2002年10月16日(水)  カンヌ国際広告祭

社団法人 日本シーエム放送連盟主催の『第49回カンヌ国際広告祭 入賞作品研究発表会』へ。広告業界関係者や学生たちで会場の有楽町朝日ホールはほぼ満席だった。解説は今年のフィルム部門の審査員を務めた関西電通の石井達矢氏。大阪迷惑駐車やキンチョーや関西電気保安協会のCFでおなじみのクリエイティブ・ディレクターは、作るものだけでなく話も面白い。「愛すべき世界のおバカ」「すごい奴、しかしこんな奴はおらんやろ」といった独自の分類をもとに受賞作品を紹介していただいたが、CF以上に「日本でやってないんやから、パクったかてええんやけど」というトボけた大阪弁が笑いを誘っていた。グランプリはナイキのブランド広告。タイトルの"Tag"は鬼ごっこの意味。シリーズ広告の1本で他には"Shade running"篇が金、"Tailgating"(尾行)篇が銅を受賞していた。"Just do it."でアスリートたちの挑戦を応援してきたナイキの新しいコンセプトは"play"。遊ぶことはスポーツ、だから真剣に鬼ごっこする大人も、日陰を選んで走る人も、ドリブルしながら人をつけ回すいたずら好きも、ナイキは応援しますという目のつけどころが評価されたらしい。カンヌの審査員は毎年変わるので、年によって審査のカラーも違う。今年は「お金や有名人の力を借りたもの」を外し、派手さよりもアイデアの本質を徹底して問う審査だったようだ。「受賞作の約9割は普通の人間の生活を描いたもの」とした上で、それをパワーのあるCFにするのは、人間を面白がる力とその面白さを描ききるセンス、つまり「関西チックな視点+アートディレクション」と石井氏。最後に「世界の広告はどこへ向かっているのか。私は人間に向かっていると思います」と締めくくった。■カンヌには98年と99年、視察に行った。世界中から集まったCFを一日に何百本と見まくり、アイデアの宝庫のポスターや雑誌広告に刺激を受ける一週間。その経験は、広告をつくる上でも映画やドラマを考える上でも栄養になっている。画像はカンヌで参加登録時に渡される「おみやげ」。左上のバッグに資料やらチラシやらTシャツやらがぎっしり。中央のぶ厚い冊子は、上映作品の一覧が載った別名「電話帳」。これを抱えてホテルと会場を行ったり来たりするのだった。

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