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JIROの独断的日記
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2004年09月30日(木) <中山内閣参与>辞任は補佐官人事が引き金 官邸内で孤立 小泉さん、拉致問題など、どうでもいいと思ってるだろう。

◆記事:<中山内閣参与>辞任は補佐官人事が引き金 官邸内で孤立

 

拉致被害者支援で政府の顔だった中山恭子・内閣官房参与の辞任は、北朝鮮外交をめぐり確執を演じた山崎拓・前自民党副総裁と川口順子前外相の二人を首相補佐官に起用した「小泉人事」への事実上の抗議の意味がこめられていたとみられる。

 慰留せず辞任を了承した小泉純一郎首相の対応に象徴されるように、官邸内で孤立を深め、辞任に追い込まれた面もある。対北強硬派だった中山氏の辞任が拉致問題幕引きの布石となることを被害者の家族会は警戒。パイプ役を失った家族会と政府の亀裂は急速に拡大しそうだ。

 「お疲れ様でした。ありがとう」

 29日昼、首相官邸で中山氏から辞意を聞いた小泉首相から、ねぎらい以上の慰留の言葉は聞かれなかった。これに先立ち個別に協議した細田博之官房長官は記者会見で中山氏が30日付で辞任し、後任は置かないとの結論を淡々と説明。中山氏からどんな説明があったかについて、公表を拒否した。中山氏は「指示された役割はすでに終えました」、首相は「本人の意向も固い。ご主人(夫の成彬氏)も大臣(文科相)になったし」とそれぞれ記者団に語った。

 中山氏が辞任する動機となったのは、拉致被害者5人の家族の帰国実現という節目に加え、内閣改造に伴う山崎、川口両氏の首相補佐官起用だったとみられる。02年9月の就任以来、中山氏は一貫して安倍晋三官房副長官(当時)と連携、対北朝鮮強硬派として被害者や家族会の信頼を集めてきた。

 そうした中で、中山氏は、山崎氏について政府のルートを外れ北朝鮮と直接交渉した際、二元外交を危ぶみ痛烈に批判。川口氏が外相時代に柔軟だった中国・北京での曽我ひとみさん一家の再会場所選びにも反対した経緯があるだけに、両氏の官邸入りで、居場所を失う可能性があった。

 今年5月の首相の再訪朝以来、外務省や官邸とのあつれきも強まっていた。曽我さんの信頼を得て一家再会の立役者となったが、対米調整を経ないままに体調不良を理由にジェンキンスさんをインドネシアから帰国させた中山氏の「荒業」に、外務省は反発した。自民党の安倍幹事長代理は29日、中山氏の辞任に「大変残念」と無念さを隠せず、今後は外交面でも山崎氏の発言力が強まるとの見方も出ている。


◆コメント:拉致被害者及び家族のことなど、小泉は全く考えていない。

 結論から先に述べる。極論だが、小泉純一郎という人にとっては、自分が首相であり続けることが、唯一、かつ、最大の関心事である。

 「改革」とか「人道復興支援」とか、「日米同盟とか」、「拉致問題の解決」はそのための手段に過ぎないのだと思われる。

 2年前に北朝鮮を訪問したのは、拉致被害者を救い出すため、というよりも、「前例のないことを実行して、脚光を浴びる」ことが目的だったのだろう。その証拠に、帰国してから家族に会わず、全部、当時の安倍官房副長官に任せてしまった。

 安倍晋三は、家族から信頼されていた。地方からなんども上京する家族の経済的負担が大変だろうというので、安倍氏がポケットマネーから交通費やホテルの宿泊費を援助したことがあったが、小泉首相は一度もそういうことをしていない。

 訪朝が終わった時点で、小泉首相の頭から「北朝鮮」は殆ど消失したのだろう。

 その安倍晋三氏も幹事長に抜擢された。幹事長は党内の調整係だから、自然、拉致問題から遠ざかることになった。

 それでも、中山内閣官房参与がいたから、拉致被害者は救われていたのだ。横田めぐみさんのご両親は、今回の中山氏の辞任に心底落胆しているが、いままでの労苦に感謝したい、といっておられることからも、それは、明らかである。

 ところが、引用した記事に有るように、小泉、川口らは、自分たちは拉致問題に関して、殆ど何もしないくせに(5月の再訪朝は参院選用であったことは明らかだ)、親身になって拉致被害者家族と相対していた中山参与を、「いびり出した」といっていい。

 小泉は中山氏に「お疲れ様でした。ありがとう。」しかいわなかったという。ここに、小泉首相の人格が端的に表れている。

 今後、対北朝鮮を取り仕切るのが変態山崎では、何も期待できないではないか。このニュースを聞いて、私は心底、小泉はひどい奴だと思った。
 横田さんや増岡さんの心中を思うと、本当に胸が痛む。美辞麗句ではない。現実に今、キーボードを叩いている私は怒りのため、大汗をかいているし、心臓のあたりが苦しいのだ。

 他人の苦しみ、悲しみ、心の痛み。拉致被害者家族の、何十年にもわたる苦悩。こうしたことを想像できない人間が、現在の日本の指導者である。拉致被害者やその家族のみならず、日本国にとって、大変不幸なことだ、と云わざるを得ない。


2003年09月30日(火) 小泉総理、「郵政民営化」が日本にとって最優先課題なのですか?もう少しものを考えてください。
2002年09月30日(月) PTSD

2004年09月29日(水) 「名付けて郵政民営化実現内閣」首相が発足会見 国民に説明しない総理大臣

◆記事:「名付けて郵政民営化実現内閣」首相が発足会見

 

小泉首相は27日夜、第2次小泉改造内閣の発足にあたって首相官邸で記者会見し、郵政民営化について、「今まで進めてきた改革を実現する段階に入った。(改造内閣は)郵政民営化実現内閣、改革実現内閣と名付けていい」と述べ、改革断行への強い意欲を表明した。

 さらに、「改革をさらに進めるための内閣改造と役員改選だ」と指摘した上で、自民党幹事長に武部氏を起用した理由について「郵政民営化はもちろん、改革路線を後戻りさせてはならないという強い使命感を持っている方だ」と語った。

 自民党内になお反対論が強いことに関しては、「現在は民営化に反対の人も、結論を出す段階では賛成してくれると確信している」と強調した。


◆コメント:郵政民営化実現内閣というぐらいなら、どういうメリット・デメリットがあるのか、首相は国民に説明するべきだ。

 

 先週、小泉純一郎内閣総理大臣は国連で演説して、日本が常任理事国になりたい、と訴えましたが、そのような大事なことを、国民に何の説明もなしに決めるとは、とんでもないことだと思いました。

 この首相は大事なことを、何一つ国民に説明しません。

 このたびの内閣改造に関しても、然り。「郵政民営化実現内閣だ」という。そんな馬鹿なことがありますか。郵政民営化は、関係閣僚と官庁が計画して、自分が監督すればいい。厚生労働省や文部科学省や、環境省が、どうして郵政民営化と関係があるのでしょう? 

 小泉さんは、そこまで言うのであれば、郵政民営化が何故、それほど大切なのかを、国民に説明するべきなのです。しないのは、出来ないか、都合の悪いことが有るからだと陰口をたたかれても、仕方がありません。

 郵政民営化によって、国民にどのようなメリットデメリットが得られるのか、よくわかりません。郵政事業にしても、今なら、日本の中では封書は一律に80円です。コスト的にマイナスになっていると思うのですが、それは、国の後ろ盾があって吸収していたのでしょう。

 しかし、民間企業になったら、遠隔地への郵便輸送のコストを補填するために、都会に住む人が比較的近くに出す郵便料金が高くなる可能性が、当然、あります。そういうことを全然、説明しないまま、ただ「民営化」「改革」の一点張りでは困ります。

 困るだけでは、すまないのです。郵政事業のうち、郵貯・簡保は民間会社、民間金融機関として機能します。民営化されると、郵貯と、簡保はどうなるのでしょう?


◆自己資本比率

 

会社の財務内容を見るときにどうしても見なければならないものの一つに、貸借対照表(バランスシート)があります。

 バランスシートの左側には、資金の使い道が書かれています。

 バランスシートの右側には、その資金をどのように調達したか、が書かれています。

 調達は、負債(つまり、借金)と、自己資本からなります。借金とは、銀行から借りたものや、社債を発行して手に入れたお金です。つまり、いつかは返さなければならない資金です。

 これに対して、自己資本は、株式を発行して得たお金や、商売の利益の残りを積み立てたお金で、将来にわたって返す必要がないものです。

 だから、自己資本の割合が高いほど、企業にとっては、返さなければならないおカネが少ない、ということなので、このましいのです。教科書風に云うと、財務体質が健全だ、というわけです。

 自己資本の割合とは、総資産(負債と自己資本)のうち、自己資本が占める割合です。

 自己資本比率=自己資本÷総資産(負債+自己資本)です。

 普通の事業会社ならば、自己資本比率が50%以上あれば安全だといわれています(例えばトヨタ自動車は60%ぐらいです)が、金融機関の場合は、世界共通の基準があるのです。


◆日本の民間金融機関は少なくとも、4%の自己資本比率を要求される。

 

 スイスの国際決済銀行(Bank for International Settlement 略してBIS、日本ではBISの決めた規制を「ビス(BIS)規制などと呼んでいます)のバーゼル銀行監督委員会という機関があります。

 このバーゼル銀行監督委員会が決めた規則によると、どこの国の銀行も、国際業務を営むためには、自己資本比率が8%以上、国内業務だけ営むのであれば、4%以上なければならないのです。

 8%と4%に格別の根拠があるとは思えません。バブルの頃にアメリカの不動産を買いまくっていた日本の銀行を見て、アメリカの銀行は、日本の銀行の自己資本比率がアメリカに比べて低いことに気がついたのです。日本は融資の際、不動産担保を取っているし、その価値が高かったので、自己資本比率はさほど気にしなくて良かったのです。

 アメリカは、ああいうだだっ広い国ですから、不動産価値が低く、不動産担保をつけてもあまり担保価値がない。だから、自己資本比率を高めておくしかなかったのです。そもそも、業務を行う土壌・文化が違うのです。

 にも関わらず、アメリカの銀行は、日本の銀行が世界に台頭してきて面白くないので、なんとか国際業務の継続を困難にしようと、当局に働きかけ、アメリカ政府は例のごり押しで、バーゼル委員会に基準を設けることを提案しました。日本は猛反対しましたが、決められてしまったのです。

 そのような経緯はあるものの、とにかく、日本もこの「バーゼル合意」に加わっています。だから、去年、りそなは自己資本比率が4%に足りなくて、預金保険法102条というのを発動されて、国有化されたのです。

 さて、この度、郵政事業を民営化すると、郵便貯金・簡易保険は民間金融機関になるのですから、金融庁が検査をしなければなりません。民間企業になる、とは、そういうことです。


◆郵貯・簡保の自己資本比率は?

 

 郵貯・簡保の自己資本比率はどれぐらいでしょう?

 なんと、0.3%しかないことが、明らかになりました。

 そして、郵貯・簡保が国民から預かった資金は、道路公団や国民金融公庫などの特殊法人、第3セクターなどに、貸し出されていますが、ご存じのとおり、道路公団は大赤字で、これだけでも40兆円もの不良債権です。

 全貌を明らかにしたら、気の遠くなるような、「不良債権の塊」でしょう。恐らく、天文学的な金額になる、といわれているのです。

 さて、自己資本0.3%。去年国有化されたりそなですら、4%をわずかに下回っただけなのに、郵貯・簡保はその10分の1もありません。

 自己資本が足りなければ、どうなるのでしたっけ?

 国有化されるのではなかったのですか?

 小泉首相、どうするのですか?民営化された、郵貯・簡保に公的資金を注入して、国有化するのですか?

 元に戻ってしまいますね。「すごろく」ですか。「ふりだしに戻る」・・・・。

 まさか、まさか、旧長期信用銀行の時のように、国有化、自己資本充実のために、税金を7兆円も使って起きながら、外資系ファンドに10億円で売り払う、というようなことを目論んでいるのではないでしょうね。ブッシュ氏からはそのような圧力がかかっているという噂も、丸の内、霞ヶ関、永田町ではちらほら・・・。

 今の状態で、郵政事業を民営化すると、そのように勘ぐられてもしかたがないのですよ。


2003年09月29日(月) 「<北極圏>温暖化で最大の氷床崩壊」環境問題は想像以上に深刻なのです。

2004年09月28日(火) ファルージャで連夜の空爆。毎日、女性や子供が死んでいる。

●記事:直近10日間の(日本語で伝えられた)イラク戦争の犠牲者はこれだけいます。

◆米軍攻撃で56人死亡 ファルージャ (9月17日)

 

【バグダッド17日共同】国際テロ組織アルカイダとの関係が指摘されるザルカウィ氏の武装勢力に対するイラク駐留米軍の16日夜からの攻撃で、イラク中部ファルージャの病院当局者は17日、ファルージャとその周辺で56人が死亡、45人が負傷したと述べた。死傷者には多くの女性と子供が含まれているという。

 この攻撃について、米軍当局は前日、約60人の戦闘員が死亡したと発表していた。

 米軍は16日夜に続き17日未明もファルージャ付近の武装勢力の拠点を攻撃した。(共同通信) - 9月17日20時33分更新


◆空爆で3人死亡 ファルージャ (9月18日)

 

【バグダッド18日共同】イラク中部ファルージャで17日夜、米軍機が2つの住宅を空爆。地元の病院によると、女性2人を含む住民3人が死亡、女性2人と子ども1人を含む5人が負傷した。

 米軍は同日、国際テロ組織アルカイダとの関連が指摘されるザルカウィ氏の組織のメンバー約10人が集まっている場所を狙って「精密爆撃に成功した」と発表。一般市民が近くにいたことを示す確たる情報はない、としている。(共同通信) - 9月18日16時50分更新


◆<イラク>自爆テロで20人死亡 キルクークの防衛隊本部前 (9月18日)

 

【バグダッド小倉孝保】AP通信によると、イラク北部キルクークの国家防衛隊本部前で18日、自動車爆弾による自爆攻撃があり、少なくとも20人が死亡、16人が負傷した。死傷者の多くは、入隊希望の列に並んでいたイラク人の若者だった。

 イラクでは、14日にもバグダッドの警察署近くで自動車爆弾が爆発して47人が死亡するなど、反米武装勢力による治安当局に対する攻撃が激化している。駐留米軍は、国際テロ組織・アルカイダ幹部であるザルカウィ氏の拠点とされる中部ファルージャへの空爆などで反撃しており、18日の空爆では20人を殺害したという。(毎日新聞) - 9月19日0時24分更新


◆イラク駐留米軍がファルージャを空爆、7人死亡  (9月25日)

9月25日、イラク駐留米軍がファルージャを空爆、7人死亡。写真は空爆後、負傷した息子を抱きかかえる父親 

 [バグダッド/ファルージャ 25日 ロイター] イラク駐留米軍は25日未明、イラク中部のファルージャの武装勢力拠点を攻撃したと発表した。地元医療関係者によると、この攻撃で少なくとも7人が死亡、13人が負傷した。死傷者の中には女性や子供もいるという。

 米軍は声明で、国際テロ組織アルカイダとの関連が指摘されるザルカウィ氏の組織の支持者が集合しているとみられる建物に正確な攻撃を行った、と発表。ただ、この攻撃で一般市民の犠牲者はいないとしている。

 また、バグダッド西部では同日、2カ所で攻撃を受け、米海兵隊員3人が死亡した。

 さらにバグダッドでは、ボランティアに応募するため、車で国家防衛隊本部募集センターに向かっていたイラク人のグループが武装集団に襲撃され、5人が死亡、2人が負傷した。(ロイター) - 9月25日19時55分更新


◆米軍が3度目のファルージャ空爆、死者15人に増加 (9月26日)

 

[ファルージャ(イラク) 26日 ロイター] イラク駐留米軍は26日、アルカイダとのつながりが指摘されているザルカウィ氏の武装組織の拠点とされる中部ファルージャで、過去24時間で3度目の空爆を行った。

  米軍は、市内中心部で会合中の武装組織の約10人が標的だったとしている。現場付近の病院の医師によると、8人が死亡、17人が負傷した。

  米軍による一連の「精密攻撃」による死者は15人、負傷者は30人に増え、女性や子どもも巻き添えになったという。

  米軍は空爆後に相次いだ2次爆発について、「現場がテロリストによって爆発物や武器の貯蔵に使われていた」ことを示すものだと述べた。

  米軍関係者は、ファルージャ市内で米軍の攻撃で死亡したり、米軍に身柄を拘束されたザルカウィ氏の支持者が、ここ4週間で100人を上回ったことを明らかにする  一方、一般市民の犠牲者数は誇張されているとの認識を示している。(ロイター) - 9月27日8時51分更新


◆ファルージャで2人死亡 米軍、連夜の空爆 (9月28日。本日)

 

【バグダッド28日共同】イラク駐留米軍は28日未明もイラク中部ファルージャを空爆、ロイター通信が伝えた地元病院当局者の話では、子供1人を含むイラク人2人が死亡した。

 米軍は声明で、国際テロ組織アルカイダとの関係を米国が指摘しているザルカウィ氏勢力の拠点に対して「精密爆撃」を行ったと発表した。

 イラク暫定政府のアラウィ首相は27日放映の中東の衛星テレビ、アルアラビーヤとの会見で「ファルージャで政治解決できなければ、軍事的解決を図る」と言明。来年1月の国民議会選挙前に情勢が沈静化しなければ、ファルージャで武装勢力の徹底的な掃討作戦を行う考えを強調した。(共同通信) - 9月28日18時42分更新


●この戦争をブッシュ大統領は、正当化しようとしており、小泉純一郎内閣総理大臣は、それを支持している。

◆大量破壊兵器なくても攻撃 米大統領、イラク戦正当化

 

【ワシントン17日共同】ブッシュ米大統領は17日、イラク戦争の大義に掲げた大量破壊兵器が見つからないことに関し「フセイン(元大統領)にはこれらの兵器を造る能力があった。仮に存在しないことが分かっていても同じ決定をしただろう」と述べた。選挙遊説先のノースカロライナ州シャーロットで語った。

  同兵器については、パウエル国務長官が13日、事実上の発見断念を上院公聴会で表明したほか、イラクが兵器開発に着手していた証拠はないとの米紙報道もあるが、大統領はあらためて攻撃を正当化した。


◆<小泉首相>「イラク戦争支持、判断正しかった」(毎日新聞)

小泉純一郎首相は20日、記者団に対し、パウエル米国務長官がイラクでの大量破壊兵器発見を断念すると発言したことに関連して、「イラクは過去に大量破壊兵器を使い、国連決議に反していないと証明しなかった。(イラク戦争支持の)日本の判断は正しかった」と述べた。(毎日新聞) - 9月21日11時40分更新


●コメント:私は、ブッシュ大統領も小泉純一郎内閣総理大臣も戦争犯罪人だと思います。

 

世の人々がイラク戦争の事を考えないのは、映像を見ないからだと思う。インターネット、しかもブロードバンドが普及しているのだから、多くのひとはBBCとかABC(前者は英国、後者は米国の放送局)や、アルジャジーラ(カタールの放送局。中東のCNNと呼ばれる。アルジャジーラを何かの武装集団と勘違いしている人がいるが、違います)の英語のサイトにアクセスしてみるべきだ。

 英語が読める読めないの問題ではない。画像を見るのだ。

 これらのサイトへ行けば、日本の新聞やテレビが載せたり、放送しない、戦争がもたらす惨状を目の当たりにすることができる。動画では、爆撃で大けがをして、或いは大やけどをして、「痛いよ!痛いよ!」と叫ぶ幼子の声が聞こえる。

 そんなものは、出来れば見たくないというのは、誰しも同じだ。しかし、見ないから、戦争の悲惨さがいつまで経っても分からず、何の正当性もない、この戦争を続けているブッシュと、それを支持している小泉という男の非人道性が分からないのだ。

 怖いものは見たくないだろう。が、イラク人は、実際に明日殺されるかも知れない、恐ろしい環境で暮らしている訳でしょう。それにくらべれば、戦場の写真を見る怖さぐらい、我慢するべきだ。

 ブッシュも小泉も、これらの悲惨な映像を見ないようにしているに違いない。

 もし、この悲惨な現状を認識し、それでもなお、この戦争が正しいという人は、人間と云うよりも、悪魔に近いと思うのである。


2003年09月28日(日) 「イラク大量破壊兵器の証拠発見できず」米調査団報告へ ←アメリカ合衆国大統領は全世界へ謝罪せよ

2004年09月27日(月) 「直径5キロの小惑星接近 29日、155万キロまで」 この大きさでは、過去100年で地球に最接近する天体。

◆記事:直径5キロの小惑星接近 29日、155万キロまで

 

直径約5キロの小惑星トータチスが、日本時間29日、地球に約155万キロまで接近する。月までの距離の約4倍に当たり、これほど大きな小惑星としては記録的な接近距離という。

 トータチスが地球に衝突する危険は当面ないとみられているが、米航空宇宙局(NASA)ジェット推進研究所は、地球に被害をもたらす可能性のある要注意小惑星にリストアップしており、接近時に最大限の観測データを集める計画だ。

 トータチスは1989年にフランスの天文学者が発見し、正式名は小惑星4179。だ円に近い軌道を描きながらほぼ4年に1回地球に近づいており、92年には約350万キロまで接近した。 (共同通信) - 9月26日20時52分更新


◆コメント:太陽系には太陽と9つの惑星だけがあるのではない。

 

太陽系のモデルを本やプラネタリウムで見ると、太陽系に存在するのはあたかも太陽と地球を含む9つの惑星と、それらの惑星のうちのいくつかの周りを回っている衛星だけのように思えてしまう。

 実際には、太陽系にはこれ以外にも、何千個もの彗星や小惑星がある。彗星と小惑星の違いは、前者が「非常に細長い楕円軌道上を回っている氷で出来た小さい天体」。後者が「太陽の周りを回っていて密度が高い天体で、9つの惑星ほど大きくないもの」である。

 彗星は、非常に長細い軌道を通っていて、多くは冥王星の外側まで行ってしまう。このため、一度地球のそばに現れてもその後何千年も見られないものが多い。ハレー彗星が最も有名だが、76年周期である。しかし、彗星はもの凄く長い尾を引いているが、あれは塵で、その塵が散らばっている所を、毎年、10月10日から30日ごろ地球が通るときに見えるのがオリオン座流星群である。


◆小惑星は何十万個もある。

 

小惑星は現在分かっているだけでも、約6000個もある。そして、毎年数百個の小惑星が新たに見つかっている。人類は、直径が100km以上の小惑星に関しては99%把握している。それよりも小さくて、地球からは見えない(多くの小惑星は、火星と木星の間にある)ものは数十万個もあるだろうといわれている。火星と木星の間にあって、太陽の周りを回っているのならば問題は無いのだが、木星の重力によって他の軌道に移されてしまうものがあるわけである。

 直径が100km以上もあるような天体が地球にぶつかったら、これは、もう瞬間的に地球上の生物は全滅である。というか、地球が変形してしまうかも知れぬ。

 6500万年前に恐竜が絶滅したのは、直径10kmの小惑星が秒速20kmぐらいの速度で地球に衝突したからだと云われている。世界中のその時代の地層から隕石に多く含まれるイリジウムという元素が検出されたことからそのような仮説が出来たのである。

 この時の地球が受けた衝撃は、私も桁が大きすぎてピンとこないのだが、専門家の計算によれば1億メガトンのTNT爆弾に相当するという。

 広島・長崎に投下された原爆がTNT(代表的な普通の火薬で、爆発力の基準に使われる)換算で13キロトンだった、というから、1億メガトンは広島原爆の70億個分である。つまり、今の地球の人口が60数億だから、一人一人に広島原爆が1個ずつ投下された、というほどの、想像を絶するエネルギーが発生したのである(だから、恐竜はわずか数分から数十分で絶滅したのではないか、という記事を最近読んだ)。


◆今度のトータチスは、ぶつからないが、将来何があるかは、分からない。

 云うまでもないが、宇宙や天体は、人間に都合良く存在しているわけではないから、6500万年前に起きたようなことがまた、起きる可能性はあるのだ。実際地球は生物の絶滅を何回か経験している。

 この地球上で生じている「温暖化」という現象すら、多くの人間は、自分には関係ない(無いわけはないのだが)こと、として頭から追い出してしまう。ましてや、小惑星となると、SF映画の世界だろう。

 しかし、実際にNASAにはNear Earth Objects(地球近傍天体)を見張るプロジェクトがあって、小さいのが実際ぶつかりそうになった時の対処を真剣に研究している専門家が、存在するのだということぐらいは知っておいてもいいとおもいますけどね。

 トータチスと地球がどれぐらい接近するかをモデルで見たい方は、こちらのページでシミュレーションできるから、やってみるといいだろう。天体名に「Toutatis(4179)」(「」は打たない)と入れて、「軌道表示」をクリックする。自動にするとあっというまに何ヶ月もすすんでしまうから、>のボタンをクリックして一日ずつ、進めてみるといい。明後日、最接近です。


2003年09月27日(土) 「日本揶揄番組打ち切り ハンガリーの民放」 人種差別考

2004年09月26日(日) どうしたら音楽が分かるか悩むより、音楽に合わせて手をたたいて拍子を取ってみる方がはるかに収穫があるものです(ある音楽家の言葉)

◆ある音楽家の手記から抜粋。

 

「私達演奏する立場から言うと、音質をどうのこうの言う前に正しいテンポで正しいリズムで正しい音程で演奏出来なければ、音楽の基本を満たしていないのです。

 その生命感を聞き取れるようになってから、音色を少しずつ深めて行くのが良い方法だと思います。どうやったら音楽が分かるか悩むより、音楽に合わせて手をたたいて拍子を取るというごく単純な事をやってみる方がはるかに収穫があるものです。」


◆音楽の基礎(アンサンブル=合奏)の難しさ

 

私達がオーケストラの演奏を聴くとき、大規模の曲になれば、例えば、ファーストヴァイオリンのセクションだけでも20人あるいは、22人から成り立っているが、彼らの奏でる音は、完全なユニゾン、つまり一つの大きなバイオリンから音が出ているかのように聞こえる。これは、22人が、音楽の基本である、テンポ、リズム、音程を完璧に一致させているからである。

 プロの音楽家だからそんなことは当たり前と云ってしまっては、身も蓋もない。これがどれほど難しいことか。

 冒頭で引用しているのは、私が尊敬する、あるオーケストラのヴァイオリン奏者の日記に記されていた言葉である。非常な感銘を受けて、あまりにも何度も読んだので、自然に暗記してしまったほどである。

 毎週日曜日の夜9時に、NHK教育テレビで放送される「N響アワー」という番組を、私は毎週楽しみにしている。今日は、夏に行われた、家族向けのポピュラーコンサートの録画が放送された。

 この中で、観客が演奏に参加するコーナーがあった。誰でも知っているビゼーの「カルメン前奏曲」に合わせて、観客が手を叩いた。まさに、上述の「音楽家の手記」にあるとおりのことである。

 音楽に合わせて、(しかも、テンポは最も合わせやすい中ぐらいの速さで、一定のテンポ)手を叩くなどというと、誰でもバカにするな、それぐらいできる、と思うであろう。しかし、本当に正確なテンポとリズムを保つのは難しいことだ。

 毎年元日にウィーンフィルのニューイヤーコンサートが生中継される。あれは、一番最後はヨハン・シュトラウスのラデツキー行進曲で終わることになっていて、やはり観客がオーケストラに合わせて手拍子を取る。今日放送されたのも同じ趣向である。

 こういうとき、観客の手拍子は、必ずオーケストラの音よりも遅れる。これは、その拍の音を聴いてから手を叩くためである。これでは、絶対に遅れる。しかも遅れ方が一人一人少しずつ違うので、「パン!」と一発の短い音であるはずの手拍子が「ジャーン・ジャーン」と聞こえる。

 合奏で縦の線を合わせるためには、次の音が出るタイミングを、神経を集中させて予想して、その瞬間(Right on the beat)で音を出さなければならない。合奏の基礎の基礎である。

 我々素人は、一定の間隔で手を叩くということも正確に出来ないのであるが、オーケストラは、リズムと音程も完全に一致させなければならない。しかも、手拍子のように身体の一部ではなく、楽器を通して、である。多いときは100人が、テンポ、リズム、音程を正確に保ってこそ、オーケストラの音楽が成り立つ。

 それが、例え、「カルメン前奏曲」であろうが、ワーグナー「ワルキューレ」であろうが、超難曲、バルトーク「管弦楽の為の協奏曲」であろうが、見事に本番で実現させるのが、プロの音楽家というものである。

 手拍子を合わせることすら、難しいのに・・・・。


2003年09月26日(金) 「<石原都知事>曽我さんの母『殺された』 都議会本会議で」石原慎太郎の暴言は常に弱者を攻撃しているのが卑怯だ

2004年09月25日(土) 「韓国産の青酸ソーダ107t、中国経由で北朝鮮に渡る」青酸ソーダはサリン(化学兵器に使用する)の原料。

◆記事1:韓国産の青酸ソーダ(サリンの原料)107t、中国経由で北朝鮮に渡る

 

韓国政府は24日、韓国産のシアン化ナトリウム(青酸ソーダ)107トンが昨年、中国経由で北朝鮮に渡っていたと発表した。

 青酸ソーダは化学兵器の原料となることから戦略物資として輸出が規制されており、韓国政府は今後、輸出規制を強化する方針だ。

 韓国政府によると、昨年6月から9月にかけて、韓国の業者が政府の許可を得ずに中国の業者に輸出。さらにこれが北朝鮮の貿易業者に再輸出された。韓国業者はすでに、対外貿易法違反で処罰されている。

 マレーシアの業者が今年8月、北朝鮮に輸出した青酸ソーダ40トンの中に韓国産15トンが含まれているとの情報もある。(読売新聞) - 9月24日21時9分更新


◆記事2:サリン原料70トン 北朝鮮の手に!? 韓国、直前に阻止 有力紙報道 タイ経由輸出

 

【ソウル18日藤井通彦】朝鮮日報など韓国の有力紙は十八日付の朝刊で、韓国企業が製造した大量殺傷物質サリンガスの主原料、シアン化ナトリウム約七十トンがタイ経由で北朝鮮に輸出される直前、米国と韓国の情報機関などの手で阻止されていたと報じた。

 報道によると、二〇〇二年二月以降、タイの化学企業が韓国の化学企業傘下の商社からシアン化ナトリウム約三百三十八トンを輸入。二〇〇三年九月に、このうち約七十トンが北朝鮮に輸出されそうになったところを、米情報機関から情報を受けた韓国政府がタイ政府側に通報。企業側との協議を通じ輸出を中止させた。

 韓国政府は、タイ政府に対し、再発防止への協力を要請。企業側とも話し合い、タイに輸出したシアン化ナトリウムすべてを回収したという。(西日本新聞) - 9月18日15時48分更新


◆コメント:韓国だけがけしからんとも言えないのである。

 

 9月23日の日記で北朝鮮がノドンの発射準備をしている兆候が見られる、というニュースに関して、私は、ミサイルには核弾頭のみならず、化学兵器が装着される可能性がある、ということについて書いた。記事1は偶々ではあるが、その翌日に報じられたものだが、シアン化ナトリウムとはまさにサリンの原料となる物質である。

  そして、記事2は見落としていた、1週間前の記事だが、要するに同じことで、北朝鮮は韓国で作られたシアン化ナトリウムをタイ経由で密輸しようとしたが、失敗したと云うことである。ルートが違うだけだ。

 もっとも、韓国の軍事専門家の中には、北朝鮮は既に大量の化学兵器を貯蔵しており、これ以上、莫大な量を生産する必要は無いはずで、シアン化ナトリウムは金属メッキや除草剤といった産業用に使用するのが目的ではないかと考えられ、さほど、懸念は無いという人もいる。

 しかし、そう云われても、「ノドン発射の兆候」の翌日に「サリンの原料を大量に密輸していた」という情報を聴けば、いい気はしない。

 韓国政府の許可なしに、北朝鮮にシアン化ナトリウムを売って金儲けをたくらんだ、韓国の業者はけしからん、と息巻く向きもあろうが、日本もあまり偉そうなことを言えないのである。

 というのは、北朝鮮のミサイルの部品の殆どは日本製であることが、分かっているからだ。

 この入手経路は、よく分からない。日本の企業がミサイルに使われると知っていて、北朝鮮に密輸したとは限らない。他国に輸出した日本製部品がその第3国から、北朝鮮に流れた可能性もある。


◆北朝鮮のミサイルの脅威を軽減する方法。

 

既に、かなりのミサイルを保有してしまってはいるものの、更に北朝鮮はミサイルを製造しようとしている。その部品が日本製だということなら、これを日本に有利な方向に利用することができるのではなかろうか。

 ミサイルを発射するときにはすさまじいG(加速度、本来の意味は重力加速度。重力加速度の2倍なら2Gと云うわけである)がかかる。日本が北朝鮮のミサイル部品となりそうな製品を作るときに、ある程度以上のGがかかると、部品が壊れてしまうようなものをわざとつくって、北朝鮮の手に入るように仕掛ける。具体的にどういうルートを使えばよいか、というところまでは、私は諜報機関の人間ではないのでわからないが。

 すると、北朝鮮が、仮に日本に向けてノドンを発射しようとしても、打ち上げた途端、落っこちてしまい、どうしようも無くなる。これによって新規に製造されるミサイルの脅威は取り除くことが出来る。

 以上は単なる私の思いつきであるが、専門家が真剣に検討すれば、そんなに難しいことではないだろう。

 以前、北朝鮮に自由主義世界の情報を伝播させて、内部崩壊させるというアイデアを書いたが、要するに、米をやるから拉致被害者を帰せ、の一点張りではなくて、もう少し頭を使っては如何か、と云いたいのである。


2003年09月25日(木) 病気を治すのは医師と患者の共同作業である。何でも医師を叩けばよいというものではない。

2004年09月24日(金) 「国の借金、729兆円=税収見込みの17.5倍に−6月末」 

◆国の借金、729兆円=税収見込みの17.5倍に−6月末

 

財務省は24日、国債や借入金など「国の借金」の6月末残高が729兆2281億円と3月末比26兆802億円増えたと発表した。今年度税収見込み額(41兆7470億円)の17.5倍の規模で、国民1人当たりでは約571万円の借金を負っている計算。国債の大量発行は当面続く見込みで、過去最高の借金残高が今後も膨らみ続けるのは確実だ。 (時事通信) - 9月24日17時2分更新


◆コメント:財務省や日銀の「エリート」の無為無策。

 

 この「日本国の借金が700兆円を超える」、というすさまじい事実に世間が反応しないのは、要するに数字が大きすぎて、想像できる範囲を超えている。ピンとこない。現実感がないからである。

 月並みなやり方だが、「一万円札を積み上げると」で計算する。

100万円の束10個、すなわち1000万円の高さが約8センチなのである。

 1兆円は1000万円の10万倍なので、8000メートル(8キロメートル)である。エベレストと同じぐらいだ。

 日本国の借金は729兆円だそうだ。したがって、8キロメートル×729=5832キロメートルの高さとなる。

 地球の大気圏は地上から、500kmぐらいまでであるから、日本国の借金を1万円札で積み上げると、宇宙空間に飛び出してしまうことになる。このように書くと、そのすさまじさが少しはイメージ出来るようになる。


◆経済学の限界。

 

 この世には自らを秀才と信じて疑わない経済学者や、役人がごまんといるが、このていたらくは一体どうしたことだ。

 日本国の借金は、税収、つまり商売で云えば売り上げの17倍もあるという。

 民間企業と比べてみよう。最近問題になっているダイエーのバランスシートをみると、有利子負債は1兆6千億円もあるが、売り上げはそれよりも多く、1兆9千億だ。国はダイエーを産業再生機構の管理下において、要するに国有化しようとしているけれども、他人のことを云えた義理ではない。国のバランスシートは気の遠くなるほど絶望的だ。


 

 収入を増やすにはどうしたらよいか?増税するというのは、だれでも思いつくことだが、これは景気が拡大していて、インフレの時には可能である。

しかし、今はまだ、日本経済は不況を脱していない。税率を上げても、企業はもうかっておらず、従ってサラリーマンの給料は上がらず、所得が増えないということは、増税してもたかが知れているし、収入が減って苦しんでいる一般国民をさらに苦しめる。

 インフレになれば、物の値段があがり、つまり相対的にカネの価値は下がる。ということは、借金を抱えているものには好都合だ。だから、何年も前から、「インフレ・ターゲット」といって、目標を定めて、わざとインフレを起こさせるのがよいのではないか、という議論がある。そのためには、日本銀行が国債を無制限に引き受ける(買う)ことを認める、というのだ。すると、市中に流通する通貨量が増えて、物価が上昇するというのである。

 ところが、これには反対だという経済学者が多い。過去のいろいろな国の歴史を見ると、中央銀行が国債を引き受けた後、しばらくしてすさまじいインフレが起きて今度はインフレが制御できなくなると言うのだ。

 それでは、この「インフレターゲットに反対する学者」は、「こうすれば、日本国の借金を減らせる」と自信をもって言えるアイディアがあるかというと、ないのである。私はここまで来たら、インフレに持ってゆくしかないのではないかと思うのだが。


 

 結局経済学者などというのは、理屈ばっかりこねくり回して、現実には全然役に立たないものであることが、この10数年で証明されたに等しい。

 そして、自分たちが地球上で一番優秀だと思っている、昔の言い方をすれば大蔵キャリア(大蔵省の役人のうち、国家公務員上級試験に合格した人々。戦後の日本では、文系では自他共に、彼らが一番の秀才だと思っていた)、今の財務官僚はなにをやっているのかね。

 彼らがどれぐらい、異常なほどの特権意識を持っているかを知るためには、お笑い大蔵省極秘情報という本を読まれるが良い。但し血圧が高い方にはあまり、おすすめできない。それぐらい鼻持ちならない。国民なんてバカ。政治家もバカ。他の省の役人もみんなバカ。バカどもは俺たちに黙ってついてくりゃいいんだよ、と本気で思っている彼らに、唖然となる。(因みに、私はテリー伊藤という人物のことを、「業界」のチャラチャラした軽薄な野郎だ、と軽蔑していたが、この本を読んでから、だいぶ見直した)。

 だけどねえ。彼らが本当に優秀ならば、どうして国家財政が破綻してもおかしくない状況になってしまったのか。言い分を聞きたいものである。


2003年09月24日(水) ベルリン・フィルのハイドン

2004年09月23日(木) 「プロ野球、スト回避」を「北朝鮮、ノドン発射準備か?」の続報よりも先に伝える日本のテレビニュース

◆記事1:北朝鮮がノドン発射準備か、防衛庁がイージス艦派遣

 

日本のほぼ全域を射程に入れる北朝鮮の弾道ミサイル「ノドン」(射程約1300キロ・メートル)の発射の兆候があることが、日米の偵察衛星や電波情報などの分析で判明した。

 複数の政府関係者が22日夜、明らかにした。

 防衛庁は警戒監視態勢を強化するため、海上自衛隊のイージス艦「みょうこう」と電子戦データ収集機EP3などを日本海とその上空に出動させた。

 日米両政府がノドン発射の兆候をつかんだのは21日午後。関係者によると、北朝鮮東部などの複数のノドン発射基地周辺に北朝鮮軍の車両や軍人、ミサイル技術者などが集結しているという。実際に発射するにしても、「数日後から2週間程度」との見方が強い。

 ノドン発射基地の近くには、ノドンよりも射程が長い弾道ミサイル「テポドン2号」(射程3500―6000キロ超)の地下発射基地もあり、日米両政府はテポドン発射の可能性もあると見て警戒している。

 ノドンは、液体燃料を注入して発射する仕組みで、発射台付きの車両に搭載して移動が可能。沖縄など一部を除き、日本全土を射程に収める。ただ、大部分が地下基地に納められており、液体燃料注入などの兆候は確認されていない。発射台起動の動きもない模様だ。

 発射兆候の情報を受けて、防衛庁は21日夕、海自舞鶴基地(京都)のイージス艦「みょうこう」と佐世保基地(長崎)の護衛艦「ゆうだち」を日本海に派遣した。さらに、電子戦データ収集機EP3を発進させ、24時間態勢でミサイル発射に向けた動向を監視している。(読売新聞) - 9月23日3時9分更新


◆記事2:発射の可能性低いと韓国 北朝鮮の定例訓練か

【ソウル23日共同】韓国統一省の李鳳朝次官は23日、記者会見で「北韓(北朝鮮)でミサイルに関連した活動の一部が認められたが、定例的に行われているミサイル部隊の兵器訓練の可能性が高いと判断している」と述べ、ミサイル発射の可能性は低いとの認識を示した。

 また韓国国防省も同日、米韓情報当局が最近、北朝鮮の弾道ミサイル「ノドン」に関する活動を確認したが「毎年定例の訓練の可能性が高い」と発表した。

 李次官は一方で「米韓情報当局は、ミサイル発射の可能性も排除できないため、引き続き追跡し(事態を)確認中だ」とも述べた。

 ミサイル発射の可能性が低いと判断した根拠については「(事態の性格上)具体的な根拠を語ることは適切ではない」と述べたが、情報当局が判断のための根拠を持っていることを示唆した。(共同通信) - 9月23日13時8分更新


◆記事3:プロ野球、スト回避…選手会とNPBが7項目合意

プロ野球への新規球団の参入時期などを巡り、第2波ストライキを設定していた労組・日本プロ野球選手会(古田敦也会長=ヤクルト)と日本プロフェッショナル野球組織(NPB)との協議・交渉委員会が23日、前日に引き続き名古屋市内で開かれ、7項目の合意文書に両者が合意し、NPB側の瀬戸山隆三・選手関係委員長(ロッテ代表)と古田会長が調印、25、26日に予定されていたストは回避された。[ 9月23日 19時54分 更新 ]


◆コメント:大事なニュースは何でしょう?

 

インターネット上で得られる日本語の情報に限って云えば、読売新聞が「北朝鮮、ノドン発射準備の可能性を伝えたのが、今日の未明、午前3時9分である。その後、同じニュースはテレビでも繰り返し放送したが、13時8分に共同通信が、韓国国防省の「発射の可能性は低い」というコメント(記事2)を報道して以降、情報が途絶えている。

 そして、夕方のニュースでは、ノドンのニュースに一応触れたものの、そのことから国民の注意を逸らそうとするかのように、プロ野球のスト回避(記事3)をトップに近い扱いで伝えた。

 物事には相対的に重要なことと重要でないことがある。

 確かに、実際にノドンが発射される可能性は低いだろう。25日から始まる日朝実務者協議を前に、嫌がらせをしているのだろうが、この世に、絶対、と言い切れる事は少ない。仮に、あの国の首領様がノドンを発射したとしよう。

 ノドンは弾道ミサイルであり、高く成層圏外まで打ち上げられて、そこから、最終的には、段ボールぐらいの大きさの弾頭だけが落ちてくる。

 ミサイル防衛構想というのがあり、アメリカはパトリオットミサイルで迎撃可能だというが、実験で用いられたのは、ロケットと弾頭が一体となった、長さ10メートル、直径1メートルもある大変大きい、実験用標的だった。

 本物のノドンの弾頭は先に書いたとおり、段ボール箱ぐらいの大きさであり、それが、超高々度から、自由落下してきて、最後の方では落下速度がマッハ10にも達するという。

 そんな物体を簡単に打ち落とせる訳がないことは、素人でも容易に想像がつく。

 北朝鮮に関しては核の脅威ばかりが強調されるが、核弾頭というのは、発射する側にとってもリスクが大きい。弾頭を載せた、ロケットを発射するときに、振動などを制御できていないと、発射する前に、爆発してしまい、自分たちが消えてしまう。

 それよりも、オウムが使ったような毒ガスを代表とする化学物質を弾頭に詰めた方が、遙かに安くて、簡単である。

 地下鉄で使われたサリンよりも、更に猛毒のVXという化学兵器がある。常温では液体だが、オウムが被害者の一人の首筋にスポイトで1滴、VXを垂らしたら、数秒で死亡してしまい、オウムも怖くて使えなかったと言う代物であるが、これを北朝鮮は持っているとされる。

 こんなものは、ミサイルの命中精度が高くなくても、一旦、弾頭が壊れれば、気体となり、風に乗って広範囲に拡散して、多数の犠牲者を出す事は必至である。こんな事を書きたくはないが、客観的事実である。


◆要約:物事の軽重を考えて、情報をつたえること(あるいは、それを国が統制しているのかもしれないが。)

 

北朝鮮が、偵察衛星から容易に発見出来るようなやり方で、ミサイル発射準備とも解釈できる行動をとっているのは、多分、ハッタリだろう。大事な食料源である日本にそんなことをしても、北朝鮮になんらメリットはない。

 しかし、実際に発射されたら、今の技術では、自衛隊も、アメリカもこれを打ち落とすことは出来ず、発射後、数分で、日本の国土に落下して、国民の生命・財産に甚大な被害が生ずることは、間違いがないのであるから、こういう情報は、もしも政府が隠しているのならば、止めて欲しい。

 或いは、情報はあるのに、マスコミがこれを最優先で伝えない、という選択をしているのであれば、バカとしかいいようがない。野球と、国民の生命が脅威にさらされるかも知れないという状況。

 物事の軽重を考えて貰いたい。


2003年09月23日(火) 総裁選、内閣改造で大騒ぎして、大事なニュースをすぐに忘れるマスコミと世間。

2004年09月22日(水) 「小泉首相、国連演説 日本の常任理入り“宣言」 ニューヨーク・タイムズもワシントンポストも、L.A.タイムズも、無視。

◆記事1:小泉首相、国連演説 日本の常任理入り“宣言”

「ふさわしい貢献」支持求める

 【ニューヨーク=榊原智】小泉純一郎首相は二十一日夕(日本時間二十二日朝)、国連総会で演説し、「わが国の果たしてきた役割は、まさに安保理常任理事国となるのにふさわしい確固たる基盤をなすものと信じる」と述べ、日本の常任理事国入りに強い意欲を表明した。国連憲章の旧敵国条項の削除も要求し、安保理改革について「歴史的決断を行う時だ」と各国の支持を求めた。

 首相は英語で演説し、「平和は武力のみで達成できないとの信念で、わが国は積極的かつ独自の役割を果たしてきた。国連平和維持活動(PKO)に多くの資源を提供し、自衛隊は東ティモール、イラクで人道復興支援を行っている」と述べ、日本が積極的に国際貢献を行っていることを強調した。

 しかし、首相の「盟友」ブッシュ米大統領は、首脳会談で支持を表明したが、同日の国連演説では安保理改革に触れずじまい。どれほどの後押しが期待できるか判然としない。中国も、歴史認識問題を理由に慎重な姿勢を崩していない。

 日本の常任理事国入りは、「大国のプライド」を満たすものだけでなく、さきの大戦直後の国際秩序に基づく国連を改め、「今日の世界の現実を反映する」(首相)ことを目指す意義がある。(産経新聞) - 9月22日15時49分更新


◆記事2;「法の支配」で人命尊重を 国連総長、異例の米国批判

 

【ニューヨーク21日共同】第59回国連総会の一般演説が21日午前(日本時間同日夜)始まり、国連のアナン事務総長は冒頭、「世界の至る所で法の支配が危機に直面している」として戦後の混乱が続くイラクなどを例に挙げながら、罪のない人々の生命が奪われている惨状について警告。「法の支配」の重要性を繰り返すことで、イラク戦争へと突き進んだブッシュ米政権を間接的に批判した。 国連総会での事務総長による米国批判は極めて異例。

 安全保障理事会改革については、国連が直面する問題や脅威に対処するために昨年設置した高級諮問委員会が今年末までに報告書を提出すると述べ「公平かつ効果的ではないと多くの人々が感じている安全保障理事会を強化する余地がある」と指摘した。

 事務総長は法が無視された例を挙げ「イラクでは恥ずべき虐待を目にした」と、米兵による虐待問題にも言及した。(共同通信) - 9月22日0時38分更新


◆記事3:米大統領、国連総会でイラク戦争を正当化

 

[国連 21日 ロイター] ブッシュ米大統領は国連総会で演説し、イラク戦争を正当化、世界各国の指導者に対してフセイン政権崩壊後のイラクの民主化への協力を求めた。さらに、イラクの武装勢力に対しては断固退かない考えを示した

イラクが大量破壊兵器を保有しているとして、国連安全保障理事会の支持を得ないまま、2003年にイラク戦争に踏み切ったことについて、大統領から謝罪の表明はなかった。大量破壊兵器は、発見されていない。

大統領は反対に、イラクに対し国連決議に従わなければ重大な結末を招くと警告することを全会一致で決議しながら、その警告を実行に移すために、国連総会が米国主導の多国籍軍に参加する決定をしなかった点を指摘。「平和のために重大な結末を招くと警告したのなら、重大な結末がなければならない」と強調した。(ロイター) - 9月22日9時2分更新


◆コメント:小泉さんは大得意だったのかも知れないが、誰も聴いていなかったのではないか。

 

小泉さんの英語は、まずい。国連総会での演説としては、冷や汗が出るほど、下手で、恥ずかしい。

国連の公用語は、英語、スペイン語、フランス語、ロシア語、中国語、アラビア語である。シラクはフランス語で、プーチンはロシア後で、演説する。しかし、公用語で演説しなければならないという規定があるとしたら、不公平だ。もともと国連は不公平だが。

小泉首相は国連改革、日本の常任理事国入りを訴えるのであれば、敢えて日本語で演説し、通訳を用いた方が良かったと思う。あんな下手な発音では、逆効果だ。バカにされる。

 こんな事は、本質的な問題ではない、と思う方もおられよう。しかし、言葉は重要なのだ。

小泉さんの英語は多分、出席者の多くにとって、殆ど何を言っているのか分からなかったと思われる。ああいう、単語ごとにブツブツと切れるような話し方は、最も、「非英語的な」音声である。

 発音など、最低限、通じれば良いではないか、という意見もあるが、やはり変な発音は、ネイティブにとっては滑稽なのである。逆の言い方をすると、ホンの2〜3語のセンテンスでも、発音が良いと、アメリカ人や英国人は、すかさず「貴方、英語がうまいねえ」というのである。


◆誰も、日本のことなど考えていない。ブッシュだって、全然応援しなかったでしょう?

 念のため、ワシントンポスト、ニューヨークタイムズ、ロサンゼルスタイムズのサイトで、トップページと国際面を見てきたが、Koizumiのことなど、誰も書いていない。全然、蚊帳の外だ。

 これらの新聞で大きく取り上げられているのは、記事2と記事3に関することだ。つまり、先日BBCに対して、「イラク戦争は違法」と断言した国連事務総長が、国連総会で、再び米国を批判するという、異例の発言を行ったのに対して、ブッシュ大統領は、相も変わらず「米国は正しい」の一点張りで、国連事務総長と米国大統領が国連でこれほどはっきり対峙したことにより、緊張感が生じている。日本どころではない、というのが、多分国連とアメリカの本音である。

 アメリカが如何に当てにならぬかよく分かるだろう。

 私はその行為は間違っていると言い続けているが、兎に角、小泉首相はイラク戦争の初めからずーっとブッシュを支持すると言い続けて、金を出して、新しい法律を作って、無理矢理自衛隊を派遣したわけである。しかし、ブッシュはそれぐらい当たり前だと思っているのであろう。

 日米同盟が重要だと云うけれども、有事の際、果たして、本当に在日アメリカ軍が日本を守ろうとするか、怪しいものだ。なんだかんだ理由をつけて、出動を遅らせて、日本が壊滅的打撃を受けるまで、ヘラヘラ見ている可能性は十分にある。

 アーミテージ国務副長官は昨年少なくとも2回、「日本への攻撃は、アメリカ本土への攻撃と見なす」と発言している。

 頼もしく思いますか?よく読んで下さい。「アメリカは日本への攻撃を必ず防ぐ」、とは、決して云わないでしょう。日本にノドンかなんか知らないけど落っこちて、死人が出たら、仕返しの手伝いはしてやるよ、と言うぐらいのもの。

 アメリカの顔色など気にしないで主権国家として、独自の防空体制を構築すればよいのではないだろうか。常任理事国になるときっと、アメリカが「常任理事国になったからには、憲法改正して、いつでも多国籍軍に参加できる空軍をもたなければいけないね。」と云ってくる。

 事実、今の国連憲章の規定では常任理事国は空軍を持っていることが、必要条件なのだ。

 日本を軍国化したい人は、だからこそ、まず、イラクでも何でも出かけて、多国籍軍に参加して、武器を使用して、実績を作らねば、とバカなことを云う。


◆武力で平和は実現しないということに、いい加減、人間は気がつかないかね?

 

人類は、いい加減に、武力の無意味を理解すべきだ。各国が武器を増やせば、世界は平和になりますか?ロシアは核兵器を持っているが、内部では先日のようにチェチェン紛争で大勢人が死んだ。

 イスラエルもアメリカの援助を受けて、毎日パレスチナ人を殺しているが、いっこうにアラブ・イスラエル紛争が解決する気配はない。

 武力の行使は、人間を興奮させ、段々エスカレートし、行為は残虐化し、憎悪だけが膨らんでゆく。

 小泉首相も要するに、日本が常任理事国入りすれば、名宰相として歴史に名前が残る。目的はそれだけだ。国際平和などに関心は無く、私欲が丸見えである。私欲の為に日本の平和を犠牲にして貰っては、困る。


2003年09月22日(月) .「政治家」は誰でもいい。「政治」が問題なのだ。
2002年09月22日(日) 忘れっぽさ

2004年09月21日(火) 「小4〜6年生の4割『太陽が地球の周り回っている』」 それこそPCを使えば良いのだ。

◆記事:小4〜6年生の4割「太陽が地球の周り回っている」

 

国立天文台助教授ら調査「指導要領に問題」

 小学生の四割が「天動説」を信じている! 国立天文台の縣(あがた)秀彦助教授らが行った理科教育の実態調査で、小学校四−六年生の40%以上が「太陽が地球の周りを回っている」と思っているショッキングな実態が明らかになった。二十一日から盛岡市で開かれる日本天文学会で「理科教育崩壊」と題して発表する。背景について縣助教授らは「現行の学習指導要領は天文分野の学習内容が極めて不十分」と指摘し、早期修正を提言している。

 今年二月と四月に、北海道、長野、福井、大阪の四道府県でアンケート調査(四校、対象児童三百四十八人)を実施。「地球は太陽の周りを回っている」「太陽は地球の周りを回っている」の二つの選択肢から正しい方を選ぶ設問では、42%が“天動説”を選択した。

 縣助教授らは平成十三、十四年に広島市と東京都三鷹市の小学校で同様の調査を実施した。これらの結果を総合すると、「月の形が毎日変わるのはなぜか」という月の満ち欠けの原因を尋ねた設問で、四つの選択肢から「地球から見て太陽と月の位置関係が変わるから」と正しい答えを選んだのは47%。「月が地球のかげに入るから」と「月食」と混同した児童が37%にのぼったほか、「いろいろな形の月があるから」を選んだ児童も2%いた。


◆コメント:世の中が便利になるのに反比例して学力は落ちるようですな。

 

指導要領なんて、文部科学省の役人が作ったものが役に立つわけがない。

 大体、昔から、文部省というのは、国家公務員上級試験(これに受かった者が、所謂、「キャリア」と云われる幹部候補生で各省庁のエリートなのだが)合格者で一番成績が悪いグループが配属されることで知られている。全く当てにはならない。

 私の得意分野、音楽で例を挙げるならば、音楽鑑賞曲に指定されているのが「おもちゃのシンフォニー」(ハイドン作曲と言われているが、実際はモーツァルトの親父のレオポルド・モーツァルトの冗談作品)とか、30年、オーケストラのコンサートを聴いているが、一度もプログラムで取り上げられたのを見たことがない、グローフェという作曲家の「大峡谷」などという、名曲でもない、超レアな曲を、一体どうして選んだのか、神秘的である。


 

さて、話を小中学生の天文知識に話を戻そう。東京など都会では空が汚れているし、夜中でも人口光で明るいため星が見えにくい。このため、星を見る習慣が出来ずに天文(学)にも興味を持たないのかと思ったが、長野、福井、広島、北海道の子供も同様に「天動説」を唱えているようだから、あまり、住んでいる場所の環境は関係がなさそうである。

 最近は、公立小学校にもパソコンがあるので、これらをうまく使えば、月に満ちかけなど一瞬にして教えることが出来る。

教師達は、そういうことを思いつかないのだろうか?

私だって、結構年をくってからパソコンをいじりはじめたけれども、インターネットには、無料でダウンロードできるオンラインソフトが沢山あり、その中には、天文ソフトと呼ばれる一群がある、ということに気がつくまで、さほど時間はかからなかったけどね。

 天文に興味が有って、インターネットにアクセス出来る日本人なら、知らない人の方が少ないのではないかと思われるぐらい有名な、The Moon Age Calendar 満月を月齢カレンダーで探そうというサイトがある。

 兎に角、月に関してありとあらゆる事が書いてあり、多くの人は、この一番身近な天体の事さえ、殆ど知らないことに、新鮮な驚きを覚えるであろう。

 そして、このサイトの管理人さんは、軽くて、単純なのだけれども実に良くできた、フリーソフトウェアをいくつも提供して下さっている。その中で、Planetary Motion(惑星の運動)というソフトがある。

このソフトは太陽系の9つの惑星がいま、どういう位置関係にあるか。そのときに、月はどのように見えるか、を同時に示してくれる。そして過去から未来まであらゆる時刻を指定することもできるし、1日を1秒に縮めて、各惑星がそれぞれのスピードで太陽の周囲を公転しているか、謂わば、「早送り」で見ることもできる。例えば、昨年7月下旬から10月にかけて火星と地球が大接近して行くときの様子も、大変よく分かる。


◆教師の最大の責務は、生徒に、興味を持たせることにある。

 

私が学生の頃には、想像も出来なかった恩恵を、便利なパソコンという道具から享受することが出来るのに、これを活用しないのは、実にもったいない。

 理科の教師も少しやる気を出せば、いくらでも生徒の天文への興味を引き出すことが出来る。ハッブル宇宙望遠鏡のサイト(宇宙空間に浮かんでいる、NASAの望遠鏡)に行ってご覧なさいよ。月並みだが、”宇宙の神秘”に感動するだろう。

そうやって興味を持たせるんだよ。寒い夜に無理やり天体観測なんかさせたって、最初に興味がなければ、何も記憶に残らないだろう。

 教師の最大の任務は、生徒に、学習する対象への興味を持たせることだ。

 人間、興味が湧いたら、後は放っておいても自分で勉強するのである。


2003年09月21日(日) 「あと、1日だけ生きる」と思って、生きている。

2004年09月20日(月) 日本では8人の子供を殺した男は当然、死刑に処せられたが、1万人のイラク人を殺したブッシュ大統領は裁かれないのですね。

◆記事1:最近1週間のイラク戦争ニュース

イラク各地で爆弾事件など相次ぐ、全土で死者110人に(ロイター)

空爆などで16人死亡 イラク中部ファルージャ(共同通信) (13日20時29分)

武装勢力多いバグダッドの地区で大規模爆発、47人が死亡(ロイター) (14日20時59分)

イラク中部で米軍と武装集団が戦闘、イラク人10人死亡(ロイター) (15日11時33分)

米軍、武装勢力60人を殺害 ザルカウィ氏組織掃討で(共同通信) (17日11時28分)

女性ら30人死亡と病院 ファルージャ戦闘(共同通信) (17日18時36分)

保安隊本部に自爆攻撃 イラク北部、23人死亡(共同通信) (18日18時36分)

バグダッドで自動車爆弾テロ(時事通信) (19日22時34分)


◆記事2:ブッシュ大統領のリード変わらず=ケリー氏に3ポイント差−世論調査

 

【ワシントン19日時事】米民間調査機関ゾグビー社が19日発表した大統領選挙に関する最新の世論調査によると、ブッシュ大統領の支持率は46%で、民主党の大統領候補であるケリー上院議員の43%を3ポイントリードした。9月上旬の調査ではブッシュ氏46%、ケリー氏42%だったが、その差は1ポイント縮まった。 (時事通信) - 9月20日13時1分更新


◆コメント:イラク戦争が続いていることを我々は都合良く忘れようとする。

記事1をご覧頂ければ、一目瞭然で、イラクでは毎日、市民や兵士が戦争やテロの犠牲となっている。

出来れば面倒くさいことは考えたくないのは、誰でも同じであるが、フセインが捕らえられ、暫定政権に主権が委譲されたというのに、アメリカ軍はテロリストを掃討するという口実で、イラクに居座り続け、毎日、無辜のイラク人を殺し続けているという事実を見て見ぬふりをするのは、良くない。

あまりにも毎日続くので、我々は、イラク戦争に関するニュースが伝えられても、心理的に無視するようになっている。イラクで人が死んだ、というニュースを聞いても、まあ、戦争中だからあたりまえだろ、と、とんでもないことを考える。

しかし、私がこの日記で繰り返し述べたように、イラクに対する武力行使は完全に違法な行為、アメリカという国家による犯罪であり、それが続いているのだ、と言うことを忘れるべきではない。


◆1万人を殺した男を再び大統領にしてしまうアメリカ人。

 

 記事2を読む限りでは、ブッシュが再選してもおかしくない情勢である。

 もっとも、最近の世論調査によれば、ニューヨーク市民の49%はブッシュ政権の高官たちは911にテロ事件が起きると知りながら、わざと防がなかったと考えているというから、まだ予断を許さない。ブッシュ政権がテロをわざと起こさせたとする見解があることは、9月11日の日記に書いた。アメリカ人の多くも、その疑いを抱いている。それでも積極的にブッシュという「テロリスト」を支持する人間が大勢いるのがアメリカという国である。

正気の沙汰とは思われない。


◆8人を殺した宅間は死刑になって当然と考える人が、何故、1万人を殺したブッシュを批判しないのか?

 

 日本の刑法を他国の指導者に適用できないのは、云うまでもない。しかし、素朴に、何と理不尽なことか、と思いませんか?

 宅間の死刑に関しては、いろいろ云いたいこともあるが、それは本稿の目的ではない。

 個人による犯罪も、一国の指導者が、軍隊に命じて、他国の国民を殺害することも、人間の生命を奪う行為として、その非倫理性は完全に同一である、といいたいのである。

 「個人的な恨みによって人を殺すのは許されないが、戦争を起こしてしまえば、1万人の命を奪っても何ら問題がない」、という主張を正当化出来る論理は存在しない。アメリカによるイラク人の殺害は、広島・長崎への原爆投下と同様、永遠に許されない犯罪である。

 そのイラク戦争を始めたのはブッシュ大統領であり、この人殺しは正しい、ブッシュを支持する、と公言して憚らないのが小泉純一郎内閣総理大臣である。この、我が国の指導者は現在アメリカを訪問中で、野球の始球式でボールを投げて喜んでいる。その間も、イラクでは、人が死んでいる。小泉純一郎氏を我が国の指導者に選んだ有権者は、自分が間接的にブッシュの人殺しを支持していることを、自覚すべきである。


2003年09月20日(土) 「イラク占領に加担するな 来日の米兵家族が訴え」小泉内閣総理大臣は彼らの声をよく聴け。
2002年09月20日(金) 何故、事実を隠すのか。

2004年09月19日(日) 「米大統領『イラク開戦、国連のお墨付』事務総長に反論」 ブッシュ大統領。字が読めますか?

◆記事:米大統領「イラク開戦、国連のお墨付」事務総長に反論

【ワシントン=秋田浩之】ブッシュ米大統領は16日、昨年春の対イラク開戦について「国連安保理はフセイン(イラク前大統領)が情報を開示し、武装解除しなければ、重大な結果に直面するとの決議を全会一致で採択していた」と語り、開戦は国連の承認も得た行為であるとの主張を展開した。国連のアナン事務総長が開戦は違法だったとの見解を示したことに反論した格好だ。

 遊説先のミネソタ州での発言。開戦に先立ち、国連安保理が武装解除をイラクに求める決議を採択したことを取り上げ、「国際機関が何かを命じるからには、本気でなければならない」と述べた。フセイン旧政権が同決議を順守しなかった以上、国連としてもイラク攻撃を容認すべきだとの姿勢をにじませる発言だ。これに先立ち、アナン事務総長は15日、英BBCのインタビューで「イラク戦争は違法だった」と言明し、イラク攻撃は国連憲章に反するとの見解を示していた。ブッシュ氏の発言は名指しこそ避けているものの、アナン氏の開戦批判に真っ向から反論する意味合いがある。 (12:28)


◆コメント:国連は、本質的に、武力行使、戦争を防ぐ為の機関です。

 

ブッシュは昨年、イラクに対する武力侵攻を開始する前から、「国連は武力行使を承認している」と述べています。

 ブッシュ大統領がいうところの「国連のお墨付き」とは、2002年11月8日に採択された国連安保理決議1441のことを指しているのです。

 インターネットにアクセス出来る人であるならば、誰でも今すぐに国連安保理決議1441の内容を確認することができます。

ここでは、イラクに対して「国連の査察団を今まで受け入れてこなかったことを遺憾」であるとし、即座に、「国連大量破壊兵器廃棄特別委員会(UNSCOM)や国際原子力機関(IAEA)による無条件、無制限の立ち入り」に応じるように求めています。


◆湾岸戦争の前に国連が武力行使を容認したときの決議678と比較すれば、違いは歴然としています。

 

しかし、イラクがそれに応じなかった場合に関しては、「安全保障理事会がイラクに対し、義務違反が続けば同国は重大な結果に直面するであろうと、再三警告してきたことを想起する。」と述べるに留まっています。

 湾岸戦争を開始する前、1990年11月29日の決議678と比べるとよく分かるのですが、このときは、イラクがクウェートに侵攻するという重大な国際法違反を犯していたので、表現が異なります。

このときには、、「クウェート政府と協力する加盟国に、1991年1月15日までに、決議678に従わなければ、その後の決議を遵守し実施するためおよび国際平和と地域の治安を回復するために必要なあらゆる手段の行使を承認する」としています。

 国連が武力行使を容認する場合には、この決議678のような表現が用いられます。デッドライン(期限)を定めて、それまでに、国連決議に従わないならば、「必要なあらゆる手段」の行使を認める、と。

 繰り返しになりますが、国連安保理決議1441の最後は、「安全保障理事会がイラクに対し、義務違反が続けば同国は重大な結果に直面するであろうと、再三警告してきたことを想起する。」という文言です。これは、この決議が、国連に加盟するいずれの国にも、イラクに対する武力行使を容認していない」ことを表しています。但し、禁止するとも書いてありません。


◆世界は平和を希求しているのです

 

武力行使を禁止しているのは国際法、具体的には国連憲章です。

国連憲章が武力行使を認めているのは極めて限定的な意味での自衛権の行使、及び、あらゆる平和的な手段が尽くされたと安保理が判断して、安保理が明示的かつ正当に承認した場合のみ、なのです。これは、国連が武力行使を基本的に違法行為と見なしており、本当にどうしても必要な場合は合法的に組織された、安全保障理事会という国家の集合体である機関の決定を経なければならない。それが国連の目的だからです。



 

だから、ブッシュは、国連は、その本質から云って、なるべく武力行使を避けようとする存在であること、ひいては国際社会全体が望んでいるのは「平和」であるという大前提が全く分かっていないのです。バカです。


2003年09月19日(金) 「<環境危機時計>昨年より10分進む。」 人類存亡の危機なんですよ。

2004年09月18日(土) 「シティバンク行政処分」いつもは対米弱腰の日本政府が、随分強気ですね。何故でしょう?

◆記事:シティバンク4拠点、来年9月に認可取り消し…金融庁

金融庁は17日、米大手金融グループ、シティバンク在日支店で重大な法令違反があったとして、丸の内支店と名古屋、大阪、福岡の3出張所の認可を来年9月末で取り消す行政処分を発表した。

 富裕層を対象に資産運用などを行うプライベートバンク(PB)部門で、顧客のマネー・ロンダリング(資金洗浄)と疑われる取引を放置するなどの法令違反が見つかり、PB部門の拠点である4支店・出張所が処分対象となった。PB部門は29日以降、預金の払い戻しなど既存取引の解消を除くすべての業務の停止が命じられ、事実上、日本から撤退を迫られる。PB部門の顧客は預金や投資信託などの解約や他支店への移管が必要となる。また、個人客を対象にした外貨預金業務についても、29日から1か月間、新規顧客に限って取引を停止する。

 支店認可の取り消しは、1999年のクレディ・スイス・ファイナンシャル・プロダクツ銀行東京支店の免許取り消しに次ぐ重い処分だ。(読売新聞) - 9月18日2時2分更新


◆解説とコメント:いつもはアメリカの顔色を窺う小泉政権にしては大胆になれる理由

 

日本の法律では、銀行業務を行うためには、内閣総理大臣の許可を必要とするのです。



銀行法第4条 銀行業は、内閣総理大臣の免許を受けた者でなければ、営むことができない。

逆に言えば、免許を取り消されたら、もう一切、何も業務を行えないのです。ですから、この「免許取り消し」は銀行に対する最も重い行政処分です。刑法になぞらえれば、「死刑」です。

 今回、シティバンクは日本の主だった支店4つに対して、死刑宣告されたわけです。殆ど、「日本から追い出す」という感覚だと思います。

 無論それだけの法令違反があるので、この処分自体は国家権力の乱用とは言えず。正しいのです。

しかし、くだけた話、日本で営業をしている他の外資系銀行、特に米銀は、デリバティブと呼ばれる商品の販売などに関して、厳密に検査をしたら、シティと同じぐらいの、指摘を受けることになるところもあると思います。

ところが、今回シティバンクというアメリカの銀行にして世界最大の銀行の日本の拠点にドカーン、と、爆弾を落としたわけですね。

 イラク戦争における、小泉首相の対米追随姿勢や、8月30日の日記に書きましたけれども、金融庁が、日本の銀行の不良債権処理を急いでいるのは、アメリカの圧力を受けてやっているのだ、という事実を考えると、今回の処置は不思議です。


 

アメリカ最大の銀行に最も厳しい行政処分をして、アメリカに睨まれないのでしょうか?当然、小泉首相や竹中金融相は考えているのです。

 アメリカ大統領選挙が近づいていますが、シティバンクは、民主党のケリー候補に随分肩入れ、つまり資金援助して支援をしているのです。したがって、ブッシュから見ればあまり面白い存在ではない。

 そこで、日本でシティに対する厳しい処分を断行する。ブッシュの機嫌をとっているのです。

そんなばかな事が、あるのか、と思われるのでしょうが、殆ど米国政府の傀儡政権化している小泉内閣なら、何ら不思議はないのです。

 アメリカという国は恐ろしいです。アメリカン・スタンダードを世界中に植え付ける、つまり、世界中をアメリカの価値観で統一することができるし、そうすれば、世界は上手く行くと信じている人間が、アメリカ社会の上層部に多すぎるのです。

それに、負けている小泉さんが内閣総理大臣の座に留まるのは、だから、とても危険だと、私は考えています。


2003年09月18日(木) 「首相『支援ひるんじゃいかん』 イラク自衛隊派遣で」 殴りたくなるほど無責任な野郎だな。
2002年09月18日(水) 北朝鮮への憎悪

2004年09月17日(金) 「超大型ハリケーン『アイバン』は地球温暖化の結果か」(米国大気研究センター)

◆記事1:超大型ハリケーン『アイバン』は地球温暖化の結果か

 

大西洋に発生した ハリケーン『アイバン』(写真) は、近年の観測史の中でも最大級の勢力を持っている。しかも、気象の専門家によると、地球温暖化の影響で、こうした巨大ハリケーンは今後も増加していく見込みだという。

 「ハリケーンが発達し、強い勢力を持つのに適した状況を、地球温暖化が作り出している」と、米国大気研究センター(NCAR)(コロラド州ボールダー)の気候分析部門の責任者を務めるケビン・トレンバース氏は説明する。

 これほどはっきりとハリケーンと地球温暖化の関連性を指摘する専門家は少ないが、以前と比較して、地球が太陽のエネルギーをより多く蓄積していることには、ほぼ疑いの余地はない。二酸化炭素などの排ガスが地球に毛布を余分にかけたような状態をもたらし、太陽から受けたエネルギーの一部が宇宙へと放散するのを妨げているのだ。2001年に発表された『 http://www.ipcc.ch/ 気候変動に関する政府間パネル』(IPCC)のレポートによると、この「温室効果」から生じる余分なエネルギーによって、すでに摂氏約0.6度、地球の気温が上昇しているという。このレポートは、約100ヵ国の2500名以上の科学者が収集した情報と調査を元に作成されている。


◆記事2:海底にメタン大量放出の跡 過去の温暖化と関連か

 

海洋研究開発機構と国立環境研究所は16日、青森県下北半島沖の海底堆積(たいせき)物の分析から、約2万5400年前に周辺の海底から大量のメタンが放出された痕跡があることを確認したと発表した。

 当時は最終氷河期の最中に突発的な温度上昇があったことが知られていおり、同機構の内田昌男研究員は「強力な温室効果ガスであるメタンが大量に放出され、地球の温暖化を招いた可能性がある」としている。

 同機構は、下北半島沖の水深約1300メートルの海底から、約13メートルの柱状の堆積物を採取。約2万5400年前の層で見つかった有孔虫の化石中の炭素同位体比の分析から、メタンガス由来の炭素が環境中に多く含まれていたことを突き止めた。 (共同通信) - 9月16日21時6分更新


◆コメント:日本でも、台風の数が過去最高で、何だか変だと思いませんか?

 

記事1の中で述べられているように、地球温暖化とハリケーンの因果関係を断言する専門家は、少ない。ハリケーンや台風のみならず、異常気象が地球温暖化と関係が有るのかどうかは、本当には証明出来ていない。気象現象を創り出すのは非常にいろいろな要素が絡み合っているから、どれがどの現象にどのように関係しているか、証明するのが難しいのだ。

 しかし、ここ数年、世界中のニュースを振り返ると明らかに、地球上の至る所で、異常気象による災害が起きている。ヨーロッパの洪水、昨年も今年も起きている、中国や東南アジアでの洪水(あまり日本のマスコミは報道しないが、多くの死者が出ているのだ)。

 日本に上陸する台風がこの時期としては、異常に多かった。最初の台風は何と、梅雨入り前の5月に来たのである。こんな事は初めてだ。

 10年、数十年に一度、ならば、まあ、そういう年も有るだろう、と思えるが、毎年世界のどこかで大雨で洪水が起きたり、過去最大級のハリケーンがアメリカを直撃している。明らかに「トレンド」として気象が異変を起こしている。


◆温暖化により、大気中の水蒸気が増えるから、大雨が増える。

 

「地球温暖化により、地面から蒸発する水分が増え、上空の大気も温度が上がることによって、飽和水蒸気量が増える(空気は温度が高いほど、多くの水分を含むことができる)。従って、大雨が降りやすくなる。」

 米国大気研究センターのケビン・トレンバース氏のサイト気候変動の影響という論文を読んで見たところ、本当はもっと複雑な過程なのだが、ごく大雑把に述べるならば、そう言うことが書いてあった。素人が軽率に分かったようなことを云うものではないが、感覚的に納得出来る説明である。

 トレンバース氏によれば、このまま温暖化が放置されれば、当然の帰結として、さらに豪雨による災害が増える事になる。


◆メタンガスは今もシベリアの永久凍土の下に閉じこめられているのだ。

 

記事2を引用したのはメタンガスの温室効果の恐ろしさを知って貰いたいためである。

 シベリアの森林地帯は面積が日本の25倍もあるが、その地面は一年中凍ったままの永久凍土なのだが、この下には、3万年前に閉じこめられたメタンガスが大量に存在する。その永久凍土がジワジワと溶け始めているのである。もしも、メタンガスが噴出したら、その温室効果は二酸化炭素の20倍から30倍というから・・・。

 その辺の話はもう少し詳しく昨年10月11日に書いたので、お読み頂ければ幸いである。


 地球温暖化は、人類の存亡に関わる問題なのだが、世界全体のCO2の5分の1を排出しているアメリカ、次が中国、ロシア、いずれの国の指導者も殆ど事の重大さを理解していないのは、驚嘆に値する。

 日本のCO2排出量は5番目だが、全体の5%で、随分昔から省エネルギーに取り組んでいる。しかしながら、我が国は京都議定書の議長国だったのだから、本当はもっと働きかけるべきなのだが、環境相というと、「大臣入門職」のようなポストで、元カワイ子ちゃんニュースキャスターの小池百合子なんぞが、任ぜられている。

 真面目にやれ、と言いたい。景気回復も構造改革も憲法改正も安保理常任理事国入りも、何もかも、人類の存続が前提なのではないでしょうか?


2003年09月17日(水) 道具が便利になっても、事を成すのは人間の情熱だ。松本清張氏に思う。
2002年09月17日(火) 小泉の馬鹿野郎

2004年09月16日(木) Iraq war illegal, says Annan(BBC) <国連総長>「イラク戦争は違法」 初めて明言←昨日述べたとおり。

◆記事:<国連総長>「イラク戦争は違法」 初めて明言

 

【ニューヨーク高橋弘司】国連のアナン事務総長は15日、英BBCとの会見で、米英が主導したイラク戦争について国連憲章に照らして「違法」との見解を初めて示した。

アナン氏はたびたび同戦争に批判的な見方を繰り返してきたが、これほど明確な批判は異例だ。

アナン氏はイラク戦争は違法かとの質問に、「私の見解では国連憲章に合致していないと思う」と前置きし、「違法だった」と明言した。

また、「国連の承認や国際社会の広範な支持がない、イラクのような軍事作戦が再び起こらないことを望む」と述べた。

イラクの旧フセイン政権に大量破壊兵器完全廃棄を迫る国連安保理決議の審議が続く中、昨年3月、米英が一方的開戦に踏み切ったことへの強い疑念が背景にあるとみられ、アナン氏は「新たな決議を目指すべきだった」と振り返った。

 一方、アナン氏はテロが頻発するイラクの現状に言及し、「このような治安悪化が続く限り、来年1月の直接選挙は信頼に足るものとなりえないだろう」と指摘、早急な治安改善や国連の主体的関与を通じた選挙の正当性確保が重要との認識を示唆した。

 イラク戦争開戦を阻止できなかった「国連の危機」を踏まえ、国連の改革のあり方を問う「有識者諮問委員会」の提言が12月にも公表される。

アナン氏の発言はこれを前に、14日開幕した第59回国連総会などでの活発な議論を促す狙いとみられる。(毎日新聞) - 9月16日12時13分更新


◆記事:Iraq war illegal, says Annan BBCの記事から抜粋。

The United Nations Secretary-General Kofi Annan has told the BBC the US-led invasion of Iraq was an illegal act that contravened the UN charter.

アナン国連事務総長は、BBCに対して、アメリカが主導したイラクへの侵略は国連憲章に違反する違法な行為だった、と述べた。

He said the decision to take action in Iraq should have been made by the Security Council, not unilaterally.

アナン氏は、イラクに対して行動を起こすか否かは国連安保理によって決定されるべき案件であり、米国一国で決めるべきではなかった、と述べた。

'Valid'

"I hope we do not see another Iraq-type operation for a long time - without UN approval and much broader support from the international community," he added.

「私(アナン氏)はイラクで今回起きたような、国連の承認と、広く国際社会からの支持を得ていない、軍事的な行動が二度と起こらないことを臨む。

He said he believed there should have been a second UN resolution following Iraq's failure to comply over weapons inspections.

アナン氏は(軍事的制裁をイラクに加えるためには)、イラクが兵器査察に非協力的であるという事実以外に、もう一つ国連の決議が必要だった、との見解を明らかにした。

And it should have been up to the Security Council to approve or determine the consequences, he added.

そして、その決定は、国連安全保障理事会に委ねられるべきだった。と付け加えた。

When pressed on whether he viewed the invasion of Iraq as illegal, he said: "Yes, if you wish. I have indicated it was not in conformity with the UN charter from our point of view, from the charter point of view, it was illegal."

イラクへの武力侵攻が違法であったと思うか?とのBBCの質問に対して、アナン事務総長は、「そう思う。私は、イラクへの侵攻は国連憲章に違反していると示唆してきた。国連憲章の立場からすれば、違法である。」


◆コメント:アナン事務総長の発言で注目すべきは、大量破壊兵器の有無には、全く言及していないことだ。

 

奇しくも、昨日、私は米国のイラクに対する武力行使は違法である、という所見を認めた(したためた)ところであったので、本日、国連のアナン事務総長の発言を読んで、「我が意を得たり!」という気分になった。

 そこで、念のため、原語の記事で確認したところ、間違いなく、アメリカの取った行動は国連憲章に違反していると述べている。

 そして、注目すべきは、アナン事務総長が、「アメリカの行為が国連憲章に違反している」と述べるに当たり、イラクに大量破壊兵器が存在したか否か、を全く問題にしていない、という点である。

昨日の日記で、私は、たとえ、イラクに大量破壊兵器が存在していたとしても、それだけで、アメリカが単独でイラク攻撃を決定することは出来なかったのだ、と書いたが、アナン事務総長の発言により、より一層その意を強くした。というか、国連憲章を読んで、論理的に思考すれば、必然的にこの結論に達せざるを得ないのである。


◆侵略(Invasion)という言葉を使っている。

 

日本語の記事では「イラク戦争」という言葉が使われているが、英語の記事を読むと、アナン事務総長は、侵略(Invasion)という言葉をはっきり使っている。

 国連事務総長が「侵略」という言葉を用いているというのが、ただごとではない。それは、国際法において「侵略」という言葉は普通名詞ではなく、明確に定義されている用語だからである。

1974年、国連第29回総会で「侵略の定義に関する決議」(決議3314号)が採択されている。詳しくは、5月1日の日記に書いたので、お読み頂ければ有難い。要約すると、



第1条 侵略とは、一国による他国の主権、領土保全若しくは政治的独立に対する、又は国際連合憲章と両立しないその他の方法による武力の行使であって、この定義に定められたものをいう。

のである。

 従って、アナン事務総長はBBCに対して意識的に侵略という言葉を使った時点で、アメリカの行為が国連憲章に違反した行為であることを示唆したわけである。

その後、BBCに違法だと思うか?と訊かれて、「その通りだ」と言っている。二重に肯定していることになる。

 アナン氏は、国連事務総長という、国際社会における、極めて重大な立場にある公的人物として、感情の発露は、極限まで精神力で抑制しているが、本音を言えば、多分「腸が煮えくりかえっている」のであろう。毎日新聞の記事に書かれているとおり、これほどはっきりと国連事務総長が、特定国の行為を「断罪」することは珍しいのだ。


◆首相、ブラジルで歓迎されて感涙にむせんでいる場合じゃないすよ。

 

ところが、我が国の首相は、もはや、イラクで今もなお戦争が行われていることなど、完全に忘れているのだろう。ブラジルの日系人に歓迎されて、随喜の涙を流したそうだ。

 何をいまごろ、ブラジルなんて頓珍漢なところへ行っているのだ。そんなヒマがあるのならば、自分が最高司令官を務めている自衛官達を派遣したイラクへ行って、安全かどうか、非戦闘地域とはどういうところなのか、見てくるべきではないだろうか?

サマワの宿営地を建設するのには、377億円の税金が投じられている。500人もの自衛官が駐留する費用も全て、我々が働いて納めた税金で賄われていることを、忘れてはならない。


2003年09月16日(火) 問題を解決するためには、それなりの段階を経ねばならない。名古屋立てこもり事件に思う。

2004年09月15日(水) <米国務長官>イラク大量破壊兵器情報の誤り認める←ブッシュ、小泉、辞任せよ。

◆記事:<米国務長官>イラク大量破壊兵器情報の誤り認める

【ワシントン中島哲夫】パウエル米国務長官は13日、上院政府活動委員会での証言で、ブッシュ政権がイラク戦争開戦の大義名分とした旧フセイン政権の大量破壊兵器について「なんらかの備蓄を我々が発見するということは、ありそうにないと思う」と述べた。また「我々は過去にさかのぼり、なぜ(現実と)異なる判断をしたのか突き止めねばならない」とも語り、開戦前のイラクの大量破壊兵器に関する情報が誤っていたことを従来より明確に認めた。

 パウエル長官を含めブッシュ政権高官は既に、旧フセイン政権には大量破壊兵器を開発し保有する「意図と能力」があり、それは十分に重大な脅威だったという論理で戦争を正当化する姿勢に転じている。しかし長官は、開戦前の昨年2月に国連安全保障理事会でイラクの同兵器保有を断定的に報告した経緯があるだけに、トレーラー型の「移動生物兵器実験室」について今年4月「確実な情報ではなかったようだ」と認めるなど、徐々に前言を撤回してきた。

 パウエル長官はブッシュ大統領が11月の選挙で再選されても現職には留任しないと見られている。今月7日にはイスラエル軍とパレスチナのイスラム原理主義組織「ハマス」の報復合戦を等しく批判し、イスラエル支持一辺倒ではないところを示した。歴史の検証を意識し、誤りや偏りを正そうとしている可能性がある。 (毎日新聞) - 9月14日12時50分更新


◆コメント:私は、徹頭徹尾、イラク戦争と、アメリカを支持する小泉政権の姿勢に反対してきた。

 

私は、イラク戦争が始まる前、昨年1月にブッシュ大統領がイラクに対する武力行使の意図を顕わにし始めた頃から、戦争を始めることに対して、ずっと反対してきた。

 日本がアメリカの武力行使を支持することに対しても反対であったし、今も反対である。

 日本がイラクに自衛隊を派遣することに対して反対であったし、今も反対である。

 それは、次に掲げる、過去の日記を読むと、おわかり頂ける筈である。(これだけではないが、全部を挙げると大量になりすぎるので、ピックアップした。)


2003年01月28日(火) アメリカは何故イラクを攻撃するのか

2003年02月06日(木) 日本政府がアメリカによるイラク攻撃を支持するだと!?・・・子供が殺されるのを黙って見ているということだ。

2003年03月19日(水) アメリカの行動が国際法違反であることの法的根拠。

2003年06月01日(日) 「和平以外に選択なし」=中東問題で米大統領  で、イラクの大量破壊兵器は見つかったの?

2003年07月11日(金) 「決定的証拠ないまま開戦 イラク戦争、米国防長官が証言」ふざけんじゃねえぞ、この野郎。

2003年07月22日(火) 自衛隊をイラクへ派遣することに反対する理由。

2003年07月24日(木) イラク派遣で首相「非戦闘地域分かるわけない」 ← 開いた口が塞がらない

2004年01月29日(木) <米上院公聴会>大量破壊兵器「大量備蓄ない」 ケイ氏証言←ブッシュ・小泉両氏は責任を取るべきだ。

 首相官邸の「ご意見募集」という投稿欄にも何度も反対意見を書き込んだ。(無論、当然、無視された。)


◆仮に、大量破壊兵器があったとしても、イラク戦争は米国の違法行為である。

 

現代の国際法では、武力行使は原則として違法行為である。それは、国連憲章により規定されている。例外は2つある。それについては2003年03月19日(水) アメリカの行動が国際法違反であることの法的根拠。をお読み頂きたいが、アメリカの武力行使はそのいずれにも当てはまらない。

 ブッシュ大統領は、「イラクが大量破壊兵器を生産・保有していて、それがアルカイダなどのテロリストの手に渡り、アメリカ本土が明日にでも攻撃される可能性がある」ことを戦争の正当性の根拠としているが、たとえ、イラクが本当に大量破壊兵器を持っていたとしても、それだけで、イラクを攻撃する理由にはならないのである。

実際にイラクないし他国がアメリカを攻撃してきて、はじめて、武力行使が正当化される。国際法と国内法を混同してはいけないが、この点では刑法の正当防衛の規定に似ている。

正当防衛とは「急迫、不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、已むことを得ざるに出でたる行為はこれを罰せず」(刑法第36条、あえて、改正前の文語体で書きました)ということである。

 「急迫」とは、目前に迫っているか,現在継続中のことをいい,侵害者が既に攻撃をやめたか,あるいは将来攻撃が予想されるにとどまる状態は,いずれも急迫とは言えないのである。将来、あいつは俺を殴りそうだから、先にこちらからあいつを殴ったのだ、と主張しても正当防衛とは認められず、こちら側が暴行か傷害の罪に問われる。

 アメリカがイラクに対して行ったことは、しかし、まさにこういう理屈だったわけである。そして、それは、日本の刑法が個人に対して禁じているように、国連憲章は、各国にこのような理由での武力行使を容認していないのである。


◆しかも、「イラクが大量破壊兵器を保有している証拠がある」と云っていたのも、ウソだったわけである。

 大量破壊兵器が存在しないことを、アメリカは知っていたことは、ほぼ間違いない。それは、2004年01月29日(木) <米上院公聴会>大量破壊兵器「大量備蓄ない」ケイ氏証言←ブッシュ・小泉両氏は責任を取るべきだ。に詳しく書いた。


 そして、ついに、現職のアメリカ合衆国の国務長官がそれを認めた。この意味は重大である。


◆アメリカがイラクを攻撃して、1万人ものイラク人を殺害した責任をどう考えているのか。

 

このような、愚かな戦争を始めて、無辜のイラク人を1万人以上殺害した、世界で最も危険なテロリスト、ブッシュ大統領は、恥知らずにも、再選を狙っている。

ブッシュの支持基盤にはアメリカの民主主義を世界に輸出すれば、何もかも上手く行くのだ、と信じて疑わない、タカ派の集団、ネオコン(新保守主義の人々)や、白人優位思想の、全米で3000万人はいると言われるキリスト教原理主義者たちがついている。

この人たちは、アメリカがイラクに行った行為の深さを十分に理解出来ずに、極めて幼稚な知識と思考力で「ブッシュは力強い指導者だ」と公言してはばからないが、少しは物事を勉強して、自分の頭で考えろと云いたい。


◆日本政府=小泉純一郎内閣総理大臣は世界でいち早く、イラク戦争を支持した。

 

昨年3月20日、イラク戦争がついに始まったときに、我が日本国の指導者は、この国際法上の違法行為を「正しい。支持する。」と声明を発表した。それだけでも恥ずかしいことだ。その声明は首相官邸のサイトに今でも載っている。一部抜粋の上、引用する。



内閣総理大臣談話

平成15年3月20日
閣 議 決 定

 我が国は、今日の国際社会において、大量破壊兵器の拡散を防止することが我が国を含む国際社会全体の平和と安全にとって極めて重要であると考えます。我が国を取り巻くアジア地域も、大量破壊兵器の拡散問題と決して無縁ではありません。
 我が国は、これまで一貫して、イラクの大量破壊兵器の問題については、国際協調の下に平和的解決を目指し、独自の外交努力を続けてまいりました。しかしながら、イラクは、12年間にわたり、17本に及ぶ国連安保理決議に違反し続けてきました。イラクは、国際社会が与えた平和的解決の機会を一切活かそうとせず、最後の最後まで国際社会の真摯な努力に応えようとしませんでした。
 このような認識の下で、我が国は、我が国自身の国益を踏まえ、かつ国際社会の責任ある一員として、我が国の同盟国である米国をはじめとする国々によるこの度のイラクに対する武力行使を支持します。



 

これは、日本国が国家として、公式に、「アメリカの違法行為を支持する」意思を表明した、歴史的汚点である。


◆論理的に考えて、最早アメリカを支持する理由はない。

 

イラクに大量破壊兵器があるから、米国を支持するという行為自体、誤っているわけだが、仮に、その点に目をつぶったとしても、兎にも角にも、日本政府は、イラクに大量破壊兵器があるから、という理由で米国を支持したのである。それは、はっきりと、上に引用した声明で述べられている。

 しかしながら、今や、パウエル発言により、大量破壊兵器が無いことは明らかである。

 よって、論理的に考えれば、日本は最早、アメリカの武力行使を支持する理由はない。


◆日米同盟はどうするのかというが、アメリカが日本をだましていたんじゃないか。

 

アメリカにそっぽを向かれたら困るから、アメリカの違法行為に目をつぶろう、という態度は間違っている。
アメリカは日本に対してもイラクには大量破壊兵器が存在すると説明していた。日米両国は日米安全保障条約を締結している。アメリカは、同盟国である日本をだまして、巨額の資金を拠出させ、自衛隊の派遣を強要した。そういう同盟国に義理立てする必要は、ない。


◆日米安全保障条約には、「国連憲章を尊重する」と書いてある。

日米安保条約を読んだことがありますか?ここで日米安全保障条約全文が読めます。その第1条の文言は次の通り。



日米安全保障条約
第一条
 締約国は、国際連合憲章に定めるところに従い、それぞれが関係することのある国際紛争を平和的手段によって国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決し、並びにそれぞれの国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎むことを約束する。
 締約国は、他の平和愛好国と協同して、国際の平和及び安全を維持する国際連合の任務が一層効果的に逐行されるように国際連合を強化することに努力する。


つまり、日米安全保障条約は、国連憲章が上位規定である、という認識に立っている。国連憲章を守ろうと書いてある。ところが米国は、勝手にイラク戦争を開始することにより、国連憲章に違反した。従って、日米安全保障条約にも違反しているのである。


◆理屈はともかく、イラク戦争は取り返しがつかない。

 

ブッシュが世界をだましてはじめたイラク戦争は、要するに何ら正当性がなく、殆どやくざが因縁をつけて、素人衆をリンチにかけたような行為であり、このために、1万人以上のイラク人が死んだ。

 米兵の死者数もついに1,000人を超えた。取り返しがつかない、大失政である。



米ホワイトハウスのマクレラン報道官は7日、イラク駐留米軍関係者の死者数が同日で1000人に達したことを明らかにした。昨年3月の戦争開始以来約18カ月間の合計。ブッシュ大統領の遊説先、ミズーリ州で記者団に語った。

ブッシュ大統領及び、アメリカの政権中枢の人間、そしてアメリカを支持して自衛隊をイラクに派遣して何百億円という税金を湯水のように使わせている小泉純一郎内閣総理大臣の責任は、厳密に追及されるべきである。


2003年09月15日(月) 「福岡の一家殺害、魏巍被告が殺害関与認める供述」中国人留学生の入国条件を厳密化すべきである。
2002年09月15日(日) 同時通訳に関わる思い出

2004年09月13日(月) 人にものを教えるのは専門的技術である、ということがよく分かるお話。

◆ネイティブ・スピーカーが皆、良い語学教師になれないことを示す逸話。

 

大袈裟に言えば、日本の歴史の中で、専門的な会議同時通訳者でありながら、「アイドル」に限りなく近い扱いを受けた人物が一人だけ、存在する。

 鳥飼玖美子さんという、今は立教の教授である。略歴を記すと、



1969年上智大学外国語学部卒業、コロンビア大学大学院修士課程修了。

国際会議同時通訳者、東洋英和女学院大学等を経て1997年より本学(立教大学)勤務。

NHKテレビ「英会話」講師、日本ユネスコ国内委員会委員。日本コンベンションビューロー会長。

となっている。なんと、まだ、大学生の時に、アポロの同時通訳陣の一人に選ばれた。上智大学外国語学部卒となっているが、これは、スペイン語である。大学にはいるまでに、帰国子女でもないのに、日英のバイリンガルになっていたのだ。鳥飼さんが最も英語力を伸ばしたのは、高校の時にAFS(American Field Service)という純粋な非営利のボランティア団体に寄って運営されている留学制度で、1年間アメリカのごく普通の家庭にホームステイしたときだという。


◆泣かせる話が・・・「こんにちわ.鳥飼玖美子です」(昭和47年ジャパンタイムズ)という本に載っている。

この本は当然、絶版で、インターネットの古本屋、日本の古本屋でやっと見つけた(因みに、このサイトで本を探すにはまず、会員登録をしなければならない)。


 

私は中学生の頃、この本を読んだ時、鳥飼さんがホームステイしたアメリカ人の家庭の善意に心底感動した。

AFSでホームステイしたら、完全にその家族の一員となったものとして扱われる。客人ではない、ということだ。

だから、アメリカ人のお父さんお母さんをDaddy,Momと呼び、兄弟姉妹は当然、ファーストネームで呼ぶ。

いろいろと楽しいエピソードに溢れているが、中でも、泣かせるのが、「電話のクリスマス・プレゼント」という一章である。

クリスマス・イブを楽しくすごして、クリスマスの朝になると当然、親から子供にプレゼントが用意されている。

鳥飼さんにも、品物のプレゼントがあったが、それ以外にもうひとつ、アメリカ人のお母さんから一枚のカードが手渡された。



「これは、電話のプレゼントです。クミコはアメリカでとても楽しく過ごしているけれども、日本のお父様、お母様は、きっと貴女の声が聴きたいことでしょう。さあ、これから、日本に電話して、好きなだけ、ご両親とのおしゃべりを楽しんで下さい」・・・。

 

当時の国際電話料金が、今とは比べものにならぬほど高額であったことを考えれば、大変贅沢なプレゼント、いや、カネの問題ではない。人間の善意の美しさである。アメリカ人にもこんなにいい人がいるのだ。(いたのだ、と言いたくなるところが、残念だ)。


◆それでも、英語を教えるのはプロでなくてはならなかった。

 

ホームステイ中に大統領選があって、家族と一緒に鳥飼さんは政治を論じていた(すごいでしょう?高校生の女の子だよ)。

アメリカの2大政党のうち民主党はDemocratで、最初にアクセントがある。ところが鳥飼さんは勘違いしていて、デモクラットの「モ」にアクセントをつけて会話をしていた。

家族がにやにやしている。様子がおかしいことに気がついた鳥飼さんが理由を聞くと、「いや、クミコがアクセントを間違えていうのが、何だか可愛くてね・・・」

 鳥飼さんは、ムッとした。「ひどい!みんな、いつも、私の英語をそうやって間違いのまま、おもしろがっていたのね!?」

 家族は慌ててしまった。「ごめんごめん、そういうつもりではなかったんだ。これからは、ちゃんと、発音の間違いが有ったら、指摘するようにするよ」

 ところが、今度はえらいことになった。鳥飼さんは当然クリアしていると思っていた、ごく簡単な発音をいちいち直される。中でも、困ったのが、"didn't"だった。何度試しても、アメリカ人の家族は違うという。しかし、どのように違うのかは指摘できない。


◆破裂音の鼻音化

 

タネをあかすとdidn'tというときの2番目の"d"は舌を歯茎から放さない。

「ディンント」とでも書こうか。カタカナでは表現できない。

wouldn't,shouldn't,couldn't,或いはwriteの過去分詞、written, フレーズなら、"Good morning."という時の"d"の"m"の間で"d"は鼻に抜けるように発音する。

これを音声学では、「破裂音の鼻音化」"nasal plosion"という。

後にプロの同時通訳者となり、抜群の発音の良さを誇った鳥飼さんでさえ、自力ではその法則を発見できず、ネイティブだが、外国人に英語を教えるのを職業としていない、ホームステイ先の家族もどのように矯正してよいのかわからなかった。

 結局、鳥飼さんは学校の先生に尋ねて、問題の所在を知るのだが、これは、外国人が英語を学ぶときに陥りやすい発音上の難点とその克服の仕方を知らなければ教えることができないわけである。


◆基礎はちゃんとしたプロに習え

 

長い話となったが、要するに、伝説的天才的通訳者の鳥飼玖美子さんですら、英語学習の比較的早い段階では、プロの指導者による訓練を必要としたということである。

 人に知識や、技術を教えることは、やはり、それ自体偉大な技術なのだ。


2003年09月13日(土) 最近の若い人って「ローマの休日」を見たことがないの? 「品」が良い、ということ

2004年09月12日(日) 演奏家から学んだ「基礎」の大切さ。

◆もの凄く早く弾ける人でも、驚くほど遅いテンポから練習する。

 

プロのヴァイオリニストやピアニストの練習を見せて頂いたことが何度もある。

彼らは幼少から厳しい訓練を積んで、高度なテクニックを身につけており、コンサートの本番では、非常に速いテンポの難曲をいともたやすく弾いている人たちであった。

 しかし、である。彼らが新しい曲に取り組むとき、まず、楽譜を丹念に読む。
 専門家になるような人は、楽器を習うときに必ず、平行して「ソルフェージュ」という訓練をおこなう。

要するに、楽器を弾く場合には、それが何の楽器であるにせよ、まず、読譜力(楽譜を見て、頭の中でその音楽をならすことができ、声に出して正確に歌える能力)が無ければ、話にならない。

 だから、音楽家はまず、楽譜を読み、これから演奏しようとする音楽がどういう音楽なのかをシミュレートするのである。その後に、それぞれの楽器でそれを音に出す練習を始める。


 

このときに、テンポが速い、または比較的普通の曲でも、彼らはまず、非常にゆっくりとしたテンポで練習を始めるのである。これは、音楽を正確に演奏するためにはどうしても欠かせないプロセスである。

 音楽の最も大切な要素である「生命感」はリズムとテンポ感から生まれるものである。

音楽は時間の上に成り立つ芸術であり、まず、正しいテンポとリズム、そして弦楽器や管楽器ならば、正しい音程で演奏できなければ、音楽の基本を充足しているとは言えないのである。


◆初めから早く弾いてはならない。

 

作曲家が楽譜上に指定するテンポで、正しい、リズムを実現するためには、まず、テンポを落として、何度も、何度も弾いて、正しいリズムと音程を実現することが絶対に必要である。そして、そのテンポで正確に弾けるようになったら、少しだけ、テンポを上げて同じように何十回、時には何百回と繰り返し練習するのである。

 これは、とてつもなく時間がかかる作業である。その曲本来のテンポで弾いた方が楽しいのは当たり前だが、いきなり本来のテンポで弾くと、必ず不正確な箇所がでる。それを放置して平気な人は、演奏家にはなれない。

 ひたすら基礎に忠実に、ゆっくりとしたテンポから繰り返し練習するのは、忍耐が必要である。つい、もっと、早く弾いてみたくなる。

そこで我慢するのだ。

 そのときに我慢して、ゆっくりとしたテンポの練習を繰り返す事ができる者だけが、上手くなる。

 私に練習を見せて下さった、プロのヴァイオリニストは、そう言った。

 単調なことをいかに辛抱して繰り返し練習できるか否か、が、楽器の演奏に限らず、あらゆる事において、高い能力を身につけられるかどうかの分かれ目なのだろう。


2003年09月12日(金) 石原慎太郎さんにもどこかで、挫折を知ってもらいたいね。
2002年09月12日(木) 快挙!

2004年09月11日(土) 911テロの現場を「グラウンド・ゼロ」というけれど、あれは元来、広島原爆の爆心地を指す言葉である。

◆記事:祈り、称賛、悲しみ… NY、途切れぬ祈りの列

【ニューヨーク11日共同】「一生あなたを忘れない」「神のご加護を」−。米中枢同時テロから丸3年を迎えた11日、ニューヨーク・マンハッタンの世界貿易センタービル崩壊現場の「グランド・ゼロ」周辺では未明から、犠牲者の冥福を祈る人の列が途切れることなく続いた。

 グラウンド・ゼロを囲むフェンスは「あの日」の惨劇で命を落とした「父や母、夫、友人」らの写真や花束で埋め尽くされた。犠牲者の氏名を連ねたボードには、遺族や友人らがそれぞれの「思い」を書き込んだ。

 星条旗を身体にまとい、犠牲者の写真を片手に一心不乱に祈りをささげる高齢の女性も見られた。(共同通信)


◆コメント:911テロの犠牲者は気の毒だが、アメリカ人には言っておきたいことがある。

 

第一点。1941年12月8日、日本が真珠湾攻撃を仕掛けたときに、米国情報部は日本の通信を傍受し、暗号を解読しており、計画の全容を把握し、時の大統領ルーズベルトに伝えていたにも関わらず、ルーズベルトは米国民の反日感情を扇情するために、あえて、この情報をハワイの太平洋艦隊に知らせなかった。

このことは、スティネッツというアメリカの退役軍人の長年にわたる研究により、議論の余地が無いほど明らかになっている。

それは真珠湾の真実 ― ルーズベルト欺瞞の日々という本に著されている。


 

これと同様に、2001年9月11日のテロに関して、ブッシュ大統領は事前にこれを知っていながら、イラクへの戦争を仕掛ける口実にするために、あえて、テロリストが計画を実行に移すことを許したことは、田中宇氏のテロをわざと防がなかった大統領や、テロの進行を防がなかった米軍の記事、そして最近出版されたボブ・ウッドワード(「大統領の陰謀」という本でウォーターゲート事件を暴き、ニクソン大統領を辞任に追い込んだジャーナリスト)の「攻撃計画」(Plan of Attack)―ブッシュのイラク戦争を併せ読むと、殆ど明らかになっているといってよい、と私は考えている。

 従って、テロの犠牲者を追悼することは勿論人情として当然だが、この悲劇を故意に「起こさせた」大統領に対する調査、ないし捜査が行われて然るべきであるのに、その点についてアメリカ国民はあまりにも無知、若しくは、無関心または鈍感である。


◆第2点:グラウンド・ゼロという言葉を使うのは日本人に対する配慮に欠ける。無神経だ。

 

グラウンド・ゼロ(ground zero)という言葉は元来、「爆心地」を意味する、普通名詞だが、アメリカ人がground zeroと言うときには、広島の原爆投下地点の事を指すのである。例えば、Encyclopaedia Britannica(ブリタニカ百科事典)で「核兵器」(Nuclear weapon)という項目を引くと、次のように記されている。



Nuclear weapons are thus far the most devastating weapon of mass destruction. They inflict their damage by a combination of intense blast, heat, electromagnetic energy, and radioactivity. Within a few minutes the single rudimentary bomb dropped on Hiroshima in August 1945 killed tens of thousands of people and destroyed all the buildings inside a 1.6-km (1-mi) radius of “ground zero” (i.e., the point of impact).

(訳)・・このように、核兵器は最も悲惨な結果をもたらす大量破壊兵器である。その破壊力は、強烈な爆風と熱、電磁波、そして放射能の影響が混然となったものである。1945年8月、広島に投下されたもっとも原始的な、ただ一つの原子爆弾は、爆発後わずか数分で「グラウンド・ゼロ」(爆心地)から半径1.6kmの範囲内にある全ての建造物を破壊し、数十万人の人間を殺害した。




 

自分たちの親か祖父母の世代の人間が、広島の非戦闘員を数十万人殺したことをよく考え、簡単にグラウンドゼロなどという言葉をニューヨークのテロ現場に使うべきではないのである。不謹慎である。

 もっとも、引用した共同通信の記事も、大して長い文章ではないのに、「グラウンド・ゼロ」が2回も使われている。多分記事を書いた共同通信の記者も、この言葉の意味を知らないのだろう。ジャーナリストなら、グラウンド・ゼロの意味ぐらい知っているべきで、不勉強のそしりを免れない。


2003年09月11日(木) すさまじい台風で大勢けが人が出ているのに、総裁選や石原発言やNY911の方が大事なのかね?
2002年09月11日(水) 9.11・・・・

2004年09月10日(金) 「4―6月実質GDP改定値、年率1.3%増に下方修正」 どうするの?竹中さん?

◆記事1:4―6月実質GDP改定値、年率1.3%増に下方修正(本日の記事。日経)

内閣府が10日発表した2004年4―6月期の国内総生産(GDP、季節調整値)の改定値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.3%増となり、8月に発表した速報値(0.4%増)を下回った。年率換算では1.3%増と速報値(1.7%増)から下方修正。また、名目GDPの改定値は前期比0.5%減(速報値は0.3%減)、年率換算で2.1%減(同1.3%減)となった。


◆記事2:8月の銀行貸し出し、3.1%減=80カ月連続で前年割れ−日銀

 日銀が8日発表した8月の貸出・資金吸収動向(速報)によると、都市銀行や地方銀行の貸出金の月中平均残高は、前年同月比3.1%減の386兆6792億円だった。前年割れは80カ月連続。

 業態別では、都銀(信託銀などを含む)が4.9%減、地銀が0.9%減、第二地銀が0.4%減。銀行と信用金庫を合わせた貸出額は2.8%減となった。


◆コメント:どう見ても景気が回復しているとは言い難い。

 

8月16日に今年の4−6月期のGDP速報値がでました。そのときの数字が既に悪かったのです。

経済指標というのは最初に速報値が出て、その後、季節調整とか念入りに計算して、改定値を出す、という習慣になっていて、今日、今年のり4月から6月のGDP改定値が発表されました。

そうしたら、速報値の時よりも、もっと悪くなっていました。それでも「景気は回復している」と、今日の閣議後の記者会見で竹中さんはムキになって、言っていましたが、同意出来ません。


8月16日に詳しく書きましたが簡単に繰り返すと、竹中さんの理論というのは、「不況の原因は、銀行が不良債権が足かせになって、新規の貸出をしないことにある」と言うことです。このため、企業はカネを借りて、設備投資をして、生産を増やすことができない。それが不況の原因なのだ。生産が増えなければ、需要、つまりモノやサービスを買う人が増えない。という考え方なのです。


このような、「供給が増えれば需要が増えるのだ」という経済学の立場をサプライサイドエコノミックスというのですね。この正反対に位置するのがケインズ経済学というものです。ケインズは需要を増やさなくてはいけない、と考えました。不況の時は、だから、需要を増やすために、政府がどんどん資金を使って、公共事業をおこなったりするのが大切なのだ。という立場です。



◆ケインズ理論も欠点があるのですが、いま、サプライサイドの政策を日本で行っても効果が無いことは明らかです。

 

ケインズ理論でやると、需要が供給を上回る状態がつづくので、価格が上がり、インフレをもたらすという弊害があります。レーガン大統領の時のアメリカ経済がそれをやってしまいました。

 しかし、竹中さんの供給重視の理論はやはり間違っているといわざるをえないでしょう。結果が何よりも雄弁にそれを物語っている。

 銀行の不良債権は、ピーク時の半分以下に減っているのに、記事2に書かれているとおり、銀行貸出残高は、なんと80ヶ月(6年8ヶ月)の長期にわたって、減り続けています。

 つまり、不況の最中なので、いくら銀行が貸しますよと言ったって、企業が資金を必要としていないのです。国民も所得が減っているから、モノの値段が下がり続けていて、本来なら、買えるモノも買い控えている。そういうときに、年に4回も銀行に検査に行って、不良債権ばかりをチェックしていても効果は、期待できません。


 

竹中金融相は、GDPや銀行貸出残高、消費者物価を見ているはずですから、今の政策を続けていても駄目で、総需要を刺激する方向に転換しなければいけないという決断をして欲しいです。兎に角今のままでは、だめ。まだ、日本はデフレ不況にあり、政府はそれに対して適切な策を講じているとは言えません。


2003年09月10日(水) アメリカ人は全員、自国の歴史を正確に知る必要がある。

2004年09月09日(木) 人間の心の複雑。防御機制 嫌いな相手には自分が「投影されている」

◆フロイトが発見した「無意識」の存在。

 

発見したといっても、何せ、ガンに冒された患部を切除して「はい、ここがガンです。」と言うような具合には行かない。それでも、人間の頭の中でどのような作用が起きているかに興味を持つ人は多いだろう。

 精神分析学という「学問」を作ったのが、フロイトである。フロイトの理論には賛否があるけど、兎にも角にも、人間の意識には、イド、自我、超自我がある、などと言うことを思いつくのはただ者ではない。このベースがあったから、人間の心を研究する学問が発展したわけだろう。


◆防御機制とは何か

 

私は専門に精神分析学や、臨床心理学、臨床精神医学を勉強したわけではない。が、こういう場所にまとめると勉強になる、という利点もあるので、書いてみる。

 英語なら、defenceかmechanism of defenceだけど、日本語だと「防御機制」「防御機構」「防衛機制」「防衛機構」とか少しずつ言い回しが違うので、調べにくいが、大体わかった。

 フロイトが言う人間の意識の3つの階層で、イドというのは、要するに何の制約も受けない、本能、欲望そのものである。しかし、現実には人間は社会生活を営んでいて、そこでは、道徳、法律、その他諸々のルールがある。これが頭の中の超自我という部分である。

 人間は本当なら、イドの赴くままに行動したいけれども、超自我による制約を受ける。ここにストレスが生じる。それを調整しているのが、我々の、意識的な部分。自我である。自我が現実世界でなんとか調整しようとしても、上手く行かないときの方が多い。そういうときに、自我が崩壊するのを守るために、作動する心理が防御機制である。


 

防御機制には、抑圧 退行、同一視、合理化、投影、反動形成、逃避、置換、昇華、補償と沢山種類があるけれども、「抑圧」は自我の安定を脅かす不都合な観念や衝動を無意識へと追いやる精神作用である。自我の防衛機制のなかのもっとも基本的なものであり,他のすべての防衛機制の前提である。

 人間はまず、都合の悪いことを見たり聞いたり、考えたりすると、そういうことは無かったことにしようとするわけである。

しかし、「抑圧」はその文字が示すとおり、抑え付けている衝動だから、いつかはまた意識の世界に戻ってこようとする。そのときに素直に抑圧を認めないと、歪んだ形で出てくる、これが、別の防衛機制を引きおこす。


◆普通の人々にも、しばしば見られる「投影」

 

「投影」(Projection)は多くのひとが、しばしば行っている防御機制である。投影とは、自分自身の資質,欲求,感情等を認められない,あるいは認めたくないときに,それらのものが自分のものではなく,他の人や物にあるかのように感じとる作用。

 たとえば、ある人妻が不倫願望を抱いているが、いけないことなので、「抑圧している」。それを誤魔化すために、旦那が浮気している、あるいはしようとしている、と言いがかりをつけるのは、「投影」である。

 精神医学の本を書店で立ち読みしていたら、たまたま、「境界性人格障害」や「自己愛性人格障害」の診断のポイントに自分がぴったりあてはまる。ドキッとする。

しかし、自分が人格障害者だとは思いたくない。そこで、適当な相手にその性格上の欠陥をなすりつけて、攻撃して、自我の安定を保とうとする。これも「投影」である。

 また、自分の性格の欠点を他人に見出しやすいのも、投影の一種である。自分が非常に気に入らない相手がいたら、その相手の性格に自分の性格の欠点が現れているのではないか、と点検してみることは、肝要である。


2003年09月09日(火) 今、月と火星が大接近していますよ。

2004年09月08日(水) ドボルザークは「鉄道オタク」だった。今日が誕生日。

◆ドボルザーク(1841年9月8日生まれ。1904年5月1日没)。没後100年なんですね。

 

知らなかったですね。今日が誕生日というのは、すぐ分かるのだけど、没後100年か。その割にはあんまり、特集を組んだコンサートとか、ないですね。バッハ(1685‐1750)生誕300年とかすごかったのですがね。レコード会社とかいろいろ企画を考えてました。勿論クラシックの話だから、規模はたかが知れています。

 ドボルザークはもう少し、いろいろやってあげても良いとおもうのですがね。大抵、こういうキリのいい年にはその作曲家のあまり知られていない作品がCDになったり、コンサートで取り上げられるという企画が持ち上がるのですが・・・。

 要するに、普段から十分親しまれているからね。名曲コンサートで「新世界より」(交響曲第9番)が日本で一年に一体何回演奏されるか。それから、素人オーケストラも必ず一回は演りたがるからね。アマチュアまで含めたらすごいと思いますよ。


◆ものすごい鉄道マニアだった、ドボルザーク

 

音楽家とか芸術家は変わった人が多いです。鉄道ファンが変わっているというわけじゃないけど、ドボルザークは、かなり今でいうところの「鉄道オタク」です。

彼は、毎日、プラハのフランツ・ヨゼフ駅に通い(仕事の後に)何時間でも機関車を眺めて喜んでいました。時刻表は全て暗記していました。機関士と知り合いになれた時は、「天にも昇る心地だった」と書いています。

 自分が行けないときには、しばしば弟子(作曲の弟子です)を駅に行かせて、どの機関車がどの型の列車を引いていたかをしらべさせたりしました。

あるとき娘の婚約者に、新しい機関車の車体番号を調べに行かせたら、婚約者の男性はそんなことそれほど興味がないので、間違った報告をしてしまい、これがあとでバレます。

そしたら、ドボルザーク先生、激怒し、お嬢さんにむかって、「お前、ホントにこんな間抜けと結婚する気か?」と言い出したそうです。作りじゃないです。実話です。


◆「新世界」じゃなくて「新世界より」なんです。

 

何を細かいことを、と思われるでしょうが、まあまあ。

 彼は、ヨーロッパ国民学派のひとりで、ボヘミア地方の生まれです。今のチェコですね。

東欧ってのは、アジアとヨーロッパの中間みたいな特徴があって、ハンガリーなんかはもっとそれが著しくて、ハンガリー語には、日本語と発音と意味を同じにする言葉がいくつもあるそうです。ボヘミアはそこまでいかないけれども、ボヘミア民謡のメロディーというのは、なんとなく東洋っぽいのです。泥臭い感じがあります。


 

ドボルザークは、作曲をしながらプラハ音楽院で教えていましたが、1892(明治25)年9月にニューヨークに行きました。青果商の大金持ちの奥さん、ジャネット・サーバー夫人が作った、ナショナル音楽院という学校の学長として招聘されたのでした。何故、遠い見知らぬ国へ来たかというと、お金です。

 サーバー夫人のオファーは、年俸が1万5千ドルで、当時のボヘミアの通貨単位グルデンに換算すると、3万グルデンに相当するのでした。一方、プラハでの彼の年俸は1200グルデンでした・・・。年収が25倍になると聞いたら、それはね。やっぱり。

 ナショナル音楽院では作曲の授業をしましたけれども、理論的なことを教えるのは、あまり好きでも得意でもなかったらしいですね。ある時、学生達に「モーツァルトについてどう思うかね?」と訪ねました。「古典派からロマン派への架け橋」とか「オペラの形式を確立した」とか、理屈っぽいことをいうと、「違う、違う」といいながら、窓に歩み寄り、空を指さし、「見たまえ。モーツァルトは太陽なんだよ!」などと言っていたそうです。良いですね。作曲家って、理屈っぽい人が多いですから。

 今日まで、日本で、通算何回演奏されたか分からないほど、頻繁に演奏される、彼の交響曲第9番ホ短調は、アメリカ滞在中に祖国を懐かしく思い出しながら書いた曲なのです。だから、「新世界」じゃないのです。"From the New World" 、「新世界より」(祖国に向けて・・・)という曲なのです。


◆もし、コンサートで「新世界より」を聴くことになったら、知っていると面白いこと。

 

この曲は80人ぐらいのオーケストラで演奏すると思いますが、悲惨な奏者が二人います。

 一人目は、チューバ奏者です。これがチューバです。先日、ヴォーン・ウィリアムズという作曲家のことを書きましたが、かれは、この楽器の為の協奏曲を書いた極めて、珍しい人なのです。

 さて、話をドボルザークの「新世界より」に戻すと、この40分強の曲の中で、チューバ奏者は8小節しか音を出しません。第2楽章の冒頭と第2楽章の終わりにそれぞれ4小節。しかも、長い音をのばすだけの、簡単なもの。あとは、どうするか。座っているだけなのです。いや、はっきり言うと、寝ています。この、チューバ奏者がいかに寝ていないように見せかけて、寝ているか、に注目すると、面白い。


 

二人目の悲惨な人は、シンバル奏者です。これは、もっとすごい。第4楽章にただの一発。シンバルのパートには全曲を通じて、この一音しか無い。ただし、その前第3楽章にトライアングルがあるから、多少救われます。

 シンバルなんて誰でも出来るではないかとおもうと、これがそうでもないのです。持ってみると、かなり重いです。それを両手に一枚ずつもって、合わせるわけですが、重いから、下手すると、完全に出遅れる。

打楽器の音は目立ちます。絶対に聞こえる。これが間違えたら・・・・。しかも、全曲通じて一つしか音がないのに、遅れたり、強すぎたり、弱すぎたりしないように音を出さなければなりません。

 その前に、何度か叩く音があるなら、「カン」がつかめますよ。しかし、ずっと音を出さないで30分以上待って、いきなり弱めの音で、「シャーン」という感じの音を出さなければいけないというのは、なかなか、分かってもらえない辛さのようです。人は皆、打楽器なんて簡単だと思いますものね。

でも4楽章よく見ていてあげて下さい。その一音のために、じっと集中力を高めている打楽器奏者がいるのです。


2003年09月08日(月) 「国連はイラク復興に責任 日本の積極貢献を要請 ブッシュ大統領」 お前なあ、いいかげん張り倒すぞ。

2004年09月07日(火) 「地球温暖化→氷河がとける→海洋水大循環が狂う→欧州の寒冷化」"The day after tomorrow"のベース

◆昨日の補足。氷河が溶けると、何が困るのか。1つには水不足。

昨日引用した、地球温暖化の記事の中で、「中国科学院の専門家が、チベット高原を中心とするアジア高地にある4万6298の氷河の大部分が、地球温暖化などの気候変動のため2100年までに消滅すると予測した。」と書いたけれども、チベットなど内陸部では、氷河は要するに、淡水の固まりなので、これが溶けて無くなってしまうと、飲み水が無くなるわけです。これは、直接的で、分かりやすい。


◆「熱塩循環の停止」という恐れ

 

世界の海の水は、超巨大なベルトコンベアーのようになっていて、約2000年かけて、地球を一周する。

 低緯度で暖められて、表層を流れてきた海水は暖かく(メキシコ湾流)、これがヨーロッパ大陸の西の大西洋を通るので、多くのヨーロッパの都市は、東京どころか、ロンドンなどは北海道よりも北にあるのにもかかわらず、極寒にならない。

 海水の密度(単位体積の質量)は、温度が低く、塩分の濃度が高いほど、高くなる。つまり重くなる。メキシコから北上してきた海水は、冷気と接触し、水温が下がると共に塩分の濃度が増す。つまり、海水の密度が高くなる。このため、グリーンランドの東の海で、表層水は海の深いところへ沈み込む。この運動がベルトコンベアーを動かす原動力になっていて、熱塩循環と呼ぶ。


 

こうしてできた深層水は大西洋を南に流れ、南極のまわりの海に達し、東へと流れる。それから太平洋を北上し北太平洋で上昇して表層に戻り、そこからインド洋を経て大西洋に流れ、大西洋の表層を北上して北大西洋に戻る。これで1周するわけだが、それには始めに述べたように、2000年もかかる。この壮大なGreat Circulationという図をご覧頂きたい。

 ともあれ、このような海洋水の大循環によって、比較的温暖な欧州の気候が保たれていたのである。

ところが、海水に近いところにある、淡水の氷河が海に流れ込むと、これから大西洋で沈み込もうとしている表層水の塩分の濃度を薄めてしまう。すると、海水の密度が高くならず、深海への海水の沈降が起きなくなる。極端な仮定をすると、海洋大循環、世界の海水の流れを止めてしまう。これが、熱塩循環の停止という重大事なのだ。

 前述のとおり、欧州の緯度は高いのに、温暖なのは、メキシコ湾流に乗って流れてきた、暖かい海水のおかげである。従って、欧州大陸は、非常に寒冷な場所になってしまう恐れがある。


 

映画の"The day after tomorrow"は、わずか数日で、世界中が凍ってしまうような極端な描きかたをしているようだが、それは、まあ、映画ということで、実際にはあんなに極端なことが、極めて短時間に起きることはないだろう。

 それでも、二酸化炭素の増加→地球温暖化→氷河の溶解→熱塩循環への影響ということは有り得るのである。

環境問題は勿論、地球温暖化だけではないが、 昨年、ロシアのプーチン大統領が「地球の気温が上がれば、毛皮を買わなくて済むのでちょうど良いと述べて、世界の失笑を買ったけれども、そのような認識では、困るのである。


2003年09月07日(日) 煩悶

2004年09月06日(月) 「地球温暖化の進行は疑いの余地のない事実である」(National Geographic最新号)

◆記事1:National Geographic 最新号(9月号)より「地球温暖化の進行は疑いの余地のない事実である」

 地球温暖化が、進行していること、しかも加速していることは、最早議論の余地が無い。

本当に問題なのは、人間活動がどの程度、温暖化に関与しているのか、そして、関与しているとして、今まで、どっぷりと使ってきた、化石燃料を燃やすことによって得られる恩恵への欲求を、我々は、抑えることが出来るのかどうか、である。

 過去百年で、地球全体の平均気温は約5℃上昇した。これは、平均であり、北極や南極に近い場所では、温度の上昇の程度はより、早く、進行している。
 その結果、氷河が融解し、河川は干上がり、海岸は浸食されている。影響は動植物にも及んでいる。

 我々はしばしば、地球温暖化などという出来事は、遠い、関係の無い世界で起きていることで、自分には無関係であると考えるが、それは、正しくない。

地球温暖化は目に見えないが、意識から閉め出すべきではない、重大な問題である。


◆記事2:2100年に氷河消滅 チベット高原研究家が予測

 

【北京4日共同】4日の新華社電によると、中国科学院チベット高原研究所の姚檀棟所長は同日までに、チベット高原を中心とするアジア高地にある4万6298の氷河の大部分が、地球温暖化などの気候変動のため2100年までに消滅すると予測した。

 日米中の合同調査隊がヒマラヤ山脈の北側に位置するチベット高原を40日間調査した結果、氷河がこれまでにない速度で全面的に衰退していることが分かった。

 姚所長によると、この地域のヒマラヤ、崑崙、天山などの各山脈に分布する氷河の総面積は5万9406平方キロあるが、最近40年間で年平均7%も衰退、とりわけ1990年代に入ってその速度が増している。 最も衰退が激しいのはチベット自治区南東部とチベット高原の海抜が低い地域。

 一方、中国気象局の専門家の推計では、2050年時点で冬季の気温が1−2度高くなれば、中国西部の氷河面積は約27%衰退するという。 (共同通信) - 9月4日20時57分更新


◆記事3:気温4度上昇で氷河消失、世界で水不足に…WWF(昨年12月の記事)

 国際的な環境保護団体「世界自然保護基金」(WWF)は、地球温暖化が進むと淡水の貯蔵・供給源である氷河が消失し、世界各地で深刻な水不足が起こると警告した。

 アラスカの氷河が以前の2倍以上の速さで溶けるなど、各地で氷河の後退が確認されているが、WWFは、今世紀末までに平均気温が4度上昇すると、地球上の淡水の70%を占める氷河がほとんど消えると推定。生活水を氷河に依存する地域で水危機が起き、エクアドルやボリビア、ヒマラヤ地域、ツバル島など太平洋の島国で、特に被害が深刻になると指摘している。

 WWFは、先進国に対し、二酸化炭素など温暖化ガス削減目標を定めた京都議定書をどう達成するのか、1日からイタリア・ミラノで始まった気候変動枠組み条約締約国会議(COP9)で明示するよう訴えている。 (2003/12/1/15:31 読売新聞)


 ◆コメント:温暖化はねえ・・。ヤバいのですよ。

 記事1(英語のサイトから私が訳しました。素人なんで、間違いがあったら、ごめんなさい)、記事2はここ数日のものである。記事3はやや古いが、昨年12月の記事で、氷河が溶ける事の深刻さを伝えている。
 文字で書いてもなかなかわかりにくい。写真が豊富なサイトは無いかな、とおもっていたら、最新号のNational Geographicが特集を組んだ。

National Geographic誌は世界で最も有名な雑誌の一つで、英語は難しいが、世界中の動植物、民族、自然環境などの美しい写真を眺めているだけでも結構楽しめる。最近は日本語版が出来たから、大変便利である。

インターネットでは、英語版は記事のかなり詳しい部分まで、読ませてくれるのだが、日本語版のWebサイトは表紙から一歩、中を見ようとしたら、日本語版の紙の雑誌の年間購読者にしか、パスワードを発行しない、と、拒否されてしまった。年間購読料は9,000円だ。

 だから、Webサイトではなく、紙の日本語版のNational Geographicを買って読んでみると(いきなり年間購読することもないだろう)地球温暖化の深刻さを分かって頂きやすいと思う。

 しかし、英語のサイトのこのあたりの写真を見ても、かなり、イメージが分かるであろう。

 もっとも、この問題は、ずっと前から、深刻なのだ。

 過去にこの日記で何度も紹介した、国連環境計画の地球環境概況2000というレポートは、恐ろしい、何しろ、結論は



「地球温暖化を防ぐのは、既に手遅れであることを、諸々の兆候が示している」


というのだから。


2003年09月06日(土) 日本の防衛の脆弱性はほとんど、コント
2002年09月06日(金) アメリカ建国の歴史

2004年09月04日(土) 「ロシア学校占拠、制圧 死者322人・病院搬送704人 」 ロシア大使館にメールを送った。

◆記事1:ロシア学校占拠、制圧 死者322人・病院搬送704人

ロシア南部の北オセチア共和国で起きた学校占拠事件で、ロシア連邦軍は4日未明(日本時間4日早朝)、武装集団を制圧した。現地対策本部によると、死者は子供155人を含む322人に達し、約80人が体育館のがれきの下に残っているという。病院に運ばれた負傷者は704人。チェチェン独立派によるとみられるテロとしては最悪の惨事になった。武装集団は27人が死亡、3人が逮捕されたが、数人が逃走中という。死亡した武装集団のうち10人はアラブ人で、国際テロ組織が連携したとみられる。

 内務省関係者の話として現地メディアは、爆発で崩れ落ちた体育館の屋根などの下には、約80人の遺体が残っていると伝えた。緊急事態省によると、病院収容の負傷者のうち子供は283人で、92人は重体という。


◆記事2:背後に劇場事件と同じ最強硬派司令官 ロシア学校占拠

 

ロシア・北オセチア共和国の学校占拠事件で脱出した人質の証言などから、チェチェン共和国の独立を要求する武装勢力の中でも最強硬派のバサエフ野戦司令官が背後で事件を操っていた可能性が高まってきた。

 3日付のコメルサント紙によれば、実行犯のリーダー格は3人。マガス、ファントマス、アブドラとそれぞれ名乗ったという。ロシア治安当局によれば、マガスは6月にイングーシ共和国の内務省を襲撃した武装集団の主犯。この襲撃事件はバサエフ派が関与したことがわかっている。今回の事件でもマガスが主犯格だったと見られる。


◆コメント:ただ、「ひどい事件だ」と言っていてもしかたがない。

 

以前、チェチェンの武装勢力により、大勢の一般人が犠牲になったのは、2002年10月のことである。モスクワの劇場をチェチェン武装勢力が占拠した。あのときは、銃撃ではなく、ロシア側が犯人制圧の為に、鎮静ガスを注入したところ、その使用量が多すぎて、人質が100人も亡くなった。

 私はそのときに、あまり簡潔にまとまっていないが、チェチェン紛争の基礎知識をまとめたので、お読み頂きたい。


 

前回も今回も感じるが、プーチンは初めから、人質の命をさほど重要視していない。チェチェンをのさばらせる方が危険だと考えている。ロシアという国は歴史的に見てもどうもそういう傾向がある。

 今回も、強行突入はプーチンの画策だろう。状況証拠でしかないが、 現場の指揮官はテレビ(BBCだと思う)のインタビューに対して「我々は、強行突入するつもりではなかった」という、重要な証言をしている。

 プーチンは、国際社会に向けて、ロシアは民主国家だと見せかけているが、前回の大統領選のときには、対立候補を妨害したり、その前から、プーチンに批判的だったマスコミの重要人物を弾圧して、彼らを国外に追放した。また、自分がソ連時代に属していた、KGBを復活させて、反体制分子を監視させようとしている。要するに、独裁国家に戻そうとしている。だから、今回も、国民から非難の声が上がっても、多分、強硬手段を用いても、口を封じてしまうだろう。

 そして、これは、チェチェンとは関係が無いけれども、モスクワの劇場占拠事件のさらに2年前、2000年8月12日、ロシア北洋艦隊の原子力潜水艦「クルスク」が、バレンツ海に沈没した。救助が難航して、ついに乗組員全員が死亡した。このとき、ロシア政府が本気で乗員を救出しようとしているのか疑問に思えるほど、救助活動はもたついていた。乗組員の一人の母親が、息子の死を知り、政府の乗組員家族への説明会の席上、副首相を大声で罵倒しはじめた。

 すると、うしろから、数人の人間が静かに近づいた。一人の手には注射器があった。白衣を着た女医がその注射を、泣き叫ぶ母親に突き刺したら、わずか数秒で意識を失い、どこかへ連れ去られてしまった。この様子はテレビ映像で全世界に流れ、ロシアはやはり、民主国家ではないことを印象づけた。


◆パイプラインがチェチェンを通っているから、ロシアは、独立を嫌がる

 

チェチェン紛争が絶えないのは、チェチェン共和国の独立をロシア政府が認めないからであり、それは何故かというと、チェチェンの国土をパイプラインが通っているからである。この大切なエネルギー供給インフラを、「他国」のものにするわけにはいかない、というのが、ロシアがチェチェンを弾圧する最大の理由である。チェチェン独立を求める人々をプーチンは「ペスト」と侮辱している。


◆親ロシアのアフマド・カディロフ大統領が5月9日に爆殺されてから、激化している、ロシアの暴虐。

 

テロは許されないが、今年の5月9日、チェチェン共和国の首都グロズヌイで、親ロシア派の大統領、アフマド・カディロフが、戦勝記念式典の最中に爆殺された。これは、チェチェン過激派の犯行だとされ、それ以降、ロシア兵士のチェチェンにおける拷問や婦女暴行が行われていることは、アムネスティ・インターナショナルとヒューマン・ライツ・ウォッチの共同声明で暴露されている。


◆イラクの人質問題の時などはあれほど団結するのに、こういうときは知らん顔をする日本人。

イラクで3人の日本人が拘束されたとき、日本の大衆は、こぞってこの3人にたいして、あらゆる手段で非難し、嫌がらせを、行った。

それは、世界中のマスコミが驚いて、それぞれの自国に伝えたほどだった。

ついにはアメリカのパウエル国務長官にまで、「イラク人の子供を助けていて、こういう目にあった高遠さんを日本人は誇りに思うべきだ」と諭されてしまったのを忘れた人はいないだろう。皮肉なことに、日本の大衆、世論が、世界の「注目」を浴びた、希有な例だった。


 

イラクの件や「自己責任」問題と今回の「チェチェン紛争を背景とする人質事件」との間に関係はない。私が言いたいのは、日本人は弱者を攻撃するときにだけ、異様に情熱を燃やすが、他国、それもロシア政府などという「怖そうな相手」に対しては随分、弱腰だね、ということだ。

 イラクの人質事件のときに、やや大袈裟に言えば、「世界を動かす」(感心されたのではなく、軽蔑されたのだが・・・)ほどのエネルギーが発揮できたのだから、こういうときにこそ、それを活用すべきだ。

 今回の悲劇に関して、「2ちゃんねる」に書き込んでいるヒマがあったら、全員、ロシア大使館に抗議メールを送ってはどうだろうか。但し、ただ感情的に攻撃的なことを書いてはだめだ。 私は、既に、送った。「私は、貴国の芸術に対しては以前より、深い尊敬の念を抱いてきた。しかしながら、ここ数年、貴国の対チェチェン共和国政策には、疑念を抱かざるを得ない。チェチェン過激派のテロ行為は正当化されないが、アムネスティ・インターナショナルとヒューマン・ライツ・ウォッチによって報告されている、貴国によるチェチェン一般市民に対する残虐行為も、同様に正当化されない」

読まれもしない可能性が高い。私の名前は彼らの何らかのリストに載るだろう。しかし、何もしないよりは、いいだろう。


2003年09月04日(木) 食わず嫌い、物はためし・・・今日はブルックナーの誕生日。
2002年09月04日(水) アメリカの馬鹿

2004年09月03日(金) 「私見では、我々にとって最も不愉快な人種は、相手を見境なく分類して、レッテルを貼る人達である。」(B・ラッセル、英哲学者)

◆引用:ラッセル:[人間を分類することについて]

私見では、我々にとって最も不愉快な人種は、相手を見境なく分類して、レッテルを貼る人達である。この不幸な習性の持ち主は、自分が相手にピッタシと思われる付箋を貼り付けた時に、その対象たる人間について完全な知識が得られたと空想する。・・・。

 しかし、この種の分類をする側と分類される当人の感情の間には、根本的対立がある。自分が特定の一つの形容詞で要約された人は、誰でも自分の人格がそれほど単純化されたことの不快感をおのずと経験する。

 当人は神秘的で窺いがたい人格的深遠さを持つのに、自分以外は皆簡単に理解されうるなどという考えは、統計上ほとんど可能性はないにもかかわらず、たいていの人がもっている自己の優越性の信念の一部をなしている。

他の全ての独善的見解の例に漏れず、それは世界をあるがままの興味深いものとして見ない。他人を理解することは容易ではないが、それの困難さを理解しえぬ人間によってこれが達成されえぬことだけは確かである。・・・。


◆コメント:バートランド・ラッセルは懐かしいのですよ。

 

ラッセルは、比較的最近まで存命であった英国の哲学者で、世界的な知性と言っても過言ではなく、アインシュタインと親交があり、共に平和運動に邁進したことで知られる。


 

上に引用した文章は、私が付け焼き刃で調べたものではない。

 私の学校には、日本におけるラッセル研究の第1人者で、ラッセルの著作を数多く翻訳したことでも知られる、故・市井三郎教授がおられて、市井先生から直接ラッセル哲学の講義を受けたのである。

 私は、たびたび、市井先生の講義で、非常な感銘を受けたので、20年以上を経ても、まだ手元に本があるのだ。

 「碩学」とは、このラッセル博士のように、私たちが日頃言いたくても、なかなか、簡潔明瞭に言語で表現出来ないことを、快刀乱麻を断つがごとく、これ以上適切ではあり得ないほど、見事に述べることが出来る人のことをいうのであろう。

 私が言いたいことは、もう、すべて引用した文章に含まれている。


 

昨日、物理的な面での「デジタル志向」について書いた。

 その後、思いついたのは、昨今の人間の思考も、「デジタル形式」になっているという一般的傾向である。

 デジタルとはすなわち0か1ということである。つまり、「デジタル思考」とは何でも、物事を「白か黒」、「全か無」、の2つに1つに決めつけてしまうという心的態度に他ならない。

 ところが、ラッセルが言っているように、また、我々の経験則からも明らかなとおり、人間はそれほど単純な存在ではない。


 

私が学生の頃横溝正史の小説が、次々に市川昆監督により映画化された。

そこで、毎回、名脇役として登場するのが、加藤武さんという役者さんの扮する刑事である。

全然考えないで、すぐに大げさな身振りを交えて、「よし、(真犯人が)分かった!」と叫ぶのだが、全然分かっていないところが可笑しかった。演出の妙である。
 その警部が、「悪魔の手毬歌」だったか、「八ッ墓村」で、言ったセリフが、また、実に傑作だった。

 「いいか?人間には2種類しかいない。『悪い奴』か『いい奴』だ」

確信に満ちて言う、加藤氏の演技がまた絶妙で、私は全ての横溝映画の中で、このセリフが一番好きだ。

勿論、コミカルな演出が好きなのである。


 

映画ならば、冗談で済むけれども、昨今の世の中の人々の思考パターンはこれが冗談でなく、デジタル方式=二分法になっているように思われる。

もっとも、ラッセルが上の文章を書いたのは数十年前だから、何時の時代にも、似たような輩(やから)はいたのだろう。

私も、というと、口はばったいが、ラッセル氏と同様に、そういう人には違和感を覚えざるを得ない。

 この世の中に「完全な善人」もいなければ、「完全な悪人」も多分いないだろう。

 同様に、「完全な正常な人間」と「完全に異常な人間」しかこの世にはいない、と本気で考える人がいるとすれば、それこそ、失礼ながら、その本人が、かなり異常なのではないだろうか(完全に、とは言わない)。

 人間は黒か白かではなく、「連続的に濃度が変化するグレー」の部分のどこかにいる、というのが、多分、真理なのであろう。


2003年09月03日(水) 頭が良いことは、少しも自慢にならない。
2002年09月03日(火) 大きな古時計

2004年09月02日(木) 強迫的にデジタル志向な世の中

◆PC、携帯に代表されるデジタル機器が世の中を席捲しているが・・・

 

それが、悪いというわけではない。現に私もこうして毎日パソコンに向かって文字を打ち込んでいる。ただ、世の中が、デジタル機器を「使わねばならぬ、」という一種の強迫的な観念にとらわれているのが、少々滑稽に思えるときがある。


 

話が横道にそれるが、「強迫」と「脅迫」は違う。

強迫神経症といって、戸締まりをしたと、自分でも分かっているのに、何度も確かめないと気が済まないとか、別に汚いものをさわったわけではないのに、始終手を洗わないと気が済まない(洗浄強迫)とか、そういう精神症状を呈する病気がある。

字を見れば分かるだろう。「強く」「迫る」のである。ときどき、「脅迫観念」と書いている人がいるが、そういう言葉はありません。「強迫観念」です。広辞苑を引いてみると分かる。ご参考まで。


 

さて、デジタルであるけれども、あまりにこれにばかり頼るのはどうかと思う。

 勿論、デジタル機器の方が優れている場合もある。辞書・事典はその最たるものだ。

 語学学習者などは紙の辞書よりも、電子辞書を使ったほうが、本気にやる気があるひとならば、絶対効率がよい。単語学習ソフトなど、必要ない。電子辞書なら、たとえば、英語学習者ならば、とにかく沢山英語を読んで、分からない言葉は片端から、電子辞書で調べていけば、自然にボキャブラリーは増える。

 辞書のような、出来合のデータベースなら、もし、データが消失したり、機械が壊れても、また買えばよいが、個人的なデータを保存することに関して、あまりにも、デジタル機器に頼ると、一発で全てを失う危険があり、だから、初心者向けのパソコンの本にはバックアップの大切さ、などと言う項目がかならずある。

しかし、たとえば、内蔵HDDのデータを外付けHDDにバックアップしておけば、一応安心だが、いきなり、すぐそばに落雷があって、雷ガードタップを使用していなかったら、あら、残念でしたということになる。


◆一番大事なことは、やはり、紙に記録する。

 

では、一番大切なデータはどうしたらよいかというと、やはり、紙に書いておく(プリントアウトでもいいけどさ)のが、安全である。何といっても紙はやはり便利なものだ。

PDAが世の中に出回り始めた頃に、ザウルス文庫とかしきりに宣伝していたが、ああいうもので、小説を読んでいる人を見た試しがない。

本は便利だ。電車がゆれて、手から床に落っことしても、びくともしない。それに引き替え、ポケットPCやPDAをガチャンと床に落下させたら、たいていの人は真っ青になるであろう。

 勿論、紙だって、水に濡れたり、間違って捨ててしまったら、データは消失、若しくは紛失する。また、保存に場所を取るという大問題はあるけれども、そのかわりに、落雷や、床に落としたぐらいではびくともしないたくましさがある。


◆記録には、速記

 

それから、会議や人との打ち合わせなどの記録を取るとき、ボイスレコーダーというのもあるが、あれだって、下手して電源が無くなって、綺麗さっぱりデータ消失、という心配がある。タッチタイプが早いのが自慢の人でも、シグマリオンとかモバイルギアで、完全にナチュラルスピードで話される日本語を打ち込むことが出来る人はほとんどいないだろう。

 時代に逆行するように感じるかもしれないが、速記を覚えておくと、その点、大変便利である。

要点だけをメモするのなら、独学でも十分に役に立つ。普通の文字では、要点だけでも、結構、書き留めるのは難しいものである。

早稲田式と中根式が古くて有名だ。国会の速記は衆議院と参議院では、何故かメソッドが異なる。その他にも、ネットで検索すると分かるが、驚くほどいろいろな種類がある。数十種類はある。


 

私が勧めるのはV式というもので、これは独習が十分可能だ。速記の通信教育は勿論あるが、大抵挫折すると思う。V式は非常に単純である。

 そんなもの、覚えても仕方がないと思う人は、メモの大切さを知らない人か、学生なら、ノートをろくに取らない人だろう(つまりあんまり本気で勉強していないひとだ)。

 今をときめく売れっ子作家、宮部みゆき氏は元速記者である。その頃にいろいろな人の話を記録したことが、今の、文章構成力に明らかに役に立っていると書いているのを読んだことがある。そして、速記文字は一種の暗号として役に立つ。人に見られたくないデータは速記文字で書いておくと安心だ。

 今ではタッチタイプが早い人など、珍しくない。そういうときには、あえて時代に逆行するのも一つの定見だ。他には、書道なんかいいだろうね。そのうち、筆を使える人なんて、非常に貴重な存在になるだろう。人と同じ事をやっていては駄目だ。


2003年09月02日(火) 「高島忠夫 うつ病治療から復帰」 良かったですね。
2002年09月02日(月) 世界で最も危険な人々

2004年09月01日(水) 30年前、丸の内でテロがあった。

◆記事:三菱重工爆破事件

昭和49年8月30日昼過ぎ、東京・丸の内にある三菱重工ビルの正面玄関前に仕掛けられていた時限爆弾が爆発した。この爆破の5分前、同社に爆破の予告電話があり警備員らが捜索しようとした矢先であった。この爆破で三菱重工ビルはもとより、近隣のビルの窓ガラスが破壊され、お昼に外食で歩いていたサラリーマン、OLらは空から降ってくるガラスの破片で重軽傷を負った。

爆破事件から一ヶ月後、「東アジア反日武装戦線」が反抗声明を出す。東アジア反日武装戦線は斉藤和(都立大学中退)と友人の佐々木則夫が昭和46年に結成した。《アジアの発展途上国に進出する日本企業を日本帝国主義の走狗》としアジアや南米など発展途上国に進出する日本企業を攻撃することを目的とした「新左翼」の集団であった。東アジア反日武装戦線の組織は『狼』、『さそり』、『大地の牙』の3グループに編成され、メンバーが逮捕された場合は青酸カリで自決するように指示されていた。

その後、昭和50年8月4日、日本赤軍の西川純、日高敏彦ら5人がマレーシアのアメリカ大使館とスウェーデン大使館を占拠し日本政治犯の釈放を要求。指名された8人のうち佐々木則夫を含む5人が超法規的措置で釈放され日本赤軍に合流した。

さらに52年9月28日、日本赤軍の日航ハイジャック(ダッカ事件)で大道寺あや子、浴田由紀子ら6人が同じく超法規的措置で釈放され日本赤軍に合流した。残った大道寺将司、益永利明は昭和53年11月12日、東京地裁で死刑判決。黒川芳正に無期懲役が言い渡された。

「超法規的措置」で釈放したのはテロに屈したことを意味し国際社会から非難の声が高まった。


◆コメント;都心でテロが発生したことがあるんだよ。1974年に。但し、犯人は日本人で、後になんと、釈放された。

 

私は既に中学生だったから、この大事件のことは、はっきりと記憶に残っている。

とにかく新聞の写真は悲惨だった。今は何というのか、耐久性の強いガラス、若しくは、自動車のフロントグラスのように割れても、こまかい粒になるようなガラスが開発されているが、このころの丸の内のビルなんて、まさか、日本人が日本人を無差別に爆弾で殺すなんて、想像だにしなかったから、爆風が、道を歩いている人の体中に突き刺さって・・・。本当に気の毒だった。

足を吹き飛ばされた人の生々しい写真が新聞に載っていて、嫌でも目に入ってしまった。子供心に、こんな事をして世の中が変わる、しかも「良くなる」訳がないだろう、と思った。そもそも「良くなる」とはどういうことなのだ。自分たちが勝手に描いた理想を他人に強要するために無垢な人々を殺戮する、テロリストは卑怯者だ。


◆昔から腰抜けの日本政府。

 

しかし、何とも腹立たしいことに、このテロの実行犯達は捕まって、八つ裂きにしてもまだ飽き足らないというのに、後に、仲間がハイジャックで、テロリストを解放しないと人質を殺すというので、超法規的措置という全然訳の分からない政府の決定により、多くの無辜の市民を殺傷したテロリストのガキどもを釈放したのである。日本現代史の恥だ。


◆私の知る限りで、少しは気持ちが慰められる、いくつかの逸話。


 

テロが起きたとき、道を歩いていた人は、皆ガラスで、血だらけになった。しかし、それでも、殆どの人が、もっとひどいけがをして出血の激しい負傷者を、自分のネクタイやシャツを破いたもので、出血箇所を縛り、救急車が来るまで、手当をした。きっと当時のサラリーマンにはまだ、戦争体験者がいたからね。それも影響していたと思う。今、同じ事が起きたら、どうなるだろうか。怪我人を携帯で写真に撮ったりする奴がきっといるのだろう。


◆犠牲者の息子に、ニニ・ロッソがトランペットを贈って励ました。

 爆風の直撃を食らって即死した、働き盛りのサラリーマンには、中学生の息子さんがいた。息子さんは、中学のブラスバンドでトランペットを吹いていた。彼が、事件の後に、お父さんの思い出を書いた。30年経っても、私はその内容をはっきりと記憶している。



 

「僕が中学校でトランペットを吹きたいと、父に言ったとき。父はあまり良い顔をしなかった。

『男子は音楽などよりも体育に励め』というのだった。しかし、僕はどうしてもトランペットが吹きたかったので繰り返し、ねだった。
ある日、父が新品のトランペットを買ってきてくれた。(中略)文化祭でブラスバンドが演奏する時間になったら、思いがけず、父が聴きに来てくれた。

楽器を買ってくれはしたものの、依然としてあまり音楽などに関心を示さない父が来てくれた・・・。

演奏中、客席の父と目が合った。父は『なかなか、いいぞ』というような嬉しそうな表情を初めて見せた。すごくうれしかった。」



 

イタリア人の、ニニロッソという、何年か前に亡くなったが、毎年日本にやってくるポップス系のトランペッター(「夜空のトランペット」って、聴いたこと、ありませんか?)がこの話を知った。何とか、少年を励ましたいと思い、上等のトランペットを贈ることにした。少年とニニロッソは直接会い、少年はこの思いがけない、プレゼントに感激した。

 ニニロッソ本人の前だから、緊張したが、中学生は一所懸命に「夜空のトランペット」を吹いた。ニニロッソが相好を崩して喜んでくれた。しかし、その音を、少年の父が聴く機会は、永遠に、失われた。


2003年09月01日(月) 「東証大引け・大幅続伸で年初来高値 」 ←バカ 「小泉首相の「再選支持」が66%」もうだめだね、日本は。

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