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JIROの独断的日記
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2004年05月01日(土) 「戦闘終結宣言から1年、米大統領が統治難航認め弁明」 そもそも、米国がイラクを統治する権利は存在しない。

◆記事:戦闘終結宣言から1年、米大統領が統治難航認め弁明

ブッシュ米大統領は30日、イラク戦争の「主要な戦闘終結」を宣言してから5月1日で1年を迎えることを踏まえ、「我々は困難な時間を過ごして来た」として、統治の難航を認めた上で、イラクの安定と民主化を達成する意志を改めて強調した。

 大統領はホワイトハウスでのカナダのマーティン首相との共同記者会見で「1年前私は、空母艦上で重要な目標を達成したと宣言した。それはサダム・フセインを除去したことだ」と述べた。さらに、「私はその日(1年前)に、困難な仕事が待ちかまえているとも言った」として、まったく楽観的な見通しだけを示したわけではないと弁明した。

 国防総省の4月30日現在のまとめによると、主要戦闘終結が宣言された昨年5月1日以降の米軍戦死者は、594人にのぼり、イラク戦争開戦の昨年3月19日(米時間)から同年4月30日までの「主要戦闘期間中」の138人の4倍以上になっている。[5月1日12時21分更新]


◆コメント:米国のイラク攻撃は、国際法上、「侵略」である。

ブッシュ大統領は、イラクのことを良く知らないまま、ただ、フセインを倒せば、イラク人は皆、アメリカの統治に従うだろうと考えたのだろうが、そもそも、一国が、勝手に他国に武力攻撃を仕掛けて、「統治する」ことなど、許されていない。ブッシュの思考は根本から誤っているのだ。

また、イラク人は自分の国をボコボコに爆撃して、無辜の市民を多数殺傷したアメリカ人を憎みこそすれ、その統治下に入ろうと考えるわけが無い。今、アメリカが戦っている相手はテロリストではなく、要するに武装した、イラク人である。つまり、怒ったイラク人が武器を手に、アメリカ人に「出てゆけ」と訴えているのである。それが、ブッシュには分かっていない。というか、利権があるから、分からないフリをしている。

現代の国際法において、戦争は違法行為である。例外的に、1.自分の国が他国に攻撃されたとき、自衛のためにたたかうこと、または、2.国連安保理が武力行使の決議を採択した場合である。最近では、2月29日に中米のハイチ内戦を鎮めるために、安保理が多国籍軍の派遣を決定したのが、その典型例である。

しかし、昨年、3月20日にアメリカが武力攻撃を開始したときには、武力行使を認める、2つの例外のいずれにも該当していなかった。そして、米国の行為は単なる武力行使以上に国際法上の重い犯罪である、「侵略」に該当すると見て、ほぼ、間違いが無い。


◆「侵略の定義」

「侵略」は1974年、国連第29回総会で「侵略の定義に関する決議」(決議3314号)で、明確に定義されている。


第1条 侵略とは、一国による他国の主権、領土保全若しくは政治的独立に対する、又は国際連合憲章と両立しないその他の方法による武力の行使であって、この定義に定められたものをいう。

第2条 国家による憲章違反の武力の先制的行使は、侵略行為のいちおうの証拠を構成する。ただし、安全保障理事会は、憲章に従い、侵略行為が行われたとの決定が他の関連状況(当該行為又はその結果が十分な重大性を有するものではないという事実を含む。)に照らして正当化されないとの結論を下すことができる。

第3条 次に掲げる行為は、いずれも宣戦布告の有無にかかわりなく、第2条の規定に従うことを条件として、侵略行為とされる。

a) 一国の軍隊による他国の領土に対する侵入若しくは攻撃、一時的なものであってもかかる侵入若しくは攻撃の結果として生じた軍事占領、又は武力の行使による他国の領土の一部若しくは一部の併合

b) 一国の軍隊による他国の領土に対する砲爆撃、又は一国による他国の領土に対する武器の使用

c) 一国の軍隊による他国の港又は沿岸の封鎖

d) 一国の軍隊による他国の陸軍、海軍若しくは空軍又は船隊若しくは航空隊に対する攻撃

e) 受入国との合意に基づきその国の領土内に駐留する軍隊の合意に定められた条件に反する使用、又は合意終了後の右領土内における当該軍隊の駐留の継続

f) 他国の使用に供した国家の領土を、右他国が第三国に対する侵略行為を行うために使用することを許容する当該国家の行為

g) 上記の諸行為に相当する重大性を有する武力行為を他国に対して実行する武装部隊、集団、不正規兵又は傭兵の国家による派遣、若しくは国家のための派遣、又はかかる行為に対する国家の実質的関与

第4条 前条に列挙された行為は網羅的なものではなく、安全保障理事会は憲章の規定に従いその他の行為が侵略を構成すると決定することができる。

第5条 政治的、軍事的又はその他のいかなる性質の事由も侵略を正当化するものではない。侵略戦争は国際の平和に対する罪である。侵略は国際責任を生じさせる。侵略の結果としての領土の取得又は特殊の権益は合法的なものでなく、かつ合法的なものとして承認されてはならない。



◆日本は侵略に加担するべきではない。

これを読めば、アメリカの行為が国連決議でいうところの「侵略」に該当することは、客観的に見て、明らかである。

第3条のg)が気になる。侵略行為を行っている国を手助けすることも、「侵略」だといっているのだ。国連が何故、早く「米国の行為は侵略だ」という決議をしないのか不思議だが、もしも、そのような決議がなされたならば、日本も侵略を実行した国になるではないか。自衛隊を派遣しているからね。安全確保活動は、米英軍の後方支援だ。

そして、「侵略」は、第5条に書かれているように、国際責任を生ぜしめる。つまり、何らかの制裁措置の対象になるのである。日本もね。

小泉首相は「いまでも、イラク戦争は正しかったと思っている。」とひたすらアメリカに忠誠を誓っている。宰相といえども、国際法を全て知るのは無理だろうが、いつでも外務省の役人を呼んで説明させることはできるのだから、ここで述べたくらいのことは、「アメリカ支持」を表明する前に、または、自衛隊派遣を考える前に、勉強しておいて欲しかった。


2003年05月01日(木) SARS用のワクチン開発には「数年」かかるのだそうだ。

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