2007年07月31日(火)  マタニティオレンジ153 クッキーハウス解体イベント

ダンボールハウスとほぼ時を同じくしてわが家に現れたもうひとつの家、娘のたまの11/12才誕生日を祝って建てられたクッキーハウスは、すぐに食べてしまうのが惜しくて、しばらく冷蔵庫に落ち着くことになった。子どもの頃、冷蔵庫の中に住んでいる小人を夢想したことがあったけれど、扉を開くたびに目に入る小さなお菓子の家は、その想像が現実になったような幸せな錯覚をもたらしてくれた。

「あまり長期保存すると、『冷蔵庫の味』がついてしまうかも」と施工したみきさんに言われ、28日の土曜日に解体することに。ダンナ父立会いのもと(先約があったダンナ母は前日に見に来た)、ビデオを構え、クッキーのかけらまみれになってもいいようにオムツ一枚になったたまの前にクッキーハウスを置き、「さあ、好きに壊していいよ」と促す。箱でも電話機でも壊しにかかるのが大好きなたまだが、「ダメ」と止められれば燃えるくせに、「どうぞ」とすすめられると尻込んでしまい、なかなか手を出さない。

しばらく見守っていると、屋根をなで、庭先のたけのこの里をひとつずつ取り外していく。口に入れる前に取り上げ、皿に移す。固めのクッキーをたっぷりのアイシングで固めた家は耐震構造になっていて、ドアはなんとかもぎとったものの、屋根と壁はちょっとやそっとたたいてもびくともしない。ゴジラよろしく家を持ち上げたたまが床に落としても、ひびも入らない頑丈さ。手ごたえがないと見ると、たまは飽きてしまい、ほとんど損傷のないまま15分ほどで解体イベントは終了した。

大人が無理やり屋根を剥がし、ばらばらにした家を食べた。幸い冷蔵庫の味はまだついてなくて、ぎりぎり噛める固さのハードクッキーは、建材とは思えないおいしさ。アイシングのついていない部分をたまにも分けると、口の中でじっくり溶かして食べていた。家一軒を食べ尽くすのは歯が立たないので、ダンナ父に半分持ち帰ってもらう。家のかけらを見ながら、ダンナ母に報告してくれたことだろう。

クッキーハウスはみきさんのダンナさんのお母さんがレシピと道具を提供し、みきさんの実家がオーブンを貸し、両家のお母さんを巻き込んだ騒ぎになっていたと聞く。ちょうど8月1日で結婚一周年を迎えるお祝いのパーティで両家が集まった席で、11/12才会のことを報告したとのこと。ダンナさんのお母さんからは、「素人にしては、屋根の角度を欲張り過ぎ、もう少し鈍角にしても良かったかも」とアドバイスがあり、「次回は、もっと生地も薄く焼いて重量を減らし、もう少し角度の優しい屋根にしたいと思います!あと、冬っていうか、やっぱり暑くない時期に作るほうが良いかもですね、成形段階の生地もすぐフニャフニャしちゃうし。そしたら、きっともっとベッピンさんになるはず」とみきさん。そうすれば、壊し甲斐のある家になるかもしれない。たまがお手伝いできるようになったら楽しいだろうなあと想像する。

2000年07月31日(月)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/29)

<<<前の日記  次の日記>>>