消えてゆく小さなこと


消 え て ゆ く 小 さ な こ と

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1913年09月30日(火)

結局のところ
すんでしまったキャンペーンといっしょ

残ったのは
捨てるしかないものだ


1913年09月29日(月)

あっという間に大雨になった
すごい勢い
雲の速さに驚く

人もたまには
これくらいの勢いと速さをもたねばね
何もかも投げ飛ばすほどの

時とともに流れゆくのを待つだけではね


1913年09月28日(日)

その嘘には毎度あきれる
あんなに大騒ぎして
その裏きっちり優雅におでかけ
周りを振り回すことが自分の存在確認?
けろけろけっけ 
アナタのことよ


1913年09月27日(土)

今日 あなたを見かけました
ほっとした
仕草の優しさに安心した
私も優しくなった気がした


1913年09月26日(金)

訪れは あしおと
去れば あしあと

でもわたしは
足音を忍ばせてそっと
あしあとをつけずにそっと
森のやわらかな苔をふむように
彷徨いたい


1913年09月25日(木)

忙しくて
思い切り季節の中を歩けなかった
もう夏になってしまった

こんな調子で秋になるのだろうか

ケッチャク ツケタイネ

そして美しく生きようね


1913年09月24日(水)

百合の香りを軽くする薬品ができたそう
花屋で水に少しいれておくと
花が開いても香りがしないとか

それって 百合なのか

百合の香りが好きだから
香りのために百合を買う
カサブランカだってふんぱつする
白百合も好き

それが
香りが無いならば
デカい造花と変わらないよ

花の香りの流れてこない花屋って
楽しいのか

むせぶほどに強い百合の香りは
邪魔なのだろうか


1913年09月23日(火)

有頂天になるのを怖れるのは
あとの落胆が怖いから
だから静かにしている


1913年09月22日(月)

雨なので
ちいさな音は聞こえない
何の音もしない

全てを抑え込んで
強く降っている

静かにしていると
雨の気配すら消えて

自分がひとりだとわかる

本当は出かけねばならぬのか
ずっと思案している
話すことがないのです


1913年09月21日(日)

その会へは出掛けません
そう伝えるべきかもしれない
でもそのこと自体おかしい気もする
自由参加のはずだ
招待も案内もない
断りを入れること自体変だ
きっと言うだろうね
そんなこと別に何も考えて無かったよ と

だからやっぱり無理はしない
行かない


1913年09月20日(土)

庭の花が皆同じ色に咲いている
ほとんどが ふじいろ
他の呼び名がわからない

うすむらさき というのでもない
ブルーでもなく パープルでもなく
ラベンダーでもない
もちろん ピンクでもない

華やかより少し落ち着いて
でもクールではなく 甘さ控えめ

この時季の好きな色

ふじいろ としか呼べない


1913年09月19日(金)

少し前 どこかのショップで
音風景を募集していた
参加するつもりだったけれど
いつのまにか時が流れてしまった

私が登録したかったのは
清流で初めてカヌーしたときの
自分の真下を流れてゆく水音

そのときカヌーは木の葉だと思った
わたしは木の葉に座っている
わたしは水に座っている
そう感じた
おしりにひたひたと流れを感じるようなカンカク

あのこぽこぽという小さな清んだ水音が
ずっと耳に残っている


1913年09月18日(木)

夕刻に星を一つ見かけた
眼を凝らしてじっと見た
他に無いか眼を凝らした
徐々に小さなかすかな光も見えてきた
あちこちにいくつか見つけた
でも形を成さず 星座も星の名も判別できなかった
空がまだ明るい

久しく星を見ていなかったので
ふと時間が止まっているような気がした


1913年09月17日(水)

タイムリミットがありますね
でも無視します
重篤な状態ですから

楽しい催しごとどころではないのです


1913年09月16日(火)

ふと思い出した

むかしむかし

いつも楽しそうにしているね

そう言われたこと


それが誰に言われたのか
そのときのそのひとを
思い出せないでいる
彼はだれだったのだろう

今の自分は
そんな自分を
思い浮かべることができない


1913年09月15日(月)

君は右利きでなくなった
ピンチの向きで
カップの置き方で
そうとわかる

そのことがかなしい


1913年09月14日(日)

極めたと
大物になったと
あなたがそう自負するのなら
それまでのこと
応援おわりです

あなたを応援してきたのは
有名人の知人になりたかったからではないので


1913年09月13日(土)

取り立てて案内はない
あんなに前宣伝は大きかったのに
タカをくくっているのか
天狗になったのか

人の流れではなく
礼儀の問題だと思うけれど

あなたにとって
立派な会だというなら
なおのこと

ナレアイは厭なんで


1913年09月12日(金)

いそいそ出掛けると思っておいでですか?
連絡もなく?案内状もなくて?

心得違いしないでくださいね
私にはどっちでもいいことなのです


1913年09月11日(木)

優しいという言葉
人にやさしいとか 
地球にやさしいとか
やさしい女の子に育ってほしいとか
優しさは強さとか

でも最近
優しさ という言葉にピンとこない
あまりに漠然とした誤魔化しにしか聞こえない
優しくするって どういうこと?
大人になって 
それも中途半端なまだ悟れぬ大人で
余計わからなくなった
きっと小さい人たちの方がたくさん答えてくれると思う

それより おだやか という方が
真な気がする

人は優しいだけで生きてゆけない
色んな感情があるから
それを抑えて優しくだけなど
胡散臭い嘘だ仮面でしかない
そう思ってしまう

でも
おだやかに というコントロールは
どんな時にもできる
人の心の穏やかさが
優しさにも寛大さにも強さにもなると思う

子どもには難しい言葉だと思うけれど
大人になら伝わるはず

穏やかさが平和や幸せにつながると思う

どんな時も穏やかでいたい


1913年09月10日(水)

タイサンボクの花が咲き始めた
古い大木なので下からなかなか見つけられない
香りに気付くか落ちた花びらに気付くか
二階の窓から見える時もある

たまたま外側の届きそうな場所に一輪
大きな蕾を見つけたので待っていた
開き始めた昨日 高枝バサミで枝ごと切った
重くマグノリア系の白
象牙のよう
まだあまり香りがしていなくて
水に挿しておいた

今日 花は少し無残になったけれど
しっかり香りを開いている
ああこれがタイサンボクだ という香り

最近クチナシが香りだしているけれど
やっぱり別物
重さが違う


1913年09月09日(火)

小さな血の跡に
白い絆創膏
ただそれだけのことだ
それで世界は変わるのだろうか


1913年09月08日(月)

一つ確かめたかった
ただ知りたかった
共通項が在るのか
その理由を


1913年09月07日(日)

息をのむ美しい光景に出逢い
生涯心に残っている
それが日々日常の景ならば
本当に幸せなことだ
幼き日であればあるほど
その人の心をずっと
温かく豊かにしてくれると思う

新聞の投稿欄に
年配の人が蛍の景への想いを寄せていた
幼き頃遊んだ川面一面の光の帯
どんなにきれいなんだろう
美しいという言葉は大人が使う
子どもにとっては きれい 一言だと思う
その場所はもう昔にダムとなって消えた
でも子どもたちの心にずっと輝いている
ふるさとのあたたかさとなって
それは人が生きる力の元になる

街に暮らし 
ふるさとと呼べるものをもたないけれど
自分の心を満たす景を持つならば
それはふるさとになる
心のふるさとは生きてゆく支えだ

私は稜線の向こうに消える夕日が好きだ
その後の茜色の空が好きだ
父の大きな温かい手と重なる


1913年09月06日(土)

ねこっかぶりなんだよ
それも
雨にふるえる野良子猫 みたいな
situation を好んで

でもほんとは大虎なんだよ
大きな爪を握り締めている

自分の真の姿で向き合わねば
人の心と触れ合えぬのに
いつになれば気付くの?

あなたは人を羨むけれど
さぁどうでしょうか
ほんとはあなたが仕掛けてませんか
人があなたを羨むように

ひとは健気さを愛おしいと思うけれど
偽装なら吐き捨てられると
いつ気付くの?

あなたの舞台は自分で酔うほどそんなに上手じゃないと
早く気付いたほうがいいよ


1913年09月05日(金)

一つの確証
薬は自分に使うものだ
抗議しようと思う
周りに迷惑を振りまくな


1913年09月04日(木)

うす紅色の合歓の花が復活した
穏やかな甘さでゆれている
ほっとする
許せる と思う
耐えられる と思う


1913年09月03日(水)

今朝目覚めた時
貴女の姿を探した
暫く見ない気がした
どこに居るのだろう
どこか旅に出ていたっけ
昨日は何をしていただろう
そう思って貴女のことを考えて
最早一緒に暮らしていないことを思い出した
そこでやっと目覚めた
不思議な夢だった
夢の中で私は子どもに返っていたのだろうか


1913年09月02日(火)

その色は幽玄
その色は悠久
その色は夢

その紫陽花は
何時からこの庭にあるのだろう
父が植えたのだろうか
渦を巻くほのかなその色は
この土に育った色だろう
他所でその色を見たことが無い


1913年09月01日(月)

勝ち組負け組成功者・・というけれど
人生最後までわからないではないか
案外たのしかった と思えればそれでいい
それがしあわせ

たのしく生きる人がしあわせ
たのしいコトをするというのでなく
楽しむ ということだと思う
楽しめる人になることだと思う
憂いてばかりでは 始まらぬのだ
大嵐だって面白い
そう思えればいいのだ

それはそれでよかったと
そう思えればいい




天窓より          


−ともすれば消えそうになる自分を見失わぬよう−       

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− ささやかに −          

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日付は通し番号として記しています         


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