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JIROの独断的日記
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2003年11月29日(土) 「氷河溶解で数十億人に水不足の危険=WWF」皆、ことの重大さがわかっていないでしょう。

◆記事:

世界自然保護基金(WWF)は、地球温暖化が加速すれば今後1世紀内に世界の氷河が溶解し、数十億人が水不足に直面したり、一部の島民が住居を失う可能性がある、との報告を発表した。

WWFは報告で、「各国政府が地球温暖化をくい止めるため緊急に措置を講じなければ、極めて急速な氷河の溶解の結果、世界で数十億人が深刻な水不足に見舞われる可能性がある」と述べている。

WWFは、人類が環境に与える影響のため、アンデスからヒマラヤまで氷河が溶解しており、長期的には海面が上昇して島々が沈む恐れがある、と指摘した。

12月1―12日には、ミラノで世界180カ国の当局者が会議を開き、地球温暖化対策を協議する。科学者は温暖化の原因として、工場や自動車からの排ガスなどを挙げている。(ロイター)

◆所感:何故、世界中の政府、国民はこれほど暢気なのか。

ひとつには、日本では「地球温暖化」というでしょう。「温暖」、どちらもあたたかい、という漢字だ。この文字から悲惨なイメージを想起する事が難しい。そして、人間は本当にヤバいことを無意識のうちに無視してしまう、抑圧という心理的防御機構があるのも、また、一つの理由だろう。しかし、状況はものすごく深刻である。

国連の環境プログラム(UNEP)が1999年にまとめた「地球環境概況2000」という報告書がある。日本を含む100カ国以上の30研究機関、約850人の専門家がまとめたリポートである。この報告書の内容はただごとではない。温暖化に関するポイントは、

「温室効果ガス排出増による、地球温暖化の防止は恐らく手遅れ。京都議定書の目標の達成も多分、無理」

地球が暖かくなって良いじゃないかというのは、とんでもないことである。2ヶ月近くまえにロシアのプーチンが恐ろしく無知なことを言って、顰蹙をかった。

冒頭のニュースでは氷河が溶けることにより、水不足が発生する、とあるが、これは、氷河自体が水を人工ダムでせき止めるかわりに凍った固体で蓄えた天然の貯水池ともいうべきはたらきをしており、重要な水資源になっているからである。特に内陸アジアのような乾燥地域ではきわめて貴重な水資源なので、氷河が溶けて、海に流れ出してしまうことは、大変深刻な事態なのである。

また、気温の上昇によって、南極の氷床か物凄い大きさの氷山(南極の氷床の厚さは最大4500m、大部分は海面よりも上にある)が、一瞬にして海に滑落した場合、それによって、超巨大津波が生じて、最低でも10mの高さを保ったまま、時速300kmで、日本にまで達する。津波の高さが20mに及ぶ可能性も十分にある。

この場合、太平洋沿岸に住む日本人は全滅する。という予想になっている。

「地球環境概況2000」が言及しているのは温暖化だけではない。
・地球温暖化、森林破壊、砂漠化、水資源の不足などほとんどの環境問題はすでに取り返しがつかない。
・今後50年で人口は30億人増加、このままでは資源消費が増大し21世紀には環境問題はさらに悪化。
* このままでは、資源の枯渇、環境破壊、食料危機は避けられない。―→資源、エネルギー、食料を大量に輸入している日本は最も危険。

という具合である。「地球環境概況2000」はGEO-2000: Chapter Five: Outlook and Recommendations - Outlook for the 21st century - Time is running outで前文を読むことが出来る。

「文科系が日本を滅ぼす」だか、世界を滅ぼすだか、そういうタイトルの本があったように思うが、確かにそのとおりかもしれない。プーチン大統領のみならず、世界主要国の宰相は大抵が文科系だ。ことの深刻さがわからないのだろう。しかし、私だって文科系だ。調べれば分かるのだ。環境対策の緊急性を認識できないのは、怠慢だからである。

とにかく、このまま行けば、人類が滅亡するのに、大して時間はかからないようだ。


2002年11月29日(金) 割り箸事故の医療訴訟。親も、医師も、病院も、悪い。

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