行動することを任務とする。


◆記事2:自衛隊法施行規則第39条(服務の宣誓)

第三十九条  隊員(学生、予備自衛官等及び非常勤の隊員(法第四十四条の五第一項 に規定する短時間勤務の官職を占める隊員を除く。第四十六条において同じ。)を除く。以下この条において同じ。)となつた者は、次の宣誓文を記載した宣誓書に署名押印して服務の宣誓を行わなければならない。学生、予備自衛官等又は非常勤の隊員が隊員となつたとき(法第七十条第三項 又は第七十五条の四第三項 の規定により予備自衛官又は即応予備自衛官が自衛官になつたときを除く。)も同様とする。

 宣 誓

私は、我が国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、日本国憲法 及び法令を遵守し、一致団結、厳正な規律を保持し、常に徳操を養い、人格を尊重し、心身を鍛え、技能を磨き、政治的活動に関与せず、強い責任感をもつて専心職務の遂行に当たり、事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえることを誓います。


◆記事3:<イラク派遣>陸自第4次隊の第1陣200人が出発

 イラク南部サマワで復興支援活動をする陸上自衛隊の第4次隊の隊旗授与式が13日午後、山形県東根市の陸自神町駐屯地で行われ、第1陣約200人が同夜、仙台空港から出国した。

 隊旗授与式では大野功統・防衛庁長官が4次隊の群長、福田築(きづく)1等陸佐(48)に隊旗を手渡し、「大いに日本の平和の心を世界に広げてほしい」と訓示、家族にも「サマワは治安がいい所で、安心してほしい」と述べた。

 福田群長は会見で「イラク全土は予断を許さないが、サマワは比較的安定し、昨日今日も外で活動したという。イラク人の目線で活動したい」と述べた。第1陣は仙台空港で家族が作る花道を抜け、民間航空機に乗り込んだ。

 第4次隊は山形、宮城、福島3県に駐屯する第6師団を中心に約500人で編成。第2陣、第3陣も11月中に仙台空港から出発する予定。(毎日新聞) - 11月13日21時52分更新


◆記事4:「自衛隊は出て行け」=サドル派がデモ−部隊交代前に治安悪化の恐れ・サマワ

 

 【サマワ13日時事】陸上自衛隊が活動するイラク南部サマワで12日、イスラム教シーア派の反米指導者サドル師の支持者約200人が金曜礼拝の後「占領軍の自衛隊は出て行け」と叫び、デモを行った。サマワで自衛隊駐留に反対するデモは、サドル派が今年4月に行って以来2回目。

 デモ隊の先頭にはサドル師のサマワでの代理人を務めるガジ・ザルガニ師が立ち、市内商店街から州知事庁舎近くの広場まで行進した。サドル師の写真を掲げ、横断幕には「イラクを占領する自衛隊は出て行け」などと書かれていた。ザルガニ師はデモ後、「もし自衛隊がサマワから去らないなら、われわれは行動を起こす」と宣言した。(時事通信) - 11月13日7時1分更新


◆コメント:自衛隊を撤収させるべきである。

 

 法的根拠を申し述べる。

 イラク復興支援特別措置法は違憲である。

 特措法で定められている、イラクにおける自衛隊の任務は、「人道支援活動」のみならず、「安全確保活動」があり、これは、航空自衛隊が米英軍の後方支援活動に携わることを意味している。

 米国は、日本の同盟国であるが、現在、実質的に戦闘状態にある。 戦争をしている同盟国の後方支援をすることは、集団的自衛権の行使に該当し、日本国憲法第9条に違反している。

 さらに、記事1に掲げたとおり、自衛隊の任務は「わが国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対しわが国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ、公共の秩序の維持に当る」ことである。

 つまり、他国の侵略に対しては対抗するし、公共の秩序の維持とは、災害支援や治安維持活動を意味しているが、外国に行くとは、どこにも記されていない。

 また、自衛官になる者は、記事2にあるとおり、自衛隊法施行規則に従い、「服務の宣誓」をしなければならないが、そこでは、「我が国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、日本国憲法 及び法令を遵守」せよ、と規定している。


◆どこから見ても、自衛隊は戦乱の地に派遣されることを想定していない。

 

 以上により、自衛隊は、憲法、その他の法律から、海外に派遣されることを想定した組織ではないことは、明らかである。

 また、自衛官は、憲法で保障された、職業選択の自由の下で、自らの自由意思により、「自衛官」という職業を選択したわけである。従って、各自衛官は、我が国が他国に侵略され、我が国を防衛するとき、或いは災害救援の任務に就くときには、危険を伴うことを承諾していると認められる。

 しかしながら、海外に派遣することには承諾もしていない。

 自衛隊が同盟国の支援の為に海外へ派遣されるのは、彼らの職業選択の際には提示されていない職務である。ましてや、戦乱状態にある現在のイラクのような危険な場所に彼らを派遣する日本政府の決定は、憲法前文で述べられている、国民(自衛官は日本国民である)の平和的生存権を侵害するものである。


◆つまり、国の契約違反なのである。

 

 民間会社に就職するとき、人は、その会社と雇用契約を締結するわけだが、自衛官や他の国家公務員にとって、雇用契約の相手方は日本政府である。自衛官は、雇用契約に従う、という意思を「服務の宣誓」で示しているわけであるが、その宣誓の文言には、他国へ派遣されることは含まれていない。

 つまり、日本政府が自衛官をイラクへ送る為に、イラク復興支援特別措置法を制定したことは、それよりも前に、日本国が各自衛官と交わした雇用契約の内容を一方的に変更する、契約違反である。


◆ゴタクは要らない、という人のために。

 

ファルージャで、どれぐらい激しい戦闘が繰り広げられているか、ご覧になることをお薦めする。
 百聞は一見にしかず。こういう国に自衛隊を送り込むのが許されるだろうか?

 ロイターのサイトで戦闘の様子を動画でみることが、できる。

 また、サマワは安全だ、と日本政府はしきりに強調するが、記事4にあるように、自衛隊を占領軍である米国と同一視する意識が、一般市民の間に広がっている。

 そして、つい先日、鉄製のコンテナを貫通するような(信管が外してあり、爆発はしなかったが)強力な破壊力を持つロケット砲弾が、宿営地の敷地内に撃ちこまれたことを併せて考えると、サマワが安全という主張にはどうしても賛成できず、日本政府は、今後、自衛官に死傷者が出るかも知れないということを百も承知で、あらたに、陸自の第4次隊に派遣命令を出したことになり、それは、本当に、取り返しが付かない結果につながる可能性が高い。


2003年11月13日(木) <イラク>イタリア軍警察の駐屯地前で爆発 20人死亡 ビンラディンが名指しした国が次々と狙われている。日本も含まれている。
2002年11月13日(水) 本日の、テレビドラマ「サイコ・ドクター」における情報は概ね正しい。

2004年11月12日(金) 「米・イラク軍、ファルージャで600人殺害」 ザルカウィはどこにいるのだ? 大量破壊兵器の時と同じだね。

◆記事1:米軍、ファルージャ中心に到達 ザルカウィ幹部らは脱出か (CNN)[11月10日 (水)]

 

 イラク・ファルージャ(CNN) 米国防総省は9日、米軍とイラク治安部隊による中部ファルージャ総攻撃で、一部部隊がファルージャ中心部に到達したと発表した。一方で、イラクからビデオ会見したイラク多国籍軍司令官のメッツ米陸軍中将は、市内潜伏の可能性があるとされた「イラク聖戦アルカイダ組織」のヨルダン人ザルカウィ幹部について「すでにファルージャを離れていると考えるのが妥当だ」と述べ、拘束に失敗したようだと認めた。


◆記事2:米・イラク軍、ファルージャで600人殺害(読売新聞) - 11月12日3時10分更新

 

【カイロ=長谷川由紀】イラク中部ファルージャを攻略中の米軍の攻撃ヘリ2機が11日、ロケット弾攻撃などを受け被弾した。米軍によると、2機は緊急着陸し、パイロットらは無事。米・イラク軍はファルージャの大半を制圧したとしているが、一部で武装勢力による反撃が続いている。

 一方、AP通信は米軍幹部の話として、8日に始まったファルージャ攻略作戦で、これまでに武装勢力約600人を殺害したと伝えた。米・イラク軍は、空爆が一定の効果を上げた段階で、地上部隊を南進させ、市完全制圧を目指す構えだ。

 ファルージャ以外のイラク各地では11日も武装勢力によるテロが相次いだ。

バグダッド中心部の繁華街では自動車爆弾による大爆発が起き、AP通信によると、17人が死亡した。また、北部モスルでは、武装勢力が警察署や政党事務所など複数の標的を襲撃、市内は混乱に陥っている。

 北部キルクークでは、自動車に仕掛けた爆弾が、地元当局幹部を乗せた車列の近くで爆発。幹部は無事だった。また、キルクーク北東の油井が、何者かによって爆破された。


◆コメント:ファルージャ攻撃はすぐに止めろ。

 

 全く、米国のやり方はひどい。

ファルージャを攻撃するのは、ここが最も強硬的な、ザルカウィ氏が率いる反米武装勢力の巣窟で、放置すれば、ファルージャは、テロリストグループの拠点となり、来年1月に予定されている、イラク国民議会を作る為の選挙の邪魔になるからだ、というものだった。

 この論旨をよく考えると、おかしい点がいくつも見つかる。


 

  • ザルカウィ氏がファルージャにいたと判断した根拠は何か(イラクに大量破壊兵器があると主張した時と同じで、根拠がしめされていない)。
  • 本気でザルカウィ氏を捕らえ、或いは殺害するつもりだったのなら、どうして、事前に「米軍がファルージャを総攻撃するらしい」という情報を、世界中に漏らすのだ?逃げるに決まっているではないか。
  • イラク国内でアメリカに敵意を持ち、武器が手に入るのであれば、米軍に反撃したい、と考えているイラク人はイラク全土に存在するはずで、いくら、いわゆるスンニートライアングルに反米勢力が多いと云ったって、ファルージャだけを攻撃しても意味がない。

 

 記事2を読んで頂きたい。

「 ファルージャ以外のイラク各地では11日も武装勢力によるテロが相次いだ」という情報が伝えられている。

 そもそも、イラク国民議会を作るための選挙をいつ行うかは、イラク人自身の裁量に任せるべきである。

 どうしても来年1月に行わなければならない理由は無いし、ましてや、そのために、他国人である米国の軍隊が、イラクに留まって、イラク人を殺し続けることを正当化する根拠が無い。

 反米武装勢力は米国人がイラクにいるから、これに対して攻撃するのだから、米国は、軍隊をさっさとアメリカに引き揚げれば、攻撃対象がいなくなるわけだから、反米武装勢力の活動は自ずから、鎮静化するだろう。

 イラク国内の治安は、少なくとも今よりは改善するはずである。アメリカがそうしないのは、ザルカウィ氏云々は、口実に過ぎず、あくまで、イラクの石油に未練があるからだ。


◆非戦闘員を殺傷することは、ジュネーブ条約で禁止されているし、倫理的見地からも、認められない、という単純かつ明白な結論が理解できない、日本国の首相。

 

 アメリカ軍はファルージャの病院を占拠している。反米武装勢力が怪我をしても治療を受けられないようにするためだという。

 しかし、実際には一般市民が負傷した場合も、病院で治療が受けられず、死亡している。

 治療が必要な人々に治療を受けさせないのは、アメリカには一般人に対する殺人の故意がある、と解釈せざるを得ず、非戦闘員への攻撃を禁止している「戦時における文民の保護に関する1949年8月12日のジュネーブ条約」に違反している、明白な違法行為である。

 一昨日の日記で書いたが、このような、法的見地からも、道義的観点からも許されるべきではない、ファルージャ攻撃を、我が国の首相は「成功させなければ」と公式に述べている。一般人が殺されるのは、仕方がない、と云っているのに等しい。

 だから、こいつはバカだというのだ。


2003年11月12日(水) <イラク>「かなり戦争状態に近い」 米国務副長官←自衛隊派遣は集団的自衛権の行使に相当すると思う。
2002年11月12日(火)  1989年11月13日。 島根医科大学第二外科の英断 日本初の生体肝移植

2004年11月11日(木) 日本音楽コンクール終了 オーボエに天才的女性奏者現る。

◆日本音楽コンクールとは何か。

 

 元々毎日新聞が文化事業として始めた、日本で、最も権威のある音楽コンクールである。通称毎コンという(初めは毎日音楽コンクールと称していたのだが、NHKが協賛してから、日本音楽コンクールというようになった)。日本で、と書いたが、現在、世界を舞台に活躍している日本人音楽家の多くは、学生時代に毎コンで優勝乃至上位入賞した人々であり、十分世界にも通用する審査が行われていることを意味する。

 毎年この時期になると毎コンが気になる。いつも、国会がどうだ、アメリカが、イラクが、国連が、地球温暖化が、というような話を書いているが、本当は戦争の話などよりも、好きな音楽や楽器の話ばかりを書いていられるような世の中なら、どんなにいいかと思う。まあ、これは愚痴である。

 毎コンが音楽に一生を賭けた若者にとって如何に重要な意味を持つか、また、これに出場することがどれほどの覚悟を必要とするかについては、一昨年に書いたし、今年の夏にも書いた。第一次予選が8月26日に始まり、10月24日、漸く本選が終わった。

今年は、ピアノ、ヴァイオリン、作曲、声楽、フルート、オーボエの審査が行われた。

 ピアノ、ヴァイオリン、作曲、声楽は毎年あるが、その他の楽器は種類が多いので、毎年全ての楽器が参加出来るわけではない。

 去年は、チェロとトランペットだった部分が、今年はフルートとオーボエになったのである。管楽器の奏者は何年に一度しか参加できない。しかも年齢制限がある。自ずと参加回数は限られる。まことに過酷である。


◆今年は、オーボエでもの凄く上手い女性奏者が現れたらしい。

 

 参考までに。これが、オーボエという楽器である。

 それはさておき、「らしい」、と書いたのは、私が自分の耳で聞いていないから、である。

 毎年、毎コンの本選が終了すると、全ての部門(ピアノ部門、ヴァイオリン部門、という言い方をする)の上位3位までの入賞者の採点結果と、各部門の審査委員が好評を書き、毎日新聞紙上に掲載される。

 今年は、オーボエ部門の結果を見てぶっ飛んだ。

 優勝者は、荒絵理子さん(23)=東京音大大学院研究科1年 という人である。学校は問題ではない。

 何を見て私がぶっ飛んだか、というと、オーボエ部門の審査員11人全員が、荒さんを1位に推し、しかも点数が、2位と40点違う。こういう審査結果は、今までの毎コンのどの分野でも見たことがない。

 音楽家は個性のかたまりのような人々で、好き嫌いが激しい。ある参加者が、テクニックはあるのに、音楽性が自分の気に入らないと、ひどい点を付ける人が必ずいるのだ。

 審査員全員が、議論の余地もなく一位に推したというのは、信じがたい。文句のつけようがない、ということだ。しかも各審査員の点数の合計が331点なのだが、2位の人と40点の開きがある。ピアノ、ヴァイオリン、フルート、声楽の各部門では、優勝者と2位の点数の差は、いずれも10点〜12点なのだ。40点の差をつけての優勝がどれほどもの凄いことが、少しはおわかり頂けると思う。


◆上手いオーボエ吹きがいるのは大切なことなのです。

 

 オーボエというのは、非常に大切なパートで、音量は大して出ていないのだが、非常に浸透力のある音色をしているので、フルオーケストラでも必ず聞こえる。

 オーケストラのコンサートでは、曲の演奏を始める前に全ての楽器のピッチ(音の高さ)を合わせる、チューニングという作業を行うが、この基準音、A(ラの音)を出すのが、オーボエである。

 プロの音楽家の耳というのは我々一般人から見ると、人間業とは思えない。1ヘルツ単位の違いを聞き分ける。

 もともと、A=440ヘルツ(NHKの7時のニュース前の時報はラ・ラ・ラ・オクターブ上のラだが、初めの3つのラが440ヘルツである)だったのだが、別に規則があるわけではない。高めのピッチにした方が弦楽器は弦をより強く張ることになり、そうすると音色が派手というか、華やかな響きとなるので、ベルリンフィルなどは、444ぐらいが普通になっている。

 とにかく、そのピッチを決めるのはオーボエだから、非常に良い耳をしていなければならぬ。もっとも、良い耳をしていても、宮本文昭氏などはケルンの頃、自分の耳に音叉を当てて、確認しながら「ラ」の音を出していた。印象的である。

 因みに、プロのオーケストラのメンバーになるような人は、チューナーなどで確認しなくても、全員ぴたりと1ヘルツの違いもなくチューニング出来るのである。宮本さんは念には念を入れているのである。こうして全員のピッチが合わないと、曲を演奏しても、オーケストラが鳴らない(良く響かない、という意味)。


◆全ての時代の曲のオーボエパートがある。

 

 チューニングに欠かせないから、オーボエが大切な楽器だ、というわけではない。

 「オーケストラの響きのかなりの部分はオーボエで決まる」と云われる。そして、オーボエが使われない、オーケストラ曲は殆ど無い。

 バロックから現代の作品まで、必ずオーボエ奏者の姿をオーケストラに見出すことが出来る。

 それだけ、いつの時代の作曲家にとってもオーボエの音は、オーケストラの音を作るのに、欠かせないわけである。オーボエが重要なパートだというのは、そういう意味だ。だから、一流のオーケストラには、絶対に一流のオーボエ奏者がいる。

 他の楽器が重要ではない、ということでは勿論ないが、因みにクラリネットは、オーボエに比べると新しい楽器であり、バッハがクラリネットのために書いた曲はないが、オーボエはバッハの殆ど全ての管弦楽曲に使われている。

 サクソフォーンはもっと新しく、1840年代にベルギーの楽器制作者、アドルフ・サックス、という人が発明した楽器なので、サクソフォーンというのだが、オーケストラでは、限られた作品でしか用いられない。オーケストラにレギュラーのサックス奏者はいないのである。

 ラベルのボレロとか、ムソルグスキー作曲・ラベル編曲の「展覧会の絵」とかビゼーの「アルルの女組曲」ではサックスのパートがあるが、こういう時はトラ(エキストラ)を呼ぶのである。


◆優れた才能が見出されるのは嬉しいことだ。

 

兎に角、毎コン始まって以来の断トツの成績での優勝者が、ピアノ・ヴァイオリンに比べれば、マイナーな管楽器分野、しかもオーボエに現れたというのは、非常に新鮮な喜びである。荒さんの演奏を早く聴いてみたい。

 最後に、オーボエってのは、どんな音がするんだい。と興味を持たれた方のために、CDを一枚。ベニスの愛 〜 イタリア・バロック・オーボエ協奏曲集を薦めます。

 このCDには、マルチェルロというバロック時代の作曲家のオーボエ協奏曲が入っている。この曲は「ベニスの愛」というオーボエ吹きが主人公のベニスを舞台にした映画で使われて、一挙に有名になったのです。

 綺麗ですよー。ロマンチックですよー。もし、ベニスに旅行する予定のある方は、絶対これを持って行って聴いて下さい。泣けてきます。

 勿論日本にいても泣けます。「哀愁」とか「郷愁」の、「愁」という文字を音にしたら、オーボエ以外には無いだろうと、私は思います。


2003年11月11日(火) 「みんなイラクの安全を心配している」米国防長官←お前なあ、それなら最初から戦争するなよ
2002年11月11日(月) 共和党が勝ってブッシュは大得意だが、アメリカでは、911が「やらせ」ではないか、という話が・・・・

2004年11月10日(水) 「『成功させないといけない』=ファルージャ総攻撃、小泉首相が支持」 一般市民が殺されているのですが・・・。

◆記事1:市中心部制圧の勢い ファルージャ攻防続く ザルカウィ容疑者らは逃亡。(共同通信)

 

【ワシントン9日共同】イラク中部ファルージャの中心部に到達したイラク駐留米軍とイラク部隊は10日、武装勢力と激しい市街戦を続けた。米軍などは北と西の3方面から進撃しており、現地司令官によると、中心部を含む同市北半分を制圧する勢い。

武装勢力は押される形で南部に集結し反攻の構えで、戦局の焦点は南部攻防戦に移った。ヨルダン人テロリスト、ザルカウィ容疑者らは逃亡したもよう。 米軍は現地時間9日午後6時半(日本時間10日午前零時半)現在、米兵10人とイラク兵2人が死亡したと発表した。


◆記事2:「成功させないといけない」=ファルージャ総攻撃、小泉首相が支持

 

 小泉純一郎首相は9日午前、イラク駐留米軍などによるファルージャ総攻撃について「成功させないといけない。治安の改善がイラク復興のカギですから」と、事実上の支持を表明した。

その理由として「テロリストグループが混乱させようと動いていますから」と指摘した。首相官邸で記者団の質問に答えた。

 政府は、武装組織との戦闘がイラク全土に及ぶ可能性はないと判断。サマワで活動する自衛隊撤退などは考慮しない方針だが、首相の踏み込んだ発言は今後、波紋を呼びそうだ。(時事通信) - 11月9日13時2分更新


◆記事3:本日の国家基本政策委員会合同審査会(党首討論)の議事録(私が衆議院TVから起こした暫定版)

民主党 岡田代表:次にイラク戦争、自衛隊派遣の問題について、時間も非常に限られておりますが、申し上げたいと思います。

 まず、総理はファルージャにおける米軍の攻撃に対して、これを「成功させなきゃいけない」と云われました。

 私は、この言葉も非常に違和感を感じました。

 ファルージャの人口は30万と云われています。前回4月の戦いでは800人の市民が命を落としたと伝えられています。市街戦ですから。今回は空爆もやってますし、多くの市民の犠牲が出る可能性がかなりあります。

 そういう中で、簡単に、こういった問題について、それを「賛成する」とか「支持する」、そういう風に断言して良いのか。やはり命を落とす市民のことも考えながら、もう少し違う言い方があったんじゃないか、そう言う思いが私はひじょうにするわけですが、総理はその点、いかがでしょう?

小泉首相:私は、イラクの暫定政府がファルージャにおける治安の回復というものを、重視している。そして、来年1月の選挙に向けて、ファルージャにおいての武装勢力、何とか選挙を妨害しようとする勢力、テロリストグループ、これを排除しようという強い意志を固めて、今回、非常事態宣言をしてファルージャの作戦を展開している。

 この作戦というのは、治安を回復するために、極めて重要だと思っています。だからこそ、これは、成功させなければいけない。成功させない、失敗すると云うことは、あの地域が、謂わば、武装勢力、テロリストグループの拠点になってしまう。

 1月のイラクの議会を作るための選挙の支障となる。だからこそ成功させなければいけない。

 また、「成功させなければいけない」という言い方がいけないと岡田さんは批判しますが、「失敗してもいい」なんて、云えるわけ無いでしょう。「成功させなければいけない」といってはいけないのでしょうか? 治安回復のために成功させなければいけない、と私は今でも思っていますよ。「成功させなければいけない」っていう、違う言い方は、どういう言い方が適当なのでしょうか?


岡田代表: 総理は議論をすり替えておられるのですよ。

 問われているのは、こういう市街戦という形でファルージャの街に2万人の兵力を投入して、そして攻撃をすることがいいことかどうかが問われているんですよ。

 総理は「攻撃がある」ことを前提にして、それは攻撃があることを前提にすれば失敗するのは困る、そりゃ、そうなるでしょう。しかし、攻撃そのものが問われているんです。

 そして、総理はイラク暫定政府のアラウィ首相の発言を引用されますが、しかし、一方で大統領は何といっていますか?

 大統領は、ファルージャをこういう形で攻撃することは、「馬の上にとまっているハエを拳銃で撃ち落とすようなものだ。馬は死んでしまう。ハエは逃げる。」
 現実に今、そうなりつつあるじゃありませんか。テロリストグループはもう既に逃げている、そういう報道があるじゃないですか。つまり、こういうやり方が本当に良かったのかどうか、そのことが、問われているんです。わたくしは、そのことを申し上げているんです。


◆記事4:議事録続き、自衛隊のイラク派遣に関して

岡田代表:そこで、自衛隊のサマワにおける活動について、総理は「サマワは『非戦闘地域』である」と云われました。「非戦闘地域である」と断定された、その根拠は何なのでしょうか。

小泉首相: 根拠といえば、「戦闘が行われていない」だからこそ「非戦闘地域」である。

岡田代表: じゃ、総理、お訊ねしますが、その議論の前提としてイラク復興支援特別措置法における「非戦闘地域」の定義を言ってください。

小泉首相:イラク特措法に関して言え、と。法律上。ということになればですね、「自衛隊が活動している地域は非戦闘地域」なんです

岡田代表:私は、イラク特措法における「非戦闘地域」の定義を言ってくれ、といったんです。

小泉首相:それは、定義は文書を持ってくればすぐに言えますよ。でも、党首討論ですから、考え方を言っているんです。私はイラク特措法というのは「自衛隊が活動するところが『非戦闘地域』である」これが、イラク特措法の趣旨なんだということです。

岡田代表: 総理、この問題については、私は前に一度総理に官邸で申し上げたことがあるんですよ。

「非戦闘地域」の定義は、「現に戦闘行為が行われておらず」、ここまでいいですね?「かつ、そこで実施される活動の期間を通じて」つまり、1年間です。「戦闘行為が行われることがないと認められる地域」なんです。

 ですから、私が総理に訊いたのは、これから一年間、サマワにおいて戦闘行為は行われない、と、そういうふうに言う根拠は何ですか、と訊いているんです。どうです?


小泉首相: それは将来のことを100%見通すことはできません。「非戦闘地域」でなくなった場合には、これは、自衛隊は、特措法に基づいて、撤退しなけりゃならない。しかし、「特措法上の定義について何か」と問われたから、「自衛隊の活動している地域は非戦闘地域である」これは、法律の趣旨なんだと。将来、「組織的、計画的、継続的に戦闘が行われるかどうか」これは将来、100%いつ、どうなるか、断言することは出来ません。しかし、はっきり申し上げますが、「自衛隊が活動している地域が非戦闘地域なんだ」これがこの法律の趣旨です。

岡田代表: まあ、まともに議論する気が段々無くなっていくんですが、総理ね。このイラク特措法の中で「非戦闘地域」について敢えて「将来戦闘行為が行われることが無いと認められる地域」と書き込んだのには、非常に思い意味があるんですよ。

 そして、この定義は政府がお作りになったんですよ。総理がお作りになったんですよ。さっき総理は今戦闘行為が行われていないと言われましたが、しかし、本当にこれから一年間、新たに、自衛隊が12月14日以降派遣されて、1年間戦闘行為が行われない、という説明が総理はできなかったじゃなですか。そうであれば、これはやっぱり、法律上「非戦闘地域」と言えないのです。

 だから、私達は、12月14日以降、引き続き自衛隊をイラクに派遣することには、法律上の問題がある、といっているんです。そして、この法律のこの部分は憲法につながる話ですから。憲法上の疑義もある、そのことを申し上げているわけです。

 それでは、もう一つ申し上げたいと思いますが、自衛隊員の皆さんの安全の問題です。時間もないのでまとめて申し上げますが、まず、8回にわたる迫撃砲又はロケット砲の攻撃がありました。そして、一番最近のロケット砲は鉄製のコンテナを貫通するほどの危険な状態だったということを言っておきます。
 同時に今まで自衛隊を守っていたオランダ軍が来年3月15日をもってサマワ又はムサンナ州から撤退する可能性が高い。そのあと、どうするのでしょうか。一体誰が自衛隊を守るのでしょうか?(後略)。


◆コメント1:ファルージャ総攻撃に関して。既に主たる目標は既に逃げたというのに・・。

 

 ファルージャ総攻撃を行うのは、ここにいわゆる反米武装勢力の中でも最も凶悪なザルカウィ派の拠点になっているからだという理由によるのだが、もともとはファルージャが特別に凶悪な街なのではなく、今でも、30万人の一般人が暮らしているところなのである。

 そのなかに、テロリストグループが潜んでいるからと言って、街全体を2万人の兵力で囲んで総攻撃を加えている。どこにテロリストがいるか、正確には分かっていないので、無茶苦茶に町中を砲撃、銃撃している。

 しかし、ファルージャ総攻撃が行われることは、遙か離れた日本の一般新聞にも何日も前から載っていたほど知れ渡った情報である。ザルカウィ派が知らない訳が無いし、おめおめと捕まるわけがない。案の定、記事1では、すでにザルカウィ派は逃亡した後だという。それにもかかわらず、米国のラムズフェルドはファルージャが全滅するまで攻撃するようなことを言っている。無駄ではないか。これ以上のファルージャ攻撃は一般人を殺戮することを目的としている、と見なされても、抗弁できまい。


◆日本の新聞は、肝心な時に現地の悲惨な写真を載せないな。

 

 日本の新聞はいつもロイターやAPの写真を載せているくせに、こういう時にはどうして、現地の写真を載せないのだろうか。もっとも、今のファルージャには西側のマスコミは英国のThe Times(アメリカの雑誌のTimeではない)の記者しかいないらしい。それでもアルジャジーラの英語版はインターネットですぐにチェックできる。

 この画面を一目見れば分かるだろう。子供が殺されている。'Scores of civilians' killed in Falluja(ファルージャで市民の死者多数)という見出しである。

 記事は、9歳の男の子が銃弾に斃れ、血を流しながら死んでいくのを、父親は、ただ見ていることしかできなかった。通りでは銃撃戦が繰り広げられている上、テロリストが怪我の治療を受けられないようにするために、米国軍がファルージャの病院を占拠して、誰も入れないようにしているからだ、という。何という残虐な行為であろうか。

◆【追加】(08:21)治療受けられず死亡相次ぐ。イラク・ファルージャ住民。米軍の制圧作戦で病院機能が停止。電気水道も止まったまま。(今朝の産経新聞速報より)

 繰り返すが、ザルカウィ派が逃げてしまったことは、既にほぼ明らかである。戦闘員でない、一般市民を殺傷することをテロリズムというのだ。従って、今やファルージャでは、米軍自身が「テロリスト」になっているのだ。

 記事3を読んで頂ければ分かるが、今日の党首討論で、小泉首相は、「ファルージャ攻撃が成功しなければならない、失敗しても良いと言えるか?」などと、例によって的はずれの頓珍漢な答弁をしているが、民主党の岡田代表がいうとおりで、この作戦自体が、人道上問題である。

 平和国家を標榜する日本の宰相が、イラクの一般市民が殺されている、今回の攻撃計画を肯定するべきではない。


◆コメント2:国会答弁を読むと、小泉首相の非論理性がよく分かる。

 

 衆議院のホームページをみると、審議の模様がオン・デマンドで見られる衆議院TVというセクションがあり、記事3と記事4は今日の党首討論を私が文字に起こしたものである。いずれ、議事録として、衆議院のサイトに掲載されるが、時間がかかる。待っていられないので自分で文字にしたのである。プロの仕事ではないので、多少、読みにくいかも知れないが、首相の発言を活字で一字一句確認すると、下手なマンガやドラマより、余程面白い。

 「自衛隊が活動するのが非戦闘地域、これが、この法律の趣旨」というのはすごい。この人の頭はどういう構造なのであろうか。

 また、岡田代表が指摘しているとおり、イラク復興支援特別措置法は、政府与党が強行採決で成立させた法律であり、そこでは、自衛隊が活動するのは、「現に戦闘行為(国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為をいう。以下同じ。)が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる」地域、と規定しているのにもかかわらず、小泉首相は、「将来何が起きるかはわからない」と自分で作った法律に根本的な問題があることを自ら認めている。しかも、そのことに気が付いていない。

 私は、過去にこの日記で何度となく、小泉純一郎内閣総理大臣は論理的思考が出来ない人だと書いたが、その意味がおわかり頂けるのではないかと思う。論理が無く情緒的な選択で政策を決定するから、こういう問題(自衛隊を派遣してしまい、引っ込みが付かない。現地はますます危険になっている)が生ずるのである。


2003年11月10日(月) 有権者には、自分が投票した国会議員の政治行動を監視する責任がある。
2002年11月10日(日) 「ボレロ」のトロンボーン 芸術の厳しさ

2004年11月09日(火) 「北極の温暖化深刻、ホッキョクグマも絶滅の恐れ」 人類だって、危ないのです。

 ◆記事:北極の温暖化深刻、ホッキョクグマも絶滅の恐れ

 

【ロンドン=飯塚恵子】2100年までにホッキョクグマは絶滅の恐れ――北極地方の温暖化に関する過去最大の調査結果をもとにした深刻な予測が9日、アイスランドのレイキャビクで発表される。

 調査は、北極地方を取り巻く米国、カナダ、ロシア、アイスランド、ノルウェーなど8か国の政府と科学者約300人が協力し、2000年から実施した。

 それによると、北極地方の平均気温は、2100年までに摂氏4―7度上昇。これは国連による従来の報告の2倍の速度にあたり、最悪の場合、夏季、北極の氷は消滅し、ホッキョクグマやアザラシなど北極特有の動物は絶滅の危機にひんするという。

また、氷河が解けることにより、今世紀末には海面が10センチ上昇することが予想されるという。

 レイキャビクでは、今月24日に北極地方に接する各国の外相らが集まり、温暖化問題について協議する予定。(読売新聞) - 11月9日19時29分更新


◆コメント:ホッキョクグマだけでは済まない。

 

 最近、初めて、アクセスして下さる読者が大勢いらっしゃるので、今一度、地球温暖化問題の深刻さに関して述べる。

 国連環境計画(United Nations Environment Programme - UNEP)という組織があり、地球温暖化を含む環境問題を研究し、今までに、何度も世界に向けて、警鐘を鳴らしている。

 5年も前に既に発表された、地球環境概況2000は日本など100カ国以上の30研究機関、約850人の専門家がまとめたもので、環境問題について最も権威ある報告書であると言われているが、その要点は、



 「温室効果ガス排出増による地球温暖化の防止は恐らく手遅れ。京都議定書の目標も達成が難しい」。

 ということである。もう少し詳しく書くと、


  • 地球規模の水循環は、今後数十年間に予想される需要を満たすことができそうもない。
  • 土地劣化が農業の生産性と可能性を押し下げている。これらの損失は、農地の拡大や生産性の向上によってもたらされた改善の多くをうち消している。
  • 熱帯林の破壊の速度が速く、取り返しのつかない損失を防ぐことができない。失われた森林を取り戻すには何世代も必要であり、森とともに失われた文化は決して回復できない。
  • 環境悪化が目に見えるようになるまでには時間がかかり、政策立案者の反応も遅いため、地球上の多くの種が、すでに失われたかあるいは絶滅の危機に瀕している。かつて地球上に見られた多様な生物種の全てを保存するには手遅れである。
  • 多くの海洋漁業では、過剰捕獲が続けられており、資源の回復は遅い。
  • 人間の活動により、世界のサンゴ礁の半数以上が危機に瀕している。そのうちのある程度は生き残るであろうが、多くは手遅れである。
  • 開発途上地域の多くの大都市において、大気汚染問題が深刻化し、多くの住民の健康を損ねている。
  • 温室効果ガスの排出量増加により、地球温暖化を防止するのはおそらく手遅れであり、更に、京都議定書において合意された多くの目標は達成されないかもしれない。

というわけで、これ以上悲観的なレポートは、滅多にないだろう。

特に、このレポートが悲観的であることの怖さは、云うまでもなく、人類の存続に関わる問題だからである。地球環境概況2000の内容の細部を読むと、





  • 【地球環境の現状】
  • オゾン層破壊 : フロンによるオゾン層破壊の進行
  • これまで放出されたフロンガスなどにより、2010〜20年に最大3分の2が破壊され、本格的な被害はこれから(NASA)。
  • 今後、有害紫外線Bが増加し、皮膚ガン、免疫の低下、白内障などが増加。農作物・漁獲も減少。
  • 地球温暖化 : 石油などの大量消費で、1990年代後半の大気中の二酸化炭素濃度は過去最高に。
  • すでに温暖化が始まり、異常気象、洪水、干ばつなどが頻発。
  • 先進国の温暖化ガス削減目標を決めた京都議定書の達成は難しく、地球温暖化防止はすでに手遅れ。
  • 化学物質汚染 : ダイオキシン、環境ホルモン、農薬、有害廃棄物などの汚染が深刻
  • 世界で年間500万人の急性農薬中毒が発生、さらに空気、水、食べ物、土にも汚染が広がり、ガンや生殖異常などが増えている。
  • このままでは2050年には環境中に出る有害物質の量は現在の3倍以上になる。
  • 森林破壊 : 乱開発、商業伐採によって世界の原生林は80%が失われ、熱帯林の破壊はすでに取り返しのつかない状態。
  • 森林破壊や過耕作、過放牧などで世界中の土地で劣化が進み、世界の20%の土地で砂漠化が深刻、農業が困難となり10億人の生活に影響が出ている。
  • 生物種の絶滅 : 開発や森林破壊によって、ほ乳類の25%、鳥類の11%が絶滅の危機にあるなど、現状の生物多様性を保つことさえ既に手遅れ。
  • 食料危機 : 農業の生産力は水不足や農薬、化学肥料による土の劣化ですでに頭打ち、農地も人口増化、都市化によって減少している。
  • 地球温暖化、森林破壊などで、今後農業の生産力はさらに低下、食糧が不足する。
  • 漁獲量も乱獲によって頭打ち、2050年には需要が倍増し、不足が避けられない。
  • 水資源の不足 : 農業や工業、都市化で水が大量に消費、多くの河川が枯れるなど各地で水不足が深刻しており、このままでは2025年に人口の3分の2が水不足になる。


 と書かれている。

わずか21年後に世界の人間の3分の2は水不足に苦しむという。水がなくなるって、人類が絶滅することではないだろうか?

先日、ロシアが京都議定書に批准して、我らが小泉首相も「喜ばしい」とか云っていたが、京都議定書が発効したということは、ある条約=国際法が効力を持った、ということに過ぎない。

この条約(議定書も条約も同じである)が実効性を持つか否かは、参加国がこれを遵守するか否か、つまり、温室効果ガスの最たるものであるCO2排出量の削減を、京都議定書で定めたとおりに実現できるかどうかにかかっている。
そして、そもそも、京都議定書は、参加各国の温室効果ガスの排出量を減らす、という目標しか定めていない。

つまり、いずれにせよ、大気中のCO2は増え続けるのである。専門家によれば、CO2濃度を現在のレベルから増やさないようにするためには、世界全体が、CO2排出量を50%から70%カットしなければならないのだという。

京都議定書において定められている目標というのは、温室効果ガスの排出量を、2008年〜2012年の間に、1990年の水準から先進国全体で少なくとも5%削減すること、なのである。

如何に、温室効果ガスの濃度を減らすのが、絶望的に難しいか分かろうというものである。


◆どこの国も無関心だ。

 

皆、人間が地球上で生き続ける環境が無くなるかも知れない、という事実は知らないし、知りたくもない。

 人間は、都合の悪い話は心理的に無視しようとするから、全然、問題は解決しない。我が国の環境大臣のホームページを拝見すると、就任当時よりは、少しはことの深刻さを理解したようだが、日本政府の環境問題に対するプライオリティは、教育問題と同じぐらい低い。


◆ところが、驚くほど詳しく勉強している中学生がおられる。
 

世の大人が環境問題に無関心でいる間に、14歳〜15歳の女生徒2人が、驚くほど詳細、正確な知識を身につけて、地球doctorという立派なサイトで情報を公開しているのを発見した。唖然とするほど、精緻を極めている。

 小泉首相も、読者諸氏も(嫌味ではなく)環境問題の概要は、殆どこのサイトから知識を得ることができます。勉強してみては如何でしょう。


2003年11月09日(日) 11月9日は歴史が動く日らしい。/自民苦戦。 新潟5区はバカか? その他
2002年11月09日(土) 失われた、消防隊員の命。

2004年11月08日(月) アメリカがファルージャを攻撃することの正当性の根拠は何か。

◆記事1:ファルージャ西部に突入 米軍、交通遮断し空爆

 

 【バグダッド8日共同】AP通信によると、イラク駐留米軍は8日未明、中部ファルージャの西部にある同市の主要病院と、ユーフラテス川に架かる2本の橋に部隊を突入させ占拠した。武装勢力掃討のための大規模なファルージャ制圧作戦を始めた可能性もある。

 ファルージャは米イラク両国部隊が包囲し、同市南部では断続的に砲撃も実施している。郊外の住民によると、同市北部一帯でも7日夜、激しい空爆や砲撃音が絶え間なく聞こえた。米軍はイラク暫定政府が7日発表した非常事態宣言に基づき、交通を遮断して町を孤立させた。

 米軍が占拠した病院の院長は「米軍の病院支配は正しくない。抵抗勢力への医療支援を止めようとしている。彼らは病院が誰のものでもないということが分かっていない」と批判した。(共同通信) - 11月8日12時27分更新


◆記事2:イラク政府、60日間の非常事態宣言…治安悪化で

 

 【カイロ=岡本道郎】イラク暫定政府は7日、北部クルド地域を除くイラク全土を対象に、初の非常事態宣言を発令した。期間は60日間。

 中部ファルージャの武装勢力壊滅を目指した米・イラク軍の大規模軍事作戦開始が迫る中、不測事態の防止を図るとともに、武装勢力側が最近、イスラム教スンニ派三角地帯やバグダッド周辺など各地で攻勢に出、6、7の両日だけで50人以上の死者が出るなど治安状況が極めて深刻な事態に陥っていることに対応したものと見られる。(読売新聞) - 11月8日1時39分更新

 非常事態宣言は、また、暫定政府として、強権発動によってでも来年1月の国民議会選挙を予定通り実施するとの不退転の決意を、内外に強く示したものと言える。


◆記事3:サマワも厳戒態勢=テロ活発化懸念、検問強化−陸自新たな不安材料・非常事態宣言

 

 【サマワ8日時事】イラク暫定政府がクルド人自治区を除くイラク全土に非常事態宣言を出した7日、陸上自衛隊が駐留するイラク南部サマワでは外部武装勢力の侵入を防ぐために、警察と国家保安隊が協力して検問の強化を始めた。サマワ市内はイラク警察が、サマワと外部を結ぶ郊外の道路は国家保安隊が受け持ち、厳戒態勢を敷いた。

 現地治安当局は、米軍が中部ファルージャで大規模制圧作戦に踏み切った場合、反発するイスラム教スンニ派や旧政権残党の武装勢力が、暫定政権が支持されているサマワで、多数派のシーア派や自衛隊など多国籍軍へのテロを活発化させることを懸念。陸自派遣部隊も新たな治安の不安材料を抱えた形で、これまで以上に宿営地への砲撃や移動中の警備強化を強いられる。 (時事通信) - 11月8日7時0分更新


◆記事4:サマワ、非戦闘地域との認識に変わりない=首相


 

 [東京 8日 ロイター] 小泉首相は、イラク暫定政府が非常事態宣言を発令したことを受けて、陸上自衛隊が活動するイラク南部サマワの治安情勢について、非戦闘地域であるとの認識に変わりない、と述べた。 首相官邸で記者団に対して述べた。 非常事態宣言を受けたイラクの治安情勢について小泉首相は、「(来年)1月の選挙を実現させようというイラク政府と、それをなんとか妨害したいテロリストのせめぎ合いだろう」との認識を示した。


◆コメント:米軍の武力行使は、明白な違法行為なのに、これを止めることができない国際社会。

 

 第2次大戦後、国連が組織されて、国連憲章が制定されたことにより、戦争放棄を謳った憲法第9条を持つ日本だけではなく、全ての国(厳密には国連加盟国)が武力行使を行うことは、原則として禁止されている。

 武力行使の違法性が阻却されるのは、他国の侵略を受けて、個別的自衛権を発動する場合(個人になぞらえれば、正当防衛)、そして、国連安全保障理事会が法的な手続きにのっとり、紛争地域への多国籍軍の派遣を決定した場合、の2つしかない。

 昨年3月20日に米国がイラクに対して戦争を始めた時には、この2つのうち、どちらにも該当していなかった。大量破壊兵器の有無は関係がない。結果的には大量破壊兵器はイラクで見つからなかったわけだが、たとえ、当時、イラクが大量破壊兵器を持っていたとしても、それが自動的に、国連の決議も経ずに、アメリカによる単独行動を許すものではなかった。 これは、私の主観的な解釈ではない。客観的、論理的思考から必然的に導かれる結論である。

 以下は、私の主観である。アメリカの責任は、一言に集約させるならば、イラクに侵略して世界を混乱させていること、世界に暴力を行使しやすい「ムード」を創ってしまったこと(世界中でテロが増えているという意味だ)である。その罪は言葉で言い表せないぐらい重大である。それが全く分かっていないジョージ・ブッシュがあと4年も大統領を続けるのかと思うと、暗澹たる気持ちにならざるを得ない。

 私の第一の所感は以上であるが、まだ云いたいことがある。

 今回、ファールジャに潜伏する「反米武装勢力」が「悪」で、それを殲滅しようとする米軍が「善」という構図になっているが、それがそもそもの認識の誤りだ。

過去、この日記で幾度と無く書いたが、先に「大量破壊兵器がある」と言いがかりをつけてイラクに侵略したのはアメリカ合衆国ではないのか?そんなことをされれば、侵略された側から「反米勢力」が生ずるのは当然だろう。それをまた、アメリカが殺してしまおうとしているのを世界は指をくわえて見ているだけか?繰り返すが、最初の侵略者はアメリカであり、その侵略にはなんら正当性がなかったのであるから、今回のファルージャ攻撃にも、何ら正当性が認められない。

イラク暫定政権のアラウィ首相が許可を出したなんて、馬鹿なことを理由にして貰っては困る。今の暫定政権が、米国の操り人形であることぐらい、世界中が知っている。

 国際社会、具体的には国連安保理は何もしないのか。開催すらしないのか。開催して、米国に対して武力行使停止を求める決議をするのが、本来有るべき姿だが、アメリカが拒否権を発動することはほぼ100%明らかだから、無駄だから、開催しない、ということでは、安保理の存在意義がない。あの常任理事国の拒否権というのは、廃止した方が良い。国連に加盟する150を超える国の殆どが賛成していても、常任理事国が1国でも拒否権を発動すれば、どうしようもないというのは、明らかに、人間の自然な道義感に反している。


◆コメント:「非戦闘地域」か「戦闘地域」かというレトリックの問題ではない。

 

 自衛隊のイラクでの活動地域は「非戦闘地域」に限られているから、小泉首相は躍起になってサマワは非戦闘地域である、という。これには、役人の入れ知恵が有って、「戦闘」とは主権を持つ「国家」又は「国家に準ずる主体」同士の継続的な交戦状態を意味する、というのである。

 しかし、今はそういう言葉遊びをしている場合ではないのではないか。イラク暫定政権が国家非常事態を発動して、アメリカとこれに抵抗する反武装勢力が、ベトナム戦争以来の悲惨な市街戦を始めようとしている。
 そういう場所に、日本の防衛のために組織された自衛隊がいることは、間違っている。

 イラク人は、謂わば、全員反米勢力だと思う。たまたま、今は、スンニー派で、武器を持って、ファルージャにいる勢力だけを「反米武装勢力」と呼んでいるが、一般のイラク人も、いい加減、アメリカ人や外国の軍隊がいることに腹を立てて、気が立っている。日本人が標的になりうることは、先日殺された、香田氏が教えてくれたばかりではないか。

 彼らは、死ぬ気で突っ込んでくる。日本の自衛隊は法律上、こちらからは攻撃できないのだ。自爆テロがつっこんできたら、まず、つっこませておいて、こちらに被害が出てからではなければ、武器を使用して応戦できない。また、日本の自衛隊は実戦経験などないのだから、どのようなパニックに陥るかもわからない。そんな危険な状態なところで、人道支援活動も無いだろう。撤収するべきである。


2003年11月08日(土) 「小泉改革宣言」は、かなり国民を愚弄している。各論点検。
2002年11月08日(金) しし座流星群19日未明ピーク。天文学の話題は壮大で、なかなか良い

2004年11月07日(日) 「国際社会の安定に積極貢献=自衛隊観閲式で小泉首相訓示」衆議院選挙からちょうど1年ですね。

◆記事1:「国際社会の安定に積極貢献=自衛隊観閲式で小泉首相訓示」

 

 小泉純一郎首相は7日午前、陸上自衛隊朝霞訓練場(埼玉県新座市)で開かれた自衛隊観閲式で訓示した。首相は「日本の安全と繁栄を確保するためにも国際社会の平和と安定に積極的に貢献することが必要だ」と強調。今後の防衛力整備について「既存の体制・装備などの抜本的な見直し、効率化を図りながら、テロや大量破壊兵器拡散などへの対応を着実に進める」と述べた。 (時事通信) - 11月7日16時1分更新


◆記事2:自衛隊出すのはおかしい 亀井氏が講演で強調

 

 自民党の亀井静香元政調会長は7日、秋田県大曲市で開かれた同党衆院議員のパーティーで講演し、イラクへの自衛隊派遣に関し「イラクを民主国家にするからと言って、十字軍に協力するかのように自衛隊を出すのはおかしい」と述べ、12月の派遣期間延長は慎重に対応すべきだとの考えを強調した。

 亀井氏は「国民は自衛隊がオランダ軍に守られている状況を恥ずかしいと思わず、オリンピックにでも出たかのような感じで拍手している」と指摘した。(共同通信) - 11月7日16時21分更新


◆コメント:1年前(11月9日)、衆議院選挙があったのです。

 

 早いものでほぼ1年前の日曜日に衆議院選挙があり、民主党が「マニフェスト」などという概念を急に持ち込み、小泉政権を慌てさせ、小泉首相は、急遽「小泉改革宣言」というのを発表したのです。

 それは、比較的最近まで自民党のサイトのトップページにデカデカと掲げてあったのですが、今日見てみたら、無くなっているね(笑)

 サイト内検索で小泉改革宣言と入力すると、検索結果には「ここまで進んだ!小泉改革宣言」というプロパガンダ記事が出てくるばかり。

 「ここまで進んだ」といわれても、原案を同時に見られるようにしておかなければ、点検しようが無いじゃないか。

 良く探すと、目立たないように、解説・自民党重点施策(10/7)というのがある。

 これでは、いかんね。最初の政策が実現できそうにないから、こういうサイトの隅に押し込んでいるのだと思われても仕方がない。

 公約のうち、銀行の不良債権を2004年度末までに半減します。というのは達成しそうだが。それだけでは、何の意味もない。

 竹中・小泉の経済政策は、日本経済が不況から脱することが出来ないのは大手銀行が不良債権が邪魔で、新規の貸出を行えないから、企業は設備投資も増えず、経済の規模が拡大しないのだ、という理屈だった。それでさんざん銀行の尻をひっぱたいて、ついでにUFJはいじめ抜いた。

 ところが、である。たしかに、不良債権は、予定より半年早く、目標のレベルまで減らすことが出来そうだ。と金融庁が云っているにもかかわらず、銀行貸出は80ヶ月連続して前年同月比マイナスを続けている。明らかに、竹中理論は間違っていたことが証明された。公約を実現したと云っても、役に立たない公約を実現しても仕方がない。


◆自衛隊に関しては亀井氏の云っていることは正しい。

 

 記事1で引用したとおり、小泉首相は「日本の安全と繁栄を確保するためにも国際社会の平和と安定に積極的に貢献することが必要だ」と云っているが、初めて、航空自衛隊の先遣隊が日本を出発した昨年12月26日から今日までの間に、イラクがより平和になったといえる人間が、果たして、この世にいるだろうか?

 亀井氏がいうとおり、オランダ軍に護衛してもらって、わずかに「給水活動」という、どうでもよい、イラク人が十分出来る作業をしているだけなのではないか?オランダ軍は来年撤退するのですけどね。大丈夫ですか?


◆1年間自衛隊が何をしたのか、全く国民は報告を受けておりません。

 

 小泉首相が、「そうではない、国際貢献しているのだ」と主張したいのであれば、500人を超える陸上自衛隊員は、377億円を費やして建設した宿営地で、毎日、一体何をしているのか、詳細を明らかにするべきである。

 小泉首相は昨年、12月9日、自衛隊をイラクへ派遣する閣議決定をした後、記者会見を開き、その席上はっきりと、「自衛隊は人道支援に行くのだ。戦争に行くのではない」と発言した。ならば、軍事機密は無いはずだ。

 人道支援活動を本当に行っているのならば、この1年間、どのような計画をたて、どれほどの実績を上げ、未達はどれほどか、数字で客観的に、誰にでも分かるように報告するべきだ。

 計画立案も、実績の点検もしないような作業は、「仕事」とは言えない。この意味においては、サマワにいる陸自の「仕事」は、納税者たる国民にとって、全く得体の知れない代物である。

 政府は、自衛隊が今まで何をやってきたか報告もせずに、駐留期間を延長するつもりである。バカも休み休み言え。

 なお、今までの日記で何度も書いているのだが、私の云わんとするところを曲解する奴がいるので、書いておく。

 私は、自衛官が悪い、とは、一度も書いていない。自衛隊をイラクへ派遣した政治家が、間違った判断を下した、と述べているのである。


◆いつまで経っても、ステレオタイプの言葉しか吐けない宰相

 

 記事1で引用した小泉首相発言の後半

「既存の体制・装備などの抜本的な見直し、効率化を図りながら、テロや大量破壊兵器拡散などへの対応を着実に進める」

なんのことだか、さっぱり分からない。

テロへの対応というのは、テロリスト(小泉首相はイスラム武装勢力のことを指しているのであろう)を探し出して、米国のように殺害するのか?だとすれば、憲法違反も甚だしい。では、テロへの「対応」って、なんだよ?

大量破壊兵器拡散への対応ってなんだよ?大量破壊兵器はそもそもイラクになかったではないか?どこの大量破壊兵器のことをいっているのだ?拡散に対応するとはどういうこと?拡散するのを防ぐという意味?そんなのは、CIAとか英国のMI5など、天下に名だたる諜報機関ですらなかなか実態が分からず、苦労している話ではないか。

 そのようなことにまで、自衛隊が首をつっこみ、役に立つわけがない。

 それでも、「国際貢献しました」と、云うのだろうな。小泉純一郎内閣総理大臣という人物は。


2003年11月07日(金) 自民党の「道路公団民営化」と「郵政事業民営化」には問題があります。
2002年11月07日(木) メル友連続殺人事件被告人に無期懲役・・・被害者も、はっきり言って、悪い。

2004年11月06日(土) 新潟中越地震に群がるマスコミ・政治家の言語道断

◆資料1:傍若無人のマスコミ

あるサイトに掲載された、小千谷市のボランティアからのメール (10月29日付)



 どうか助けて下さい。小千谷市役所、小学校での救援物資の配給や、

炊き出しなどを手伝っていますが、現場はまだまだ混乱しているし、

人出も足りていません。

そんな状況下で、マスコミの取材陣が50人近く現場付近を陣取っています。

小千谷市役所の正面に車を止めている為に、救援物資を運ぶトラックは遠くに止めることしか出来ず、

ボランティアの人達がせっせと現場に物資を運んでいますが、報道陣はそれを手伝う気配すらありません。

心労と肉体的疲労が積もっている被災者の方々に当然のようにマイクを向け、24時間カメラをまわし続ける神経もさっぱり理解できません。



現地では今、「大人用の紙おむつ」が不足しています。「赤ちゃん用おの紙おむつ」は足りています。



あとは、トイレが使えなかったり、下着を替えられなかったりするので「パンティ ライナー」があると重宝しますが、こちらではもう品切れで手に入りません。

P&G花王、ネピアなどの紙おむつメーカーに電話をして、現状を伝えてください。



夜の寒さが厳しいです。
お年寄りは使い捨てカイロをもむことすらできないので「貼るカイロ」が必要です。

マスコミの仕事は、こういった情報を伝えることだと思うのですが‥。




◆資料2「邪魔なだけの政治家の『現地視察』」:「私を仮設トイレに案内する気かね?」と云った野郎がいる。

 

 今日はこのあと、小千谷小学校に小泉首相が来られるということで、マスコミ報道人の数はさらにふくれあがり、

 「毛布の配給が出来ないので、小泉さんが帰られるまで待つように‥」という連絡が入りました。

 一体何の為の視察なんでしょう?


  午前中にも数名の政治家さんが小学校に来ましたが、トイレはどこかとたずねられ、仮設トイレを案内したところ

 「私に仮設トイレを案内するつもりかね?」と、言われたそうです。

 いったいこの国は、どうなっているんでしょう?


◆コメント:少しずつ避難民が減っているように見えるが・・・。

 

 今日のニュースでは「避難所生活」をしている人は4万人台になったとのこと。一番多い時は8万人台だった。

 しかし、これを単純に「随分減ったじゃないか」と考えるのはよほどのバカだ。

 避難所からいなくなったって、つぶれた家が、魔法を用いたがごとく元に戻るわけがない。
 一人につき、毛布一枚分ぐらいのスペースしかない場所で、プライバシーの無い生活を送り、風呂にも入れず、女性は生理になっても生理用品がたりなかったり、気が狂いそうになるので、やむなく、別の場所に車を停めてその中で生活している人も多いと聞く。

 そしてそれが、所謂エコノミークラス症候群の原因となり肺梗塞で死亡する人が続出しているのは周知の通りである。
 対策として、(既に一部では実行されているが)、国が近隣の市や県のありとあらゆる宿泊施設を借り切って、被災者、それも老人や病人を優先的に、暖かい部屋、床がごつごつしていないところで眠ることが出来る環境を与えるべきだ。


 

 ただでさえ地獄のような生活を強いられているところに、マスコミの連中は、づかづかと土足で入り込んでいる。

 画面に映るレポーター・アナウンサーは、いかにも「気の毒でたまらない」という表情を演じているが、民放は視聴率だけが、番組評価の基準だから、本音では、実際に被災者など、どうなろうが知ったことではない。

 「視聴率」を取れそうな「悲惨な生活」を映像におさめることに血道を上げている。

想像はしていたけれども、現地のボランティアに助けた下さいとまで云わせるのでは、何のための報道か分からない。引用したメールの主の言う通りである。


 

 政治家の現地視察がパフォーマンスであることは、余程純朴な人でない限り、皆分かっている。却って顰蹙を買うから止めることだ。国会議員という連中は、ご存じの通り、選挙の時以外は、どういう根拠が分からないが、自らを「偉い人」だと思っている。

 だから、地震の被災地ですら、「お付き」が付いて、「本日はご苦労様でございます」とヘコヘコ頭を下げ、それに対して、「うむ。ご苦労」と云いたくて仕方がないバカどもである。「私に仮設トイレを案内するつもりかね?」という言葉がその究極の愚かさの象徴である。

 現地の市役所の職員その他は、そんなことに構っている場合ではない。国会議員などいけば行くほど邪魔になる。

 行くのなら、族議員どもは、リベートをしこたま受け取っているのだから、この際、1千万なり1億の小切手でも手みやげに持ってこい。

 画面に映っている「映像」そのものは本物かもしれぬが、そのウラにある事情を、このようにして知ることは重要である。


2003年11月06日(木) <睡眠改善薬>「ドリエル」、都市部で販売好調←これは抗ヒスタミン薬であって、睡眠のための薬ではないのです
2002年11月06日(水) マスコミのいい加減さ

2004年11月05日(金) 「紳助、芸能活動自粛を延長…自ら申し出」 学生時代の復習で、「逮捕と書類送検」など

◆記事:紳助、芸能活動自粛を延長…自ら申し出

 

 吉本興業の人気タレント、島田紳助(48)が同社女性社員(40)を殴ってけがをさせたとして、大阪府警大淀署は4日、傷害容疑で紳助を書類送検した。吉本興業では、当初、10日間の謹慎処分としていたが、「当分の間すべての芸能活動を自粛させる」と発表。レギュラー番組8本を抱える超売れっ子だけに波紋を広げそうだ。

 調べでは、紳助は10月25日午後、大阪・北区の朝日放送局内で、同局「クイズ!紳助くん」(月曜深夜11・17)の収録前に女性社員と口論になり、楽屋に引きずり込んで髪の毛をつかみ、平手で頭をたたき、頚椎(けいつい)ねんざで1週間のけがをさせた疑い。女性は診断書を大淀署に提出、10月28日に告訴していた。逮捕でなく書類送検としたのは「証拠隠滅や逃亡の恐れがないため」(同署)という。(サンケイスポーツ) - 11月5日10時51分更新


◆「犯人・被告人・被疑者」「検挙と逮捕」「逮捕・送検・書類送検」

 

 学生時代に勉強したはずですが、だいぶ忘れているので、説明出来るように復習しました。


◆犯人・被告人・被疑者

 

 ニュースで「犯人逮捕!」というのは、流石に少なくなったように思いますが、そういう言い方をしているマスコミが有ったら、誤りを指摘してやりましょう。

 犯人とは有罪判決が確定して、初めて「犯人」になるのです。それまでは無罪の推定をします。

 犯罪らしき行為があって、司法当局が疑わしい人物を取り調べるとします。

 怪しい人物のことを、テレビでは「容疑者」と呼んでいますが、法律では、「被疑者」というのが正しい。

 取り調べは受けているけれども、起訴されるかどうか(裁判に持ち込まれるかどうか)分からない状態の人です。

 日本は起訴するかどうか、つまり裁判沙汰にするほどのことかどうか、検察が判断するのです。これを起訴便宜主義といいます。

 繰り返しますが、捜査の対象となって、裁判が始まるまでは、「被疑者」です。この段階では、あくまで無罪が推定されます。


◆検挙と逮捕はどこが違うのか。

 

 検挙の方が広い概念。大雑把に言うと、犯人らしき人物(被疑者)が分かって、捜査の対象とするのが検挙で、その中で、身柄を拘束する、つまり身体の自由を奪う手続きを「逮捕」というのです。


◆令状主義

 

 逮捕をするためには、現行犯などの場合を除いて「逮捕状」が必要です。これは日本国憲法に、定められています。

 何故なら、身体の自由は基本的人権の一つ(国民は、勝手に拘束したり監禁されない権利がある、という意味です)であり、逮捕はこれを制約する行為だからです。

 これを「令状主義」といいます。国家権力の濫用を防止するための制度といえましょう。



憲法第33条(逮捕に対する保障)

何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となつている犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。



そして、逮捕状は誰が発行するのかというと、これは刑事訴訟法199条に定めてあって、



刑事訴訟法第199条(逮捕状による逮捕)
 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官のあらかじめ発する逮捕状により、これを逮捕することができる(後略)




とあります。裁判官が発行するのですね。夜中などはどうするかというと、そういう場合に備えて、当直の裁判官がいるのだそうです。



 

しかし、どんな事件でも、逮捕状を発行してもらえる訳ではありません。

逮捕状発行の条件=逮捕の要件は、上に書いた刑訴199条の文言にあるとおり、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な「理由」がまず必要ですが、それだけではなく、「逮捕の必要性」、つまり、被疑者の身体を拘束しておかなければならない事情(逃亡する恐れがある、証拠隠滅の恐れがある、というのが代表的なものです。)が無ければなりません。従って、罪を犯した疑いがあって、捜査対象になっても(検挙されても)、逮捕されない、つまり留置場に入れられないケースがあるわけで、島田さんはこれに当たります。有名人ですから、逃亡なんかできませんからね。

警察のお仕事は、犯罪の捜査をして逮捕するまでで、逮捕してから後は、検察の仕事になります。検察は「刑事裁判を担当する役所」です。

警察が、被疑者の身柄と取り調べ調書などの書類、証拠物件を検察にバトンタッチすることを「送検」というのです。正確には「検察官送致」というらしいです。


◆書類送検とは身柄を拘束せず、書類だけが警察から検察官に送られること。

 

それで、書類送検というのは、被疑者を逮捕していない場合です。今回の事件もこれです。警察で取り調べは受けたので調書など書類はあるけれども、逮捕をしていないのだから、被疑者の身柄は送りようがない。だから、書類だけ送る。というわけです。

島田紳助氏は現在被疑者ですから、無罪が推定されます。逃亡の恐れもないので逮捕されていません。ただ、警察で取り調べを受けて、その書類が検察官の手元へ送られたよ、という状態です。

これから、検察官が書類を読んで公訴の提起(=起訴)をするかどうか判断します。起訴をされたら、被疑者は法律上は「被告人」と呼ばれます(民事訴訟では「被告」といいますが、刑事訴訟では「被告人」です)。

この段階でも、まだ、有罪の判決が確定しないかぎり、被告人は無罪の推定を受けるのです。

繰り返しになりますが、当然、島田紳助氏も例外ではない、ということをよく認識しなければなりません。


2003年11月05日(水) 民主党閣僚名簿 注目すべきなのは田中康夫ではない。榊原英資です。

2004年11月04日(木) キリスト教原理主義と大統領選挙。宗教の名の下に人を殺す人間の滑稽さ。

◆キリスト教原理主義という、正気の沙汰とは思われない、一大勢力。

 

 アメリカの有権者をごく大雑把に二分すると、社会的保守、とリベラル(自由主義)になって、共和党は保守であり、今回の大統領選挙は、だから、つまり、保守の勝利なのだが、そのかなりの部分を占めるキリスト教原理主義者という、調べれば調べるほど困った連中がいるわけである。

 しかし、とにかく、今回(前回もだが)ブッシュが勝った一つの大きな要因は、この訳の分からない連中を味方にした、ということだ。ブッシュ自らもキリスト教原理主義者である。

 本件に関しては、米国について日頃から論じている人たちにとってはイロハのイだが、一般にはあまり知られていないかも知れないので、あえて書く。

 知っている人は読まないで結構です。


◆キリスト教原理主義者が絶対とあがめる「真実」笑うよ。


  1. 聖書の絶対不可謬性(聖書には、絶対に間違ったことは書いていない、ということ)
  2. キリストの処女降臨 キリストの母聖母マリアは、処女のまま妊娠して、キリストを産んだのだ、ということ。妊娠したことを、天使ガブリエルがマリアに告げる瞬間を「受胎告知」といって、エル・グレコはいうまでもなく、数えきれぬほどの画家が、画題にしている。
  3. 人類の罪に対するキリストの代理贖罪((キリスト教の教義の一。自らではあがなうことのできない人間の罪を、神の子であり、人となったキリストが十字架の死によってあがない、そのおかげで神様と人間とが和解できたのだそうです。)
  4. キリストの身体的復活
  5. 地上へのキリストの降臨

 

 4と5になると、ただごとではない。キリストの肉体が本当に物理的に復活して、地上に降り立つのだそうだ(くどいようだが、これを本気で信じている人間が、アメリカには大勢いるのである。因みに今は、21世紀である。)


◆キリスト教原理主義者の狂信性


  1. 進化論を否定する。進化論を学校で教えることを止めろ、と本気で主張する。
  2. 中絶禁止。生まれてくる生命を殺すのは殺人だ、といって、中絶手術を行う産婦人科医を銃殺することもある。胎児は殺してはいけないが、産婦人科医は殺しても良いと考えているわけで、その滑稽さに気がつかない、低脳。
  3. ブッシュがイラク戦争の正当性を主張してゆずらないのは、キリスト教原理主義は善悪二元論で、アメリカが善でフセインその他は悪だ、という、合理性に欠ける狂信的な信念によるものである。

 次のような記事がある。

 

「実際、フセイン打倒の先頭に立っているのが、南部のキリスト教原理主義勢力である。2002年11月24日には、テキサス州南部サンアントニオのキリスト教会で、「イスラエルをたたえる夜」と題した集会が開催され、テレビ伝道師のジョン・ヘイギー師(コーナーストーン教会)が次のように語っていた。

 「フセイン(イラク大統領)よ、よく聞け。ホワイトハウスにいるテキサス人(ブッシュ大統領)が、おまえを必ず引きずり降ろす」

 ヘイギー師は、ブッシュ大統領がテキサス州知事時代に親交を持った実力者で(→[ブッシュとキリスト教原理主義])、イスラエルの右派政党リクードとも関係が深い(『毎日新聞』2003年1月6日付朝刊)。」


◆今に始まったことではないが、宗教を理由に殺し合うという矛盾、滑稽。

 キリスト教の聖典は聖書で、マタイ福音書(マタイ伝)の始めのあたりに、有名な言葉が載っている。



 されど、我、汝らに告ぐ。汝らの仇を愛し、汝らを責むる者の為に祈れ、と。


 

 この一言だけで十分だ。キリスト教原理主義に限らず、キリスト教徒であるならば、聖書の教えに忠実に生きているはずですから(建前は)、他人を攻撃することなど、もってのほか。神を冒涜する行為の筈である。

 しかしながら、実際には、十字軍までさかのぼるまでもなく、現代において、日本の何百倍ものキリスト教徒がいる国々が核兵器やその他の大量破壊兵器を持っていて、アメリカは太平洋戦争が終わってからもずっと、どこかで戦争をして人を殺している。

 キリスト教原理主義は「聖書の絶対不可謬性」を前提とするのでしょう?

 ならば、どうして、人を殺せるんだよ?


◆イスラム教(アラブ)も似たようなもの。

 

 イスラム教徒も「異教徒を殺す」としばしば口にする。これは、おかしい。

 そもそも、イスラム教の教えでは、世界は全てアラーの神が創り給うたものであり、人間も当然世界の一部だから、これを殺すということは、神の創造物をぶっ壊しているわけで、バチ当たりな行為なのだ。

 自爆テロも同様。「自分」も世界の一部なのだから、勝手にこわしては(自殺しては)いけないのである。



 結局のところ、どの宗教も本来、人を救うためにあるのだが、信仰を持つ(と自分では思っている)連中は、自分の都合のいいように曲解して、人殺しの正当化事由にしているのだ。こんなことなら、世界から一切の宗教が無くなった方がマシである。


◆信仰を持つのは何故か。

 

 人間が、信仰を持ちたがるのは何故かというと、「如何に生きるべきか」ということを考えないで済むからである。

人間にとって「如何に生きるべきか」を考えることほど面倒なことは無い。信仰をもつと、「ああしなさい、こうしなさい。そうすれば、救われます。」と断定してくれる。ここが重要である。

 日本では、天下の秀才が、何故、見るからに怪しげなオウム真理教などに入信して、地下鉄サリン事件の実行犯にまでなってしまったか、ということについて、色々説明があったが、これも同じことで、麻原彰晃の言う通りにしていれば救われる、と確信してしまえば、楽になるからである。

 ブッシュは学生の頃からものを考えるのが大嫌いだったという。面倒くさいのだ。そもそもそのような人物が政治家になること自体が間違っている。我が国の総理大臣も同様だ。だから、バカ同士、気が合うのだろう。


2003年11月04日(火) 「留学生ら意識に欠けた」西北大学事件で 外相←日本で人殺しをしている中国人の意識はどうなんですか?
2002年11月04日(月) 安倍官房副長官の方が首相よりも毅然としている

2004年11月03日(水) アメリカ人がここまでバカだとは・・・思っていたけれどもね。

◆接戦になること自体、論外である。

 

 ブッシュは、何度も書いたけれども、国連加盟国が遵守しなければならない、国連憲章を無視して、現代の国際社会では原則違法とされている武力侵攻を、2003年3月20日にイラクに対して開始した。

 その際、イラクが大量破壊兵器を保有しており、それがテロリストの手に渡り、明日にもアメリカを攻撃するかもしれない、というのが、攻撃を正当化する理由で、アメリカはイラクが大量破壊兵器を保有している、確かな証拠を握っている、と断言した。

 それは、ウソだった。たとえ、イラクが大量破壊兵器をもっていたとしても、イラクが先にアメリカに対して攻撃をしたのでないかぎり、アメリカが先制攻撃をすることは、国際法上、許されない。

 ブッシュはこのように、世界中の国が守っているルールを無視して、イラクを攻撃した。

 1991年の湾岸戦争の時にアメリカがばらまいた劣化ウラン弾による放射能で、奇形児が生まれ、小児癌が多発しているところに、再び劣化ウラン弾を使用するという、残虐な行為を指示した。


◆アメリカ人は、ブッシュが理由もなく10万人のイラク人を殺したことを、正しいと考える奴らである。

 

 いや、正確には理由はある。世界最大の埋蔵量を誇るイラクの石油である。それは、いうまでもなく、専らアメリカの事情である。この、勝手な事情によって、イラクの無辜の民が10万人も殺されたことが、つい最近、専門家によって発表された。

 ブッシュの大量殺戮は、ユダヤ人をユダヤ人であるというだけの理由で大量殺戮したヒトラーに匹敵するほどの人類史上まれに見る蛮行であり、正に、万死に値するものである。

 このような愚かしく、危険な人間を世界最大かつ唯一の超大国の指導者として再び選んだアメリカ人は、全く話にならないバカものであり、彼らの全人類に対する責任は、取り返しがつかない。繰り返す。これは、取り返しがつかない過ちである。

 この意味が解らないという人間は、はっきり言って、頭が悪い。


2002年11月03日(日) 「自分の肉体的・精神的生存のほぼ全ては、他人の労働の上に成り立っている。」

2004年11月02日(火) 「『宿舎直撃されても被害軽微』」防衛庁長官 「サマワは戦闘地域に当たらず…首相、宿営地着弾で」大本営発表そのものですな。

◆記事1:宿舎直撃されても被害軽微=サマワ着弾、コンテナ貫通で−大野防衛庁長官

 

 大野功統防衛庁長官は2日の閣議後の記者会見で、イラク南部サマワの陸上自衛隊宿営地にロケット弾とみられる砲弾が撃ち込まれた事件について、「砲弾が貫通したのはコンテナの物置であり、宿舎は仮に直撃されても被害は少ない」と述べ、迫撃砲弾やロケット弾で砲撃されても居住用コンテナは耐弾性があることを強調した。 (時事通信) - 11月2日13時2分更新


◆記事2:陸自サマワ宿営地、また着弾 不発、コンテナ貫通 公表遅れ、派遣延長への影響配慮

 

 防衛庁は一日深夜、復興支援活動を続けるイラク南部サマワの陸上自衛隊宿営地内で同日午前四時半(現地時間十月三十一日午後十時半)ごろ、宿営地の北側から発射されたロケット弾とみられる砲弾が宿営地内に着弾し、地面で跳ねたあと、清涼飲料水などを保管してある鉄製コンテナを貫通したことを明らかにした。

 その後、砲弾は土(ど)嚢(のう)に当たり、宿営地外に抜けたとみられる。砲弾は爆発せず、自衛隊員に被害はなかった。宿営地を狙ったとみられるロケット弾などの砲撃はこれで八度目だが、実際に施設の被害が出たのは初めて。 

 防衛庁によると、ロケット弾の発射後、宿営地内の隊員は即座に避難。夜明けを待って捜索を開始し、日本時間の正午過ぎにコンテナを貫通した穴などを発見した。一日は宿営地の外での復興支援活動も中止した。

 イラクでの自衛隊の行動範囲は非戦闘地域に限定されているが、防衛庁の守屋武昌事務次官は一日の会見で「(治安状況は)厳しさを増しているが、(派遣のための)前提条件を満たしていないという認識はない」と述べ、引き続きサマワ周辺は「非戦闘地域」であるとの見解を示した
 しかし、鉄製のコンテナを貫通したことに政府は衝撃を受けており、防衛庁の公式な記者会見も事件発生から約十九時間後となった。防衛庁は会見が遅れた理由について、「撃たれたロケット弾が発見できていないから」としている。(産経新聞) - 11月2日3時3分更新


◆記事3:サマワは戦闘地域に当たらず…首相、宿営地着弾で

 

 小泉首相は2日の衆院本会議で、イラクで活動している陸上自衛隊のサマワ宿営地内にロケット弾と見られる砲弾が着弾し、施設に被害が出たことについて、「総合的に判断すれば、今回、直ちにサマワ周辺が非戦闘地域の要件を満たさなくなったとは考えていない」と述べ、イラク復興支援特別措置法による自衛隊派遣の要件は満たされているとの見解を示した。

 イラク特措法では、自衛隊は非戦闘地域で活動すると規定。政府は「戦闘地域」について、「国や国に準ずる組織・人による国際性、計画性、組織性、継続性のある攻撃が続いている地域」としている。(読売新聞) - 11月2日20時12分更新


◆コメント:総理、予想通りのご回答、ありがとうございました。

 

 小泉首相からは、予想どおりの返事が返ってきた。

 昨日の日記で、イラク復興支援特別措置法の「非戦闘地域」はどこへ行った?という一節に、政府が何故サマワを非戦闘地域と言い張ることができるのか、を説明した。記事3の中で、読売新聞が解説を付け加えているのはまさに私が書いたことと同じである(太字の部分)。

 今や、そのようなレトリックで誤魔化している場合ではないだろう。

 昨日の砲撃は、今までの中で、初めて自衛隊の施設に被害が出たという意味で、これまでとは一線を画するものである。

 迫撃砲ではなく、ロケット弾が鉄製のコンテナを「貫通」したのだという。これに青くなって、防衛庁が事実を知ってから発表するまでに19時間もかかったのだという。

 それでも、「被害は軽微」と主張するところは、太平洋戦争中の大本営発表そのものではないか。ミッドウェー海戦で、帝国海軍は壊滅的打撃を被り、最早、この時点で、戦争の勝敗は決まっていたのに、日本国民に対しては、国家は「当方の損害、軽微なり」と発表し続けたことは、ご存じの読者が多いだろう。

 仮に、鉄製のコンテナを貫通するほどの破壊力があるミサイルが、自衛官を直撃した場合の結果は云うまでもないし、自衛官の居住区に命中した場合でも、自衛官の生命は危ない。
 小泉首相や防衛庁は、今までサマワは安全だ。地元から歓迎されていると云った手前、今更、主張を翻すことがむずかしくなってしまっている。小児的にムキになっているようにすら映る。

 教えて差し上げたい。自衛隊を撤退させる理由となる条文が存在するのだ。


 

イラク復興支援特別措置法第9条(配慮事項)
 内閣総理大臣及び防衛庁長官は、対応措置の実施に当たっては、その円滑かつ効果的な推進に努めるとともに、イラク復興支援職員及び自衛隊の部隊等の安全の確保に配慮しなければならない。


 

 政治家のメンツとか、下らないことで、500数十名の自衛官の生命を危険に晒すことなど、許される行為ではない。小泉首相は中国の格言を引用するのかお好きでしたね?でしたら、ご存じでしょう?



 君子は豹変す([易経]君子は過ちがあればすみやかにそれを改め、鮮やかに面目を一新する。俗に、考え方や態度が急に一変すること)。


2003年11月02日(日) 「おまえは日本人か」=寮の各部屋回り次々暴行−中国・西北大事件 中国人、いい加減にしろよ
2002年11月02日(土) タバコには厳しいが、酒には寛容な社会

2004年11月01日(月) 「宿営地内に再び着弾か=隊員避難、被害なし−自衛隊テロ標的明確・サマワ」。 イラク人の死者、10万人に達していた。

◆記事1:宿営地内に再び着弾か=隊員避難、被害なし−自衛隊テロ標的明確・サマワ

 

 【サマワ1日時事】イラク南部サマワで活動している陸上自衛隊の宿営地付近で31日午後10時半(日本時間1日午前4時半)ごろ、大きな爆発音が聞こえた。迫撃弾かロケット弾による砲撃が確認され、現地治安当局によると、宿営地内に着弾している可能性が高い。

 防衛庁によると、隊員は待避壕(ごう)などに避難し、部隊には異常はない。オランダ軍とイラク警察はテロ攻撃の可能性があるとみて、部隊を出動させて発射・着弾現場の確認を急いでいる。陸自宿営地では10月22日深夜(現地時間)に初めて宿営地内にロケット弾1発が着弾したばかり。

 イラクでは自衛隊の撤退を求める武装勢力に拉致された香田証生さん(24)が31日、バグダッドで遺体で見つかり、自衛隊を標的にしたテロ攻撃が活発化することが懸念されていた。

 迫撃弾による攻撃であれば、自衛隊を狙ったテロ活動が鮮明になったことになる。

 現地部隊は夜明けを待って現場を確認する。同庁に入った連絡などによると、宿営地の隊員が午後10時半(現地時間)ごろ、迫撃弾とみられる発射音と直後に着弾音を確認した。地元ムサンナ州警察のカリーム本部長が指揮し、警察と国家保安隊のパトカーが宿営地西側の検問所に向かった。オランダ軍のヘリも旋回している。 (時事通信) - 11月1日15時0分更新


◆記事2:サマワ治安変化ない−首相 安全面に十分注意 

 

 小泉純一郎首相は1日昼、イラク南部サマワの陸上自衛隊宿営地付近で大きな爆発音があったことに関連し、サマワの治安状況に変化はないとの認識を示した上で「今後、安全面に十分注意していかなければならない」との考えを示した。首相官邸で記者団の質問に答えた。

 首相は「サマワの治安状況に変わりはないと考えるか」との記者団の質問に対し「そうですね」と答えた。同時に「ムサンナ州知事も『安定している』と言っていた。住民も自衛隊の活動を歓迎している」と述べた。(共同通信) - 11月1日12時38分更新


◆コメント:行政府は法律を遵守しなければならない。イラク復興支援特別措置法の「非戦闘地域」はどこへ行った?

 

 日本では、国会が国権の最高機関であり(日本国憲法41条)、その国会が定めた法律に沿って、行政権を有する内閣(同第65条)が国政や外交をを司る。
 別の言い方をすれば、行政権は法律を無視してはいけないのだが、いまや、内閣のみならず、イラク復興支援特別措置法を作った国会(具体的には国会議員たち)までが、自分たちが何を決めたのか、忘れているように見受けられる。何をボヤボヤしているのだ?

 実は、国会議員や役人たちには、言い分があるのだ。それは、「戦闘とは、主権を有する国家との間で、宣戦布告を交わした後に行われる国権の発動たる武力の行使を意味する」という暗黙の合意である。だから、テロリストの攻撃があっても、テロリスト集団は国家ではないから、「戦闘」ではないのだそうだ。それならそのように、法律に明記するべきだ。

 法律は、国民の誰が読んでも、誤解の余地が無いように書いてくれなければ、こまる。「戦闘行為」の定義など、本を読んだり、ネットで調べて、初めて、意図するところがわかる。これでは、国民に対する欺瞞である。

 くどいようだが、イラク復興支援特別措置法には、戦闘行為の定義に関する記述はない。従って、「暗黙の合意」は国民の認めるところではない。

 さて、たとえ、イラク復興支援特別措置法の「戦闘地域」、「非戦闘地域」の区別が、上で述べた、「国家間の武力行使」を指しているとしても、いまや、そんなことを云っている場合ではない。自衛官の生命に危険が及んでいるからである。

 「法の目的論的解釈」という事を学生時代に習った。

 法律を四角四面に、文字の一言一句に拘泥するのではなく、ある法律、或いは、ある法律のある条文は「何のために」存在するのか。その法律が目指す「目的」を念頭に置かねばならない、ということである。


◆目的論的に解釈すれば、自衛隊の活動を非戦闘地域での活動に限ったのは、自衛官の生命を守るためである。

 

 イラク復興支援特別措置法、には、次の文言がある。

 


3  対応措置については、我が国領域及び現に戦闘行為(国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為をいう。以下同じ。)が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる次に掲げる地域において実施するものとする。


◆皆知っているくせに無視しようとしている。国会議員も役人も、マスコミも。

 

 法律で非戦闘地域で自衛隊は活動してはいけない、と、国権の最高機関が決めた以上、行政府つまり内閣、そしてその監督下にある防衛庁=自衛隊はこれを守らなければならない。

 昨夜、サマワでは、はっきりと自衛隊を狙って、迫撃砲が撃ち込まれた、という。最早、誰が見ても安全とは言えない。

 これ以上、自衛隊がサマワに留まることは、イラク復興支援特別措置法2条3号に違反している。

 自衛隊の最高指揮官たる内閣総理大臣は、サマワは安全と寝ぼけたことを云っているが、いつまでも、そのヘラヘラした態度が通用するものではない。

 日本は法治国家であり、イラク復興支援特別措置法の文言とサマワの情勢を比較検討した場合、イラクが引き続きサマワに駐留するという結論は、論理的に考えて、出てくるはずがないのである。 

 他国が何と言おうが、関係ない。これは、我が国の国内法の規定である。他国が干渉することを許してはいけない。

 野党は、毎日(まだ、国会の会期中であることをわすれてはならぬ)何度でも追求せよ。マスコミは毎日でもこの問題を採り上げるべきだ。。



【追加】◆記事:イラク人死者、10万人超 科学的調査で推計 過半数は女性や子供

 

 【ロンドン28日共同】米、イラクの大学の共同研究チームは28日、昨年3月のイラク戦争開戦後、米軍の武装ヘリコプター攻撃などによるイラク人の死者数が、10万人を超えたとの推計をまとめ、英医学誌ランセット(電子版)で発表した。

 死者数にはイラク兵も含まれているが、報告は死者の過半数が女性や子どもだったと指摘している。

 イラク戦争をめぐりイラク民間人死者数の科学的データが明らかになったのは初めて。

 イラク戦争では、イラク人死者数の公式データはなく、これまで非政府組織(NGO)が報道を基に約1万6000人と推計した数値を発表していたが、今回の発表はこれを大幅に上回り、イラクの深刻な実態をあらためて突き付けた形となった。

 大統領選を控えたブッシュ米大統領にとっても打撃で、多くの民間人が巻き添えとなって殺害されている中部ファルージャなどでの米軍による掃討作戦にも批判が高まりそうだ。(共同通信) - 10月29日12時44分更新


◆コメント:米国による、イラク人のホロコーストを平然と「支持する」のは止めて下さい。

 

 小泉首相は、インタビューでイラク戦争の正当性について訊かれる度に、論理的根拠を示さず(当たり前である。アメリカに好意を持って貰うのが目的で、論理など無いのだから)、「今でも、この戦争は正しかったと思っている」と、平然と答える。

  首相は、今回の調査結果を良く読んで、考えて欲しい。

 数の問題ではない(死者数が少なければイラク戦争が正当化されるわけではない)としても、アメリカの石油目的のイラク侵攻により、全然関係ない無辜の民が10万人も殺されていて、しかも女性や子供がその過半数を占める訳でしょう。どのような理由をこじつけようとしても、イラク戦争は正当化出来ない。

 イラクは、アメリカを攻撃していなかった。攻撃する準備の証拠となる大量破壊兵器もなかった。

 それなのに、アメリカは「イラクの兵器でテロリストがアメリカを攻撃してくるかも知れない」と無茶苦茶な言いがかりをつけて、イラクを攻撃した。

 大量破壊兵器が危ないというのであれば、世界には核兵器を持っている国が8カ国ある。これは、明らかに保有していることを自他共に認めているのである。そちらの方がもっと危険なはずではないか。このように考えると、イラク戦争の恐ろしい「犯罪性」は明らかだ。

 このような蛮行を支持するのは、日本の恥であるし、サマワの自衛隊を一層危険な状況に追い込むだろう。


2003年11月01日(土) 1.前の公約を破った人物の公約を信じる事などできない。2.投票は情緒的な選択であってはならない。
2002年11月01日(金) Everything is relative.(全ては相対的である。)

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