2008年01月31日(木)  たまった宿題を片づける

昨日から今日にかけてやったこと。
1)年賀状を一通ずつ確認して住所変更を住所録ソフトに打ち込む。ついでにお年玉葉書の当選番号を確認。
2)ドイツに住むペンフレンドのアンネットにクリスマスプレゼントを送る。

1)は思いのほか時間がかかり、半日がかりの作業となった。去年、これを怠ったがために、今年「あて所に尋ねあたりません」と返送された年賀状がかなりの数に。引っ越しても「引っ越しました」とわざわざ記さない人も多いので、一軒ずつ答え合わせすることになる。名前の漢字をずっと間違っていた人に気づいたりして、冷や汗。

お年玉葉書も去年は確認しなかった。昔は切手シートの当たりが百枚につき3枚あり、当選番号が3桁のふるさと小包賞があって、もっと当たりやすかった気がする。お年玉つき葉書じゃない人が多いからか、五百枚ほど来た葉書のうち当選は五枚。もちろん切手シートばかり。

2)は毎年大遅刻。アンネットからのプレゼントが届いてから、「もうそんな時期か」と気づく次第で、年末のあわただしさにかまけて、いつも発送が年明けになる。それでもアンネットの誕生日(たしか1月20日)までには着くように心がけていたのだけれど、今年はそれにも間に合わなかった。近所にあるセンスのいい画材屋で便箋、シール、ポップアップの誕生日カードを、文房具屋でシール、マグネット(寿司、レトロ家電)、極細カラーペン5本組を買い求めた。東急ハンズなどに行けたら、もっと面白いものを見つけられたのだけれど。おまけに、しみチョコや歌舞伎揚げやクリスピーチョコやカップ麺(ワンタン、坦々麺)などのおやつ。取り置いてある包装紙やリボンで包み、箱に詰める。ドイツ語翻訳サイトに手伝ってもらい、「遅くなったけどクリスマスプレゼントと誕生日プレゼント」とカードを書く。そういう手続きを経て、だんだんプレゼントらしくなる気がする。

去年は送料が5000円を超えた記憶があるが、今年は軽く、最初の計量で2130グラム。「2キロまでだと料金がお安くなりますよ」と局員さんに言われ、お菓子一袋と炭石鹸一個を減らした。航空便で2760円。段ボール一面を世界陸上や浮世絵やドラえもんの記念切手で埋め尽くす。お年玉当選葉書で引き換えたばかりの干支切手もシートごと貼りつけた。毎年、切手がいちばん高価な贈りもので、いちばん喜ばれる。

やってしまえば簡単なことで、たまった宿題を片付けた後のように、達成感と爽快感を味わう。「やらなきゃ」の重荷は日が経つほどに重くなるのだから、さっさと片づければいいのに、ついつい後回しにしてしまう。この性格、あらためなければ、と思っているところに、「メルマガの発行が2か月空いています」と発行サイトからメールが来た。「今週中に発行しないと削除します」の警告を受けてあわてて前号を発行してから、もう2か月も経つのかと驚くが、ちょうど今夜最新号を発行する予定だった。ひさしぶりに、新作(でも、ちょっと意外なジャンル)のお知らせ。日付が変わる頃に配信予定なので、それまでに『いまいまさこカフェ通信』に登録していただければ、お届けできるはず。今号を逃すと、次号はまた2か月後!?

2007年01月31日(水)  マタニティオレンジ68 左手に赤ちゃん右手にナン
2005年01月31日(月)  婦人公論『あなたに親友はいますか』
2003年01月31日(金)  トップのシャツ着て職場の洗濯
2002年01月31日(木)  2002年1月のおきらくレシピ


2008年01月30日(水)  マタニティオレンジ230 子守話4「いいにおい」

昨日、娘のたまに晩御飯を食べさせているとき、ご飯粒のついた指をたまが差し出して、「とって」と訴える目をした。わたしの左手はお皿、右手はスプーンでふさがっていたので、口で指をつかまえ、ご飯粒を取った。そのときにひらめいた話が、今夜の子守話になった。わたしに似て食いしんぼなたまは、食べものが出てくる絵本が大好き。音だけでも味わって聞いているようだった。

子守話4 いいにおい

おひるごはんを食べたたまちゃんが あそびに出かけようとすると
「たまちゃん 手をあらってから 行きなさい」とお母さんが言いました。
「いいのいいの。だって 食べものは きたなくないもの」
そう言って、たまちゃんは家をとび出しました。

たまちゃんが元気よく走ってくると、頭の上から声がしました。
「こんにちは、たまちゃん」
「こんにちは、鳥さん」
そのきれいな声は、鳥さんたちでした。
「たまちゃん、とってもいいにおい」
「わたしたちの大好きな お豆のにおい」
鳥さんたちはうたうように言いました。
「そう おひるに 豆のスープを食べたの」とたまちゃん。
見ると、たまちゃんの手には、
豆のつぶの小さなかけらがくっついていました。
「その豆のかけら、くださいな」
と一羽が言うと、他の鳥たちも
「くださいな」「くださいな」と合唱になりました。
「いいよ」とたまちゃんが言うと、鳥さんたちは、
すいーっとおりてきて、たまちゃんの手の上にちょこんととまると、
小さなくちばしをかわるがわるつき出して、豆のかけらをついばみました。
「ああ、おいしいお豆だった」
「ごちそうさま、たまちゃん」
「お礼にうたをうたってあげる」
そう話す鳥さんたちの声が、すっかり楽しいうたになっていました。

鳥さんたちのうたに見送られて、たまちゃんが歩いてくると、
おやおや、ねこの親子が道の真ん中でないています。
子ねこがミャーンミャーンとなくので
お母さんねこも困り果てて ミャーンミャーンとないています。
「こんにちは、ねこさん。どうしたの」
たまちゃんが近づいて声をかけると、子ねこはぴたりとなきやみました。
そして、うれしそうに、たまちゃんの手にぬれたはなを近づけて、
くんくんとにおいをかぎました。
「たまちゃん、お魚のいいにおいがするわね」
とお母さんねこが言いました。
「おひるにお魚を食べたの」とたまちゃん。
指にはお魚の身がほんのちょっぴりくっついています。
「そのお魚、うちのちびちゃんにあげてもいいかしら」
「どうぞどうぞ」とたまちゃんが指をさし出すと、
子ねこは小さな舌でぺろぺろとたまちゃんの指をなめて、
魚の身をきれいに取ってくれました。
すっかりきげんが良くなった子ねこは、ねむくなって、
お母さんねこのおなかに背中をくっつけてまあるくなりました。

ねこさんよかったねとうれしくなって、たまちゃんが歩いてくると、
「わんわん」と犬さんがよびとめました。
「こんにちは、犬さん」
「こんにちは、たまちゃん。ぼくの大好きな肉のにおいがするね」
犬さんがしっぽをふりふり言いました。
「おひるに肉だんごを食べたの」
「肉だんごはぼくが世界でいちばん好きな食べものだよ」
犬さんはうっとりと舌なめずりをしました。
「その指にくっついているかけらを食べただけで、三日間は幸せになれるね」
と犬さんが言うので、たまちゃんは「どうぞ」と指を差し出しました。
犬さんは、ざらざらした舌で、たまちゃんの指をていねいになめました。
指はすっかりきれいになって、肉だんごのにおいまで消えてしまいました。

「たまちゃん、ありがとう。お礼にひみつの場所をおしえてあげるよ」
犬さんが連れていってくれたのは、細い道の先にあるお花畑でした。
たまちゃんがお花をたくさんつんで家に帰ると、
「あら、たまちゃん、いいにおい」とお母さんは大喜び。
「たまちゃんの手にも、お花のにおいがついたわね」
お母さんは、たまちゃんの手をとって、においをかぎました。
「あれ? お花のにおいだけじゃない」とお母さん。
「なんのにおいか、あててみて」とたまちゃん。
お母さんは、はなをくんくんさせながら考えました。
「えーっとね、犬さんと、ねこさんと、それから鳥さん」
「すごい。どうしてわかったの?」とたまちゃんはびっくり。
「ちゃんと手に書いてあるわよ。みんなに手をきれいにしてもらったのね」
たまちゃんは自分の手をじっと見ましたが、何も書いていません。
お母さんって魔法使いみたい、とたまちゃんは思いました。

「さあ、パンがやけたわよ。手をあらってらっしゃい」とお母さん。
たまぢゃんは、石けんで手をごしごし洗ってから、
焼きたてのパンを食べました。
たくさん歩いたから、おなかはぺこぺこです。
夜になって、おふとんに入ってからも、
たまちゃんの手はパンのいいにおいがしました。
たまちゃんは、手がパンになるゆめを見ました。
そのいいにおいをかぎつけて、鳥さんやねこさんや犬さんがやってきて、
たまちゃんの手をむしゃむしゃと食べてしまうゆめでした。

2007年01月30日(火)  作り手の手の内、胸の内。
2002年01月30日(水)  ボケ


2008年01月29日(火)  母の気持ちで……映画『犬と私の10の約束』(脚本協力)

松竹試写室にて3/15公開の映画『犬と私の10の約束』を見る。脚本作りに関わった作品で、わたしが書いたものは、脚本を書くにあたって英語の「犬の10戒(The Ten Commandments)を意訳した「犬との10の約束」が一部採用されて劇中に登場するという形で生き残っている(>>>2007年08月09日(木) ちょこっと関わった『犬と私の10の約束』 )。自分の脚本が使われるのがいちばんうれしいけれど、作品がちゃんと形になり、そこにほんの少しでも自分が関わった痕跡を残せるのもまたうれしい。その作品が愛すべき一本になっていたら、なおさらだ。

映画が描くのは、主人公の斎藤あかりの家に犬のソックスがやってきて去っていく、十年ちょっとの間のできごと。ソックスの一生に寄り添うように物語は進んでいく。わたしが関わったときとはエピソードも人物の性格もだいぶ変わっていて、はじめて知る作品のような新鮮な気持ちで観た。あかりのお母さんを、わたしは「ピーラーとせん抜きを間違えてきゅうりをむく」ような天然ボケのキャラクターとして描いた(その数日前に自分が体験したことをネタにした)けれど、包容力のあるまっとうなお母さんになっていて安心した。出産前、まだ娘がおなかの中にいるときに本作りをしていたのだけれど、当時は母親の気持ちを想像で書いていた。今ならもっと違った母親像を描けただろう。

犬を想う飼い主の気持ちになったり、子を想う母親の気持ちになったり、わたしには身につまされる場面が多かった。わたしが中学生のときにわが家にやってきた犬のトトと過ごした時間も10年ちょっとだったかなあと思い出す。トトは小柄な雑種で、ソックスとは毛が白いところ以外は似つかないのだけれど、ソックスは思い出の中のトトと重なり、あかりは昔のわたしに重なる。たぶん、観る一人一人がスクリーン越しにそれぞれの犬を思い描くのだろう。涙を迫る過剰な演出がない淡々とした描き方は、観る人に想像の余白を空けておいているようにも思える。脳裏に何を思い浮かべるかによって、さまざまな受け止め方ができそうな作品。二つ右隣の男性は「ゆるして〜」と言わんばかりに激しく嗚咽していた。物語と個人的体験がとんでもない化学変化を起こして、感情が爆発してしまった様子。

わたしはしみじみと思い出を振り返り、スクリーンの映像と脳裏の記憶をカットバックさせながら観た。飼いはじめた頃から犬の世界は広がらない(私にはあなたしかいません、が続く)けれど、飼い主の世界はどんどん広がって、人生において犬が占める割合はどんどん小さく軽くなっていく。トトにさびしい思いをさせてしまったかもしれない、最後は親に世話を押しつけてしまった、などと反省と懐かしさがないまぜになって、切なくなった。その一方で、自分はわが子とあと何年一緒にいられるのだろうと考えて、苦しくなる。健康で長生きしても、今は「あなたしかいない」という風にまとわりついてくるわが子が自分の世界を持つようになったら、親は邪魔になっちゃうんだろうなあ。犬にしても、子どもにしても、一緒に過ごせる時間は思っている以上に短い。だから、限りある時間を、目の前の今を、大切にしなくては。そんな素直な気持ちがふわっとこみあげてきた。

懐かしくて絵になる函館の街が舞台だったり、これまた函館が舞台だった『Little DJ』で好演していた福田麻由子さん(田中麗奈さんが演じる主人公あかりの少女時代。たしかによく似てる!)のくるくる変わる表情から目が離せなかったり、衣装がわたし好みだったり(おしゃれすぎる気がしないでもないけど、衣装が変わるたびに「カワイイ」「欲しい」とときめいた)、個人的に楽しめる点も盛りだくさん。犬が苦手なお父さん(豊川悦司)のコミカルな動きにも笑わせてもらった。3月15日(土)より全国公開。

最後のクレジットロールで「脚本協力」に自分の名前を見つけて、あっと驚いた。実は数日前、1月下旬に出る秋元良平さん(『クイール』などのスチールを撮られている写真家)の写真集『犬と私の10の約束』の中で「約束」が使われるにあたり、「訳:今井雅子」の名前を出して、プロフィールに「『犬と私の10の約束』脚本協力」と記します、という電話をプロデューサー氏からもらっていた。本のどこかに小さく入るんだろうなと思っていたら、表紙に「写真 秋元良平」と同じ級数で「訳 川口晴/今井雅子/澤本嘉光」と刻まれていて恐縮したのだが、映画のフィルムにまでクレジットされていたとは。そうと知りせば、年賀状で『子猫の涙』とあわせて宣伝して、「犬猫キャンペーン」ができたのに! 飲み会から手ぶらで帰ったつもりでいたら、脱いだ上着のポケットにプレゼントが忍ばせてあったような、うれしさとドキドキを味わった。(後日、この写真集の装丁を手がけたのが、広告会社時代に席が隣で、誕生日も隣同志で、ネスカフェこれコレにもお隣りの32番で参加していて、『出張いまいまさこカフェ』を連載中のフリーペーパーbukuのデザインも手がけている名久井直子嬢だと知り、さらなるおまけにびっくり!)


『クイール』のビデオや『マリと子犬の物語』の広告に食いついた娘のたまは、わたしのバッグからプレス用パンフを目ざとく見つけて取り出し、「わんわん!」と大興奮。写真のソックスにじゃれついたかと思うと、びりびりと一気に表紙を破いてしまった。一歳児なりの愛情表現なのだろうか。記念に取っておこうなんて親の気持ちはおかまいなし。かわいいけれど世話が焼けて、無邪気ゆえに乱暴で、幼な子って犬みたいだ。「私と気長につきあってください」「言うことをきかないときは、理由があります」……犬との「約束」は、わが子と向き合う教訓にもなる。

2007年01月29日(月)  マタニティオレンジ67 寝返り記念日
2006年01月29日(日)  空想組曲『白い部屋の嘘つきチェリー』
2003年01月29日(水)  清水厚さんと中島博孝さん
2002年01月29日(火)  年輪


2008年01月28日(月)  マタニティオレンジ229 子守話3「道」

昨夜の子守話は「花」と「道」のどっちがいいかと選ばせると、「道」を選んだ。題の二択も話も行き当たりばったり。たまが聞いているのかどうかを確かめたくて、話の途中にも二択を取り入れることにした。指をVサインの形にして、右か左を選ばせる。「道」は、こんな話。

子守話3 道

たまちゃんが散歩に出かけると、道が二つに分かれていました。
右と左、どっちに行く?
(たまが左を選んで)はい、左ね。
しばらく歩いて行くと、また道が二つに分かれていました。
右と左、どっちに行く?
(たまが左を選んで)はい、左ね。
そうしてしばらく歩いて行くと、また道が二つに分かれていました。
右と左、どっちに行く?
(たまが左を選んで)はい、左ね。
またまた歩いて行くと、またまた二つに分かれていました。
右と左、どっちに行く?
(たまが左を選んで)はい、左ね。
あれれ? 最初に出発したところに戻ったよ。

もう一度同じ道を歩いて行くと、さっきと同じところで道が二つに分かれていました。
今度はどっちに行く?
(たまが左を選んで)はい、左ね。
しばらく歩いて行くと、またさっきと同じところで道が二つに分かれていました。
今度はどっちに行く?
(たまが右を選んで)お、今度は右に行くのね。
右に行くと、どこまでも続く一本道です。
道はどんどん広くなって、やがて大きな原っぱになりました。
もう分かれ道はありません。曲がり角もありません。
右へ行っても左へ行っても、どこまでもつづく原っぱです。
原っぱには花がたくさんさいていました。
たまちゃんはおみやげに 花をつんで 家にかえりました。

「道」の話にしたけれど、最後には「花」が出てくる話になった。ずっと「左」を選び続けていたたまは何も考えていないのかと思いきや、途中で「右」を選んだので、ちゃんとストーリーを聞いて対応を変えているのかもしれない。人生初RPGということになるのかな。

2007年01月28日(日)  マタニティオレンジ66 贅沢なお産
2006年01月28日(土)  映画関係者の『女正月』に初参加
2005年01月28日(金)  G-upプロデュース公演『ブレインズ』
2004年01月28日(水)  舞台『クレオパトラの鼻』(作・演出:上杉祥三)
2002年01月28日(月)  心意気


2008年01月27日(日)  マタニティオレンジ228 クリスマス・クッキーハウス解体


クリスマスが終わって間もなく一か月。わが家でいちばん寒い玄関に置いてあるクッキーハウスが目に入るたび、そろそろ解体しなくてはと思っていた。ようやくわたしの仕事が一段落し、今日決行することに。ダンナの両親に声をかけ、大人四人が見守る中、紙を敷いた上にクッキーハウスを置いた前に娘のたまを座らせ、「さあ、たま、好きに壊していいよ」とビデオとカメラを構えるが、たまは身じろぎもせず固まってしまう。壊して困るものには手を出すくせに、壊していいよと言われるとどうしていいかわからない様子。わたしが壊し方の手本を示すが、真似る気配はなく、「もったいないじゃない」と言いたげな視線を向けてくる。仕方がなく、大人たちが寄ってたかって壊すのをたまが茫然と見守るということになった。屋根を壊した家に瓦礫を入れる作業には、たまも参加。パズル感覚で楽しんでいるように見えた。

クッキーハウスを建設して贈ってくれたミキさんからは、「ごめんなさい。あの家に入るにはスモールライトが必要なんです。でも、なかなか手に入らないので、ご自分が家の中に入るには、家をご自分の中に納める方法をおすすめします。自前の袋(=胃袋)をお使いください」というチャーミングな追伸メールがあった。ひと月経っているので大丈夫かなあとおそるおそる口にすると、少々湿気てはいるけれど、いいお味。でも、さすがに子どもの口に入れるのはやめておこうとなり、大人たちが頬張るのをたまは指をくわえて見物となった。

「しかし、これを作るのは大変だねえ。気持ちがないとできないことだよ」とダンナ父はしきりと感心。ほんと、その通り。仕事一色だった去年のクリスマスにクリスマス気分をもたらしてくれ、年を越しても楽しい時間をプレゼントしてくれたクッキーハウスとその作者のミキさん夫妻に感謝。もともとはわたしの本の読者という出会いなのだが、ミキさんから贈られたお菓子の家(たま11/12才ケーキバージョン)が、わたしの新たな作品を生み出すことに。その作品については、近日お知らせします。

2007年12月16日(日) 以心伝心クリスマスギフト
2007年7月31日(火) マタニティオレンジ153 クッキーハウス解体イベント
2007年7月22日(日) マタニティオレンジ148 ダブルケーキに仰天!たま11/12才

2007年01月27日(土)  マタニティオレンジ65 赤ちゃんの集客力
2005年01月27日(木)  石井万寿美さんとお茶
2004年01月27日(火)  映画『問題のない私たち』(脚本・監督:森岡利行)
2002年01月27日(日)  詩人


2008年01月26日(土)  マタニティオレンジ227 スプーンをお洗いします

新年始まって四度目の土曜日。このところずっと週末は仕事だったので、家族とゆっくり過ごすのはひさしぶり。休日を休日らしく過ごすっていいなあとしみじみ思う。

近所を散歩がてら外で昼を食べることにした。二年ぶりぐらいに入ったイタリアンレストランは、当然子連れで行くのは初めて。ここの二号店には何度かベビーカーで行っていて、いつも感じのいい対応をされるのだが、今日もまたにこやかに迎えられた。どの店員さんに会っても例外なく感じがいい店というのは、教育が行き届いているということなのだろう。

前菜のブルスケッタのパンのみ、きのこのキッシュ、ミネストローネスープに浮かべたスープをたっぷり吸ったパンなどをたまは喜んで食べた。パスタのウニソースも「何これ〜」とばかりに身を乗り出し、初めて出会うおいしさに夢中になっていた。お皿をさげながら、「ウニ、食べましたか!」と店員さんもびっくり。持参したスプーンを使って食べさせていたのだが、「スプーン、お洗いしてきます」と手を出されて、こちらが驚いた。いつもやっていますというようなさりげなさだったのだけど、そんなことを言われたのは初めて。遠慮しつつも結局は洗っていただいた。昼どきを過ぎても客が引きもきらない地元で愛されているお店は、やっぱり違うと感心。

2007年01月26日(金)  ひと月遅れのクリスマスプレゼント
2006年01月26日(木)  李秀賢君を偲ぶ会と映画『あなたを忘れない』
2002年01月26日(土)  オヨヨ城


2008年01月25日(金)  マタニティオレンジ226 子守話2「へんてこ」

昨夜の寝かしつけ作戦成功に気をよくして、今夜も娘のたまに子守話を聞かせることにする。「おでかけする話とへんてこの話、どっちがいい?」と指を二本立てて選ばせたら「へんてこ」を選んだ。おでかけにしてくれたら楽だったんだけどと思いながら、「えーっと、へんてこねえ」と考えながら話しだした。それは、こんな話。

子守話2 へんてこ

たまちゃんが歩いていると 道に へんてこなものがおちていました。
「あれ? なんだろ。へんてこだなあ」と言いながら たまちゃんは近づきました。
白くて平べったくて 落っことしたおもちが だらしなく伸びているような
形をしています。
たまちゃんはそーっと手をのばして、つん、と指でつついてみました。
「ひょひょひょひょひょー」
へんてこなものは びっくりした声を上げて にょろにょろぐにゃりと動きました。
どうやら ずいぶん くすぐったがりのようです。

面白くなって たまちゃんは もう一度指でつついてみました。
今度は さっきより強くおしてみると 
「ひょひょひょひょ ひゃひゃひゃ」
へんてこなものは さっきよりも くすぐったがって たくさん動きました。
ぴょんとはねるように地面から浮き上がり、どすんとしりもちをつきました。

そのとき へんてこなもののうらがわが 赤い色をしていることに たまちゃんは気づきました。
おもてが白で うらが赤。
たまちゃんは 赤いうらがわをもっと見てみたいと思いました。
そこで、わきをこちょこちょするように 右と左から指でつんつんとつついてみました。
すると どうでしょう。
「ひゃらひゃら ひょひょひょ うぎょぎょぎょぎょ」
へんてこなものは 体を左右にねじって くすぐったがるではありませんか。
ぐるりと体がねじれると おもての白とうらの赤がまじって しましまもようになりました。

しましまもようになった へんてこなものを たまちゃんがもう一度つつくと 今度はにょろにょろと長くのびて ぼうのようになりました。
くすぐったいのには だいぶなれたのか もう大声は出さなくなりました。
「こんにちは しましまさん」とたまちゃんがあいさつすると
赤と白のしましまぼうは、「こんにちは」と頭を下げるように はしっこをくるんと折り曲げ、そのままかたまりました。
ちょうど かさの持ち手のような形になりました。
「あれ この形 どこかで見たことがある」
たまちゃんは クリスマスツリーにぶらさがっていた 赤と白のしましまキャンディを思い出しました。
「そうだ。今度のクリスマスにかざろう」
そう思って たまちゃんは家につれてかえることにしました。
家にかえるまでの間 へんてこなものは おとなしく しましまのぼうのままでいました。

「あら、たまちゃん。いいふとんたたきを見つけてきたね」
しましまぼうを見たママがうれしそうに言いました。
「いやいや、これは かたたたきにぴったりだ」
とパパが言いました。
「クリスマスのかざりになるまで ぶじ しましまでいられるかしら」
とたまちゃんは心配です。
ふとんをたたいたり かたをたたいたりした いきおいで 
へんてこなものが またちがう形に へんしんしてしまうかもしれません。

今夜のたまは最後まで不思議そうな顔をして聞き、話が終わると、すとんと寝てくれた。へんてこなものがくすぐったがる場面をいちばん喜んでいた。

2007年01月25日(木)  ラジオドラマを作りましょう
2004年01月25日(日)  サンタさん17年ぶりの入浴
2002年01月25日(金)  絨毯に宿る伝統


2008年01月24日(木)  マタニティオレンジ225 子守話1「なんでも屋さん」

娘のたまは宵っぱり。9時過ぎにお風呂から上がると、「夜はこれから!」とばかりに元気になる。敷いた布団にダイブしたり、ビデオを見せろとせがんだり、水でお絵かきするシートを引っ張ってきて「何か書いて」とペンを差し出したり。10時を過ぎると、電気を消し、抱き抱えたまま無理やり横になるのだが、目はらんらん。子守唄を歌っても寝そうにないので、子守話を聞かせることにした。ちょうど『星新一 一○○一話を作った人』(最相葉月)を読み終え、お話を作りたい気分でもあった。「たま、なんかお話してあげよっか」と聞くと「ん」と小さくうなずく。「じゃあねえ、えーと」と考えて、「なんでも屋さんの話にしよう」と決めて話しはじめた。子どもの頃、わたしは、お店には必ず「〜屋さん」をつけるものだと思っていて、レストランは「食べ屋さん」と呼んでいた。飲み屋があるのだから、食べ屋があってもおかしくはない。なんでも売っているお店は、「なんでも屋さん」。それは、こんなお話。

子守話1 なんでもやさん

たまちゃんが 一人で かいものに でかけました。
世界中のものが なんでも買える なんでも屋さん。
あんまりたくさん商品があって 並べきれないので
ほしいものの名前を言うと お店のおじさんが おくのたなから とってくれます。

「いらっしゃい。たまちゃん」
「こんにちは。おじさん」
「今日は 何を 買いにきたのかな」
そのとたん たまちゃんは さっきまで頭の中にあった名前を忘れてしまいました。
「えーと、えーと」
「どうしたの、たまちゃん。何を買いに来たか 忘れちゃった?」
店のおじさんがやさしい声でききました。
「白くて 丸くて」
「ボールのことかな?」
「ううん、ボールじゃないの。食べられるもの」
「白くて 丸くて 食べられるもの?」
おじさんは、そう聞き返しながら、おくのたなに手をのばしました。
おじさんの手は自由にのびちぢみするので、遠くのたなの 上のほうにあるものも あっという間に取り出せるのです。
「これかい?」
とおじさんが出してくれたのは、たまちゃんが見たこともない食べものでした。
「これはなあに?」
「これはカマンベールチーズだよ。白くて丸くて食べられるよ」
「だけど、これはかたいわ」
たまちゃんがほしいものは、やわらかいのでした。
「だったら、これかな」
とおじさんが手をのばして取り出したのは、丸いうつわに入ったとうふでした。
「とうふは、白くて丸くて食べられてやわらかいよ」
「でも、ふわふわしていない」
「ふわふわしているんだったら、これかな」
今度こそ、とおじさんが取り出したのは、「むしパン」と書いた袋に入ったパンでした。
「白くて丸くて食べられてやわらかくてふわふわしているよ」
「にているけど、ちょっとちがう。それに、むしさんをパンに入れるなんて かわいそう」とたまちゃん。
「ちがうよ。虫が入っているんじゃなくて、むしたパンだよ。ゆげでふわふわにすることを むすっていうんだよ」
おじさんは笑って言いました。
「わたしがさがしているものも、ゆげでふわふわになっているよ」
たまちゃんがそう言うと、おじさんは、「わかった!」と大声をあげました。
「ほら、たまちゃん。これでしょう」
「そう。これ! ぶたまん」
見たとたん、たまちゃんは名前を思い出しました。
でも、手をのばしてさわると、悲しそうな顔になりました。
「あれ、やっぱりちがった。これは、あったかくないもの」
「これを おうちに帰って むすんだよ」
「むす?」
「そう。ゆげでふわふわのほかほかにするんだ」
たまちゃんはにっこり笑って、
「じゃあ、これで買えるだけください」
と500円玉を出しました。
「ひとつ130円だから4つで520円。20円はおまけだよ」
そう言っておじさんは4つ包んでくれました。
「ぶたさんみたいにまるまるしているから ぶたまんって言うの?」とたまちゃん。
「ぶたのお肉が入ったおまんじゅうだから ぶたまんって言うんだよ」とおじさん。
「ぶたまんのまんは元気まんまんのまんだと思ってた」
「ぶたまんを食べて 元気まんまんになってね」
おじさんは笑って言いました。
「なんでも屋のおじさん。ありがとう。また来るね」
たまちゃんは元気な声で言いました。


たまはぶたまんが登場する前に寝息を立て始め、子守話で寝かしつけ作戦は成功。お話がつまらなくて……ではなく、母の声に安心して、であることを祈りたい。

2007年01月24日(水)  マタニティオレンジ64 離乳食教室
2004年01月24日(土)  映画『LAST SAMURAI』
2002年01月24日(木)  主婦モード


2008年01月23日(水)  図書館の本についた謎の汚れ

いま読んでいる図書館で借りた本は、まだ新刊本で本そのものはぴかぴかなのだが、何ページごとに謎の汚れが出現する。ページの合わせ目の谷間にたまっていたり、ページに張り付いていたりする黒いカス。その汚れが目に飛び込むたびに、本の世界から現実に強制的に引き戻され、げんなりし、うんざりする。本の内容にケチをつけられたようでもあり、無性に腹立たしくなる。何より、借りた本を平気で汚す神経の持ち主と自分が同じ本に手を伸ばしたことが悲しく思えてくる。

最初はティッシュで拭っていたが、おしり拭きティッシュで拭うときれいに取れることがわかった。どこかの心ない誰かがつけた心ない汚れは、ウンチより汚く感じられる。それにしても、この汚れの正体は何だろう。消しゴムの消しカスよりは粘度があり、あんこよりは黒味がある。拭いているうちに、もしやと思い当たったのが、「垢」だった。爪の間に挟まった垢を落とせばこのような形になる。それがこれだけ大量にあるということは、不潔な体をかきむしりながら読んでいるということだろうか。人から借りたものほど大切に扱うべきなのに、公共のものになった途端、おろそかになるのはなぜだろう。

最近読んだ新聞記事で、図書館の本の破損が目に余るため、貸出者リストを図書館側が過去にさかのぼって当たれるようにすることが検討されている、と書かれていた。個人情報保護の観点から問題にする声もあるが、そうも言ってられないほど、利用者のマナーが悪くなっているのだという。だが、いつの時点で本が破損されたかを特定するのは難しいし、「あなたが本を汚しましたか」と問われて素直に認める人は、そもそも本を汚したりしないのではとも思う。学校の図書館では、本を返却するときに図書委員がページをぱらぱらとめくって汚れがないかどうかを確かめ、「はい、よろしい」となったが、貸出数の多い公共図書館ではそうもいかない。利用者の破損により廃棄処分となる図書は増える一方だといい、このままだと図書館という仕組みの存続が危うくなってくる。何かいい手はないものか。

2007年01月23日(火)  マタニティオレンジ63 晴れた日の小石川界隈散歩
2006年01月23日(月)  いまいまさこカフェブログOPEN
2005年01月23日(日)  中国禅密気功の師曰く
2004年01月23日(金)  今日はシナリオの日
2002年01月23日(水)  ラッキーピエロ


2008年01月22日(火)  マタニティオレンジ224 たま17/12才

母娘ともに風邪を治し、ひさしぶりに保育園に登園。元気に1歳5か月の月誕生日を迎えた。この一か月も娘のたまはおとろえない吸収力を見せ、毎日のように「こんなこともできるんだ!」と驚かせてくれた。とにかく、大人がやることをよく見ている。マンションの玄関のオートロックのドアを内側から開けるとき、ドアの下のほうについているつまみのカギを回すのだが、エレベーターから降りると、たまはドアに駆け寄り、つまみに手をかけるようになった。教えていなくても、親の動きを見て覚えたのだ。

見たままを真似するといえば、わたしは本を読み聞かせするとき、表紙をめくって題名を読み上げると、「ぱちぱちぱちぱち」と拍手を求めている。たまは最初は両手で拍手してくれていたのだが、最近、ページを片手でたたくようになった。絵本を持って左手がふさがっているわたしが、「ぱちぱち」と言いながら右手でページをたたいていたためで、絵本がはじまるときの拍手はページをたたくのだと覚えてしまったらしい。絵本は『うさこちゃんとどうぶつえん』『こねこのねる』『うたこさんのにわしごと』などディック ブルーナのシリーズがお気に入り。何度読んでも飽きないらしい。ぞうが出てくると、「ぞ ぞ」だけの歌詞に抑揚をつけて「ぞうさん」の歌を一曲歌う。

今まであまり反応しなかったビデオを見たがるようになったのも、この一か月の大きな変化。ビデオテープをケースから取り出し、ビデオ機に向かい、差し込む真似をする。これも大人の動きを見て覚えた。再生が終わると、指を立て、「もう一回」とせがむ。リピート率1位は『おしりかじり虫』。前原星良ちゃんにおさがりでもらったアニメ『ネコクン』(原由子原作・森絵都が脚本!)やアメリカの子ども向けショー『Barney's Big Surprise Live on Stage』なども喜んで見て、劇中にダンスシーンがあると一緒に踊っている。映画『クイール』は犬が出てくるたびに「わんわん」と画面を指差す。CMやニュースを見ていても、動物が出てくるとよく反応する。

ビデオだけでなく、自分のまわりだけに向けられていた興味が少しずつ広がっているように感じられる。わたしの帽子を自分でかぶってみた後に人にかぶせに行ったり、はんぺんやパンを小さくちぎってあげると、真似して自分から人に食べさせようとする。おんぶをされるのが大好きで、背中の後ろに立って「おぶ、おぶ」とせがむが、一方で人形をおんぶしたがる。人形のおなかをたたいて「ねんね」と寝かしつけようとするけれど、力任せでかなり乱暴。力加減というものをまだ知らないので、人をたたくときも力いっぱい。だけど、「痛いよ〜。いい子いい子してよ」と訴えると、やさしくなでてくれる。おもちゃを手荒に扱ったときも、同じやり方で手加減をさせている。

自己主張をはっきりするようになり、嫌なときは「イヤ」と言い張る。「お風呂入ろっか」と言っても、その気になるまでは動こうとしない。だが、時間が来ると、さっさと自分からお風呂へ向かい、服を脱ごうとする。今日は保育園で借りたシャツを着ていたのだが、ぶかぶかで脱ぎやすかったのか、はじめて一人で脱いだ。、まず首を抜き、続いて腕を抜き……「できたでしょ」とばかりに得意げだった。

おふろでは、以前は湯船に肩までつかるのを怖がっていたけれど、最近は床におしりをつけられるようになった。おふろの中で「ウー」と膝を曲げてためを作り、「ワー」で伸び上がるという芸を初めて披露したのがひと月ほど前。最近はお風呂の外でも「ウーワーやって」と言うと見せてくれ、持ち芸になった。どこで覚えたのかは不明。屈伸は得意で、「いーち、にーい、さーん……」とかけ声をかけると、神妙な顔つきでやってくれる。これは、肩車をしながら「タマーズブートキャンプ」と称してパパやママがスクワットしているのを真似るようになった模様。

2007年01月22日(月)  「気持ちはわかる」間違い集
2006年01月22日(日)  センター入試・英語に挑戦
2005年01月22日(土)  変わらない毎日。変わらない大統領。
2002年01月22日(火)  夢

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