プレス用パンフやbuku10号のエッセイにも書いたけれど、わたしが持っているたったひとつの小説家のサイン入り本が『天使の卵』原作者・村山由佳さんが1997年に出された『翼―cry for the moon』の初版本。新聞の読者プレゼントで当選したもので、「今井雅子様」とあて名が入っていたことに感激した。村山由佳ワールドの面白さを教えてくれたこの本はわたしのお気に入りの一冊になり、ときどき思い出しては読み返しているのだが、ひさしぶりにページを開いた数日後にプロデューサーから電話があり、「村山由佳さんの原作の映画化脚本を」と仕事が舞い込んだ。