2008年05月05日(月)  マタニティオレンジ280 子どもの日にワークライフバランスを考える 

朝からダンナ父と娘のたまのデートを送り出し(最近のデートスポットは舎人ライナーに乗って舎人公園。広々とした森なのだとか)、ダンナとともに日比谷へ。お目当ては1日に公開した『相棒』。『アテンションプリーズ』の脚本の追い込みの頃に深夜に帰宅してテレビをつけたらドラマシリーズの再放送をやっていて、明け方まで一挙に四話見て以来、はまってしまった。3日放送のスペシャルも観て、ますます映画に期待が膨らんだのだけど、同じような人が多数いると見え、夜の上映まで立ち見とのこと。「朝9時半の回も厳しいでしょうね。30分前でしたら座れないこともないかもしれませんが」劇場のおじさまのクールな口調も、どことなく右京さん風。

三越の地下の子ども服フロアを冷やかし、セガフレードでカフェラテを飲み、家に引き上げた。ダンナと二人ででかけるのなんてひさしぶりだけど、「たま、どうしてるだろうねえ」などと話題は娘のことになる。でも、今こんな仕事してるよ、と互いの近況報告らしきこともできた。

夜はダンナの実家でたまと合流。ダンナ妹のケイコちんも来て、お好み焼きの夕食の後に、子どもの日らしく柏餅。柏餅といえば、先日ダンナが「この柏餅は葉っぱの塩味が効いている」と言って驚いたのだけど、「柏餅の葉っぱって食べるの?」「桜餅の葉っぱは食べるけどねえ」などと話す。以前ダンナ一家に「空豆の皮を食べるのは変」と指摘されたのだけど、柏餅の葉っぱよりは食べられると思う。

ケイコちんが勤務先の機関紙に掲載されたコラムを見せてくれた。ワークライフバランスについて綴ったもので、休日に姪っ子と遊ぶ時間が充実していて幸せといったことが書かれてある。たまを抱いた写真が添えてあって「そっくり」と同僚たちに大反響なのだとか。ワークライフバランスという言葉、最近よく聞くけれど、今のわたしは、とてもいい感じで仕事と生活のバランスが取れている。仕事と子育てが互いに張り合いと息抜きを与えている感じ。締切前にはリズムが崩れることもあるけれど、子どもを保育園に預けている間に仕事を片付け、子どもが家にいる間は一緒の時間を大切にするというメリハリが心身の健康バランスも保ってくれている。もちろん、保育園やダンナの実家という強力な味方に支えられ、仕事相手の理解と協力に恵まれてのこと。子どもの日に、大人のみなさんに感謝。

2007年05月05日(土)  マタニティオレンジ115 つかまり立ちがはじまった!
2005年05月05日(木)  店主も冷蔵庫も味な居酒屋『串駒』
2004年05月05日(水)  映画『チルソクの夏』
2003年05月05日(月)  日本橋三越に「風じゅー」現る!


2008年05月04日(日)  マタニティオレンジ279 子どもを一人のゲストとしてもてなす

先日知り合い、わたしをいたく気に入ってくださったIさんという女性がお宅に招いてくださり、ダンナと娘のたまとともに一家でうかがった。お得意のカレーをふるまってくださるというので、カレーに目がないわたしとダンナは前日から「どんなカレーだろねえ」とそわそわしていたのだけど、想像以上に本格的で味わい深いスパイシーカレーに五感がとろけて陶然となった。「たまちゃんにはお子さまようにアレンジしますね」と出されたのは、豆のカレーを牛乳で伸ばしてドリアにしたもの。初めてだけど、やめられないわね、という感じで、たまもせっせと食べた。食後のデザートには手作りの「たまちゃん旗」を立てたプリンが用意され、感激した。

「うちには小さなお子さんをもてなせるものはありませんが」と事前のメールに書かれていたので、「お気遣いなく」と返事をしたのだけど、図書館で借りてきたという絵本は、どれもたま好み。「一歳八か月の女の子がよろこぶ本」を相談してくださったのだろうか。クッションをベッドに見立て、人形を寝かしつけて遊んだり、ピアノを弾いたり、器用なダンナ様の手作り万華鏡をのぞきこんだり、たまは退屈するひまもない。

シターを習っているダンナ様は、澄んだメロディで童謡を奏でてくれた。『どんぐりころころ』や『ぞうさん』や『むすんでひらいて』にたまが反応するのを見て、「ちゃんとわかるんだ」とうれしそう。シターを作ったこともあるというダンナ様、本当に物づくりの名人のよう。器用でいて大きな手を活かしたマジックもお見事で、たまは「あれえ?」と歓声を上げ、目を丸くしていた。その顔をまた見たくて、ハンカチが何度も消えたり、色が変わったり。大人もすっかり騙されて、タネは見破れなかった。

気がつくと五時間が経ち、カレーをおみやげにいただいて帰る。家の外まで見送りに出てくれたI夫妻の姿が見えなくなるまで大きく手を振るたまを見て、いい一日だったなあと心がほくほくした。子どもは子ども、大人は大人ではなく、子どもが大人に巻き込まれ、大人も子どもに巻き込まれ、一緒になって楽しむ。子どもを一人のゲストとしてもてなすってこういうことなんだと教えられた。

2007年05月04日(金)  マタニティオレンジ114 二世代で同級生
2005年05月04日(水)  一緒に飛べなかった『アビエイター』
2002年05月04日(土)  フランスのパコダテ人、函館のアメリ。


2008年05月03日(土)  80BOYS AND BABYの会

先日のシナリオ講座創作論講義でいちばん受けたのが、「いろんな年代、職業、性格の友達を持つと書くものが広がる」という一例として紹介した今井雅子ファン最高齢である80歳の現役医師、余語先生の話。コンクールに寄せられる脚本のお年寄りは、縁側で渋茶をすすっている人が多いけれど、実際の70代80代はかなり元気。「アテンションプリーズ、観逃しましたので、DVDプリーズ」とお茶目なメールを寄越してくれた余語先生、観逃した理由は当直夜勤だったから。仕事をし、展覧会やら演劇やら同窓会やら俳句の会やらに精力的に出かけ、実にハツラツ。だから、わたしが描く70代80代は、じっとしていない。

余語先生とは放送文化基金関係のパーティで知り合い、その後、先生の幼なじみを何人か紹介された。最初に紹介されたのが高田さんで、余語先生とわたしと高田さんの三人で会うことが多い。お二人とは産後二か月の頃に出産祝いに駆けつけていただいて以来ごぶさたしていて、また集まりましょうねと言っているうちに一年半経ってしまった。

『アテンションプリーズ』放送のお知らせでひさしぶりに連絡を取った余語先生から「近いうちにお目にかかりたく思います。なにぶん後がないもので、早めに日をお決めくださいませ」と催促があり、今日の再会が決まった。「80BOYSの会」と余語先生自ら命名した後で、「お子さんもご一緒でしたら80BOYS AND BABYでしょうか」と修正。

小石川植物園でピクニックを提案したのだけど、昨日からの雨が朝になっても降り止まず、最寄り駅の三田線白山駅で集合して「どうしましょうねえ」。昼から上がるという予報だし、とりあえず行ってみましょうと向かうと、ひっそりとして、雨に煙る庭を貸し切り。雨宿りできるベンチで横一列になり、余語先生の奥様が朝からこしらえてくださったおにぎりとおかず、高田さんが持ってきてくださったシェ・ルイのパンと赤ワイン(グラスも持参)をいただく。

余語先生と高田さんは小学校の同級生で、お二人の他の同級生の何人かにも以前お会いしている。「皆さんお元気ですか」と訪ねたら、「80過ぎた者に、元気ですかなんて聞いちゃあいけませんよ。どこかしらガタが来てますから。生きてるだけで大変なことなんです。故障しているのがわかっている車に走れますかと聞くようなものです」と高田さん。

では、なんと聞けばいいのでしょう?「調子はいかがですか、と聞かれたら、なんとか生きてますと答えます」とのこと。「でも、そうすると、お元気そうで、なんて言われるんですよねえ」と不服そうな高田さん。「そろそろお迎えが来そうですなんて言うと、いやいやまだまだなんて言われるんですけど、そこで話が終わっちゃうんです」。

では、どう反応すればいいのでしょう?「いつ頃来るんですか、どうやって来るんですかって聞いてもらえたら、話が続くんですけどねえ」。高田さんいわく、「70代と80代では感覚ががらりと変わる」そうで、「80代はあの世とこの世に股をかけている感覚」なのだとか。傍らで聞いていた余語先生は、「はあ、そうでしょうか」。「余語先生みたいな人は例外ですよ」と高田さん。同い年でも80BOYSの感覚には個人差があるよう。

そういえば、出会って間もない8年ほど前、浅草サンバカーニバルで撮った露出度の高い美女のスナップ写真を余語先生が高田さんたち同級生に配る場面に遭遇したことがあった。先生は「若返りの薬です」とおどけ、シャレをきかせて処方薬を入れる袋に写真を納めていたのだが、同級生の面々には「私にはかえって毒です」と困惑されていた。

雨が小止みになったので、園内を散策。娘のたまは、普段じいじにかわいがってもらっているせいか、驚くほどすんなり80BOYSになつき、「こっちこっち」と手招きしたり、自分から手をつないだり。椿を見ながら、「女房がこの花を苦手で、その理由を結婚してからずっと知らなかったんですが、やっと話してくれましてね。戦争で父親が亡くなったとき、暑い季節で、棺に入れる花がなくて、これだけが咲いていたんですって。真っ赤な椿だったそうですよ」と余語先生。

歩き疲れたたまは高田さんにだっこされて眠りに落ちた。「たまちゃんが寝ている間にお茶しましょう」という80BOYSの提案で、白山ベーグルへ。「見返りを期待するわけではないけれど、自分がやったことに対して、礼を尽くされたい」という話が白熱。もっぱらわたしは聞き役で、二時間のティータイムとなった。「忙しい今井さんにおつきあいいただきまして、刺激をいただきました」と恐縮されるが、いつもながら、わたしのほうが元気と刺激をいただいた。やっぱり元気ですよ、余語先生も高田さんも。

2007年05月03日(木)  中原道夫さん目当てにサイエンス俳句
2004年05月03日(月)  渋谷川ルネッサンス
2002年05月03日(金)  スペクタクル・ガーデン「レジェンド・オブ・ポリゴン・ハーツ」


2008年05月02日(金)  マタニティオレンジ278 2380円のピアノ

先日、高校時代の同級生のはるちゃんが遊びにくる前、「遅くなったけど、出産祝い、何がいい?」と聞いてくれたので、「絵本か90センチサイズのズボン」をリクエストしたら、両方を贈ってくれた。その絵本が、わが家になかったオルゴールつきのもの。「おつかいありさん」「あめふりくまのこ」「とんぼのめがね」「おもちゃのへいたい」の四曲が収録されていて、ありのイラストのボタンを押すと、「おつかいありさん」が演奏される。澄んだ音色が気に入って何度もかけているうちに、たまはメロディに合わせて歌詞らしきものを口ずさむようになった。

この絵本を出しているのがミキハウス。他にもシリーズがあると聞き、書店で探してみると、今月発売されたばかりの『ぴあの(ポカポカフレンズのおんがくえほん)』というピアノつき絵本を発見。自動演奏もできるし自分でも弾けるすぐれもので、2380円(税込み2499円)。

わたしやダンナの実家にあるピアノを弾くのが大好きなたまは、早速飛びついた。自動演奏のボタンを次々と切り替えて摩訶不思議な新曲を編み出したり、でたらめに弾く曲が聞かせるメロディになっていたりして、「末はピアニストか作曲家か」と親ばかの夢はふくらむ。

「ママ(も弾いて)」とピアノを差し出され、ひさしぶりにピアノを弾いてみる。「何弾く?」とリクエストを受け付けると、たまは口に手を当てて『ちょちちょちあわわ』、両手をぐるぐるして『いとまき』などをリクエストし、曲に合わせて踊りだす。『おしりかじり虫』やBarneyビデオの『If All the Raindrops』も楽しい。もちろん、わたしが作詞作曲したオリジナルたまソングを演奏することもできる。

わが家にある音階の出る楽器といえば、出産祝いに贈られたチビハーモニカだけだった。これだと演奏中は口がふさがれてしまうのだけど、ピアノがやってきて、奏でながら歌うことができるようになった。子どもの頃、音楽教師だった母のピアノに合わせて、いろんな歌を一緒に歌ったことを覚えている。メロディがついた思い出は、とくに深く記憶に刻まれるのかもしれない。

今日の子守話は、ずいぶん前に作った「DJたま」シリーズから、『ピアノ』に『かえるのうた』が収録されていて思い出したカエル編。。たまがDJをやっている番組に動物たちからお便りが届くという設定で、軽いノリのおしゃべりが楽しいのか、喜んで聞いていた。
子守話17 DJたま カエルさんからのそうだん

ハーイ、こちらDJたまです。
きょうのおはがきは みどりいけの カエルさんから。
こんにちはDJたまさん。はい、こんにちはカエルさん。
うちのおとうさんのことで そうだんがあります。
おとうさんは うたがだいすきで うたをきいていないと きげんがわるいのです。
ぼくたち10ぴききょうだいに いちにちじゅう うたっていなさいというのですが
あさからばんまで うたっていると くだびれますし
ほかのことが なにもできません。
なにか いいほうほうは ありませんか。
いやあ カエルさん これは こまりましたねえ。でも ごあんしんを。
『カエルのうた』という カエルさんに ぴったりなうたがありますよ。
このうたは すこしずつ はじまりをずらして うたえるのです。
ちょっと このスタジオにいるみんなで やってみましょう。
カエルのうたが カエルのうたが カエルのうたが カエルのうたが ほらね。
なんだか だいがっしょうに きこえるでしょう。
きょうだいが10ぴきいらっしゃるなら かわりばんこにやすんで
そのあいだに しょくじをしたり トイレにいったりできますよ。
ためしてみてくださいね。

2007年05月02日(水)  マタニティオレンジ113 上野動物園でいちばん面白い生き物
2002年05月02日(木)  永六輔さんと「しあわせのシッポ」な遭遇


2008年05月01日(木)  マタニティオレンジ277 いつの間にやら、いっちょ前。

娘のたまを近所の公園に連れて行ったダンナが、「知ってた? たま、すべり台の階段一人で上れるよ!」と子どもみたいに声を弾ませて帰ってきた。自分より体の大きな子たちよりも堂々たる足取りで、階段を駆けるように上るのだという。ダンナは下から見上げる感じで手を広げて付き添っていたのだけど、落ちそうにない安定感だったとか。見たことがないわたしも、「すごい。見たい。ずるい」と興奮した。ひと月ほど前は、だっこして滑り台を滑り下りるのもこわごわだったのに。いつの間にか、できないことができることになっていく。

いつの間にかといえば、1から10まで数えられるようになっていることに先日気づいたばかり。お風呂につかりながら「いーち、にーい、さーん」と10まで数えることを毎日やっているけれど、親に唱和しているたまの発音はいい加減で、リズムだけが合っている感じだった。ところが、よく聞いてみると、数字がはっきりとした音になっているではないか。6以降の後半は、ひとつひとつの数字がしっかり差別化できている。いつの間に、と驚いた。

コップから水や牛乳を飲むのも、いつの間にかうまくなり、こぼすことが減った。家で珍しくお酒を飲んだ日、自分もワイングラスで飲みたい、とたまが手を伸ばして主張したので、水を注いで持たせてやると、「カンパーイ」とグラスを合わせようとする。そうか、乾杯がしたかったんだね、と微笑ましくなった。大人の真似をしながら、いつの間にか、がふえていく。

2007年05月01日(火)  今井雅子という人物は存在しない!?
2005年05月01日(日)  天才せらちゃんと神代植物公園
2004年05月01日(土)  池袋サンシャイン国際水族館『ナイトアクアリウム』
2002年05月01日(水)  きもち


2008年04月30日(水)  Macは真っ暗、爆風でガラスは粉々!

快調快調と喜んでMacをカタカタ打っていたら、突然画面が真っ暗になった(この日記を書いているのは5月13日で、そのひと月前の4月13日の日記を書いているときに起こった)。再起動しても反応なし。いきなりフリーズか、と目を凝らせば、ぼんやりとアイコンが見える。画面が極端に暗くなったのだった。コールセンターに電話し、延々と保留音を聞かされ、待つこと40分。オペレーターの方の指示通りの方法を試してみたものの症状は改善せず、買って早々修理に出すことになった。引き取り、修理、配送まで無料だけれど、携帯電話と違って代替機種を貸し出してもらえないので、再び鈍行パソコンの出番となった。遅いけれど、ないよりはマシ。iPodの中身を30曲ほど捨てると、少しは動作が速くなった気がしないでもない。古いパソコンをあわてて引退させなくてよかった。修理の途中経過はパソコンメールで送られてくるのだけど、「もう一台ありますか」とは聞かれなかった。いまどき、二台持っているのが標準なんだろか。

ついてない日はとことんついてないもので、夕食を作っていたら、圧力鍋を火にかけているガス台でピキッ、バンッと鋭く不吉な音がした。見ると、ガス台のコンロに立てるように置いてあったガラス蓋が粉々に割れているではないか。圧力鍋を蒸し器として使うとき用の蓋で、数センチの至近距離で振り子を振り回している圧力鍋の熱と蒸気を浴びた衝撃でガラスに亀裂が入り、砕け散った模様。

その隣に立てかけてあった小さいガラス蓋(こちらは圧力鍋とセットで買った小鍋の蓋)は幸い無傷。あわててガス台からどけ、流しに置くと、その瞬間、ピキッという音とともにガラスにマスクメロンの網目状の亀裂が走った。蒸し物に煮物に活躍している大小のガラス蓋を相次いで失い、呆然としてしまった。

なんでコンロにガラス蓋を立ててたの?とダンナが素朴な質問。洗い物を伏せておくかごが満杯で置くところがなかったから。だけど、シュンシュン言ってる圧力鍋の脇に置いたりしないよね普通、とダンナ。それがわかっているから、落ち込んでいる。実際には、ガラス蓋を立てたのが先で、後から鍋をシュンシュン言わせたのだけど、蓋をどける発想もスペースもなかったし、圧力鍋の破壊力に思いをはせる余裕もなかった。ガス台に飛び散ったガラスの破片を拾い集めながら、原爆の爆風でガラス窓が粉々になったという話を思い出し、圧力鍋の蒸気の何万倍の熱い風だったのだろうと想像した。

2007年04月30日(月)  友だちの友だちは友だち
2004年04月30日(金)  日本映画エンジェル大賞受賞
2003年04月30日(水)  2003年4月のカフェ日記
2002年04月30日(火)  焼肉屋『金竜山』で酒池肉林
2001年04月30日(月)  2001年4月のおきらくレシピ


2008年04月29日(火)  マタニティオレンジ276 上野動物園で小動物と遊ぶ

おでかけ日和のいい天気なので、一家で上野動物園へ。家からの最短距離をベビーカーを押して走って行くと、30分ほどで到着した。3月に購入した年間パスポート2400円は、半分元を取ったことになる。

前回は夕方に行ったので見られなかったきりんとしまうまに、娘のたまは大喜び。「きりん」と言えないので、手を高く上げて「首長〜い」の仕草をし、しまうまを指差して「まうま、おっきい」と驚いていた。

子ども動物園へ向かう途中で、たまが脇へそれて入って行ったのが、小動物館。建物の中は大きいの小さいのいろんな種類の「ぴょんぴょん」(うさぎ)や「ちゅーちゅー」(ねずみ)が檻の中の森を跳ね回っている。たまはガラスに張りついて、目を見開いて眺めていた。二次元の絵本で大好きになった動物が目の前で動いているのを見るのは、どんな気分なんだろ。

子ども動物園はゴールデンウィーク中とあって大混雑で、モルモットをだっこできるコーナーは長蛇の列。その最後尾に並び、待つこと40分。椅子に掛け、膝掛けを掛けた上にモルモットを置いてもらう。たまは広げた両足の間にモルモットが挟まった姿勢のまま完全に固まってしまった。見ているのは楽しいけれど、ふれあうのはまだ怖い様子。

いちばん喜んだのは、やっぱりゾウ。最近はワニがお気に入りで、「何の話してほしい?」と聞くと、以前は「ゾゾ」だったのが「わぁに」になった。本物を見せるチャンスだったのに、ワニをさがすのを忘れてしまった。今夜の子守話は、ワニとたくさんの動物たちの話。三晩ほど語り聞かせて、この形になった。


子守話16 わにのばす

あるひ わには おもいました。
かっこいいばすに なりたいな。
ぼくのからだは ながいから なれるかもしれないな。

さっそくわには 「わにのばす」とかいたふだを くびからさげて
おきゃくさんをまちました。
すると「のせてくださいな」と ねずみのかぞくがやってきました。
「どうぞ どうぞ せなかにおのりください」とわにはよろこんで いいました。
おとうさんねずみと おかあさんねずみと たくさんのこどもたち。
16ひきのねずみがのっても わにのばすは まだまだ ひろびろしています。

「わにわにわにわに わにのばす わにわにわにわに わにのばす」
わにとねずみたちがうたいながら すすんでいくと うさぎのきょうだいがやってきました。
「くたびれたから ばすにのせてくださいな」
「もちろんですとも」
16ひきのねずみと2ひきのうさぎをのせても 
わにのばすは まだまだ ひろびろしています。

「わにわにわにわに わにのばす わにわにわにわに わにのばす」
わにとねずみたちとうさぎたちがうたいながら すすんでいくと
らいおんのおやこが てをあげて ばすをとめました。
ねずみのかぞくとうさぎのきょうだいは こわくなってみをよせあいましたが
「たのしそうだから いっしょにのせてくださいな」
らいおんのおやこはやさしいこえでいいました。
16ひきのねずみと2ひきのうさぎに2ひきのらいおんがくわわって
わにのばすは ちょっぴりきゅうくつになりました。

「わにわにわにわに わにのばす わにわにわにわに わにのばす」
わにとねずみたちとうさぎたちとらいおんがうたいながら すすんでいくと

こんどは 3ひきのぶたきがばすをとめました。
16ひきのねずみと2ひきのうさぎと2ひきのらいおんと3ひきのぶたをのせた
わにのばすは ずいぶんきゅうくつになりました。
それでもわには みんなのたのしそうなようすがうれしくて しあわせでした。

「わにわにわにわに わにのばす わにわにわにわに わにのばす」
おおきなこえで がっしょうしながら わにのばすがすすんでいくと
きりんがながいくびをかしげて ばすをとめました。
「まんいんでーす」と16ひきのねずみと2ひきのうさぎと
2ひきのらいおんと3ひきのぶたがいいました。
けれど わには 「ゆずりあっておすわりください」ときりんをのせました。

「わにわにわにわに わにのばす わにわにわにわに わにのばす」
わにが いきをはあはあさせながら すすんでいくと
ぞうがながいはなをもちあげて ばすをとめました。
「こんどこそ まんいんでーす」と16ひきのねずみと2ひきのうさぎと
2ひきのらいおんと3ひきのぶたときりんががいいました。
わにもとうとう 「またこんど おのりください」といいました。
けれど ぞうはなんとか わにのばすにのろうとしました。
わにのせなかで おしくらまんじゅうが はじまりました。
そして ついに ぞうはわにのばすに のりこみました。

わにはもう うたうげんきもなくなって
  おなかをじめんにこすりつけながら しゅうてんまで すすんでいきました。
16ひきのねずみと2ひきのうさぎと2ひきのらいおんと
3ひきのぶたときりんとぞうをおろすと からだがふわっとかるくなりました。
あれれ なんだかへんなかんじ。
ふりかえったわには びっくりしました。
しっぽのさきっぽが ずいぶんとおくに ありました。
おきゃくさんをのせすぎて せなかがのびきってしまったのでした。
「わにわにわにわに わにのびた わにわにわにわに わにのびた」
わにはながいからだをずるずるひきずって いえにかえっていきました。

2007年04月29日(日)  マタニティオレンジ112 「自立とは」を考える
2002年04月29日(月)  宮崎あおい写真集『happy tail』にいまいまさこ雑貨


2008年04月28日(月)  鈍行Windowsから快速Macに乗り換えた

ここのところ日記の後進が滞ったのは(この日記を書いているのは15日後の5月13日)、以前から調子が悪かったパソコンがますます手に負えなくなったから。立ち上がるのに早くて15分。ボタンに反応するまでにさらに10分。インターネット画面を開いて、そこに情報が現れるまでに(それまでは真っ白)下手するとあと30分。送られて来たファイルのプリントアウトが間に合わず、打ち合わせ先で出力してもらう事態になる。

ワード文書を開くと、半分以上の確率で一面グレーの画面が出る。運良く開けても、変換が異様に遅い。一行変換すると、昔のスコアボードがスローモーションでひっくり返るみたいに、ひらがながパタリパタリと漢字に変わる。機嫌が悪いときには、変換までに5分ほど待たされ、忘れた頃に漢字が現れる。こんな具合なので、携帯電話に打ち込んだものをメールで送ってコピー&ペーストするという面倒なことをやる羽目になった。スピードが命の執筆活動で、商売道具に職務妨害をされてしまうとは、命取り。パソコンを買い替えることにした。

ビックカメラで向かったのはAppleコーナー。パソコンの調子が悪いんです、と相談すると、何人もの人から「Macにしたら?」と勧められていた。ウイルスが圧倒的に少なく(ほぼ、ないらしい)、XPやVISTAのような重装備ではないので身軽ゆえに機敏なのだとか。それでもわからないことだからけで、売り場のおじさんを独り占めして質問攻めにしたけれど、機械音痴なのでやはりよくわからない。「速いんですね」というところだけはしつこく確認して、緊急値下げで14万9000円になっていたMacBookを購入。ソフトが別売になっていて、ワード、エクセル、パワーポイントのセットが5万ちょっともする。半額ぐらいの学生やファミリー用ソフトもあったのだけど、「仕事で使いますか」と聞かれたので、はいと答えると、高いほうを買わされた。違いがなになのか、わからない。「Windowsも使えますがソフトをMacと同時に立ち上げることになり、スピードが若干遅くなります」と説明され、Windowsと互換性があるというMac用のソフトを購入する。でも、パッケージにはWindowsと書かれてあり、結局なんだかよくわからない。

わからないままに買って帰り、つないでみて、驚いた。電源ボタンを押して立ち上がるまで、一分もかからない。恐竜が飛行機に進化したよう。前のパソコンで苦労したインターネット接続の設定は不要で、いきなり使える。しかもワイヤをつなぎ忘れていたのにつながった。これが無線LANかあと感動。

速さは桁違いだけれど、使い慣れたパソコンとは勝手が違うので、パソコンの動作に比べて、わたしの動きがたどたどしくなってしまった。表示文字がやたらと小さかったり、W前のパソコンで表示されていた文字が化けていたり(その逆も今後発生するのだろう)。完全に乗り換えるよりは、用途によって二台を使い分けてもいいのかも。重いデータをMacに移し替えたら、鈍行パソコンも少しは機敏になってくれるだろうか。

2007年04月28日(土)  三枝健起監督の新作『オリヲン座からの招待状』
2004年04月28日(水)  黄色い自転車
2002年04月28日(日)  日木流奈(ひき・るな)


2008年04月27日(日)  シナトレ9 ストーリーを面白く(おいしく!)する5つのコツ

目黒にあるバンタンスクールにて、アニマックス大賞公式ガイダンスイベントのパネルディスカッションに参加。開始一時間前にパネラー三人が初顔合わせ。共同テレビのディレクター佐藤源太さんと、バンタン講師であり作家の斉藤ゆうすけさん。今日のパネルディカッションは参加者から寄せられた「ストーリーを面白くするコツ」を取り上げながら進行するので、それを見ながら「この人、一人で何通も書いてる」などと雑談するうちに時間になった。

定員の百人をオーバーした130人ほどがぎっしりと詰まった会場の後方から壇上へ。司会の井上実さんに紹介され、着席して、はたと気づいた。ワンピースの背中のファスナーが上がりきっていない! 家を出てから見かけた人はファッションだと思ったか、声をかけるのをためらったか、黙殺したか、冷笑したか。背中に手を回し、ファスナーを20センチばかり上げすながら、せめて会場にいる参加者には言い訳をしとこうと考えをめぐらした。で、「ストーリーを面白くするコツ」募集で「キャラクター」と書かれた紙を選び、「さっきから、ここで怪しい動きをしてましたが、実は、ファスナーを上げていました」と白状。「わたし、次のことをやると、それまでやってたことがところてん式に押し出されちゃうんですよ。よく電子レンジから取り出し忘れて冷えたおかずが出てきます。上げかけのファスナーで一度にいろんなことやろうとする性格を描く、これがキャラクターです」。と、転んでもタダでは起きないたくましさもキャラクター。

佐藤さんは「ベタに描かない」を選び、斉藤さんは「気合い」を選び、パネラー三人が順に「コツ」を選んでコメントする形でディスカッションは進む。他の人が選んだものにもコメントを入れたので、どれを自分が選んだのか記憶が曖昧だけれど、参加者が寄せた「コツ」をパネラーが膨らませると、「ラストから逆算して書く」など今すぐ使えるヒント満載。参加者が記者会見のごとくメモを書き込んでいたのが印象的だった。

最後に、各パネラーが考える「ストーリーを面白くする5つのコツ」を披露。わたしは先日のシナリオ講座創作論講義の延長で、料理にたとえてみた。

ストーリーを面白く(おいしく!)する5つのコツ 

1 素材 
2 調理法 
3 スパイス 
4 試食 
5 サービス精神

「素材」は受け手(コンクールであれば審査員、ドラマや映画であれば視聴者や観客)が食べたことのない新鮮で面白い題材を使うこと。そのためには日頃からアンテナを張り、ネタを仕入れることが大事。審査員は同じものばかり食べさせられて食傷気味なので、目新しい食材には飛びつく傾向がある。また、プロになってからは、急な客のわがままな注文にいかようにも応えるのが腕の見せどころ。ネタをアレンジしやすい形でストックしておくと使える。
「調理法」は題材を感動的な味に仕上げる組み合わせと味つけ。テーマやモチーフの斬新さ、アイデア一発勝負ではコンクールには勝てない。どう調理すれば、いちばんおいしくなるのかを考え、そこに自分らしさを出す。
「スパイス」は食後に余韻を残す遊び心。小ネタだったり言葉遊びだったり、サブキャラだったり。
「試食」は脚本を自分で読み返し、まわりの人にも読んでもらい、「うまい」と思えるまで改良すること。味見もしないものを食べさせるのは言語道断。
「サービス精神」は受け手が喜ぶ顔を思い浮かべて作ること。また、受け手の反応を次の料理に活かせること。想像力が乏しいシェフの料理は上達しない。

料理と同じで、脚本は誰にでも書けるけれど、おいしく作るにはコツが要る。それを意識しながら作り続けることが上達の鍵。コンクール応募時代にできるだけネタを仕込み、調理法を身につけておくと、プロになっても手際よくリクエストに応えられる。おいしいストーリーを作る腕を磨き、コンクールで開店のチャンスをつかみ、行列のできる店になってほしい。

2008年04月22日(火) シナトレ8 コンクールでチャンスをつかめ!
2007年10月27日(土) シナトレ7 紙コップの使い方100案
2006年11月07日(火) シナトレ6 『原作もの』の脚本レシピ
2006年03月02日(木) シナトレ5 プロデューサーと二人三脚
2005年11月01日(火) シナトレ4 言葉遊びで頭の体操
2005年10月12日(水) シナトレ3 盾となり剣となる言葉の力
2005年07月27日(水) シナトレ2 頭の中にテープレコーダーを
2004年09月06日(月) シナトレ1 採点競技にぶっつけ本番?

2007年04月27日(金)  マタニティオレンジ111 「祝・出産 祈・安産」の会
2004年04月27日(火)  二級建築士マツエ
2002年04月27日(土)  映画デビュー!「パコダテ人」東京公開初日


2008年04月26日(土)  マタニティオレンジ275「これ、なぁに?」

朝から娘のたまが「これ、なぁに?」を家のあちこちを指差している。冷蔵庫。冷蔵庫の中身の野菜のひとつひとつ。洗濯機。洗濯機から取り出した洗濯物のひとつひとつ。パパのよれよれTシャツの大きなプリントを指差し、「これ、なぁに?」としつこく聞く。アメリカのストーンマウンテンズのお土産Tシャツ。蛍光色のエンボスインクでマークらしいものがプリントされているのだけれど、具体的なモノの形をしていないので、なんとも説明しようがない。「これはねえ、マーク。英語」などと適当に返事すると、納得がいかないのか、「これ、なぁに?」と食い下がる。何事にも疑問を持つ知的好奇心は大いに伸ばしてほしい。だけど、延々と質問される親にも、それに応える根気と体力が要る。

たまは明らかに自分が写っているとわかる写真を指差し、「これ、なぁに?」。「これはたまでしょ。お食い初めのときの写真。鯛をあむあむしているね」などと話すと、写真から広がる物語をうれしそうに聞いている。そういえば、外国語でも、「これは何?」は最初に覚える表現のひとつ。英語でもドイツ語でもフランス語でも、覚えたての表現を試すのが楽しくて、指差して回ったっけ。「何」の答えそのものよりも、そこから会話がはずむことを期待して。

2007年04月26日(木)  マタニティオレンジ110 保育園のPTAはイベント盛りだくさん
2002年04月26日(金)  『アクアリウムの夜』番外編:停電ホラー

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