2012年07月28日(土)  川越「ラジオぽてと」と「わにのだんす」サイン会

行ってきました、川越「ラジオぽてと」出演と「わにのだんす」サイン会。



川越百万灯夏まつりに合わせて放送するラジオぽてとに遊びに来ませんか、と「つばさ」ファンクラブの寺崎さんからお誘いがあり、「出演ついでに『わにのだんす』の宣伝をして、ついでに売りたいんですけど」と相談したところ、物販ではなく、蔵造り通りにある書店「太陽堂」さんで扱ってもらえるように動いてくださった。

数十冊売れたらいいとこだから、書店に送るのは50冊にしましょうとエンブックスの西川さんは冷静な読みをしたのだけど、負けず嫌いなわたしは「わたしと(絵の)島袋(千栄)さんが乗り込むのに50冊なんて弱気なこと言わないで、どーんと100冊行こう!」と無理を言い、100冊送ってもらった。


どんな形であれ、エンブックスの本が本屋さんに100冊も届けられるなんて、画期的じゃないか。

そして迎えた当日。

ラジオぽてとブースに顔を出した後、太陽堂さんへご挨拶。「わにのだんす」コーナーに、同じエンブックスの「こわくないもん」「すえっこりすのひみつ」「にこにこしょうてんがい」も並べていただく。お買い上げ第一号は地元川越の水野さん。




‎14:30から島袋さんとラジオぽてと出演第一弾。アーカイブでは開始00:17:43頃から。

もう一人の乗り込み要員、たまは指折り数えて気合十分だったのに、わにの売り込みは消極的。あの「ニャンちゅう」の声の津久井教生さんが「わにのだんす」をノリノリで読んでくださったのは思いがけないプレゼント。実はわにの役を何度も演じていらっしゃるそう。


15時からのサイン会は、暑いので店内で。

毎年年賀状写真を撮ってくれている内藤さんが凍らせたポカリの差し入れとともに駆けつけてくれた。

『ジェニファ 涙石の恋』をきっかけにmixi今井雅子コミュを立ち上げたナルセさんも一家で東京から駆けつけてくれた。

『パコダテ人』から応援してくれている同郷・堺のはなまささんが、堺から青春18きっぷでやって来たのには、びっくり。

「つばさ」ファンクラブの方々も、次々と。

17時半過ぎからラジオぽてと出演第2弾。アーカイブでは00:02:19頃からたまがカメラの前をちょろちょろ。出演は開始00:20:00頃から。00:34:00過ぎにたまが「わーにのだんす」でカットイン。00:39:00頃まで「わにのだんす」の宣伝。

またまた津久井さんに本を読んでもらい、ノリノリでご紹介いただく。

その後、「つばさ」ファンクラブの寺崎さん白石さんひろりんLOVEさんと「つばさ」トーク(アーカイブでは00:58:00頃まで)。後藤高久Pからのメッセージの代読も。

さらに、わたしが太陽堂サイン会へ移動した後、はなまささん、東京から来た「てっぱん」ファンのこぺくさん、長瀞から来たつばさFCの虎父さん、地元川越の寺崎さんが「つばさ」トーク。

18時半からのサイン会は、やはり人通りがあるほうが目に留まるので、太陽堂さんの店の前で。島袋さんと「わにのだんす、いかかですかー」と作者自ら売り込み。声を張り上げても、ほとんどの方が素通り。子どもが足を止めても、親が引っ張って行ってしまったり。


たまは「わーにのだんすは発売中〜」とダンボールの看板を掲げて歌ったり、買ってくれそうなお客さんの手をつかんでレジまで連れて行ったり、店の中から補充する本を運んだりと大活躍。

購入者のほとんどが「たまちゃんの分も」と希望してくださり、サインもちゃっかり。保存用とたまお絵描き用の2冊を購入されるツワモノも。


昼と合わせてサイン会は3時間あまり。滝のような汗をかいて、「つばさ」ファンクラブや「たま語ファン」などを動員して、積み上げた数字が41冊。100冊には遠く及ばず。

いやー、本を売るのって大変。

「手のかかる子ほど可愛い」と言うけれど、自分の作品を自分の手で売ってみて、ますます「わが子」が愛おしくなった。

そして、本を買い求めてくださった一人ひとりとのやりとりも得難い経験だった。

何年か前にわたしがブログにコメントを書き込んだ地元川越の男性も来てくださった。記事で紹介されていた、わたしが気に入った居酒屋は、今はもうないらしいけれど、縁は続いていた。

「ラジオぽてと」の放送を聴いたという女性は「夏休みの読書感想文にいいんじゃない?」とアドバイスしてくださった。

笑顔と着物姿が惚れ惚れするほど素敵な女性が、絵本をお買い上げの後、紙袋を手に舞い戻ってきた。差し出されたのは、わたしが川越を初めて訪ねた日に恋に落ちたお菓子「いも恋」。女性は、地元の菓匠「右門」代表の町田明美さん。片想いが両想いになったようで、うれしかった。

なにかを買うという行為は「縁を結ぶ」ということなんだと身をもって感じた。

これまでも、これからも、「わにのだんす」をお買い上げくださる皆さまに、いっそう感謝します。

川越駅へ向かう途中のイタリアンで、島袋さんと乾杯。汗をかいた後の泡のおいしかったこと!「文化祭みたいで楽しかったねー」と高揚感に浸りつつ、「島袋さんとこんなに色々しゃべったこともなかったね」と話す。もともとは会社時代に一度仕事しただけで、「いつかもう一度」が空約束じゃなくて実現して、予想通り、やっぱり気の合う人で、会えば会うほど仲良くなっている。

「人持ち」という言葉を知った何年か前から「金持ちより人持ち」になるために仕事をしたいと思っている。そんな気持ちが形になった絵本「わにのだんす」の売り文句は「わになっておどろう♪」。

そして、エンブックスのエンはご縁の縁。点が線になり、輪になってつながる。まるで、「てっぱん」のまあるいお好み焼きのように。

「つばさ」のご縁ですでにたくさんの方とのいい出会いがあった川越で、今日、もっと「人持ち」になれた。

2010年07月28日(水)  夏の収穫!カゴメの野菜ジュース
2008年07月28日(月)  マタニティオレンジ315 わがままが進化した
2007年07月28日(土)  マタニティオレンジ151 特等席で隅田川の花火
2004年07月28日(水)  日本料理 白金 箒庵(そうあん)


2012年07月27日(金)  故郷の売り込み方を学ぶ「大阪まるかじり」

facebookで同じポスターが何度も出て来た。都庁での大阪まるかじりフェア。大阪を売り込みたい知り合いがたくさんいるってこと。



ちょうど渋谷で打ち合わせがあったので、その前に都庁へ。地元・堺からうまいもんがぎょうさん出品されていて、サラミやらソースやら味噌やらコンフィチュールやらうれしくなって買い込んだら、ずっしり、すごい重さに。渋谷駅からNHKまでの道のりを汗だくになって進んだ。

開始時間ぎりぎりに会議室に到着して、「すみません。これ、差し入れじゃないんです。わたし、大阪堺の出身で……」と恐縮して、ちっちゃなカレーかりんとうをおすそわけ。

故郷って、こんな風にネタにして、知ってもらえばいいんだ……とちょっとわかった。


2010年07月27日(火)  早起きして原稿送ってルプチメックのパン
2009年07月27日(月)  パイプ椅子でのけぞって『カムイ外伝』
2008年07月27日(日)  SKIPシティ国際Dシネマ映画祭9日目 クロージング
2007年07月27日(金)  あの傑作本が傑作映画に『自虐の詩』
2005年07月27日(水)  シナトレ2 頭の中にテープレコーダーを
2004年07月27日(火)  コメディエンヌ前原星良
2002年07月27日(土)  上野アトレ
2000年07月27日(木)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/29)


2012年07月26日(木)  土用の丑の日のうなぎフライング

近所のスーパーの前に、うなぎの出店。おお、今日は、土用の丑の日か。

今年は稚魚が穫れなくて、うなぎが高騰しているとは聞いていたけど、え、というぐらい高い。例年の2倍ぐらいの感覚。

当然出店も閑古鳥。

元祖コピーライター平賀源内氏に敬意を表し、ここは奮発して、鰻を食すとしよう。

中国産より国産、大より特大、ちょっとしたランチコースに食前酒がつけられるようなお値段に。「たれ、おまけしときますんで」と言ってた店員のお兄さんが「で、たれ、どれぐらいおまけしましょ?」「あるほどうれしい。明日から、たれがおかずになるから」と言うと、たくさんおまけしてくれた。



びっくりするような値段だったけど、肉厚で、たしかにおいしい。夏バテにも効きそうだ。

と、夜のニュースで「明日は土用の丑の日」。

ええっ、今日は土用のうなぎイブだったのかー。道理で皆さん出店を素通りしていたわけだ。

2011年07月26日(火)  その鳥の名は、本といいます。
2010年07月26日(月)  観るべし!東京セレソンDX公演「くちづけ」
2009年07月26日(日)  朝ドラ「つばさ」第18週は「二十歳の夏の終わりに」
2008年07月26日(土)  SKIPシティ国際Dシネマ映画祭8日目 いよいよ審査
2007年07月26日(木)  エアコンの電源が入らない
2005年07月26日(火)  トレランス番外公演『BROKENハムレット』
2004年07月26日(月)  ヱスビー食品「カレー五人衆、名人達のカレー」
2002年07月26日(金)  映画『月のひつじ』とアポロ11号やらせ事件
2000年07月26日(水)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/29)


2012年07月23日(月)  怪談「ファイルが消えた」

ノリノリで原稿を打ちまくり、12000字分の小説初稿を書き上げ、いざ送信しようと思ったら、たった今Macに保存したファイルがない!

finder内をファイル名検索しても出てこない。

finderの「今日使ったファイル」を開いても出て来ない。

ちょっと待って。わたし、たしかにパソコン打ちまくってたよね? あの5時間は何だったの? フルマラソンを走り終えたら、ゴールはもちろんのこと、道まで消えてたような感覚。頭の中はハテナだらけ。

そんなはずは……と「ファイル消失」「ファイル掘り出し」などのワードでネット検索しても答えは見つからず。

試行錯誤すること30分。あきらめかけたとき、Wordの「ファイル」のプルダウンメニューを何気なく引っ張ると、「最近使ったファイル」というのがあるではないか。


開いてみると、いたーーーー!

間違って「テンプレート」というフォーマットで保存していたため、finder内検索で引っかからなかった模様。

危なかったーーーーー。でも、良かった。脳内ハードディスクに原稿は残っているとはいえ、完全修復は難しいし、気力がすっかり萎えていたので、良かった、良かった、良かった。

同じトラブルに見舞われた方のために解決法を紹介しておこうと思い、備忘録も兼ねてfacebookに書き込んだところ、「冷や汗かいちゃいますね〜」「ひぁーーーー!!!こっちまでドキドキ」「読んでて、心臓止まりそうになりましたよ」「考えただけで心臓がばくばく」などのコメントが。皆さん、夏の怪談として読まれた様子。わたしも背筋が冷たくなったけど、無事原稿送信。

2011年07月23日(土)  ゴキブリホイホイが幼児教材になるとは!
2010年07月23日(金)  『借りぐらしのアリエッティ』の不一致
2009年07月23日(木)  ちいさいパーンツに憧れる、たま2才11か月。
2008年07月23日(水)  神楽坂の隠れ家で、英語で映画を語る。
2007年07月23日(月)  マタニティオレンジ149 ダンボールハウス
2005年07月23日(土)  映画『LIVE and BECOME』・バレエ『ライモンダ』
2004年07月23日(金)  ザ・ハリウッド大作『スパイダーマン2』
2003年07月23日(水)  チョコッと幸せ


2012年07月22日(日)  川越と泉北が「わに」なる

28(土)の川越サイン会に向けて、わに100匹が出発。



エンブックスの創始者で代表兼編集者兼営業の西川俊充さんは「50冊でいいのでは?」と言ったのだけど「わたしと島袋さんが乗り込むんだから、強気で行こう」と2倍の100冊に。

そもそもサイン会はおまけだった。川越百万灯夏祭りに合わせてラジオぽてとをやるので、そこに出演しがてら「わにのだんす」を宣伝させてもらうついでに物販も……と「つばさ」ファンクラブの寺崎さんとやりとりしていたら、外での物販は難しいことがわかり、蔵造り通りにある太陽堂という本屋さんに置かせてもらいましょうという話になった。

エンブックスというまだまだ無名の出版社の本をいきなり置いてくださいと言われて、はいそうですかとはならず、寺崎さんが何度も太陽堂さんに足を運び、わたしが「つばさ」の脚本協力で川越に縁があることも力説してくださり、ようやく取り扱っていただけることになった。

エンブックスの「エン」はご縁のエンらしく、それもあって西川さんは「縁(円)」に縁深い「てっぱん」のファンでもあった。絵本「わにのだんす」が生まれたのは、わたしと西川さんが同郷の堺・泉北ニュータウン出身という縁から。わたしと川越は「つばさ」の縁で今もつながっていて、今回、寺崎さんの尽力で、川越にわに百匹が上陸する運びとなった。故郷・泉北と大好きな街・川越がつながったようでうれしい。

縁がつながって、円(輪)になる。「わにのだんす」の売り文句は、「わになっておどろう♪」。

2011年07月22日(金)  「たべたらうしになる」「ゴッキーズ」たま4才11か月
2010年07月22日(木)  踊りの輪の中で立ちすくむ、たま3歳11か月。
2009年07月22日(水)  『ぼくママ』キャリア・マム試写会&『愛を読むひと』
2008年07月22日(火)  マタニティオレンジ314 おっぱい「まだ でる!」たま1才11か月
2007年07月22日(日)  マタニティオレンジ148 ダブルケーキに仰天!たま11/12才
2005年07月22日(金)  万寿美さん再会と神楽坂阿波踊り
2002年07月22日(月)  10年前のアトランタの地下鉄の涙の温度


2012年07月21日(土)  「やわらかい生活」裁判を考える会

昨日、「そこをなんとか」顔合わせの後、「やわらかい生活」裁判を考える会に参加した。

絲山秋子さんの原作「イッツ・ オンリー・トーク」をもとに荒井晴彦さんが脚本を書いた映画「やわらかい生活」の脚本を「シナリオ年鑑」に掲載することを絲山さんが「拒否」。そのことに対して、荒井さんとシナリオ作家協会が裁判を起こした。東京地裁で敗訴し、知財高裁で控訴を棄却され、控訴審でも敗訴。最高裁への上告申し立ては認められなかった。

その一連の裁判を検証することで、原作と脚本、原作者と脚本家の関係を考えようという会。主催はシナリオ作家協会。

わたしは第2部の裁判報告の途中から会場入り。「そこなん」のおかげで、裁判の話が理解しやすくなっている。第一審では「契約違反!」と強気で戦ったが、控訴審では、とにかく勝とうということで「原作者に脚本の出版を止める権利があるのでしょうか?」とトーンをやわらげた。それでも、原作者の権利のほうが認められる結果となった。

第3部のパネルディスカッションも聞きごたえ十分。どっちが悪いと決めつけるのではなく、「著作権者」の権利の解釈をめぐる活発な議論が交わされた。



「原作ものの脚本は、誰のものか?」

脚本家の立場に立てば、「映画公開は許可したのに、どうして出版はダメなのか?」となるのだけど、原作者の立場に立てば、「じゃあ映画公開もNOと言えばよかったの?」となるかもしれないし、「映像はOKだけど、活字になるのはイヤ」という理由かもしれない。そういう個人的な事情を「身勝手」と断じてしまっていいのか、これが難しい。微妙でデリケートで他人からは理解不能な感情も作家の個性であり、それを否定してしまうのは、「作家性」の否定になるように思う。

だから、荒井さんの主張はもっともで、同じことを自分がされたらたまらないと思う一方で、絲山さんの気持ちもわかる、とフクザツな気持ちで聞いた。

わたしの原作を他の脚本家が脚本にする機会があったら、脚本にNOと言う権利は残しておいてほしい。でも、話がつかずに形にすることを差し止める場合は、原作の著作権使用料を返上するぐらいの覚悟を持ってNOと言うことになるだろう。

原作者も作家。脚本家も作家。どなたかが言われたが、原作と脚本は「個性のぶつかりあい」で、そこにはおのずと衝突や葛藤は生まれる。

両者を満足させるには、どこかで折り合いをつけなくてはならないけれど、願わくば、それが「妥協」ではなく「化学変化」の産物であってほしい。ぶつかりあうエネルギーを対立という消耗ではなく、面白い作品を共に産み出す生産の方向に使うことが、原作にとっても脚本にとっても幸せなのだ。

そのためには、交通整理をする立場のプロデューサー(出版社サイドも含めて)の力が大きいと感じる。

「昔は脚本家と原作者が酒を酌み交わしたりしたが、今は出版社が会わせたがらない」という意見が出たが、わたしは、それが悪いことだとは思わない。原作者だけでなく脚本家も守られていると思うし、脚本を書く間は、プロデューサーから伝わる情報からどんな方なのかを想像し、遠くのペンフレンドに手紙をあてるように「いつか会って感想を聞けますように」という気持ちで書く。

もちろん原作者ひとりを喜ばせるために書くのではないし、原作のファンだけを満足させるために書くのでもない。でも、原作を育てた人たちへの敬意が、根っこにあるべきだと思っている。

同じように、原作者が脚本家に「わが子」である原作を預けるには、信じる気持ちが潤滑油になるだろう。「この人なら悪いようにしない」という前提があれば、もし意見の食い違いがあっても、軌道修正はしやすいだろう。

原作者と脚本家の関係は、脚本家と監督(演出)の関係とも似ていると思う。書き上げた原稿はオリジナルであれ原作ものであれ、脚本家にとって「わが子」になる。それを現場で監督に書き変えられることは、よくある。変えて良くなる場合もあるけれど、改悪になる場合もある。「うちの子になんてことを!」そんなとき、脚本家は原作者の気持ちを味わう。

これもまた、信頼ありきか、疑心暗鬼かで、こじれ具合は違ってくる。

衝突をしなやかに受け止める緩衝剤の役割を果たすのは、相手への敬意や信頼であり、それをうまく取り持つのがプロデューサーということだろうか。

原作者と脚本家も、脚本家と監督も「やわらかい関係」でありたい。

裁判に持ち込まざるを得なかった荒井さんの苦悩ははかり知れないが、そのおかげで、わたしたちは著作権者の権利について立ち止まり、考える機会を得た。

「原作もの流行りで脚本家が脚色屋になり下がっている」という声もあったけれど、「原作もの」でないと映像化しにくいと嘆くのではなく、面白いオリジナルを書いて、脚本が原作の本を出版する逆転現象を起こせばいいじゃないかーという雄叫びも聞かれた。そんな「映画・ドラマ業界を取り巻く現状」への問題提起もあり、とても実りのあるシンポジウムだった。

『原作と同じじゃなきゃダメですか?』が出版されました。

《映画『やわらかい生活』脚本の「年鑑代表シナリオ集」への原作者による収録・出版拒否事件 全記録》の副題でシナリオ作家協会が刊行。送料込み1890円で申し込みはシナリオ作家協会へ。「当協会ではこの裁判の結果を記録に残し、また映画・テレビ製作における、脚本家と原作者の関係性やあり方について、映画・テレビ業界に従事する人々はもちろんのこと、観客・視聴者すべての人々に、深く考えていただきたいと願い、本書を刊行いたしました」とのこと。この事件について、シナリオ作家協会が脚本家にアンケートを実施したのだけど、わたしは提出しそびれてしまった。百人の脚本家がいたら、百通りの原作の解釈があるように、「原作者と脚本家の関係」について思うことも一人一人の色があり、とても興味深い。この本に参加する機会を逸したことを残念に思いつつ、この日の日記を、出しそびれたアンケートの回答に替えたい。(2013/6/12追記)

2011年07月21日(木)  被災地で「食」と「職」を作り出す「お好み焼きしんのすけ」
2010年07月21日(水)  39度の熱とうすうすパンツで独り寝
2009年07月21日(火)  一目惚れの恋のその後
2008年07月21日(月)  マタニティオレンジ313 なす術なし!の手足口病
2007年07月21日(土)  体に寄り添う仕事用の椅子
2005年07月21日(木)  日本科学未来館『恋愛物語展』
2004年07月21日(水)  明珠唯在吾方寸(良寛)
2002年07月21日(日)  関西土産
2000年07月21日(金)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/29)


2012年07月20日(金)  「そこをなんとか」顔合わせ

NHKにて、「そこをなんとか」顔合わせ。


そこなんのロゴの「な」の○は、ひまわりの弁護士バッジ。

4月から脚本開発にかかりっきりで、完成台本が1話ずつ刷られるたびに、達成感を重ねてきたのだけど、顔合わせまで来ると、「ここまで来た!」という気持ちになる。

ドラマの顔合わせは結団式のようなもので、このメンバーでいい作品を作り上げよう、というエネルギーが満ちていて、毎度楽しい。出演者、スタッフ、マネージャーさんが大集合するので、今回も軽く百人越え。

わたしは「この作品に関わって、裁判のニュースがよくわかるようになった。理解できていなかった用語に焦点が当たるようになった感じ。このドラマを見て、法律や裁判になじんでおけば、訴えたり訴えられたりしたときもあわてずにすむと宣伝します」と挨拶。

ヒロイン楽子役に本仮屋ユイカさん、ボス弁菅原耕太郎役に大友康平さん、アニ弁東海林弘明役に市川猿之助さん(新橋演舞場出演中)、事務員久保田亜紀役にMEGUMIさん、東海林の元彼女で修習同期の弁護士・中道志織役に井上和香さん(ビターシュガーのつじふさえ〜)、中道の後輩弁護士で楽子の修習同期の赤星光貴に五十嵐隼士さん。

皆さん、役に合わせて髪を切ったりパーマかけたり。着々と役作りができていて、いよいよだなあとワクワクする。

顔合わせのあと、一話の本読み。一話ゲストがこれまた豪華で、あの役をこの方がやってくださるんだ、と感激のキャスティング。遺産をめぐって法廷で喧嘩する兄弟には、姿もよく似たあのお方とあのお方。白熱の裁判シーンに、スタッフからは思わず拍手。本番収録ではどこまで熱くなるのやら。

撮影は今週末から。スタジオセットが建つのを見て、おお〜っ。役者さんが衣装を着けて台詞をしゃべるのを見て、おお〜っ。編集でつながったのを見て、おお〜っ。オンエアの反響を見て、おお〜っ。お楽しみはまだまだこれから。

2010年07月20日(火)  ひねもす原稿を打っていた
2009年07月20日(月)  渋谷はるのおがわプレーパーク5周年
2008年07月20日(日)  映画祭と日常を行き来する通勤審査員
2005年07月20日(水)  立て続けに泣く『砂の器』『フライ,ダディ,フライ』
2002年07月20日(土)  トルコ風結婚式
2000年07月20日(木)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/29)


2012年07月18日(水)  「てっぱん」レシピのパンケーキ

ご飯もパンもないとき、ささっと作れる朝食が、パンケーキ。今朝は薄くスライスしたバナナを混ぜて、バナナパンケーキに。


材料は、小麦粉100gに牛乳140ccに卵1個。砂糖は入れなくてもバナナの甘みで十分。

この「粉100g対牛乳140cc」は「てっぱん」のお好み焼きの応用。小麦粉100gに水140ccのバランスで作ると、固すぎず、ゆるすぎず、ちょうどいいやわらかさに。

加えて、「粉と水分を混ぜたら冷蔵庫で寝かす」のが、ふんわり焼き上げるコツ。料理監修のオカズデザインさんにお話を聞きに行ったときに「そうすると、グルテンが『自由』になるんです」と話されたのが印象に残っている。

それ以来、たねを冷蔵庫で寝かせると、自由に飛び回るグルテン君なる妖精めいたものを想像してしまう。

お好み焼きのときは、「切ったキャベツを冷蔵庫に入れて水分を飛ばす」というコツも、お好み焼き監修の佐竹佐知子先生から教わった。これまたお好み焼きの仕上がりがぐんと良くなるので、おためしあれ。

2011年07月18日(月)  充実、充電、ピタパンサンドの休日
2010年07月18日(日)  今日も押しかけ一家
2009年07月18日(土)  荒川自然公園に驚いた
2008年07月18日(金)  マタニティオレンジ312 『JUNO』を観て思い出した9か月
2004年07月18日(日)  ニヤリヒヤリ本『ニッポンの誤植』
2000年07月18日(火)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/29)


2012年07月15日(日)  北鎌倉のシェアアトリエ「たからの庭」

親しくしている陶芸家の檀上尚亮くんが関わっている北鎌倉のシェアアトリエ「たからの庭」へ。檀ちゃんからはずいぶん話を聞き、写真もたくさん見せてもらい、先月行ったたまからも「すごくいいとこだよ」と自慢されて、期待はふくらむばかり。だったのだけど、

期待以上に、すばらしい場所だった。

いい意味で想像を裏切られたというか、宝石が海の底に眠るように、たからの庭はお寺の境内の奥で静かに時を刻んでいた。


小道を分け入り、「しずかに」の看板をいくつか超えると、かつて陶芸家が暮らしていたというアトリエが見えてくる。

左奥には、のぼり窯。その名も「たからの窯」。昭和10年から40年代にかけて使われた後、永い眠りについていたのだけれど、去年再び火が入った。

薪をくべ、どんどん温度を上げる。二晩寝ずの番をして、千度以上に。このときはまだハ百度台。

いつもあるとは限らない、気まぐれ営業のカフェで、なぜか川越のCOEDOビール。

手作りのフランクフルトとタイカレー。なんとも本格的。それもそのはず、鎌倉山でレストランをされている方が腕をふるっていた。檀ちゃんの陶芸の生徒さんだそう。
陶芸のほか和菓子作りやヨガなどのワークショップがちょくちょく開催されていて、大人気なんだとか。夏休みには子ども講座もあるそう。

たまは勝手知ったる顔で道案内。茂みの奥まで細い小道が。

いい意味で、「手を加えすぎていない」ところが、すごくいい感じ。携帯も通じにくいし、ここでは、五感を働かせて、緑や風や生身の人間との対話を楽しむ。

2011年07月15日(金)  尾道「てっぱん」ツアー1日目
2010年07月15日(木)  LANケーブルを引っこ抜いて仕事はかどる
2008年07月15日(火)  6本めの長編映画『ぼくとママの黄色い自転車』撮影中
2007年07月15日(日)  MCR LABO #4 愛憎@shinjukumura LIVE
2004年07月15日(木)  見守る映画『少女ヘジャル』
2002年07月15日(月)  パコダテ語
2000年07月15日(土)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/29)


2012年07月14日(土)  次回作はNHKBSプレミアム「そこをなんとか」

本日情報解禁。

朝ドラ「てっぱん」
よる★ドラ「ビターシュガー」
アニメ「おじゃる丸スペシャル 銀河がマロを呼んでいる〜ふたりのねがい星〜」
FMシアター「金魚鉢の教室」

と来て、次の作品は、

BSプレミアムドラマ「そこをなんとか」

またまたNHK。

プロデューサーはまたまた後藤高久さん。朝ドラ「つばさ」が縁で「ビターシュガー」に声をかけてくださり、今回で3度目。

脚本は横田理恵さんと。「ごくせん」とか「1リットルの涙」とか、あの作品もこの作品も横田さん!なぐらい、たくさん書かれていて、さすが百戦錬磨の仕事ぶり。勉強になりました〜。打ち合わせの合間の雑談も楽しくて、ドラマ「そこなん」は、お菓子(演出の片岡敬司さんと一色隆司さんがそろって甘いもの好き)と笑いのたえない会議から明るく楽しく誕生。

原作は麻生みことさんの同名漫画『そこをなんとか』。



愛せるキャラクターぞろいで、エピソードは笑いあり涙あり。今まで映像化されなかったのが不思議なぐらい。難しい法律用語も、キャバ嬢上がりの弁護士楽子ちゃんのためにわかりやすーく噛み砕いてくれているので、弁護士もの初挑戦のわたしにも、するする読めた。

これを読んでドラマの予習をすれば、法律の知識もバッチリ身について、一石二鳥。

ヒロイン・改世楽子役に本仮屋ユイカさん、ボス弁・菅原耕太郎役に大友康平さん、アニ弁・東海林弘明役に市川猿之助さん、事務員・久保田亜紀役にMEGUMIさん、東海林の元彼女で修習同期の弁護士・中道志織役に井上和香さん(つじふさえ〜)、中道の後輩弁護士で楽子の修習同期の赤星光貴役に五十嵐隼士さん。

放送は10月NHKBSプレミアムにて。

2010年07月14日(水)  「いつか公平」つかこうへいさんの祈り
2009年07月14日(火)  「好き!」を見せるとトクをする
2008年07月14日(月)  英国ロイヤル・バレエ団 日本公演2008『眠れる森の美女』
2007年07月14日(土)  マタニティオレンジ146 コンロの火を消した犯人
2002年07月14日(日)  戯曲にしたい「こころ」の話
2000年07月14日(金)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/29)

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