2005年10月06日(木)  行動する芸術家・林世宝さん

NY在住の友人夫妻サトちゃんユキちゃんが親しくしている台湾人芸術家の林世宝(リン・シィパオ)さんに会う。愛知万博に出品する「ペンで作った平和の門」に必要な使用済みペンが不足している、とわたしの日記で呼びかけた縁で、万博で来日した折にぜひ会いましょうということになった。
2005年03月18日(金)  あなたのペンが「愛・地球博」にそびえます。

万博での展示は、平日でも一時間に500人が写真を撮る盛況ぶり(この写真の撮影は林さんの友人でカメラマンの竹下征男さん)。正式名は『平和行進曲供|匏辰量隋PEACE MARCH "GATE OF WISDOM")』。ペンは予定の20万本を大きく上回る30万本が集まり、寄せられた善意を無駄にしないよう門のデザインを変更。大幅に伸びた作業時間を工面するため「食事とトイレのために1日2回降りる以外は14時間足場の上に上がりっぱなし」で納期に間に合わせた。だが、トラックに載せてみると高さ制限をオーバーしてしまい、9月1日の公開予定が一日延びたそう。 

智恵の門のキャッチコピーは「一本のペン、平和の愛(A piece of pen, A peace of love)」。副題は「あなたのペンからドラマは始まる」。「人生はすでにドラマだけど、アーティストとしてそれ以上のドラマを作りたい」と語る林さん。以前100万枚のペニーで平和の像(これが平和行進曲機砲鮑遒辰燭箸も、小切手で送られてくるもの、寄付は断り、「あくまでペニー硬貨」を寄せてもらうことにこだわったそう。「ペニーやペンを集めることで、心を集めたいのです。『和』です」。両手で「人」の字を象りながら「人と人が出会って何かが始まる。それが面白いね」とも言う。

今回のペン集めにも数々のドラマがあったという。万博開催に反対する団体から送られてきた文書(万博に参加する個人や企業に送られたもののよう)への返事として、智恵の門の趣旨を送ったところ、「万博には賛成しないが、門は応援する」と千本のペンが送られてきた。「万博には行かないので、門の写真を送ってほしい」と終始主張が一貫していたとか。

会期を終えた万博会場には、自動販売機の土台のコンクリートなど大量の瓦礫が残されていたそうで、その行方が気になる。テーマに掲げていた「自然との共生」は、祭の後まで続いているのだろうか。

智恵の門の色紙と墨画の作品集とあべ川餅(静岡名産)をおみやげにいただき、最近の作品のスナップを見せてもらう。ニューヨーク大学でアートを専攻した縁で、台湾人映画監督の蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)と李安(リー・アン)は友人。『愛情萬歳』でヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞した蔡明亮は親友だが、『ウェディング・バンケット』がベルリン国際映画祭で金熊賞を取った李安は最近売れすぎて会えなくなったそう。不勉強なわたしは両監督とも知らず、「プロデューサーには一年に三百本観ろと言われます」と話すと、「李安は仕事がなかった頃、一年に五百本ビデオ観てた」とのこと。当時は「何を書いても相手にされなかった」が、今は「何が送られてきても相手にしない」立場になったとか。

2004年10月06日(水)  ローマの一番よい三流のホテル
2002年10月06日(日)  餃子スタジアム

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