2004年05月05日(水)  映画『チルソクの夏』

■朝起きて、月刊シナリオ6月号に掲載されている『チルソクの夏』のシナリオを読む。いろんな人がほめるのを聞いて期待が高まっていたけれど、これはいい。三十年ほど前、七夕の日の陸上大会で芽生えた、韓国と日本の国境を越えた淡い恋。爽やかでピュアで心が洗われる感じ。だけど、ところどころ痛くて切ない。何度も涙がにじんで、「今日はこれを観る!」。調べてみると、都内は新宿シネマミラノと上野スタームービーで上映中。上野で観ることに。懐かしい雰囲気と職員さんのぬくもりを感じる上野スタームービーは昭和27年生まれだそう。こういう味のある映画館のほうが、わたしは落ち着ける。■シナリオを読んだ熱がさめないうちに作品を観るのは、確かめる楽しみと発見する楽しみがある。この作品は監督の佐々部清さんが脚本も手がけているせいか、とてもシナリオに忠実な印象を受けた。陸上部の女の子たちの屈託のない会話、恋した韓国の男の子と交わす言葉、とても自然な台詞ばかりで素直に入りこめた。シナリオを読んだのと同じところで、また涙。悲しいシーンではなく、うれしいシーンで涙が出てくる。若いっていいな。恋っていいな。友情っていいな。日本の町並みっていいな。70年代の空気っていいな。そんな風にいろんなことが愛しく思えてくる作品。現在がモノクロで回想がカラーという見せ方もよかった。でも、『昭和七十七年七月七日』という企画をあたためている身としては、こんなに素敵な七夕映画を先に作られたら困るなあ、でもある。

2003年05月05日(月)  日本橋三越に「風じゅー」現る!

<<<前の日記  次の日記>>>