2005年10月21日(金)  小さな冷蔵庫 大きな冷蔵庫

先日受けたインタビューで、「会社をやめて一番変わったことは何ですか」と聞かれ、「家事をする時間が増えた」と答えた。あいかわらずダイニングキッチンの食卓でパソコンを叩いているので、家で食べることが増えたし、料理は気晴らしにもなる。

で、学生時代から使っていた120リットルの冷蔵庫では足りなくなった。鍋が入らなくてカレーを腐らせてしまったのを機に買い替えを決意。あまり大きくなるとレンジの置き場所に困るので、「レンジが置ける」が売り文句のサンヨー製にあっさり決定。容量は255リットルでほぼ倍増。

小さいながらも迷宮と化していた古い冷蔵庫の中から、いろんなものが出てきた。以前発掘隊が冷蔵庫の中を探検し、ひからびた食品を発見するパロディCM(たしかサランラップ)があったけど、120リットルの発掘現場でもなかなかスリリングな隊員気分を味わえた。「冷蔵庫で冷やすと発芽しやすい」と聞いたまま三年寝太郎になっていた桃の種やら、2001年の日付の調味料やら。

ちょうど古新聞を整理していたら、最近父親を亡くされた方の投書が目に留まった。固い物を食べ辛くなった父のために柔らかく煮たものを作っては冷蔵庫にストックしていたその人は、食べる人を失ってしまった冷蔵庫の中の食べ物を見るのが辛い、といったことを綴っていた。ちょうど冷蔵庫が届いたばかりのせいか、その光景がやけにはっきりと思い描けて、涙を誘われた。

2002年10月21日(月)  アウシュビッツの爪痕

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