消えてゆく小さなこと


消 え て ゆ く 小 さ な こ と

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1913年04月30日(水)


おじいさんのキスは一度きりの魔法


1913年04月29日(火)

終焉のとき
夕刻のテラスに立って
なだらかに広がる畑を見下ろして
しずかな夜ねと私がつぶやき
きれいな夜だと応じてくれるひと
そんな言葉を持っているひとと
一緒にいたい

私たちの畑 
こんなに大きくしましたね
いろいろ育てましたね
あなたと一緒で楽しかった
そう言ってあなたに寄りかかったまま
深い深い永遠の眠りにつきたい
あなたはじっとそのままいてくれる
そしてドクターに電話してくれるでしょう
そんなひとと一緒に生きたい


1913年04月28日(月)

まろやかな夜だ
静かな闇だ
やわらかに瞼をとじる
世界を愛しく思える
素直に自分の持てる力を差し出そうと思う

カッと見開いて見るのでなく
潤んだ眼で世界を見た方が
平和な気がする

只横たわる夜でなく
眠りにつく夜へ
安らぎがしあわせだとわかる


1913年04月27日(日)

君に会ったのは夢の中だったから
君と思ったけれど
君ではなかったかもしれない
顔は見えなかったのだから
おはようと声かけさえすればよかったのに
どうしてできなかったんだろう
道向こう傘のまますれ違った


1913年04月26日(土)

途切れたのはきっと
すべてから縁を切る
そういう天の声だと思う


1913年04月25日(金)

大きなバッグを肩にてくてく歩いて
岩場を下りて砂地の湾に
薄灰色のイルカの群れと鯨と
ピンクのペリカンたちが飛び
砂地にカラフルなカナリアたちが歩く
不思議な場所へ遠足だった
キミタチは双子の水泳選手?
キミは財閥御曹司くん?


1913年04月24日(木)

君に二度会ったね
声をかければよかった


1913年04月23日(水)

いろいろなことが途切れて
生きているだけが不思議で
闇の中で夢の中でいろいろなことを見て
目覚めた世界に身体は柔らかく
いのちとは かくあるものかと思う

いのちはやわらかいものだ
生きているのはやわらかいことだ


1913年04月22日(火)

ずるいひとはきらいです
画策する人は嫌いです
正直に真っ直ぐに
人に頭を下げればいいのです


1913年04月21日(月)

ぽにょなんだよね
けらけら笑って


1913年04月20日(日)

わかりました
ぺこりとお辞儀して
楽しげに笑って
なんと愉快なひとだろう


1913年04月19日(土)

おやおや不思議なカンカクですね
どうしても出てきちゃう人ですね
出合ってしまうのですね

何とか自分を位置づけしたいひと
自分のコトバを位置づけしたいひと

多分そのコトバを押し付けて
そこへ置いてくるだけの人

置かれたコトバはそれきりで
転がってゆかない
得意顔で重石のように居座って


1913年04月18日(金)

部屋の水仙が香る
ふっと香るとき
やさしく肩に手を置かれたような
気持ちになる
慰めと励ましの手


1913年04月17日(木)

突然で戸惑ったけれど
変わらぬ笑顔だった
流れ星を見たように
いつまでも爽やかな気持ち
だんだん懐かしい気持ち
和らいでゆく気持ち
ありがとう


1913年04月16日(水)

ウッドビーズ 貝釦 パール
優しいボタンだけ残して
たくさんの抜け殻が落ちていった


1913年04月15日(火)

本当はどんな話をしたかったのでしょう
相変わらずの突然に何の言葉も出ませんでした
面倒と思ったけれどアリガトウ

いつか別の地に引っ越したいと思うのです
新しい小さな家に


1913年04月14日(月)

木蓮が固い殻を脱ぎだした
蕾は少し小振りだけれど
咲いてくれれば嬉しい
来年はもっと大きな蕾になるよう
世話しよう

水仙を切ってきた
日本水仙
この季節のクイーンだと思う
光りの中に輝いている

昨日は屋根がうっすら雪化粧したのに
今日はすこぶる春に向かう陽ざし
希望がちらりと覗く陽ざし
がんばろうね 前を向こう


1913年04月13日(日)

ただの ひと になってしまった

純粋な戸惑いにはかなわない


1913年04月12日(土)

集め過ぎたよ
死を覚悟するなら
捨ててよいものばかりだ


1913年04月11日(金)

強い決意です
はっきりと決まった
君を支える
前だけ見る
君とともに
笑顔を思い出して


1913年04月10日(木)

もう一度
みんなで和やかにやってゆこうよ
スタートにしよう
悪いことばかり考えずに

ロケットが飛び立った
まぶしい光


1913年04月09日(水)

ああやってこうやって
離れたくて断ちたくて
それでも離れられなくて
ああやってこうやって
それでも絶てないね


1913年04月08日(火)

捨てる捨てる捨て続ける
そういうダイエット

重石となるものを順次捨てて
大切にしたいものだけ残す
選ぶというダイエット

作業の効率が上がるにつれ
自分の気持ちが見えてくる


1913年04月07日(月)

窓際の本棚を整理していた
手にした一通の古い手紙
ひんやりとした冷たさに驚いた


1913年04月06日(日)

貴方は人に言葉を発信していたのですね

自分の確かめと思っていました

私は自分の記録です


1913年04月05日(土)

未来というもの
夢というもの
可能性というもの
考えてほしい
健康であるあなた方は
手に入れることが出来るでしょう

でもどうしたって手に入らないものがある人だっているんだよ

選り好みできる時ではないでしょう?


1913年04月04日(金)

苦難を乗り切る
困難を乗り越える
そう言うよね

つまりは
最初はまず
漕ぎ出さなくちゃいけない
登らなきゃいけない ってこと

でなければ耐えるしかない
当たり前のことだ

嵐が過ぎるのは待つしかないけど

さて
がんばって
乗り越えようではないか

つまり最初は 登り だよ

登れ登れ頑張れよ
遥かに見下ろす景色を期待して


1913年04月03日(木)

やはり出ましたね
本性を出したひと
それがあなたの本質
求めるばかり待つばかり
自分をギセイにはしないひと
そのことに満足しないひと
めそめそよりブチ切レ
それがあなたの本性
ただあなたは
自分の本質の荒々しさを分かっていない
それが人を遠ざけることも


1913年04月02日(水)

悲しいよ 君の手を見て
不安ばかり大きくなる
全力と言ったのに
私は何もしていない
君の未来の不安にくらべれば
私の残すものなど何もなくていい
無くなっていい
全部捨てていい


1913年04月01日(火)

貴女にメールを書きました
真剣にすらすら書けました

思うこと過不足なく書きました
しっかり伝えました

まっすぐ届け




天窓より          


−ともすれば消えそうになる自分を見失わぬよう−       

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− ささやかに −          

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日付は通し番号として記しています         


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