2002年12月16日(月)  シナリオ作家協会の忘年会

シナリオ作家協会に入って9か月。会合やパーティーの案内は何度か送られてきたが、毎回平日ということもあって参加する機会を逃していた。今夜の忘年会ではじめて行事デビューとなったが、受付を終えてまわりを見渡しても知っている人はいない。正確にはメディアでお見かけてしている大先生方は顔を見るとわかるのだが、いきなり「今年入会した者です」と挨拶に行くのも変な話。森岡利行さんが来られるはずだが到着が遅れている。

この場にいる人で、かろうじて知り合いと呼べるのは、協会に入るよう誘ってくれた勝目貴久氏しかいない。勝目氏は友人の叔父さんで、三年前に彼女の披露宴でお会いしたときに「シナリオを書いているなら僕が理事をしている協会に入りなさい」と声をかけてくださった。当時は入会資格がなかった(劇場公開作品または2時間ドラマを1作品以上書いていないと入れない)のだが、ようやく入会できた今は時間が経ち過ぎて勝目氏の顔がわからない。いろんな方に「勝目氏ですか」と聞いて、笑われたり、「心外な!(僕はもっと若いですよー)」と言われたりして、やっと探し当て、ご挨拶する。

乾杯に続いて菊島賞(協会員の投票で決まる、今年最も活躍した脚本家をたたえる賞)の授与式。今年の受賞者は『KT』の荒井晴彦氏。「シナリオは書き直される運命にあるし、自分の思い通りの形にならないことが多い。その悔しさを知っている仲間に選ばれるこの賞が欲しかった」といったことを挨拶された。乾杯の音頭といい表彰状の文面といいスピーチといい、言葉を生業にしている集団だけあって、どれも気がきいている。

森岡さんが到着し、シナリオ学校の教え子、千葉美鈴さんを紹介される。『路地裏の優しい猫』フォトブックのキャプションを書く際の参考に、千葉さんの書いた台詞を見せてもらったのだが、女の子の感情がヴィヴィッドに伝わり、言葉選びのセンスにも感心した。その褒め言葉を森岡さんから伝え聞いて、「もっと書こうって勇気をもらったんです」と千葉さん。書くことが楽しくてたまらないという感じ。来年はコンクールにも挑戦するとのことなので、『月刊ドラマ』や『月刊シナリオ』で彼女の名前を探す楽しみができた。

この二誌の編集長さんにもお会いする。月刊シナリオに掲載されたおかげで、脚本家は無名ながらパコの知名度は高かった。『女学生の友』や先日放送された『よど号ハイジャック事件』の脚本を書かれた加藤正人さんは、「パコダテ人、知ってる!前田監督と十文字映画祭でお会いしました」と爽やかに言ってくださった。全員に当たる抽選大会で当たったのはグアムのTシャツ。DVDプレーヤーやパン焼き機を当てて会費の元を取る計画は失敗。

2001年12月16日(日)  こだま

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