2010年07月26日(月)  観るべし!東京セレソンDX公演「くちづけ」

東京セレソンデラックス公演「くちづけ」を観る。今井雅子が脚本協力で参加した「つばさ」で真瀬昌彦役の宅間孝行さんが作・演出・出演、鳶の頭の宇津木泰典役の金田明夫さんが出演。さらに出産前の最後の仕事だったテレビ朝日の土曜ミッドナイトドラマ「快感職人」に出演された芳賀優里亜さんも出演とあっては、是が非でも観なくては。

もちろん宅間さんの脚本にも興味津々。さらに聞こえ来る世間の評判も上々……というわけで観たい理由は両手に余るほどあったのだけど、観劇仲間のヤマシタさんとアサミちゃんが「セレソンの舞台に行きたい!」と誘ってくれ、三人で観に行くことになった。

ロビーには芸能界のあちこちからのお花がずらり。その中に「つばさ」関係者の名前を次々と見つけてうれしくなる。さらに「あの子、つばさに出てた子じゃない?」とアサミちゃんが鳶の娘、宇津木万里役の吉田桂子ちゃんを発見。声をかけると覚えていてくれて、「スピンオフありがとうございました」と言ってもらえる。NHK土曜ドラマ「君たちに明日はない」に出てたのを見たよと伝える。君明日も宅間さんの脚本で、とても楽しませてもらった。

開演前に舞台に現れた男二人が沖縄弁でだべる。だべると表すのがしっくりくるとりとめのないおしゃべり。それが「携帯電話は切りましょう」「アラームにも気をつけましょう」の注意を促す内容。いい場面に突然鳴り出して客席を凍りつかせた困った客の話で笑わせつつ、繰り返し繰り返し釘を差す。これも宅間さんの脚本があるのか役者さんのアドリブなのか。自然なように見えて計算がちゃんとできているうまいやりとりに、ますます本番への期待が膨らむ。

いざ開演。そこからは、ほぼ暗転なし、息もつかせぬ展開で、ぐぐっと引き込まれるうちに気がついたら上演時間の2時間10分が過ぎていた。終わってからアサミちゃんと「すごいね。一度もだれなかった」と驚きあった。

緊張感を持続させる脚本と役者のチカラに感服。とくに脚本。チラシによると十年ほど前に宅間さんが目に留めた小さな新聞記事をもとに膨らませた物語だという。起きた出来事の重さに対する記事の扱いの小ささに胸をしめつけられ、心の片隅であたためてきたらしい。豊かな熟成期間を経て、ちっぽけな記事は、ずっしりとした作品になった。

脚本に命を吹き込む役者さんたちも、しっかりと物語の住人になり、その世界に引き込んでくれた。金田さんが演じた漫画家・愛情いっぽんの父親は、その名の通り、体じゅうから愛情をほとばしらせ、彼の苦悩が客席まではっきりと伝わってくる。いっぽんの娘役の加藤貴子さんのハスキーで甘い声が切なさをかきたて、父娘が互いを想い合うがゆえに悲劇へと向かう終盤は、客席のあちこちから洟をすすり上げる音が。舞台を観ているというより、自分も舞台の中にいると錯覚させるほど、劇場内の空気が物語世界に染まっていた。

「こんなに大きい拍手って聞いたことないね」とアサミちゃん。一人一人が目一杯手を叩いたら、こういう拍手になるのだろう。シアターサンモールの音響の良さのせいだけではあるまい。

楽屋を訪ねて、宅間さん、金田さんにご挨拶。興奮して、「良かったです」を繰り返す。外部の公演に出演するのは18年ぶりという金田さんは、宅間さんの脚本ならと快諾したそう。出演者や関係者が連日観に来て、ファンクラブの人たちも大挙して観劇したとのこと。8/1に川越で一日限定で聴ける「ラジオぽてと」で流すインタビューも収録したらしい。「つばさ」の出演者の結束は固いよ、と金田さんはうれしそうに語ってくれた。

「つばさ」の贔屓目を引いても、この舞台は観るべし。「つばさ」を観ていた人は、真瀬とは違う宅間さん、鳶の頭とは違う金田さんを見られて、なお楽しい。

 東京〜8/1
 大阪9/22〜26
 名古屋10/8〜10
 札幌10/15〜17


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今日のtwitterより(下から上に時間が流れます)
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日本語と外国語の空似。アメリカ留学した当初、全然英語が通じなかったのに、思わず日本語で口走った「駄目っ」が"Damn it"(糞食らえ)に聞こえて逆ギレされました。RT @murasaki_asano
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