2006年12月31日(日)  年越し番組の収穫

子どもの頃から年越しはこたつで紅白が定番。今年はダンナの実家のこたつで観て、新年を迎える。印象に残ったのは、『宙船』(TOKIO)、『千の風になって』(秋川雅史)、『瞳』(aiko)、『風』(コブクロ)。これから出産する友だちのために書いたという『瞳』は、自分に向けられている歌のように感じ、『千の風になって』は出産前に新井満さんの書かれた絵本を読んだ感銘が蘇り、心を揺さぶられた。力強い歌は何の演出も加えなくても勝負できる。

広告会社に勤めていた頃は紅白に出る顔ぶれぐらいは守備範囲だったけれど、会社を辞めた上に育児生活ですっかり世間の動きに疎くなり、知らない人たちが次々出てくる。『アゲ♂アゲ♂EVERY☆騎士』というタイトルからしてぶっとんでいたDJ OZMAも知らなかった。ショータイムのようなにぎにぎしさに米米クラブを懐かしんでいたら、突然目が画面に釘付けに。え、トップレス? 女性ダンサーたちがいつの間にか上半身ハダカになっている。出産以来おっぱいの露出にはかつてなく抵抗が薄れているが、それでもわが目を疑った。「びっくりしましたぁ」と司会の仲間由紀恵さんが心底驚いている様子だったので、やり逃げ的パフォーマンスだったのだろう。妙に健康的でいやらしさは感じられなかったものの、まさか紅白で、とたまげた。世間の反応はいかに、と気になっていたら、やはり苦情が押し寄せたようで、わたしは見逃してしまったのだけど、番組内でアナウンサーから謝罪のコメントがあったのだとか。ヌードに見えたのは精巧なボディスーツであるという説明がなされたらしい。ハダカではなく実は着ていました、とは言えお茶の間どころか客席もハダカだと思ったわけで、生放送の破壊力を思い知らされる出来事だった。

紅白終了後あちこちのチャンネルを渡り歩いていたら、さだまさしが画面に現れ、「ハダカで踊っちゃってた人の次の次が僕の出番で」といったことを話していたので注目。「僕の前がアンジェラアキさんで、彼女、初出場でしょう。大丈夫かなあと思ったら、彼女は大したもんだね」とアンジェラさんの度胸を褒めた上で、「アンジェラより生むがやすし」とオヤジギャグを披露。え、さだまさしってこんなに面白い人なの、とチャンネルを固定させたら、NHKの『年の初めはさだまさし』という番組だった。金をかけてない手作り感を売りにしているような肩の力の抜けた雰囲気の中で、さださんが実に生き生きと楽しそうに視聴者からのハガキを紹介したり、歌ったり、「たたきますぞう(多滝鱒造)」という名前のゴルファーという役どころでミニコーナーをやったり。自分のことは「ヒタイガー・ウッス」などと貶めて笑いを取るけれど、人のことは悪く言わない姿勢が、見ていて気持ちよくて、一挙にファンになる。深夜ラジオをテレビで見ているような、お気楽なんだけど、まんまとペースに乗せられて最後までつきあってしまうような番組だった。

そのままNHKをつけていたら、今度はショートフィルム調のステーションブレイクのようなものが流れ出した。「どんな顔なのポポラッチ」と毎回子どもの声でジングルが入り、ポポラッチという名の覆面レスラーと彼を取り巻く人々の短いドラマがあり、最後はNHKに落としこんでいると思われる決めのコピーが入る。局のイメージアップを狙ったドラマ仕立て長編CMとも言えるだろうか。これもなかなか面白くて、どうやって企画を通したんだろなんて思いながら、十話ぐらいあったのを最後まで観てしまった。「エル・ポポラッチが行く」というタイトルで、ちゃんと公式サイトもあった。

back<<< >>>next

2005年12月31日(土)  大阪一高い山・金剛山で年越し
2004年12月31日(金)  英国旅行5日目 ロイズとパブと年越し
2003年12月31日(水)  年賀状でペンだこ
2002年12月31日(火)  大掃除に救世主あらわる
2001年12月31日(月)  祈り
2000年12月31日(日)  2000年12月のおきらくレシピ


2006年12月29日(金)  マタニティオレンジ50 乳を食む吾子の頬撫で木の葉髪

冷蔵庫の奥にあるタッパーを取ろうとかがみこんで、「!」となった。髪の毛が落ちている。それも、五本。冷蔵庫のドアを開けて中をのぞきこむという一瞬の間に髪が抜け落ちる確率は相当低いと思われる。実際、これまでに冷蔵庫で髪を拾ったことなどなかった。産後3か月から6か月にかけてひどくなると言われる抜け毛の威力を見せつけられ、「体験しなくちゃわからないリアリティだなあ」と感心。でも、このリアリティは作品に活かせるのか。脚本のト書きに「雅子、冷蔵庫をのぞきこみ、!となる。髪の毛が五本落ちている。」と書いたところで、「髪の毛の寄りショットってわかりにくねー」とカットされそうだ。しかし、ネタとでも思わなければ、抜け毛なんてちっともうれしくない。シャンプーのたびに両手指に髪が絡みつき、排水口は髪で見えなくなり、鏡を見ると前頭部が明らかに薄くなっている。四谷怪談のお岩さんの心情がわかって、禿げる恐怖におののく中高年男性の悲哀を実感できて、ありがたやとでも思おうか。

一週間ほど前からは、髪をひっ詰めているわけでもないのに、前頭部が引っ張られるような、「いかにも髪が抜けそう」な痛みがあった。育毛サロンのCMでやっているように指先でマッサージすると、イタ気持ちいい。しばらく続けていると、引きつる感じはなくなった。抜け毛ストップのサインだといいのだけど。とりあえず、しばらくかぶってなかった帽子を引っ張り出したりして、「先輩ママたちが帽子をかぶっていたのは、ファッションではなく薄毛隠しだったんだなあ」と思い当たる。

昨日の読売新聞のコラムに「木の葉がしきりに落ちるように、髪の毛が目立って抜け落ちるのを『木の葉髪』といい、冬の季語である」とあった。授乳中もはらりはらり、今のわたしの状態は、まさに木の葉髪。そう呼ぶと風流なことをしている気持ちになる。ちょうど季節は冬だし。というわけで一句詠んでみたのが今日のタイトル。「冷蔵庫にも四季のあり木の葉髪」というのも作ってみたけど、冷蔵庫に髪が落ちているなんて普通は考えないから「産後四か月にて詠める」とか何とか解説を添える必要があるだろう。

back<<< >>>next

2004年12月29日(水)  英国旅行3日目 巨岩と村と怪人
2003年12月29日(月)  そんなのあり!? クイズの答え


2006年12月28日(木)  切手になった映画

今年のクリスマスには絶対間に合わないのだけど、ドイツに住むペンフレンド(今では懐かしい響きだけど、文通を始めたのは四半世紀近く昔のこと)のアンネット一家にクリスマスプレゼントを郵便局から送る。ドイツまでは航空便、そこから先は船便扱いのゆっくり配達で2〜3週間で届くSAL便を指定。窓口で重さを量ってもらったら4280グラムで、送料が7千円超え。レターセット3冊を削って4キロに収めたが、それでも6150円也。いつも海外に物を送るときには送料に驚かされるが、そのたびに思い出すのは留学時代のホストファーザーの言葉。「日本に荷物を送るのに50ドルもかかった!」と言うわたしに、「でも小さなマサコがここまで飛んでくるのに、いくらかかった?」。物事は考えよう。ドイツに飛んで行って手渡せないわたしに代わって、ディナー一回分のお値段でプレゼントを届けてもらえる。

毎回切手が楽しみとアンネットが言うので、今年も家にある80円切手を12種類、年賀葉書で当選したお年玉切手80円+50円を1セット、3枚組62円切手3シート、62円切手1枚、締めて1896円分を用意。残りの4254円分を「できるだけきれいな切手でください」とリクエストすると、「こんなのがありますよ」と見せてもらったのが、「日本映画供廚箸いΕ掘璽函『セーラー服と機関銃』『たそがれ清兵衛』『失楽園』などが切手になっている。自分も気に入ったので1シート購入。売り切れたという「日本映画機廚蓮峪埓醉訛△箸、もう少し古い時代のものでした」と局員のお姉さん。映画公開に合わせてグッズはいろいろ作られるけど、時を経て切手にもなれるとは面白い、そして、うらやましい。

back<<< >>>next

2004年12月28日(火)  英国旅行2日目 風呂と衣装と作家と演劇
2001年12月28日(金)  捨て身


2006年12月27日(水)  ミヤケマイ展 在る晴れた日・One Fine Day・

友人のイラストレーター・ミヤケマイさんの個展初日。「個展のたびにパワーアップしている」と毎回日記に書いているけれど、今回もミヤケマイワールドはますます元気。初日のお昼を過ぎたばかりというのに、すでに半分以上の作品に買い手がつきましたの丸シールがついている。

シールで隠されたお値段の最初の数字がいくらなのか、想像をめぐらせてしまう。わたしが一目惚れした『4×4=16』(16匹のウリ坊がサーカスの特訓中)は「\●60,000」也。マイさんは語呂合わせが好きで、蜂で8の字を描いた作品に8並びの値段をつけたりするし、(いの)シシ=16というタイトルにちなんだ値段を一瞬連想するが、今は16万ではきかないだろう。数年前の個展に比べると5倍、いやゼロひとつ増えた気がするぐらい値打ちは高まっている。いつかミヤケマイ作品を飾れる家に住むことを夢見る身としては、壁が用意できる頃には手が届かなくなっているのでは(すでに手が出せなくなっているが)という焦りはあるけれど、デビュー当時から作品と作家の成長を楽しませてもらっている一ファンとしては、ミヤケマイ株の急伸はうれしく誇らしい。


今回買い求めたグッズは、ポチ袋、和豚の便箋、うさぎのポストカード、犬の多目的カード。ポチ袋以外は以前買って気に入ったので、おかわり。「メッセージシール&何かしますお約束チケット」が付いた多目的カードは、受け取った人から「どこで買えるの?」と聞かれる人気で、グッズからも芋づる式(!?)にミヤケマイファンが増えている。グッズコーナーには新年企画の九谷焼の化粧徳利入りのお酒や風呂敷もお目見え。福を招く気配に満ちたミヤケマイ展は年明けの1月9日まで。足を運ぶ価値は大いにあり。

ミヤケマイ展 在る晴れた日
・One Fine Day・

Bunkamura Gallery
(渋谷東急本店横 Bunkamura1F)
2006/12/27(水)〜2007/1/9(火)
10:00〜19:30
12/3、1/2、1/3は18:00まで
1/1のみ休廊


back<<< >>>next

2004年12月27日(月)  英国旅行1日目 VirginとBathと厚揚げ
2003年12月27日(土)  腐ったブドウ・熟成したワイン・腐ったワイン
2001年12月27日(木)  今がいちばん若い


2006年12月26日(火)  マタニティオレンジ49 アメリカのベビー服

50センチで生まれた娘のたまの身長が、そろそろ60センチに。お祝いでいただく服は70センチ以上のサイズが中心なので、袖を通すまでに時差があるのだが、ようやく70センチのものを着られるようになった。今週デビューしたのは、父イマセンの教え子でシカゴに住むユキコさんから贈っていただいたOLD NAVYのボディスーツ。MondayからSundayまで日替わりで7着あり、月曜から順に着せている。ワニが歯をむく"toothy thursday"、キリンがウィンクする"winky wednesday"など言葉遊びが楽しい。

OLD NAVYはGAPやBANANA REPUBLICの姉妹ブランドらしく、3/12才誕生会に来てくれたミキちゃんからはハワイ土産でシャツとジーンズをいただいた。シャツは葉っぱをあしらった"Leaf me alone"のメッセージが笑える。一人では生きていけない赤ちゃんが「Leave me alone(ほっといてくれ)」と胸を張るブラックジョークは、英語だからお茶目なのだろうか。日本語版で「ほっといてクレヨン」シャツを作っても受けない気がする。

ニューヨークのユキちゃんからは、I LOVE NEW YORKのベビースーツとスタイ、U2のTシャツ、白地に赤い魚という日の丸チックな色使いの肌着とスパッツの上下。赤ちゃんに媚びずに大人目線で作っている感じが新鮮。

back<<< >>>next

2001年12月26日(水)  ロマン配合


2006年12月25日(月)  ハト男 立ち食い男 透明人間の嫁

一昨日わが家にやってきたM先輩から『ハト男』の話を聞いた。南米出身と思われるその大柄な男は、先輩が出勤で利用する電車に先に乗り込んでいて、開いたドアからハトのように胸を突き出し、後から乗客が乗り込んでくるのを阻止すると言う。体を張って自分の車両の人口密度の上昇を食い止めているのだ。大抵の乗客は諦めて別な車両へ向かうが、負けず嫌いな先輩は、ハト胸とドアの隙間をかいくぐり、強引に乗り込む。すると、動き出した車内で、ハト男は先輩に肘鉄を食らわせたりして、「オリロ」攻撃をしてくる。負けじと先輩も押し返す。体格のハンディがあるので、カーブの勢いを借りてハト男にぐぐっと体重をかけるのだそうだ。大げさな形態模写を交えた先輩の実演がおかしく、大笑いした。大柄なハト男に小柄なサラリーマンが挑む短編映画(タイトルは『ハト男』か)、バカバカしくて面白いかもしれない。

電車というのは、ときどき面白い人が出没する場所のようだが、混んだ車内より、ほどほどに空いているほうが遭遇率は高くなる。大阪の山手線にあたる環状線は、都市伝説のような「おもろい乗客」の宝庫で、わたしが高校生の頃に聞いた噂を今思い出しただけでも、両手の指では足りない。

つり革で懸垂するおじいちゃんなんてのもいたが、いちばん強烈に印象に残っているのは、『立ち食い男』。駅の立ち食いそば屋で買い求めた丼のそばを持ったまま環状線に乗り込み、走る車内でずるずるとすすり(まさに立ち食い)、次の駅の立ち食いそば屋で器を返して、何事もなかったかのように同じ車両に乗り込むという。目撃者によると、時間配分が完璧で、一連の動きは流れるように無駄がなく迷いもなく、あっぱれなのだそうだ。最近は車内でパンやお菓子を食べる人が増えて問題になっているが、ここまで完成度の高い食いっぷりを見せられると、問答無用になってしまうらしい。

『透明人間の嫁』の噂もよく聞いた。ウェディングドレス姿で車内を練り歩き、「私、今日、透明人間と結婚しました。こちらが主人です」と隣の新郎(透明なので見えない)を紹介し、「一言お願いします」と色紙を差し出す。この噂が流行った五年後ぐらいに友人が遭遇したと聞き、「ほんまにおるんや!」と興奮すると同時に、「まだおったんや!」と驚いた(二代目だったのかもしれないが)。毎日結婚式を挙げ続けているわけだから、色紙の数も半端じゃないと思われるが、友人がのぞきこんだ色紙には、「おめでとう」「末永くお幸せに」と祝福の言葉がびっしり書き込まれていたという。その中に「お似合いですね」というメッセージがあったと聞き、大阪人のノリの良さと懐の広さに感心した。山手線に同じ花嫁が現れても、淋しい思いをするのではないかと思う。

back<<< >>>next

2001年12月25日(火)  発見!


2006年12月24日(日)  マタニティオレンジ48 クリスマスプレゼント

小さな頃からクリスマスが楽しみだった。留学先のアメリカで、ひと月かけてプレゼントを選び、ツリーを飾りつけるクリスマスを体験し、ますますこの日が好きになった。集めたクリスマスグッズを緑に染めたワンピースに縫いつけ、クリスマスツリーに仮装して大学の卒業式に出たほどだ。なのに、娘のたまとはじめて迎えるクリスマスについては何の準備もしなかった。「そこまで手が回らなかった」というのが正直なところ。2006年クリスマスの記念に、娘やダンナにかさばらない贈り物を用意することだってできたはずだけど、買い物に行くより先にクリスマスがやってきた。

自分のことは棚に上げて、「プレゼントないの?」とダンナに言うと、「たまがプレゼントだ」とのたまう。「それを言うなら、わたしだって」となり、娘という授かり物が二人へのクリスマスプレゼントということで決着。お礼を言うなら、相方にではなく、生まれてきた娘にだろう。となると、やはり娘にはプレゼントが必要になる。「昨日の4/12才誕生会がプレゼントってことで」「そうだね。モノより思い出だ」と勝手に納得しているところに、ピンポーンと小包が到着。学生時代にお世話になった京都のメグさんから、ふわふわの手編みのカーディガン。「たまのことを想いながら編んだよ」とメッセージが添えられている。編み目のひとつひとつに気持ちが込められているようで、毛糸のあったかみ以上のぬくもりを感じる。思えば、たまが生まれてから、どれほどたくさんの心温まるメッセージや贈り物を頂戴したことか。真夏にやってきた小さなサンタクロースのおかげで、毎日がクリスマス、毎日がプレゼントの四か月だった。

back<<< >>>next

2005年12月24日(土)  ラクーアのクリスマス
2003年12月24日(水)  PLAYMATE#03『ワンダフルボーイ』
2001年12月24日(月)  イベント大好き


2006年12月23日(土)  マタニティオレンジ47 たま4/12才

8月22日生まれの娘たまの4回目の月誕生会を一日遅れで開催。今月のゲストはダンナの高校時代の水泳部の先輩夫妻が二組。6人の大人にかわるがわるだっこされ、たまは笑ったり泣いたり、寝たり起きたり。子育てにだいぶ慣れたわたしは手料理でもてなす余裕もでき、肉を焼いた(塩コショウだけなので楽勝)付け合せのマッシュポテト、温野菜のオリーブディップ(ブラックオリーブとにんにくとオリーブオイルをフードプロセッサーで混ぜるだけ。新聞に載ってた)添え、トマトとベビーリーフのサラダ、玉ねぎとセロリと人参と蓮根のスープ(味付けはコンソメとしょうがと隠し味の味噌少々)を用意。チキンを焼いたりツリーを飾ったりというクリスマスらしいことはとくにしなかったけれど、たまのよだれ掛けはサンタ模様のスカーフをバンダナ風に巻いてみた。

バースデーケーキは『銀のぶどう』の『栗のブッシュ・ド・ノエル』。銀座松屋へ買いに行ったダンナいわく、飛ぶように売れていたとか。その分、「お誕生日のプレートをつけてください」などと言い出せる雰囲気ではなく、自力でデコレーションすることに。生協で調達した『ピヨッチサブレ』と三色デコペンで「たま」「2006.12.22」「4/12才」と描き、にぎやかしのひよこも一羽。大の大人が夢中でお絵描きして、思いのほか盛り上がるイベントとなった。毎回子どもよりも親が楽しんでしまっているのだが、誕生会の余韻がおいしさににじみ出ているはずの母乳をあげながら、「あんたのおかげで楽しかったよ」とお礼を言っている。

back<<< >>>next

2002年12月23日(月)  横浜めぐり


2006年12月22日(金)  マタニティオレンジ46 ブックスタート

「ブックスタート」という言葉になじみがないせいか、つい「ブックファースト」と呼んでしまうのだけど、文京区の4か月検診で「bookstart」の布バッグに入れて『じゃあじゃあびりびり』と『お月さま』の二冊の絵本をプレゼントされた。

「4か月でも、もう絵本を楽しめますよ」。そう言って図書館員さんが『じゃあじゃあびりびり』を読み聞かせてくださると、たまは目をぱちくりさせてページに注目。意味はわからなくても言葉のリズムや響き、絵の形や色づかいを味わっているのかもしれない。「お母さんが読んであげると、もっと喜びますよ」と言われ、その気になる。ロンドンに住む友人は、8か月検診のときにお医者さんで3冊プレゼントされ、その本は子どもの発育をサポートする団体からの寄付だったそう。わたし自身、本に育てられた部分はとても大きいので、本を通して子どもの成長を応援するのはとてもいいことだと思う。

出産祝いでも本をいただいた。留学時代の同期のミカコからは登場人物がスプーン一人という、タイトルずばり『スプーンさん』。はねたり、すべったり、小さなスプーンさんにとっては大冒険。『じゃあじゃあびりびり』と同じく、シンプルな作品ほどママの演技力が要求される。赤ちゃんを引きつける声と顔の表情を研究しなくては。

幼なじみのタカからは、紙の魔術師ロバート・サブダの仕掛け絵本『Cookie Count』。「A Tasty Pop-Up」と副題があり、1から10までの数字を飛び出すお菓子で数えるという、よだれまで飛び出しそうな"Yummy〜(おいしそ〜)"な一冊。サブダといえば、『Alice's Adventures in Wonderland(不思議の国のアリス)』や『The Wonderful Wizard of Oz(オズの魔法使い)』も手元に置いておきたい。子どもとページをのぞきこんで、一緒にドキドキできたら、どんなに楽しいことか。子どもに読み聞かせる目で書店や図書館の棚を見るようになり、昔出会った絵本に再会したり、絵本の奥深い面白さを再発見する機会をもらっている。子どものブックスタートは、親にとってのブック再スタートでもある。

back<<< >>>next

2002年12月22日(日)  ロッテルダムとロンドンとベルリン


2006年12月21日(木)  マタニティオレンジ45 4か月検診

毎年12月というのは「一年って早いなあ」を実感する季節だけれど、今年はとくに早かった。とくに出産してからの4か月の早いこと。あっという間に4か月検診。文京区では2日にわたって実施され、1日目の一昨日は検診とBCG接種と母親のX線検査。BCGは結核予防、X線検査は結核発見のためのもので、「先進国で結核の予防接種をしているのは、いまや日本だけ」なのだとか。BCGの注射器は、はんこのようなかわいらしいサイズながら、腕に押しつける力は、娘のたまを抱いているわたしにもずしっと伝わるほど強い。シャチハタ印をポンポンと押すようなリズムで二つ押されたが、一つ目のときには何が起きたかわかっていなかったたまは、二つ目で火がついたように泣き出した。泣き止んでからも「母親のあんたがついていながら、なんたることよ!」とでも言わんばかりに、わたしを恨めしそうに見上げていたが、泣いておなかが空いたのか、おっぱいを暴飲すると怒りはしずまった。根に持たない性格なのか、4か月児の記憶力の限界か。

2日目の今日は育児学級。ベビーマッサージ講習、歯と栄養についての講義、絵本を紹介してプレゼントしてくれるブックスタートが行われた。ベビーマッサージはオイルもジェルも使わないやり方で、ベビーヨガのクラスでやっている内容に近い。流儀はいろいろあれど、赤ちゃんとのふれあいが図れれば、それでよし。

一昨日の検診で気になったのが体重。服を脱いだ状態で6140グラムだったのだが、12月9日に測ったときは服を着て6300グラムだった、服の重さは150グラムぐらいありそうだから、10日間でほとんど体重が増えていないことになる。そのことを話し、もう一度測らせてもらうと、今日は二日前から210グラム増えて6350グラム。「ミルクを飲む量やウンチの量で、100グラム200グラムは簡単に変動しますよ」と保健師さん。大人の体重感覚からすると、1キロ2キロの変動ということになる。ひと安心して、6350円をたま名義の郵便貯金に入金。4回の入金で体重貯金は23376円になった。

back<<< >>>next

2003年12月21日(日)  SLばんえつ物語X’masの旅 2日目:喜多方
2002年12月21日(土)  切手占いと『鉄カフェ』1st drip
2001年12月21日(金)  サプライズ


2006年12月20日(水)  マタニティオレンジ44 お・風・呂!

マタニティオレンジ43にお風呂ソングのことを書いて、そういえば、お風呂のことを書いていなかったと思い出した。ベビーバスは買わずに愛育ベビーのレンタルを利用したのだが、ひと月1300円で配達と引き取りもやってもらえて(他のレンタルと合わせて3000円以上で配送料無料)便利だった。シンクにすっぽりはまるタイプで、お湯をためるのも捨てるのもラクだし、立ったまま洗い物感覚で沐浴でき、出産で傷めた腰背筋への負担も軽くて助かった。

ベビーバスのレンタル期限が翌日に迫った生後ひと月頃、ご近所仲間のK夫人に「明日からお風呂どうしよう」と相談したら、「浮くからラクチンよ」とこともなげに言われた。そんなもんかいなとやってみると、浮力に助けられ、確かに軽々と湯船に入れられる。ひとまわり大きくなってベビーバスが窮屈になった体ものびのび。でも、体を洗うのは、おっかなびっくり。まだ手足が華奢でつかみにくいし、その割によく動く。タイルに体を打ちつけでもしたらと想像すると、緊張してしまう。それが伝わるのか、たまも体と表情を強張らせていた。わたしの太ももを椅子代わりにして跨がせ、もう一方の太ももで挟んでロックすると、少々暴れても大丈夫というコツを覚え、耳に多少お湯が入ってもぐずらないことを発見し、わたしに余裕ができるにつれ、ガチガチだったたまの表情もやわらいでいった。

お風呂タイムになると、水面を手のひらでピチャピチャたたく仕草をつけて「お風呂ソング」を歌う。この歌がお風呂の合図だとわかってきたのか、わたしが「お・ふ・ろ!」と歌いだすとゴキゲンになる。服を脱がせるのもラクラク。一緒に歌うようになったら楽しいなあと気の早い空想をしている。

洗い場でくすぐったそうに笑い声を立てる余裕もでてきたたまは、入浴中に喉の渇きを訴えるようになった。温泉につかって飲む日本酒は最高だし、気持ちはわかる。だが、おっぱいを飲むなり湯船の中でジャーッ。「トコロテンかいっ!」と突っ込み、以後、湯船での授乳は封印。ところが先日、ピチャピチャという音に目をやると、舌を出し、湯船のお湯を飲んでいる。犬が皿のミルクを舐める感じ。「いくら戌年生まれだからって!」とやめさせたが、たまはさらに大胆になり、翌日は水面に倒れこみ、お湯をゴクゴク。鼻もふさがって息ができなくなって溺れかけ、涙目になった。さすがに懲りただろうと思ったら、今度はお湯に顔をつけて、口ではなく、足をもごもご。犬掻きの練習をしているつもり!?

back<<< >>>next

2005年12月20日(火)  シナリオ作家協会の忘年会
2003年12月20日(土)  SLばんえつ物語X’masの旅 1日目:山都〜鹿瀬
2002年12月20日(金)  生爪様
2001年12月20日(木)  幸せの粒


2006年12月18日(月)  映画『Hard Candy』で知ったこと、いろいろ

わたしが関わった3作目の長編映画『ジェニファ 涙石の恋』は、主演のジェニファー・ホームズ(Jennifer Holmes)が日本に留学したときの体験が原案になっている。日本人が発音すると「Jennifer」が「ジェニファ」に聞こえることからタイトルにもなったのだが、作品の関係者も彼女のことは「ジェニファー」ではなく「ジェニファ」と呼んでいる。

先日、『ジェニファ』のプロデューサーの佐々木亜希子さんと再会し、「DVDと倉本裕基さんのCDが今もよく売れている」という話の続きで、「そういえば、わたし、ジェニファを見つけたの!」と興奮気味に語ってくれた。シネマライズでやっていた『ハードキャンディ』というアメリカ映画を見に行ったら、いきなり画面に現れて不意打ちを食らったのだとか。評価は高かったとはいえ公開規模は小さかったし(わたしはタイトルも知らなかった)、登場人物がとても少ないとはいえジェニファの出番は一瞬だったというし、すごい確率で遭遇したことになる。

早速、日本版サイトを見てみると、キャストにジェニファの名前はなく、予告編にも映っていない。英悟版サイトを求めて「hard candy」を検索すると、Earth's biggest movie databaseというサイトIMDBの中にHard Candyを発見。出演者のクレジットには"Odessa Rae .... Janelle Rogers (as Jennifer Holmes) "とある。Odessa Raeのページに飛ぶと、"Sometimes Credited As:Jennifer Holmes"とあり、「オデッサ・レイときどきジェニファー・ホームズ」と名乗っているらしい。Hard CandyではJennifer HolmesとしてJanelle Rogers役を演じたことになる。役どころは、出会い系サイトで14才の少女をつかまえるカメラマンの彼女。予告編を観て、Hard Candyの隠語の意味を知った。

オデッサ・レイの出演作一覧からJenifaの紹介ページに飛ぶと、"Writing credits"に"Masako Imai"がクレジットされているのを発見。さらに、Masako Imaiのページまであるではないか。出生地"Sakai City, Osaka, Japan"がちゃんと記され、長編5作品に加えて短編の『隣のモンちゃん』まで作品一覧に並んでいる。親切な人が申請してくれたのか、調べてくれたのか。さすが世界最大の映画データベース!ちなみに『新宿鮫 眠らない街』に出演されている同姓同名の女優さんも発見。

back<<< >>>next

2004年12月18日(土)  クリスマス映画『ポーラーエクスプレス』
2001年12月18日(火)  シンクロニシティ〜天使からの小さな贈り物


2006年12月17日(日)  『めぞん一刻』の浪人生、中林大樹くん

めぞん一刻』といえば、わたしが中学生ぐらいの頃に一世を風靡した高橋留美子さんの漫画。来春テレビ朝日でスペシャルドラマが放送予定で、ただいま撮影中。おんぼろアパート一刻館の美しい音無響子役は伊藤美咲さん。彼女に憧れる一刻館の住人でダメ浪人生の五代裕作役はオーディションで決定。3000人を超える応募から選ばれたラッキーボーイ中林大樹くんに会う機会があった。

「はじめまして」の挨拶が初々しい好青年。後で奈良出身だと知るが、大阪出身のわたしにもわからないほど関西訛りが出ない。上京してから短期間で標準語を猛特訓した様子。衣装のくたびれたスタジャン姿が板についている。80年代のはじめはみんなが着ていたけれど、今は体育会系クラブぐらいでしか見かけなくなったスタジャン。これがしっくりなじむことも、五代役を射止めた決め手だったのかも。髪型も服装も五代くん状態だったので、「本当に浪人生っぽい」とリアリティを感じてしまったが、所属事務所がまだ決まってなくて、実生活でも浪人中なのだそう。ドラマめぞん一刻公式 中林大樹ブログ 現在役者浪人中。というブログも書いている。ドラマが放送されるまでに落ち着き先が見つかるだろうか。名前の中に「中」と「大」、「林」と「樹」があって覚えやすいけど、これ本名なんだろうか。何かと注目したい大型新人(身長180センチ)。


back<<< >>>next

2001年12月17日(月)  映画を編む


2006年12月16日(土)  マタニティオレンジ43 作詞作曲兼ボーカル兼ダンサー

作詞家とは名乗っていないけれど、まれに作詞の仕事が舞い込む。市村正親さんがアンデルセンの世界を一人芝居で演じたNHKの夏の特番『真夜中のアンデルセン』の劇中歌3曲、冷凍食品の保存温度であるマイナス18度以下を啓蒙する『冷凍マイナス18号』ソング、ダノンBEヨーグルトの『おなかすっきり体操』ソング……と、これまでは5年間で5曲のペース。ところがこの夏以降ペースがぐんと上がって、毎日のように新曲が誕生。だけど、放送もされないし、CDにもならない。たった一人のために詞を作り、曲をつけ、歌ってみせ、大サービスで踊りまでつけている。

最初に生まれた歌は、たまが生まれる少し前。男の子か女の子かわからず「たま」と呼びかけていたおなかの子に向かって、おなかをさすりながら「たまちゃんたーまたま、たーまたまのたまちゃん♪」と名前を連呼する胎教ソングを聞かせていた。曲調はシンプルな子守唄調。生まれてからは「たまちゃんにーこにこ いい子にしてる♪」「たまちゃんごーくごく ミルク飲む♪」「たまちゃんうーとうと おやすみなさい♪」「たまちゃんすーやすや いい夢見てる」などの活用形が生まれた。

次にできたのが、お風呂ソング。お湯を怖がるたまを明るく楽しい気持ちにさせようとスタッカートを効かせ、「お・ふ・ろ! お・ふ・ろ! お・ふ・ろ〜にいたしましょう〜♪ おふろ! おふろ! おふろ!」とお風呂を連呼。洗うときは「あ・た・ま! あ・た・ま! あ・た・ま〜をピカピカに♪」などと変化する。歌いながら洗ってやると、気が紛れるのか、あまりぐずらない。お風呂入れが不安なわたし自身を励ます歌でもあった。

新しい遊びが生まれると、新曲も生まれる。最近では、脇の下を支えて寝転んだわたしの太ももの上に立たせ、上体を左右に揺らすサーフィン遊びがお気に入り。「ゆらっこ〜ゆらっこ〜ゆらっこサーフィン♪ 右へ左へゆらゆらしちゃう〜♪ ときどきお空を飛んだり(ここで高い高いをする) ときどき地上に降りたり(ここで太ももに着地) またまたお空を飛んだり ぐるぐる回ったり〜(高い高いのまま空中で左右に振る)♪」と歌いながら遊ぶと、たいそうゴキゲン。のっている日は声を上げて笑ってくれる。ギャラより印税より、その笑顔が何よりうれしい。

赤ちゃんには未知の能力を引き出す力があり、今まで家で歌ったことなんかなかったママを一日中歌わせ、パパやじいじばあばまで踊らせる。ご近所仲間のK氏は長期出張の間に一才の愛娘がパパを忘れてしまわないようにと、彼女のお気に入りの童謡をお気に入りの振り付けで歌い踊ったビデオを置き土産に旅立った。踊る姿どころか歌う姿も想像できない方なので、恐るべし、赤ちゃんパワーである。だが、渾身のビデオはすぐに封印されてしまった。画面の中の小さなパパを見ると、「パパがいない」ことを思い出して娘が悲しくなり、それを見てママまで悲しくなり、泣けるビデオになってしまったのだそう。




back<<< >>>next

2002年12月16日(月)  シナリオ作家協会の忘年会
2001年12月16日(日)  こだま


2006年12月15日(金)  1=0.99999999........?

高校の数学教師である父イマセンのサイト・イマセン高校は、一日のアクセス数が10人前後で、そのうち8人は父とわたしで稼ぐ日が続いていたが、最近、珍しく学食(掲示板)がにぎわっている。

きっかけは、父の教え子の一人が投げかけた質問。
「1÷3=0,333.....
 1/3+1/3+1/3=1
 それなら、0,333.....+0,333.....+0,333.....=0,999.....=1?
 この矛盾点は何でしょう?」
それに対する父の回答は
「0,999......は0.9+0.09+0.009+0.0009+.......と無限に足していくので、1=0.99999999......は正しい」。だが、わたしには、どこまで足しても隙間は埋まりきらず、イコールにはならないように思えてしまう。

すると、別な教え子さんが「『1』と言う表記と『0.999.....』と言う表記は意味が異なります」と書き込み、「『1』と言う表記は自明な数字ですが
『0.999.....』と言う表記は小数点以下に9を無数に書き並べていったときの到達値を表している表記です」と続ける。意味は異なるものの、
「lim(1-0.1^n)を0.999......と表記していると考えてください。
 n→∞
 従って 1 = 0.999…は正しいといえます」
なのだという。この式はわたしにはさっぱりわからないけれど、
「まだ何となく?な場合は 1-0.999…=0.000… では駄目ですか?」と書き添えられていて、これには、おおっと思った。こう書かれると、1と0,999......の間の溝が消えるではないか。
「1/3=0.333333......は誰もが納得するのに、3倍した1=0.9999......はなかなか納得してもらえませんね」と父イマセン。言われてみると、確かにそうだ。

『博士の愛した数式』を読んで、数学の中に文学があることに気づかされたけれど、教科書で出会った数学にはまるでロマンをかきたてられなかった。数式や定理は、ただの冷たくて無機的な記号の羅列にしか思えず、仲良くなる機会を逃したまま、数学を学ぶことから卒業してしまった。イマセン高校での数学談義を眺めながら、数学って物の見方を示してくれるんだと発見する。答え(ゴール)はひとつでも、そこにたどり着く方法は様々。その過程を楽しまずに、効率よく答えを導くことばかりをやっていたせいか、授業で学んだ内容はほとんど覚えていない。脇目もふらずに目的地へ急いだだけの旅の思い出が残らないのと似ている。

back<<< >>>next

2002年12月15日(日)  Weihnachtsgeschenk


2006年12月14日(木)  図書館の本が汚されている

図書館の本へのいたずらがひどい、という新聞記事を読んだ。切り抜き、線引き、落書きなど被害は相当数にのぼり、注意しても「なぜいけないのか」と開き直られるケースもあるとか。識者はモラルの低下を嘆いている。

わたしも最近図書館をよく利用するようになり、「図書館の本って、こんなに汚かったっけ」と驚いている。行間にびっしり書き込んであるもの(あり余る知識の持ち主だということはわかるが、常識は足りない)、大事な場面でページが切り取られて高度な想像力を要求されるもの(ガムでも包んだのだろうか)、かと思えばガムが貼りついているものもある。煎餅やクッキーのくずがページの溝に溜まっていたり、ページの端にチョコレートの匂いの指紋が押されていたり、醤油のしみがついていたり、食べながら読んでいた痕跡をとどめているものも多い。他にも、枝毛の束、爪、鼻くそ、ありとあらゆるものが挟まっている。

こういう状態で本の世界に没頭するのは、障害物競走のようだ。

わたしは「みんなのものは大切に」と家庭や学校で教わって育ったけれど、「自分のものじゃないから粗末にしていい」という考えが幅をきかせてきたのかもしれない。本がヨゴされているというより、ケガされている気持ちになる。

みんなの本といえば、アメリカの高校に留学したときの教科書は、購入するのではなく、先輩からのおさがりを受け継いで使っていた。何しろ百科事典のように分厚くて重いので、いちいち買っていたら大変なことになる。

表紙をめくったところに代々使った人たちの名前がサインされていて、わたしが使った教科書には10人ぐらいの名が連なっているものもあった。その割に外も中もとてもきれいで、まるで新品同様。そのことをホストファミリーに話したら、「そりゃ、開いてない証拠だよ」と大笑いされた。家で予習復習もしないので、教科書は校舎脇のロッカーに置きっぱなし。これでは汚れようがないと言う。

もちろん、名前を書く以上、責任を持って大切に使っているという側面もあるだろう。数学の教科書に見つけた日本人のサインの脇には「日本人の方、がんばってください」と日本語で添えられていた。これも落書きになるのだが、自分だけにわかる暗号を見つけたようでうれしかった。

きれいな教科書で思い出したが、学生時代、大学近くの古本屋に使い終えた教科書を売りに行ったら、驚くほど安い値段をつけられた。「どうしてですか。こんなにきれいに使っているのに」と訴えたら、「書き込みのない教科書は、古いだけで価値がない」と店主。講義で聞いた内容を書き込んだ教科書は、試験対策に役立つので高く売れるのだとか。



back<<< >>>next


2006年12月13日(水)  マタニティオレンジ42 ベビーヨガ10回目

生後113日目。10月から参加しているママ&ベビーヨガ(隔週でヨガとビクスのレッスンになっているけど、あまり違いはわからない)が今日で10回目になった。続けてみると、いい影響を受けているのがよくわかる。娘のたまは午前中は寝ていることが多いのだけど、教室に着くとパチッと目覚め、心なしかうれしそうな顔になる。他の赤ちゃんたちもレッスンの間はとてもいい子で、先生にじーっと注目。赤ちゃんたちがつぶらな瞳を先生に注いでいる姿は微笑ましい。大きな声と動きだけではない、赤ちゃんを引きつける何かが先生にはある。

赤ちゃんの集中力は10〜15分だという。最初の頃は、たまはすぐに飽きている様子だったけれど、少しずつ時間が延びて、今ではレッスン後半の授乳タイムまでの30分ぐらいはゴキゲンにしている。月齢が進んだせいもあるだろうし、場所や雰囲気に慣れてリラックスしているせいもあるのだろう。体を触られたり動かしたりする気持ちよさを覚えてきたようにも見える。

レッスンで習ったポーズや動きを家でもやっているけれど、子育て初心者のわたしにとっては、「赤ちゃんの触り方」がわかったのがよかった。股関節をやわらかくするポーズ、便秘に効くポーズ、胃腸を強くするポーズ、ぐずり泣きに効くポーズ、足腰を鍛えるポーズ。体への作用を理解した上で触ってあげられる。その成果かどうか、たまの首のすわりは早く、足腰もずいぶんしっかりしている。寝転がした状態で両手をつかんで上体を起き上がらせる「首すわりのチェック」(首がすわっていないと頭がイナバウアー状態に反ってしまうが、首がすわっていると首を起こしながら起き上がる)をやると、上体だけでなく足で立ち上がってしまう。ハイハイも早そうな予感。

レッスンではママたちの産後の戻りを良くする動きも取り入れている。週に一回でも体を大きく動かすと、とても気持ちがいい。わたしは体調はいいものの出産時のダメージの腰背筋痛が持病のようになってしまった。成長目覚ましい赤ちゃんに比べると、新陳代謝のスピードも回復力も鈍っているようで、「6か月で産前に戻るというけど……」と半信半疑だけど、レッスンをした日は少しマシになっている気がする。ママ仲間たちに会って気持ちが軽くなるせいで、身体も軽くなるのかもしれない。

ママ&ベビーやプレママ向けのヨが/ビクスの教室は日本マタニティビクス協会のサイトで検索できる。4月7日と8日にはパシフィコ横浜で行われる「マタニティ&ベビーフェスタ」の事前登録も受付中。ベビーマッサージやママヨガの体験コーナーがあり、おみやげ(ベビーグッズの試供品)もたくさんとのこと。

back<<< >>>next

2004年12月13日(月)  待ち合わせできない女
2003年12月13日(土)  加藤大治郎ジャズライブwith魔女田さん


2006年12月12日(火)  あっぱれ、『築城せよ。』!

11月21日の日記で紹介したサンモールスタジオ映画祭が本日開幕。楽しみにしていた『築城せよ。』を2回目の上映で観る。城を建てることなく死んだ侍の魂が数百年の時を経て平成の市役所職員に乗り移り、無念を晴らそうとする。お供として蘇ったホームレスの暴走で、城はなぜかダンボールで建てられることに。

バカバカしいことを本気でやるのが面白いと常々思っているけれど、ダンボールの天守閣、ダンボールの大広間が予想以上にちゃんと作られていて、現場のノリノリぶりを想像して楽しくなった。ダンボールの襖に描かれた墨絵は、ダンボールに印刷された漢字とのコラボレーションで新境地のアートのよう。監督の知り合いで日本画を描いている人の手によるものだとか。他の小物にもセンスのよさが光り、低予算ながら安っぽさよりポップさを感じさせる。

ストーリーもよく練られていて、約60分の上映時間の中で起伏のあるドラマが作られている脚本に感心。悲願の城が石ではなく紙で建てられたことに仰天、愕然とする侍の姿は笑えて、切ない。だが、紙の城を支える民衆の心意気を知り、「紙でできておるが、民の心で建っておる」と言い切る姿は潔く、清清しい。わたしはこの台詞で涙を誘われた。

上映後、監督の古波津陽さんと市役所の女性職員役の西丸優子さんが挨拶。アメリカのフィルムマーケットに出品したところ、「日本映画としてというよりコメディとして受け入れられ、日本に先駆け、アメリカでのDVD発売が決定」したとか。夏の盛りに公民館で雑魚寝して11日間で撮りきった撮影は、暑いのにかさばる衣装を着込んで大変だったけれど、合宿のようにワイワイガヤガヤ和気藹々だったとか。志を同じくする優秀なスタッフにも恵まれた様子。古波津監督の次回作は、趣をがらりと変えたヨーロピアンテイストの『マリオネット』。この振り幅を見ても、今後の飛躍が大いに期待できそう。大きな作品を撮るようになっても、現場のノリがスクリーンに映るような情熱と勢いを持ち続けていて欲しい。

『築城せよ。』は、『平成職人の挑戦』または『風の絨毯』との二本立てで18日まで1日3回上映。詳しくは、こちら。
2006年11月21日 『築城せよ。』と魔女田映画祭



back<<< >>>next

2002年12月12日(木)  ヰタ・マキ公演『戦場がメリークリスマス』


2006年12月10日(日)  マタニティオレンジ41 お食い初め

お食い初めといえば生後百日のお祝いなのだが、大安の日曜日を待って、生後百十日の今日に執り行う。ダンナの両親と妹、わたしの大阪の母が集まり、まずは近所の神社にお参り。先週から続いた雨が上がり、久しぶりのいいお天気。

会食はわが家にて。ダンナの両親はおめでたいことは午前中に済ませることにこだわるが、わたしの段取りが悪く、いただきますをしたときには正午を回ってしまっていた。食事の準備で授乳が遅れ、おなかを空かせたたまは大泣き。祝い膳を前に、じいじに抱かれての記念撮影は、泣きじゃくってひどい顔。苦笑するじいじとのコントラストが可笑しくて、これもいい写真だねと笑いあう。

メニューはダンナの幼なじみの魚屋てっちゃんが今朝焼いてくれたお頭つきの立派な鯛、てっちゃんとこで分けてもらった鯛のアラで作った潮汁、ダンナ母が早起きしてふかした栗入りの赤飯。そして、築前煮は昨夜、ダンナ母の出張指導のもと初挑戦。
_爾瓦靴蕕─
●こんにゃくを熱湯にくぐらせ、7ミリ厚に切って真ん中に切れ目を入れてくるんとひっくり返し、ひねりをつける。
●にんじんを花形でくりぬき、下茹で。
●ごぼうを薄いペンネ状に切って下茹で。
●蓮根を7ミリ厚に切る。
●椎茸をぬるま湯でもどす(煮る前の晩から一晩水につけておくと、もっといいだしが出る)。
●里芋を熱湯に入れて皮をむき、下茹で。
●鶏もも肉をひと口大に切る。
鍋にごま油を熱し、鶏肉を炒め、酒、砂糖、しょうゆで味付け。いったん鶏肉を引き上げる。
△僚舛膨缶N繊覆靴腓Δ罎箸澆蠅鵝砲箸世圭舛鯊し、しいたけ、こんにゃく、ごぼう、にんじん、蓮根を順に入れ、味を含ませながら煮る。
のぐ鬚呂ずれやすいので最後に。里芋が汁を吸ってなくなるぐらいがちょうどいい。
ヌ邵擇煮えたら鶏肉を鍋に戻す。

という手順で、おふくろの味を伝授してもらう。結婚6年目にして「煮物ってどうやるんですか〜」と泣きつく嫁とは情けないが、一晩置くといい感じに味がしみて、われながら上出来。お悔い初めにならずに済んだ。娘が物心つく頃には、おふくろの味も軌道に乗るだろう。

お宮参りに行った明治神宮でいただいたお食い初めセットとご近所仲間からお祝いで贈られた銀座小夏の器をまぜて盛り付ける。ダンナ母が持ってきた紅白のムースを花形に抜いたもの、ダンナ父が買ってきた十円饅頭と大阪の母のお土産の和菓子が彩を添え、見た目も華やかな祝い膳となった。

お食い初めといっても実際には食べる真似をするだけなのだけど、初めて鯛を目の前にした、たまの反応がおかしかった。「あら、これは何かしら?」と首をかしげ、くんくんとにおいをかぎ、次の瞬間、顔をうずめるようにして鯛にしゃぶりつき、塩を振った皮をペロペロとなめ出した。その後に見せた「しょっぱ!」の顔は忘れられない。人生初の塩味に出会った瞬間に立ち合い、家族で大笑い。

明治神宮のお食い初めセットに同封されたリーフレットを後で見ると、「食初は生誕より百日または百十日・百二十日に行うのが通例」とある。百十日目がお日柄もお天気も良い日と重なり、何よりだった。

back<<< >>>next

2005年12月10日(土)  5年物のモエのマグナム
2004年12月10日(金)  エコアス馬路村の間伐材商品【monacca】
2002年12月10日(火)  美人計画


2006年12月09日(土)  『現代映画聖書』と『麗しの銀幕スタア』

近所の図書館をよく利用しているが、ベビーカーでうろうろしているうちにぐずられてはかなわないので、このところは「今日返された本」の棚からささっと数冊見繕って借りるようにしている。誰かが最近読んだという事実は、それだけでお墨付きになる。どうやら映画好きの利用者がいる(一人なのか複数なのか)ようで、毎回映画の本が固まって置いてある。先日その中から借りた『現代映画聖書』(立川志らく)と『麗しの銀幕スタア』(秋山庄太郎)が大変面白かった。共通点は作者の絶妙な語り口。書き言葉でありながら、話し言葉を聞いているようなテンポのよさと味わいがあった。

立川志らくさんはかなり辛口。例えば、女優「サマンサ・モートン」の項では、「サマンサ・モートンといっても『誰?』と思う人がほとんどだと思う」(わたしもそう思った)に続き、「スピルバーグが監督した『マイノリティ・リポート』の水槽に浮かんでいた女の予言者といえばすぐにわかるはずだ」(わたしも、ここでわかる)と紹介。とても可愛い女優であるが、あの役では「なんだかよくわからなかったであろう」と叩き、彼女がヒロインを演じたウッディ・アレンの『ギター弾きの恋』を持ち上げ、「サマンサ・モートン、彼女の芝居をもっとたくさん観たい。こんな素敵な表情ができる女優を水槽に浮かべてしまうスピルバーグはどうかしている」と締めくくっている。こんな調子で名作と呼ばれる映画や名匠と呼ばれる監督に遠慮のない突込みを入れているが、映画への深い愛ゆえの苦言なので、読んでいて不快にはならず、むしろ痛快。

自ら映画を撮られ、名画を落語で演じるという「シネマ落語」で知られるこの方とは宮崎映画祭でご一緒し、お話しさせていただく機会があったが、とてもシャイで物静かな方という印象を持った。だが、映画祭で披露されたシネマ落語『天国からのチャンピオン』の見事な翻案と面白さには舌を巻き、あの人の頭の中はどうなっているのだろうと興味をそそられた。著書を読んで、あらためて、頭の中をのぞいてみたくなった。

数々の女優のグラビアを撮ってきたカメラマンの秋山庄太郎さんのエッセイも、テンポよし、歯切れよし、自虐調に披露されるスター女優たちとのエピソードは可笑しく、落語を聞いているよう。間近で本人を見てきたこの人ならではの言葉で紹介される女優たちのイメージが立体的に浮かび上がり、名前しか知らなかった女優も、名前さえ知らなかった女優も身近にさせる。月丘夢路の項では、軍国調だった当時の宝塚少女歌劇を振り返り、「舞台に月丘夢路が出てくるや思わず座り直した。容貌にしろスタイルにしろエキゾチック、の一言。ルックスが国策を裏切っているのだ」という具合。女優たちを持ち上げる一方ではなく、気に入らない演技や作品にはしっかりケチをつける。これも親しさゆえの本音、惚れ込んだ逸材が生かしきれていないことへの叱咤なのだろう。

語り口が面白い映画の本といえば、少し前に読んだ『加藤泰、映画を語る』はタイトルの通り映画監督の加藤泰氏が映画について技法的なことや作り手の気持ちを語った講演、インタビュー集で、これまた独特のユーモアと節回しを味わえる本だった。加藤泰氏は山中貞雄監督の甥にあたり、『映画監督山中貞雄』という著書もある。この二冊はご近所仲間で映画通のT氏より「今井さん、勉強してくださいね」ということで差し出されたのだった。「フェリーニの道ってどこにあるんですか?」とプロデューサーに聞いて、「TSUTAYAとか」と言われた(よほどの通でなくても、20世紀最大の映画監督と言われるフェデリコ・フェリーニの名作『道』は知っているものらしい。地名にはあらず)勉強不足を読書で少しずつ補っているところ。



back<<< >>>next

2002年12月09日(月)  ドカ雪


2006年12月08日(金)  マタニティオレンジ40 東大へ行く

生まれたばかりなのに、もうお受験の話、ではなく、文字通り赤門を抜けて東大へ行ってきた。東大はわが家から歩いて40分ほどの散歩コースだけど、今日は研究室からお呼びがかかったのだった。声をかけられたのは、わたしではなく、生後3か月半のたまである。

差出人「東京大学 大学院教育学研究科・教育学部 身体教育学 多賀厳太郎」の封書が届いたのが先月末。「生後3ヶ月齢の赤ちゃんがものを見たり、音を聞いたりしているときの運動や、脳の活動を調べる研究」に協力する「赤ちゃん研究員」を募る内容だった。住所と名前は区役所で住民基本台帳を閲覧して調べられたとのこと。ちょうど10月22日に放送されたNHKスペシャル『赤ちゃん成長の不思議な道のり』を大変興味深く観て、ベビーヨガのクラスでも話題になっていたのだが、番組の中で紹介されていた研究室からの思いがけないお便りに、「すごい!」「面白そう!」と夫婦で興奮した。

今日の主役はたまであり、わたしは「たまちゃんの付き添いのお母さん」。これから行う研究の内容を丁寧に説明され、母親が納得、同意した上で開始。一つ目の研究は、太陽光線よりも微量の光を発する光トポグラフィというミニクリスマスツリー電飾状のものを帽子のように頭にかぶせ、二種類の映像を見た反応を測定。光の反射でブドウ糖の消費量がわかるのだが、ブドウ糖が消費されている部分の脳が活性化しているということらしい。「カラフルなメリーを下から見た映像」と「意味のなさそうな格子模様の映像」が「黒み代わりの花火の映像」を間に挟んで繰り返される。研究員さんに抱かれたたまは興味があるのかないのか、ずっと指をしゃぶっていた。

二つ目の研究は、寝転がした赤ちゃんの両手両足に小さなボールのようなものを着け、手足の動きをコンピュータで分析。左手と頭上のメリー風おもちゃをひもでつなげ、「左手を動かすとおもちゃが動く」ことに気づいたときの反応とその後の手足の動きを追う。たまはまだ自分で物をつかんで遊んだりしないのだが、「今、関係に気づいた」とわかる瞬間があり、その後はしきりと左手を動かすのが確認できた。今度は、左手につけていたひもを今度は左足につけかえ、「左手ではなく、左足を動かせば、おもちゃが動く」ことをいつ発見し、手足の動きがどう変化するかを測定。前の記憶が残っているのか、たまはしばらく左手をしきりに動かしていたが、「左手を動かしてもおもちゃが動かない」ことに苛立ってぐずりだし、退屈して指をしゃぶり始めた。両手両足のボールは止まってしまい、新発見には至らなかった。

謝礼代わりに今日の研究の様子を納めたDVDと「赤ちゃん研究員」の認定証をいただく。たまは1057人目の研究員だった。母娘で記念撮影もしてもらえた。「どこで撮りましょう?」と聞かれ、「研究室らしいところで」とリクエストすると、「毎日ここにいるので、どこが研究室らしいんだか……」と研究員さん。二つ目の研究をしたメリー風おもちゃ(よく見ると、タコ足にリボンと鈴を取り付けた手作り)の前で撮っていただく。多賀研究室では0〜3ヶ月の赤ちゃんを対象とした複数の研究を行っており、赤ちゃん研究員を随時募集中とのこと。

back<<< >>>next

2004年12月08日(水)  『frame』 by Takeshi Sasaki


2006年12月07日(木)  マタニティオレンジ39 税金の元を取る

生後0〜3か月の赤ちゃんとそのお母さんが集う「おしゃべりルーム」という会に出席。区の保健センターの一室、大きなおなかを抱えて母親学級を受けた同じ部屋に、今度は子どもを抱えて集まる。20組ぐらいの母子が順番に自己紹介し、あとは車座で二時間ほどおしゃべり。話題は子どものこと中心というか、子どものことばかりなのだけど、「うちの子、手の甲に蒙古斑があるんです」「指しゃぶりがひどくて」「母乳100%?」「お風呂どうしてる?」「保育園どうしよう」「ベビーカー買った?」などなど話してたら、自分のことを話す時間は残ってなかった。わたしは母親学級では誰とも連絡先を交換するような仲にならなかったのだけど、今日はけっこう話が盛り上がった。ベビーヨガのクラスで習った赤ちゃんが泣き止む「木の上の虎のポーズ」や赤ちゃんが喜ぶ「蝶のポーズ」を披露したり、TOHOシネマズにママズクラブシアターってのがあるよと教えたりして、日頃あちこち出歩いているおかげで話題提供できた。

わたしが住んでいる文京区は東京都で下から五番目の出生率らしく、少子化を食い止めるために頑張っている。区役所のある庁舎内には授乳室やキッズルームがあり、1才を超えると3時間2500円で一時預かりもしてくれる(3時間じゃ何もできない、という声もあり)。今年は「子育てアシストお買い物券」なるものが支給され、わが家も5000円分の買い物券を家計の足しにさせてもらった。乳幼児の医療費が無料になる医療証が交付され、主だった予防注射も無料で受けられ(これは全国共通か?)、BCG接種つきの四ヶ月検診も2日に分けてしっかりやってくれる。子どもが生まれると、「税金の元を取ってる!」と実感できる。

ただ、不思議というか不満というか腑に落ちないのが、役所から届く子育て関連の文書のあて先。「○○○○(子どもの名前)さんの保護者様」という表記でなければ、ダンナの名前。わたしの名前で届いたものは一通もない。「男女協働子育て支援部」からの案内さえダンナの名前だけで、「男女協同ちゃうやん!」と封筒相手に突っ込みを入れた。お役所文書的には世帯主の名前にするのが自然なのかもしれないが、母親のテンションは下がる。予防接種の案内に至っては、ダンナと娘の連名。あて名ラベルに仲良く並んだダンナと娘の名前を見て、「母親はのけものか」といじけたくなった。予防接種に連れて行くのは9割方母親だと思うのだが、保険証の関係なのだろうか。母親の名前だけでは不都合があるのなら、両親の名前をのっけてはどうだろう。脚本家のクレジットと同じく、たかが一行、されど一行。子育ての主役は母親とか言いながら名前を外すのはいかがなものか。そんな矛盾も子どもを産まなければ気づけなかったし、役所の文書ひとつ取っても子育ては発券に満ちている。

back<<< >>>next

2005年12月07日(水)  『陽気なギャングが地球を回す』試写
2004年12月07日(火)  俳優座劇場『十二人の怒れる男たち』
2003年12月07日(日)  どうにも止まらぬ『剣客商売』


2006年12月06日(水)  マタニティオレンジ38 悪いおっぱい

先日、赤ちゃんとお母さんが集まる会に出席したときのこと、指導に当たられた助産師の先生は、「おっぱい先生」だった。赤ちゃんのどんな症状も母乳と結びつけるのである。
ママ1「うちの子、肌が荒れているんですけど」
先生「それはおっぱいが悪いからです」
ママ2「おむつかぶれがひどくて」
先生「それもおっぱいが悪いです」
といった具合。「うちのダンナ、育児を手伝わないんですけど」と言ってもおっぱいのせいにされるのではと心配になるほどだった。乳製品や卵を取ると湿疹やアトピー性皮膚炎になりやすいし、赤ちゃんの不調と母乳は密接な関係にあるのは確かだろう。だけど、気候やおむつ内の湿度だって関係あるはずで、母乳だけが悪者にされては、出してるほうも立場がない。

「赤ちゃんが寝てくれない」のも、「おっぱいが悪い」から。「母乳が甘いと、赤ちゃんは眠りが浅くなります。甘いものをやめればぐっすりです」と言う。勉強になったが、「洋菓子はもってのほかだけど和菓子もダメ。赤ちゃんは小豆が嫌いです」「砂糖は一切ダメ。味付けはみりんで」と徹底され、「栗やさつまいもも甘みが出るから控えめに」とまで言われると、わたしなんかは、自分が不眠になってしまいそうになる。母乳が不安定だった生後一か月頃、一日に大福を四個食べていたら出が良くなった。先生的には間違った和菓子療法だが、「餅はいい」「小豆はいい」と思い込んでいたことによるプラシーボ効果が出たのだから、それでいい。

「おっぱいが悪い」を連呼していた先生だが、「うちの子、8時間ぐらい寝るんです」というママの声に、「それはおっぱいに悪いです」と初めて同情を見せた。それだけ長い時間溜めておくと乳腺炎になるという。眠らないのはおっぱいが悪いからで、眠りすぎはおっぱいに悪い。おっぱいの世界は奥が深い。

「他に質問は?」と見回した先生と目が合ったので、「うちの子、手足が冷えるんですが」と日頃気になっていることを聞いたら、「そういう質問を待ってました」と先生。「それは、おっぱいが冷えているんです。お母さんの食べているものが悪いんです」。タウンミーティングのやらせ発言のようなやりとりになってしまった。「ちなみにお昼は何を食べましたか」と聞かれ、「カレー」と答えたところ、先生はさらに勢いづき、「カレーはおっぱいの質を悪くします。赤ちゃんがいやがります」。四歳のときから隣人のインド人の本格カレーを食べてきた遺伝子を受け継ぎ、妊娠中も毎日のようにカレー味(!?)の羊水で育った娘のたまは、カレー直後の母乳もごくごく飲む。でも、確かにスパイスの刺激は赤ちゃんには強すぎるかも、とここは反省。前日の夕食も聞かれたので、そこは胸を張って「玄米と納豆」と答えたのだが、「玄米は胃に負担をかけるので胚芽米にしましょう」「大豆は三大アレルギー源のひとつなので控えましょう」。消化のいいファンケルの発芽玄米なんですが、と反論するのは遠慮した。

おっぱい先生の指導通りの食生活を送れば、母乳はすばらしい品質向上を遂げるのだろう。でも、その前に、干からびてしまう気がする。

back<<< >>>next

2005年12月06日(火)  戸田恵子さんの『歌わせたい男たち』
2003年12月06日(土)  万歩計日和


2006年12月05日(火)  石井兄弟社の忘年会

金融コンサルティングと幼児教育を手がける石井兄弟社の忘年会に参加。社長の石井至氏は釧路出身。「北海道に縁のある作品が多いから」という理由で、2年前、六本木ヒルズクラブのディナーをごちそうしてくださった奇特な方。会社の忘年会といっても社員はごく一部で、石井人脈の交流会の様相。例年案内メールを一斉送信していたのだが、今年はア行から順に一通ずつ個人宛のメッセージを添えて送ったところ、異様にレスポンスが良く、カ行あたりで定員に達してしまった。というわけで、席次表を見ると、ア行とカ行の人がほとんど。「マスよりも一対一のマーケティングが有効であるとあらためて確認できました」と石井氏。

「シェ松尾のフルコースディナーとワイン飲み放題」に惹かれた人も多かったようで、わたしもその一人。フレンチなんてひさしぶり、というより、出産以来、ワイングラスを傾けることもナイフとフォークをカチャカチャすることもなかなかないし、シャンデリアやふかふかの絨毯も遠い存在。たまに華やいだ場所に繰り出すと、浮世離れした気持ちになる。

友人で石井氏の元部下のナカジ嬢以外は知らない人ばかりだが、左隣エリアの金融関係者さん達も右隣の週刊朝日の記者さんもその向かいの石井さんの部下の幼児教室の先生も楽しい方々で食事がおいしく進む。ななめ前方の長髪の方が一種独特の空気を醸していて「ミュージシャンか画家か」と気になっていたら、ショータイムになると目の周りをラメで縁取って舞台に登場。掟ポルシェという芸人さんだった。もとはミュージシャンらしいが、テレビ東京の深夜番組の「東海道五十三次の川をフンドシで泳いで渡り、男気を見せる」という企画(番組は終了し、DVD化が決定)で知る人ぞ知る存在に。石井氏が大ファンということで、今夜の出演と相成った。「川幅180メートルでも、流されると1キロ」などと番組裏話で会場を湧かせた後、「今からこのハンガーを力いっぱいくぐりぬけます!」と宣言。他には「さんま丸呑み」芸があるらしく、「男気」がこの人の芸風のよう。写真は肩でつかえたハンガーを石井氏に引っ張ってもらっているの図。無事くぐり抜けたかどうかはさておき、過去には「改札を全裸で走り抜ける」企画をやったとか。

前菜は「オマール海老の冷製ロワイヤル デュバリー婦人風 フレッシュキャビア添え」、メインの魚料理は「本日入荷鮮魚のポワレ フランス産野生の茸添え サフランソース」。肉料理の「仔羊背肉のロースト 季節の野菜添え 仔羊の旨みのジュ バジリコ風味」は、体重130キロだった石井氏が「ワカメと羊肉で50キロの減量に成功」したことに由来。50キロといえば、わたしとたまを合わせた重さに匹敵。とんでもない重さだ。羊肉はあまり好きではないけれど、今夜のは「羊」と言われなければわからないほど臭みがなく、それでいて牛のように脂っこくなく、これはうまい。デザートの「フロマージュブランのムースとグレープフルーツのコンフィ 苺のクーリーソース」は苺をふんだんに使い、贅沢ながら軽やかな後味。メニューの絵は松尾氏の手によるもので「K.MATSUI 1983」のサイン入り。「シャガール風ですねえ」と噂する。

久々のフレンチを堪能したというのに、体がすっかり和食党になったのと、母乳育児による万年空腹のせいで、コーヒーを飲み終えると「ご飯が食べたい」モードに。帰ってからご飯を二杯食べる。

2004年8月10日 六本木ヒルズクラブ



back<<< >>>next


2006年12月04日(月)  マタニティオレンジ37 LEGOと想像力 

保育園児を演じた『パコダテ人』の撮影から5年、小学5年生になった前原星良ちゃんと星良ママが遊びに来る。友人代表で届けてくれた出産祝いはLEGO。「わあ懐かしい。昔よく遊んだわ」と言って、カンヌ広告祭で観たCMを思い出した。男の子がギフトボックスを持って大人たちに見せて回る。中をのぞきこんだ大人たちは、「おおっ」と驚かれたり、「へえー」と感心されたり。一体何が入っているのか、観客の興味がいや増した頃に、"Imagination inside."のキャッチコピーと"LEGO"のブランドロゴが現れ、会場からは「おおっ」「へえー」の声とともに拍手が起こった。わたしも思わず拍手しながら、「この人たちもLEGOで大人たちを驚かせたり感心させたりしたんだろうな」と各国から集まったクリエイターたちを見回し、「LEGOでイマジネーションを育んだから表現の道に進んだのかもしれない」と思ったりした。

テレビゲームよりもレゴに夢中な子になってくれるといいなと思う。「レゴは立体で考えられるようになるからいいんだって」と星良ママ。星良ちゃんの類まれなる想像力は、レゴ効果なのかも。やわらかいのはバレエ仕込みの体だけじゃない、柔軟な発想にはいつも驚かされるが、今日はニューヨークのユキちゃんから贈られた指人形を見つけて指にはめるなり、「では会議をはじめまーす。ラクダのこぶは必要でしょうか」と即興の人形劇をはじめた。「こぶの中の油は栄養になるので、あったほうがいいんじゃないでしょうか」「ボクのまわりには干し草がたくさんあるので、こぶは必要ないです」「こぶがあると座りやすいので、長い旅にも役に立つと思います」……。それぞれの台詞がちゃんとキャラクターの言葉になっている。指の動きに合わせたコミカルな語り口に引き込まれて、生後104日目のたまも星良ちゃんにじーっと注目。わたしだったら、「らくだですよ〜。天使ですよ〜。こんにちは〜」とあやしてしまうところ。人形同士で会議をさせるなんて発想が出てこないのは、イマジネーションの欠落。

追伸。日記を読んだダンナが「レゴって何?」と聞くので、「レゴを知らない人がいるの?」と驚いたら、「知らない人がいると想定しないは想像力の欠落だ」となじられたので、いただいたレゴの写真を掲載。口に入れてしまう危険があるので、対象年齢は4才から。

back<<< >>>next

2004年12月04日(土)  『父と暮せば』@岩波ホール
2002年12月04日(水)  カブレラ


2006年12月03日(日)  マタニティオレンジ36 撮影大会 

写真に写るのはあまり好きではないし、撮るのはもっぱら食べもばかり、携帯電話のカメラ機能だって使ったことはなかった。だが、子どもが生まれて状況は一変。携帯で撮るわ撮るわ、あっという間に四百枚。撮った先から友人知人に送りつけ、パケット料金は出産前の二十倍に。請求額を見てのけぞり、慌ててパケット割を申し込んだ。

今日は朝から年賀状用の写真の撮影大会。都合よく笑ったり笑顔をキープするサービス精神は赤ちゃんにはないので、撮る側が粘り強くシャッターチャンスを狙うしかない。動物相手の撮影と同じ。「写真(2D)だと実物(3D)のかわいさを表現し尽くせないのね〜」と親バカ全開しながら、「たま〜、こっち向いて〜」「たま〜、もういっぺん笑って〜」と必死であやしてはバシャバシャ。フィルムだったら何本あっても足りないけど、枚数を気にせず撮れるデジカメはありがたい。

撮った写真で写真つき切手も注文の予定。3週間程度かかるというから、ぎりぎり年内に仕上がるかどうか。どうせ年賀状を書くのは暮れも押し迫ってからになりそうだし。今年9月に登場したフレーム切手のほうが切手感はあるのだが、なぜか80円切手のみ。年賀状用の50円切手需要は高いと思うんだけど。

back<<< >>>next

2005年12月03日(土)  第12回函館港イルミナシオン映画祭 参加2日目


2006年12月02日(土)  マタニティオレンジ35 飲茶再発見

7月に二人目の女の子が生まれた友人のY一家とわが家の親子三人で、新宿・東京大飯店にてランチ。出産前に同じ店で食事したとき、「ここなら赤ちゃん連れで来れそうね」と話していた。トイレにはおむつ替え台があり、お店の人もベビーカーに慣れている様子。湯気の立つ蒸籠を満載したワゴンが行き交う中、赤ちゃん二人はベビーカーですやすや。子どもが生まれてビュッフェ外食が増えたという友人が多いが、適度なガヤガヤワサワサ感があるほうが赤ちゃんは安心して眠れるようだ。ぐずっても、これまたざわめきに紛れて目立たない。

赤ちゃん同士を並べると、信号でも発信しあっているかのように、寝起きや空腹を訴えるタイミングがシンクロする。両家の赤ちゃんがほぼ同時に目を覚ましたので、わたしとY夫人は、おそろいの授乳ケープをかぶって席で授乳。だっこで片手がふさがっていても、飲茶ならパクパクつまめる。モチモチした食感の団子や海の幸たっぷりの餃子も母乳に良さそう。小学一年生のY家の長女ちゃんは、「東京大飯店」の判を押した特大あんまんを注文。「今日はね、赤ちゃんが二人いておめでたいから、これを頼んでみたの」とかわいいことを言う。

食事の後、セレブな品揃えのベビー用品売場と設備の充実したキッズルームと芝生の屋上が評判の伊勢丹新宿店へ。デパートを選ぶ基準も出産を境にがらりと変わってしまっているのが面白い。

back<<< >>>next

2005年12月02日(金)  第12回函館港イルミナシオン映画祭 参加1日目
2001年12月02日(日)  函館映画祭3 キーワード:Enjoy



My追加