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JIROの独断的日記
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2003年11月12日(水) <イラク>「かなり戦争状態に近い」 米国務副長官←自衛隊派遣は集団的自衛権の行使に相当すると思う。

◆記事1:

イラクを訪問中のアーミテージ米国務副長官は8日、バグダッド市内で記者会見し、「われわれは敵対勢力にかかわっており、かなり戦争状態に近い」と述べ、イラクがいまだ「戦争地帯」にあるとの認識を示した。

副長官はバグダッドやティクリ―トなどの治安状況に触れ、「ブッシュ大統領は大規模戦闘終結は宣言したが、戦闘が終結したとは言っていない」と語った。

◆記事2: <イラク>「戦闘」「非戦闘」地域の区別困難 米司令官

イラク駐留米軍のサンチェス司令官は11日の記者会見で、占領軍兵士襲撃やテロが頻発する現在のイラクで、「戦闘地域」と「非戦闘地域」を明確に区別することは困難との認識を示した。イラクの治安に対する現地司令官の厳しい現状認識を示したもので、イラク復興特別措置法で自衛隊の活動地域を「非戦闘地域」に限定している日本政府の派遣計画にも影響を与えそうだ。

◆イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法より抜粋

第二条2 対応措置の実施は、武力による威嚇又は武力の行使に当たるものであってはならない。
3 対応措置については、我が国領域及び現に戦闘行為(国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為をいう。以下同じ。)が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる次に掲げる地域において実施するものとする。

◆記事3:基本計画決定、特別国会後に=イラクへの自衛隊派遣で−政府方針

政府は11日、イラク復興支援特別措置法に基づく自衛隊派遣に関する基本計画の閣議決定について、19日召集予定の特別国会の閉幕後に先送りする方針を固めた。

◆所感:要するにまだイラクとアメリカは戦争中。それを後方支援するのは違憲

引用が多くなったが、順に読むと、政府がやろうとしている自衛隊派遣は、大問題であることがわかる。

アーミテージ国務副長官が「戦争状態に近い」と言っている。現地のサンチェス司令官は、戦闘地域と非戦闘地域との区別はできないという。

ところが、イラク復興支援特別措置法では、はっきりと、「非戦闘地域でしか行動しない」と規定してある。だから、今自衛隊を派遣したら、この規定に違反する。

更に重要な事は、まだ「戦争が行われている」ということ。アメリカは今も戦争をしている。それを支援することは、日本国憲法が禁止している集団的自衛権の行使になる。後方支援は武力の発動でないというのは、見当違いである。後方支援の無い武力攻撃など存在しない。後方支援は武力攻撃の一部なのだ。

記事3で書いてあるのは、要するに、政府はこれを国会で審議したら、野党からものすごい攻撃を受けて、収集がつかなくなるのが目に見えているから、国会は無視して、閣議だけで決めてしまおうというもの。

多くの自衛隊員の生命に関わる基本政策を、強引に策定して、何が何でも、一刻も早く自衛隊をイラクへ送ってしまおう、という姿勢はあまりにも非倫理的である。

9日の選挙で自民党を支持した有権者は、このような、違憲行為を実行する政府を継続させたわけである。「小泉改革宣言」でイラクのことが何も述べられていないことについて、何とも思わなかったのであろうか。イラクで、もし、自衛隊員が死亡したら、その責任の一端は有権者にもあるのだ。


2002年11月12日(火)  1989年11月13日。 島根医科大学第二外科の英断 日本初の生体肝移植

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