消えてゆく小さなこと


消 え て ゆ く 小 さ な こ と

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1910年11月30日(水)

柊がすこしほころびて香りを放つ
その白さと ころりとした重みで
大切な日として記すことを思いつかせる

艶やかな葉のもとで
陽をしっかり浴びて
無口をやめたらしい
いそいそと 
にぎやかにしている


1910年11月29日(火)

君のその姿勢は
まとわりつく記憶を消そうとしているのか
消えた記憶を呼び覚まそうとしているのか

ただ想いをかえて
スタートしたに過ぎぬのに


1910年11月28日(月)

その文化に通じてるふうな口をきく人
なんかヘンだよ
だからって何かあなたのポイントが上がるわけ?
まったく世代が違うでしょう?
あなたの魅力には ならないと思う

オトナはオトナであるべきです
美しい大人であるべきです
健康で若い魂をもつべきです


1910年11月27日(日)

言葉は人をつなぐだろう
心を重ねるだろう
ときに全てを絶つだろう

時の空白は
碧い海 青い空 白い風をつなぎ 
そして夜の闇になるだろう


1910年11月26日(土)

気の緩みで
加わろうとしたけれど
流れは 違う世界のようだ
ざらつく砂粒になるだけだ

傷跡を残さぬように
接点はゼロでいい

君のこと
柊が浮かんだけれど
箱にはサソリがいた

見届けたので
落ち着くだろう
何もかわらぬまま


1910年11月25日(金)

今年は咲かないと思っていた柊
ふと香りを感じて探すと
二つ三つ花があった
こんな小さな塊で
香りを放っているんだね
強い花だと思う
来年はたくさん花をつけてね
きっと待っているから
きみが好きなんだ


1910年11月24日(木)

ヤリトゲルゾ 
ヤリトゲルゾ
キョウハ ソレバカリ
ジュモンシテイル


1910年11月23日(水)

たぶん
あなたのその頑固さが
何もかもを妨げている

自分を護る最後の砦 なんて思って
自分を壊されたくない なんて思って

自分で自分を石にしているだけだ
花の香りも風のやわらかさも忘れて

ダカラ ナオリッコナイヨ 
イツマデモ アナタハ


1910年11月22日(火)

喧嘩を吹っかけているのではない
それははそちらの出方次第
ただモヤモヤする
次はどう出るつもりなの


1910年11月21日(月)

君に効く薬は無いと思う
飲もうとしないから

君の薬は効かないと思う
捨てようとしないけれど

君は治らないだろう
その世界を出たいと思っていないなら


1910年11月20日(日)

湯船に身を沈め
湯をすくってみる

両手で泉の水をすくうように
岩間から滴る清水を受けるように

そんなふうに生きればよいのだ

大切なものを受け取る生き方で
しっかりこぼさぬように

そして手から手へという
リレーもある

そう思う


1910年11月19日(土)

大きなウイングがそそり立ってゆく
雄大だ
空の景色が変わった
街が変わる
わたしも変われるような気がする
毎日 見上げている


1910年11月18日(金)

なぜだろう
この時期になると
蜂蜜がマイブームになる

色んな花の蜂蜜を
試してみたくなる

去年はオセアニアの花でした
濃かった 
蜜というよりバターみたいだった

今年は国産樹の花にシフト
実を小鳥がついばむらしい
山っぽい香りがするんだろうね
届くのが待ち遠しい


1910年11月17日(木)

自分で振り切ったことだもの 
これでいいんだ そう思おう

あちこち新しい工事が始まって
街は変わってゆく
違う気持ちで眺めるだろう

人生なんて
自分の気持ちと関係なく
変わってゆくのだろう


1910年11月16日(水)

君はひょうきん
きみはゆかい
きみはオリジナル


1910年11月15日(火)

虹が好きだ と思い出せたから

ひとそれぞれに違うのだと

私の虹は
私だけの虹 そう思えたから

あなたのにじとは別のもの
あなたのゆめとは別のもの

I'm dreaming of a white Christmas
そばにいてほしい
初めて言葉交わした夜を
忘れないでいてね

I'm dreaming of a white Christmas
世界中の夢
あなたの夢も 私の・・
夢も 光の中

メロディーに気持ちをのせたのは何年も前なのに
この時期ふと口をついて出てくる

しみじみとわかる
虹も夢もひとそれぞれにある
持つのは自由 
壊す権利は誰にもない


でもなぜ 虹という字は
虫がつくのでしょう

*調べると 虫は蛇で龍 工は貫く らしい


1910年11月14日(月)

白いひとになろう
白いひとでいよう
ずっと


1910年11月13日(日)

時の流れを止めて
鎮めることができたから
やはらかに足跡をおろす
苔むした森に
積もった落ち葉に
朽ちた葉に
そっとおろす

誰の邪魔もしない小さな足音を
嬉しく感じながら月明かりを聴く

ねぇ もう大丈夫
こんなににっこりできるから
森を歩いて 
こんなに嬉しくなってくるから

たくさん出逢って
たくさん見つけて
立ち止まって話してきたから

明日はどんぐりを
みつけましょう


1910年11月12日(土)

ひとのために 働こう 
そう思う

自分の何かの目的で働くのでなく
誰かのために働く

そういう働きをしようと思う

ただせっせと
労働しようと思う


1910年11月11日(金)

煙に巻く作法なのかどうだか
サービス精神なのかどうだか
わからないけれど
胡散臭いよね?
事実としたら 
怖いよね?


1910年11月10日(木)

素直というのは
相手のよさを認める ということだ
それがなければ 妬みや嫉みになる
落ちてゆくのは己だ


1910年11月09日(水)

落ちるだけ落ちてから浮上すればいいか と
そんな風に考えてた 
何でもトコトン派だし
浮上するパワーもきっとある 
つもりだった
でも MASAKO道まっしぐらみたいな

いけませんね
目標を見失ってはいけませんね
定めなくてはいけません
自制心が必要です
脱出しましょう キケンな道から


1910年11月08日(火)

ギンコさんのファンというのではない
love でも 敬愛でも崇拝でもない
作家のファンというのでもない
アニメも映画も知らない
ただ原作の世界に惹き込まれた と書いた

ゆっくり考えてみると
ギンコのあとについて
淡々とその世界を旅して

多分私は実在の世界として感じて
実在の人として感じて
私もそこにいて

友のような 同士のような
そういうカンカクだった
同じに旅するものだった

私は旅を終え 自分のねぐらに戻る
彼は旅を続ける
ひととき旅の道連れだったような
そんなカンカク

ただ 初めての世界を教えてくれた
八百万の神の国だもの
ふつうに私は信じる

古より さわりやたたりや
そんなものごろごろ在る国だもの
不可思議なことを引き起こす何か小さなものがいても
その存在を信じる人がいても
普通に受け容れることができる
森の妖精を信じるのと何ら変わらない と思う 

ただ ギンコは 卒業しました
並んだ本 もう開くことはないように思う
心の奥深くに沈めた
ヌシの棲む静かな沼のようだ


1910年11月07日(月)

岐路を見つけた
見つけられずにいたのに
漸く辿り着いた

周りに振り回されていた
自分をしっかり掴もうとして
見失っていた
意識を失うようにただ朦朧としていた

やっと見つけた貴重な道
ゆっくり進もうね
自分を見よう 自分の中を見よう
そこからはじまる


1910年11月06日(日)

あたたかなものに ふれたくなって
毛糸玉をたくさん買ってきた
モチーフを編んだり
小物をつくったり
一心に何か手作業に没頭したい


1910年11月05日(土)

そのひとの出したトラブルを
自然に受け止めて
穏やかに対処できた
自分の根底のやわらかいものを
思い出した
だから嬉しい
そのひとに
感謝すらできる


1910年11月04日(金)

とっさの行動に
ひとの人間性が出る

緊急時の人への対応に
自分の本質の穏やかさを見た
根底にある善良なものを見た

よかった
拠り所を取り戻した気がする
安らぎを得た

近頃ずっと
良くない感情に支配されて
自分の根底に疑いを持って
苦しかったから

指針として大切なものを
そっと両掌で包んだ

卵を抱くように


1910年11月03日(木)

あと一日
待ってみて
それで結審しよう

しばしの流れを止めて
風を番する旅人もいい

森の空気を
覚えてますか

海の風より
森の風が好きだった

湖面を渡る風が好きだった
梢にさやぐ風が好きだった
頂に声をさらってゆく風が好きだった

思い起こせ
心の震えを思い出せ


1910年11月02日(水)

樹々が次々に色づいて
冬の空気になった

ひっそり
ひとりを噛みしめて

心のうちをあたたかくして
春の兆しを楽しみにして

蓄えていようよ


1910年11月01日(火)

自分で傷ついたのだ
良くない感情で

気取る人が嫌だった
それだけのことだ

瘡蓋になればそれでいい
よい経験だったと

感情の道をそれずに
ゆったりすればいい

自分の道を歩けばいい
それだけのことだ




天窓より          


−ともすれば消えそうになる自分を見失わぬよう−       

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− ささやかに −          

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日付は通し番号として記しています         


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