2013年06月25日(火)  ベーグル化現象(実践女子大講演・前編)

ふだんなじみのない町を縁あって訪ねるとき、その町に行かないと会えないとっておきのお店を探す。

実践女子大での講演を聴きに来てくれるアサミちゃんに「日野駅の近くにベーグルカフェがあるよ」と教えてもらい、ネットで調べてみると、「cafe Spinel(カフェスピネル)」という、ことごとくわたし好みな佇まいのお店。講演前の腹ごしらえはここにしよう、とアサミちゃんにつきあってもらうことにした。

アサミちゃんは、脚本家・今井雅子がデビューする前から脚本を読んでは的確なアドバイスをくれているご意見番。

函館にオマケの丸がついた「ぱこだて」という言葉をひらめいたときに、
「アサミちゃんがゴキブリをコキプリって呼ぶとかわいくなるって言ってたっけ」と思い出し、「しっぷ」の効き目が強過ぎて「しっぺ」を通り越し「しっぽ」が生えるという奇想天外な物語が生まれたのだった。

その『ぱこだて人』(コンクール応募時はひらがなだった)の初稿を書き上げてアサミちゃんに送り、カンヌ広告祭から帰ってみると、付箋にびっしりコメントを書き込んだ原稿が返ってきていた。

そこから一気に書き直し、締切日の夜中に「今日の消印押してもらえますか?」と鷺沼の郵便局に持ち込んだ応募作が函館港イルミナシオン映画祭のシナリオコンクールで準グランプリに。その応募原稿がたまたま前田哲監督の目に留まり、驚くべき幸運の連鎖でオリジナル脚本での映画デビューが決まった。

キャストにもスタッフにも恵まれ、朝起きたらしっぽが生えていたヒロイン日野ひかるに、宮崎(崎の右側の上は「大」ではなく「立」だけど文字化けするので)あおいちゃん。
もう一人のしっぽ人間に、大泉洋さん。

その『パコダテ人』の誕生に縁の深いアサミちゃんに初めて講演を聞いてもらう場所が「日野」だなんて、出来過ぎ。

そして、ベーグル(も上出来!)の輪っかは「てっぱん」の「円」にも通じて、これまたご縁を感じる。



なんでもないことが面白かったり特別だったりするのは、「世の中原石(ネタ)だらけ」と思って「心の傘」を開いているからであり、「頭のビデオカメラ」と「脳みその出張所」をフル稼働させているから、かもしれない。

「偶然のような必然」に気づくのは、偶然と偶然をつなげて運命づける連想を働かせてこそ。偶然という石ころも、重ねたり掛け合わせたりで宝石になる。

「たまたま」のように見える「点と点」がつながって、線になって、またつながって円になって、またつながって、その輪が大きく太くなると、人生はもっとふっくらおいしい。

これを「ベーグル化現象」とでも名づけようか。

真ん中が空洞でいいのか、というツッコミはさておき。

今日「たまたま」聴いた講演が、誰かの必然に、そして宝石に、なってくれればと願いつつ実践女子大へ向かった(後編へ続く)。



2011年06月25日(土)  「萩の月」は冷やして食べるべしの宴
2010年06月25日(金)  たこ焼き持って保育園へお迎え
2009年06月25日(木)  眞木準さんのコピーが大好きだった
2008年06月25日(水)  整骨院のウキちゃん7 赤道ぐらい知ってますよ編
2007年06月25日(月)  割に合わない仕事
2005年06月25日(土)  『子ぎつねヘレン』ロケ見学最終日
2002年06月25日(火)  ギュッ(hug)ギュッ(Snuggle)
2000年06月25日(日)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/28)


2013年06月21日(金)  EDITORY×エンブックス×ツブヤ大学「絵本をつくろう!」

神保町にあるEDITORYというそれはそれは素敵な空間でツブヤ大学さんとイベントをやることになり、下見を兼ねて打ち合わせへ。

まあ、なんと、わたし好みすぎる内装!

内装を手がけた方がコード収納小物や照明まで手作りされたそう。



わたしが一目惚れしたのは、自前の雑誌を引っ掛けるランプシェード。
「LEDなので、雑誌が電球焼けしないんです」とのこと。
雑誌を替えれば、簡単に模様替えができちゃう。
アイデア光る非売品!
商品化されたら、買いますよ!


男子トイレ、女子トイレを文庫本のタイトルで表現するセンスも、心憎すぎ!


男子は「男の作法」。女子は「朝の少女」。

すっかり骨抜きになり、住み着きつきたくなるほどの心地よさに、ついつい長居してしまった。

この素敵空間で、どんなイベントをやるかというと、「絵本づくり」。

絵本『わにのだんす』を作った3人(エンブックス西川李岐、絵:島袋千栄、文:今井雅子)と一緒に、即興で絵本のストーリー開発をやって、みんなで世界に一冊だけの絵本を作ってみようというもの。

その日集まったメンバーの化学変化でどんな絵本が生まれるのか、未知数だらけの実験的なワークショップになる予定。

黒板塗料を塗った棚スペースに、早速わにを飾っていただいた。


EDITORY×エンブックス×ツブヤ大学
BooK学科絵本講座「絵本をつくろう!」


7/25(木)19時受付 19時半-21時半
神保町EDITORYにて
参加費4000円(絵本印刷製本費・送料込み)
定員30名

当日発表のお題に沿って皆さんで絵本のストーリーを開発。その物語に後日、島袋さんが絵をつけ、エンブックスの独自POD(プリントオンデマンド)で、成果の絵本を皆さんに後日届ける、というワクワクする企画。詳細はツブヤ大学のページへ。

Facebookイベントページはこちら

メールでお申込みの場合は、7/25「絵本をつくろう!」参加希望と記して、お名前とご連絡先、年代を明記の上、info@univ2289.com まで。


2010年06月21日(月)  紙芝居のわんわんにパンをあげたい
2009年06月21日(日)  朝ドラ「つばさ」第13週は「恋のバリケード」
2008年06月21日(土)  親目線で観た劇場版『相棒』
2007年06月21日(木)  マタニティオレンジ133 おおらかがいっぱい
2005年06月21日(火)  『子ぎつねヘレン』ロケ見学4日目
2002年06月21日(金)  JUDY AND MARY
1998年06月21日(日)  カンヌ98 2日目 ニース→エズ→カンヌ広告祭エントリー


2013年06月18日(火)  【たま絵】うぃんなーのおうさま

先日のこと。

たまが半年ほど前に描いた「うぃんなーのおうさま」の絵が、部屋に転がっていた。

生まれる前にわたしのおなかの中で一緒にいたという神様のことを、たまが初めて語ったのは、【たま語】記録によると、2011年9月26日、5歳1か月のことだった。

【たま語】「たまちゃん、おなかのなかで、かみさまにあったの。かみさまに、いいこいいこってあたまなでてもらったから、いいこにそだったの」。ほう、そうだったの?「だからね、ママのおなかには、ふたりいたんだよ」。神様のご利益はかなり薄れつつある今日この頃…。

その翌日の9月27日、神様のことを、もう少し詳しく聞いてみた。

【たま語】ママのおなかの中で頭をなでてくれた神様ってどんな人だったの?「ウィンナーのことをウィダーっていうの」。二人でおなかの冷蔵庫開けてウィンナー食べてたの?「ウィダーおいしいだあっていってた」。鼻詰まりの神様…。

このときから、たまとわたしで、おなかの中にいた神様のことを「うぃんなーのかみさま」と呼ぶようになった。いつの間に「かみさま」が「おうさま」になったのか、次に【たま語】記録に登場する2012年4月25日、5歳8か月のときには、「うぃんなーのおうさま」と呼んでいた。

【たま語】お腹の中で一緒に過ごした、ウィンナーの形をしたウィンナー好きで鼻の詰まった王様の話を時々してくれる。「うぃんなーのおうさまがしんだひに、たまちゃんがうまれたの」王様の正体は、もしや臍の緒?

ウィンナーが好物だから、うぃんなーのおうさまだと思っていたら。
王様の正体は、臍の緒だったのか。
たしかに、臍の緒って、腸詰めっぽいし。
冷蔵庫の食べ物を分け合っていたというのも、暗喩なのかもしれない。

おなかの中に冷蔵庫があった話は、神様の話よりも3か月ほど遡り、2011年6月23日、4歳10か月のときにしている。

【たま語】自分のおへそを指差し「こっから、ひもでママとつながってたんだよね」。そうよ。ママのへその緒は太くて丈夫だったからたくさんおいしいもの送り込めたでしょ?ちゃんと食べた?と聞くと「たべきれなかったから、ときどきれいぞうこにしまってた」。おなかの中に冷蔵庫w

その2か月後の5歳の誕生日(「かみさま」の話をする1か月前)に、たまは、「ママのおなかのなかにいたとき」の絵を描いている。

>>2011年08月24日(水) 【たま絵】書ける・描けるヨロコビ爆発!たま5歳


ママとたまは臍の緒でつながっていて、ママもたまも笑っている。たまの右にあるのが冷蔵庫らしい。

たまへ栄養を運び届ける役目を終えて、王様は去ったのか……。

そして、「おなかの中の神様=臍の緒!?」から一年あまりが経ち、冒頭の時制に話は戻る。

たまは、赤いペンを持って来て、おうさまの目を赤く塗った。

「うぃんなーのおうさまはね、もうすぐしぬから、めがあかくなってるの」と言う。

おなかの中で最後に見た、おうさまの姿なのかしら。

おうさまは「バイバイたまー」と呼びかけているのだけど、「た」と「ま」に濁点がついている。

「ないているから、たまーって言えなくて、だばーって、なったの」と言う。

目は充血しているけど、顔は笑っている、うぃんなーのおうさま。

愛らしくて、とぼけていて、王冠もとがってなくて、ぷにゅぷにゅしている。

「おなかのなかにいたとき、うぃんなーのおうさまがいっしょだったから、さびしくなかった」と、たまは言う。

どこまでが胎内記憶で、どこからが創作なのか、わからないけれど、「幸せな記憶」であることは間違いない。

生まれる前から守られていた。愛されていた。
そう思えるのは、とても幸せなこと。

わたしの手がまだ届かなかったときに、
たまを、いい子いい子してくれて。
たまに、食べさせてくれて。
たまと、遊んでくれて。

ありがとう、うぃんなーのおうさま。

2011年06月18日(土)  おっさんとあどけなさのギャップ
2010年06月18日(金)  五十音の行が入れ替わる「マカノリ語」現象
2009年06月18日(木)  「出張いまいまさこカフェ」を支える「感想力」
2008年06月18日(水)  堺名産 小島屋の『けし餅』
2007年06月18日(月)  マタニティオレンジ132 たま300日
2005年06月18日(土)  『子ぎつねヘレン』あっという間の見学1日目
2000年06月18日(日)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/26)


2013年06月17日(月)  「はりきり」スイッチで音読102回

小学校では毎日「音読」の宿題が出る。

今日読む課題が国語の教科書から出て、それを何回読んだか、はっきり読めたか、大きな声で読めたかを保護者が採点してサインする。

わたしは毎日、たまの音読をカウントして、数字を書き込み、花丸を二つとサインをする。

先日のこと。たまが帰宅するなり、
「ままー、きょう、すごいことがあったんだよ」
と声を弾ませた。

担任の先生に名前を呼ばれ、クラスのみんなの前で「昨日26回も音読をしたんですよ」と褒められたという。

それがうれしくて、誇らしくて、「もっとがんばろう」と目を輝かせる。

子どもは単純。
子どもは素直。
大人が「はりきりスイッチ」を押せば、力を出し惜しみしない。

そんなたまに刺激されて、わたしは、たまの音読に合わせて手話の指文字を練習することに。たまがたくさん読むほど、わたしも指文字が上達する……はずだったのだけど、たまは26回を読んだ後は、数回の日が続いた。

ところが、今日は久しぶりに「はりきりスイッチ」が入った。

いつもは、わたしの指の動きに合わせて、読む速度を遅くしたり、待っていてくれたりするのだけど、今日はわたしを置いて、どんどん飛ばしていく。手強い「きゃきゅきょ しゃしゅしょ……」だったこともあり、わたしの指文字は早々に離脱。

たまはこれまでの記録の26回を塗り替え、さらに、27回、28回と記録更新。

「ままのとしまで、いっちゃおうかなー」と調子に乗るので、「40こえないで、これがママの年ですって誤摩化してよ」と言ったのだけど、わたしの年齢もあっさり通り越し、「じいじの年までいっちゃおう」とますます絶好調。

気がつけば、じいじの年も越え、85回。



「それぐらいにしといたら?」と言うと、「100までいく!」と大はりきり。

ついに、102回まで行って、やめた。
102は、亡くなったひいおばあちゃんの年。


今日の音読は見開き2ページで文字数も少ないので、記録更新には打ってつけ。
とはいえ、よく疲れも飽きもせず、延々と102回。

アクセルのかかった子どもの底力、おそるべし。

「まま、すごいでしょ?」と得意げな、たま。
「よーし、たまイエーイのポーズを作ろう」とわたし。

♪ たーま たーま イエイイエイイエイ
  まーま まーま イエイイエイイエイ
  ぱーぱ ぱーぱ イエイイエイイエイ
  たーま たくさん 読んだね イエイ
  あしたも たくさん 読むぞ イエイ

と即興で作った歌に、手話まじりの振りをつけて踊った。
 
明日からもたくさん読んで、踊ろうよ。

2011年06月17日(金)  保育園5年目で初めてのグループご飯
2010年06月17日(木)  会う回数と親しさは必ずしも比例しない
2009年06月17日(水)  海へ帰ったサンマクジラと足利事件の17年半
2008年06月17日(火)  マタニティオレンジ301 苦心作のアルバムが届いて、「おひまい」
2005年06月17日(金)  『子ぎつねヘレン』ロケ地網走は歓迎ムード
2000年06月17日(土)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/26)


2013年06月14日(金)  【たま絵】でざいんおしよう

昨日は育成室(学童保育)の面談。

「楽しそうに行ってるので、とくに心配していることはありません」と、わたし。
たまは、「すすんで、たくさんお手伝いしてくれる」子らしい。
「きれい好きで、おやつの後にほうきで掃いている」らしい。

家で見ているわが子とは違う顔。
へええ、そうなんですね。
でも、たしかに、うちではいちばんお掃除してくれていますね。
なにせ、わたしがやらないもので。

そして、「たまえちゃんは、絵が本当に好きですね」と先生。

それは、うちで見ているわが子と同じ。
本当に絵が好き。
時間があれば、紙に向かって、せっせと鉛筆を走らせる。

そして、時間を忘れてる。

何冊もの大学ノートに分けて描かれた作品たち。



「でざいんおしよう」

正しくは、

「でざいんをしよう」

たまは最近「《お》なの? 《うぉ》なの?」と区別するようになったけれど、やっぱりごっちゃになってる。

でも、デザインなんて言葉をいっちょ前に使って、呼びかけてる。

「おでかけりぼん」を着けた女の子の名前は「りぼんちゃん」。

ハートいっぱいの「ハートちゃん」と「おんぷちゃん」。


「おはなちゃん」のページには「いろぬりえ100えん」とある。
ぬりえごっこに使った様子。


たまの描く女の子は、みんな足をしっかり地面につけて、胸を張ってる感じ。

そんな女の子を描くたまは、今の自分を好きなのかな、と思う。

「なまえ たまえ」の自画像には「100てん」とある。


大好きなケーキもいっぱい。


育成室では創作時間をたっぷり取れるらしく、びっしり細かく描き込んだ大作を描いてくる。


男の子と女の子も描き分けられるようになってきた。

男の子はちょっと憤慨している(「それわまちがえ けっこんしません」とあるので、ドタキャンされてご立腹なのかも)ように見えるけれど、女の子は、みんな幸せそうで、いいね。

本人に負けず劣らず、おしゃべりでおしゃまな、たまの絵。

わたしも、心の向くままに「でざいんおしよう」。

2011年06月14日(火)  本郷三丁目のBесна(ベスナー)閉店
2010年06月14日(月)  tabio.comで靴下9色10足
2009年06月14日(日)  朝ドラ「つばさ」第12週は「男と女の歌合戦」
2008年06月14日(土)  高校生だった三人が母になって
2007年06月14日(木)  『坊ちゃん』衝撃の結末
2002年06月14日(金)  タクシー


2013年06月13日(木)  シナリオ作家協会『原作と同じじゃなきゃダメですか?』

シナリオ作家協会が刊行した『原作と同じじゃなきゃダメですか?』が協会会員に贈呈とのことで送られてきた。



副題は《映画『やわらかい生活』脚本の「年鑑代表シナリオ集」への原作者による収録・出版拒否事件 全記録》。

「当協会ではこの裁判の結果を記録に残し、また映画・テレビ製作における、脚本家と原作者の関係性やあり方について、映画・テレビ業界に従事する人々はもちろんのこと、観客・視聴者すべての人々に、深く考えていただきたいと願い、本書を刊行いたしました」とのこと。送料込み1890円で申し込みはシナリオ作家協会まで。
>>>『原作と同じじゃなきゃダメですか?』

この事件について、シナリオ作家協会が脚本家にアンケートを実施したのだけど、わたしは提出しそびれてしまった。百人の脚本家がいたら、百通りの原作の解釈があるように、「原作者と脚本家の関係」について思うことも一人一人の色があり、とても興味深い。この本に参加する機会を逸したことを残念に思いつつ、《「やわらかい生活」裁判を考える会》の日の日記を、出しそびれたアンケートの回答に替えたく思う。
>>>2012年07月21日(土)「やわらかい生活」裁判を考える会


2010年06月13日(日)  視覚とは?『46年目の光―視力を取り戻した男の奇跡の人生』
2008年06月13日(金)  マタニティオレンジ299 おもちゃ電車→たま駅長→いちご電車
2007年06月13日(水)  「事実は小説より奇なり」な映画『主人公は僕だった』
2005年06月13日(月)  『猟奇的な彼女』と『ペイ・フォワード』
2004年06月13日(日)  映画『ヒバクシャ 世界の終わりに』


2013年06月12日(水)  【たま絵】さんたさんは すきーに のってくる

「にほんの さんたさんはね、あめりかの こどもに ぷれぜんとを とどけに いくの。あめりかの さんたさんはね、にほんの こどもに ぷれぜんとを とどけに くるの。いれちがいなの」
と、たまは小学校へ行く支度をしながら、季節外れなクリスマスの話題。

「さんたさんは、すきーに のってくるの」とも言う。
「そりじゃないの? じゃあ、トナカイはいらないね」とわたしが聞くと、
「となかいも すきーに のってくるんだよ」
「え? どういうこと?」
「すきーに のった となかいの うえに すきーに のった さんたさんが のってくるの」

それって、どういう図なんだろ。
「絵で描いてみて」と言うと、「いいよ」と机に向かい、ノートを広げた。

学校へ行く時間は迫っているのだけど、忙しい朝に何を先にやって何を後回しにするかの感覚は、親子共にズレている。

《「スキーに乗ったトナカイ」に乗った「スキーに乗ったサンタ」》の絵を描いているのかと思いきや、たまは「おじさんだれだ」で始まる物語のようなものをしたためていた。

10分だったか、15分だったか、貴重な朝の時間を費やし、書き上げたのは、こんなお話。

おじさん だれだ

あるひ、みっちゃんがかれんだあをみた。



12月が30日までしかないが、数字をびっしり書き込んだカレンダーの24日に丸がついている辺り、芸が細かい。

きょうは、くりすますいぶ みっちゃんたのしみでしょうがこうにいけません

布団をかぶった「みっちゃん」を矢印で示して「なか」と書いている。布団に入ったまま、ということらしい。


よるさんたくろすがくる

ここで、満を持して《「スキーに乗ったトナカイ」に乗った「スキーに乗ったサンタ」》が登場。トナカイは限りなくうさぎに近いが、耳が角張っているのは、角らしさなのだろう。

「すきーが じょうずなのに さきっぽを とめているの」と、たま。その言葉の通り、滑り慣れているはずのトナカイのスキー板には、重なり防止の金具が。今年の春,初めてのスキーで、板の先端を離して留める金具をつけてもらった経験が、作品に生かされている。

みっちゃんがめをさますと

「やったあ」↓


矢印の先には自転車。《「スキーに乗ったトナカイ」に乗った「スキーに乗ったサンタ」》さんは、みっちゃんが欲しがっていた自転車を届けてくれたらしい。


冒頭の「おじさん だれだ」は、このお話のタイトルだと思われるが、サンタさんが去ってからみっちゃんが目を覚ましたとすると、「だれだ」は誰の台詞だ?

《「スキーに乗ったトナカイ」に乗った「スキーに乗ったサンタ」》を目撃した人、なのか。

2010年06月12日(土)  コロコロ引いて出張+赤ずきんワンピ
2009年06月12日(金)  永遠キャベツと永遠パイナップル
2008年06月12日(木)  中田金太さんの置き土産『玉虫厨子』と対面
2007年06月12日(火)  想像力という酵母が働くとき
2005年06月12日(日)  惜しい映画『フォーガットン』


2013年06月10日(月)  まま+しごと=ひま

ひさしぶりに、食卓がお花で華やいでいる。



手前のカゴは、土曜日に名古屋から来た小中学校の同級生、亜紀ちゃんが持ってきてくれたアレンジメントのお花(黄色×オレンジ、ちゃんと好みをわかってくれてます)。

真ん中のガラス瓶は、亜紀ちゃんの名古屋土産のババロアに同梱されていたカーネーション(花がしおれるまでに食べてください、とメッセージ)とベランダで育てているランタナ。

奥のコップは、父の日を一週間早く勘違いして、たまが昨日買い求めたお花。

ついつい根っこのあるグリーンを買ってしまうけれど、色とりどりの切り花の咲ききる美しさには惹き付けられる。

折しも先日、生け花をされている方を取材したばかり。

「一輪の花と向き合うのは、自分の心と向き合う時間。心が定まらないと一輪が定まらない」
そんなお話を、花々が伸びやかにいけられたお宅でうかがい、「花のある暮らし」っていいな、と思っていたところだった。

おや、いつの間にか、壁の「たま作品コーナー」に新作の書(!?)が。


ままたすしごとはひま。

と、言葉の足し算。

たしかにこの春は連ドラが入っていなくて、仕事がゆったり。
おかげでPTA新聞にたっぷり時間を割けた。
花を愛でる時間も気持ちもたっぷり残っている。

娘よ、「ひま」ではなくて、「ゆとり」と呼ぼうではないか。

2010年06月10日(木)  スクリーンでぜひ!『告白』と『孤高のメス』
2009年06月10日(水)  生クリームよりどら焼き
2007年06月10日(日)  マタニティオレンジ130 親が子にできるのはほんの少しばかりのこと
2005年06月10日(金)  『メゾン・ド・ウメモト上海』の蟹味噌チャーハン
2004年06月10日(木)  「きれいなコーヒー」と「クロネコメール便」
2002年06月10日(月)  軌道修正
2000年06月10日(土)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/26)


2013年06月09日(日)  手から「おいしなるビーム」出てる人

手から「おいしなるビーム」が出てる、としか思えない人というのが、いる。
家にある普通の材料で、魔法をかけたように、とんでもなくおいしいものを作り出してしまう人。

わたしが大学一年生のときに間借り下宿した、同居の大家さんでまかないを作ってくれていた美智子さんがそうだった。

「てっぱん」(BSプレミアムで夜7時〜再放送中)の初音ばあちゃんも、そう。
田中荘の下宿人・民男に「大家さん、手ぇからおいしなるビーム出てるんとちゃう?」と言わせる台詞を書いた。

その台詞には元ネタがあり、「私はなー、手ぇからおいしなるビームが出てるんや」とのたまった料理人がいた。

京都に住むその料理人がわが家に来るたび、「なんか作って」とお願いする。

前に来たときは、煮魚の煮汁が美しく澄んでいることに驚いた。
うちにある鍋で、うちにある醤油で、いつも買ってる魚で、なんでこんな違いが生まれるのか。

手ぇからおいしなるビームが出てるせい、としか言いようがない。

今食も、昨日買ってきたというVironのパンに、うちにあるオリーブオイルと塩をすりこみ、チーズとトマトとベランダのバジルをのっけて、絶品オープンサンドを作ってくれた。



ささっと手際良く作って、わおっというものをこしらえてしまう。
もちろん、オリーブオイルも塩もいいものだし、Vironのパンも優秀なのだけど、わたしの手で作ると、この微妙で絶妙な塩梅というのがなかなかうまくいかない。

おいしなるビーム、おそるべし。
こうなると、否が応でも昼食への期待が高まる。

「七面鳥が入るぐらいのオーブン用意しといてや」と事前に言われていたので、ちょうど調子が悪くなっていたオーブンレンジを買い替えた。容量33リットル。でかい七面鳥だって堂々納まる。

はるか二十年以上前、貧乏学生だった頃、七面鳥に香草とワイルドライスを詰めたものを料理人にふるまってもらい、こんなうまいもんが世の中にあったのか、と度肝を抜かれた。

あの七面鳥を再び!と期待したら、「今回は違うもんを焼く」と料理人。
「簡単やけど、あっと驚くような、あんたの看板料理になるもんや」と言う。

材料は、いつもの肉屋で買ってきた豚肉の塊。
うちにあるオリーブオイル。
うちにある胡椒。
うちにある塩。
うちにある卵の白身。
近所の花屋で買い求めたローズマリー。(「苗を買ったら、また作れるやろ?」とのこと)

それだけ。

肉にオリーブオイルと胡椒をすりこみ(表面に油をしっかりすりこむことで、塩がしみこみすぎるのを防ぐらしい)、ローズマリーを散らし、卵白1個分(今回はそのまま混ぜたが泡立てるとなおよしとのこと)をまぜた塩(今回は500g使ったが1kgあるとなおよしとのこと)をペタペタと塗りつけ、塩窯コーティングする。

アルミホイルに包み、オーブンで1時間ほど焼いて、あとは余熱でじっくりと味をしみこませる。

さてさて、出来上がりは……。

アルミホイルを解く瞬間、「おおっ」となる。パーティをにぎやかにしてくれそう。


焼く前に刻んでくれた娘の名前「TAMA」と、エンボスで描いてくれた豚の鼻も、くっきりいい感じ。小学校のときに紙粘土細工を焼いたのを思い出す。
「魚でやるときは、魚の絵を描くんや」と料理人。

肉汁をほとばしらせながら、切り分け、いただきます。


まあこれは!と目を見張る、豚と塩の見事なマリアージュ!
マスタードを用意していたけれど、ローズマリー味の塩だれがあれば、後は何もいらない。
豚の脂と溶け合った塩だれをスプーンですくって肉にかけつつ味わうと、頬から舌から喉からとろけていきそうになる。

肉食娘のたまもむさぼるようにおかわり。
これは、すぐにでも、また食べたい。また作りたい。

手順は簡単だから再現可能。
問題は、おいしなるビームなしに、どこまでこの味に近づけるか、だ。

2010年06月09日(水)  読むのが追いつかなくても新聞はやめられない
2009年06月09日(火)  「脚本コンクール 要領よく」を検索できる時代
2007年06月09日(土)  マタニティオレンジ129 梅酒を作りながら夫婦とはを考えた
2005年06月09日(木)  ついに『あつた蓬莱軒』のひつまぶし!
2002年06月09日(日)  日本VSロシア戦
2000年06月09日(金)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/26)


2013年06月06日(木)  牛乳パックが灯籠に!

夏休みの育成室(学童保育)キャンプ。わたしはレク係で、灯籠作りを担当することに。「半紙と竹ひごで作るらしい」と聞き、作り方や材料をネット調べていたら、東日本大震災追悼行事「祈りの灯火」のページで「牛乳パック灯籠」なるものを発見!

灯籠を作ろう-1/牛乳パック灯籠の作り方

牛乳パックの表面をはげば、たちまち灯籠の出来上がり。あとは切ったりくり抜いたり貼ったり描いたり好き好きに加工すればいいだけ。材料費かからないし、持ち運び便利だし、中は防水コートしているので、火の燃え移りにも強そう。おお、いいことずくめ!



そして何より、キャンドルを入れてみると(手前の二つ)、光のにじみ具合がとってもいい感じ。いい和紙で作ったみたいなたたずまい。牛乳パックの最も美しい再利用法ではないか、と一人悦に入っております。


2010年06月06日(日)  「ノ」は「(^^)ノ」の「ノ」
2008年06月06日(金)  ミヤケマイ作品集『ココでないドコか』に寄稿
2007年06月06日(水)  わたし好みだらけの『そのときは彼によろしく』
2005年06月06日(月)  ニューオーガニックレストラン『orto』
2004年06月06日(日)  レーガン元大統領、逝去。
2002年06月06日(木)  同窓会の縁

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