2009年07月23日(木)  ちいさいパーンツに憧れる、たま2才11か月。

こないだ産んだばかりのような気もするが、2006年8月22日生まれの娘のたまは、あと一か月で3才になる。2才最後のキャッチフレーズを考えるにあたり、この一か月を振り返りつつキーワードを挙げてみた。「夏の扉を開けた」。生まれて初めて髪を切ったのが6月の終わり。これは結構な事件。「どすこいバレリーナ」。足を高く上げる一発芸の「バレリーナ」が進化し、四股を踏んで「どすこい」と着地するオチがついた。

笑いを取ることにいちだんとサービス精神を働かせるようになり、お風呂上がりには両肩から下ろしたタオルを胸の前でクロスさせ、「ちゅばさのおばあちゃん」(千代がいつも着ている着物のつもり)とおどける。四角いお皿を直角に組み合わせて、「パソコン」という一発ギャグも編み出した。器用に皿を動かして開閉させ、ノート型パソコンのつもり。「お笑いに目覚めた」一か月でもあった。

以前、2歳児のネーミングセンスについて日記に書いたが、皿からパソコンを連想するやわらか頭には驚かされる。近所の東洋大学の入口にある噴水を見て、「みんなシャンプーしてるね」。「こないだばったり会ったお友だちが99(=ショップ99)に今日もいたらびっくりだね」と言うと、「99にモーモいたらびっくりだね」と切り返す。そりゃあ牛がいたらびっくりだ。この後、「99にじーじいたらびっくりだね」と続き、言葉遊び好きはわたし譲りのよう。「コピーライター入門」、いや、むしろ、わたしのほうが刺激をもらっている。

ダンボールに詰めていた絵本を棚に並べるようになったおかげで、絵本を手に取ってくれることもふえたけど、やっぱり映像が大好き。ビデオで観るか、パソコンでYouTubeを観るか。「なんかみるー」はすっかり口癖になった。とりわけ、「クイールわんわんに夢中」。『子ぎつねヘレン』『天使の卵』のプロデューサーの榎望さんと『子ぎつねヘレン』『ぼくとママの黄色い自転車』のドッグトレーナーの宮忠臣さんが参加し、『天使の卵』の戸田恵子さんが出演されている映画『クイール』にはまり、毎日のように「クイールわんわんみる!」とせがんでいる。

あんまり何度も観るものだから場面の順序や台詞を相当覚えてしまい、怖い蛇と小林薫さんが出る場面が近づくと隠れ、自転車を指差して「これ、障害物」とクイールに教える場面では、「これは しょうがいぶつじゃないよ。じてんしゃだよ」と画面に突っ込み、「あなたは うんめいの こよ(あなたは運命の子よ)」と劇中の台詞を突然口走る。「映画のビデオで英語を学ぶ」の日本語版といった感じで、言葉が豊かになるのはうれしいけれど、ビデオ漬けは心配。朝ドラ「つばさ」にも反応するようになり、今朝は「ゆうかちゃん、こなかったね」と言っていた。出ていない登場人物のことを気にしたのは初めて。

自転車のスピードを知った」、これは最近のビッグニュース。半年ほど言い続けていた二人乗りの夢がかない、もっと乗りたいと泣きじゃくるほど夢中になった。お友だちの家から借りた電動ママチャリを返すのが怖かったが、3日間乗って気が済んだのか、返した後はあっさりした反応だった。スピード狂なのか、「飛び出し注意」は頭の痛い問題。車道に向かってドンキホーテのように駆け出すことが度々あり、そのたびに寿命の縮む思いをしている。川越のカフェの店内から飛び出したときには、わたしの悲鳴も飛び出した。通行人に体当たりしていなかったら車にぶつかっていた。「つばさ」の人出に命拾いした格好だが、どうやったら車の怖さをわかってくれるのだろう。

いろいろと候補を挙げたが、選んだのは、「ちいさいパーンツに憧れる」。わたしが忙しかったせいもあり、トイレトレーニングが後退したたまは、プールのシーズン到来でやる気を向上。さらに、かわいいパンツを買って「おむつが外れたら、はこうね」と言い聞かせると、「ちいさいパーンツ」と自分に喝を入れるようになった。便座に座りながら、「でんしゃに のってくるよ。いま おりてきた」などと実況するので、出る感覚はつかんでいる様子。日によって、朝から夜までおむつがカラカラの日もあれば、一度もトイレでしない日もあり、成果にはムラがあるけれど、意欲はかつてなく高まっている。3才までに外れるかしらん。

あと一か月といえば、今井雅子の6本目の脚本長編映画『ぼくとママの黄色い自転車』の公開も8月22日。公式サイトもリニューアルし、宣伝の露出もふえていく模様。わたしも、いまいまさこカフェのトップページにもバナーを貼りつけたり、試写会の感想を書いてくださっているブログにお邪魔したり。自分が関わった作品は、手をかけた分だけ愛しいわが子のようなもの。たまも『ぼくママ』も、愛されて、伸びる夏になりますように。

2008年07月23日(水)  神楽坂の隠れ家で、英語で映画を語る。
2007年07月23日(月)  マタニティオレンジ149 ダンボールハウス
2005年07月23日(土)  映画『LIVE and BECOME』・バレエ『ライモンダ』
2004年07月23日(金)  ザ・ハリウッド大作『スパイダーマン2』
2003年07月23日(水)  チョコッと幸せ


2009年07月22日(水)  『ぼくママ』キャリア・マム試写会&『愛を読むひと』

新宿バルト9にて、働きたい女性のためのコミュニティサイト「キャリア・マム」の会員限定『ぼくとママの黄色い自転車』(公式サイト、リニューアルしました)試写会。キャリア・マム代表取締役の堤香苗さんと上映前にトークということで、45分前に会場入りし、顔合わせと打ち合わせ。神戸出身の二児の母でフリーアナウンサーの堤さんは、さすが空気を作るのがお上手で、あっという間に和やかに打ち解けられた。キャリア・マム取締役の井筒祥子さんとコーディネイターの宮入美由紀さん、宣伝のトルネードフィルムの田中久美子さん、共同テレビの井口喜一プロデューサーと本番までのおしゃべりが弾んだ。

トークの時間は15分。開始が少し遅れたので、正味は10分強ぐらい。堤さんのリードに乗せられて気持ちよく、「原作を脚本化するにあたって」「キャストのイメージは?」などについて話す。原作『僕の行く道』の著者である新堂冬樹さんのことを「『黒い太陽』などを書かれている……」と紹介したが、奇しくも「黒い太陽=日食」の日であり、ちょうど公開一か月前。公開日が娘の3才の誕生日に重なること、生んだ直後に原作を読んで、「子どもと引き裂かれるなんて想像できない。でも、もしそうなるとしたら……と考えて脚本を練った」話をする。原作から大きく変わったのは、同行するのがネコではなく犬になり、移動が新幹線ではなく自転車になった点だと話し、ドッグトレーナーは『子ぎつねヘレン』でキツネに演技させた人だと紹介。「『子ぎつねヘレン』を観られた方?」と客席に尋ねると、かなりの数の手が挙がって驚いた。阿部サダヲさんのファンの方々でしょうか。

最後に見どころを聞かれて、小豆島の美しさを挙げた。ロケにずいぶんご協力いただいているが、絵になる風景の数々をお借りしている。この作品を観て、小豆島を訪れたくなってくれたらうれしい。そして、朝ドラ「つばさ」の宣伝もさせていただく。「つばさ」と『ぼくママ』は、人を信じるあたたかさが似ていると思う。

いよいよ上映。スクリーンで観るのはこれで3度目で、答え合わせは一段落し、だいぶ冷静に観られるようになった。毎回客席の反応が少しずつ違うのが興味深い。観終わった後、堤さんは「泣きました〜」と涙で鼻声になったまま次の打ち合わせへ。出口で観客の皆さんをお見送りしていると、何人かの方が声をかけてくださった。大志が旅先で出会う人たちが「ありがとう」と大志に声をかけるところを「あなたの印象に合っていた」とうれしい言葉もいただく。

トークの模様はキャリア・マムのサイトに掲載されるそう。堤さんはブログ「堤香苗のほんねのはなし」でも早速取り上げてくださっている。

せっかくバルト9に来たことなので、『愛を読むひと』を観て行くことに。レディースデーということもあって、満席。原作のドイツ語題は『Der Vorleser』で英題は『The Reade』。日本語版も『朗読者』と直訳だが、映画では『愛を読むひと』と名づけたのがうまい。読むことが愛情表現そのものであり、読むという行為で愛の強さと深さを物語る作品。女は誰でもピロートークが大好きだけど、「順番を変えましょう」とケイト・ウィンスレット演じるハンナが提案したことから、朗読は愛撫の意味合いを強める。15才のマイケルが最初に本を読み聞かせたきっかけは、彼女が「読んでよ」とせがんだからだが、英語では「I'd rather listen to you」、あなたが読むのを聞きたいというのが可愛い。

前半はいちばん多い衣装はヌードというほど入浴やベッドの場面が多い。中年にさしかかったハンナの裸は艶かしいというよりは生々しく、一人で生きる女の孤独や悲しみや疲れを宿し、マイケルの若さとたくましさが際立つ。親子ほどに年が離れた二人は互いを埋め合うように恋に落ち、逢瀬を重ねる。言葉での説明を排し、なるようになったと描かれ、観客もまたそう受け止める。

これでもかと肌を重ねる前半があるから、指一本触れるどころか互いの顔を見ることもできない後半が活きてくる。そのとき、読むという愛情表現が真価を発揮する。マイケルの朗読のたたみかけは、物語の伝承者となった人々が各自の物語を口ずさみながら行き交う『華氏451』のラストを彷彿とさせ、美しく力強く愛を謳う名場面となっていた。彼の朗読が彼女の人生の終盤にもたらした奇跡と呼んでいいような変化にも心を動かされた。定冠詞の「the」で涙を誘われたのは初めてのことだ。生きることは世界を知ること、その喜びが彼女が「the」を口にする場面に凝縮されていた。

生きること、愛することの重みと苦しみ、その中に光る希望を求めようとする人の悲しみ。ひたひたと問いかけることの多い作品だった。観終わって立ち上がるとき、隣に座っていた初老の夫婦の夫が「原作では書き置きの意味がわからない場面があった気がする」と話しているのが耳に入り、勝手にその場面を頭の中で思い浮かべて、また涙を誘われた。原作をずいぶん前(ヤシガニ脱走騒動があった日だから2003年9月)に友人から強く勧められながらまだ読めていないのだが、ぜひ手に取ってみたくなった。

また、劇中でマイケルがユダヤ人強制収容所を歩く場面があり、アウシュビッツを訪ねたときのことを思い出した。以前日記に書いたこともあるが(2002年10月21日(月) アウシュビッツの爪痕)、旅行記代わりの絵日記がどこかにあるはずで、掘り出したいと思っている。東ドイツにあった収容所を訪ねたのが中学一年のときで、その頃に『アンネの日記』にはまり、日記を熱心に書くようになったのだが、ホロコーストを取り上げた作品にアンテナを向けてしまうのもそのせいかもしれない。

予告編では『ぼくママ』が流れた。テイストは違うけれど、愛する人の嘘を尊重して守ろうとする『ぼくママ』の一志(阿部サダヲ)と『愛を読むひと』のマイケルの一途で不器用な姿が重なった。

2008年07月22日(火)  マタニティオレンジ314 おっぱい「まだ でる!」たま1才11か月
2007年07月22日(日)  マタニティオレンジ148 ダブルケーキに仰天!たま11/12才
2005年07月22日(金)  万寿美さん再会と神楽坂阿波踊り
2002年07月22日(月)  10年前のアトランタの地下鉄の涙の温度


2009年07月21日(火)  一目惚れの恋のその後

7月6日の日記に書いた、恋に落ちたチェストのその後。家具ショップのWA-PLUSさんとメールをやりとりし、「ONE WOOD」というシリーズの「TEL CHEST」(電話台)を購入することに。玄関の靴箱横のスペースがチェストとぴったり同じ幅42センチ、奥行き35センチというのも、ここにいらっしゃいと言わんばかりで、これも何かの縁。一目惚れの顛末を日記に書いたことを報告したところ、「家具職人の中にも毎日お昼に『つばさ』を欠かさず観ている人がいます」などと話も弾み、オンラインでのやりとりながら家具同様あったかみのある対応で楽しい買い物となった。

チェストは間もなく九州を発ち、今週中に東京のわが家に到着する予定。待ち受けるこちらは長旅の恋人を迎えるような気持ちで大掃除にいそしんでいる。そもそもわが家には物に対して収納が足りない、ということで、急遽本棚を購入。楽天市場で数百点を見て回り、東急ハンズや西武ロフトへも足を運んだ結果、「今うちにあるのがいちばんいい」という結論に至り、同じものをリピート購入。スライド書棚ルート600Sという商品で、幅60センチ×高さ180センチ×奥行き30センチに驚くほどの数の本やCDが納まる。扉にCD受けがついていてディスプレイ収納できるのもすぐれもの。ただ、CD受けのでっぱりの分だけ奥行きがプラスされ、実際には奥行き32センチ。この2センチが大きく、棚の鼻先すれすれでドアが閉まることになった。前に買ったときは完成品が届き、CD受けをつける作業は不要だった気がするし、棚を受けるビスも安っぽくなったが、その成果がコストダウンに現れ、前回より一万円ほど安く買えた。

大量の本、CD、ビデオの類いをスライド書棚に移動したついでに、床に積み上げた資料の整理に手をつける。原稿のプリントアウト、参考資料の本やDVD、脚本の山……。朝ドラ「つばさ」は最終週の第26週までのホンがそろったが、一週につき検討稿、準備稿、完本と少なくとも3冊あり、週によっては4冊、5冊あり、百冊級の大所帯になった。つるつるの表紙の完本はガラス戸のディスプレイラックにずらりと並べ、あとのものはダンボールに納めて押し入れへ。かさばるけれど、朝ドラに関われる機会も最初で最後かもしれないので、とっておくべし。

『パコダテ人』の感想文やらコンクール時代の応募原稿やらタイムカプセルのように懐かしいものが次々と掘り出され、つい手が止まってしまう。探していて見つからなかったピンホール眼鏡や書きかけの手紙も発掘。「返したはずだけど」と言い張った本が出てきて、焦ったりする。

資料の底のそこかしこから小石がゴロゴロ出てくる。娘のたまが外から持ち帰ったものらしい。家の片隅で三途の川計画が進んでいたとは。泥棒が入っても気づかないほど散らかっているという自負があったが、異物を持ち込まれても気づかないのだった。でも、この数日の掃除の成果で、万年雪が解けるように少しずつ床が見え始め、体感床面積が拡大しつつある。「恋をしてキレイになる」とはよく言ったもので、わたしの場合は家の中がキレイになった。

日記に書いたその後といえば、7月8日の日記で絶賛した『築城せよ!』はテアトル新宿にて7/18(土)〜8/7(金)までの3週間、18:55より上映中。名古屋上映は名古屋駅前のミッドランドシネマとMOVIX三好の2館で月末まで上映が延長。

また、6月30日の日記に書いたEric Gowerさんは、やはり探していた本人だった。ブログに書き込んだところメールが来て、オンライン上で再会を果たし、興奮を分かち合っている。

そして、7月5日の日記でお知らせしたキャリア・マム会員限定『ぼくとママの黄色い自転車』試写会トークは、いよいよ明日。どうなりますやら、ご報告はまた日記にて。

2008年07月21日(月)  マタニティオレンジ313 なす術なし!の手足口病
2007年07月21日(土)  体に寄り添う仕事用の椅子
2005年07月21日(木)  日本科学未来館『恋愛物語展』
2004年07月21日(水)  明珠唯在吾方寸(良寛)
2002年07月21日(日)  関西土産
2000年07月21日(金)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/29)


2009年07月20日(月)  渋谷はるのおがわプレーパーク5周年

3連休は遠出をせず、東京の中で過ごした。娘のたまと休日をじっくり一緒に過ごせるだけでも十分な贅沢。土曜日は荒川自然公園へ行き、夕方にはお友だちのまゆたんちの自転車を借りて、念願の二人乗りに初挑戦。借りたままの自転車で日曜日もご近所をサイクリング。スピードを上げて景色が流れるだけで、見慣れた界隈が見違え、冒険気分を味わえる。夜は「夏の思い出に」というダンナの発案で焼き肉屋へ。たまは焼き肉屋は初めてだったけど、マザー牧場で肉を焼いたときほどは興奮しなかった。

そして、今日は、友人のY家に誘われ、代々木公園の一角にある「渋谷はるのおがわプレーパーク」の5周年のお祭りへ。プレーリーダーがいて、子どもたちと遊具や遊びを作り出していくという話は聞いていたけれど、ここまで自由で創造的な公園だったとは、と驚きの連続。5周年記念ケーキは、木で作った「5」(クッキーを貼り付けてある)のまわりを皆で持ち寄ったカップケーキが取り囲むというもの。わたしたち一家が着いたときには、あらかたケーキが行き渡った頃だったので、最初はびっしり敷き詰められていたのだろう。

ステージで演奏を披露したのは、隣の公園で練習していたというウクレレ道場の皆さん。「ハメハメハ大王」の歌に一同ノリノリ。その後、「何する? 水遊びする?」とY夫人。どこかの生け簀になっていたのをもらい受けたというたらい舟がプール。中の泥を洗うのも、ホースを引っ張ってきて水を入れるのも、子どもたちが勝手にやる。たまは水が冷たすぎたのか、シャワー攻撃にびっくりしたのか、すぐに出てしまい、木の車を引っ張る遊びを始めた。知らない子が乗りこんでは、下りていく。

ステージでは楽器を演奏する大人を子どもが取り囲み、木陰では談笑する婦人たちの姿が。ベビーベッド(雨ざらし)もあり、そこで子どもを昼寝させたりオムツを替えたりもする。なんと大らか。東京にこんなところがあったのか、とカルチャーショックを受けた。普段は工具と木材が出ていて、好きずきに遊具や椅子を作れるのだそう。遊具も新しいのができたと思ったら古いのを壊すという柔軟さがあり、常に変化し続けているのだとか。「去年はウォータースライダーを作ったんだけど、子どもたちの悲鳴がうるさすぎて近所迷惑になっちゃって、取り壊しちゃったの」とY夫人。

「5周年の記念手ぬぐいを作ろう」のコーナーでは、白い布に思い思いにスタンプをペタペタ。その隣には「はるプレ図書館」と称して、本(これも雨ざらしなのか、ページが膨らみきっている)が10冊ほど。その中にプレーパークの活動報告書を見つける。東京では世田谷などにもあるらしい。「自分の責任で自由に遊ぶ」というのが、プレーパークの精神だそう。こういう公園で遊ぶかどうかで人生観が変わるのではないかと思えてくる。

子どもの頃、自宅の庭の砂場を基地にして、海賊ごっこや探険ごっこをしたのを思い出した。海賊の船や旗を手づくりしたりもした。与えられた遊具や遊びを使うのではなく、ない遊びを生み出す経験が、一生ものの発明や発想のチカラを鍛えてくれた気がする。

着いたときには初めての場所に戸惑って硬くなっていたたまは、2時間ほどいるううちにすっかりこの公園が気に入り、最後はアスレチックに大はしゃぎ。実にいい顔になっていた。自然の木にロープをくくりつけたブランコの強度は? 「事故があっても自己責任」というのがプレーパークの考えだそうで、過保護指数の高い文京区で実現するのは難しいかもしれない。

少し足を延ばして、代々木公園のドッグランを冷やかすと、『クイール』にはまっているたまは、これまた興奮。ポニーに乗れるコーナーもあるのだそう。

代々木公園から徒歩でY家へ向かい、早めの夕食を御馳走になる。Y家には9才のミナミちゃん、たまと同い年で7月生まれのアオチンがいて、最初は3人で遊んでいたが、いつの間にか、アオチンとたまの二人きりで会話しながら遊んでいた。お揃いのリュックとお弁当箱を用意してもらい、おもちゃの食べものを詰め込んでピクニックごっこ。たまより50日ほどお姉さんのアオチンは、朝ドラ「つばさ」のファンで、今いちばんの関心事は「ゆうかちゃん」。「ラジオぽてと」「まなせさん」などとつばさ用語がすらすら出てくる。「わすれないで きせつはかわっても〜」と主題歌のサビを「シーザーズラー」まで歌ってくれたのには、びっくり。Y夫妻も初めて聞いたそうで、「この子なりにお客さんにサービスしてるんだなあ」。

夕食のメニューはお好み焼きと聞いていたが、お好み焼きが登場する前に次から次へと御馳走が出される。見事に整頓された部屋とともに感心し、それにひきかえわが家は……と反省。「たまちゃんちにも きてね」とたまが約束してしまったので、お返しにご招待できるよう、掃除にいっそう力を入れなくては。

2008年07月20日(日)  映画祭と日常を行き来する通勤審査員
2005年07月20日(水)  立て続けに泣く『砂の器』『フライ,ダディ,フライ』
2002年07月20日(土)  トルコ風結婚式
2000年07月20日(木)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/29)


2009年07月19日(日)  朝ドラ「つばさ」第17週は「さよなら おかん」

昨日、荒川自然公園で「おむつが外れていない子はプールに入れません」と言われたときの娘のたまは、世の中にはどうにもならないことがあると知った顔をしていた。よっぽど悔しかったのか、今日は朝から積極的にトイレを知らせるようになり、「これでパンツになれるね。ちいさいパンツ!」と主張している。

また、昨日の夕方、たまは念願の親子二人乗りを初体験した。つばさのお仕事が終わったら、お友だちのまゆたんの自転車を借りようねと話していたのだが、「ママ ちゅばさのおしごと おわったのに じてんしゃ わすれてるでしょ」とせっつかれ、あわてて借りに行ったのだった。自転車に乗りたいと言い続けてきたたまの興奮は相当なもので、「おそら とんでいるみたい」(電動自転車の加速は、たしかにふわっと体が浮く感覚がある)と大はしゃぎ。いったん家に戻ったが、「もういっぺん」とせがまれ、再び乗りに行き、戻ってからが大変だった。「またのる。もっとのる」とぐずり、床にひっくり返って泣くこと半時間。「もう暗いから明日ね」と言い聞かせ、「せっかく楽しかったのに、そんなに泣いたら、楽しかったことが消えちゃうでしょ」と嘆いたが、泣き募るばかり。自分が乗りたいだけでなく、「だれかがのっちゃうよ」と心配する行き過ぎた独占欲が怖くなったが、本人もどうしていいのかわからず泣くしかないのだろうなあと思い、泣くにまかせた。

人生なんて、思うようにいかないことの連続だけど、折り合いをつけるようになるのが、大人になるということなのだなと、2才にして人生の壁にぶつかっている娘を見て思った。

「つばさ」第17週「さよなら おかん」では、二十歳の挫折が描かれている。台風の夜、濁流から父を助けたのと引き換えにリハビリ中の足と逆の足を痛めてしまった翔太(小柳友)は、チーム復帰が遠のいてしまう。励まそうとするつばさ(多部未華子)との温度差が二人の関係にひびを入れ、つばさもまた失意を味わう。家の中でも外でもいつも誰かのために動いていたつばさが、初めて家族から手を差し伸べられる立場に。何を信じていいかわからないときの家族の支えが光る。

また、恋がうまくいかないときには仕事を頑張ろうとするもの。台風のときの災害報道に感銘を受けたこえど会前会長の城之内房子(冨士眞奈美)が大口スポンサーに名乗りを上げ、新番組を立ち上げることに。真瀬(宅間孝行)からインタビューを任されたつばさは、房子の怒りに火をつける事件を起こしてしまう。恋にも仕事にも行き詰まったつばさは、おかんである自分を捨てるために、初めて川越を離れる決意をするという一週間。この後ラジオぽてとを揺るがす脅威となる房子の登場にご注目。千代役の吉行和子さんと大の仲良しという冨士さん、後々の二人のからみもお楽しみに。

すでに登場しているサッカーボールの携帯ストラップがキーアイテムに。また、「らくらくおそうじ センジュくん」が悲しみを象徴するアイテムとして登場。千手おそうじグッズを背負ったバカバカしい姿から、すっきりお掃除したくてもできない胸の内の苦しみが伝わると、やりきれなさがいや増して涙を誘う。この場面、先日のファンミーティングでも宅間さんが「泣けるんですよ。あの場面をネタに一晩飲みました」と語っていた。他にも新生活応援グッズやつばさ応援グッズなど加乃子がらみのアイテムが活躍。

第17週も「脚本協力 今井雅子」のクレジットが毎日出る増量週間。演出は第8週、9週、15週の福井充広さん。続く第18週「二十歳の夏の終わりに」は長瀞(ながとろ)が舞台で、第10週に登場した紀菜子(斉藤由貴)とつばさが再会。そして第19週「太陽がいっぱいだ」では、ついにサンバの謎が明らかに。ますます目が離せない展開の「つばさ」を引き続きお楽しみください。 

2008年07月19日(土)  世界は広くて狭い! SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2008開幕
2007年07月19日(木)  忘れ物を忘れる速度
2005年07月19日(火)  会社員最後の日
2002年07月19日(金)  少林サッカー
2000年07月19日(水)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/29)


2009年07月18日(土)  荒川自然公園に驚いた

このところ、娘のたまとじいじ(ダンナ父)のデートコースになっている荒川区立の荒川自然公園。「たまがいつも遊んでいるところを見ておくべし」とダンナ父に言われ、わたしとダンナも初めて訪ねることになった。わが家からはバスとモノレールと都電を乗り継いで、最寄り駅の荒川二丁目駅まで約40分(都電一日乗車券700円がお得)。いろんな乗り物に乗れるのがうれしくて、たまは大はしゃぎ。

素晴らしいとは聞いていたものの、とにかく広く、施設や遊具が充実。都会ではなかなか見られないカブトムシを間近で見られるコーナーでは、「取られたりしないのかな」とお節介な心配をしつつ、無料開放とはなんと贅沢なと感激した。

国蝶のオオムラサキの観察園では、卵からかえったばかりの幼虫から成長した蝶までを見ることができる。写真の蝶はおとなしいなあと思ったら死んでいた。でも、そのすぐそばでは、小さな幼虫たちがせっせと葉っぱを食べていた。

白鳥と鯉が泳ぐ池を通り過ぎ、すべり台のある遊び場を越えると、浅くて広いプールがあり、そこが今日のお目当て。早速たまを水着に着替えさせようとしたら、「おむつが外れていない子は入れません」とライフガードのお姉さん。たまは「……」と絶句し、納得いかない顔。この悔しさをバネにトイレトレーニングに燃えてほしい。

気を取り直して交通園へ。ここは、信号機や横断歩道があり、交通ルールが学べるほか、乗り物を借りて走らせることができる。三輪車、補助輪つき自転車、自転車、豆自動車、さらにはゴーカートまで! 飽きっぽいたまは乗り物を取っ替え引っ替え。

「プールいく」と未練がましくぼやくので、水辺コーナーで水遊び
をさせることに。くるぶしぐらいまでの水が流れる岩場を貸し切りプールにして、歩いたり水を蹴ったり腹這いになってワニ歩きをしたり。たまは十分満足だった様子。

それにしても、「こんな場所があったのか」と感心しきり。公園にはあちこちに花が咲き、その世話をする人の姿もよく見られた。案内したり質問に答えたりしてくれるスタッフも至るところにいる。ボランティアの方も多いのか、立ち働く人が目立ち、たくさんの人の手に支えられている公園だと感じた。働く人も遊ぶ人も生き生きとしていて、躍動するような空気を作っている。公園は生き物だなあとつくづく思った。

2008年07月18日(金)  マタニティオレンジ312 『JUNO』を観て思い出した9か月
2004年07月18日(日)  ニヤリヒヤリ本『ニッポンの誤植』
2000年07月18日(火)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/29)


2009年07月17日(金)  一年ぶり!SKIPシティ国際Dシネマ映画祭

去年、国際長編部門の審査員を務め、とても刺激的な経験をさせてもらった埼玉県川口市のSKIPシティ国際Dシネマ映画祭。早いもので、あれから一年経ち、ただいま第6回を開催中(今年は7月10日〜20日)。関係者パスを用意していただいているので、できるだけ足を運ぼうと思いつつ、開催一週間目の今日になってようやく行けることになった。

おめあては、去年のクロージングパーティで仲良くなった藤村享平君の短編『アフロにした、暁には』。彼は函館港イルミナシオン映画祭のシナリオコンクールで市長賞300万円をせしめていて、同じコンクールの受賞者という縁で声をかけてくれたのだけど、その後で月刊シナリオに載っていた受賞シナリオ「引きこもる女たち」を読んだら相当面白くて、これからどんな作品を作っていくのか楽しみな青年。

短編の上映は午後だけど、せっかくなので、午前の長編も観ることに。『神の耳』(God's Ears)というアメリカ作品(予告編はこちらで)。ボクシングに打ち込む自閉症の青年ノア(マイケル・ワース監督自ら主演)が、ポールダンサーのアレクシアと恋に落ちるという純愛もの。あらすじを見ただけでは「裸同然で男を誘惑する職業の女が障害を持った男の純真さに惹かれる」ありがちな話という印象を受けたのだけど、二人が惹かれあっていく過程がとても丁寧で、本当に恋の始まりを見守るようなドキドキ感があった。アレクシア役のマーゴット・ファーレイが、ポールダンサーの妖婉さと素顔の優しさと聡明さという両面を実に自然に演じていて、それも作品の魅力になっている。

ダイナーで「卵なんてどこで食べても同じ」とうそぶくアレクシアに、離れたテーブルから鶏の蘊蓄を聞かせるノアという出会いから互いを意識し始める二人。ノアが「母親を迎えに行く」旅行にアレクシアが仕事仲間のキャンディとともに同行したことで、二人の距離はぐっと縮まるが、旅先で会うノアの叔父や祖母のキャラクターやそこで交わされる会話もとてもチャーミングだった。「2秒あれば人生は変えられる。Yes,I willというだけの時間がある」といった説得力のある台詞がちりばめられていて、それでいて語りすぎない。ラストでアレクシアが「LIVE NUDE」(生ヌード)の看板が掲げられた店を後にする場面、振り返ると、「LIVE」だけが目に入り、「生きろ」というメッセージになるのは、とてもすがすがしい。脚本を書いているのも監督で、編集もこなしたとのこと。なんてマルチな才能なんだ! 

終映後のQ&Aで監督は「コミュニケーションの映画を作りたかった」と話していたが、まさに、人と人がつながるというのはどういうことか考えさせられる作品だった。以前、「障害者と性」をテーマにした映画を作ろうとして、結局企画が立ち行かなくなったことがあったが、そのときのテーマもやはりコミュニケーションだった。その映画でやろうとしたことは、わたしが考えた以上にうまく、自然に、この『神の耳』に込められていた。タイトルの由来は劇中のノアの台詞で明かされるが、「誰にも自分の言葉が届いていないと思っても、神様は聞いてくれている」というような意味で、この言葉もとても心に残った。

「ノアを鶏博士にしたのはなぜ?」という質問には、「自身も鳥好きだから」と監督。「鶏は翼があっても飛べないので、その閉塞感の意味も込めた」とか。また、アメリカ映画によくある「貨物電車の通過待ち」の場面は、意図したものかという質問には、「撮影中に偶然貨物電車が通りがかり、監督の直感で使うことにした。通り過ぎて行く人生にたとえられると思った」とのこと。

出口で監督をつかまえ、「ダイアローグがとても良かった」と伝え、「鉄道好きだそうですが、日本の鉄道は楽しんでいますか?」と聞くと、「JR is great」という返事だった。写真に一緒に写っているのが、終映後に合流した藤村君。

藤村君とお昼を食べようと2階のシネマカフェ(映画祭期間中、地元の川口のイタリアンレストランがカフェを開店)へ移動する途中、「これ知ってます? すごいんですよ」と藤村君が映像ミュージアムを指差し、通り抜けていくことに。パンフレットや映像での紹介は見ていて、気合の入った施設だなあと思っていたが、先日訪ねたNHKスタジオパークが広々となったような贅沢な空間に最新の機材がずらり。

「お天気コーナーやってみませんか」と係の人に声をかけられ、挑戦。カメラの前に立つ姿が画面に合成される。「地図を指差しながら話してください」などと、かなり細かい演技指導が入る。わたしはノリノリ、藤村君はカメラには弱いことが判明。「歌のお姉さんもありますが」とすすめられるが、こちらは見本を見せていただき、演技は辞退する。

その隣は「空飛ぶ絨毯」の合成映像コーナー。小学生と思われる女の子二人が世界一周に続けて恐竜時代へタイムスリップ。これまた「パンチとキックで恐竜をやっつけて」などと細かい演技指導があり、大忙し。見ているのは楽しいけど、絨毯の上の二人は恥ずかしそうだった。

他にもムービーカメラの操作を学べるコーナーもあり、いたれりつくせりな映像ミュージアム。夏休みに親子で行ってみても楽しそう。

シネマカフェでお昼を買って、一階のおひさま燦々の下でランチ。藤村君とは去年のパーティで会ったきりだけど、今回の短編の製作話(函館の賞金を映画製作に使っている。えらい!)や脚本の話(商業映画は興行を考えて、若い男女を出す必要がある!というとこで盛り上がる)など、話題はいくらでもある。カレーもなかなかおいしく、去年食べたカレーパンもおいしかったのを思い出した。

さて、いよいよ短編上映。藤村君の『アフロ〜』の前に『ブランコ』『太陽の石』を上映し、合計85分の短編1(予告編もこちらで)というプログラム。

『ブランコ』はフリーのCMディレクター藤田峰人さんの初監督作。小学生の頃「ブランコ」というラジオドラマに衝撃を受けたわたしは、ブランコが出ているだけで心が揺れてしまう。まだかすかに揺れているブランコを見て、「誰かいたんだ」なんて情を描くというところは、ブランコらしくて心憎い。ブランコが物悲しいのは、あのきしみの音と、人が去っても揺れ続けるせいかもしれないと思ったりする。ブランコにかわるがわる座るカップルの会話がオムニバス形式で綴られ、その会話もそれぞれ興味深く、舞台劇のような味わいもある。短編にしては長い48分というある程度の時間をかけているので、もうひとひねりあると、より見応えのあるものになった気がする。それぞれのカップルが実はつながっていた、のような驚きが用意されているのではと期待が膨らんでしまった。わたしも広告業界から脚本の世界に飛び込んだので、広告出身の才能に、大いに共感と期待。今後の作品に注目したい。

『太陽の石』の遠藤潔司監督は75年生まれで、これが初監督作品。「影絵で映画をやろう」と思いつき、人集めを始めたもののなかなか集まらず、少しずつ支援の輪を広げていったそう。「とにかく影絵でやるんだ!」という真っすぐな想いが伝わってくるような作品で、太陽のかけらのような赤い石を拾う主人公の少年の気持ちに寄り添って観た。「デジタルだからできた」という影絵の表現が素晴らしい。あごから滴る滴で、少年が泣いているのだとわかったり、ところどころドキッとしたり、ハッとしたりする場面がある。発見と言ってもいいかもしれない。シルエットにすることで見えることがあるんだなと。音楽も監督がつけたそうで、これもデジタルだからできたという。

少年の横顔の美しさが印象的だったが、Q&Aのときに少年を演じた高岩彩さんが登壇し、女の子だとわかった。監督が脚本を相談していた脚本家さんの姪っ子だそう。男の子のように髪をばっさり切ったことについて、「男の子の気持ちでやりたかった」と答え、役者魂を見せていた。『太陽の石』はロサンゼルス国際短編映画祭(去年「つみきのいえ」が出品された映画祭だそう)にも出品しているとのこと。

『アフロにした、暁には』は、事前に「シュールですよー」と藤村君本人から釘を差されていたのだけど、驚きよりも、「わあ、藤村君らしい」という納得が勝った。彼の作品は去年もこの映画祭の短編部門にノミネート(数百本の応募から2年連続で勝ち抜くとは、強運と実力の証)されているのだけど、わたしは見逃してしまっているので、映像を観るのは初めて。でも、函館のコンクールの受賞脚本と、今日観た映画には同じ匂いを感じた。ぶっ飛んだ設定を、ありそうに思わせてしまうのは、登場人物の存在感のチカラなのか。キャラクターと台詞がうまいというか独特というか、テクニックとは違う光るものがある。カセットコンロがライター代わりとか、泡風呂に入る彼女の脛毛を剃ってあげる男とか、細かいところが面白い。アフロにして映画を観に行ったら後ろの客が困る、怒るという場面、わたしもまわりもかなり受けていたけど、この作品を思いついたのは、「映画を観てて、頭が邪魔なヤツがいる」ということだったとか。

もうひとつ、藤村君の作品は、セックスがとても当たり前な顔して登場する。あるけれどないものとして描く「避ける派」でもなく、描くからには意味を持たせる「掘り下げる派」でもなく、食事の場面のように普通のこととして描いていて、無駄な力が入っていないところが、かえってユニーク。ぜひ、『引きこもる女たち』の脚本も自ら監督して、映像にしてほしい。

アフロになるダメ男役の柄本時生さんは、柄本明さん(『ぼくとママの黄色い自転車』の岡山のシーンで、正太郎じいちゃんを熱演)の次男だそう。なんともいえないとぼけた味わいがあった。去年同じくクロージングパーティで仲良くなった西田薫さん(去年の日記を読み返したら、西田さんがまず声をかけてくれて、藤村君を紹介してくれたのだった)も出演していて、「お元気そう!」をスクリーンで確認し、なんだかうれしかった。

短編映画を観る機会はなかなかないのだけど、短編こそスクリーンで味わうのはいいものだ、と感じる。3監督そろってのQ&Aも三者三様の映画への姿勢がうかがえて、聞きごたえがあった。

映画祭事務局の木村美砂さんとも一年ぶりに再会。映画祭スタッフの方にbukuのエッセイ連載を読まれている方もいたりして、故郷で歓待を受けたような楽しい一日となった。

2008年07月17日(木)  最近食べたお菓子
2007年07月17日(火)  マタニティオレンジ147 働くお母さんの綱渡り
2005年07月17日(日)  阿波踊りデビュー
2004年07月17日(土)  東京ディズニーシー『ブラヴィッシーモ!』
2000年07月17日(月)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/29)


2009年07月14日(火)  「好き!」を見せるとトクをする

隙を見せると損をすることが多いけれど、「好き!」の意思表示をすると、トクすることが多い。かかりつけの整骨院のウキちゃんの元には、「おいしいもの大好き!」(実は好き嫌いが多く、食べられないものがかなりあるのだけど)と声を大にして言っている成果で、患者さんが次々と食べものを持って来る。治療のついでだけじゃなく、食べものだけを届けに来る人も後を絶たない。そのたびにウキちゃんは「わあ! これ食べたかったんですよ!」と小躍りして喜ぶので、おいしいものが手に入ったら「ウキちゃんに食べさせてあげたい」と思う皆さんの気持ちがよくわかる。

わたしもけっこう「好き!」を言いふらしているので、甘いものやハートの形のものが集まってくる。昔からの友人だけでなく初めて会う人が、いまいまさこカフェのギャラリーを見て、わたしの甘いもの好きやハート好きを知り、「こんなの知ってます?」と差し出してくれる。合体してハート型のチョコレートになることもある。

日曜日、朝ドラ「つばさ」のファンミーティングでNHKへ行った帰りのこと。朝から「ブーブーのりたいよー」と言い続けていた娘のたまのリクエストに応えて、タクシーに乗った。原宿駅までだとあっという間なので、「代々木まで行くと、いくらぐらいかかりますか」と運転手さんに尋ねたら、「千円ぐらいかな」。だったらと山手線でひと駅先の代々木駅までお願いした。わが家は自家用車を持たないので、たまにとってタクシーに乗ることは非日常。すっかり興奮しておしゃべりになっていると、「お嬢ちゃん、いくつ? おしゃべり上手だね」と運転手さん。「この子、ずっとタクシーに乗りたがってたので、よっぽどうれしいみたいです」と言うと、「よーし、じゃあ、おじさん、ワンメーターで代々木まで行っちゃう」と運転手さん。「え、いいんですか」と驚いていると、途中でメーターを切ってしまった。わたしは感激しきりだったけど、たまはおまけのありがたみがよくわかっておらず、お礼も言わずにタクシーを降りてしまった。日本交通無線番号135番の運転手さん、ありがとうございました。

「好き!」は幸運を呼び寄せる魔法の呪文みたい。今日の子守話も魔法のお話。あいかわらず、たまには不評で「やめて〜」と逃げてしまった。
子守話88「まほうつかいのたまちゃん せんたくもののまき」

たまちゃんが まじょに でしいりして まほうを おそわりました。
「まほうは よくきく くすりだけど
 かしこく つかわないと どくに なるよ」と 
まじょは こわい こえで たまちゃんに いいました。
たまちゃんの まほうの ききめは たった3かですが
たまちゃんは まじょの ことばも 3かで わすれてしまいました。

あるひ たまちゃんは ママの おてつだいが
めんどうくさくなって せんたくものに まほうをかけました。
「ちちんぷいぷい。せんたくもの おりこうさんになあれ」

おりこうさんになった せんたくものは じぶんで
せんたっきの ドアをあけて そとに とびだし
いちもくさんに ものほしだいまで かけていきました。
そでのながいシャツが ものほしざおを もちあげると
シャツたちは するすると さおに そでを とおしていきます。
そのあいだに ブラウスは ハンガーに とびついて ひっかかり
くつしたとズボンは われさきにと たこあしに ぶらさがりました。
みんなで いっせいに とりかかると あっというまでした。

せんたくものたちは おひさまに あたって かわくと 
さおや たこあしや ハンガーから はなれて へやに とびこみました。 
シャツや ブラウスや ズボンは ふたつおりになったり よつおりになったり
じぶんで じぶんを きれいに たたみました。
くつしたは あいてを みつけて くるりと まとまりました。

らくちん らくちん。
たまちゃんは まほうの ききめに だいまんぞくでした。

ところが こまったことになりました。
おりこうになりすぎた せんたくものたちの
いやいやが はじまってしまったのです。
たまちゃんが シャツを きようとすると
「やあだよ」とシャツは にげていきました。
ズボンは「おむつと くっつくのは やあだよ」。 
くつしたは「どろんこに なるのは やあだよ」。
たまちゃんは むりやり シャツをきて ズボンをはいて
くつしたを はきましたが げんかんを でるまえに
「ほいくえん いくの やあだよ」と みんなが にげだして
たまちゃんは はだかんぼに なってしまいました。

やれやれ ほいくえんまで いくのも ひとくろうです。
まほうの ききめが つづく 3かかんが
なんと ながく かんじられたことでしょう。
いつも たまちゃんに てを やいている ママの きもちが わかって
たまちゃんは すすんで おてつだいするように なりました
「あら たまちゃんに まほうが かかったみたい」と
ママは おおよろこびです。

2008年07月14日(月)  英国ロイヤル・バレエ団 日本公演2008『眠れる森の美女』
2007年07月14日(土)  マタニティオレンジ146 コンロの火を消した犯人
2002年07月14日(日)  戯曲にしたい「こころ」の話
2000年07月14日(金)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/29)


2009年07月13日(月)  ちびっ子総立ち!東京大学奇術愛好会のマジックショー

先週の土曜日、近所の公民館で開かれた東京大学奇術愛好会のマジックショーに出かけた。今回で第5回で、初回の2005年を観て以来、毎年できる限り足を運ぶようにしている。今年は、保育園へ向かう道すがらの店先に貼られた告知ポスターを娘のたまと見つける遊びをしながら、指折り数えて当日を待った。

はりきりすぎて開場時間の7時を開演時間だと勘違いして会場に乗り込んでしまったが、7時半になると畳に座布団を敷き詰めた会場は親子連れでぎっしり。マジックへの期待で目がらんらんの子どもたちの熱気はすごい。前座で町内会の世話役らしいおじさんが「がまの油売り」をコミカルに演じ、子どもたちは大受け。いよいよマジシャンの入江田翔太さんが登場すると、「あんた知ってる!」の声が飛んだ。去年、新しいレモンを切った中からお札を取り出すというマジックで驚かせてくれた人。

ジャケットを後ろ前に着て登場した入江田さん。「ぼく、ファッションセンスがないって言われるんですよ」。会場からボランティアを募り、袋に入ったネクタイから一本を選んでもらうことに。女の子が選んだのは、蛍光のグリーンのネクタイ。はたして、入江田さんがジャケットを裏返すと、身につけているのは、なんと同じ色のネクタイ! 「ええーーーーーーっ!」の声とともに、子どもたちが一斉に立ち上がった。

「今日は、靴下も同じ色でそろえてきました」と足を上げて、靴下をアピールしたあと、カップ&ボールのマジックを披露。カップをたたくとボールが出てくる、そのボールも同じく蛍光グリーン。やっているうちにボールが靴下になってびっくり。入江田さんが足を上げると、靴下をはいていた足がいつの間にか裸足に! 「あれは、さっきと逆の足とちゃうかな?」と同じクラスのカナコちゃんのママ(関西人)が後ろからささやき、「なるほど。その手があったか」などと話していたら、カップからネクタイが出てきて仰天。いつの間にネクタイを外したのか! カップの中からオレンジジュースの入ったトールグラスが現れるのも不思議不思議。

他に手元のカードが一枚ずつそでの中を通り抜けるマジック、ちびっ子3人が選んだカードを次々と当てるマジックなどを披露。去年と同じくレモンから千円札が出てくるマジックも。切り目を隠しているのだろうか。2回見ても、さっぱり種がわからない。一年経って、去年よりも動きがこなれていた入江田さん。ショーの後、子どもたちにサインを求められ、「今もらっとくといいかもね。今度世界大会に出るんですよ」と話していた。健闘を期待したい。

マジシャンといえば、友人の城光一君もかなりの腕前。以前二人でカウンターの店で食事して、テーブルマジックを独り占めで見せてもらったが、贅沢な時間だった。大阪のNHKで番組制作をしている彼が作った「その時歴史が動いた」の「戦国のゲルニカ〜大坂夏の陣、惨劇はなぜ起きたのか」の回は、今でも検索してこの日記(2008年6月26日)にやってくる人が多い。仕事でもマジシャンぶりを発揮している様子。

今日の子守話はマジックにちなんで、魔法のお話。なぜか、たまは怖がって、不評だった。
子守話87 まほうつかいのたまちゃん れいぞうこのまき

たまちゃんが まじょに でしいりして
まほうを おそわりました。
まほうつかいの たまごの たまちゃん。
まほうの ききめは たったの 3かです。

さあて なにに まほうを かけようかな。

たまちゃんが さいしょに まほうを かけたのは
れいぞうこでした。

ちちんぷいぷい れいぞうこの なかの
たまちゃんの すきなもの
たまごを うんで どんどん ふえろ。

じゅもんを となえて どれどれと
れいぞうこを あけてみると
だいすきな プリンの となりに たまごが ひとつ。
わってみると なかから プリンが でてきました。
そのプリンを たべている あいだに
れいぞうこの プリンが また たまごを うみました。

バナナも りんごも チョコレートも 
たまごを うんで れいぞうこの なかは たまごだらけ。
だいすきな おやつを たべほうだいです。

ところが こまったことが おきました。
たまちゃんの きらいな にんじんや ピーマンも
たまごを うんで しまったのです。
たまちゃんの まほうが へたくそだったのでしょうか。
にんじんを いやいやたべても
れいぞうこの にんじんは なくなりません。

「さあ たまちゃん これを たべなさい」
ママが ホットケーキを やいてくれました。 
ほんのり あかくて あまあい ホットケーキです。
こんなに おいしい ホットケーキを
たまちゃんは たべたことが ありませんでした。
「その あかいろは にんじんの いろよ」と ママが いったので
たまちゃんは めを まんまるくしました。
ホットケーキには すりおろした にんじんが はいっていたのです。
まるで ママが にんじんに おいしくなる まほうを かけたようでした。

たまちゃんは すっかり にんじんが だいすきになって
「もっと もっと たべる!」といいましたが
まほうの ききめが きれて にんじんは もう ふえませんでした。

2008年07月13日(日)  マタニティオレンジ311 東京ディズニーシーでパークデビュー 
2002年07月13日(土)  『寝ても覚めても』『命』
2000年07月13日(木)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/29)


2009年07月12日(日)  朝ドラ「つばさ」第16週は「嵐の中で」&「ラジオぽてとin渋谷」

昨日の川越参りに続いて、今日は渋谷で開かれた「つばさ」ファンミーティングにお邪魔する。子守の都合がつかず、娘のたまを連れて行くことに。会場は親子連れが多く、ほっとしたが、始まるなり、たまは「ちゅばさ どこ?」を連呼。「つばさ、見にいこうね」と話していたのだが、つばさ=玉木つばさに会えると期待してしまった様子。多部ちゃんはビデオレターで何度か登場したが、たまは本物を所望。そこまでファンになっていたとは知らなかった(後でじいじばあばに報告するときも「ちゅばさ テレビだったの」)。

今回は「ラジオぽてとin渋谷」ということで、真瀬昌彦役の宅間孝行さん、丸山伸子役の松本明子さん、浪岡正太郎役のROLLYさん、ロナウ二郎役の脇知弘さんが登場。まず、寸劇で幕が開いた。つばさがベッカム一郎とラジオで共演する初日のラジオぽてとという設定で、二郎が気象情報コーナーをやっているブースの外では、あとの3人がベッカムの番組に大受け。放送を終えた二郎が出てくると、「よし、戦略会議だ。この波に乗って、ラジオぽてともメジャーになるぞ」と真瀬。すかさず、歌を作って売り出せば、と算盤を弾く伸子。だが、浪岡の考えた旋律は、つばさがいない淋しさで暗く沈み、「それじゃあメジャーはダメじゃー」と二郎が突っ込む。伸子に「くだらない」と言われた二郎は「日本一くだらないラジオ局ですから」と開き直る。儲けることしか頭にない伸子は「ラジオぽてとの金庫番ですから。といっても、金庫は空っぽですけど」。だったらグッズ作る金もないのでは、と「♪集金だ〜」「♪スポンサー探し〜」とミュージカル風に出て行き、二郎も「♪街ネタ探し〜」。浪岡は「やはり、地道に精進するしかありませんね」と一同を見送ってギターを鳴らし、お茶目に舌を出す……という2分ほどの内容。

続いて、ぽてとメンバーのトーク。司会は埼玉放送局の結城さとみアナウンサー(たぶん……)。後藤高久チーフプロデューサーも参加。関西出身の後藤さんはかなり話し上手なのだけど、同じく大阪・高槻出身のROLLYさんの面白さが炸裂で、イントネーションもかなり大阪弁が出ていて、ノリノリでお話しされているのがよくわかった。『ロッキー・ホラー・ショー』を3回、『星の王子様』を2回観に行ったファンとしては、ROLLYさんの素のおしゃべりをたっぷり聞けて、大満足。ROLLYさんは宅間さんを「いじめっ子のジャイアンキャラ」だと位置づけ、「パン買って来いとか言わないでくださいよ」などと言っているらしい。控え室でのおしゃべりもとても楽しそう。「みんな自分の楽屋に帰らないんですよ」という松本さんの言葉にも、メンバーの仲の良さがうがかえる。

各自がお気に入りのシーンを紹介するコーナーでは、まず脇さんが放送したばかりの第15週「素直になれなくて」でつばさに「なんで僕じゃなくてつばさちゃんなんだよ」と本音を漏らすシーンを。演出(福井充広さん)から注文された通りに演技した後で「今までのこと忘れて、素でやってください」と言われて、納得のいく演技になったそう。

松本さんは、第12週「男と女の歌合戦」の「あなた」熱唱のシーンを。スクリーンとスピーカー音声で再生すると、あらためて歌のうまさが際立つ。松本さんが少女時代に田川陽介さん(夫の良男役)のファンクラブに入っていたのは、びっくり。ここで登場した息子の隼人役の下山葵君が妙にトーク慣れしているのも、びっくり。「松本さん、どうなんだろと思ってた」「うちの母親に似ていて「やりやすかったです」と言う下山君に、「お前、上から目線だな」と隣から宅間さんが突っ込む。

ROLLYさんが選んだのは、第10週「愛と憎しみの川越」で、ブロッグ塀を壊して玉木家の庭に乱入する場面。撮り直しがきかない一発勝負のこの一瞬で「できるだけ派手に、しかも足は地面と直角に」を狙ったとか。家に帰って何十回も再生し、よくやったと自賛したというのがお茶目。スクリーンで観ると迫力もお茶の間の数倍で、会場は大いに沸いた。

宅間さんは、第9週「魔法の木の下で」の優花と心を通わせる場面。抱き上げた瞬間、「くさい!」と優花が逃げる演技に、「あれはアドリブ?」と視聴者からの問い合わせが多数あったそう。優花ちゃん役の畠山彩奈ちゃんの演技がそれほど真に迫っていたということ……と話題は真瀬より優花に集中。

最後に多部ちゃんが選んだのは、第10週の頭でラジオぽてとメンバーが川越キネマに優花ちゃんを迎える引っ越しを総出で手伝う場面。その理由をビデオレターの中で「ぽてとメンバーのもうひとつの家族らしさがよく出ているから」と多部ちゃん。彼女らしい(つばさらしい)選択。「僕は手伝えよ、と思いましたけど」と後藤さん。この場面の最後でつばさと伸子は座っておしゃべり。その後ろで荷物を運ぶ二郎が転んでいるのだが、転んだのはアドリブだとか。ROLLYさんは「本当は冷蔵庫ぐらい一人で運べますが、あの場面は重いフリをしていたんです」(たしか実家が電気屋)と勝ち誇るが、「あれ? さっき、あれは重かったって言ってなかったっけ」とすかさず真瀬さんが突っ込む。

ROLLYさんが「受けを取った場面」として紹介されたのが、第15週で真瀬が「お電話代わりました」と受話器を奪う瞬間。肘鉄を食らった浪岡の眼鏡が吹っ飛び、あわててかけ直しているのだけど、わたしは見落としていた。スローモーションで観ると、ますますおかしく、会場は大爆笑。眼鏡が飛んだ瞬間、ROLLYさんの頭の中では「ここで演技をやめるべきか、続けるべきか」の二択がよぎったが、「おいしくなるかも」と判断して続行。よく見ると、真瀬もつばさも顔が笑っているのだが、「ぽてとが話題になって喜ぶ場面だからいいでしょう」と宅間さん。「高槻出身のROLLYさんには、すぐにかけ直すんじゃなくて、這いつくばって探してほしかったな」のような突っ込みをすると、「やってましたね、あれは」と負けず嫌いなROLLYさん。あの一瞬で?? 松本さんの「もう一回観たい〜」に応え、結局3回再生。

多部ちゃんが再びビデオレターで登場し、これから20週までの特別ダイジェストを上映。川越の重鎮、城之内エンタープライズを仕切る房子(冨士真奈美さん)が登場したり、真瀬と翔太のつかみあいがあったり、真瀬の胸で泣くつばさがあったり、竹雄と麻子が怪しい仲になったり、包丁がぎらついたり……短い時間に「!」の連続で、会場は「ええっ」とどよめいた。これからの「つばさ」もますます目が離せません。

最後はROLLYさんのギターに合わせて「あなたが好き」を合唱。ファンミーティングのことを略して「ファンミ」と呼ぶそうだが、三位一体ならぬ「ファンミ一体」ないい雰囲気。今日集まった方のつばさ熱は相当なもので、「川越へ行かれたことのある方?」の問いかけに、ほぼ全員と思われる数の手が一斉に挙がった。川越で開催中のつばさ展ではスタジオセットの再現も見られるそうで、これを目当てにまた行ってみたい。

会場を出て、スタジオパークへ。撮影日には上からセットをのぞけるコーナーがあるが、今日は撮休日。つばさ出演者のサインはそれぞれの役者さんの個性が出ていて、読み物としても面白い。たまがいちばん喜んだのは、「おかあさんといっしょ」のビデオコーナーと飲食コーナーの横浜豚まん(280円。大ぶりで予想以上においしい)だった。

さて、明日からの第16週は「嵐の中で」。8、9週で登場した横矢みちる(山本未来)が再び登場。彼女が取材している河川敷に住むホームレス(永島敏行)が実は翔太(小柳友)の父で、父子をつなげようとするつばさ(多部未華子)と拒む翔太(小柳友)の関係に波風が立つ。さらに、真瀬に思いを寄せるみちる、つばさをますます意識する真瀬も加わり、川もあふれる、思いもあふれる一週間。小豆の煮え方から台風接近を察知した竹雄(中村梅雀)は、防災で存在感を発揮しようと試みるが、防災グッズの「防災くん」を売りさばくことを思いついた加乃子(高畑淳子)に相手にされず、心穏やかでない。

今週のキーアイテムは「ぬか床」。漬け物から家族の秘密が明らかになるというのも、「つばさ」ならでは。

停電中の玉木家のドタバタぶりは健在。ラジオの男のお茶目な台風ネタにもご注目。今週も本筋の重苦しさを小ネタのバカバカしさが救っています。タイトルは「嵐の中で」。打ち合わせで「台風一家」というタイトルを提案したら、笑いだけは取れた。子どもの頃、ニュースで「台風一過」と聞くたびに、台風の親子を想像した人は多いのでは。演出は1〜3週、6週、10週、14週の西谷真一チーフ・ディレクター。続く第17週「さよならおかん」は再び今井雅子増量週間。

2008年07月12日(土)  ログ解析〜みなさんどこから飛んで来るの?
2005年07月12日(火)  『子ぎつねヘレン』打ち上げで ipodをゲット
2003年07月12日(土)  15年目の同窓会
2002年07月12日(金)  『真夜中のアンデルセン』小原孝さんのピアノ収録
2000年07月12日(水)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/29)

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