2005年11月16日(水)  『天使の卵』ロケ見学3日目 ミラクル

今日は7:30ロケバス出発。午前中は歩太が父の飛び降りたビルの屋上で花を手向けるシーン。ビルのふもとには大量の機材が出現。大掛かりな撮影隊に、ビルの管理人らしきおばさんは「映画は大変ですなあ」と感心したように言う。リハーサルを重ね、犬のフクスケを入れた形でさらにテストをし、いざ本番。現場では皆、市原隼人さんを「歩太」と呼び、彼も自然に返事している。19才の歩太がそこにいる。

午後は春妃のマンションのシーン。メンチカツのせシチューとサラダの昼食を取っていて、ふと隣を見るとマギー司郎さんがいる。マンションの管理人役で出演。一緒にいる男の子は親戚の中学生さんかと思ったら、二十歳のお弟子さん。しかも、美術助手のアルバイトの女の子の高校時代の同級生だそうで、お互い再会にびっくり。

マジック好きなわたしはマギーさんに興味津々。その場でいくつか披露してもらう。ちょうど少し前にNHK「ようこそ先輩」のマギーさんの回を見て感動したばかり。生徒に自分の欠点を話させてからマジックを披露させるという授業で、生徒を見守るマギーさんが涙ぐんでいるのを見て、もらい泣きしてしまった。「自信のない楽天家」だと自分を分析するマギーさん。17才で家出し、15年後に出演しているテレビ番組のスタジオに母親から電話がかかってくるまで連絡を取っていなかったとか。時間と苦労を重ねて味が染み出しているような人なのだった。マギーさんは鼻歌を歌いステップを踏みながらモップをかける陽気な管理人という役どころなのだが、「どうもダンスは苦手で」と本番ぎりぎりまで練習に励んでいた。

春妃役の小西真奈美さんともこの日初対面。みずみずしい透明感はこの人の宝だと思う。春妃役が決まったと聞いたとき、原作を読んで受けたイメージと見事に重なった。映画化のタイミングで春妃と同じ28才になったのが必然のようでうれしい。原作も脚本をかなり深く読み込まれていて、とても聡明な人という印象を受ける。

歩太と春妃が待ち合わせたカフェはclosedで外は大雨、やむを得ず近くの春妃のマンションに駆け込む二人……という流れ。「雨降らし」の撮影というものをはじめて見たが、そこら中水浸しになるので準備も後片付けも大変そう。ト書きで「雨」と指定すると、「晴れにできませんか」とプロデューサーに相談されることが多いが、よっぽどの理由がない限り避けたいと考えるのが理解できた。でも今回の雨は必然。

夜は単独行動。いつからなのか、三条烏丸の角が新風館というエリアに生まれ変わっている。メリーゴーランドがあり、イルミネーションが灯り、気の早いクリスマスが来たようなにぎやかさ。その一角にあるask a giraffeで夕食。カレーはなかなかいける。インテリアショップGeorge'sのカフェらしい。隣接するショップは閉まっていたけれど、カフェはにぎわっていて、関西弁で恋や夢を語っている。

ロケ現場の脚本家は転校生のようだと思う。しかも文化祭直前の。すでに人間関係は出来上がっていて、皆はそれぞれの役割に忙しい。自分抜きで完結している世界に割り込むのはなかなか大変で、せめて皆の足を引っ張らないように遠慮がちに見学させてもらうのだが、何かを一緒にしない状態で距離を詰めていくのは難しい。滞在期間が長いと、少しずつ打ち解けて居場所もできてくるのだけど、今回は駆け足なので、転校生のままで終わりそう。作品を重ねていけば、『パコダテ人』のスタッフに『子ぎつねヘレン』で再会したように、現場に顔見知りが増えて、お邪魔感は薄まっていくのだろう。

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