2002年11月21日(木)  ファミレスの誘惑

■駅から歩いて家に着く100メートルほど手前にジョナサンがある。あまりに家に近いので、一度しか行ったことがない。そのときは、昔の友人にばったり出くわして、辺りで開いていた店がジョナサンだけだったので利用した。ところが数日前から、ジョナサンに寄り道したい、という誘惑にかられるようになった。すぐそこに家があるのにわざわざ寄って帰る贅沢に目覚めてしまったのだ。つけ足すと、最近入った折り込みチラシに『ドリンク無料券』がついていたことも、ジョナサン熱に少なからず影響していた。観たいテレビがあるから、昨日のごはんの残りがあるから、と何度かは誘惑をやり過ごしたが、今夜ついに誘惑を断つ理由が見つからず、ガラス扉を開けてしまった。終電で帰ったのだが明日は撮影なので早起きしなくてはならない。そんな日に限って夜更かしする道を選んでしまうのはなぜなのか。食べ物は軽くしておいたほうがいいと思いつつ、『ドリンク無料券』を使うのに380円のサラダでは申し訳ないと思い、よりによって『牡蠣と野菜のドリア』なんてものを注文してしまう。「それとハーブティー」と言うと、「ドリンク無料券でご利用いただけるのはドリンクバーのみになっております」という返事。ドリンクバーはすぐ近くにあり、ハーブティーのティーバッグもあるというが、疲れがドヘッと出て立ち上がるのも面倒になっていたので「どうしてもダメ?」とゴネた上に「じゃあドリンクはキャンセルしてください」とイヤな客になった。だったらサラダかスープにしとけばよかったよ。来店動機のひとつを失い、熱が冷めてしまったのでダンナに電話してみる。遅くなると言ってたけど、店の前を通りがかったら寄っていかないと誘うつもりだった。「もしもし、今どこ?」「家帰ってるよ」「うそ。ジョナサン来ちゃったよ」「なんで?」「なんでだろ…。牡蠣ドリア頼んじゃったよ」「キミ、何やってんの?」。ダンナの声は呆れていた。待つこと20分あまり。深夜1時過ぎ、ドリアが運ばれてきた。胃にもたれそうーと思いつつ、なかなかおいしくてハイペースで食べ進む。残り5分の1くらいは意地になって食べる。試験前にジグソーパズルに手を出してしまった高校生のようだ。ほんと、何をやっているのでしょう。

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