消えてゆく小さなこと


消 え て ゆ く 小 さ な こ と

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1911年02月28日(火)

買い付けとか仕入れとか
そういう言葉に特殊な意味を込める人々がいて
そこに感じるのは優越感にも似たある種の気負い

消費だけの末端者でなく
売るという行為を操れる自負をもって
その自由を楽しめる役得を幸いとして


1911年02月27日(月)

なだらかにゆるやかに
ちいさなやまのかたちして
ただうねうねとひたひたと
ゆれてはもどるこなみのように
こいけのなかのこなみのように

ながれすぎゆくせせらぎでなく
あわときえゆくはまでもなく

あなたをとりまくやわらかなおと
はばもたかさもかわらぬことば


1911年02月26日(日)

五月の風は
遺影のもとに
春はそよかぜ
手袋のレディー


1911年02月25日(土)

買おうと思っている本がある
手編みの本とビーズの本
可愛い小物がのっている
新しい本
あす頼もうと思っている
そして届けばせっせと作ろうと思っている
できたものをどうするのかは考えないで
ただ作りたいのです


1911年02月24日(金)

大きなイベントを終え
一区切りつく
春だ春だ春を待つだけだ
全く軽い気持ちになって
仕事たくさん引き受けますよ
今のうちに頑張れますよ
何だってできそうですよ
庭中 ひっくり返したい気分です
かなりの遠出もできそうな気分です
海も渡って大きな橋も渡って
峠もこえて山の向こう側へもいけそうな
そんな軽やかな気分です


1911年02月23日(木)

それは毎日 
七五三のようで 成人式のようで
お見合いのようで

人形に着せたファーにも見える

息を止めた一瞬の花


1911年02月22日(水)

如月という音は
キラキラと透明で
冷たいけれど明るくて
まばゆくて
でもどこかあったかい

月を見なくても
星を見なくても
そこまで春が来ているとわかる


1911年02月21日(火)

日ざしが明るくなってきて
あちこちピッカピカに掃除したくなる
タイルや鏡や棚の上

こうやって
春を迎える気持ちが増してくるんだね

梅の便りを待っている
いつ春のセーターを出そうか考えている
引き出しに入れるだけできっと嬉しくなる

春の翼がヴェールを脱いだ
きっと美しい春の夕陽に映えると想う


1911年02月20日(月)

粋に 洒落て 人目を引いて
そんな言葉を君は選ぶ
真っ赤なバーゲンポップは使わない
絶対にいつもすました言葉をとる

でも語り口に見え見えだと
どこか宇宙的
君の体温を感じない
こころのぬくもりを感じない
冷徹にパズルのように言葉を動かすだけ
それが耐えられない


1911年02月19日(日)

夢ばかり いくつ買ったのだ
いくつ捨てねばならぬのだ
買い求めただけの夢を
捨てる作業を始める季節

少し賢くなって
身軽く生きてゆこうね

生きるに必要なものだけを
生きるに大切なものだけを
選べる心をもって

いつでも羽ばたける身軽さで


1911年02月18日(土)

マーケットの入り口すぐの花売り場で
仕事帰りらしきコート姿の年配男性が
きれいな色の切花を選んでいる
一つ決めて取り出し
にっこりと眺めてから歩き出した

入ってすぐその花色が目にとまったのでしょうね
まず最初に買わずにいられなかったのでしょうね
ホットピンクな小さなカーネーションの束
花売り場で一番輝いていた
今入荷したてのように元気そうだった

自分用にか誰かのためにか
ピンクの小さな花束をかごに入れて
照れなどなくて うきうきしていて
本当の花好きなんだね
素敵だった


1911年02月17日(金)

待って待って待って
それでもどうにもならないから
しかたない

諦められなくて
やっぱり待つ

どれだけ繰り返せばいいんだろう
いつまで待てば諦められるだろう

雪が降ればいいんだ
閉ざしてしまえばいいんだ
夢をもてぬほどに
氷のように固く閉ざして
息すら出来ぬほど意識も果てるほど

それでも届かぬから
しかたない
待つしかない
ばかだね


1911年02月16日(木)

自分の都合のよいように巧くコトを運ばせて
後で礼を言えばそれで済むと思っているらしい

礼さえ言えばよいわけではない
依頼と礼を全うしてこそオトナ

先にキチンと頭を下げて
頼むことの出来るのがオトナだと思う

礼より依頼の方がはるかに難しいのだから


1911年02月15日(水)

あったらいいなをカタチにする

創造と革新の報酬が利潤
新しいもの、変化を求めなければ、
何も得られない
           (小林一雅さん)


1911年02月14日(火)

なぜか突然

燃え立つ朝焼けのように
窓が薔薇色に輝いて

それは不思議な光景で
いつ崩れるとも知れぬ不安の中で


1911年02月13日(月)

自分の悪かったことを思い起こしていると
腹を立てていた自分が小さく低く思えて
悲しくなってくる

だんだん落ち着いて
人はみな同じなんだと
自分だって同じなんだと
偉そうに思うレベルにないと思うと

優しくできそうな気持ちになってくる


1911年02月12日(日)

通り抜けられる隧道ではなく
小さな入り口にいくつも錠
なんと面倒な世界
誰をも寄せ付けぬ鍵をいくつも
自分で扱えぬほどに

開かぬ錠を下げたまま
すでに野晒しと果てたものたち


1911年02月11日(土)

この試みは エンギ悪いかも
やめようかな
最初からこれじゃ気分悪い
手続き変更しようと思う


1911年02月10日(金)

新しい道 少しずつ広がってきてるんですね
よかったですね
そこに自分の居場所少しずつ見つけようとしてるんですね
もうそんなに何度も投げ出すわけにいかないから
カッコつけて生きようとしても
生きるってそういうふうにはいかないから

でもやっぱり
カッコつけてない?

それとも 
そうしてないと モタナイのかなぁ


1911年02月09日(木)

ころもを替えて
愉しもう
見方をかえて
歩いてみよう


1911年02月08日(水)

哀しいのは
気持ちが届かないからでなく
届けたい気持ちがないことが
動かずじっとしている心が


しんとする


1911年02月07日(火)

募りすぎるとだめ
思い入れが強すぎると抜けられなくなる
走りすぎると面倒になる
進路変更できなくなる
キケン回避できなくなる

でも親切にされるとどうにもね
大切にしますせっかくだから
ずっと持つものですから
そのたびに思うものですから
いろいろ重ねて思うことにします
ありがとうございました


1911年02月06日(月)

思うのです
どこかを閉じればどこかが開く
どこかを開けばどこかがふさぐ
こころの流れは留められないのでしょうね
君も


1911年02月05日(日)

びっくりしたり とまどったり
お久しぶりです
場の和やかさが伝わってくる
ありがとう覚えていてくれて


1911年02月04日(土)

品物と一緒に届いた小冊子
会社PRとお客様広場みたいな感じの

社長さんの新年の抱負に
社長の器の必須3項目
1、素直である 2、いやしくない 3、夢を語る とある 

いい言葉だなと思う
誰であろうと同じだ
私もそうありたいと思う


1911年02月03日(金)

また天窓からのぞいています
明るい光に気持ちを解かれて

それをあなたに伝えたくて
ささやかなことだけれど
ありがとう

ひそやかな猫の足音のあたたかさを
思うのです


1911年02月02日(木)

セッカチがきらい
私はせっかちではない
先に行きたい人は行かせる方で
お先にどうぞ です
人をせかさず待つ方で
そのうちにしてくれると思って
とくに気に留めず待っている

だから自分のことは進まないけれど
催促をする気はしなくて
待っている


1911年02月01日(水)

外は陽光とぼたん雪が
時おり入れ替わる

春が近づいていると感じる

梅を見に行きたいな

去年は 少し早くて
花も香りも少なかった

明るい中で梅の香りに浸りたい

それより水仙という手もある

庭の水仙も梅もまだまだ




天窓より          


−ともすれば消えそうになる自分を見失わぬよう−       

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− ささやかに −          

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日付は通し番号として記しています         


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