2003年11月13日(木)  SKAT.2@Wired Cafe

■渋谷のQフロントビル6階に10月25日にオープンしたWired Cafeは、お茶しながらネットができて、本も読める場所。置いてある本はかなり偏っていて、『ブレーン』『宣伝会議』など広告関係のものがほとんど。宣伝会議社とタイアップしているのだろうか。SKAT.2という冊子を手に取る。SENDEN KAIGI AWARD TEXTを略してSKAT。「第40回宣伝会議賞優秀作品一挙公開」の副題。宣伝会議賞はプロ・アマを問わないコピーライター選手権のようなもので、わたしも何度か応募していた。懐かしい気持ちでページをめくる。この賞は数十社ある協賛企業が課題を出し、それに応募者が挑戦する形になっているのだが、お題発表広告に各社の遊び心が効いている。板チョコが札束(金賞は賞金百万円)に化けていたり、「うちの商品を飲んで考えよう」といったキャッチがあったり。第40回は過去最高の応募数だったそうで、審査員は「最終ノミネートされた全部に賞をあげたいぐらい」だったとか。シナリオ新人コンクールの選評では最近「低調」の嘆きが目立つがコピー界の未来は明るいと見える。■激戦を勝ち抜いた金賞は「お母さん、そのお皿の洗い方はなに?」。課題商品はアルバイト発見マガジンan。「『そのお皿の洗い方は何ですか』だったら受賞しなかった」という審査員コメントに納得。ターゲットの気分がよく出ている。「ごちそうよりごちそうさまを大切にしています」という丸大食品の企業広告も印象に残る。「最終ノミネート」「2次審査通過作」も掲載されていて、読み比べると、賞を取るコツをつかむいい勉強になりそう。■感激したのは、第1回(1962年)からの金銀銅賞が特集されていたこと。第1回の金賞はサントリービールの商品広告で「最初のノドごしをお聞かせください」。第9回(1970年)は「8月37日。」。お題はジャルパックのJOYハワイ。全然古さを感じさせない。第16回(1978年)は「さらば視聴率、こんにちは録画率」。松下ホームビデオの広告。でも現代もまだ視聴率。第16回(1982年)の「愛しあっているのなら、0.03m/m離れなさい」(岡本理研ゴム)、第28回(1990年)の「明日の自分に借りるのだ」(アコムキャッシング)はやっぱり強い。第32回(1994年)の「女子トイレがとっても混雑しているのは落ちやすい口紅にも責任があると思います」(コーセーヴィゼ)にも時代が見える。わたしのお気に入りは第38回(2000年)の「精子だった頃の運をもう一度」(LOTO6)。生まれてきただけで大強運の持ち主。■受賞コピーと並んで、受賞者のコメントを読むのも好きだ。受賞にそれぞれの人が勇気や励ましをもらっていることが伝わってきて、コピー以上に心を動かされることもある。「もう少し頑張りたくなった」「書き続けていいよと言われた気がした」といった言葉に、自分が応募していた頃を思い出す。広告代理店のコピーライターになれたものの、なかなか戦力になれず、もどかしさを感じていた。宣伝会議賞は、全国にいるライバルの胸を借りる年に一度の機会だった。応募したコピーが1次審査2次審査と勝ち進んでいくのを見て、自分の力を確かめていた。入社2年目にリクルート社の「じゅげむ」のラジオCMが審査員特別賞に。授賞式で知り合ったコピーライターたちとは、励ましあう仲間になった。入社5年目に東ハトの「キャラメルコーン」のコピーで協賛企業賞をもらったのを最後に、応募は卒業した。今もコピーを書き続けていられるのは、宣伝会議賞があったからだし、これからもコピーを書く人は、この賞を目指し、卒業していくのだろう。ずっと続いて欲しい。

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