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JIROの独断的日記
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2003年09月16日(火) 問題を解決するためには、それなりの段階を経ねばならない。名古屋立てこもり事件に思う。

 私たちは、人生で様々な問題に直面するけれども、その殆どが解決可能なものである。ただし、ある事象が生じるまでには長い、因果関係の連鎖があるので、問題を解決するためには、短気を起こさずに、その長い、因果の連鎖を一つずつたどっていかなければならない。たとえていうならば、こんがらがったコードは一遍に解くことは出来ず、結び目や他のコードと重なった箇所を一つずつほどいてやらねばならない。

 それを辛抱強く行うのが、大人の行動なのであるが、まれに、問題が生じるとすぐにかっとなって、こんがらがったひもそのものを引きちぎって問題を解決しようとする者がいる。今日、名古屋で立てこもり事件を起こした男や、数年前に、武富士の弘前支店に押し入って火をつけた男などがそれに相当すると思われる。

 このように、思慮に欠け、なんでも横車を押して問題を解決しようとするような行動のあり方を「短絡反応」という。

 ドイツの刑法学の世界で「郷愁犯罪」という言葉がある。田舎から、都会に奉公に出されて、子守りをさせられている女中がホームシックにかかる。そして、自分がここ(奉公先)に居なければならないのは、目の前にいる子供がいるからだ。だから、子供が居なくなれば、自分は故郷に帰ることができる。という「短絡反応」により、子供を殺してしまう、という事件が何件も起きたから、「郷愁」に駆られた者の「犯罪」という意味で、この言葉が出来たのである。

 しかし、昔、私が刑法を習った頃は、このような「短絡反応」を起すのは、圧倒的に女性が多い、男性はもっと合理的に思考して問題解決を図ろうとするものである、といわれていた。

 してみると、昨今の世の中では、男性の女性化という傾向があるのであろうか?環境ホルモンの影響だか何だかわからないが、気持ちが悪いことだ。


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