2006年11月30日(木)  マタニティオレンジ34 六本木ヒルズで『プラダを着た悪魔』

3週間前に『7月24日通りのクリスマス』を観て以来、六本木ヒルズでの2度目のママズクラブシアターは『プラダを着た悪魔』。上映5分前に劇場に着いた途端、目に飛び込んだのは、ベビーカーの列と赤ちゃん連れのママ軍団。ベビーパレードでも開催できそうな賑わいに呆気に取られていると、赤ちゃんを抱っこした方が近づいてきて、「ママ仲間9人で来る約束してたら一人来れなくなってチケットが余っちゃったんですけど」とチケットを譲ってくださる。一人減っても赤ちゃんを入れると16人の大集団。こりゃ遠足だ。

ファッションを題材にした作品に客席を埋め尽くすママが押し寄せたのは意外な気もしたけど、子育てでそれどころじゃなくなっているからこそ、映画で夢を見たい気持ちは強いのかしれない。ママ仲間と話していると、「産後の引き締め下着を買ったはいいけど着るヒマないわ」「最後に買った自分の服はマタニティ服」「鏡を見なくなった」「美容院もなかなか行けなくて」という話になる。自分のことは後回し、なりふりかまっちゃいられない。けれど、忙しさにオシャレを忘れても、オシャレ心を忘れたわけじゃない。わたしもひさしぶりに眉毛を描いて、ベイビージェーンキャシャレルのコートを羽織って出かけた。

今日で生後100日目のたまの首はすっかり据わったので、膝に座らせて観る。横抱きのときより、ずっとラク。このところテレビにも興味を示すようになったが、最後の15分に泣き出すまでは食い入るように目を見開いていた。圧倒的な赤ちゃんの数に対し、泣き声はほとんど聞こえない。カラフルでテンポが速い作品は、赤ちゃんも飽きないのかも。そういえば、『パコダテ人』をキンダーフィルムフェスティバルで上映したときも、赤ちゃんたちは大人しく観ていた。

『プラダを着た悪魔』は日本公開用につけた意訳タイトルかと思いきや、原題は『The Devil Wears Prada』。王道の成長ストーリーで、驚くような展開はないのだけれど、台詞の面白さと編集のテンポの良さで気持ちよく引き込まれる。ファッション業界のウンチクもふんだんにちりばめられ、舞台裏ものとしても楽しめた。カリスマ編集長を演じるメリル・ストリープの存在感に妙なリアリティがあり、「こういう人、いるいる」と思ってしまう。VOGUEの編集長がモデルという原作も読んでみたい。

昨年末に出産した元同僚のミユキちゃんがお母さんと、マタニティビクス仲間のトモミさんがマタニティクッキング友だちのユキさんと来ていた。トモミさんユキさんに合流させてもらい、ウェストウォーク5階のレストランフロアで遅めのランチ。おしゃべりしながら授乳して、ジョエル・ロブション(Joel Robuchon)でパンを買う。ベビーカーはレンタルして行き帰りは抱っこひも。お店の人たちもベビーカーに慣れているので、赤ちゃん連れでも気兼ねしなくていいのが快適。

2005年11月30日(水)  保湿ティッシュは甘かった
2003年11月30日(日)  小津安二郎生誕百年
2002年11月30日(土)  大阪のおっちゃんはようしゃべる
2001年11月30日(金)  函館映画祭1 キーワード:ふたたび


2006年11月29日(水)  日本アカデミー賞PR番組「日本映画のミカタ」

日本アカデミー賞協会」と印刷された封書が到着。来年2月16日に行われる来年2月16日に行われる第30回日本アカデミー賞授賞式を前に放送される《日本アカデミー賞PR番組「日本映画のミカタ」》(仮題)で「貴殿が脚本されました作品を一部使用させて戴くことになりました」というレターが『子ぎつねヘレン』と『天使の卵』で一通ずつ。「映画会社/日本シナリオ作家協会の了承も得ています」とご丁寧な報告。自分が関わった作品がテレビで流れることを事前にお知らせいただいたのは初めてのこと(著作権使用料が振り込まれてから知ることも)。作品を大切に扱っていただいているようで、さすがアカデミー賞と感心。

番組は12月9日(土)10:30〜11:25に日本テレビ(関東ローカル)にて放送予定。今年度公開された作品を網羅する内容のよう。ヘレンとてんたまの出番は一瞬かもしれないけれど、とても元気だった2005年の日本映画を振り返る番組として楽しめそう。

2001年11月29日(木)  2001年11月のおきらくレシピ
2000年11月29日(水)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/29)


2006年11月26日(日)  マタニティオレンジ33 百年前の赤ちゃん

ダンナの父方のおばあちゃんは明治39年(西暦1906年)生まれで先月百歳になった。5月に会いに行ったときはおなかの中にいた娘のたまが外に出てきたので、百歳のお祝いを兼ねて会いに行く。耳が遠い以外は元気いっぱいのおばあちゃん、片足立ちでズボンを履けるし、歩くのも問題なし。趣味は草むしり。うれしそうにたまを抱っこしては「3か月なのに、こんなにしっかりして」と目を細めていた。2006年生まれのたまとの年の差は、百歳。百年前は赤ちゃんだったと考えると不思議。たまが生まれてから、「この人にも赤ちゃんの時代があったんだなあ」と想像することが増えた。

一緒に暮らしているおばあちゃんの娘のおばちゃんは75歳。機織り機で織った紫のロングスカートを着こなし、溌剌として若々しい。手作りのクレープに庭で採れたキウイと自分で育てているヨーグルトを添えて歓待していただく。本が好きで、これから『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』(米原万里)と『千住家にストラディヴァリウスが来た日』(千住文子)を読むという。「なかなか(天国から)お迎えが来ませんねえ」とおどける100歳の母親に、「あっちも混み合ってるのよ」と切り返す75歳の娘。そんな元気でお茶目な長生き遺伝子を授かっているたまも、22世紀までゴキゲンに生きてくれるだろうか。

2002年11月26日(火)  健康法


2006年11月25日(土)  カミロボ×みちのくプロレス×劇団ヨーロッパ企画

日本冷凍食品協会の啓蒙キャラクター『冷凍マイナス18号』ファミリーを抱える食育キャラクター軍団『Cook81』の開発でご一緒した企画制作会社、バタフライ・ストローク株式會社。同社が現在力を入れているキャラクター、Kami-Robo(カミロボ)は作家・安居智博氏が小学生の頃から30年近く作り続けている、ひとり遊び用紙製ロボット。トントン相撲のプロレス版をグレードアップしたもの、といえばいいだろうか。200体以上ものカミロボにはひとつひとつ名前がつけられ、得意技があり、所属があり、それゆえ派閥が生まれ、個々のカミロボ同士にも友情もあれば憎しみがあり、人間世界さながらのドラマを繰り広げ、歴史を刻んでいる。かなり奥が深い、というかマニアック。

このカミロボを作者自ら戦わせる「カミロボファイト」というイベントが時々開催されているが、今日と明日表参道ヒルズで行われている「魔王VSブルーキラー」は、安居氏が25年前に作った2体のカミロボ、魔神あらため魔王とブルーキラーを対決させるカミロボファイト。カミロボに扮したみちのくプロレスのレスラーがリングで対決、その模様を「居酒屋ブルーキラー」(かつて魔神とタッグを組んで大暴れしていたブルーキラーはセミリタイアし、レスラーたちのたまり場である居酒屋をやっているという設定)のテレビで観ている面々を演じるのが劇団ヨーロッパ企画。安居氏の作ったカミロボサイズの居酒屋をヒューマンサイズに拡大したセットを舞台に、カミロボ人間模様が描き出される。クライマックスは、安居氏によるカミロボファイトを実演とスクリーンで披露。

カミロボファイトもプロレスも劇団ヨーロッパ企画(映画『サマータイムマシンブルース』で知って気になっていた)も生で観るのは初めてのわたしには、一粒で3度おいしい競演となった。張り手や蹴りの音がビンビン伝わる距離で戦われるプロレスは迫力満点。前方宙返りして相手の上に腹ばいになって着地するなど、高さのあるアクロバットな技も繰り出され、見ごたえ十分。鍛え抜かれた肉体を誇るレスラーたちなのだが、カミロボに扮している設定なので、「身長128ミリ」などと紹介されるのがかわいい。

圧巻はカミロボファイト。文楽の人形遣いの姿が物語に引き込まれると見えなくなるように、二体のカミロボを操る安居氏の手が途中から消え、カミロボだけがリングで暴れているように見えてくる。戦いを終えた魔王とブルーキラーが肩を叩いてたたえあう頃には、本当に紙の体に心が宿っているように思えてしまう。それほどまでに安居氏の手の動きはカミワザ。

最後に挨拶に立った安居氏は、年はわたしより少し上なのだろうけれど、目は少年のままのようで、この目をしてずっと作ってきたんだなあと想像。好きなことをやり続ける情熱が、誰にも真似できない世界を作り上げてしまった。明日17:00と19:30にも公演あり(開場は30分前)。入場無料。スペースに余裕があれば入場券なしでも観覧できるので、表参道ヒルズ近辺に行く予定のある方は直接会場の多目的スペース[O:](B3)へ。

2004年11月25日(木)  ソウなのか、ソウでないのか。


2006年11月24日(金)  マタニティオレンジ32 「手で舐める」ベビーマッサージ

今月、ベビーマッサージの講習を二つ受けた。一つ目はベビーヨガ&ビクスの教室主催のもの。オイルではなくジェルを使う。樹万培(いつきまんばい)社のウォーターハーブジェルは、低刺激でほのかなハーブ(ラベンダーまたはカモミール)の香り。さらっとした使い心地なので、お風呂上がりや汗ばむ季節によさそう。バスタオルを広げた上で赤ちゃんを裸に。おむつだけは広げるけれど外さない。気持ちよくなった赤ちゃんがあちこちで放水し、「キャー、やったわ!」「うちもうちも」。

「足の裏の湧泉(ゆうせん)のツボは体をあたため、下痢や風邪に効きますよ」「おへその横の天枢と仙骨は便秘に効きます」「吐くときは緊張で肩が凝るので頭をマッサージするといいですよ」「夜泣きや不眠には手足の指先をさわってあげてください」などとアドバイスされながら実際にやってみる。「ママの体で試してみて気持ちいいところをしてあげるといいですよ」とのこと。腕や足は筋肉をいろんな方向にほぐすつもりで。ただし、「関節を捻らない」「骨は絶対圧迫しない」。うつぶせのときは「赤ちゃんの表情を確かめながら」。そして、「赤ちゃんの集中力は15分が限界」。マッサージの後は喉が渇くので、授乳タイム。

二つ目のべビマ講習は出産した助産院にて。一回受けたからいいかなと思ったけれど、違う流儀があるかもしれないし、行ってみる。こちらは人体にいちばんなじみやすいというマカデミアナッツオイルを使用。会場で購入してみたけれど、なるほど、オイルだけどべとつきがない。尾骨と仙骨→おなか(腸の流れと同じく時計回りにマッサージ。おへそは触らない)→背中をマッサージして、「最後に流します」。マッサージで「込めた」もの(気?)を体外に出してあげるのだという。「動物は舌で子どもを舐め回します。人間は舌の代わりに手で舐めてあげましょう」と指導してくださった助産師さん。「手で舐める」というたとえはとてもわかりやすく、ベビーマッサージの心構えとコツを言い得ている。

言い得て妙と言えば、出産を控えた会社時代の先輩(ママとしてはわたしが先輩)の家に先日遊びに行ったとき、『江原啓之のスピリチュアル子育て―あなたは「子どもに選ばれて」親になりました』という本があり、その中に、マッサージなどの子どもとのふれあいは「愛の電池の充電」だという例えを見つけた。筆者の江原さんのことは「なぜだかよくわからないけど、やたら売れている人」という印象だったけど、ネーミングセンスもこの人が支持されている理由のひとつかもしれない。以後、「愛の電池を充電している」と思いながらマッサージしている。自分の電池も充電されている気持ちになる。

2002年11月24日(日)  TAMA CINEMA FORUM


2006年11月23日(木)  マタニティオレンジ31 たま3/12才と食育


一日遅れのたま3/12才誕生会。マンスリーゲストは結婚式で受付をやってくれたミキちゃんとウェディングケーキを作ってくれたパティシエのはちみつ・亜紀子ちゃん。亜紀ちゃんお手製のバースデーケーキは、生まれたての卵をイメージしたという卵型。中はスポンジにヨーグルトとバナナと苺をサンド。クッキーで作った羽根とメッセージプレート、お砂糖の花を散らして、できあがり。卵と羽根で『天使の卵』風。

亜紀ちゃんが転がしてきたキャリーケースからは、お土産に作ってくれたクリスマスデコレーション用のクッキーとデトック酢(毎日スプーン1杯飲むと体にいいとか)とジャム。さらに、皮から手作りの餃子、焼き豚、春雨サラダ。わたしの用意したタイカレーとチリコンカンに行き着く前におなかいっぱいに。

たまが生まれる前から「どんな子に育ってほしいか」という話をダンナとしているが、「食べることと本を読むことを楽しめる子になって欲しい」ということで意見が一致している。食べる楽しみは、わたしが両親から教わった最も大きな財産のひとつ。クリスマスケーキを作ったり、月見団子を丸めたり、餅をついたり。食べることは季節や行事を味わうことでもあった。隣家のインド人一家にお好み焼きをお裾分けしてインドカレーを持ち帰り、舌で外国を知った。「食育」という言葉が流通するずっと以前だけれど、食べ物を通して発見したことは、体にしっかり吸収されて栄養となった。

家族でよく行った菊一堂というレストラン(大阪の堺市を中心にいくつか店舗があった。大好きな店だったけど、今はもうない)の季刊誌で「何を食べるかも大事だが、誰と食べるかはもっと大事」「おいしさを分かち合える相手がいると、食事はもっとごちそうになる」という社長さんの対談を読んだのは小学生のときだった。母には「人と食事をする時間とお金は惜しんだらあかん。一緒に食べてくれる人は宝やで」と教えられた。卵のケーキが自分を祝うものだということも、それが食べものであることも、今はわかっていない娘と、そんな話をできる日が楽しみだ。

2003年11月23日(日)  通帳で伝える愛 『まばたき』『父帰る2003』
2002年11月23日(土)  MAKOTO〜ゆく年くる年〜


2006年11月22日(水)  何かとめでたい「いい夫婦の日」

今日11月22日は「いい夫婦の日」。語呂合わせ好きなわたしは6年前のこの日に入籍、「00.11.22」と0・1・2が並ぶ結婚記念日を手に入れた。そんな親の血を引いたのか、娘のたまは8月22日の2時28分に誕生。上から読んでも下から読んでも822228。ハーフーフーフーフーハーと出産時の苦しい呼吸を数字に刻んでいるかのよう。

過去5回の結婚記念日に何をしていたか、覚えていない。「結婚記念日」で日記内検索をしても、一件も引っかからない。花もディナーもなく、ダンナが忘れていた年もあれば、わたしが忘れていた年もあった。けれど、今年の11月22日は、「新しい家族が加わった最初の結婚記念日」として記憶することになるだろう。たまの3か月の誕生日と6回目の結婚記念日、さらに『快感職人』のDVD発売日が重なり、2006年11月22日は、わたしにとって、とてもめでたい日になった。

40〜50代の既婚男女への調査で、「夫のリタイア後に夫婦の時間が増えることがうれしい」と答えたのは夫48%に対して妻27%、「生まれ変わっても今の相手と結婚したい」と肯定したのは夫41%に対して妻26%という結果が出たと新聞記事で読んだ。夫が当てにしている妻は、夫のほうを向いていない傾向。微妙で複雑な女心の研究に『快感職人』DVDをどうぞ。

2002年11月22日(金)  ザ テレビジョンお正月超特大号


2006年11月21日(火)  『築城せよ。』と魔女田映画祭

戦国武将の霊が市役所職員とホームレスに取りつき、ダンボールで城を建てる」。このぶっ飛んだ発想が受けて、アメリカの、サンフェルナンドヴァレー国際映画祭で最優秀外国語映画賞を受賞した作品が『築城せよ。(Raise the Castle)』。わたしにこの作品のことを教えてくれたのは、『風の絨毯』のプロデューサー、魔女田さんこと益田祐美子さん。最近とみに吸着力を増し、人間接着剤と化している魔女田さんだが、『築城せよ。』との出会いも魔女がかり。

監督の古波津陽さんと撮影の辻健司さんが、映画の資金集めと上映方法に頭を悩ませていたとき、ふと入った本屋で派手な赤い本が「おいでおいで」と手招きしていた。吸い寄せられるようにして手に取ったのが、魔女田本『私、映画のために1億5千万円集めました。―右手にロマン、左手にソロバン!主婦の映画製作物語』。一気に読んで勇気百倍となった二人から魔女田さんに連絡があり、対面。三百万で作った映画が映画祭で賞を取ったと聞いて感激した益田さん、早速ツーカーの仲の文化シヤッター社長に話をつけ、同社のBXホールでの上映会をセット。さらに資金不足を補うべく、『風の絨毯』のときスポンサー協力してくれたダンボール会社の社長に電話一本で援助を取りつけた。

これだけでも魔女田パワーおそるべしなのだが、自分がプロデュースした作品と併映する映画祭を企画。「サンモールスタジオ映画祭」と銘打っているけど、そのラインナップは「魔女田映画祭」。

サンモールスタジオ映画祭
12/12(火)〜18(月) 新宿サンモールスタジオ

13:00 『平成職人の挑戦
14:20 『築城せよ。』

16:00 『風の絨毯』
18:00 『築城せよ。』

19:30 『平成職人の挑戦』
20:50 『築城せよ。』

チケット:1300円(2本立て・各回入れ替え)

余談だけれど、サンフェルナンドヴァレーにはわたしが交換留学で住んだ町があり、アメリカ国内を旅行して"Where are you from?"と聞かれたら、"San Fernando Valley"と答えていた。こんなカタチで懐かしい地名に再会したことにも何か惹かれるものがあり、『築城せよ。』はとても気になっている。

2003年11月21日(金)  押忍!いくつになっても応援団
2002年11月21日(木)  ファミレスの誘惑


2006年11月20日(月)  マタニティオレンジ30 偶然は人生最高の香辛料

先日読み終えた『自由が丘物語』の著者・井上一馬さんの物の見方、感じ方には大いに共感するところがあった。なかでも気に入ったのは「偶然は人生最高の香辛料」という考え方。「僕は最近必要最低限なことだけで旅行先のことはなるべく調べないようにしている。調べると、どうしても調べたことを現地に行って確認するのが旅の主目的になってしまい、義務感に駆られてせかせかとあちこちを歩き回る結果になってしまう」というくだりに続けて、「偶然は人生最高の香辛料だから、旅には(そして日常生活にも)なるべく偶然の入り込む余地をたくさん残しておいたほうがいい」とある。

子育ても未知の世界を旅するようなもの。育児書や子育て雑誌に書いてあることにとらわれすぎると、「2か月だからそろそろあれができないとおかしい」と確認に追われて、偶然の出来事を見落としてしまいかねない。なるべくマニュアルよりも目の前のわが子に目を向けて、偶然という不意打ちを楽しみたいと思う。

そういうわけで、大阪の父が贈ってくれた『育児の百科』をまだ開いてなかったのだが、たまの便秘が三日目に突入し、真っ赤な表紙を開いてみた。百科と名乗るだけあって重い。子どもを抱きながらだと、調べ物というより筋トレをしている気分になる。中身はというと、赤ちゃんの月齢ごとに「この月の赤ちゃん」「そだてかた」「環境」「かわったこと」について、細かく項目が立てられている。ピンポイントで欲しい情報にたどり着けるので便利。文章がなかなかユーモラスで、「半月から1ヶ月まで」の「赤ちゃんの便秘」の項目では、理想的なウンチ(「理想便」と命名されている)が出ないと悩んで医者を訪ねるお母さんたちに「赤ちゃんをそだてているので、便をそだてているのではない」ことを忘れてはならないと説く。思わず吹き出したわたしにつられたのか、たまの便秘も自然解消。

ちなみに「二ヶ月から三ヶ月」の赤ちゃんの便秘対策として「果汁を飲ませる」というアドバイスがあったが、母親学級でも助産院でも「果汁を与えるのは離乳食の時期まで待って」と指導されていた。初版が1967年、うちにある新版が1980年に第一刷。今の育児事情にそぐわない部分もところどころあるのかもしれないけれど、読み物としてなかなか楽しめる。便秘という偶然がもたらした発見。

2005年11月20日(日)  G-up side,B;session『ゼロ番区』
2004年11月20日(土)  高倉台・三原台同窓会
2002年11月20日(水)  カタカナ語


2006年11月18日(土)  アーロンバシャ(Aaron Basha)のBaby Shoes

カード会社から送られてきたジュエリーセールの案内を見て、写真に「かわいい〜」と一目惚れ。「アーロンバシャ日本初上陸」とあるので、それがブランド名らしい。早速検索して、Aaron Bashaのサイトを見つける。オンラインカタログの写真がこれまたステキ。わたしを釘付けにしたのは「Baby Shoes」というラインで、パソコンの前で悲鳴を上げ続けるほどの愛らしい靴がずらり。

で、気になるお値段は……。カタログには出ていないので、これまた検索すると、わたしの想像よりゼロがひとつ多く、小さな靴ひとつがン十万円もする。「娘の誕生日にひとつずつ買って、成人したらブレスレットかネックレスにしてあげよう」計画はスピード断念。車買うより大変なことになってしまう。ダイヤモンドついてなくていいし、シルバーやゴールドのかわりにプラスチックでもいいから、このデザインでゼロひとつ減らないものかしら。そんなことしたら、ハリウッドセレブ御用達ブランドの価値が暴落しちゃうんだろうけれど。ダンナに「すっごくかわいくて欲しいんだけど、びっくりする値段なんだよね」と相談すると、「買わなくてよろしい。君が着けると、どうせ1000円ぐらいにしか見えないから」と冷静な意見。ちょっと頭を冷やして、オンラインカタログ鑑賞で我慢がまん。それにしても、なんて罪なかわいらしさ。


2006年11月17日(金)  関西映画『メアリ』!?

出産前に「ボッコーンと生まれはったらぜひお仕事させてください」と訪ねてくれた大阪のプロデューサーさんが再び上京。今度は具体的に企画の話。「……ちゅう話を、メアリみたいな感じで撮りたいんですわ」と説明される。「メアリ?」と聞き返すと、「ほら、あのフランス映画の」「それを言うなら、アメりちゃいます?」「せやせや、アメりですわ」と大笑いした後で、「壁に耳あり、障子にメアリ〜」。大阪弁の打ち合わせは、ほんま、おもろい。

2005年11月17日(木)  『天使の卵』ロケ見学4日目 電車でGO!
2002年11月17日(日)  学園祭


2006年11月16日(木)  映画『フラガール』に拍手

大阪に住む数学教師の父は、映画好き。60才以上1000円のシニアの特権を駆使して、せっせと映画館に通っている。先月、お宮参りで上京した際、「最近観て良かったんは『キンキーブーツ』ともう一本、あれ、なんやったっけ」とタイトルを失念。「どんな映画? 誰が出てる?」と聞いても「それも思い出されへん」。手がかりゼロだが「あれはええ映画やった」ということだけは鮮明に覚えている。「ああ、思い出したわ!」と父が素っ頓狂な声を上げたのは、お宮参りを終えた帰りのタクシーの中。「子ぎつねヘレンに出てた松雪泰子が炭鉱の町でフラダンスを教えるっちゅう、せやせや、『フラダンサー』!」。父の記憶力は心配だが、映画『フラガール』は安心して観られた。監督の李相日さんとの共同脚本は羽原大介さん。井筒和幸監督と共同脚本の『ゲロッパ!』『パッチギ!』も大好きな作品。「ハバラダイスケ」の名前は、わたしには「オモシロイヨ」の太鼓判。手話の要素を取り入れているフラダンスの振り付けはここぞという場面で名台詞になっているし、寒がりな椰子の木の使い方もお見事。

自分が踊っていたこともあって、ダンスものには弱い。学生時代にやっていたチアリーディングや教育実習のときにやった文化祭のミュージカル指導の記憶とともに、懐かしい感覚が蘇る。憧れの衣裳をまとったときの喜びと照れくささ、ステージに立つ前の緊張感、ライトと拍手を浴びる恍惚感、音楽の一部になったような高揚感……頭が真っ白になり、体が勝手に動き出すと、不思議な力が漲ってくる。自分以外の何かになれそうな、ここではないどこかへ飛んで行けそうな。北国の炭鉱の街を常夏のハワイに変えてしまうチカラだって、ダンスにはある。その未来を信じて懸けたフラガールたちと、彼女たちの熱意で仮面が溶けていくように優しい顔になっていく平山まどか先生が眩しくてしょうがなかった。

2005年11月16日(水)  『天使の卵』ロケ見学3日目 ミラクル


2006年11月14日(火)  マタニティオレンジ29 読書の秋

授乳のコツがつかめて慣れてくると、体の空いている部分を他のことに有効利用したくなる。パソコンは電磁波が気になるし、携帯メールはなんとなく不健康な気がするし、新聞はバサバサ言う音が嫌いらしく、読書に落ち着く。文庫本ではページも文字も小さすぎて安定感がなくて、単行本がちょうどいい。

立て続けに読んだのは、育児中の父親が書いたもの。一冊は10月22日の日記にも書いた『父の目1000日 赤ちゃん新発見―カメラとペンで綴ったわが子の3年間』。育児カメラマンの田沼武能さんが長男誕生から3才までのほぼ毎日を追いかけている。もう一冊の『自由が丘物語』は、翻訳家でエッセイストの井上一馬さんが33才になって突然つけ始めた日記。仕事のことや交友関係や日々感じていることがエッセイ風に綴られているが、4才と2才の娘のことが毎日のように登場し、筆者の人生における娘占有率の高さをうかがわせる。そうとはうたっていないけれど、わたしがこの本を知った新聞の書評欄では「育児日記」と紹介していた。文庫(自由が丘物語―33歳の父親日記)も出ているが、単行本ともどもamazonでは在庫切れ。ユーズド価格で9800円の高値がついているのは驚き。

『赤ちゃん新発見』はまさに自分が体験中のことが書かれているので、「うちも2か月で同じ感じだわ」と確認したり、「4か月だとこうなるのね」と楽しみにしたり。『自由が丘物語』の女の子たちには、わが子の2年後、4年後を重ね、「姉妹がいると、こんな感じなのね」と想像する。二冊の本からの教訓は、「短くても、記録は毎日つけたほうがいい」ということ。そういうわけで、こまめに写真を撮り、ときどきはコメントつきでビデオを回し、さぼりがちだった日記をせっせと書いている。日々の出来事を綴ることは、今しかできない。記録の積み立ては、コツコツ続けることで歴史という利息を膨らませる。

子育てものではないけれど、井坂幸太郎さんの『終末のフール』は一日で読み終えて、次の日にまた頭から読み直してしまったほど面白かった。少しずつ交錯し、重なっている連作短編のひとつひとつが傑作。「3年後に隕石が衝突して地球が滅びる」運命を突きつけられた人々が、大混乱の後の束の間の平穏を生きている。限りなく絶望的な状況下で、普通の生活やなにげない出来事や当たり前の風景が輝きを放つ。隕石が落ちてこようと、爪は伸びるし、おなかはすくし、恋にも落ちる。非日常の中で日常を続ける登場人物たちを見ていると、もしかしたら大丈夫なんじゃないかという希望さえ感じられてくる。

2005年11月14日(月)  『天使の卵』ロケ見学1日目 なつかしの京都
2004年11月14日(日)  『バニッシング・ポイント』@ルテアトル銀座


2006年11月13日(月)  マタニティオレンジ28 バリアフリーを考える

「バリアフリー」という言葉はずいぶん普及したけれど、自分が「バリア」に直面して初めて、その必要性を痛感する。昨日届いたベビーカーを押して、初めて電車でおでかけ。取扱説明書は「エスカレーターでの使用禁止」をうたっているけれど、エレベーターがなくてはどうしようもない。エスカレーターもないところは、ベビーカーをかついて階段を上り下りしないといけない。今日はファットバーニング(脂肪燃焼)のクラスで踊った後、大江戸線で去年まで勤めていた広告会社のある青山一丁目へ。元同僚とランチをし、メンバーを替えてお茶をし、内祝いを手渡す。通勤で何度も使った経路で帰ろうとして、「乗り換え駅、エレベーターあったっけ」。エレベーターの有りなしを意識して利用していなかったので、思い出そうとしても、思い出せない。結局、大江戸線で都庁前まで行き、エレベーターで上下して両国方面行きに乗り換え、春日で下りる。

春日駅の大江戸線から三田線への乗り換えにはエレベーターが使えないので、地上に出て、自宅までひと駅分歩くことに。30分の道のりは持たないかもと思い、春日駅上にそびえるシビックセンター(文京区役所)の子育てひろばで授乳とおむつ替え。利用登録ついでに見学もさせてもらう。親子で遊べるスペースや1才からの託児スペースがある。こういう拠点があるだけで、ずいぶん助かる。不安や孤独や閉塞感のバリアも取り除いてくれそうだ。今まで当たり前だったことを、支えられて成し遂げる、そのありがたみを感じる。

2003年11月13日(木)  SKAT.2@Wired Cafe


2006年11月12日(日)  マタニティオレンジ27 川の字 朝の字

「子どもと川の字で寝たい」というダンナの夢は、たまが生まれたその日にあっさり叶えられた。体重測定を終え、おむつを着け、初乳を飲ませると、「ではお布団敷きますね」と助産師さん。分娩室の和室がそのまま寝室となった。生まれたばかりのたまをダンナと挟んで、真ん中が極端に短い川の字。新生児にしては豊かな髪の毛にこびりついた羊水はほんのり甘い香りがする。助産師さんは「砂糖水のにおい」と言った。たまはすんすんと寝息を立て、立ち合いに疲れたダンナはすぐに眠りに落ちたけれど、わたしは寝付けなかった。さっきまで自分の中にいたのに、今はすぐ隣で小さな胸を上下させて眠っている。なんて不思議。

夜泣きから逃れて家庭内ジプシー生活をしている先輩パパたちは「一緒に寝るのは無理」と言うが、今のところたまは夜泣きをしないので、三本の「川」の字を守れている。新聞を読んでいたら「朝という字を分解すると、十月十日(とつきとおか)になる」とあった。「おなかの中に子どもがいたときのように、朝の時間のふれあいを大切に」という記事。十月十日を重ねて朝を迎えるとは、美しい発見。朝目覚めて、寝ぼけ眼に小さな命が飛び込んでくるたびに、「ほんと、よく来てくれたね」「今日も生きていてくれて、ありがとね」と幸せな気持ちで満たされる。そして、新しい一日を始める。

2004年11月12日(金)  何かと泣ける映画『いま、会いにゆきます』
2002年11月12日(火)  棗
2000年11月12日(日)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/29)


2006年11月11日(土)  ウーマンリブvol.10『ウーマンリブ先生』

大人計画のウーマンリブ公演vol.10「ウーマンリブ先生」を観る。作・演出:宮藤官九郎。クドカンも劇団も勢いがあるけど、観客も負けてない。わたしの両隣さんは体を揺らせて笑いっぱなし。このパワー、発電できそう。

官能作家(松尾スズキ)が缶詰になっている旅館が舞台。そこはかつて殺人事件が起きた現場でもあり、殺された仲居の娘が仲居となって働き、刑事となった息子も出入りしている。作家のもとに「ウーマンリブ文学賞」の落選理由を告げに来る男女(古田新太、伊勢志摩)が作家の小説を朗読。こっぱずかしい性描写をマイクであっけらかんと。エロやグロを堂々とやるほど、客席も遠慮なく大らかに笑う。最初はちょっと引いたわたしも、いつの間にか笑いの渦に巻き込まれる。ナンセンスなバカ騒ぎを繰り広げているようでいて、殺人事件の真相に迫るサスペンスにもなっていたのは、さすが。場面転換の幕として、スクリーンとして大活躍する障子の使い方も面白かった。

チラシを見ていて、懐かしい名前を発見。ヘアメイクの大和田一美さんは、広告の仕事をやっていたときに知り合い、何度か髪を切ってもらっていた。登場人物たちのヘアスタイルを、近況報告を見るように、見た。

ウーマンリブ先生
作・演出:宮藤官九郎
11月2日(木)〜19日(日) サンシャイン劇場
夏祭冬助(作家):松尾スズキ
川西春(夏祭の妻):池津祥子
男島礼子:伊勢志摩
シズル:宍戸美和公
椎名あや:猫背椿
橋爪巌:皆川猿時
じゅん:荒川良々
アオバ:平岩紙
猿飼洋介:少路勇介
小田島:星野源
ミズホ:宮沢紗恵子
屋敷(編集者):宮藤官九郎
塩谷五郎:古田新太

2003年11月11日(火)  空耳タイトル
2002年11月11日(月)  月刊デ・ビュー


2006年11月09日(木)  マタニティオレンジ26 六本木ヒルズはベビー天国

今日は六本木ヒルズ六本木ヒルズのTOHOシネマズでママズクラブシアター。ヒルズのサイトを見てみると、子連れ歓迎の様子。せっかくだからついでにヒルズ探索をしてみよう、とビクス仲間のレイコさんと3か月のレミちゃん親子を誘ってGO。

森タワー2階のインフォメーションで無料貸し出しのベビーカーを借りる。たま&レミは初搭乗。わたしとレイコさんは「わあ、身軽でいいねー」と大はしゃぎ。ヒルズはバリアフリー動線をちゃんと考えた設計になっていて、エレベーターやスロープが完備。レストランの中もベビーカーですいすい。東京タワーが見えるテラス席でランチしながら「夢みたいだねー」としみじみ。

ヒルサイド地下2階のキッズルーム内にある授乳室は、天井が高くて開放感がある。おむつ替えスペースも広々、替えたらおむつゴミ箱にポイッ。ひねると調乳適温の50度のお湯が出る蛇口にも感激。哺乳瓶に粉ミルクを溶かし、いざ映画館へ。

映画は『7月24日通りのクリスマス』。大沢たかおさん、『子ぎつねヘレン』の矢島院長とは打って変わって、王子様キャラを好演。靴と足元の表情でヒロインの気持ちの変化を描いていくのがおしゃれ。パラパラ漫画やワインの小道具の使い方、くすりと笑える小ネタの数々、「うまいなあ」と思いながら観てしまう。脚本は『電車男』の金子ありささん。全編をクリスマスソングが彩る。そっか、もう来月か。ディズニーランド&シーでもクリスマスが始まっている。2週間後のママズクラブシアターは『プラダを着た悪魔』。前評判がとても高いので、これも観てみたい。

2005年11月09日(水)  『ブレーン・ストーミング・ティーン』がテレビドラマに
2003年11月09日(日)  小選挙区制いかがなものか
2002年11月09日(土)  大阪弁


2006年11月07日(火)  シナトレ6『原作もの』の脚本レシピ

シナリオ作家協会がやってるシナリオ講座の創作論講義で昼夜2時間ずつ話す。4月25日に「人生はネタの宝庫」をテーマに話して以来半年ぶりの2回目。今回は「『原作もの』の脚本レシピ」。今年放映あるいは公開された脚本作品5本のうち4本が原作もの(あと1本はサスペンスドラマ『ドクター・ヨシカの犯罪カルテ』)。原作といってもさまざまで、1月に放送されたドラマ『ブレスト〜女子高生、10億円の賭け!』は、わたしの原作『ブレーン・ストーミング・ティーン』を脚本化。3月公開の『子ぎつねヘレン』はノンフィクション『子ぎつねヘレンがのこしたもの』、7月期に放送された深夜連続ドラマ『快感職人』は漫画、10月21日から公開中の『天使の卵』は『小説が原作。「まず、使いどころを見つける」「訴えたいメッセージを決め、そこから逆算して人物やエピソードを組み立てていく」といった方法論を料理にたとえ、「原作という素材の良さを活かし、おいしく食べられる映画やドラマに仕上げるのは、料理人である脚本家の腕の見せどころ」「同じ素材を使っても、調理法やスパイスの使い方で料理人の個性が出る」と話す。「原作を読んだら、なるべくすぐ第一印象をプロデューサーに伝え、熱を共有する」といった心構えも紹介。

脚本家をめざす人たちだけあって、皆さん熱心に聞き、質問も活発に出る。「原作が史実の場合、どうやって脚色すればいいか」「ドラマや映画での禁句は?」「気分が乗らない原作の場合は?」などなど。それぞれ「誰の視点で描くかによって、同じ歴史上の事実でも違ったドラマになる。繰り返し映像化されている忠臣蔵のように。キャラクターを肉付けすることでも、ドラマに深みが出る」「テレビは放送コードに引っかかる表現は使えない。映画も観客の反応や反響を考えて表現を吟味している」「苦手なジャンルでも、どこかに自分との接点がないか探る。せっかく声をかけてくれたプロデューサーに応えたいという気持ちもある。難しそうな素材ほど、うまい調理法が見つかると攻略感がある」といったことを答えた。わたしは勘違いからデビューして、出会いに恵まれて今も書き続けている。デビューするチャンスは誰にでもあるし、自分の脚本がカタチになる楽しさをぜひ味わってもらいたいと思う。

去年研修科で教えた生徒さんが二人聞きにきてくれ、研修科の有志からという出産祝いを受け取る。布の人形とボールで遊べるボーリング。三週間に一度、半年だけの講座だったけれど、今でも「先生」と慕ってくれるのがとてもうれしい。

昼と夜の部の間に空いた3時間は、お茶して過ごす。4月の講義のときに見つけた「ピルエットカフェ&バー」と8月に見つけた「ファンソンカフェ」をハシゴ。出産後はじめて、2か月半ぶりのカフェめぐり。


2006年11月03日(金)  マタニティオレンジ25 国産車か外車か

国産車か外車か、この数週間頭を悩ませていた。と言っても、ベビーカーの話。「外車は憧れだけど、重いのよねえ」「使い勝手を研究しているのは国産車よ」という先輩ママたちの声から、ベビーカーにも国産車と外車があるんだと知る。国産車はアップリカコンビが両巨頭。外車の筆頭、英国車のマクラーレン(Maclaren)はとくに都心部で人気が高いそうで、ご近所ママの観察によると「文京区のマクラーレン率は8割を超えてる」とか。鬼の角みたいなハンドルが目印。同じく英国車のシルバークロスも鬼角ハンドル。英国車といえば鬼角らしい。

さらにベビーカーには新生児から寝かせて使えるA型と、おすわりが安定する7か月頃からのB型に大分される。A型でも2才頃まで使えるが、B型はA型に比べて軽くて小回りが利くので、成長に合わせてAからBに切り替える人が多いとか(「二台目」と呼ばれる)。数か月A型をレンタルしてB型を買おうかと検討するが、レンタルのベビーカーはことごとくデザインが地味。定価5万を超えるものはレンタル料金もひと月で1万円を超えるので、だったらやっぱり買おうとなる。

ピンク地に白と水色のバブルというポップなデザインに一目惚れしたマクラーレンの「クエストモード2006 ピンクフルール」は3か月から使えるとのこと。気持ちは傾くが、6.1キロという重さと背面押しのみがネックに。赤ちゃんが小さいうちは、顔を見ながら押せる対面式がいい。

背面でも対面でも押せて、かわいい色づかいものが充実しているアップリカのA型を調べ尽くし、シャーベットオレンジの色が気に入ったWなMINIアイTOアイWサーモI690に決定。amazonで69000円が19800円に。amazonでベビーカーが買えるとは。4.7キロという軽さも魅力。ベビーザらスとアップリカが共同開発しているビーセレブ(Be Celeb)のデザインにも惹かれたけど、6キロ越えの重さに断念。ちなみに先輩ママによると、「対面で使えるのは、あっという間よ。体を乗り出せるようになったら、ママの顔なんかより景色を見たがるから」とのこと。ベビーカー到着は一週間後。試乗せずに買ってしまったけど、乗り心地はどうだろう。

2005年11月03日(木)  柴田さん、旅立つ。


2006年11月02日(木)  ハートの鍛え方

月刊誌『第三文明』のインタビューを受ける。テーマは「ハートの集め方」ではなくて「ハートの鍛え方」。ハートコレクションが撮影小道具として活躍。

2年前、『ブレーン・ストーミング・ティーン』を出版したとき、著者インタビューをしていただいた。一晩で読了し、「面白い!」と気に入ってくださった編集長の平木滋さんとはしばらくご無沙汰になり、新作の案内も出せずにいたのだが、封切り直後の『天使の卵』を偶然観てわたしの名前を見つけ、驚いてメールをくださった。映画館にあったフリーペーパーのbukuを手に取ると、そこにもわたしのエッセイを発見。折りしも第一回のタイトルは「脚本家はつなげるのが仕事」。「これも何かの縁ですね」という話になり、「じゃあ次号のインタビューで再会しましょう」となった。カメラマンの内藤恵美さん、ライターの岡尾一郎さんも2年前の取材の顔ぶれ。懐かしく、打ち解けた雰囲気で話ができた。

インタビューのやりとりはブレストのようでもある。質問を投げられると、普段使っていない頭の中の引き出しをかき回し、答えを見つけ出す。「どんなときに落ち込みますか」「どうやって立ち直りますか」。答えながら、「へーえ、わたしはこんな風に感じているのか」とあらためて気づいたりする。わたしはけっこう傷つきやすいし、落ち込むときはドーンと落ち込むけれど、立ち直るのも早い。別れや喪失を嘆くより、出会えた喜びに目を向けるようにしている。失敗を笑いのネタにする関西人気質と、作品のネタにしてやろうという脚本家根性にも救われている。無理に耐えたり強引に跳ねのけるのではなく、いったん受け止めて、しなやかに折り合いをつけるのがいい。悲しみや辛さの質量は事実として変わらないけれど、気の持ちようで重みをやわらげることはできる。

2005年11月02日(水)  ウーマンリブVol.9『七人の恋人』
2003年11月02日(日)  ロンドン映画祭にも風じゅーの風!
2002年11月02日(土)  幼なじみ同窓会

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