2009年05月08日(金)  2才8か月、言葉で納得して卒乳。

無理してやめさせなくても、そのうちやめるだろう。そう思って卒乳を見送っているうちに、娘のたまは2才8か月を過ぎた。もはやおっぱいはほとんど出ていないから、「飲む」というより、おしゃぶり代わり。だけど、「みかんのあじがする。みかんばべたから」などとかわいいことを言い、「いつまで飲むの?」と聞くと、「いつまでも」とあまえた声で返してくる。この時間だけは、誰にも邪魔されず、ママを独り占めできる。逆も同じで、娘と過ごせる時間が限られているわたしもまた、卒乳できずにいた。

すでに母乳タンクがほぼ空になっていた何か月も前のこと、「もう入ってないと思うよ。入っているか聞いてみたら?」と言うと、たまが「トントン、はいってるか?」とノックをして問いかけたのがきっかけで、おっぱいに「トントン」とあだ名がついた。たまの言葉が成長するにつれ、トントンは次第に人格を帯び、「トントンとおでかけする」「トントンとこうえんであそぶ」などと言うようになった。

しかし、ダンナの両親には、「いつまでやってるのか」と不評で、ダンナも「そろそろやめたら?」と言い出し、ゴールデンウィーク中のある日、ついにダンナ父が「母乳をあげ続けていると、乳歯の後の永久歯がボロボロになる」説を唱え出した。ダンナ父のその父のお兄さんが歯医者さんで、そのような研究をしていたらしく、国会図書館へ行けば本がある、とすすめられた。そこまで思い詰めながら、なかなか強く言えなかったのだな、と思い、卒乳しようと決めた。

5月5日だったか、外から戻ってきたたまがいつものように「トントン」とせがんだとき、たまをだっこして、言い聞かせた。
「いい? トントンは、たまのお友だちでしょ。お友だち、食べないでしょ。だから、今日から、トントン飲むのは、やめようね」
じっと聞いていたたまは、思いのほかあっさりと、「うん、わかった」と納得し、「じゃあ、トントンとあそぶ」と言った。2、3日は淋しくなると「トントン、いる?」と聞いて手を伸ばし、ぬくもりを確かめて心を落ち着けていたけれど、欲しがることはなかった。

そして、「パパにも報告しようね」と言い、ダンナに「たまから大事なお話があるから聞いてあげて」と言った。はじらうたまを前に、ダンナは「おおきくなったら パパとけっこんする」と言われるのを勝手に想像したらしいが、「あのね、トントンはたまのおともだちになったの」ときっぱり宣言した娘のほうが、よっぽどオトナだった。2才8か月になって「きっぱり」も何もないけれど、言葉で納得して区切りをつけたことに、いい卒業だったなと満足した。

淋しいときだけ見えていた妖精がある日突然見えなくなるように、トントンの存在は、たまの中で日に日にしぼんでいる。置いて行かれる淋しさとともに、子どもが成長するって、こういうことなんだなと感じている。

覚えやすいように、5月5日こどもの日を卒乳記念日として刻んでおくことにした。

2008年05月08日(木)  マタニティオレンジ282 どうしてお友だち嚼んじゃったの?
2007年05月08日(火)  マタニティオレンジ117 愛情と責任と○○
2005年05月08日(日)  佳夏の置き土産、高倉三原同窓会やるでー。
2004年05月08日(土)  STRAYDOG公演『母の桜が散った夜』


2009年05月07日(木)  「100%アポを取る方法」と「必ず雨を降らせるお祈り」

お皿を洗っていて、ふと思い出した「100%アポを取る方法」。以前日記に書いた気がしたのだけど、掘り出せないので、あらためて。

渋谷の喫茶店で初めて会った映画プロデューサー氏。作詞家、塾経営者を経てプロデューサーになったという経歴の持ち主で、10年ごとに区切りをつけて仕事を変えてきたという。企画の話はほとんどしなくて、打ち合わせは彼の半生を聞く会となった。

塾で全員を合格させた逸話も面白かった(「百万円俺にくれ、合格させるから」と生徒の親に請負い、有言実行)けれど、いちばん印象に残ったのが、「100%アポを取る方法」。ある日、作詞家になろうと思い立った彼は、まず「作詞家にしてくれる人=音楽プロデューサー」の連絡先を調べ、早速電話をかけた。

「作詞家になりたいから会って欲しい」と告げると、「会う時間がない」というつれない返事。忙しいのを口実に断られたわけで、たいていは「自分は相手にされないのだな」と引き下がり、もう少し情熱があれば、その度合いに応じて「そこを何とか」と食い下がったり、会社の前で待ち伏せしたり……という反応が考えられる。ところが、彼は一回の電話だけでアポを取りつけ、デビューのチャンスをつかんでしまった。その方法とは……。

「明日、会ってもらえますか?」
「明日は無理だね。一日中会議だ」
「では明後日は?」
「明後日もダメ。今週はずっと詰まってる」
「では来週は?」
「今月は立て込んでるんだよね」
「だったら来月は?」

これを延々とやっていると、相手は面倒くさくなって、「わかった」と折れる。質問リレーにさんざんつきあった後では、今さら「最初から君に会うつもりはない」とも言い出せず、予定が入っていると言っていた明日や明後日を指定してくるという。「しつこいヤツ」と嫌われそうな気もするけど、当たってくだけろの売り込みの場合、失うものはないのだから、この方法は有効らしい。

その元作詞家だった映画プロデューサー氏とはそれっきり会えず、企画は立ち消えになってしまった。書いたプロットは宙に浮き、原稿料も取り損ねてしまったけれど、「100%アポを取る方法」は誰に話しても受けがいいので、プロット料の元は取った。

「100%アポを取る方法」の極意は「アポを取るまで粘る」ことで、「必ず雨を降らせるお祈り(=雨が降るまで祈り続ける)」の話にも似ている。この話を教えてくれたのは『パコダテ人』の前田哲監督。「自分がやりたい企画を実現させる方法は、あきらめないこと」という話をしていたときのことで、一途な前田監督らしい言葉だなと印象に残った。

2008年05月07日(水)  シナトレ10 ラジオドラマってどう書くの?
2007年05月07日(月)  甘いものは何が好きですか
2005年05月07日(土)  甥っ子二人、弟三人。


2009年05月06日(水)  ゴールデンウィークのゴールデンタイム

会社員を辞めてフリーで仕事するようになってから、カレンダーがあまり関係のない生活になったけれど、このところは土日祝もすべて平日という生活で、ゴールデンウィークもひたすらパソコンのキーをたたくか、打ち合わせで唸るかしているうちに5連休が終わっていた。友人カヨちゃんちのホームパーティにお邪魔した数時間だけが、束の間の休息。でも、あれでだいぶ生き返った。

保育園も5連休なので、娘のたまはじいじばあばやダンナやダンナの妹にかわるがわる遊んでもらった。「つばさ」の舞台、川越に行った感想は「なんにもなかったよ」。実際は、じいじによると、どこを向いてもつばさ、つばさで、すごくにぎわっていたらしいのだけど、いじけているのだろうか。「ちゅばさ、たまちゃんでてないから、みない。だんだんのほうがいい」などとだだをこねるのも、2歳児なりの焼きもち表現なのだろう。

おうまさんになり、ダンボールハウスごっこをやり、一緒に踊り、歌い(「ごめんください めんください」の歌がお気に入り)、絵本を読み、子守話を聞かせ(「パパいっぱいのお話」「たまちゃんいっぱいのお話」をリクエスト。「世にも奇妙な物語」風)、ゴキゲンを取る。考え事しながら適当に相手していると、「バスはガタンゴトンって はしらないよ」と突っ込まれる。「ママ おでこにチューしてって いってみな」などと、ませたことも言ってくる。会わない時間が長いせいか、急速に成長しているような気がしてしまう。

どこにも行かないゴールデンウォークだったけど、娘と遊んでいる時間はゴールデンタイムだった。

2008年05月06日(火)  マタニティオレンジ281 梅拾いの才能は隔世遺伝!?
2007年05月06日(日)  マタニティオレンジ116 泣き止まなくて急患
2005年05月06日(金)  吉村公三郎作品『眠れる美女』『婚期』
2002年05月06日(月)  古くても新聞


2009年05月05日(火)  言葉遊び絵本「あいうえおパラダイス」にぶっ飛んだ

先日日記で紹介した(>>>2009年04月20日(月)  日本°語で言葉°遊ぴ)言葉遊び絵本の「あいうえおパラダイス」シリーズ。日本語50音の行ごとに一冊出ていて、納められた5編は、それぞれの行の文字(「あ」行なら「あ」から「お」まで)がつく言葉だけでお話を作っているというもの。どんな内容なのか興味をそそられて、早速、書評で取り上げられていた最新刊の『らったらったらくだのらっぱ 』とあわせて、『なぎさのなみのりチャンピオン 』『あるひあひるがあるいていると』の3冊を手に取った。

読んでびっくり。最初は「あ、ほんとに〈あ〉がつく言葉だけでできている」と確認しながらページをめくるのだけど、そのうち話の面白さに引き込まれて、ルールを忘れてしまう。つまりそれほど無理がなく自由だってこと。「あ」行から「な」行、「ら」行へと行を追うごとに言葉遊びの自由度も進化している印象があり、作者の二宮由紀子さんが書き進めるうちに、「こういう手もあり!」とどんどん発見、発明し、言葉のサーカスの離れワザを軽々と決めるテクニックを磨いていったさまが想像できる。

2歳児娘のたまに読み聞かせるにはまだ早いかと思ったら、思いのほか、たまは食いついた。いちばんのお気に入りは目次のページ。タイトルに添えた小さな挿絵を指差し、読んでほしいお話を選ぶ瞬間が楽しいらしい。驚いたことに、一度見た目次の内容をちゃんと覚えていて、次に読むときに、表紙を開く前に「イカのおはなし」「ネコのおはなし」などと言う。3冊のうち、どの本にその話が入っているかも心得ている。文字が読めない分、挿絵だけを見て瞬時に記憶したのだろうか。

目次に並んだタイトルを見るだけでも、言葉選び、言葉遊びのセンスがうかがえる。各巻でイラストの画家が変わるのも面白い。

るひ ひるが るいていると
つも っしょの カと ルカ
れしくなった 
びと んどうまめと んとつと
きゃくさまは おかみさん
あるひあひるがあるいていると』のイラストは高畠純さん。

ぎさの みのりチャンピオン
んじんと くだんご
すまれた ーちゃん
こは ずみを らうもの?
どかな はら
なぎさのなみのりチャンピオン 』のイラストは 石井聖岳さん。
った った くだの っぱ
んごの キュールボンボン
りはこべと ナール警部
んあいは ンジ皿で
くでもない くにんの うじん
らったらったらくだのらっぱ 』のイラストは佐々木マキさん。

わたしのイチオシは、「ろくでもない6人の老人」。老人力ありあまるじいちゃん6人組がローラースケートしたり、牢獄に入ったり、炉端焼き屋で老人割引を迫ったり、ロールプレイングゲームをして「ろくすっぽ ロマンスなしか」とぼやいたり。言葉のリズムもいいので、大声で朗読していると、実に爽快。たまは「らったらった」のリズムを気に入り、口ずさんでいる。

「れんあいはレンジ皿で」は、冷凍ハンバーグとレモンクリームパイがレジカウンターで恋愛するが、冷凍ハンバーグは 冷凍庫へ レモンクリームパイは 冷蔵庫へ」という悲劇の恋。文字しばりというルールがあるからこそ生まれた言葉のマリアージュなのだろう。コピーライター時代の上司が「リングの中で暴れろ」(つまり、制約の中でのびのびと遊べ)と言っていたのを思い出す。

あいうえおパラダイスをお手本に、今日の子守話は、「あ」がつく言葉のお話に再挑戦。

子守話65 あわてんぼママと あばれんぼタマ

あわてんぼママが あばれんぼタマの あたまを あらいます。
アイラブユーシャンプーの あぶくを あわだて
あいじょうこめて あらいます。
「あすかやまこうえんで あさから あそびに あけくれて
 あせまみれの あれほうだい。
 あたまを あらわなきゃ あくまが あらわれるよ」

アガガガガガガガ! アガガガガガガガ!
あらたいへん あわてんぼママの アラームが 
ありえない あらあらしさで あたりいちめん アガガガガガガガ!
あわてんぼママは あらゆることに アバウトで あらっぽいので
あばれんぼタマは あんしんできません。

あわてんぼママは アラームのある アールデコの あらいばへ 
あっというまに あっぱれダッシュ。
あっ そういえば あさごはんの あらいものが あとまわし。
あわてんぼママは あぶらまみれの あらいものを あらいます。

あろうことか あばれんぼタマの あたまは あわだらけのまま。
「ああどうしよう。あくまが あらわれちゃうよ」
あわだらけあたまの あばれんぼタマは あわくって あわわわわ。
「ああ あわれな あぶくあたまの あばれんぼタマよ」
あからがおの あくまが あらわれ あらっぽく あいさつしたので
あばれんぼタマは 「ああああああああ!」 あびきょうかんです。

「あぶくを あらいながさないと あたまの あちこちが 
 あかくなって あれてしまうぞ」
あくまは あばれんぼタマの あたまの あぶくを
あわてんぼママのかわりに あらいながして あげました。
「アイラブユー あんたを あいしてる
 アイラブシャンプー あらいがみを あいしてる 
 あたまよ あたま あたらしくなって ありがとう」
あからがおの あくまは あかるい あたまのいい あくまでした。

2008年05月05日(月)  マタニティオレンジ280 子どもの日にワークライフバランスを考える 
2007年05月05日(土)  マタニティオレンジ115 つかまり立ちがはじまった!
2005年05月05日(木)  店主も冷蔵庫も味な居酒屋『串駒』
2004年05月05日(水)  映画『チルソクの夏』
2003年05月05日(月)  日本橋三越に「風じゅー」現る!


2009年05月04日(月)  ベランダパーティで束の間のオフ

広告会社に勤めていた頃の先輩だったヤマムロ様の美大時代の同級生、カヨちゃんちのベランダパーティーに誘われ、ダンナ、娘のたまとともに一家ででかける。ヤマムロ様と、同じく会社の先輩だったオオシマさんは夫婦で、妻ミチヨ様の旅行中お留守番のフルカワさんは一人で、それぞれクスクス、カオソイ(タイ風の辛い麺料理。ラーメンのような麺の上に揚げた麺をのっける)、角煮カレーをひっさげて登場。オオシマさんとフルカワさんはどちらも大久保のアジアンマーケットで材料を調達したのだけど、二人とも「あの店に行くと必ずタイ語で話しかけられる」のだとか。カヨちゃんはタンドリーチキンとサモサとサラダを用意。

サモサを揚げてくれたのが、初めてお会いするトキオカさん。神楽坂で『トキオカ』と『カド』というお店をやっていて、「生ハムとマンゴー」「あぶり豚と新たけのこ」といった通な料理もふるまってくれた。「今日スーパーに買い物に行ったら、オープンテラスでトキオカさんが食事してたから誘ったの」と言うカヨちゃんは、猫みたいに懐に入るのが上手。実際、猫を飼っていて、たまは初めて猫を触って大喜び。

わが家は何も作らず、食べる専門。テーマはエスニックでスパイシーな料理が並んだが、たまもしっかりいただく。

お料理以上に話題も刺激的。
「アラフォーですよね?」と聞かれて、「はい」と答えたら、「40才」だと勘違いされ、「41才なのに、40才とサバ読んじゃった、どうしよう」話。それに対して、「人材派遣会社に10才サバ読んで登録したら、面接に呼ばれて、身分証明書もってこいって言われて退散」と、上には上がいた。

「40過ぎたら、素足は痛い(=痛々しい)わよ。レギンスはかなきゃ」
「あの大女優の○○だって、撮影のとき、膝に線入ってたらしいじゃない」
というセックス・アンド・ザ・シティばりの会話を聞いて、わがダンナが「すみません、レギンスって何ですか」と質問。「スカートの下にはくスパッツみたいなもの」という答えを受けて、「スパッツとは違うんですか」と重ねて質問。「この頃はレギンスっていうの」とお姉様に押し切られた。

カヨちゃん、ヤマムロ様、オオシマさんは3人ともバレエフリークで、「バレエの発表会の持ち出し」話も盛り上がる。衣装代、会場代に加えて、「自分のために踊ってくれるその他大勢」代も持つ場合、百万を越えることもある。いちばんお金がかかるのは、『眠れる森の美女』のオーロラ姫役かしら、とのこと。ステージに立つために自腹を切る大変さを知っているからこそ、お金を取れる舞台はちゃんと観に行ってお金と敬意を払うのだという。バレエのチケットは2万ぐらいする場合もあって、これで演劇何本観れるかしら、などと計算してしまっていたけれど、とにかくお金がかかるのですね。

そんな話をしていたら、トキオカさんが「日本舞踊はもっとかかる」と参入。最高峰は娘道明寺らしい。

蔵前でおもちゃ問屋を営むカヨちゃんの実家の話も面白かった。「なめ猫」ブームが去った後に大量に仕入れて、大量に売れ残り、「私はなめ猫の上で寝てたのよ」とカヨちゃん。数十年経ってブームが再来し、またぼちぼち売れているのを見て、「そら見ろ。俺は先見の明がある」とまったく懲りてないお父さんがかわいい。お父さんのキャラごとお借りして、おもちゃ問屋が舞台のドラマを作れそう。

一同がいちばん身を乗り出したのは、フルカワさんの「はなまるうどんの定期券」話。「一か月食べ放題で500円」と聞いて、「一日で元取れるじゃん!」「一日何回行ってもいいの?」などと質問殺到。「一杯105円のかけうどんを一日一回、期間中何度でも」ということらしく、店としては、トッピングでお金を落としてもらおうという計算のよう。入場料を無料にしてアトラクションでお金を落としてもらうようなもの? 

ベランダパーティ直前までパソコンに向かい、明日も打ち合わせで、今年のゴールデンウィークは、このパーティの数時間だけが束の間のオフ。でも、いい気分転換と充電になった。

ところで、かよちゃんちのベランダパーティーに来たのは2度目で、一度目はたまを産んで数週間後の初めての外出だった。猫ぐらいの大きさのたまを膝に置いてタイカレーを食べた。ずっと家の中にいて、外に出たくて出たくてたまらなかったのだけど、今思えば大胆なことをした。そんなことはもちろん覚えていないたまは、初めて来た場所のようにベランダからの眺めを楽しんだり、猫と遊んだりしていた。

2008年05月04日(日)  マタニティオレンジ279 子どもを一人のゲストとしてもてなす
2007年05月04日(金)  マタニティオレンジ114 二世代で同級生
2005年05月04日(水)  一緒に飛べなかった『アビエイター』
2002年05月04日(土)  フランスのパコダテ人、函館のアメリ。


2009年05月03日(日)  「つばさ」第6週は「父のぬくもり」

バタバタして日記が飛んでしまい……大阪の両親は、日記の更新が滞ると「仕事してるんやなあ」と思うのだとか。

さて、朝ドラ「つばさ」は早いもので、明日から第6週。再びチーフ・ディレクター西谷真一さんの演出。先日の日記にも書いたように「メロン」をこれでもかと食べ尽くし、ではなく、遊び尽くしたり、「オペラ座の怪人」ならぬ「名画座の怪人」が現れたりと、脚本の戸田山雅司さんの遊び心爆発!

若き日のヒロリン(西城秀樹)とカノン(高畑淳子)のツーショット写真も「つばさ」ワールドらしいお茶目さです。この写真がきっかけになって、「ヒロリンがお父さんでは」とつばさが誤解してしまうドタバタの一週間。

名画座の怪人=浪岡正太郎を演じるのは、ROLLYさん。出演者発表(>>>2008年10月15日(水) 朝ドラ『つばさ』に参加しています )で「お茶の間に怪奇の風を吹かせます」と語った通り、初登場からかなり怪しい風吹きまくり。台本にも(年齢不詳)と真面目に書かれている異色のキャラ。この浪岡が歌うショータの歌は名曲! 『ロッキー・ホラー・ショー』と『星の王子様』の舞台をおかわりするほどROLLYさんの歌にしびれたわたしは、あの切ない声を聴くだけで、キューン。どこかで聴いたその歌詞は……5週のつばさのあの告白! 週の後半に登場しますのでお楽しみに。

連続テレビ小説「つばさ」(月)〜(土)放送中
【放 送】総合・デジタル総合 8:15〜8:30
     デジタル衛星ハイビジョン 7:30〜7:45
     衛星第2 7:45〜8:00
【再放送】総合・デジタル総合 12:45〜13:00
     衛星第2 19:30〜19:45 (土)9:30〜11:00(一週間分)

2008年05月03日(土)  80BOYS AND BABYの会
2007年05月03日(木)  中原道夫さん目当てにサイエンス俳句
2004年05月03日(月)  渋谷川ルネッサンス
2002年05月03日(金)  スペクタクル・ガーデン「レジェンド・オブ・ポリゴン・ハーツ」


2009年05月02日(土)  絵本みたいなデコレの収納ボックス

DECOLEというブランドを知ったのは、先日日記で紹介したお菓子なカップがきっかけ。マグアップをひっくり返すとケーキやプリンになる「chocolat fraises」シリーズを手がけているのが、このブランドらしい。調べてみると、わたし好みのかわいくてあったかい雑貨をたくさん手がけている。

その中で一目惚れしたのが、収納ボックス。「きのこ」「りんご」「サボテン」「ロボット」の4種類に、それぞれ大と半分サイズの小があるのだけど、取り扱っているショッピングサイトを訪ねて回ると、ことごとく売り切れ。こうなると、ますます意地になり、ようやく楽天のこだわり雑貨MY WORLDというお店で再入荷待ち予約を受け付けてくれることがわかり、早速購入することに。

一緒にパソコン画面を見て「たまちゃん、きのこがいい」と指名していた2歳児たまと楽しみに待つこと一週間。「わあ」と歓声を上げながら、届いたボックスたちと対面。組み立てて、ちらかっていたおもちゃを放り込むと、ちょっと部屋の中がすっきり。「小さいサイズのボックスはおむつ入れにぴったり」とお買い物レビューにあったのだけど、たしかにちょうどいいサイズで、おむつを取り出すのが楽しくなる。たまも「おむつはここよ」と覚えて、うれしそう。

ほのぼととしたタッチで布に描かれたりんご、きのこ、さぼてんは、絵本の主人公たちのよう。今度子守話に登場させましょう。

2008年05月02日(金)  マタニティオレンジ278 2380円のピアノ
2007年05月02日(水)  マタニティオレンジ113 上野動物園でいちばん面白い生き物
2002年05月02日(木)  永六輔さんと「しあわせのシッポ」な遭遇


2009年04月29日(水)  ムックのフロクにワクワク

amazonで注文したムックが2冊届く。ひとつは先日の日記(>>>2009年04月08日(水) Q-potのお菓子なアクセサリー
)で紹介したアクセサリーブランドの初のムック『Q-pot.』。付録の「チョコッとエコバッグ」に一目惚れして、衝動買い。「1500円以上購入で送料無料」にすべく、あと一冊何を買おうかしらんと思ったとき、「この商品を買った人はこんな商品も買っています」の中に、同じく宝島社e-MOOKシリーズの『MILKFED. 2009 SPRING/SUMMER COLLECTION』を見つけた。若い女性をトリコにしているというMILKFEDなるブランドのことは知らなかったけれど、付録の「ハート総柄キャミソール+ショートパンツ+巾着の豪華3点セット」に惹かれて、同梱商品に選んだ。

厚みのあるダンボール箱を開け、一冊ずつ取り出し、付録ページへまっしぐら。付録の入った袋を両面テープでページに貼り付けてあるので、はがすとテープ部分がはがれてしまうのだけど、ビリビリと外しながら、ワクワク感は高まるばかり。子どもの頃に定期購読していた学研の月刊誌の付録を開けるときの興奮が蘇った。

お目当てのチョコっとエコバッグは、思ったよりしっかりした造り。「チョコレートのポーチの中からエコバッグが現れる」という説明を、わたしは「ポーチとエコバッグが分かれている」と理解していたのだけど、実際は一体型で、ポーチ部分がエコバッグの底になる。

2歳児娘のたまはチョコレートバッグに興味津々。早速うちにあるものを次々と放り込み、お買い物ごっこ。さらに、MILKFED.ムックの付録のハート柄キャミソールと短パンにも目を輝かせ、キャミソールをロングドレスのように着こなしたり、短パンを長ズボンの上から重ねばきしたり(本人は「いけてる!」と思ったのか、この格好で生協まで買い物へ出かけた)。

付録を娘に取られたので、わたしはムックのページをパラパラ。あれも欲しいこれも欲しいと目移りしてしまうQ-pot.はカタログを見るような楽しさ。女の子感満載のMILKFED.は、わたしにはスイートすぎるけど、ファッション誌感覚でほしのあきやしょこたんの着こなしを眺めている。

2008年04月29日(火)  マタニティオレンジ276 上野動物園で小動物と遊ぶ
2007年04月29日(日)  マタニティオレンジ112 「自立とは」を考える
2002年04月29日(月)  宮崎あおい写真集『happy tail』にいまいまさこ雑貨


2009年04月28日(火)  『ぼくとママの黄色い自転車』完成披露試写

新宿バルト9にて、今井雅子脚本の6本目の映画『ぼくとママの黄色い自転車』の完成披露試写。上映前に主人公の沖田一家(父・一志役の阿部サダヲさん、母・琴美役の鈴木京香さん、息子・大志役の武井証くん)と井口喜一プロデューサーが登壇して、舞台挨拶。今回はロケ最終日の新横浜駅にお邪魔しただけで、ほとんど撮影には立ち会えなかったので、出演者の皆さんから撮影秘話や作品への印象を聞けるいい機会となった。

武井くんとは新横浜駅でちらっと挨拶したのだけど、愛らしくて利発で、インタビューの受け答えでは、「この映画を観て、やさしい人がふえますように」などとオトナをキューンとさせることを言う。どうしたらこんないい子になるの? 

阿部さんは京香さんとの夫婦役について、「自分でいいのかな」と謙遜し、「新宿歩いていても、いますよね。お前で、それかよ」と自らを不釣り合いなカップルをたとえて笑いを取っていたけれど、これがなかなかスクリーンでも舞台で並んでもお似合い。まず京香さんが決まり、相手役に阿部さんを起用した理由は「年上女房っぽいイメージがあって、秘密を抱えてうじうじと悩む姿が似合いそうと思った」と井口プロデューサー。長身の京香さんに合わせて、阿部さんは「はじめて雪舟というものをやらせていただきました」とのこと。

「この作品、小学校回ってもいいですよね。『飛べイカロスの翼』という作品を昔小学校で観て、すごく印象に残っているんですけど、あれも確かさだまさしさんが主題歌でした」と阿部さん。さだまさしさんが書き下ろした主題歌「抱きしめて」は、聴くだけで心の垢が取れそうな繊細で優しい曲。

京香さんは子どもと離れる決断を迫られる母親という難しい役を「ぜひ挑戦したい」と引き受けてくださったそう。ひとつひとつ言葉を選びながら語る姿に、「自分だったらどうするか」を問いかけながら琴美という人物を作り上げてくださったのだなと想像した。原作にある琴美の「奇跡」の一瞬を映画でも丁寧に描いているが、会場で配られたパンフによると、原作『僕の行く道』作者の新堂冬樹さんは初号試写で号泣して以来、京香さんの顔を見るとパブロフの犬状態で涙が出てしまうのだとか。

舞台挨拶最後は、大志の従姉(琴美の妹・西田尚美さん演じる里美の娘)役の安部美央ちゃんが、大志とともに旅に出る犬のアンを抱いて登場し、記念撮影。アンの目線をもらうのが難しく、「アン! こっちこっち! アンちゃん!」の呼びかけに応じたり応じなかったりが和やかな笑いを誘っていた。アンと武井くんを見ているだけで、微笑ましくて頬が緩んでしまう。

本編は初号試写(>>>2008年10月31日(金))ですでに観ていて二度目なので、前回よりは落ち着いて観られた。小豆島いいとこだなあ、公開の頃に行きたいなあなどと一観客の目で楽しむ。わたしのひそかなお気に入りは、母国語・関西弁が出てくる明石の場面。由美役の梅原真子ちゃんの小生意気さが、観ていて楽しい。全編関西が舞台の映画をやりたいなあと思った。

主題歌「抱きしめて」が流れるエンドロールの窓の中で展開するエピローグも、好きなシーン。赤いポストに出して、おうちのポストに届く手紙のアナログなチカラを信じたいわたしにとっては、この作品で「郵便」や「郵便局」が活躍していることもうれしい。電子メールも便利だけど、切手貼って投函して相手に届くまでの時間差のドキドキを味わえる手紙が、やっぱり好き。

益田祐美子さんの紹介でご一緒した(>>>2009年01月21日(水) キスかキフか? 非常時に強い女と自転車の会)小豆島ヘルシーランド株式会社社長の柳生好彦さんと株式会社ソフトウェア・ジャパンの女社長、高山里美さんの相合い傘クレジット(「企画協力」の下にお二人の名前が並ぶ)を確認でき、お二人にも再会できた。

『ぼくとママの黄色い自転車』は、8月22日公開で、ただいま前売り券発売中。公開日は奇しくも娘の3歳の誕生日なのだけど、今日の日記を書き終えて、5年前の4月28日の日記のタイトルが「黄色い自転車」だった偶然に気づいてびっくり。最近埃をかぶっているわが家の黄色い自転車、映画の宣伝も兼ねて乗ろうかな。


2009年04月27日(月)  脚本のネタにもならない話

2歳児娘のたまが、家のどこからかハンコを拾ってきた。さくらの花びらの真ん中に「たいへんよくできました」のハンコ。広告会社時代、プレゼン用のレイアウト原稿を作るときの資料でデザイナーが買ったものをもらった記憶がある。

「ぺったんしたい」とたまが言うので、インクパッドを与え、おむつに押させることにした。いいウンチをあらかじめほめるとしよう。子どもはハンコが大好き。目を輝かせて、ぺったん、ぺったん。満足そうに「できた!」と差し出されたおむつを見ると、「たいへんよくできました」ではなく……

「ふつうです」となっていた。不意打ちを食らうと、おかしみが倍増する。「ふつうです」という謙虚さとおむつの組み合わせが、なんともおかしい。

その出来事の少し前、たまが夕食の席で突然「みんな、ぜいたくなんだから!」と怒った口調で主張を始めた。「何それ?」と聞くと、保育園のお友だちがそう言うのだと答えた。「そう言われたら、みんなどうするの?」と聞くと、「はい、そうですっていうの」としおらしい答え。2歳児が小さな頭を並べて反省している図を想像して、吹き出した。

さらにさかのぼって、昨日のこと。ベランダに向かって、たまが「カメラもってるひと〜」と連呼し、うちの子がついに壊れたかと心配したら、プランターに立っている「カメラを構えたm&m人形」(写真左奥)に呼びかけていた。

こういうエピソードは、当事者を知っていている家族だから面白いのであって、わたしが笑いながら披露しても、人にはあまり受けない気がする。だから、脚本のネタにもならなさそうだけど、ささいなネタだからこそ書き留めておかないと忘れてしまいそうだ。

ネタにもならない話といえば、休日にダンナが「今日も君はサシスセソだね」と言い、「なんのこっちゃと思ったら、「サシスセソ」=「サ行」=作業(仕事)のことだった。

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