消えてゆく小さなこと


消 え て ゆ く 小 さ な こ と

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1916年11月30日(木)

一つのプロジェクトが終わりに近づく
苛立ちもあったけれど
あっけなくも感じる
もう少しゆったりと向き合えればよかった
残る悔いは次で変更するしかない


1916年11月29日(水)

ことばは
吐き出すのでなく
紡ぎたいと思う
ていねいに紡ぎたい


1916年11月28日(火)

離れたいのかそうでないのか
そんなに心残りなのか

もう別れ時ではありませんか
クサレエンというものになっていませんか

だらだらただなんとなく
表敬意識もないままに


1916年11月27日(月)

やっと言葉をみつける

言ってよいならいくらでも言えた
言わないで止めただけ

でもこれならいいよね
これならその時言えたかも

無謀 という言葉
大それた とも

それがあなた方への本音です


1916年11月26日(日)

寒い朝は気持ちが冷たくとんがって
攻撃的になっている気がする
あたたかな夜は優しさが降りてくる
だから決め事は夜にしようと思う
優しい思いで選ぼうと思う


1916年11月25日(土)

長いか短いかもわからないような
忙殺という期間があって
でも真っ暗闇のトンネルではなくて
宇宙空間のようにきらめく星が遠く点在し
外出無しの宇宙旅行のような

終わればそれは
息が詰まる期間ではなく
最後にあたたかな息をしたような

あたたかな色の小鳥が
小枝に動くのを見つめてほっとしたような

冬がしっかり始まって
枯れ葉色になり樹木が順にはだかになり
陽ざしを明るく運んでくれるのを
まぶしく感じるような

もう冬時間になっていた


1916年11月24日(金)

人々は
若者たちは
高揚を求めているのです

熱唱を心のひだに深くうけとめるのとは少し違って

元気のいいキレのいいパンチの効いたダンスに
大勢での声に

参加し共感し高揚しているのです

閉塞感から脱出したくて
天井を突き破りたくて

拳を高々と突き上げて

泣いてなんかいられない
吠えたいのです

だから彼らは応援団
彼女たちはチアリーダーだと思います


1916年11月23日(木)

ロウバイが咲き始めていた
柊もまだ咲いていた
知らぬ間に時が過ぎていた

あたたかな冬


1916年11月22日(水)

気になったもの
ずっと考えてストックしていたもの
買おうと決めて
でも最後の最後で 切った
理由をこじつけ 止めた
衝動買いになったかも知れないし
メモリアルになったかもしれない
そのまま忘れゆくかもしれない

伴って
もう終わりにしようと思う
いろいろ理由をつけて

その組み合わせはたぶん世界に一つだけ
それぞれ珍しく
なお組みとなるのは

それを誇りとすればいいよ


1916年11月21日(火)

もううんざりだ といわないで
もうじゅうぶん そういえばいい
そうおもえばいい

そう 
もうじゅうぶんです
その言葉でおわりにしよう


1916年11月20日(月)

生きてゆくというのは
共同作業


1916年11月19日(日)

封印した言葉だった
使うのに臆病になっている言葉だった
軽くは使えなくなった言葉だった


1916年11月18日(土)

省みれば
自分の信念というものだって
ずっと独断と偏見に満ちていたのだ
狭い心だった

江の言葉で そのことに気づいた

きみに
わびてすむことではないけれど


1916年11月17日(金)

コザイクハ ヤメヨウ
ドウドウト シテイヨウ
ココロオダヤカニイルタメニ


1916年11月16日(木)

指をケガした
ほんのちょっぴりだけれど
スーッと切れてゆくのがわかった

最後の最後に
少しばかり急いだかな
ふっと気が遠のいていた

この忙しくなる時に
馬鹿だったと思う
焦るな慌てるなという戒めだろうか


1916年11月15日(水)

今日の夕映え 
今日の星
今日の月を
見損なったと嘆くなかれ
いつかまた出会える
もっと素晴らしいのに


1916年11月14日(火)

最近 負の連鎖が多いように思う
きっとそれは
徳に欠けるからだ

ふと湧いた小ズルさを
また穴埋めしようとするからだ

正直であればよかったのだ

そうすれば
言葉の不足でひとを不愉快にさせることもなかった

負の連鎖を続けぬように
正直でありなさい ジブン


1916年11月13日(月)

江が終わった
千への言葉が心に響く

「前に進むのじゃ。それこそが
亡くなられた方々への何よりの供養ではないのか」

被災地の人々の心を想った
供養という言葉
前へ一歩を出せる力を

sweetな優しさはいらない
強い優しさ まっすぐな優しさは 
物事をつらぬいてゆく
つきすすんでゆく


1916年11月12日(日)

何日か前に悪夢を見た
目覚めた時悲しく辛かった
悪夢だと思った
夢でよかったと思った

でも もう忘れた
どんな夢だったのか

だからきっと悪夢ではなかったのだ
悪夢なら忘れることなど到底出来ないだろうから

悪夢でなくてよかった


1916年11月11日(土)

今なぜか
冬のように生きたいと思った
ぎゅっと固く引き締まって

春ではなく
秋でもなく

耐えるだけ
でもいつか終わると

甘さもあたたかさも
やわらかさも
清々しさも望まず

笑わぬ岩のように


1916年11月10日(金)

小刻みにふるえる松葉のずっと先に
ことさらに色濃い真っ青な空がある

何かが通れば引っ掛かりそうで
何も通らない

賑やかなイルミネーションには無頓着に
静かに新春を寿ぐことだけを
じっと待っている老松


1916年11月09日(木)

強く剪定されたシコンノボタンが
あと何の手も加えられず
自分の力で美しい形になって
見事に紫をつけている
散った花弁が鮮やかに地面を彩る
深まる秋庭のしずかな一角
この花が好きだ
高貴な感じがする
いとも潔く散り
散ってなお はっとする色艶が
ずっと続く


1916年11月08日(水)

冬の午前 東の窓は
黄金の光がカーテンを射しぬいて
室内はhappyに輝く

まばゆさに射すくめられ
加護をもとめ
ゆだねたいと思う


1916年11月07日(火)

また途切らせてしまった
あの日の午後は忙しかった
ほんとうにうっかりと

でも昨日は違う
ちゃんと座っていたのに
疲れがたまってぼんやりとしていた
気に留めず そして今日気づいた
一つの流れが途切れたこと

差し障ることではない
重圧というほどでもない
好きで続けているだけ
わだかまりを持つほどでもない
落胆も前ほどではない

新しくスタートすればいいだけのこと
何かのCMで言ってた
人生にはたくさんのスタートがあると


流れが切れる
そういうこともあるさ
肩が少し軽くなったようにも感じる
それも事実


1916年11月06日(月)

心には竜がいて私たちの経験を食べて育つ
心の中の人格という竜を
大きく強く育ててください

子どもたちへ
そんな励ましをおくった訪問者は
いただろうか

こどもたちがその言葉を
ずっと胸に抱き続けてくれたらいいなと思った


通り一遍の挨拶を並べただけで
次の訪問先へと急ぐ政治家さんたちには
心から伝えたいメッセージなどなかったろうから


1916年11月05日(日)

冬の陽ざしのなかで
空気がとまっているような気がして
息をとめた
見上げると雲ひとつない空
湿り気を帯びた黒い土に
コスミレの薄紫
野いちごも小さな実をつけている
なんだか嬉しそうに見えた

寄って来るきみの背中は
砂をつけてあたたかい
どこで寝そべっていたの
鼻面をなでるとあたたかな息がかかった


1916年11月04日(土)

基本的に子育ての責任は親にあると思う
産むのは親だから
産んだのは親だから

国や周りは見守ることは出来ても
子どもをどう育てるかは親にあると思う
それが「親」というものだ

頑張っている親たちが苦難にあるとき
まわりは手をさしのべるでしょう
でも最初からまわりの手をあてにしている親は
ほとんどろくな子育てをしない

あてにするというのは頼っていることで
自分達の努力が足りないと思う
心構えが足りないと思う

子育ての基本は
ひとに迷惑をかけず
自立できるようにすることだと思う

あてにしたり頼ったりするのは
自立の意識がたりないからで
それは結局 不都合はみな周りのせいにする人間になる
周りが悪い社会が悪い という人間
親がそうだと子もそれを見て育つ
そういう考え方を伝授してゆく

その子の親の考え方は
いったい何代伝授されてきたのだろう
あわれだと思う

子どもが悪い連鎖から保護されるシステムが
まだまだできていない
親を正す以前に子どもの命の問題なのに
子どもの将来の問題なのに

社会が子どもを育てるという仕組みを
躍起になって作ろうとする以前に
子育ての責任は親にあると
もっとはっきりさせるほうが大切と思う
子どもの不始末は親の責任だと思う

子育てを社会にまかせて
親はいったい何をするというのだ
富国強兵じゃあるまいし

親業は親にしかできないと思う
社会が出来るのは親業ではない


1916年11月03日(金)

気づかずにいた
柊が咲き始めていた
白く零れて

はじけてパフになった
玄米茶の米を思った


1916年11月02日(木)

天からのパンを
きみはまさしく口にした
その言葉に出会う直前に


1916年11月01日(水)

誰かの作業をさせられるのは
腹が立つのに

それをしておかないと
ある人が困ることになると思うと
その人のために頑張ってしまう

同じ作業でも気持ちが全然違う
次からはその人のためにさっさとすることにした
その方が嬉しい気持ち




天窓より          


−ともすれば消えそうになる自分を見失わぬよう−       

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− ささやかに −          

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日付は通し番号として記しています         


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