2002年10月12日(土)  『銀のくじゃく』『隣のベッド』『心は孤独なアトム』

■偶然にも招待が重なって、昨日と今日で3本のお芝居を見た。脚本を書いていると観劇の機会が増え、それがまた脚本の勉強になるとは、ありがたいスパイラル。金曜夜は、『アクアリウムの夜』に多佳子役で出演された秋元紀子さんのひとり語り。安房直子さん作の『銀のくじゃく』とオレンジ色の自転車の話を朗読する優しい声と長村美代子さんの奏でるハープの響きがあいまって、心地よく物語の世界に引き込まれる。
■土曜昼は、PLAYMATE公演『隣のベッド』。作者の川上徹也さんは、コピーライターから脚本家になった人。六年ほど前に広告関係者のパーティーで知り合ったときには脚本を書く人だとは知らなかったし、わたしも脚本の書き方さえ知らなかった。お芝居のほうは、とにかく笑った。隣りあったワンルームに暮らす夫婦のもとに居候が転がりこむという設定だが、「隣のベッド」が重要な関心事となっているので、下心や駆け引きや嫉妬が見え隠れして面白い。会話がしゃれていて、うまく書くなあとジェラシーを感じた。出演の小林愛さんは、先日観た『くれよんしんちゃん』のお姫様の声の人。すごく印象的な声だったので名前を覚えていたのだが、台詞の第一声を聞いて「この人だ!」と思った。■土曜夜は、STRAYDOG公演『心は孤独なアトム』。幕が開いた瞬間からハイテンション。台詞はマシンガンだし、ギャグ連発だし、出演者は舞台狭しと走り回り、タップを踏み、これでもかというぐらいエネルギッシュ。いい意味で「腹に響く」感じ。書けなくなった脚本家の現在と小学生時代と劇団員時代が交錯するストーリーだが、同じ台詞つながりで別の時代へ移す工夫で、3つの時間軸をスムーズに行き来していた。このお芝居は、劇団の主宰者であり作・演出の森岡利行さんから直々にお誘いいただいた。月刊ドラマや月刊シナリオで名前を見ていたので、「あの森岡さんだ!」と舞い上がった。木下ほうかさんの友人という縁でパコダテ人を観て、わたしに興味を持ってくれたらしい。作品は絶好のプレゼン材料なのだ。舞台もまた役者さんたちのプレゼンの場。「彼女にこんな役をやらせたら」「今書いている話の主人公は彼のイメージかな」と想像をかきたてる人が次の仕事をつかんでいくのだろう。上演後、打ち上げに参加させてもらう。好きな道で頑張っている人たちには特有のオーラがある。それが合わさるから、お芝居を見ると元気になるのかもしれない。

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