2013年06月29日(土)  楽しむ余裕を残しておく

やってしまった。

育成室(学童保育)のキャンプ係の連絡を早く書き込まなきゃ、と夕食の支度と並行してキッチンでパソコンを打っていた。

食事が出来てもメールが書き上がらず、「先に食べてて」とたまとダンナを促し、なおもパソコンに向かっていると、

「ままがおわるまで、まってる」と、たま。

「もうちょっとかかるし、冷めちゃうから食べてて」とわたし。

焦っているし集中できていないしで打ち間違え、また苛立ちが募る。

こういうときは、一旦切り上げて、ささっと食べて、続きを打ったほうが早い。
……と、頭ではわかってるのだけど「あと少し」とずるずる引っ張ってしまう。

キャンプ係の皆さんをお待たせしちゃ悪いから、急がないと。
でも、そうなると家族を待たせてしまうという、ジレンマ。

わかってる。
晩ご飯を後回しにするより、連絡を後回しにするほうが正しいってこと。
でも、あと少し、もうここまで書けたんだから……。

「ねえ、まま、たべないの?」
と催促を繰り返していたたまが、
「もう、まま、いつまでやってるんだろね?」
とあきれてパパに同意を求め、
「ほんとだねー」
とパパ(ダンナ)がうなずいたところで、プチン!と何かが弾けた。

「しょうがないでしょ! たまのためにやってるんだから!遊んでるんじゃないんだから! 二人して責めないでよ!」
うわーっと吐き出しながら、別に責めてないじゃないかと頭の隅では思い、何やってんだわたし、と早くも反省と自己嫌悪が始まっていた。

うえーんとたまが泣き出し、わたしにブレーキをかけてくれた。
「ごめんね。たまはちっとも悪くない。ママがあせっていっぱいいっぱいになっちゃっただけ」と謝って、抱きしめて、一緒に泣いた。

「ままがしんぱいだったから」としゃくり上げる、たま。
「ままがたべないとたおれちゃうとおもったから」
ありがとう、やさしいね。うれしいよ。
やっぱり、ごはんが先だね。
パソコンの蓋を閉じ、「ようし、食べよう食べよう」。

家族との食事を後回しにしてでも早く連絡メールを回してくれなんて頼まれてない。
わたしがカッコつけて、頑張っちゃっただけ。

小学校のPTAにしたって育成室の父母会にしたって、子どものためにやってるなんて、子どもは知ったこっちゃない。そんな時間があったら、子どもは相手をして欲しい遊んで欲しい。

この手の活動は、「やってあげてる」「やらされてる」と感じた途端、重荷になる。
だから「好きでやってる」「楽しんでやってる」と思ったほうが、ラク。
そのつもりでやっていたつもりだけど、いつの間にか色んな皺寄せを背負い込んで、シーソーが傾いて、受け身になっていたらしい。

張り詰めてたものが「キレる」瞬間を感じてが、はっきりとわかった。
いろいろ溜めてたんだなって。

でも、それを子どもにぶつけるなんて最低だ。

去年の夏から秋、文京区が突然育成室の保育料を大幅に値上げするというので、納得のいく説明と利用者との対話を求めるキャンペーンを立ち上げたことがあった。
このときも、メールを打つのに没頭して、何度もたまを淋しがらせた。
「まま、ぱそこんじゃなくて、たまちゃんをみて!」
と訴えられて、猛省した。
わたしは一体何のためにこんなことをしているんだろう。
目の前のわが子ひとり幸せにできないで、何がキャンペーンだ、と。

その頃やりとりしていた区議さんに、
「こういう運動は、楽しむ余裕を残しておくことが大切なんですよ」と言われた。
本当にそうだな、と思う。
「好きでやってる」「楽しんでやってる」と思える余裕がなくなったときは、少し休んだほうがいい。そうじゃないと息切れしてしまう。

サービス精神も、責任感も、大事。
でも、いちばん大事なものを見失わないように。

たまから笑顔が消えていたら、わたしからも笑顔が消えている証拠。
楽しむ余裕を残して、ほどほどに、ぼちぼちと。

2011年06月29日(水)  「てっぱん」と堺泉北のご縁のエンブックスさん
2010年06月29日(火)  6月に食べたsweetなもの
2009年06月29日(月)  涙は世界でいちばん小さな海
2008年06月29日(日)  マタニティオレンジ304 「たらちねの母」と「たらちねの女」
2007年06月29日(金)  マタニティオレンジ137 おっぱいより朝ごはん
2002年06月29日(土)  パコダテ人大阪初日
2000年06月29日(木)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/28)


2013年06月28日(金)  朝ドラ×村岡花子=花子とアン

『赤毛のアン』を日本語に翻訳した村岡花子さんの半生が、朝ドラに!

わたしはまったく関係ないのだけど、朝ドラファンとして、村岡花子訳『赤毛のアン』のファンとして、このマリアージュに喝采!

村岡花子さんは、ラジオともとても縁の深い方。『コドモの新聞』という戦前〜戦中のとてもチャーミングなラジオ番組に出演し、親しまれていた。FMシアター『昭和八十年のラヂオ少年』を書くときに日本のラジオ史を調べていて、こんな素敵な女性がいたんだ、と印象に残った。

半年かけて、もっと深く知ることができるのが楽しみ。しかも、脚本は中園ミホさん。主演は吉高由里子さん。「てっぱん」でヒロインあかりが父・橘公一と対面する第21週「ひまわり」を演出された橋爪紳一朗さんも参加されている模様。

朝ドラは「ん」で終わる作品が多く(「てっぱん」しかり)、「あまちゃん」「ごちそうさん」「花子とアン」と「ん終わり」が続く。3連続は「ハイカラさん」(1982年前期)「よーいドン」(1982年後期)「おしん」(1983年)以来。

2010年06月28日(月)  とりあえず今日のツイッター
2009年06月28日(日)  朝ドラ「つばさ」第14週は「女三代娘の初恋」
2008年06月28日(土)  読んで満腹『おとなの味』(平松洋子)
2006年06月28日(水)  ロナウジーニョとロナウドは別人?
2002年06月28日(金)  シンデレラが出会った魔女の靴


2013年06月27日(木)  「そこをなんとか」DVD&ブルーレイ発売

昨年秋に放送されたNHK BSプレミアムドラマ「そこをなんとか」(脚本:今井雅子・横田理恵)がDVDとブルーレイに!



新入りが加わったので、恒例の作品棚更新を。


作品がブルーレイになったのは初めてで、これはうれしい。

「てっぱん」ファンの方が「初音さんの料理の繊細さはブルーレイで見ないと再現できません!」と力説されていたけれど、それほどDVDとブルーレイに差が出るのか。そこなんのシェアハウスの多国籍料理で検証してみよう。

2012年06月27日(水)  豚まんクーラーはないけれど
2010年06月27日(日)  子守話115「デニズとデニーズズ」
2008年06月27日(金)  マタニティオレンジ303 幻の一発芸、体文字の「TAMA」
2007年06月27日(水)  中国経絡気功整体の大先生
2002年06月27日(木)  泉北コミュニティ


2013年06月26日(水)  沈黙のち行列(実践女子大学講演・後編)



円(縁)を太らせたベーグルで腹ごしらえをして、実践女子大へ。

講演という石ころは、聴いてくれる人たちが磨いて、光らせてくれる。
だから、質疑応答の時間が何よりの楽しみ。
わたしの石ころに感想や質問の石ころがぶつかって、わたしの頭の奥のほうや記憶の深いところを引っ掻いてくれる。

が、今日は質問が出ない。

これまでの講演では、出足が鈍くても、促すと、誰かが手を挙げた。
しかし、今日は出ない。

「なんで?」と「そんで?」の連想ゲームで石ころ(ネタ)に磨きをかけて光らせる脚本作りの過程で「伝力=伝える力」も鍛えられる。どうやったらもっと面白くなるか、もっと楽しんでもらえるかと想像力を働かせることは、同時に、受け手の気持ちに想いを馳せることでもあるから……。

そんな話をあちこちの講演でしているのだけど、そう言う今井雅子本人の発伝量が足りなかったか。



最後に行った講演、4月の故郷・大阪堺市の図書館では、質問が引きも切らなかった。大阪と東京、怖いもの知らずの世代とまわりの目が気になる世代の違いはあるかもしれないけれど……。

4月の図書館講演と今回の大学講演の決定的な違いは、「自分から進んで聴きに来ているかどうか」。

貴重な休日の午後、わざわざ家から出かけて、人によっては電車を乗り継いで人の話を聴きに行こうというのは、よっぽどのこと。移動に時間とお金をかけた分だけ、しっかり元取って聴いてやろうという気持ちもわく。

だから、姿勢は自然と前のめりになり、よくうなずき、よく笑い、よく質問する。

一方、授業や講義の一環としての講演は、単位になるから聴いておくというのが第一の動機で、誰がどんな講演をするのかへの関心はさほど高くない。

そういう相手に話をするときこそ、「伝力」が試される機会。
だから、
座席の背たれにつけた背が浮いて、前のめりになるように。
どこか遠くを見て、別なことを考えてた目が、こちらを向いてくれるように。
閉じていた心の傘が開いてくれるように。
……という気持ちで話した、のだけれど。

壇上で待つ、ほんの数分は、その何倍もの長さに感じられた。

すると一般聴講の男性の手が挙がった。共同脚本について立て続けに突っ込んだ質問をされた。同業者なのか、業界通なのか、とにかく質問が出るのはありがたい。後が続きやすくなる。

続いて先生から「これから将来を決める学生たちに一言」。そして、満を持して学生から手が挙がり、「脚本だと色んな人に口出しされて好きなものが書けなくて大変では?」と質問があった。

この学生さんに、ボーナス得点を!

学生の頃のわたしには、人前で手を挙げて発言するなどという勇気はなかったから、こういう場で質問できる人に敬意を表してしまう。

一人では思いつかないことをチームで思いつける、一人だと石ころのままのネタをみんなのアイデアを持ち寄って光らせることができるから脚本作りは楽しい。連想ゲームには人のアイデアを取り入れる柔軟さと、自分のやりたいことを貫く頑固さの両方がと最後の質問に答えて、ちょうど終業の時間となった。

大半の学生さんが次の講義へ移動してしまった後、何か一言伝えよう、と残った学生さんが列を作ってくれた。

一対一で話してみると「面白かったです!」と瞳が輝いた。

もともと書くことが好きで、標語や小説を書いていたこともあるけど今は遠ざかっていて、でも今日の講演を聴いて、また書いてみたくなりました。そんなことを言ってくれた学生さんたちは、いいこと見つけた!というような明るい顔をしていた。

長い沈黙の後の長い列は、「十人いれば十通り、百人いれば百通りの感想の伝え方」があることを教えてくれた。

大阪に比べると、うなずきも笑い声も控えめで、壇上からは「節伝モード」に見えたのだけど、一人一人の胸の内では、それぞれの形で伝力が蓄伝されていたらしい。

「すみません、うまくまとまらなくて」と恐縮し、一語ずつ噛み締めるように感想を伝えてくれた一年生。

「父の花、咲く春を観たくなったので、リクエストを出します」と言ったもう一人の一年生は、「大学に入ったばかりなんですけど、卒業後の進路を今から決めといたほうがいいんでしょうか」と人生相談もしてくれた。

こうなりたいという未来に向かって進むのもいいけど、無我夢中で走っているうちにやりたいことが見つかることもある。

今なら、何にでもなれる。何だってできる。
やり直す時間も体力も、まだまだある。
若いって、すばらしい。
きらきらと目を輝かせる、わたしより半分ぐらいの年の女の子たちを見て、そう思った。

年を重ねた分だけ、世界は広がり、人生は豊かになるけれど、若さにはかなわない。わたしが彼女ぐらいの年だった頃「君たちはいいね」とまぶしそうに目を細めていた人生の大先輩たちも、こんな気持ちだったのかもしれない。

若い人たちのきらきらを吸収して、心のツヤとハリを持ち続けたい。
そんなことを思うような年になったんだなあと、ちょっとしみじみした。

一般聴講の方ともお話できた。
図書館でチラシを見たという女性は、声をかけたお友達の女性と聴きに来てくれ、熱く感想を語り、二人して握手を求めてくれた。
そのお友達は番組制作と出版に関わるお仕事をされていて、チームで意見を出し合って石ころを宝石にしていく面白さと大変さを日々実感しているので、身につまされて聴いてくださったそう。

20数年音信不通だった友人は、前触れもなく現れ、驚かせてくれた。
連絡先も知らなかったのだけど、向こうはわたしの日記をずっと読んでいて、講演があることを知って駆けつけてくれた。
つながってなかったと思ったら、実はつながっていたことに、びっくりして、うれしかった。
久しぶりだったせいか、舞い上がったせいか、お互い大阪弁じゃなくて標準語で、なんか変だったね、と後で気づいた。

そして、質疑応答で口火を切った質問者は『築城せよ!』の古波津陽監督だったとわかった。

会うのは三度目だけどじっくり話したのは初めて。講演に呼んでくださった国文科の先生方との飲み会にも飛び入り参加し、愛知工業大学の創立50周年事業で『築城せよ!』を作ったときのエピソードを聞かせてくれた。

今井雅子脚本をデビュー前から読んでいるご意見番のアサミちゃんは、いつの間にかいなくなっていて、「知ってる作品ばっかりで懐かしかった」と後からメールがあった。

こうして、また皆さんに石ころを磨いてもらい、来週は大阪の私立金蘭千里中学校にて講演。

2012年06月26日(火)  地上350メートル
2011年06月26日(日)  サンリオピューロランドを「たまセンター」と呼ぶ
2010年06月26日(土)  JAGDA新人作家展とキャンドル展とことりっぷ
2009年06月26日(金)  江ノ島の大道芸人「のぢぞう」さん
2008年06月26日(木)  知らなかった、大坂夏の陣『戦国のゲルニカ』 
2007年06月26日(火)  マタニティオレンジ136 サロン井戸端
2004年06月26日(土)  映画『マチコのかたち』


2013年06月25日(火)  ベーグル化現象(実践女子大講演・前編)

ふだんなじみのない町を縁あって訪ねるとき、その町に行かないと会えないとっておきのお店を探す。

実践女子大での講演を聴きに来てくれるアサミちゃんに「日野駅の近くにベーグルカフェがあるよ」と教えてもらい、ネットで調べてみると、「cafe Spinel(カフェスピネル)」という、ことごとくわたし好みな佇まいのお店。講演前の腹ごしらえはここにしよう、とアサミちゃんにつきあってもらうことにした。

アサミちゃんは、脚本家・今井雅子がデビューする前から脚本を読んでは的確なアドバイスをくれているご意見番。

函館にオマケの丸がついた「ぱこだて」という言葉をひらめいたときに、
「アサミちゃんがゴキブリをコキプリって呼ぶとかわいくなるって言ってたっけ」と思い出し、「しっぷ」の効き目が強過ぎて「しっぺ」を通り越し「しっぽ」が生えるという奇想天外な物語が生まれたのだった。

その『ぱこだて人』(コンクール応募時はひらがなだった)の初稿を書き上げてアサミちゃんに送り、カンヌ広告祭から帰ってみると、付箋にびっしりコメントを書き込んだ原稿が返ってきていた。

そこから一気に書き直し、締切日の夜中に「今日の消印押してもらえますか?」と鷺沼の郵便局に持ち込んだ応募作が函館港イルミナシオン映画祭のシナリオコンクールで準グランプリに。その応募原稿がたまたま前田哲監督の目に留まり、驚くべき幸運の連鎖でオリジナル脚本での映画デビューが決まった。

キャストにもスタッフにも恵まれ、朝起きたらしっぽが生えていたヒロイン日野ひかるに、宮崎(崎の右側の上は「大」ではなく「立」だけど文字化けするので)あおいちゃん。
もう一人のしっぽ人間に、大泉洋さん。

その『パコダテ人』の誕生に縁の深いアサミちゃんに初めて講演を聞いてもらう場所が「日野」だなんて、出来過ぎ。

そして、ベーグル(も上出来!)の輪っかは「てっぱん」の「円」にも通じて、これまたご縁を感じる。



なんでもないことが面白かったり特別だったりするのは、「世の中原石(ネタ)だらけ」と思って「心の傘」を開いているからであり、「頭のビデオカメラ」と「脳みその出張所」をフル稼働させているから、かもしれない。

「偶然のような必然」に気づくのは、偶然と偶然をつなげて運命づける連想を働かせてこそ。偶然という石ころも、重ねたり掛け合わせたりで宝石になる。

「たまたま」のように見える「点と点」がつながって、線になって、またつながって円になって、またつながって、その輪が大きく太くなると、人生はもっとふっくらおいしい。

これを「ベーグル化現象」とでも名づけようか。

真ん中が空洞でいいのか、というツッコミはさておき。

今日「たまたま」聴いた講演が、誰かの必然に、そして宝石に、なってくれればと願いつつ実践女子大へ向かった(後編へ続く)。



2011年06月25日(土)  「萩の月」は冷やして食べるべしの宴
2010年06月25日(金)  たこ焼き持って保育園へお迎え
2009年06月25日(木)  眞木準さんのコピーが大好きだった
2008年06月25日(水)  整骨院のウキちゃん7 赤道ぐらい知ってますよ編
2007年06月25日(月)  割に合わない仕事
2005年06月25日(土)  『子ぎつねヘレン』ロケ見学最終日
2002年06月25日(火)  ギュッ(hug)ギュッ(Snuggle)
2000年06月25日(日)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/28)


2013年06月21日(金)  EDITORY×エンブックス×ツブヤ大学「絵本をつくろう!」

神保町にあるEDITORYというそれはそれは素敵な空間でツブヤ大学さんとイベントをやることになり、下見を兼ねて打ち合わせへ。

まあ、なんと、わたし好みすぎる内装!

内装を手がけた方がコード収納小物や照明まで手作りされたそう。



わたしが一目惚れしたのは、自前の雑誌を引っ掛けるランプシェード。
「LEDなので、雑誌が電球焼けしないんです」とのこと。
雑誌を替えれば、簡単に模様替えができちゃう。
アイデア光る非売品!
商品化されたら、買いますよ!


男子トイレ、女子トイレを文庫本のタイトルで表現するセンスも、心憎すぎ!


男子は「男の作法」。女子は「朝の少女」。

すっかり骨抜きになり、住み着きつきたくなるほどの心地よさに、ついつい長居してしまった。

この素敵空間で、どんなイベントをやるかというと、「絵本づくり」。

絵本『わにのだんす』を作った3人(エンブックス西川李岐、絵:島袋千栄、文:今井雅子)と一緒に、即興で絵本のストーリー開発をやって、みんなで世界に一冊だけの絵本を作ってみようというもの。

その日集まったメンバーの化学変化でどんな絵本が生まれるのか、未知数だらけの実験的なワークショップになる予定。

黒板塗料を塗った棚スペースに、早速わにを飾っていただいた。


EDITORY×エンブックス×ツブヤ大学
BooK学科絵本講座「絵本をつくろう!」


7/25(木)19時受付 19時半-21時半
神保町EDITORYにて
参加費4000円(絵本印刷製本費・送料込み)
定員30名

当日発表のお題に沿って皆さんで絵本のストーリーを開発。その物語に後日、島袋さんが絵をつけ、エンブックスの独自POD(プリントオンデマンド)で、成果の絵本を皆さんに後日届ける、というワクワクする企画。詳細はツブヤ大学のページへ。

Facebookイベントページはこちら

メールでお申込みの場合は、7/25「絵本をつくろう!」参加希望と記して、お名前とご連絡先、年代を明記の上、info@univ2289.com まで。


2010年06月21日(月)  紙芝居のわんわんにパンをあげたい
2009年06月21日(日)  朝ドラ「つばさ」第13週は「恋のバリケード」
2008年06月21日(土)  親目線で観た劇場版『相棒』
2007年06月21日(木)  マタニティオレンジ133 おおらかがいっぱい
2005年06月21日(火)  『子ぎつねヘレン』ロケ見学4日目
2002年06月21日(金)  JUDY AND MARY
1998年06月21日(日)  カンヌ98 2日目 ニース→エズ→カンヌ広告祭エントリー


2013年06月18日(火)  【たま絵】うぃんなーのおうさま

先日のこと。

たまが半年ほど前に描いた「うぃんなーのおうさま」の絵が、部屋に転がっていた。

生まれる前にわたしのおなかの中で一緒にいたという神様のことを、たまが初めて語ったのは、【たま語】記録によると、2011年9月26日、5歳1か月のことだった。

【たま語】「たまちゃん、おなかのなかで、かみさまにあったの。かみさまに、いいこいいこってあたまなでてもらったから、いいこにそだったの」。ほう、そうだったの?「だからね、ママのおなかには、ふたりいたんだよ」。神様のご利益はかなり薄れつつある今日この頃…。

その翌日の9月27日、神様のことを、もう少し詳しく聞いてみた。

【たま語】ママのおなかの中で頭をなでてくれた神様ってどんな人だったの?「ウィンナーのことをウィダーっていうの」。二人でおなかの冷蔵庫開けてウィンナー食べてたの?「ウィダーおいしいだあっていってた」。鼻詰まりの神様…。

このときから、たまとわたしで、おなかの中にいた神様のことを「うぃんなーのかみさま」と呼ぶようになった。いつの間に「かみさま」が「おうさま」になったのか、次に【たま語】記録に登場する2012年4月25日、5歳8か月のときには、「うぃんなーのおうさま」と呼んでいた。

【たま語】お腹の中で一緒に過ごした、ウィンナーの形をしたウィンナー好きで鼻の詰まった王様の話を時々してくれる。「うぃんなーのおうさまがしんだひに、たまちゃんがうまれたの」王様の正体は、もしや臍の緒?

ウィンナーが好物だから、うぃんなーのおうさまだと思っていたら。
王様の正体は、臍の緒だったのか。
たしかに、臍の緒って、腸詰めっぽいし。
冷蔵庫の食べ物を分け合っていたというのも、暗喩なのかもしれない。

おなかの中に冷蔵庫があった話は、神様の話よりも3か月ほど遡り、2011年6月23日、4歳10か月のときにしている。

【たま語】自分のおへそを指差し「こっから、ひもでママとつながってたんだよね」。そうよ。ママのへその緒は太くて丈夫だったからたくさんおいしいもの送り込めたでしょ?ちゃんと食べた?と聞くと「たべきれなかったから、ときどきれいぞうこにしまってた」。おなかの中に冷蔵庫w

その2か月後の5歳の誕生日(「かみさま」の話をする1か月前)に、たまは、「ママのおなかのなかにいたとき」の絵を描いている。

>>2011年08月24日(水) 【たま絵】書ける・描けるヨロコビ爆発!たま5歳


ママとたまは臍の緒でつながっていて、ママもたまも笑っている。たまの右にあるのが冷蔵庫らしい。

たまへ栄養を運び届ける役目を終えて、王様は去ったのか……。

そして、「おなかの中の神様=臍の緒!?」から一年あまりが経ち、冒頭の時制に話は戻る。

たまは、赤いペンを持って来て、おうさまの目を赤く塗った。

「うぃんなーのおうさまはね、もうすぐしぬから、めがあかくなってるの」と言う。

おなかの中で最後に見た、おうさまの姿なのかしら。

おうさまは「バイバイたまー」と呼びかけているのだけど、「た」と「ま」に濁点がついている。

「ないているから、たまーって言えなくて、だばーって、なったの」と言う。

目は充血しているけど、顔は笑っている、うぃんなーのおうさま。

愛らしくて、とぼけていて、王冠もとがってなくて、ぷにゅぷにゅしている。

「おなかのなかにいたとき、うぃんなーのおうさまがいっしょだったから、さびしくなかった」と、たまは言う。

どこまでが胎内記憶で、どこからが創作なのか、わからないけれど、「幸せな記憶」であることは間違いない。

生まれる前から守られていた。愛されていた。
そう思えるのは、とても幸せなこと。

わたしの手がまだ届かなかったときに、
たまを、いい子いい子してくれて。
たまに、食べさせてくれて。
たまと、遊んでくれて。

ありがとう、うぃんなーのおうさま。

2011年06月18日(土)  おっさんとあどけなさのギャップ
2010年06月18日(金)  五十音の行が入れ替わる「マカノリ語」現象
2009年06月18日(木)  「出張いまいまさこカフェ」を支える「感想力」
2008年06月18日(水)  堺名産 小島屋の『けし餅』
2007年06月18日(月)  マタニティオレンジ132 たま300日
2005年06月18日(土)  『子ぎつねヘレン』あっという間の見学1日目
2000年06月18日(日)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/26)


2013年06月17日(月)  「はりきり」スイッチで音読102回

小学校では毎日「音読」の宿題が出る。

今日読む課題が国語の教科書から出て、それを何回読んだか、はっきり読めたか、大きな声で読めたかを保護者が採点してサインする。

わたしは毎日、たまの音読をカウントして、数字を書き込み、花丸を二つとサインをする。

先日のこと。たまが帰宅するなり、
「ままー、きょう、すごいことがあったんだよ」
と声を弾ませた。

担任の先生に名前を呼ばれ、クラスのみんなの前で「昨日26回も音読をしたんですよ」と褒められたという。

それがうれしくて、誇らしくて、「もっとがんばろう」と目を輝かせる。

子どもは単純。
子どもは素直。
大人が「はりきりスイッチ」を押せば、力を出し惜しみしない。

そんなたまに刺激されて、わたしは、たまの音読に合わせて手話の指文字を練習することに。たまがたくさん読むほど、わたしも指文字が上達する……はずだったのだけど、たまは26回を読んだ後は、数回の日が続いた。

ところが、今日は久しぶりに「はりきりスイッチ」が入った。

いつもは、わたしの指の動きに合わせて、読む速度を遅くしたり、待っていてくれたりするのだけど、今日はわたしを置いて、どんどん飛ばしていく。手強い「きゃきゅきょ しゃしゅしょ……」だったこともあり、わたしの指文字は早々に離脱。

たまはこれまでの記録の26回を塗り替え、さらに、27回、28回と記録更新。

「ままのとしまで、いっちゃおうかなー」と調子に乗るので、「40こえないで、これがママの年ですって誤摩化してよ」と言ったのだけど、わたしの年齢もあっさり通り越し、「じいじの年までいっちゃおう」とますます絶好調。

気がつけば、じいじの年も越え、85回。



「それぐらいにしといたら?」と言うと、「100までいく!」と大はりきり。

ついに、102回まで行って、やめた。
102は、亡くなったひいおばあちゃんの年。


今日の音読は見開き2ページで文字数も少ないので、記録更新には打ってつけ。
とはいえ、よく疲れも飽きもせず、延々と102回。

アクセルのかかった子どもの底力、おそるべし。

「まま、すごいでしょ?」と得意げな、たま。
「よーし、たまイエーイのポーズを作ろう」とわたし。

♪ たーま たーま イエイイエイイエイ
  まーま まーま イエイイエイイエイ
  ぱーぱ ぱーぱ イエイイエイイエイ
  たーま たくさん 読んだね イエイ
  あしたも たくさん 読むぞ イエイ

と即興で作った歌に、手話まじりの振りをつけて踊った。
 
明日からもたくさん読んで、踊ろうよ。

2011年06月17日(金)  保育園5年目で初めてのグループご飯
2010年06月17日(木)  会う回数と親しさは必ずしも比例しない
2009年06月17日(水)  海へ帰ったサンマクジラと足利事件の17年半
2008年06月17日(火)  マタニティオレンジ301 苦心作のアルバムが届いて、「おひまい」
2005年06月17日(金)  『子ぎつねヘレン』ロケ地網走は歓迎ムード
2000年06月17日(土)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/26)


2013年06月14日(金)  【たま絵】でざいんおしよう

昨日は育成室(学童保育)の面談。

「楽しそうに行ってるので、とくに心配していることはありません」と、わたし。
たまは、「すすんで、たくさんお手伝いしてくれる」子らしい。
「きれい好きで、おやつの後にほうきで掃いている」らしい。

家で見ているわが子とは違う顔。
へええ、そうなんですね。
でも、たしかに、うちではいちばんお掃除してくれていますね。
なにせ、わたしがやらないもので。

そして、「たまえちゃんは、絵が本当に好きですね」と先生。

それは、うちで見ているわが子と同じ。
本当に絵が好き。
時間があれば、紙に向かって、せっせと鉛筆を走らせる。

そして、時間を忘れてる。

何冊もの大学ノートに分けて描かれた作品たち。



「でざいんおしよう」

正しくは、

「でざいんをしよう」

たまは最近「《お》なの? 《うぉ》なの?」と区別するようになったけれど、やっぱりごっちゃになってる。

でも、デザインなんて言葉をいっちょ前に使って、呼びかけてる。

「おでかけりぼん」を着けた女の子の名前は「りぼんちゃん」。

ハートいっぱいの「ハートちゃん」と「おんぷちゃん」。


「おはなちゃん」のページには「いろぬりえ100えん」とある。
ぬりえごっこに使った様子。


たまの描く女の子は、みんな足をしっかり地面につけて、胸を張ってる感じ。

そんな女の子を描くたまは、今の自分を好きなのかな、と思う。

「なまえ たまえ」の自画像には「100てん」とある。


大好きなケーキもいっぱい。


育成室では創作時間をたっぷり取れるらしく、びっしり細かく描き込んだ大作を描いてくる。


男の子と女の子も描き分けられるようになってきた。

男の子はちょっと憤慨している(「それわまちがえ けっこんしません」とあるので、ドタキャンされてご立腹なのかも)ように見えるけれど、女の子は、みんな幸せそうで、いいね。

本人に負けず劣らず、おしゃべりでおしゃまな、たまの絵。

わたしも、心の向くままに「でざいんおしよう」。

2011年06月14日(火)  本郷三丁目のBесна(ベスナー)閉店
2010年06月14日(月)  tabio.comで靴下9色10足
2009年06月14日(日)  朝ドラ「つばさ」第12週は「男と女の歌合戦」
2008年06月14日(土)  高校生だった三人が母になって
2007年06月14日(木)  『坊ちゃん』衝撃の結末
2002年06月14日(金)  タクシー


2013年06月13日(木)  シナリオ作家協会『原作と同じじゃなきゃダメですか?』

シナリオ作家協会が刊行した『原作と同じじゃなきゃダメですか?』が協会会員に贈呈とのことで送られてきた。



副題は《映画『やわらかい生活』脚本の「年鑑代表シナリオ集」への原作者による収録・出版拒否事件 全記録》。

「当協会ではこの裁判の結果を記録に残し、また映画・テレビ製作における、脚本家と原作者の関係性やあり方について、映画・テレビ業界に従事する人々はもちろんのこと、観客・視聴者すべての人々に、深く考えていただきたいと願い、本書を刊行いたしました」とのこと。送料込み1890円で申し込みはシナリオ作家協会まで。
>>>『原作と同じじゃなきゃダメですか?』

この事件について、シナリオ作家協会が脚本家にアンケートを実施したのだけど、わたしは提出しそびれてしまった。百人の脚本家がいたら、百通りの原作の解釈があるように、「原作者と脚本家の関係」について思うことも一人一人の色があり、とても興味深い。この本に参加する機会を逸したことを残念に思いつつ、《「やわらかい生活」裁判を考える会》の日の日記を、出しそびれたアンケートの回答に替えたく思う。
>>>2012年07月21日(土)「やわらかい生活」裁判を考える会


2010年06月13日(日)  視覚とは?『46年目の光―視力を取り戻した男の奇跡の人生』
2008年06月13日(金)  マタニティオレンジ299 おもちゃ電車→たま駅長→いちご電車
2007年06月13日(水)  「事実は小説より奇なり」な映画『主人公は僕だった』
2005年06月13日(月)  『猟奇的な彼女』と『ペイ・フォワード』
2004年06月13日(日)  映画『ヒバクシャ 世界の終わりに』

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